JP2006324378A - 多層プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】層間接続に導電性ペーストを用いる多層プリント配線板において、非貫通層間接続穴と貫通層間接続穴の位置ズレが極めて少ない製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】導電パターン11,12を持つ4層の銅張積層板の所望の位置を原点として、層間絶縁用接着シートに導電性ペーストを充填した貫通穴加工時の位置補正確認用インナーバイアホール20,21の近傍に位置確認用貫通穴24,25の加工を行い、この位置補正確認用貫通穴24,25と層間絶縁用接着シート16に導電性ペーストを充填した貫通穴加工時の位置補正確認用インナーバイアホール20,21の位置関係を、X線透過型位置確認機や層間絶縁用接着シート16上に張り付けた銅はくをザグリ加工した後、目視確認するなど所望の方法で確認できるようにする。
【選択図】図1
【解決手段】導電パターン11,12を持つ4層の銅張積層板の所望の位置を原点として、層間絶縁用接着シートに導電性ペーストを充填した貫通穴加工時の位置補正確認用インナーバイアホール20,21の近傍に位置確認用貫通穴24,25の加工を行い、この位置補正確認用貫通穴24,25と層間絶縁用接着シート16に導電性ペーストを充填した貫通穴加工時の位置補正確認用インナーバイアホール20,21の位置関係を、X線透過型位置確認機や層間絶縁用接着シート16上に張り付けた銅はくをザグリ加工した後、目視確認するなど所望の方法で確認できるようにする。
【選択図】図1
Description
本発明は移動体通信機器や携帯情報端末などの電子機器に広く用いられている多層プリント配線板の製造方法に関するものである。
近年、電子機器の軽薄短小化、多機能化やプリント配線板に実装される電子部品の表面実装化に伴い、多層プリント配線板においても回路構成の高密度化が要求されている。従来、多層プリント配線板の層間接続には超硬ドリルを用いたNC制御加工によって貫通穴を設け、その穴壁面に銅めっきする貫通スルーホール法により行われていたが、多層プリント配線板の高密度回路構成が要求されるにつれて、層間接続を必要とされる任意の層にのみ層間接続ができるようにインナーバイアホールを設け、その穴壁面に銅めっきしたり、インナーバイアホールに導電性ペーストを充填したりするインナーバイアホール法により層間接続を行い、回路構成の高密度化を実現している。
以下に従来の層間接続に導電性ペーストを用いた4層プリント配線板の製造方法について説明する。
図8は層間接続に導電性ペーストを用いた多層プリント配線板の構造を示す図である。図8において、1は絶縁樹脂層、2は内層導体回路、3は導電性ペーストを充填したインナーバイアホール、4は穴壁面に銅めっきを施した貫通穴、5は外層導体回路、6は貫通穴加工用マークである。
以上のように構成された層間接続に導電性ペーストを用いた多層プリント配線板について以下その製造方法について説明する。
まず、所定のサイズに切断された一般的にプリプレグと称する層間絶縁用接着シートに超硬ドリル、レーザー光、打ち抜きなど任意の方法によって必要な位置に穴加工を行い、プリプレグの穴加工部分に、導電性ペーストを充填したインナーバイアホール3を形成する。
次に導電性ペーストを充填したインナーバイアホール3を形成したプリプレグの両側に銅箔をセットし熱プレス機(図示せず)によって加圧、加熱し銅箔とプリプレグを接着し、両面銅張積層板を作製する。
次に、この両面銅張積層板の表面の銅箔を所定のエッチングレジストパターンを写真現像法などで形成し、塩化第2銅などの薬液を用いてエッチングを施し、内層導体回路2を形成する。
次に、この内層導体回路2を形成した両面銅張積層板の両外側に、超硬ドリル、レーザー光、打ち抜きなど任意の方法によって必要な位置に穴加工を行い、穴加工部分に導電性ペーストを充填したインナーバイアホール3を形成したプリプレグを、層間接続が必要な両面銅張積層板の内層導体回路2部分とプリプレグの導電性ペーストを充填したインナーバイアホール3部分を、一般にアライメント法と呼ばれる基準マークどうしの中心案分による位置合わせ方法で位置合わせを行って重ね合わせ、さらにその両外側に導体箔をセットしてカシメ、熱圧着など任意の方法で仮圧着を行ったのち熱プレス機(図示せず)によって加圧、加熱し銅箔とプリプレグと内層導体回路2を形成した両面銅張積層板を接着し、内層導体回路2を持つ4層の銅張積層板を作製する。
そして内層導体回路2を持つ4層の銅張積層板の所望の位置に、内層導体回路2で設けた貫通穴加工用マーク6の中心にX線認識穴加工機を用いて貫通穴の加工を行い、この片方を原点として超硬ドリル、レーザー光、打ち抜きなど任意の方法によって再度、貫通穴4の加工を行い、この穴壁面及び銅箔表面に銅めっきを施したのち、内層導体回路2を持つ4層の銅張積層板の表面の銅箔を所定のエッチングレジストパターンを写真現像法などで形成し、塩化第2銅などの薬液を用いてエッチングを施し、外層導体回路5を形成する。
そして電子部品の取付け時にはんだ付けが不要な部分にはんだソルダーレジストを形成後、ルータや金型、超硬ドリル、レーザーなど任意の方法によって必要な外形形状に加工し、層間接続に導電ペーストを用いた4層の多層プリント配線板を完成する。
ここでは説明のため、層間接続に導電ペーストを用いた多層プリント配線板の構造を4層としたが、6層以上の場合はプリプレグの接着から内層導体回路2の形成までを必要回繰り返せばよいことは言うまでもない。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2000−013023号公報
しかしながら上記の従来の方法では、貫通穴加工用マーク6を基準にして加工する貫通穴加工基準穴と、超硬ドリル、レーザー光、打ち抜きなど任意の方法によって必要な位置に穴加工を行い、穴加工部分に導電性ペーストを充填したインナーバイアホール3を形成したプリプレグの位置原点の基準が異なるため、貫通孔4を加工する際に貫通穴4と導電性ペーストを充填したインナーバイアホール3の位置にズレが発生し、外層導体回路5と導電性ペーストを充填したインナーバイアホール3と貫通穴4の位置が合致しにくく、相互の位置合わせが困難であるため多層プリント配線板の製造工程の歩留りや生産性を著しく悪化させるという問題点を有していた。
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、導電性ペーストを充填したインナーバイアホールと貫通穴の加工基準穴の位置原点が同じであり、更に導電性ペーストを充填した位置補正確認用インナーバイアホールを確認しながら貫通穴の加工の際に位置補正が可能である多層プリント配線板を実現し、かつ多層プリント配線板の製造工程の歩留りや生産性を向上させる多層プリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
この問題を解決するために本発明の多層プリント配線板の製造方法は、ガラス不織布に熱硬化性樹脂を含浸し、半硬化したものに層間接続用のインナーバイアホールと位置補正確認用インナーバイアホールを設け、これらに導電性ペーストを充填し層間絶縁用接着シートを形成する工程と、導電性ペーストを充填したインナーバイアホールを有する絶縁基板の両面に導電箔を積層し熱圧着した後その両面の導電箔を回路形成して両面に導体パターンを設けて内層材を形成する工程と、前記内層材と層間絶縁用接着シートを交互に複数枚積層し最外層に銅箔を積層し熱圧着して銅張積層板を形成する工程と、前記銅張積層板の所定の位置に原点を設ける工程と、前記原点を基準とし、原点から所定位置で、かつ前記位置補正確認用インナーバイアホールの近傍となるような位置に位置補正確認用貫通穴を設ける工程と、前記位置補正確認用インナーバイアホールと位置補正確認用貫通穴の位置を確認し、位置ズレが起こっている場合には必要な位置補正を行う工程と、位置補正後の所定位置に貫通穴を形成する工程を有する多層プリント配線板の製造方法としたものである。
この方法によれば内層導体回路と外層導体回路、導電性ペーストで形成したインナーバイアホール、貫通穴間の位置ズレが極めて少ない多層プリント配線板が製造できる。
本発明の請求項1に記載した発明は、ガラス織布に熱硬化性樹脂を含浸し、半硬化したものに層間接続用のインナーバイアホールと位置補正確認用インナーバイアホールを設け、これらに導電性ペーストを充填し層間絶縁用接着シートを形成する工程と、導電性ペーストを充填したインナーバイアホールを有する絶縁基板の両面に導電箔を積層し熱圧着した後その両面の導電箔を回路形成して両面に導体パターンを設けて内層材を形成する工程と、前記内層材と層間絶縁用接着シートを交互に複数枚積層し最外層に銅箔を積層し熱圧着して銅張積層板を形成する工程と、前記銅張積層板の所定の位置に原点を設ける工程と、前記原点を基準とし、原点から所定位置で、かつ前記位置補正確認用インナーバイアホールの近傍となるような位置に位置補正確認用貫通穴を設ける工程と、前記位置補正確認用インナーバイアホールと位置補正確認用貫通穴の位置を確認し、位置ズレが起こっている場合には必要な位置補正を行う工程と、位置補正後の所定位置に貫通穴を形成する工程を有する多層プリント配線板の製造方法としたものであり、この方法によって貫通穴の加工時の穴位置補正が可能となり、層間絶縁用接着シートまたは絶縁基板に形成した導電性ペーストを充填したインナーバイアホールと貫通穴と外層導体回路の位置ズレを抑制できるという作用を有する。
請求項2に記載の発明は、層間絶縁用接着シートの少なくとも3ヶ所に位置補正確認用インナーバイアホールを形成する請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法としたものであり、この方法によって、多層プリント配線板の製造用パネルのX・Y各々の方向においてそれぞれ貫通穴の加工時の位置補正が可能となり、層間絶縁用接着シートまたは絶縁基板に形成した導電性ペーストを充填したインナーバイアホールと貫通穴と外層導体回路の位置ズレを抑制できるという作用を有する。
請求項3に記載の発明は、位置補正確認用インナーバイアホールの各々に複数個の予備を持たせた請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法としたものであり、この方法によって、複数回に亘って貫通穴の加工時の位置補正が可能となり、層間絶縁用接着シートまたは絶縁基板に形成した導電性ペーストを充填したインナーバイアホールと貫通穴と外層導体回路の位置ズレを更に抑制できるという作用を有する。
請求項4に記載の発明は、位置補正確認用インナーバイアホールを一定の円周上に複数個形成する請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法としたものであり、この方法によって導電性ペーストを充填した位置補正確認用インナーバイアホールを確認することにより、多層プリント配線板の製造用パネルの回転(θ)方向において位置補正が可能となり層間絶縁用接着シートまたは絶縁基板に形成したインナーバイアホールと貫通穴と外層導体回路の位置ズレを抑制できるという作用を有する。
請求項5に記載の発明は、層間絶縁用接着シート上の少なくとも2ヶ所に貫通穴原点確認用インナーバイアホールが設けられており、銅張積層板の所定の位置に原点を設ける工程は、前記少なくとも2ヶ所の貫通穴原点確認用インナーバイアホールをX線で投影、実測確認し、その位置から所定の位置に位置補正をした後に加工して2ヶ所のNC穴加工用スタック穴を形成し、そのうちの片方を原点とすることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法としたものであり、この方法によって、NC穴加工用スタック穴を多層プリント配線板の製造用パネルの寸法収縮による寸法誤差の影響を受けることなく形成することができ、貫通穴加工の加工精度の向上が可能となり層間絶縁用接着シートまたは絶縁基板に形成した導電性ペーストを充填したインナーバイアホールと貫通穴と外層導体回路の位置ズレを抑制できるという作用を有する。
請求項6に記載の発明は、2ヶ所の貫通穴原点確認用インナーバイアホールを結ぶ線上で中点振り分けにより位置補正を行い、NC穴加工用スタック穴を形成する請求項5に記載の多層プリント配線板の製造方法としたものであり、この方法によって、貫通穴の加工時の際、導電性ペーストを充填した位置補正確認用インナーバイアホール線上方向の加工誤差を低減することができ、貫通穴加工の加工精度の向上が可能となり、層間絶縁用接着シートまたは絶縁基板に形成したインナーバイアホールと貫通穴と外層導体回路の位置ズレを抑制できるという作用を有する。
請求項7に記載の発明は、NC穴加工用スタック穴を形成した複数の銅張積層板をスタックピンで重ね合わせた後、位置補正確認用インナーバイアホールの近傍に位置補正確認用貫通穴を形成する請求項5に記載の多層プリント配線板の製造方法としたものであり、この方法によって、層間絶縁用接着シートに形成した導電性ペーストを充填したインナーバイアホールと貫通穴の位置ズレを本加工する前に確認することが可能となり貫通穴の加工位置不良の低減が図れると共に層間絶縁用接着シートまたは絶縁基板に形成した導電性ペーストを充填したインナーバイアホールと貫通穴と外層導体回路の位置ズレを抑制できるという作用を有する。
請求項8に記載の発明は、位置補正確認用インナーバイアホールの略中心上に位置補正確認用貫通穴を形成することを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法としたものであり、この方法によって、層間絶縁用接着シートに形成した導電性ペーストを充填したインナーバイアホールと貫通穴の位置ズレを本加工する前に確認することが可能となり貫通穴の加工位置不良の低減が図れると共に層間絶縁用接着シートまたは絶縁基板に形成した導電性ペーストを充填したインナーバイアホールと貫通穴と外層導体回路の位置ズレを抑制できるという作用を有する。
請求項9に記載の発明は、少なくとも3ヶ所の位置補正確認用インナーバイアホールとその近傍に加工した位置補正確認用貫通穴を用いてX方向及びY方向の位置を確認し、位置ズレが起こっている場合にはX方向及びY方向各々に対して位置補正をした後、貫通穴を形成する請求項2に記載の多層プリント配線板の製造方法としたものであり、この方法によって、層間絶縁用接着シートに形成した導電性ペーストを充填したインナーバイアホールと貫通穴の位置ズレを本加工する前に確認することが可能となり、貫通穴の加工位置不良の低減が図れると共に層間絶縁用接着シートまたは絶縁基板に形成した導電性ペーストを充填したインナーバイアホールと貫通穴と外層導体回路の位置ズレを抑制できるという作用を有する。
請求項10に記載の発明は、層間絶縁用接着シートは、両最外層側に積層され、両最外層側の位置補正確認用インナーバイアホールをX線で同時に投影し両最外層側に均等に補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法としたものであり、この方法によって、層間絶縁用接着シートまたは絶縁基板に形成した導電性ペーストを充填したインナーバイアホールと貫通穴の位置ズレを両最外層同時に確認の上、加工することが可能となり、貫通穴の加工位置不良の低減が図れると共にインナーバイアホールと貫通穴と外層導体回路の位置ズレを抑制できるという作用を有する。
本発明は層間絶縁用接着シートに位置補正確認用インナーバイアホールを数ヶ所に複数個形成し、この近傍又は略中心上に位置補正確認用貫通穴を加工し、それをX線透過型位置確認機や層間絶縁用接着シート上に張り付けた導電箔をザグリ加工した後目視確認するなど所望の方法で確認してから製品内に貫通穴を本加工することにより、また、層間絶縁用接着シートに設けた貫通穴原点確認用インナーバイアホールをX線透過型位置確認機を用いて位置確認した後、位置補正を行った上、位置補正量がNC穴加工用スタック穴に対して最小になるよう中心案分により中点振り分けで位置決め所定の位置にNC穴加工用スタック穴を形成することにより導電性ペーストを充填したインナーバイアホールと貫通穴の相対位置ズレを極めて少なくすることができ、かつスタック加工時の不具合に起因する貫通穴加工時の不具合を低減することができるという効果を奏するものである。
以下本発明の実施の形態について図1〜図7を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1において、図1(a)は内層材の断面を示し、10は絶縁基板、11,12は導電パターン、13は絶縁基板10に形成した導電性ペーストを充填したインナーバイアホール、14,15は導電パターン11,12で形成した位置合わせマークであり、図1(b)は層間絶縁用接着シートの断面を示し、16は層間絶縁用接着シート、17は層間絶縁用接着シート16に形成した導電性ペーストを充填したインナーバイアホール、18,19は層間絶縁用接着シート16に導電性ペーストを充填したインナーバイアホールで形成した位置合わせマーク、20,21は層間絶縁用接着シート16に導電性ペーストを充填した層間接続用のインナーバイアホール17の加工時に形成した位置補正確認用インナーバイアホールであり、図1(c)は絶縁基板10と層間絶縁用接着シート16と導電箔としての銅箔を重ね合わせた断面を示し、22,23は銅箔であり、図1(d)は図1(c)に位置補正確認用穴24,25及び貫通穴26を加工したときの断面図を示し、図1(e)は図1(d)の外層銅箔をエッチングして外層導体回路27,28を形成したときの断面図を示す。
図1において、図1(a)は内層材の断面を示し、10は絶縁基板、11,12は導電パターン、13は絶縁基板10に形成した導電性ペーストを充填したインナーバイアホール、14,15は導電パターン11,12で形成した位置合わせマークであり、図1(b)は層間絶縁用接着シートの断面を示し、16は層間絶縁用接着シート、17は層間絶縁用接着シート16に形成した導電性ペーストを充填したインナーバイアホール、18,19は層間絶縁用接着シート16に導電性ペーストを充填したインナーバイアホールで形成した位置合わせマーク、20,21は層間絶縁用接着シート16に導電性ペーストを充填した層間接続用のインナーバイアホール17の加工時に形成した位置補正確認用インナーバイアホールであり、図1(c)は絶縁基板10と層間絶縁用接着シート16と導電箔としての銅箔を重ね合わせた断面を示し、22,23は銅箔であり、図1(d)は図1(c)に位置補正確認用穴24,25及び貫通穴26を加工したときの断面図を示し、図1(e)は図1(d)の外層銅箔をエッチングして外層導体回路27,28を形成したときの断面図を示す。
以上のように構成された多層プリント配線板の製造方法について、以下その動作を説明する。
まず、ガラス織布にエポキシ樹脂を含浸、半硬化して構成された絶縁基板10に超硬ドリル、レーザー光、打ち抜き加工など任意の方法で穴加工を行い、その穴に導電性ペーストを充填し、導電性ペーストを充填したインナーバイアホール13を形成する。
次に、この絶縁基板10とほぼ同サイズの銅箔を絶縁基板10の両外側に重ね合わせカシメ、熱圧着など任意の方法で仮固定し熱プレス機(図示せず)にて加圧、加熱して絶縁基板10と銅箔を接着し、内層用両面銅張積層板を形成する。
次に、この内層用両面銅張積層板の表面の銅箔を所定のエッチングレジストパターンを写真現像法などで形成し、塩化第2銅などの薬液を用いてエッチングを施し導電パターン11,12を形成すると同時に、導電パターン11,12で形成した位置合わせマーク14,15を形成し、図1(a)に示す内層材を得る。
次に、この内層材の両外側に図1(b)で示す層間絶縁用接着シート16を内層材に設けた位置合わせマーク14,15と層間絶縁用接着シート16に設けた位置合わせマーク18,19を位置認識して一般にアライメント法と呼ばれる方法で内層材と層間絶縁用接着シート16の位置ズレが最小になるよう中心案分により位置決めし重ね合わせる。
その後、この絶縁基板10と層間絶縁用接着シート16とほぼ同サイズの銅箔22,23を、積層したそれらの両外側に図1(c)に示すように重ね合わせ、カシメ、熱圧着など任意の方法で仮固定し熱プレス機(図示せず)にて加圧、加熱して絶縁基板10と銅箔22,23を接着し、4層の銅張積層板を形成する。
次に、導電パターン11,12を持つ4層の銅張積層板の所定の位置を原点として、超硬ドリル、レーザー光、打ち抜きなど任意の方法によって、層間絶縁用接着シート16に導電性ペーストを充填した層間接続用のインナーバイアホール17の加工時に形成した位置補正確認用インナーバイアホール20,21の近傍に位置補正確認用貫通穴24,25の加工を行い、この位置補正確認用貫通穴24,25と層間絶縁用接着シート16の位置補正確認用インナーバイアホール20,21の位置関係を、X線透過型位置確認機や層間絶縁用接着シート16上に張り付けた銅箔をザグリ加工した後目視確認するなど所望の方法で確認し、位置ズレが起こっている場合には必要な位置補正を行い、その後図1(d)に示すように製品内に貫通穴26を加工する。
より詳細に説明すると、まず、4層の銅張積層板にX線を透過することによって、層間絶縁用接着シート16に層間接続用のインナーバイアホール17や位置補正確認用インナーバイアホール20,21を加工するために用いた層間絶縁用接着シート16の端に設けた原点(図示せず)の位置を確認する。X線透過により確認した上記位置の銅張積層板上にドリル加工にて原点(図示せず)を設け、この座標を(0,0)とする。この原点の座標に対して、位置補正確認用インナーバイアホール20,21の位置をそれぞれ(20,50)、(80,50)とする。
次に、説明を容易にするため、仮に位置補正確認用貫通穴24,25の加工すべき位置を原点に対して、それぞれ(30,50)、(70,50)とし、ドリルにて加工する。ここで、位置補正確認用貫通穴24,25が正確な位置で加工された場合について述べる。座標(20,50)の位置補正確認用インナーバイアホール20と、座標(30,50)の位置補正確認用貫通穴24の相対位置は、座標で示すと(10,0)となる。また、座標(80,50)の位置補正確認用インナーバイアホール21と、座標(70,50)の位置補正確認用貫通穴25の相対位置は、座標で示すと(−10,0)となる。
一方、X線透過型位置確認機を用いて実際に測定した位置補正確認用インナーバイアホール20と位置補正確認用貫通穴24の相対位置、及び位置補正確認用インナーバイアホール21と位置補正確認用貫通穴25の相対位置の座標が、それぞれ(8,−1)、(−12,−1)であった場合、位置ズレが生じているものと判断する。すなわち位置補正確認用インナーバイアホール20と、位置補正確認用貫通穴24の相対位置の正確な座標と、実測した相対位置の座標のズレは、(−2,−1)となる。また位置補正確認用インナーバイアホール21と、位置補正確認用貫通穴25の相対位置の正確な座標と、実測した相対位置の座標のズレは、(−2,−1)となる。上記2つの相対位置のズレの平均は、(−2,−1)となる。ここで、貫通穴26を加工すべき位置を、原点に対して座標(50,50)とすると、このままでは貫通穴26は座標(48,49)に加工されることになってしまう。
そこで、本発明においては、貫通穴26を設ける前に、原点(0,0)に相対位置のズレの平均(2,1)を加え、座標(2,1)を一旦原点とし、さらにこれを(0,0)と変換することで新しい原点とする。こうすれば、層間接続用のインナーバイアホールや位置補正確認用インナーバイアホールとの相対的に正確な本来の位置に貫通穴26を加工することができるようになる。
また位置補正の別の方法として、銅張積層板の所定の位置に形成した原点(0,0)を位置補正確認用貫通穴24,25と位置補正確認用インナーバイアホール20,21の位置ズレ量に応じて、貫通穴加工用の原点を(0,0)と貫通穴26を加工する位置(m,n)との距離に、一定の係数を乗ずることにより行う。つまり原点(0,0)を基準として、所望する位置に一定係数を乗じた位置に貫通穴26を加工する。
より詳細に説明すると、まず、原点(図示せず)を設ける手順、及び位置補正確認用貫通穴24,25の加工する手順、及び位置補正確認用インナーバイアホール20,21と、位置補正確認用貫通穴24,25の相対位置を座標で示す手順、さらに用いた座標の値は、先ほどと同様とする。従って、位置補正確認用貫通穴24,25が正確な位置で加工された場合の位置補正確認用インナーバイアホール20,21との相対位置は、それぞれ(10,0)、(−10,0)となる。また、X線透過型位置確認機を用いて実際に測定した位置補正確認用インナーバイアホール20,21と位置補正確認用貫通穴24,25の相対位置の座標も先ほどと同様に、それぞれ(8,−1)、(−12,−1)とし、それぞれ(−2,−1)の位置ズレが生じているものと判断する。つまり、位置補正確認用貫通穴24の加工予定位置の座標(30,50)に対して、座標(28,49)の位置に加工されたものと仮定し、位置補正確認用貫通穴25の加工予定位置の座標(70,50)に対して、座標(68,49)の位置に加工されたものと仮定する。
これを本来の相対位置に加工するために一定の係数を算出する。すなわち位置補正確認用貫通穴24については、座標(30,50)と、座標(28,49)に関係する係数を(30/28,50/49)として、また位置補正確認用貫通穴25については、座標(70,50)と、座標(68,49)に関係する係数を(70/68,50/49)とする。この2つの係数の平均を求め、これを一定係数とする。上記の場合、一定係数は(1.0504,1.0204)となる。ここで、貫通穴26を加工すべき位置を、原点(0,0)に対して座標(50,50)とする。これに一定係数を乗算し、加工位置の座標を(52.520,51.020)として貫通穴26を加工する。
なお、上記の位置補正の方法においては、位置補正確認用インナーバイアホール20と位置補正確認用貫通穴24、及び位置補正確認用インナーバイアホール21と位置補正確認用貫通穴25の2ヶ所の相対位置の関係から補正を行ったが、これを2ヶ所よりも多く相対位置を確認することによって、より精度の高い位置補正ができることは言うまでもない。また位置補正の方法は、後述する実施の形態2乃至5においても同様の方法にて行う。
その後、この貫通穴26の穴壁面及び銅箔22,23の表面に銅めっきを施し表裏及び内層との導通がとれるようにした後、導電パターン11,12を持つ4層の銅張積層板の表面の銅箔を所望の電気回路部分を残して、エッチング法を用いて不要部分の銅箔を溶解除去し、図1(e)に示す外層導体回路27,28を形成する。
そして電子部品の取付時にはんだ付けが不要な部分にソルダーレジストを形成後、ルータや金型、超硬ドリル、レーザーなど任意の方法によって必要な外形形状に加工し、層間接続に導電ペーストを用いた4層の多層プリント配線板が完成する。
本実施の形態と従来の層間接続に導電性ペーストを用いる多層プリント配線板の製造方法を比較すると層間絶縁用接着シート16に導電性ペーストを充填した層間接続用のインナーバイアホール17と貫通穴26の位置ズレは従来の方法では最大0.20mmであったが本実施の形態では0.10mm以内とすることができた。
なお、ここでは説明のため、層間接続に導電ペーストを用いたプリント配線板の構造を4層としたが、6層以上の場合は導電パターン11,12の形成から層間絶縁用接着シート16の接着までを6層の場合2回、8層の場合3回と必要回繰り返せばよく、また、位置補正確認用インナーバイアホール20,21は繰り返し重ね合わせる全ての層間絶縁用接着シート16に設けても良いが、両最外層にのみ設けても良いことはいうまでもなく、また、両最外層の層間絶縁用接着シート16に設けた位置補正確認用インナーバイアホール20,21を同時に位置補正確認用貫通穴24,25と位置確認、位置補正を行い、位置ズレが両最外層で最小になるように補正してやれば、両最外層同時に一歩性ができるので、生産性を損なうこともなく効率がよい。
(実施の形態2)
図2、図3において、図2は4層の銅張積層板の投影図、図3は同断面図であり、3aは4層の銅張積層板、3b,3c,3dはインナーバイアホールの加工時に形成した位置補正確認用インナーバイアホールであり、3e,3f,3gは、位置補正確認用インナーバイアホール3b〜3dの近傍に加工した位置補正確認用貫通穴である。
図2、図3において、図2は4層の銅張積層板の投影図、図3は同断面図であり、3aは4層の銅張積層板、3b,3c,3dはインナーバイアホールの加工時に形成した位置補正確認用インナーバイアホールであり、3e,3f,3gは、位置補正確認用インナーバイアホール3b〜3dの近傍に加工した位置補正確認用貫通穴である。
以上のように構成された多層プリント配線板の製造方法について、以下その動作を図1〜図3を用いて説明する。
なお、本実施の形態は実施の形態1における(d)工程を改良したものであり、その他の工程については共通であるので説明を省略する。
図1(c)で得られた4層の銅張積層板は導電パターン11,12を持つ4層の銅張積層板の所望の位置を原点として超硬ドリル、レーザー光、打ち抜きなど任意の方法によって、図2、図3に示す層間絶縁用接着シート16に導電性ペーストを充填したインナーバイアホールの加工時に形成した位置補正確認用インナーバイアホール3b,3c,3dの3ヶ所の近傍に位置補正確認用貫通穴3e,3f,3gの加工を行い、この位置補正確認用貫通穴3e,3f,3gと層間絶縁用接着シート16の位置補正確認用インナーバイアホール3b,3c,3dの位置関係を、X線透過型位置確認機や層間絶縁用接着シート上に張り付けた銅箔をザグリ加工した後目視確認するなど所望の方法で確認する。このときに位置補正確認用インナーバイアホール3b,3cと位置補正確認用貫通穴3e,3fを用いて4層の銅張積層板のX方向を、位置補正確認用インナーバイアホール3b,3c,3dと位置補正確認用貫通穴3gを用いて4層の銅張積層板のY方向を確認する。位置ズレが起こっている場合には必要な位置補正をX・Y方向各々に対して行い、その後図1に示す製品内に貫通穴26を加工する。
本実施の形態と従来の層間接続に導電性ペーストを用いる多層プリント配線板の製造方法を比較すると層間絶縁用接着シートに導電性ペーストを充填したインナーバイアホールと貫通穴の位置ズレは従来の方法では最大X方向で0.15mm、Y方向で0.18mmであったが本実施の形態ではX,Y方向どちらも0.10mm以内とすることができた。
(実施の形態3)
図4は4層の銅張積層板の投影図であり、4aは4層の銅張積層板、4b〜4jはインナーバイアホールの加工時に形成した位置補正確認用インナーバイアホール及びその予備であり、4k〜4sは、位置補正確認用インナーバイアホール近傍に加工した位置補正確認用貫通穴である。
図4は4層の銅張積層板の投影図であり、4aは4層の銅張積層板、4b〜4jはインナーバイアホールの加工時に形成した位置補正確認用インナーバイアホール及びその予備であり、4k〜4sは、位置補正確認用インナーバイアホール近傍に加工した位置補正確認用貫通穴である。
以上のように構成された多層プリント配線板の製造方法について、以下その動作を図1及び図4を用いて説明する。
なお、本実施の形態は実施の形態1における(d)工程を改良したものであり、その他の工程については共通であるので説明を省略する。
図1(c)で得られた4層の銅張積層板は導電パターン11,12を持つ4層の銅張積層板の所望の位置を原点として超硬ドリル、レーザー光、打ち抜きなど任意の方法によって、図4に示す層間絶縁用接着シートの位置補正確認用インナーバイアホール4b,4e,4hの3ヶ所の近傍に位置補正確認用貫通穴4k,4n,4qの加工を行い、この位置補正確認用貫通穴4k,4n,4qと層間絶縁用接着シートの位置補正確認用インナーバイアホール4b,4e,4hの位置関係を、X線透過型位置確認機や層間絶縁用接着シート上に張り付けた銅箔をザグリ加工した後目視確認するなど所望の方法で確認する。このときに位置ズレが起こっている場合には必要な位置補正を行い、再度位置補正確認用インナーバイアホール4c,4f,4iの3ヶ所の近傍に位置補正確認用貫通穴4l,4o,4rの加工を行い、先に位置補正した数値が正しいかを確認する。更に補正が必要な場合は再度位置補正確認用インナーバイアホール4d,4g,4jの3ヶ所の近傍に位置補正確認用貫通穴4m,4p,4sの加工を行い再度位置補正した数値が正しいかを確認し、その後図1に示す製品内に貫通穴26を加工する。
本実施の形態と従来の層間接続に導電性ペーストを用いる多層プリント配線板の製造方法を比較すると層間絶縁用接着シートに導電性ペーストを充填したインナーバイアホールと貫通穴の位置ズレは従来の方法では最大で0.20mmであったが、本実施の形態では0.08mm以内とすることができた。
なお、ここでは説明のため、位置補正確認用インナーバイアホールの予備を各ヶ所2つとしたが、この個数は必要に応じて任意に付けても良いことはいうまでもない。
(実施の形態4)
図5は4層の銅張積層板の投影図であり、5aは4層の銅張積層板、5b,5c,5dはインナーバイアホールの加工時に形成された位置補正確認用インナーバイアホールであり、それぞれ一定の円周上に複数個形成されている。
図5は4層の銅張積層板の投影図であり、5aは4層の銅張積層板、5b,5c,5dはインナーバイアホールの加工時に形成された位置補正確認用インナーバイアホールであり、それぞれ一定の円周上に複数個形成されている。
以上のように構成された多層プリント配線板の製造方法について、以下その動作を図1及び図5を用いて説明する。
なお、本実施の形態は実施の形態1における(d)工程を改良したものであり、その他の工程については共通であるので説明を省略する。
図1(c)で得られた4層の銅張積層板は、導電パターン11,12を持つ4層の銅張積層板の所望の位置を原点として超硬ドリル、レーザー光、打ち抜きなど任意の方法によって、図5に示す層間絶縁用接着シートの位置補正確認用インナーバイアホール5b,5c,5dの3ヶ所の近傍に位置補正確認用貫通穴の加工を行い、この位置補正確認用貫通穴と層間絶縁用接着シートの位置補正確認用インナーバイアホール5b,5c,5dの位置関係を複数個のインナーバイアホールそれぞれと、X線透過型位置確認機や層間絶縁用接着シート上に張り付けた銅箔をザグリ加工した後目視確認するなど所望の方法で確認する。このときに位置ズレが起こっている場合には必要な位置補正を行い、その後図1に示す製品内に貫通穴26を加工する。またこの時、この位置補正確認用貫通穴を位置補正確認用インナーバイアホール5b,5c,5dの略中心上に穴加工してやれば位置補正確認用インナーバイアホール5b,5c,5dの近傍に位置補正確認用貫通穴を開けるスペースがない場合でも、同様の効果を得ることができる。
本実施の形態と従来の層間接続に導電性ペーストを用いる多層プリント配線板の製造方法を比較すると層間絶縁用接着シートに導電性ペーストを充填したインナーバイアホールと貫通穴の位置ズレは従来の方法では最大で0.20mmであったが、本実施の形態では0.10mm以内とすることができた。
なお、ここで層間絶縁用接着シートに導電性ペーストを充填したインナーバイアホールの加工時に形成した位置補正確認用インナーバイアホールそれぞれの個数を5つとしたが、求める位置精度に応じて2個以上任意の個数を付与してやれば更に位置補正精度の向上が得られる。
(実施の形態5)
図6は4層の銅張積層板の投影図であり、6aは4層の銅張積層板、6b,6cは層間絶縁用接着シートに設けた貫通穴原点確認用インナーバイアホールであり、6d,6eは貫通穴原点確認用インナーバイアホールをX線で投影しその位置から所定の位置に位置補正をした後に加工したNC穴加工用スタック穴である。
図6は4層の銅張積層板の投影図であり、6aは4層の銅張積層板、6b,6cは層間絶縁用接着シートに設けた貫通穴原点確認用インナーバイアホールであり、6d,6eは貫通穴原点確認用インナーバイアホールをX線で投影しその位置から所定の位置に位置補正をした後に加工したNC穴加工用スタック穴である。
図7は4層の銅張積層板を複数枚図6の6d,6eに示すスタック穴にスタックピンを挿入しこれを用いて固定した断面図であり、7a,7bはスタックピンである。
以上のように構成された多層プリント配線板の製造方法について、以下その動作を図1、図6、図7を用いて説明する。
なお、本実施の形態は実施の形態1における(d)工程を改良したものであり、その他の工程については共通であるので説明を省略する。
図1(c)で得られた4層の銅張積層板は、図6に示す内層導体回路を持つ4層の銅張積層板の層間絶縁用接着シートに設けた貫通穴原点確認用インナーバイアホールをX線透過型位置確認機を用いて位置確認した後、位置補正を行った上、所定の位置にNC穴加工用スタック穴6d,6eを形成する。
なおこの時に、一般にアライメント法と呼ばれる方法で位置補正量がNC穴加工用スタック穴6d,6eに対して最小になるよう中心案分により中点振り分けで位置決めし穴加工してやれば、更に位置精度は向上する。
次に、図7に示すようにこの複数枚の4層の銅張積層板をスタックピン7a,7bを用いて固定し、図1に示すように、このNC穴加工用スタック穴6d,6eのうちの片方を原点として超硬ドリル、レーザー光、打ち抜きなど任意の方法によって、層間絶縁用接着シートの位置補正確認用インナーバイアホール20,21近傍に位置補正確認用貫通穴24,25の加工を行い、この位置補正確認用貫通穴24,25と層間絶縁用接着シートの位置補正確認用インナーバイアホール20,21の位置関係を、X線透過型位置確認機や層間絶縁用接着シート上に張り付けた銅箔をザグリ加工した後目視確認するなど所望の方法で確認し、位置ズレが起こっている場合には必要な位置補正を行い、その後製品内に貫通穴26を加工する。
なおこの時に、位置補正確認は通常、単数枚の銅張積層板で行うが、本実施の形態のように複数枚同時に位置補正確認を行ってやってもよく、この場合複数枚の位置ズレが最小となるよう補正してやればよく、かつ、複数枚同時に貫通穴加工ができるので、生産性を損なうこともなく効率がよい。
本実施の形態と従来の層間接続に導電性ペーストを用いる多層プリント配線板の製造方法を比較すると、従来の方法では銅張積層板に開けたスタック穴のピッチにバラツキがあり、0.3%の銅張積層板がスタックピンで固定できない又は固定した場合にたわみが発生して、穴加工時に不具合が発生したのに対し本実施の形態では固定できない又は固定した場合にたわみが発生する不具合が全く発生せず、穴加工時の不具合も全く発生しなかった。また、層間絶縁用接着シートに導電性ペーストを充填したインナーバイアホールと貫通穴の位置ズレは、3枚重ねの場合を例に取ると従来の方法では最大0.22mmであったが本実施の形態では0.12mm以内とすることができた。
なお、ここで層間絶縁用接着シートに導電性ペーストを充填した貫通穴原点確認用インナーバイアホールそれぞれの個数を5つとしたが、求める位置精度に応じて2個以上任意の個数を付与しても良いことはいうまでもない。
以上のように、本発明はガラス織布に熱硬化性樹脂を含浸し、半硬化したものに層間接続用のインナーバイアホールと位置補正確認用インナーバイアホールを設け、これらに導電性ペーストを充填し層間絶縁用接着シートを形成する工程と、導電性ペーストを充填したインナーバイアホールを有する絶縁基板の両面に導電箔を積層し熱圧着した後その両面の導電箔を回路形成して両面に導体パターンを設けて内層材を形成する工程と、前記内層材と層間絶縁用接着シートを交互に複数枚積層し最外層に導電箔を積層し熱圧着して銅張積層板を形成する工程と、前記銅張積層板の所定の位置に原点を設ける工程と、前記原点を基準とし、原点から所定位置で、かつ前記位置補正確認用インナーバイアホールの近傍となるような位置に位置補正確認用貫通穴を設ける工程と、前記位置補正確認用インナーバイアホールと位置補正確認用貫通穴の位置を確認し、ズレ量に応じて位置補正を行い、位置補正後の所定位置に貫通穴を形成する工程を有する多層プリント配線板の製造方法において、層間絶縁用接着シートに位置補正確認用インナーバイアホールを数ヶ所に複数個形成し、この近傍又は略中心上に位置補正確認用貫通穴を加工し、それをX線透過型位置確認機や層間絶縁用接着シート上に張り付けた導電箔をザグリ加工した後目視確認するなど所望の方法で確認してから製品内に貫通穴を本加工することにより、また、層間絶縁用接着シートに設けた貫通穴原点確認用インナーバイアホールをX線透過型位置確認機を用いて位置確認した後、位置補正を行った上、位置補正量がNC穴加工用スタック穴に対して最小になるよう中心案分により中点振り分けで位置決め所定の位置にNC穴加工用スタック穴を形成することにより導電性ペーストを充填したインナーバイアホールと貫通穴の相対位置ズレを極めて少なくすることができ、かつスタック加工時の不具合に起因する貫通穴加工時の不具合を低減することができる優れた多層プリント配線板の製造方法を実現できるものである。
1 絶縁樹脂層
2 内層導体回路
3 導電性ペーストを充填したインナーバイアホール
3a 4層の銅張積層板
3b〜3d 位置補正確認用インナーバイアホール
3e〜3g 位置補正確認用貫通穴
4 穴壁面に銅めっきを施した貫通穴
4a 4層の銅張積層板
4b〜4j 位置補正確認用インナーバイアホール及びその予備
4k〜4s 位置補正確認用貫通穴
5 外層導体回路
5a 4層の銅張積層板
5b〜5d 位置補正確認用インナーバイアホール
6 貫通穴加工用マーク
6a 4層の銅張積層板
6b,6c 貫通穴原点確認用インナーバイアホール
6d,6e NC穴加工用スタック穴
7a,7b スタックピン
10 絶縁基板
11,12 導電パターン
13 導電性ペーストを充填したインナーバイアホール
14,15 導電パターンで形成した位置合わせマーク
16 層間絶縁用接着シート
17 層間接続用のインナーバイアホール
18,19 層間絶縁用接着シートに導電性ペーストを充填したインナーバイアホールで形成した位置合わせマーク
20,21 位置補正確認用インナーバイアホール
22,23 銅箔
24,25 位置補正確認用貫通穴
26 貫通穴
27,28 外層導体回路
2 内層導体回路
3 導電性ペーストを充填したインナーバイアホール
3a 4層の銅張積層板
3b〜3d 位置補正確認用インナーバイアホール
3e〜3g 位置補正確認用貫通穴
4 穴壁面に銅めっきを施した貫通穴
4a 4層の銅張積層板
4b〜4j 位置補正確認用インナーバイアホール及びその予備
4k〜4s 位置補正確認用貫通穴
5 外層導体回路
5a 4層の銅張積層板
5b〜5d 位置補正確認用インナーバイアホール
6 貫通穴加工用マーク
6a 4層の銅張積層板
6b,6c 貫通穴原点確認用インナーバイアホール
6d,6e NC穴加工用スタック穴
7a,7b スタックピン
10 絶縁基板
11,12 導電パターン
13 導電性ペーストを充填したインナーバイアホール
14,15 導電パターンで形成した位置合わせマーク
16 層間絶縁用接着シート
17 層間接続用のインナーバイアホール
18,19 層間絶縁用接着シートに導電性ペーストを充填したインナーバイアホールで形成した位置合わせマーク
20,21 位置補正確認用インナーバイアホール
22,23 銅箔
24,25 位置補正確認用貫通穴
26 貫通穴
27,28 外層導体回路
Claims (10)
- ガラス織布に熱硬化性樹脂を含浸し、半硬化したものに層間接続用のインナーバイアホールと位置補正確認用インナーバイアホールを設け、これらに導電性ペーストを充填し層間絶縁用接着シートを形成する工程と、導電性ペーストを充填したインナーバイアホールを有する絶縁基板の両面に導電箔を積層し熱圧着した後その両面の導電箔を回路形成して両面に導体パターンを設けて内層材を形成する工程と、前記内層材と層間絶縁用接着シートを交互に複数枚積層し最外層に銅箔を積層し熱圧着して銅張積層板を形成する工程と、前記銅張積層板の所定の位置に原点を設ける工程と、前記原点を基準とし、原点から所定位置で、かつ前記位置補正確認用インナーバイアホールの近傍となるような位置に位置補正確認用貫通穴を設ける工程と、前記位置補正確認用インナーバイアホールと位置補正確認用貫通穴の位置を確認し、位置ズレが起こっている場合には必要な位置補正を行う工程と、位置補正後の所定位置に貫通穴を形成する工程を有する多層プリント配線板の製造方法。
- 層間絶縁用接着シートの少なくとも3ヶ所に位置補正確認用インナーバイアホールを形成する請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 位置補正確認用インナーバイアホールの各々に複数個の予備を持たせた請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 位置補正確認用インナーバイアホールを一定の円周上に複数個形成する請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 層間絶縁用接着シート上の少なくとも2ヶ所に貫通穴原点確認用インナーバイアホールが設けられており、銅張積層板の所定の位置に原点を設ける工程は、前記少なくとも2ヶ所の貫通穴原点確認用インナーバイアホールをX線で投影、実測確認し、その位置から所定の位置に位置補正をした後に加工して2ヶ所のNC穴加工用スタック穴を形成し、そのうちの片方を原点とすることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 2ヶ所の貫通穴原点確認用インナーバイアホールを結ぶ線上で中点振り分けにより位置補正を行い、NC穴加工用スタック穴を形成する請求項5に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- NC穴加工用スタック穴を形成した複数の銅張積層板をスタックピンで重ね合わせた後、位置補正確認用インナーバイアホールの近傍に位置補正確認用貫通穴を形成する請求項5に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 位置補正確認用インナーバイアホールの略中心上に位置補正確認用貫通穴を形成することを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 少なくとも3ヶ所の位置補正確認用インナーバイアホールとその近傍に加工した位置補正確認用貫通穴を用いてX方向及びY方向の位置を確認し、位置ズレが起こっている場合にはX方向及びY方向各々に対して位置補正をした後、貫通穴を形成する請求項2に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 層間絶縁用接着シートは、両最外層側に積層され、両最外層側の位置補正確認用インナーバイアホールをX線で同時に投影し両最外層側に均等に補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
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