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JP2006324111A - フレキシブル色素増感太陽電池 - Google Patents

フレキシブル色素増感太陽電池 Download PDF

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JP2006324111A
JP2006324111A JP2005145815A JP2005145815A JP2006324111A JP 2006324111 A JP2006324111 A JP 2006324111A JP 2005145815 A JP2005145815 A JP 2005145815A JP 2005145815 A JP2005145815 A JP 2005145815A JP 2006324111 A JP2006324111 A JP 2006324111A
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剛 朝野
Keisuke Nakayama
慶祐 中山
Takaya Kubo
貴哉 久保
Yoshinori Nishikitani
禎範 錦谷
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Abstract

【課題】 高性能なフレキシブル色素増感太陽電池を提供する。
【解決手段】 増感剤により修飾された半導体層を金属メッシュ上に有してなる光電変換電極を透明基板に固定したもの、少なくとも可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質を含有した電解質層、および前記可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質に対して触媒作用を有する物質により被覆された金属箔から構成される対向電極、からなることを特徴とするフレキシブル色素増感太陽電池。
【選択図】 なし

Description

本発明は新規な構成を有するフレキシブル色素増感太陽電池に関する。
色素増感太陽電池は、グレッツェルらにより提案(例えば、非特許文献1及び特許文献1、2参照。)されて以来、安価な材料、シンプルなプロセスで作製できることから、シリコンに代わる次世代低コスト太陽電池としてその実用化が期待されている。
一方で、太陽電池の使用形態を多様化させるために、フィルム状のフレキシブルな太陽電池の開発が盛んに行われている。しかしながら、一般的な色素増感太陽電池では、酸化チタンナノ粒子からなる半導体層を透明導電基板に形成する際に、ナノ粒子間のネッキングを良好なものにするために、400〜600℃程度の高温で焼成するため、プラスチックのようなフィルム状基板を使用してフレキシブル太陽電池を作製することは事実上不可能であった。そこで、プラスチック基板が使用できる程度の低温で半導体層を作製する試みがいくつもなされているが(例えば、非特許文献2、3参照。)、従来の高温焼成タイプに比べると性能が低いという大きな課題があった。
その問題を解決するために、特許文献3に示されているように、金属箔上に半導体層を形成し、対向電極としてフィルム状のプラスチック電極を用い、対向電極側から光照射するタイプのフレキシブル色素増感太陽電池を作製する試みがなされている。しかしながら、この構成では、対向電極に設ける触媒層により半導体層に入射する光量が減少してしまい、効率が低下してしまうという問題があった。
また、素子を大型化する際には、透明電極の電気抵抗を小さくするために、透明電極上に金属グリッドを設けるなどの工夫がなされているが(例えば、特許文献4〜7参照。)、これを上記対向照射タイプの素子に適用すれば、さらに半導体層への入射光量が減少し、効率低下を招くという問題があった。
米国特許4190950号明細書 国際公開第94/04497号パンフレット 特開平11−288745号公報 特開2003−203681号公報 特開2003−203682号公報 特開2003−203683号公報 特開2004−164970号公報 「ネイチャー(Nature)」,(英国),1991年,第353 巻,p.737−740 「ジャーナル・オブ・フォトケミストリー・アンド・フォトバイオロジー・A:ケミストリー(Journal of Photochemistry and Photobiology A: Chemistry )」,(オランダ国),2001年,第145巻,p.107 「ケミストリー・レターズ(Chemistry Letters)」,2002年,p.1250
本発明はこのような実状に鑑み成されたものであり、高性能なフレキシブル色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題について鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、増感剤により修飾された半導体層を金属メッシュ上に有してなる光電変換電極を透明基板に固定したもの、少なくとも可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質を含有した電解質層、および前記可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質に対して触媒作用を有する物質により被覆された金属箔から構成される対向電極、からなることを特徴とするフレキシブル色素増感太陽電池に関する。
また、本発明は、前記金属メッシュおよび金属箔として、チタン、クロム、タングステン、白金およびそれらの合金から選ばれる材料を用いたことを特徴とするフレキシブル色素増感太陽電池に関する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、光電変換電極としては、金属メッシュ上に、増感剤により修飾された半導体層を設けたものが用いられる。
本発明に用いる金属メッシュとしては、透過率の高いものであれば、特に限定されないが、金属メッシュを構成する金属線の材質としては、チタン、クロム、タングステン、モリブデン、白金、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、亜鉛、各種ステンレスおよびそれらの合金等が挙げられ、好ましくはチタン、クロム、タングステン、白金、各種ステンレスおよびそれらの合金が望ましい。
また、金属線の線径および金属メッシュの目開きは、増感剤から半導体層に注入された電子の移動に大きく影響を及ぼし、さらには、金属メッシュの空間率は光電変換電極の透過率に大きく影響する。金属メッシュの空間率は、電極としての機能を果たせる限りにおいては高いほど好ましく、具体的には60%以上が好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上が望ましい。
また、金属線の線径および金属メッシュの目開きは、電極としての機能を果たせる限りにおいては、線径は細いほど、目開きは狭いほど好ましい。線径としては100μm以下が好ましく、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは20μm以下が望ましい。また、目開きは1mm以下が好ましく、より好ましくは500μm以下、さらに好ましくは250μm以下が望ましい。
本発明に用いられる半導体としては特に限定されないが、例えば、Bi、CdS、CdSe、CdTe、CuInS、CuInSe、Fe、GaP、GaAs、InP、Nb、PbS、Si、SnO、TiO、WO、ZnO、ZnS等が挙げられ、好ましくはCdS、CdSe、CuInS、CuInSe、Fe、GaAs、InP、Nb、PbS、SnO、TiO、WO、ZnOであり、また複数の組み合わせであってもよい。特に好ましくはTiO、ZnO、SnO、Nbおよびこれらの組み合わせであり、最も好ましくはTiO、ZnO、SnOおよびこれらの組み合わせである。
本発明に用いる半導体は単結晶でも多結晶でも良い。結晶系としては、例えば、酸化チタンの場合は、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型などが主に用いられるが、好ましくはアナターゼ型である。
半導体層の厚みは任意であるが、通常0.05μm以上100μm以下、好ましくは0.5μm以上50μm以下、さらに好ましくは1μm以上30μm以下である。
金属メッシュ上への半導体層の形成方法としては、上記半導体のナノ粒子分散液、ゾル溶液等を、公知の方法により上記金属メッシュ上に塗布することで得ることが出来る。この場合の塗布方法としては特に限定されず、キャスト法による薄膜状態で得る方法、スピンコート法、ディップコート法、バーコート法のほか、スクリーン印刷法を初めとした各種の印刷方法を挙げることができる。また、上記半導体材料またはその前駆体材料を用いて、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVDあるいはスパッタリング法などにより上記金属メッシュ上に形成することもできる。さらには、半導体層の前駆体となる金属材料の陽極酸化によっても形成することができる。ここで、陽極酸化とは、電解質中で半導体層の前駆体となる金属材料、例えば、チタン、ニオブ、タンタル、ジルコニウムやそれらを含む合金等から選択された金属を陽極、任意の金属を陰極とし、電界をかけることにより、陽極側の金属の表面上にその酸化物を形成する技術であり、陽極酸化処理中にこれらの金属が陽極である状態が一度でもあればよく、陽極と陰極を交互に実施する場合も含む。
陽極酸化に用いる金属材料としては、チタンあるいはチタンを含む合金(以下、チタン合金という。)が最も好ましい。本発明において用いるチタンまたはチタン合金としては、酸素、鉄、窒素、水素で材質を調製した工業用純チタンや、ある程度のプレス成形性を有する低合金系のチタン合金を用いることができ、JIS1種、2種、3種、4種の各種工業用純チタンや、ニッケル、ルテニウム、タンタル、パラジウム等を添加し耐食性を向上させた合金、アルミニウム、バナジウム、モリブデン、錫、鉄、クロム、ニオブ等を添加した合金等をその一例として挙げられる。なお、本発明においてチタン合金とは、チタンを50%以上含むものをいう。
陽極酸化に用いられる電解質溶液としては、リン酸、硫酸あるいはこれらの混酸、グリセロリン酸塩と金属酢酸塩を溶解した水溶液、あるいはハロゲン原子を含有するイオンが含まれる電解質溶液などが一例として挙げられる。
特に、本発明では、ハロゲン原子を含有するイオンが含まれる電解質溶液を用いることが好ましい。このような電解液を用いることでアスペクト比の高いチューブ形状を有するチタニアから構成される半導体層を得ることができる。ここでいうハロゲン原子を含有するイオンとは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の原子のいずれかを含有するイオンであり、具体的にはフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、過臭素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、塩素酸イオン、臭素酸イオン、ヨウ素酸イオン、亜塩素酸イオン、亜臭素酸イオン、次亜塩素酸イオン、次亜臭素酸イオン、次亜ヨウ素酸イオン等が挙げられる。これらのイオンは単独でもよいし、二種以上の混合物として用いることも可能である。
これらのイオンを含む電解質溶液としては、具体的には、これらのイオンを形成する酸もしくは塩の水溶液が用いられる。その濃度は、酸もしくは塩として、0.001〜50容量%が好ましく、より好ましくは0.005〜10容量%、さらに好ましくは0.01〜5容量%の範囲である。
このようなハロゲン原子を含む電解質溶液としては過塩素酸水溶液が特に好適である。
陽極酸化は、通常、印加電圧が5〜200V、好ましくは10〜100V、電流密度が0.2〜500mA/cm、好ましくは0.5〜100mA/cmの範囲で、1分〜24時間、好ましくは5分〜10時間行われる。この際、パルス的に印加電圧や電流密度を変化させることもできる。この際のパルスの周期としては特に限定されないが、0.001Hz〜1MHz、好ましくは0.01Hz〜10000Hz、さらに好ましくは0.1Hz〜1000Hzが挙げられる。また、パルスの振幅は、前述の印加電圧、電流密度の範囲内であれば特に限定されず、ON−OFF型パルス、陽極−陰極反転型のパルスなどが挙げられる。
また、陽極酸化時の電解質水溶液の温度は0〜50℃が好ましく、より好ましくは0〜40℃である。
電解質溶液には、水溶性のチタン化合物を含有させても良い。水溶性のチタン化合物は一般的に水溶液中で加水分解してチタニアを生成するため、これを含有させることにより、陽極酸化により生じたチタニアの表面に、さらに加水分解によりチタニアが生成することで、チタニアの電解質溶液への再溶解を防ぎチタニアのアスペクト比を大きくすることができる。
かかる水溶性のチタン化合物としては、チタンイソプロポキシド等のチタンアルコキシド、三塩化チタン、四塩化チタン、フッ化チタン、テトラフルオロチタン酸アンモニウム、硫酸チタン、硫酸チタニル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。その濃度は、ハロゲン原子含有イオンに対して、モル比で0.001〜1000が好ましく、より好ましくは0.01〜50、さらに好ましくは0.04〜5の範囲で用いられる。
また、電解質溶液には、ハロゲン原子を含有するイオンを形成する酸もしくは塩とは異種の酸性化合物を含有させても良い。酸性化合物を含有させることにより、陽極酸化速度を促進または抑制するといった、反応速度を制御することができる。
かかる酸性化合物としては、前述のハロゲン化物もしくはその酸化体イオンの酸の他、硫酸、硝酸、酢酸、過酸化水素、シュウ酸、リン酸、クロム酸、グリセロリン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。その濃度は、ハロゲン原子含有イオンに対して、モル比で0.001〜1000が好ましく、より好ましくは0.01〜50、さらに好ましくは0.04〜5の範囲で用いられる。
また、電解質溶液には、チタニア微粒子を含有させても良い。チタニア微粒子を含有させることにより、生成したチタニアが電解質溶液に再溶解することを防ぎ、チタニアのアスペクト比を大きくすることができる。
かかるチタニア微粒子としては、粒径が0.5〜100nmのものが好ましく、より好ましくは2〜30nmのものが使用される。具体的には、チタン鉱石から液相法により調製したものや、気相法、ゾル・ゲル法、液相成長法で合成したものを挙げることができる。ここで、気相法とは、チタン鉱石を、硫酸等の強酸で、加熱加水分解して得られる含水酸化チタンを800℃〜850℃で焼成してチタニアを製造する方法である。液相法とは、塩化チタンに酸素及び水素を接触させて、チタニアを製造する方法である。ゾル・ゲル法とは、チタンアルコキシドをアルコール水溶液中で加水分解させてゾルを生成させ、さらに、該ゾルに加水分解触媒を加えて、放置してゲル化させ、該ゲル化物を焼成してチタニアを製造する方法である。液相成長法とはフッ化チタンやテトラフルオロチタン酸アンモニウム、硫酸チタニル等の加水分解でチタニアを得る方法である。
上記の方法により、チタン金属もしくはチタン合金を陽極酸化して、高アスペクト比のナノチューブ形状のチタニアから構成される半導体層を得ることができる。アスペクト比は直径に対する長さの比であり、本発明の方法を用いることによりアスペクト比が6以上、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、さらに好ましくは30以上のナノチューブ形状のチタニアから構成される半導体層を得ることができる。
また、上記方法により得られるナノチューブ形状のチタニアの直径は、製造条件等により異なるが、通常5nm〜500nmであり、好ましくは10nm〜300nmである。長さについても、製造条件等により異なるが、通常0.1μm〜100μmであり、好ましくは1μm〜50μmである。
また、上述した陽極酸化法で作製された半導体層上に、さらに上述した半導体のナノ粒子分散液、ゾル溶液等を、公知の方法により塗布してもよい。
上記方法により形成した半導体層は、必要により、加熱処理、水蒸気処理、紫外線照射、マイクロ波照射等の後処理を行うことができる。これにより、例えばチタニアの場合には、その結晶構造(アナターゼ、ルチル、ブルッカイト、及びそれらの混晶)を成長させることができる。例えば、加熱処理の場合、100℃〜1200℃、好ましくは300℃〜800℃の温度で、10分〜500分、好ましくは30分〜160分処理を行うことで、チタニアの結晶性が向上することが期待できる。これらの処理により、チューブ形状は崩壊しない。
次に本発明において半導体層を修飾(吸着、付着など)する増感剤について説明する。
増感剤としては、金属錯体色素、有機色素、天然色素などが挙げられる。色素の分子中にカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、ホスホニル基、カルボキシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基、スルホニルアルキル基、ホスホニルアルキル基などの官能基を有するものが好適に用いられる。金属錯体色素としては、ルテニウム、オスミウム、鉄、コバルト、亜鉛、水銀の錯体(例えばメリクルクロム)や金属フタロシアニン、クロロフィル等を用いることができる。
本発明において用いる金属錯体色素としては、以下のようなものが例示される。
(色素1)
Figure 2006324111
ここでXは、一価のアニオンを示すが、各Xは独立でも、架橋されていていても良い。例えば、次のようなものが例示される。
Figure 2006324111
(色素2)
Figure 2006324111
ここで、Xは前記したXと同じものを示す。またXは一価のアニオンを示し、例えば次のようなものが例示される。
Figure 2006324111
Yとしては、一価アニオンであって、ハロゲンイオン、SCN、ClO 、BF 、CFSO -、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、および(CSO-等を挙げることができる。
(色素3)
Figure 2006324111
ここでZは、非共有電子対を有する原子団であって、2つのZは独立でも、架橋されていていても良い。例えば、次のようなものが例示される。
Figure 2006324111
Yとしては、一価アニオンであって、ハロゲンイオン、SCN、ClO 、BF 、CFSO -、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、および(CSO-等を挙げることができる。
(色素4)
Figure 2006324111
また、有機色素としては、シアニン系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、金属フリーフタロシアニン系色素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明において用いる有機色素としては、以下のようなものが例示される。
Figure 2006324111
(Xは窒素または硫黄を表し、nは10〜5,000を表す。)
色素として用いることができる半導体としては、i型の光吸収係数が大きなアモルファス半導体や直接遷移型半導体、量子サイズ効果を示し、可視光を効率よく吸収する微粒子半導体が好ましい。
また、光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、前述した各種の半導体や金属錯体色素や有機色素の一種、または二種類以上を混合することができる。また目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように、混合する増感剤とその割合を選ぶことができる。
前記増感剤を金属メッシュ上に設けられた半導体層に付着させる方法としては、前記増感剤を溶媒に溶解させた溶液を、半導体層上にスプレーコートやスピンコートなどにより塗布した後、乾燥する方法により形成することができる。この場合、適当な温度に半導体層を加熱しても良い。または半導体層を溶液に浸漬して吸着させる方法を用いることも出来る。浸漬する時間は色素が十分に吸着すれば特に制限されることはないが、好ましくは10分〜30時間、特に好ましくは10分〜20時間である。また、必要に応じて浸漬する際に溶媒や基板を加熱しても良い。好ましくは溶液にする場合の色素の濃度としては、1〜1000mmol/L、好ましくは10〜500mmol/L程度である。
用いる溶媒は特に制限されるものではないが、水及び有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリルなどのニトリル系溶媒、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、ペンタン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ブタノンなどのケトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどが使用可能である。
次に、上述のような方法で得られた、増感剤により修飾された半導体層を金属メッシュ上に有してなる光電変換電極を、透明基板に貼り付けて固定する。
本発明で用いる透明基板としては、フレキシブルであり、かつ透明であれば、特に限定されず、例えば無色あるいは有色のソーダライムガラスやパイレックス(登録商標)ガラス、白板と呼ばれる高透過率ガラス、合成石英や溶融石英、アルミナ、ジルコニア等の無機材料の他、無色あるいは有色の樹脂でも良い。樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテンなどが挙げられる。なお、本発明における透明性とは、10〜100%の透過率、好ましくは50%以上の透過率を有することである。また、フレキシブルとは、応力によって容易に変形できる程度の厚みを有するものであり、材質によってその厚みの範囲は違ってくるが、5μm〜0.5mm、好ましくは10μm〜0.2mmの範囲が望ましい。
光電変換電極を透明基板に貼り付ける方法としては、透明性を阻害しなければ特に限定されず、各種接着剤、粘着剤、接着性フィルム等を用いて、通常の方法により貼り付けることができる。
次に、本発明で用いる電解質に関して説明する。
電解質としては、可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質を含有していることが必須要件であり、液体系でも固体系でもいずれでもかまわない。
また、電解質のイオン伝導度は、通常室温で1×10−7S/cm以上、好ましくは1×10−6S/cm以上、さらに好ましくは1×10−5S/cm以上であるものが望ましい。なお、イオン伝導度は、複素インピーダンス法などの一般的な手法で求めることができる。
また、本発明における電解質は、含有する可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質の酸化体の拡散係数が1×10−9cm/s以上、好ましくは1×10−8cm/s以上、さらに好ましくは1×10−7cm/s以上を示すものが望ましい。なお、拡散係数は、イオン伝導性を示す一指標であり、定電位電流特性測定、サイクリックボルタモグラム測定などの一般的な手法で求めることができる。
電解質層の厚さは、特に限定されないが、1μm以上であることが好ましく、より好ましくは10μm以上であり、また3mm以下が好ましく、より好ましくは1mm以下である。
液体系の電解質としては特に限定されるものではなく、通常、溶媒、可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質(溶媒に可溶なもの)およびさらに必要に応じて支持電解質を基本的成分として構成される。また、これらに加え、所望によりさらに紫外線吸収剤、アミン化合物などの他の任意成分を含有させてもよい。
溶媒としては、一般に電気化学セルや電池に用いられる溶媒であればいずれも使用することができる。具体的には、無水酢酸、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、アセトニトリル、3−メチル−2−オキサゾリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、エチレンカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、3−メチルスルホラン、ジメトキシエタン、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジオキソラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、及びポリエチレングリコール等が使用可能である。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、3−メチル−2−オキサゾリジノン、γ−ブチロラクトン、スルホラン、3−メチルスルホラン、ジオキソラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルが好ましい。また、常温溶融塩類も用いることができる。ここで、常温溶融塩とは、常温において溶融している(即ち液状の)イオン対からなる塩であり、通常、融点が20℃以下であり、20℃を越える温度で液状であるイオン対からなる塩を示すものである。
常温溶融塩の例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2006324111
(ここで、Rは炭素数2〜20、好ましくは2〜10のアルキル基を示し、Xはハロゲンイオン、SCN、SeCN、ClO 、BF 、CFSO 、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、(CSO、ジシアンジアミドイオン、トリシアノメタンイオンまたはチオシアネートを示す。)
Figure 2006324111
(ここで、RおよびRは各々炭素数1〜10のアルキル基(好ましくはメチル基またはエチル基)、または炭素数7〜20、好ましくは7〜13のアラルキル基(好ましくはベンジル基)を示しており、互いに同一でも異なっても良い。また、Xはハロゲンイオン、SCN、SeCN、ClO 、BF 、CFSO 、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、(CSO、ジシアンジアミドイオン、トリシアノメタンイオンまたはチオシアネートを示す。)
Figure 2006324111
(ここで、R、R、R、Rは、各々炭素数1以上、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基(フェニル基など)、またはメトキシメチル基などを示し、互いに同一でも異なってもよい。また、Xはハロゲンイオン、SCN、SeCN、ClO 、BF 、CFSO 、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、(CSO、ジシアンジアミドイオン、トリシアノメタンイオンまたはチオシアネートイオンを示す。)
これらの溶媒はその1種を単独で使用しても良いし、また2種以上を混合して使用しても良い。
また、可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質は、通常、いわゆるレドックス材と称されるものであるが、特にその種類を制限するものではない。かかる物質としては、例えば、フェロセン、p−ベンゾキノン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、テトラチアフルバレン、チアントラセン、p−トルイルアミン、フェロシアン酸―フェリシアン酸塩などの錯塩、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド、ヒドロキノン−キノン、ビオロゲン色素等を挙げることができる。また、ハロゲンイオン、SCN、SeCNから選ばれる対アニオン(X)を有する塩類も好適に用いられる。これらのアニオンを有する塩類としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、イミダゾリウム塩、グアニジウム塩などが挙げられる。アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩として、具体的には、LiX、NaX、KX、CeX、MgX、CaX等が挙げられる。
また、4級アンモニウム塩としては、具体的には、(CH、(C、(n−C、さらには、
Figure 2006324111
等が挙げられる。
また、4級ホスホニウム塩としては、具体的には、(CH、(C、(C、(C、さらには、
Figure 2006324111
等が挙げられる。
また、イミダゾリウム塩としては、以下の一般式で示されるものが挙げられる。
Figure 2006324111
ここで、RおよびRは各々炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数7〜20、好ましくは7〜13のアラルキル基を示しており、互いに同一でも異なっても良い。また、R〜Rは各々、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数7〜20、好ましくは7〜13のアラルキル基を示しており、互いに同一でも異なっても良い。Xはハロゲンイオン、SCN、またはSeCNを示す。
このようなイミダゾリウム塩の具体例としては、1−プロピル−2,3−ジメチル−イミダゾリウム塩、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム塩等が挙げられる。
また、グアニジウム塩の具体例としては、塩酸グアニジウム、チアシアン酸グアニジウム、硝酸グアニジウムなどが挙げられる。
もちろん、これらの混合物も好適に用いることができる。
また、可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質として、レドックス性常温溶融塩類も用いることができる。ここで、レドックス性常温溶融塩とは、常温において溶融している(即ち液状の)イオン対からなる塩であり、通常、融点が20℃以下であり、20℃を越える温度で液状であるイオン対からなる塩を示すものであって、かつ可逆的な電気化学的酸化還元反応を行うことができるものである。可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質として、レドックス性常温溶融塩類を用いる場合、前記溶媒は用いても、用いなくてもどちらの形態でもよい。
レドックス性常温溶融塩はその1種を単独で使用することができ、また2種以上を混合しても使用することもできる。
レドックス性常温溶融塩の例としては、例えば、前述した常温溶融塩のうち、Xとしてハロゲンイオン、SCNまたはSeCNのものが挙げられる。
レドックス材は、酸化体、還元体のどちらか一方のみを用いてもよいし、酸化体と還元体を適当なモル比で混合し、添加することもできる。また、電気化学的応答性を示すように、これら酸化還元対を添加するなどしても良い。そのような性質を示す材料としては、ハロゲンイオン、SCN、SeCN、ClO 、BF 、CFSO 、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、および(CSOから選ばれる対アニオンを有するフェロセニウムなどのメタロセニウム塩などのほか、ヨウ素、臭素、塩素などのハロゲン類を用いることもできる。
可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質の使用量は、電解質中で析出等の不具合を起こさない限り、特に限定されるものではないが、通常電解質中の濃度として、0.001〜10mol/L、好ましくは、0.01〜1mol/Lであることが望ましい。ただし、レドックス性常温溶融塩類を単独で用いる場合は、この限りではない。
また、必要に応じて加えられる支持電解質としては、電気化学の分野又は電池の分野で通常使用される塩類、酸類、アルカリ類、常温溶融塩類が使用できる。
塩類としては、特に制限はなく、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩、環状4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、環状4級ホスホニウム塩、イミダゾリウム塩、グアニジウム塩などが使用できる。
塩類の具体例としては、ClO 、BF 、CFSO 、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、(CSO、およびジシアンジアミドイオン(DCA-)から選ばれる対アニオンを有するアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、4級アンモニウム塩、環状4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、環状4級ホスホニウム塩、イミダゾリウム塩、あるいはグアニジウム塩が挙げられる。
アルカリ金属、アルカリ土類金属塩の具体例としては、LiClO、LiBF、LiPF、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON、CHCOOLi、CH(C)SOLi、Li(CSOC、LiDCA、Mg(ClO2、Mg(BF2、Mg(PF2、Mg(CFSO2、Mg[(CFSON]、Mg[(CSON]、Mg(CHCOO)2、Mg[CH(C)SO]、Mg[(CSOC]、Mg(DCA)2等が挙げられる。
4級アンモニウム塩、環状4級アンモニウム塩の具体例としては、(CHBF 、(CBF 、(n−CBF 、(CBr、(CClO 、(n−CClO 、CH(CBF 、(CH(CBF 、(CHSOCF 、(CSOCF 、(n−CSOCF 、さらには、
Figure 2006324111
等が挙げられる。
また4級ホスホニウム塩、環状4級ホスホニウム塩の具体例としては、(CHBF 、(CBF 、(CBF 、(CBF 、さらには、
Figure 2006324111
等が挙げられる。
また、イミダゾリウム塩の具体例としては、1−プロピル−2,3−ジメチル−イミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート等が挙げられる。
また、グアニジウム塩の具体例としては、塩酸グアニジウム、チアシアン酸グアニジウム、硝酸グアニジウムなどが挙げられる。
また、これらの混合物も好適に用いることができる。
酸類も特に限定されず、無機酸、有機酸などが使用でき、具体的には硫酸、塩酸、リン酸類、スルホン酸類、カルボン酸類などが使用できる。
アルカリ類も特に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがいずれも使用可能である。
常温溶融塩類としては、前記した化合物が用いられる。
以上の支持電解質の使用量については特に制限はなく、任意であるが、通常、電解質中の濃度として、0.01〜10mol/L、好ましくは0.05〜1mol/L程度を含有させることができる。
次に、所望により添加する任意成分に関して説明する。
任意成分としては、紫外線吸収剤、アミン化合物などを挙げることができる。用いることができる紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物、ベンゾフェノン骨格を有する化合物等の有機紫外線吸収剤が代表的な物として挙げられる。
ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物としては、例えば、下記の一般式(1)で表される化合物が好適に挙げられる。
Figure 2006324111
一般式(1)において、Rは、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基を示す。ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。Rの置換位置は、ベンゾトリアゾール骨格の4位または5位であるが、ハロゲン原子およびアルキル基は通常4位に位置する。Rは、水素原子または炭素数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基を示す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。Rは、炭素数1〜10、好ましくは1〜3のアルキレン基またはアルキリデン基を示す。アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等を挙げることができ、またアルキリデン基としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基等が挙げられる。
一般式(1)で示される化合物の具体例としては、3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプロパン酸、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンエタン酸、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシベンゼンエタン酸、3−(5−メチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロパン酸、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプロパン酸オクチルエステル等が挙げられる。
ベンゾフェノン骨格を有する化合物としては、例えば、下記の一般式(2)〜(4)で示される化合物が好適に挙げられる。
Figure 2006324111
上記一般式(2)〜(4)において、R、R、R、R、R11、及びR12は、互いに同一もしくは異なる基であって、ヒドロキシル基、炭素数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基またはアルコキシ基を示す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、及びシクロヘキシル基等を挙げることができる。またアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、及びブトキシ基等を挙げることができる。
、R、及びR10は、炭素数1〜10、好ましくは1〜3のアルキレン基またはアルキリデン基を示す。アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、及びプロピレン基等を挙げることができる。アルキリデン基としては、例えば、エチリデン基、及びプロピリデン基等が挙げられる。
p1、p2、p3、q1、q2、及びq3は、それぞれ別個に0乃至3の整数を表す。
上記一般式(2)〜(4)で表されるベンゾフェノン骨格を有する化合物の好ましい例としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−カルボン酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−カルボン酸、4−(2−ヒドロキシベンゾイル)−3−ヒドロキシベンゼンプロパン酸、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。
もちろん、これらを二種以上組み合わせて使用することができる。
紫外線吸収剤の使用は任意であり、また使用する場合の使用量も特に制限されるものではないが、使用する場合は電解質中の濃度として、0.001〜10mol/L、好ましくは、0.01〜1mol/Lであることが望ましい。
次に、本発明の電解質に含有させることができるアミン化合物としては、特に限定されず、各種脂肪族アミン、芳香族アミンが用いられるが、例えば、ピリジン誘導体、アニリン誘導体、キノリン誘導体、イミダゾール誘導体などが代表的なものとして挙げられる。これらのアミン化合物を添加することで、開放電圧の向上が見込まれる。これらの化合物の具体例としては、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、4−エチルピリジン、4−プロピルピリジン、4−t−ブチル−ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、4−ピリジノピリジン、4−ピロリジノピリジン、4−(2−アミノエチル)ピリジン、2−(2−アミノエチル)ピリジン、2−メトキシメチルピリジン、ピコリン酸、2−ピリジンメタノール、2−ピリジンエタノール、3−ピリジンメタノール、2,3−シクロペンテノピリジン、ニコチンアミド、ニコチン酸、4,4’−ビピリジン、2,2’−ビピリジン等のピリジン誘導体や、アニリン、ジメチルアニリン等のアニリン誘導体、キノリン、イソキノリンなどのキノリン誘導体、ベンズイミダゾール、N−メチルベンズイミダゾールなどのイミダゾール誘導体が挙げられる。
前記アミン化合物の使用は任意であり、また使用する場合の使用量も特に制限されるものではないが、使用する場合は電解質中の濃度として、0.001〜10mol/L、好ましくは0.01〜1mol/Lであることが望ましい。
また、本発明において用いる電解質としては、前記のような液体系でもよいが、固体化が可能であるとの観点から、高分子固体電解質が特に好ましい。高分子固体電解質としては、特に好ましいものとして、(a)高分子マトリックス(成分(a))に、少なくとも(b)可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質(成分(b))を含有し、所望により(c)可塑剤(成分(c))をさらに含有するものが挙げられる。また、これらに加え、所望によりさらに前記した支持電解質、紫外線吸収剤、アミン化合物などの他の任意成分を含有させてもよい。高分子固体電解質としては、前記成分(b)または、成分(b)と成分(c)、あるいはさらなる任意成分が、高分子マトリックス中に保持されることによって固体状態またはゲル状態が形成される。
本発明において高分子マトリックス(成分(a))として使用できる材料としては、高分子マトリックス単体で、あるいは可塑剤の添加や、支持電解質の添加、または可塑剤と支持電解質の添加によって固体状態またはゲル状態が形成されれば特に制限は無く、一般的に用いられるいわゆる高分子化合物を用いることができる。
上記高分子マトリックスとしての特性を示す高分子化合物としては、ヘキサフロロプロピレン、テトラフロロエチレン、トリフロロエチレン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、フッ化ビニリデンなどのモノマーを重合または共重合して得られる高分子化合物を挙げることができる。またこれらの高分子化合物は単独で用いても良く、また混合して用いても良い。これらの中でも、特にポリフッ化ビニリデン系高分子化合物が好ましい。
ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物としては、フッ化ビニリデンの単独重合体、あるいはフッ化ビニリデンと他の重合性モノマー、好適にはラジカル重合性モノマーとの共重合体を挙げることができる。フッ化ビニリデンと共重合させる他の重合性モノマー(以下、共重合性モノマーという。)としては、具体的には、ヘキサフロロプロピレン、テトラフロロエチレン、トリフロロエチレン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレンなどを例示することができる。これらの中でも、特にカルボキシル基を有するモノマーとの共重合体が好ましい。すなわち、ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物としては、カルボキシル基を含有するものが好ましい。
これらの共重合性モノマーは、モノマー全量に対して0.1〜50mol%、好ましくは1〜25mol%の範囲で使用することができる。
共重合性モノマーとしては、好適にはヘキサフロロプロピレンが用いられる。本発明においては、特にフッ化ビニリデンにヘキサフロロプロピレンを1〜25mol%共重合させたフッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体を高分子マトリックスとするイオン伝導性フィルムとして好ましく用いることができる。また共重合比の異なる2種類以上のフッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体を混合して使用しても良い。
また、これらの共重合性モノマーを2種類以上用いてフッ化ビニリデンと共重合させることもできる。例えば、フッ化ビニリデン+ヘキサフロロプロピレン+テトラフロロエチレン、フッ化ビニリデン+ヘキサフロロプロピレン+アクリル酸、フッ化ビニリデン+ヘキサフロロプロピレン+無水マレイン酸、フッ化ビニリデン+テトラフロロエチレン+エチレン、フッ化ビニリデン+テトラフロロエチレン+プロピレンなどの組み合わせで共重合させて得られる共重合体を使用することもできる。
さらに、本発明においては高分子マトリックスとしてポリフッ化ビニリデン系高分子化合物に、ポリアクリル酸系高分子化合物、ポリアクリレート系高分子化合物、ポリメタクリル酸系高分子化合物、ポリメタクリレート系高分子化合物、ポリアクリロニトリル系高分子化合物およびポリエーテル系高分子化合物から選ばれる高分子化合物を1種類以上混合して使用することもできる。あるいはポリフッ化ビニリデン系高分子化合物に、上記した高分子化合物のモノマーを2種以上共重合させて得られる共重合体を1種類以上混合して使用することもできる。このときの単独重合体あるいは共重合体の配合割合は、ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物100質量部に対して、通常200質量部以下とすることが好ましい。
本発明において用いられるポリフッ化ビニリデン系高分子化合物の重量平均分子量は、通常10,000〜2,000,000であり、好ましくは100,000〜1,000,000の範囲のものが好適に使用することができる。
可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質(成分(b))としては、具体的には、前述の液体系電解質において例示した各種レドックス材やレドックス性常温溶融塩類が用いられる。
成分(b)としてレドックス常温溶融塩類以外を用いる場合は、通常、成分(c)と併用することが好ましい。成分(b)としてレドックス性常温溶融塩類を用いる場合は、成分(c)を併用しなくても、併用してもどちらの形態でもよい。
可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質(成分(b))の使用量については特に制限はないが、通常、高分子固体電解質中に0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、かつ70質量%以下、好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下の量で含有させることができる。
なお、成分(b)は、可塑剤(成分(c))と併用することが好ましい。
可塑剤(成分(c))は、可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質に対する溶媒として作用する。かかる可塑剤としては、一般に電気化学セルや電池において電解質溶媒として使用され得るものであればいずれも使用することができ、具体的には液体系電解質において例示した各種溶媒を挙げることができる。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、3−メチル−2−オキサゾリジノン、γ−ブチロラクトン、スルホラン、3−メチルスルホラン、ジオキソラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルが好ましい。また、前述した常温溶融塩類も用いることができる。
可塑剤はその1種を単独で使用しても良いし、また2種以上を混合して使用しても良い。
可塑剤(成分(c))の使用量は特に制限はないが、通常、高分子固体電解質中に20質量%以上、好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、かつ98質量%以下、好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下の量で含有させることができる。
成分(b)と成分(c)を併用する場合、成分(b)は、成分(c)に溶解しかつ高分子固体電解質とした際にも析出等が起こらない混合比とすることが望ましく、好ましくは成分(b)/成分(c)が質量比で0.01〜0.5、さらに好ましくは0.03〜0.3の範囲である。
また、成分(a)に対しては、好ましくは成分(a)/(成分(b)+成分(c))質量比が1/20〜1/1、さらに好ましくは1/10〜1/2の範囲であることが望ましい。
これらに加え、固体電解質中には、所望によりさらに支持電解質、紫外線吸収剤、アミン化合物などの他の任意成分を含有させてもよい。
高分子固体電解質における支持電解質の使用量については特に制限はなく任意であるが、通常、高分子固体電解質中に0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、かつ70質量%以下、好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下の量で含有させることができる。また、紫外線吸収剤、アミン化合物などの種類および含有量は液体電解質において例示した通りである。
次に本発明において高分子固体電解質はイオン伝導性フィルムとして用いることができる。例えば、前記成分(a)および(b)、あるいはさらに所望により配合される任意成分からなる高分子固体電解質を公知の方法によりフィルムに成形することによりイオン伝導性フィルムを得ることが出来る。この場合の成形方法としては特に限定されず、押出し成型、キャスト法によるフィルム状態で得る方法、スピンコート法、ディップコート法や、注入法、含浸法などを挙げることができる。
押出し成型については常法により行うことができ、前記混合物を過熱溶融した後、フィルム成型することが行われる。
キャスト法については、前記混合物をさらに適当な希釈剤にて粘度調整を行い、キャスト法に用いられる通常のコータにて塗布し、乾燥することで成膜することができる。コータとしては、ドクタコータ、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、リバースロールコータ、グラビアコータ、スプレイコータ、カーテンコータを用いることができ、粘度および膜厚により使い分けることができる。
スピンコート法については、前記混合物をさらに適当な希釈剤にて粘度調整を行い、市販のスピンコーターにて塗布し、乾燥することで成膜することができる。
ディップコート法については、前記混合物をさらに適当な希釈剤にて粘度調整を行って混合物溶液を作製し、適当な基盤を混合物溶液より引き上げた後、乾燥することで成膜することができる。
次に、本発明で用いる対向電極に関して説明する。
本発明における対向電極は、前述した可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質に対して触媒作用を有する物質により被覆された金属箔からなることを特徴とする。
本発明に用いられる金属箔としては、フレキシブルである限り特に限定されないが、材質としては、チタン、クロム、タングステン、モリブデン、白金、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、亜鉛、各種ステンレスおよびそれらの合金等が挙げられ、好ましくはチタン、クロム、タングステン、白金、各種ステンレスおよびそれらの合金が望ましい。
また金属箔の厚みとしては、フレキシブルである限り特に限定されず、材質によって異なるが、例えば、5μm〜0.5mmの範囲が好ましく、より好ましくは20μm〜0.2mmの範囲である。
また、触媒作用を有する物質としては、例えば、白金などの貴金属、ポリジオキシチオフェン、ポリピロールのような導電性有機化合物や各種カーボン材料などを例示することができる。触媒を形成することの可能なカーボン材料としては、特に制限されることは無いが、例えば、ボロンなどでドープしたダイアモンド薄膜、黒鉛やグラファイト、ガラス状カーボン、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、活性炭、石油コークス、C60やC70などのフラーレン類、単層または多重層のカーボンナノチューブなどを挙げることができる。なお、カーボン材料の形状としては、最終的にカーボン層を形成するものであれば、特に限定されなく、原料形状としては、液体状、ガス状、固体状(粉末、短繊維、長繊維、織布、不織布など)のいずれの形態でもよい。
触媒作用を有する物質で金属箔を被覆する方法は特に限定されることはなく、公知の方法を採用することができる。例えば、触媒材料およびバインダーを混合してペースト状とし金属箔表面にスクリーン印刷、平板印刷、グラビア印刷、凹版印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、特殊印刷する方法、ドクターブレード法、金属箔上にあらかじめ溝を形成しておき、該溝に触媒材料およびバインダーを混合したペーストを充填した後、へら等で余剰のペーストを除去する方法等により製造することができる。また、ペーストを金属箔表面に配置した後、加熱等によって導電性や密着性を向上させても良い。加熱には、オーブンやマッフル炉、電気炉の他、赤外線加熱等を利用しても良い。焼成温度は、用いるペーストおよび金属箔材料によって異なるが、好ましくは50℃〜700℃、より好ましくは100℃〜600℃、さらに好ましくは200℃〜500℃である。また、必要に応じて窒素雰囲気下で焼成を行っても良い。あるいは、熱CVD、プラズマCVDなどのCVD、イオンビームスパッタリングなどのスパッタリング、PLD、アーク法などや電析法、電気泳動法、電解メッキ、無電解メッキなどの湿式成膜法を挙げることができる。CVDにより成膜する場合は、成膜温度は300℃以上が好ましく、さらに好ましくは500℃以上である。また、CVDの際に電磁波を照射してもよい。また、湿式成膜法では、(金属箔温度)−(20℃〜300℃)の範囲内で形成されるのが好ましい。
本発明では、金属メッシュを使用することで、透明性に優れ、フレキシブルで、表面抵抗値の低い光電変換電極を作製することができ、変換効率の高いフレキシブル色素増感太陽電池の作製が可能になる。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
(実施例1)
(1)色素吸着チタニア付き金属メッシュ電極の作製
線径15μm、メッシュ数105のタングステンメッシュを11cm角に切り出し、チタニアペースト(Ti−Nanoxide−T/SP、ソーラロニクス社製)をギャップ180μmのアプリケーターを用いてコートし、乾燥後、520℃で1時間焼成することで厚さ18μmの酸化チタン層を形成した。次に四塩化チタン水溶液(16.5%品、住友チタニウム社製)を25倍に希釈した水溶液に、上記酸化チタン電極を浸漬し、密閉状態で、40℃で40分放置した後、純水で洗浄し、乾燥させ、450℃で1時間焼成した。
上記で得られたチタニア電極をルテニウム色素(Rutenium535−bisTBA:ソーラロニクス社製)/エタノール溶液(4.0×10−4mol/L)に15時間浸した後、エタノールで洗浄し、色素吸着チタニア付き金属メッシュ電極を作製した。
(2)フレキシブル対向電極の作製
厚さ0.05mmのチタン基板(純度99.7重量%)の片面に、DCマグネトロンスパッタリングにより30nmのPt薄膜を形成することで、対向電極とした。
(3)光電変換素子の作製
上記で作製した色素吸着チタニア付き金属メッシュ電極の4辺をイミドテープでPET基板に固定した。上記で作製した対向電極の白金薄膜成膜面にブチルゴムシールを配置し、53〜63μm径のガラスビーズをブチルゴム側面にばら撒いた。このとき一部注入口となる部分にはブチルゴムを配置しなかった。この上に、PET基板に固定した金属メッシュ電極の金属メッシュ面を合わせて、2MPaの圧力をかけて接着した。得られたセルの注入孔を用いて、0.1mol/Lのヨウ化リチウムと0.5mol/Lのヨウ化1−プロピル−2,3−ジメチル−イミダゾリウムと0.05mol/Lのヨウ素と0.5mol/Lの4−t−ブチルピリジンを含む3−メトキシプロピオニトリル溶液を真空注入し、注入孔をブチルゴムで封止した後、エポキシ樹脂を用いて、周辺部に2次シールを行った。このようにして得たセルに疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定したところ、良好な光電変換特性(変換効率5.2%)を得た。また、作製したセルは、90度まで折り曲げることができ、折り曲げた後、元の状態に戻して、光電変換特性を測定しても変化は見られなかった。
(実施例2)
線径30μm、100メッシュのチタン金属メッシュを11cm角に切り出し、4辺をイミドテープでガラス基板に貼り付けた。16℃に保った、0.002mol/Lの過塩素酸水溶液中で前記チタン金属メッシュ基板を30Vで1時間陽極酸化することによってチタニア電極を作製した。これを450℃で1時間焼成後、実施例1と同様の方法により、色素を吸着させた。
この色素吸着チタニア付き金属メッシュ電極を用いて実施例1と同様の方法により光電変換素子を作製し、疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定したところ、良好な光電変換特性(変換効率5.0%)を得た。
(比較例1)
対極として、ITO膜付き透明導電フィルム(トービ社製)上にDCマグネトロンスパッタリングにより30nmのPt薄膜を形成した電極を用いた以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定したところ、その光電変換特性は変換効率3.0%と、低いものであった。
(比較例2)
前記非特許文献2に示されている方法により、ITO膜付き透明導電フィルム(トービ社製)上にチタニア電極を作製した。対極としては0.05mmのチタン箔上にDCマグネトロンスパッタリングにより30nmのPt薄膜を形成した電極を用い、実施例1と同様に光電変換素子を作製し、疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定したところ、その光電変換特性は変換効率2.8%と、低いものであった。

Claims (2)

  1. 増感剤により修飾された半導体層を金属メッシュ上に有してなる光電変換電極を透明基板に固定したもの、少なくとも可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質を含有した電解質層、および前記可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質に対して触媒作用を有する物質により被覆された金属箔から構成される対向電極、からなることを特徴とするフレキシブル色素増感太陽電池。
  2. 金属メッシュおよび金属箔として、チタン、クロム、タングステン、白金、各種ステンレスおよびそれらの合金から選ばれる材料を用いたことを特徴とする請求項1記載のフレキシブル色素増感太陽電池。
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