JP2006322186A - 盗難対策装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】どんなときに、どんな状態で盗まれても対象物を動かなくしてしまうように機能する盗難対策装置であり、電子制御で動く対象物であれば、大は車両や船舶から小は携帯電話やICカードに至るまで、幅広い対象物に搭載することができて、対象物を盗んでも使えなくしてしまう装置であり、盗人に対象物の使用価値を渡さない盗難対策方法及び盗難対策装置を提供する。
【解決手段】電子回路の電源スイッチとは別に、電子回路本体の中枢部にA接点のスイッチ機構である第二のスイッチを設けて、入力装置と識別装置と接続指示装置と時限装置とを主な構成要素とする制御手段で第二のスイッチを制御する、第二のスイッチが動作していないときは、前記電源スイッチを入れても正常には機能しない状態にして保持することを特徴とする盗難対策装置の機能を持った電子回路を搭載した対象物。
【選択図】 図38
【解決手段】電子回路の電源スイッチとは別に、電子回路本体の中枢部にA接点のスイッチ機構である第二のスイッチを設けて、入力装置と識別装置と接続指示装置と時限装置とを主な構成要素とする制御手段で第二のスイッチを制御する、第二のスイッチが動作していないときは、前記電源スイッチを入れても正常には機能しない状態にして保持することを特徴とする盗難対策装置の機能を持った電子回路を搭載した対象物。
【選択図】 図38
Description
本発明は、ICカードから車両にいたる対象物の電子回路に搭載する盗難対策装置に関する。
従来の盗難対策装置は、鍵や錠や警報装置や監視装置などであり、盗人の盗む行動に対して対象物を盗みにくい環境にする手段を用いたものであった。したがって、これらの手段は、回避されたり、壊されたり、取り除かれてしまうと、盗難対策装置としての効果がなくなってしまい盗人に対象物を使われてしまうという欠点があった。
よって従来は、対象物がひとたび盗人の手に渡ってしまうと、対象物は盗人の思いのままにされてしまい、盗まれた持ち主は盗人を捕らえる以外になすすべがなかった。つまり、対象物が持つ使用価値が、そっくりそのまま盗人の手に渡ってしまっていた。
盗人の手に渡ってしまった対象物をあたかも壊れたかのように動かなくしてしまう機能を持った電子回路もなかったし、盗人の手に渡ってしまった対象物の使用価値を無くしてしまう装置もこれまでには無かった。
対象物を自由に使えて、盗まれたときに盗人に対象物を使用させない機能を持って、しかも盗人に侵入されない、盗難対策装置の機能を持った電子回路はこれまでは無かった。
通常は正常には動かない状態の電子回路であって、管理者だけが正常に動く状態にすることができて、自動的に正常には動かない状態に戻って、しかも盗人に侵入されないという、盗難対策装置に使用できる電子回路で車両等の移動体に使用できる電子回路はこれまでは無かった。
ICカードに搭載する盗難対策装置はこれまでには無かった。
電子式の盗難対策装置は車両用にあるが、その他の対象物用の電子式の盗難対策装置で普及しているものは無い。
従来、盗難対策装置として先進のものの例として、乗用車の盗難対策装置として開発されたイモビライザーと呼ばれる盗難対策装置がある。これは、ICチップを装着したキーを差し込むことによって車両のコンピューターが所有者を識別して認識する方式であり、キーなどに組み込まれた発信機で正しい識別信号を認識しなければエンジンが掛からない仕組みである。キーの偽造ができないことと、キーが無ければエンジンがかからないという特徴から車両盗難には有効である。
しかし、イモビライザーのような先進の盗難対策装置は車両には有効であるが車両以外の対象物には適さない。
また、イモビライザーを搭載した車両であっても、今日では運転中の車両を強奪してキーと一緒に盗んでしまう手口まで現れている。このように識別機能の発信機という管理権を一緒に盗まれてしまう手口にはイモビライザーのような先進の装置ですら役に立たないという一大欠点がある。さらに、高額な車両の窃盗団はイモビライザーすら無効にしてしまう手口を持つに至っている
盗難対策装置はその仕組みに侵入されて無効にされてしまうことがある。対象物の価値が高ければ高いほど高度な侵入技術が使われる傾向がある。盗難対策装置は盗む技術に対抗するものであるために、盗難対策装置を厳重にして防御を高めても、盗人にとって手に入れたい価値がそこにある限り、盗人は防御を破る手口を編み出し続けるという、いたちごっこ現象が起きてしまい、高い侵入技術を持った盗人には、結局盗まれてしまうという宿命的な欠点があった。このような侵入に耐える侵入防止手段を備えた盗難対策装置は無い。
また、対象物を製造してから販売するまでの流通経路に於いて、効率よく機能する盗難対策装置は無かった。
流通段階の中で特に、店舗に於ける万引きは大きな社会問題にもなっている。万引きによる実害も大きいが万引き防止のための監視カメラや盗難防止器などの装置や運用の手間などの万引き対策費に多大な費用を要している現状があり問題となっている。万引きを防止装置を取り付けなくても、対象物に搭載した盗難対策装置が万引きを防止するという盗難対策装置も無かった。
従来は、前記の様な防ぎきれない盗難に対する防衛手段としては、高額な保険料を払って盗難保険で対応することが一般に行われていたる。
従来は、これらの盗難対策費や盗難保険料を効果的に軽減することができる盗難対策装置は無かった。
使いかってに優れて、施錠行為が不要な構造を持って、鍵の掛け忘れなどによる隙が出来ない盗難対策装置は無かった。
盗難対策装置のそのほかの問題点の一つに使いかっての悪さが挙げられる。ハンドルロックやタイヤロック及び車両の静電変化や衝撃や傾きの変化などの車両の異常を感知して警報を発する警報器などをエンジンキーの他に装着する。しかし、これらの装置を二重三重にして厳重にすればするほど、管理者自信にも車両を使用する度に装置の解除や開錠に手間が掛かる。使用後の施錠に相当する行為も同様に大変で車両を日常使用する上での使い勝手が悪くなるという大きな欠点がある。手間が掛かることが原因になって、盗難対策装置を施錠状態にすることを忘れたり怠ったりして、盗難対策装置の隙を作ってしまうという問題が生じる。
従来の盗難対策装置には、対象物がどんなときに、どんな状態のときに盗まれても効果がある盗難対策装置はない。
さらに、盗難対策装置を搭載した対象物そのものの使い勝手を悪くする例もある。携帯電話の発信機能に鍵を掛ける装置の場合では、暗証番号を用いて開錠するものであるが、一回の使用時間が比較的短いが使用回数が多いという使用形態の対象物には、使用のたびに盗難対策装置を解除し使用が終わったらまた施錠し直す一般的な錠や警報装置の概念の盗難対策装置は使い勝手が悪く実用的でない。
さらに、従来の盗難対策装置には費用の問題がある。装置の価格が高額の為に相対的に安価な対象物には取り付けられない。例えば2万円の盗難対策装置は価格が200万円の車両であれば1.0%相当であるが、価格が20万円の対象物の場合には10%に当たり、まして数万円のヘッドホンステレオや携帯電話やデジタルカメラに至っては、たとえ小さな盗難対策装置ができたとしても、費用対効果の面で取り付けることが出来ない。廉価な対象物には盗難保険料の方がずっと経済的な場合がある。高額な車両にも、廉価な携帯電話やヘッドホンステレオにも共通して使用できる費用の安い盗難対策装置は無かった。
また、従来の盗難対策装置には装置の費用のほかに取り付け費用が必要な場合もあり、場合によっては警戒監視費用などの維持費が必要な場合もある。このように従来の盗難対策装置は厳重なものほど、総費用が高額かつ割高になって盗難対策装置を装着する対象物を費用面で著しく制限するという重大な欠点があった。
ヘッドホンステレオやビデオカメラや携帯電話などの携帯型の電子機器などには、体積と重さの面で負担になり取り付けられないという欠点があった。
盗難は、携帯電話やビデオカメラやデジタルカメラや携帯型の情報端末機などの電子機器にも頻発して起こる。にもかかわらず、以上に列挙した様々な問題から、従来の盗難対策装置は車両以外の対象物には普及していないという問題がある。
ICカードも盗まれる対象物であるから同様に盗難の問題を抱えていて、かえって深刻な状況にある。ICカードは今後益々多機能化する。したがってひとたび盗まれると甚大な被害を被る可能性があるので、ICカードの盗難対策装置が必要であるにもかかわらず、ICカードに有効な盗難対策装置は無い。
そのうえ、ICカード本体の厚さは約0.76ミリメートルしか無いのでこの中に搭載できる盗難対策装置も無い。
さらに、ICカードの機能を搭載した携帯電話や携帯型の情報端末機が今後急速に普及する中で、これらICカードの機能を搭載した対象物のICカード機能に対する盗難対策装置が無いことも大きな問題である。
さらに、ICカードには盗まれて使われるという盗難のほかに、携帯型の読み取り書き込み装置を持った第三者にICカードの情報を不正に読み取られたり書き込まれるといった犯罪の出現が予想されるが、電磁波を用いた犯罪に対処する手段も無い。
従来は対象物をひとたび盗まれてしまったら、探し出すかあるいは見つかるのを待つ以外に為すすべが無く盗人に罰を与える手段も無く、対象物の価値が盗人の手中になり、盗人が得をして盗人の思いのままにされてしまうという重大な欠点があった。
盗んだ対象物を使えなくしてしまうことで、盗人に得を与えず盗んだ行為を無駄にするという痛手の罰を与えることができる盗難対策装置及び盗難対策方法は無かった。
特開2003−168089(第4頁、第3図)
社団法人日本損害保険協会業務運営部自動車盗難対策室の提供資料
本発明は以上のような従来の盗難対策装置及び盗難対策方法の問題点及び欠点を鑑みて、以下に列挙する課題を解決する盗難対策装置及び盗難対策方法を提供することを目的としている。
本発明は、盗人に盗んだ対象物を使わせないために、対象物をどうやっても正常には機能しなくしてしまう仕組みの電子回路を提供することを目的としている。
本発明は、対象物の電子回路本体そのものが正常に機能する状態と正常には機能しない状態の二つの状態を持つ電子回路を提供することを目的としている。
正常には機能しない状態と正常に機能する状態との二つの状態を持つことができる電子回路に、所定の信号を入力した時だけ所定の時間だけ正常に機能する状態にする制御手段を設けた、盗難対策装置の機能を持った電子回路を提供することを目的としている。
車両等の移動体にも使用できる安全停止装置付きの盗難対策装置の機能を持った電子回路を提供することを目的としている。
本発明は、ICカードにも搭載できる盗難対策装置の機能を持った電子回路を提供することを目的としている。
また、本発明は、盗んだ物を盗人に使用させないという本発明の盗難対策装置及び盗難対策方法の基本的な動作を実現することを目的としている。
通常の状態つまり製造した時点では第二のスイッチが遮断された状態の電子回路を対象物に搭載することによって、電源スイッチを入れても正常には動かない対象物を作り、このとき盗んでも盗人は使用することができないようにしておいて、管理者が使用するときあるいは使用できるようにしておくときだけ暗証番号や暗証記号などの所定の信号を入力することで、対象物の電源スイッチを入れれば、対象物が正常に動く状態になる盗難対策装置を提供することを目的としている。しかも所定の時間が経過すると自動的に元の使用できない状態に戻る盗難対策装置を目的としている。
本発明は、対象物が大きくても小さくても、高額でも廉価でも、広い汎用性があって簡単に使用できて、確実な盗難対策効果のある盗難対策装置を搭載した対象物を提供することを目的としている。
本発明は、侵入されて破られることのない盗難対策装置を提供することを目的としている。
本発明は、対象物がどんなときに、どんな状態のときに盗まれても効果がある盗難対策装置を提供することを目的としている。
本発明は、本発明の盗難対策装置に所定の信号を入力する、盗難対策装置の開錠手段に相当する外部入力装置を提供することを目的としている。
本発明は、盗人の盗む意欲を削ぐ盗難対策装置を提供することを目的としている。
そして、盗んでも無駄であり、盗んでも使えないことを盗人に分からせることで、盗む気持ちを挫かせて、盗むことを諦めさせて、盗まなくさせる盗難対策方法を提供することを目的としている。
さらに、ICカードの機能を搭載した携帯電話などを対象にした、ICカード機能を護る盗難対策装置を提供することを目的としている。
また、ICカードには盗まれて使われるという盗難のほかに、携帯型の読み取り書き込み装置を持った第三者にICカードの情報を不正に読み取られたり書き込まれるといった犯罪の出現が予想されるが、電磁波を用いた犯罪に対処することができる盗難対策装置を提供することを目的としている。
本発明は流通経路における盗難や万引きを防止する効果がある盗難対策装置及び盗難対策方法を提供することを目的としている。
併せて、盗難を予防する効果が大きくて保険料を安くする効果が期待できる盗難対策装置及び盗難対策方法を提供することを目的としている。
使い勝手に優れて施錠行為が不要な構造を持って、鍵の掛け忘れなどによる隙が出来ない盗難対策装置を提供することを目的としている。
一回の使用時間が短くても頻繁に使用するという特徴のある使用形態を持つ携帯電話やデジタルカメラなどにも適した盗難対策装置を提供することを目的としている。
携帯電話やヘッドホンステレオやデジタルカメラなどの廉価な対象物にも搭載することができる、安い価格の盗難対策装置を提供することを目的としている。
ICカードはもとより、携帯電話やヘッドホンステレオやデジタルカメラなどの小さな対象物にも搭載できる盗難対策装置を提供することを目的としている。
搭載する対象物が小さくて、廉価で、しかも操作が簡単な汎用性の広い盗難対策装置を提供することを目的としている。
組み合わせ効果
既存あるいは他の盗難対策装置の本発明と異なった方法を用いた盗難対策装置と組み合わせて搭載することができて、盗難対策の相乗効果をあげることができる盗難対策装置を提供することを目的としている。
既存あるいは他の盗難対策装置の本発明と異なった方法を用いた盗難対策装置と組み合わせて搭載することができて、盗難対策の相乗効果をあげることができる盗難対策装置を提供することを目的としている。
盗んでも盗んだ対象物を盗人に使用させないことで、盗人に思いのままにさせないで、盗人に得を与えず盗んだ行為を無駄にするという痛手の罰を与えることができる盗難対策方法及び盗難対策装置を提供することを目的としている。
上記目標を達成する為に、本発明は、車両、携帯電話、ICカード等の対象物を正常に機能させるための電子回路において、この電子回路の電子回路本体と、この電子回路本体の電源スイッチと、この電源スイッチとは別に、前記電子回路本体の中枢部に該中枢部を通る信号を遮断する位置に設けた、動作していないときは遮断の状態であって動作しているときだけ接続状態となるA接点のスイッチ機構である第二のスイッチと、この第二のスイッチを制御する、暗証番号や暗証記号や指紋像などの所定の信号を入力する入力装置と入力した前記所定の信号を識別する識別装置と前記識別装置が管理者を識別した時だけ前記第二のスイッチを接続状態にする接続指示装置と前記第二のスイッチの接続状態を所定の時間だけ持続させる時限装置とを主な構成要素とする制御手段とからなる、前記第二のスイッチが動作していないときは、前記電源スイッチを入れても正常には動かない状態にして保持することを特徴とする電子回路、及び
前記電子回路を車両等の移動体に搭載する場合の安全停止装置、及び
リモコン式の外部入力装置から所定の信号を受けることを特徴とする電子回路、及び
これらの電子回路を搭載している、車両、携帯電話、ICカード等の対象物。及び
外部入力装置、及びこの外部入力装置を搭載した、携帯電話、情報端末機、ICカードの読み取り書き込み装置などの電子機器、及び
盗難対策装置を内蔵していることを、マーク、絵、文字、音、映像などの告知手段で自ら告知表明している、あるいは前記の告知手段で告知された対象物を構成している。
以下の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
本発明は、車両、携帯電話、ICカード等の対象物を正常に機能させるための電子回路において、この電子回路の電子回路本体と、この電子回路本体の電源スイッチと、この電源スイッチとは別に、前記電子回路本体の中枢部に該中枢部を通る信号を遮断する位置に設けた、動作していないときは遮断の状態であって動作しているときだけ接続状態となるA接点のスイッチ機構である第二のスイッチと、この第二のスイッチを制御する、暗証番号や暗証記号や指紋像などの所定の信号を入力する入力装置と入力した前記所定の信号を識別する識別装置と前記識別装置が管理者を識別した時だけ前記第二のスイッチを接続状態にする接続指示装置と前記第二のスイッチの接続状態を所定の時間だけ持続させる時限装置とを主な構成要素とする制御手段とからなる、前記第二のスイッチが動作していないときは、前記電源スイッチを入れても正常には動かない状態にして保持することを特徴とする電子回路である。
したがって、本発明の電子回路は、所定の信号が入力された時だけ正常に機能する状態になり、しかも正常に機能する状態は所定の時間持続して、所定の時間が過ぎると元の、正常には機能しない状態に自動的に戻るという動作をする。
したがって、本発明の盗難対策装置の機能を持った電子回路を搭載した対象物は、どんな時どんな状態で盗まれたとしてもその効果を発揮して盗人には使用できなくしてしまうことができる。
上記の効果を以下に説明する。
まず、第二のスイッチをA接点のスイッチ機構にしたことによる効果を説明する。
動作していないときが遮断の状態であるA接点のスイッチ機構を中枢部に設けた電子回路は、何もしていないときには正常には機能しない状態となる。
したがって、この電子回路を搭載した対象物は、盗まれたときに正常には機能しない状態にすることができる。
したがって、盗人が盗んでも対象物を使用することができない。
管理者が使用するときは、暗証番号とか暗証記号などの所定の信号を入力すれば、第二のスイッチを所定の時間だけ接続状態にすることができる。
したがって、所定の時間の間は管理者は、対象物の電源スイッチを入れれば普通に使用することができる。
所定の時間は予め設定しておくか任意に設定することができる。
時限装置が計時して所定の時間が経過すると、第二のスイッチを自動的に遮断する。
つまり、A接点のスイッチ機構と時限装置の組み合わせによって、自動施錠機能の働きを得ることができる。
したがって、所定の時間以降は対象物は正常には機能しない状態に自動的に戻る。
このように、施錠行為に相当する遮断が時限装置で自動的に行われるので、仮にこの間に盗まれたとしても、対象物は正常には機能しない状態となって、電源スイッチを入れても動かすことができなくなる。
ただし、管理者だけは、所定の信号を入力すればいつでも正常に機能する状態にすることができる。
したがって、施錠行為がいらない盗難対策装置として盗難対策装置の取り扱いが簡単になるという効果に加えて、従来のような鍵の掛け忘れや盗難対策装置のセットを怠るなどによる盗難対策装置の人為的な隙が生じることがないという盗難対策装置にとって極めて大きな効果を得ることができる。
したがって、どんなときに、どんな状態のときに盗まれても、対象物を動かなくしてしまうように機能する盗難対策装置ができる。どんなときとは、使用前・使用中・使用後の全ての時間帯に於いてであり、どんな状態とは、鍵が付いたままの状態でも、運転中の強奪などの従来であれば盗まれてしまったら対処できなかった全ての状態を言う。
また、本発明の盗難対策装置は、搭載した対象物の使いかってを損なわないことができる。これを以下に説明する。
本発明の盗難対策装置の構造の特徴に第二のスイッチがある。電源スイッチは対象物を通常に使用するために盗難対策装置が直接関わることを避けてある。電源スイッチとは別に、中枢部に第二のスイッチを設けて、盗難対策機能はもっぱらこの第二のスイッチを制御する構造にしたことも本発明の盗難対策装置の特徴の一つである。
これによって管理者は、はじめに所定の信号で第二のスイッチを接続状態に持続させれば、その後は第二のスイッチつまり盗難対策装置に一切関わることなく従来通り電源スイッチで対象物を自由に使えるようにした。
携帯電話やデジタルカメラやビデオカメラなどは一回毎の使用時間が短いわりに使用頻度が高いという使い方の特徴を持っている。
したがって、一回使用する毎に盗難対策装置を解除してセットするという動作を必要とする従来の盗難対策方法の考え方は実用的でなかった。使用する毎に解除かセットのどちらか一方の動作をすることすらわずらわしく実用的でない。そこで、本発明の盗難対策装置は一度正常に動く状態にすれば3時間とか8時間などの任意に設定することもできる所定の時間内は盗難対策装置にかかわることなく対象物を普通に使用することができる。しかも、所定の時間以降は元の正常には機能しない状態に自動的に戻ることができる。
したがって、本発明の盗難対策装置を搭載していながら、取り扱いは対象物本来の取り扱いができる。
したがって、携帯電話やデジタルカメラやビデオカメラなどに適した盗難対策装置として、これまでに実現しなかった効果を発揮することができる。
したがって、携帯電話やデジタルカメラやビデオカメラなどの使用環境に合致した盗難対策装置としての不可欠な要素を、本発明の盗難対策装置は持つことができた。
本発明は、請求項1の電子回路において、所定の時間が過ぎた時に第二のスイッチを遮断する前に動作する、前記電源スイッチが入りの状態であることを確認した時には接続信号の発信を持続させて前記電源スイッチが切れてから前記第二のスイッチを遮断させる安全停止装置を、前記制御手段に加えたことを特徴とする電子回路である。
したがって、車両等の移動体に本発明の盗難対策装置を搭載した場合に、所定の時間の終了で走行中に突然停止することを防止することができる。
したがって、この盗難対策装置の機能を持った電子回路を車両や航空機の電子回路に内蔵して盗難対策装置の電子回路として使用することができる。
本発明は、請求項1及び2記載の電子回路の中の入力装置と識別装置の間を切り離して前記切り離した部分に通信手段を設けて、切り離した前記入力装置をリモコン式の外部入力装置とし、この外部入力装置から前記通信手段を介して所定の信号を受けることを特徴とする前記電子回路である。
したがって、嵩張る部分である入力装置を切り離すことによって、本発明の盗難対策装置の機能を持った電子回路をICカードの中に組み込んだり、入力装置を設置しにくい対象物にも内蔵させることができる電子回路ができる。
したがって、盗難対策装置の必要性が高いにも関わらず盗難対策装置が無かったICカードにも、現在の技術で内蔵することができる盗難対策装置ができる。
本発明は、請求項1ないし請求項3に記載の電子回路を対象物を正常に機能させるための電子回路として搭載している、あるいは前記電子回路をIC化するとか電子基板の中に隠すなどの侵入防止手段を施した上で搭載している、車両や携帯電話やICカード等の対象物である。
したがって、電子回路の中枢部のスイッチ機構はIC回路内に設けるなどの侵入防止手段を講じることが出来る。
さらに、制御手段などの電子回路はIC化すれば侵入不可能な構造にすることができる。
このように、本発明の盗難対策装置は厳重な侵入防止手段を持つことができる。したがって、高額な乗用車を狙う窃盗団や金融機関のICカードを狙う組織的な犯罪手口にも破られない盗難対策装置ができる。
本発明の盗難対策装置が厳重な侵入防止手段を持てるのは以下の効果によるものである。
本発明の盗難対策装置の主な構成要素は電子回路である。したがって、盗難対策装置の主な構成要素をIC化できる。したがって、このICをICパッケージ構造で保護することで侵入を防止できる。ICを傷つけずにICパッケージを破るのは困難である。仮にIC本体まで侵入到達したとしても、IC本体の細密構造によって回路に侵入するのは一般の技術では不可能である。したがって、盗難対策装置の電子回路をIC化することによって第三者を侵入させない厳重でかつ高度な侵入防止機能を有することができる。したがって、盗人の侵入が不可能な盗難対策装置を作ることができる。
したがって、盗人にはどうやっても動かすことができなくて管理者だけが正常に動かすことができる対象物ができる。
したがって、高額な乗用車を狙う窃盗団にも進入されない盗難対策装置を内蔵した乗用車を作ることができる。
したがって、同じ理由から、侵入されない盗難対策装置を搭載したICカードも作ることができる。
本発明は、暗証番号や暗証記号や指紋像などの所定の信号を入力する入力装置と電源と前記入力した所定の信号を発信する通信手段とを主な構成要素とする請求項3記載の外部入力装置、及びこの外部入力装置を搭載した、携帯電話、情報端末機、ICカードの読み取り書き込み装置などの電子機器である。
したがって、外部入力装置を持つことによって、約0.76ミリメートルの薄さしかないICカードに本発明の盗難対策装置を今日の技術で内蔵することができる。
さらに、ICカードの盗難対策装置の外部入力装置によって、ICカードの多機能化と普及を促進することができる。
さらに、外部入力装置を携帯電話器に搭載することで、盗難対策装置を搭載したICカードをはじめオートバイや乗用車などの盗難対策装置の所定の信号の入力ができる。
ICカードの読み取り書き込み装置に外部入力装置を組み込むことで、決済時にだけICカードを正常に機能する状態にすることができるので、盗難対策装置付きのICカードの盗難に対する安全性と利便性を高めることができる。
本発明は、請求項5記載の対象物に於いて、盗難対策装置を内蔵していることを、マークや絵や文字や音や映像などの告知手段で自ら告知表明している、あるいは前記の告知手段で告知された対象物である。
したがって、本発明の盗難対策装置の特性を知っている盗人には、盗んでも無駄だとわからせて、告知している対象物を盗ませないようにすることができる。
本発明の盗難対策装置の特性を知らない盗人には、告知している対象物は、盗んでも使用することができないことを分からせることが出来る。したがって、その後告知している対象物を盗ませないようにすることができる。
以下に、本発明の盗難対策装置が持つその他の主な効果を列挙する。
流通における盗難対策効果:本発明の盗難対策装置は製造段階で製品に内蔵される。したがって、製造した時点から本発明の盗難対策装置は効果を発揮する。したがって、輸送中や在庫中や店頭に至る全ての流通段階の盗難対策効果を得ることができる。
その中でも特に店頭における万引きに大きな効果を発揮する。対象物に盗難対策装置を搭載していること、盗んでも使用できないことを本体や店内の告知や店内放送などで告知すれば、万引きを抑制することができる。したがって、万引で盗まれる実害と万引き防止のための監視カメラや盗難防止器などの装置や運用などの多大な費用を軽減することができるし、流通時の盗難保険料を軽減することができる。
なお、本発明の盗難対策装置は主要な部分を電子回路として対象物の電子回路の中に内蔵することができる。したがって、対象物が大きくても小さくても、高額でも廉価でも、搭載することができる。
しかも、広い汎用性があって簡単に使用できて、確実な盗難対策効果のある盗難対策装置を搭載した対象物ができる。
また、本発明の盗難対策装置の主要な構成要素を対象物の電子回路の中にあらかじめ組み込んで生産をすることができることから、量産が可能になり盗難対策装置の価格を安くすることができる。したがって、製造段階で対象物に搭載済みとすることができるので、後で取り付ける手間や取り付け費用がかからないという利点もある。しかも、警戒監視費用や維持費が不要である。したがって、盗難対策装置に関わる総費用を安くすることができる。したがって、廉価な対象物にも搭載可能な盗難対策装置ができる。
さらに、本発明の盗難対策装置の識別機構の入力機構やタイマー機構や電源などは、搭載する対象物が既に有している場合が多い。したがって、これらの構成要素部品を共有することができる。したがって、盗難対策装置の費用を安くすることができるうえに、対象物が既に有している部品の外観や配置や構造を大きく変えることなく本発明の盗難対策装置を搭載することができる。
本発明の盗難対策装置のうち、入力手段以外の主な構成要素は電子回路から成るので体積を電子回路の大きさまで小さくすることができる。したがって、この電子回路を対象物の電子回路の中に組み込んでしまうことができる。したがって、本発明の盗難対策装置は対象物に体積と重さの負担をほとんど掛けないで搭載することができる。したがって、軽くて小さな対象物にも本発明の盗難対策装置を搭載することができるという特徴を持つ。
本発明の盗難対策装置は以上に述べたように、対象物が小さくても搭載できて、対象物が廉価なものにも搭載できて、しかも操作が簡単である。したがって、搭載する対象物は、車両、船舶、航空機などの移動体はもとより、これまでには搭載する盗難対策装置がなかったヘッドホンステレオ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯電話を含む情報端末機などの携帯型の電子機器、及びテレビ、映像記録装置、洗濯機などの家電機器、コンピューター、事務機器などの据え置き型の電子機器などにも搭載することができる。したがって、本発明の盗難対策装置の搭載可能な対象物の定義を、対象物が機能動作するために不可欠な電子回路を内蔵していてかつ移動可能であるために盗まれる可能性がある物、とした対象物であれば本発明の盗難対策装置を搭載できるという広い汎用性を持つことができる。
ICカードも動作するために電子回路を必要としてかつ移動可能であるために盗まれる可能性がある物である。したがって、前記の本発明の盗難対策装置を搭載することができる対象物の定義にICカードも当てはまる。したがって、薄くて軽いICカードも本発明の盗難対策装置を搭載する対象物である。
また将来、厚さ約0.76ミリメートルというICカードの規格が緩和された場合には、ICカードに本発明の盗難対策装置を一体化することが可能である。
さらに将来、入力装置の薄型実装技術が進歩した時には、本発明の盗難対策装置の全てを厚さが約0.76ミリメートルのICカードに搭載することができる。
今日、ICカードの盗難では甚大な被害が発生する場合がある。さらに、予め金額を入れておく方式のICカードの場合盗まれたら為すすべが無かった。本発明の盗難対策装置を搭載していれば、中のICそのものが動かないのだから盗んでも使用することができない。さらに、不正に使用しようとしたときに読取装置が感知して、使用者の写真を撮るなどの反応をさせることもできる。したがって盗人を特定する手がかりを得ることも可能になるし、使うことを牽制する効果もある。したがって、ICカードは盗んでも使えない、使おうとすれば発覚するかもしれないと盗人が思う環境を作って、盗んでも無駄、盗まないという盗む動機を挫く方法で盗難を防止することができる。したがって、もし財布などと一緒に盗まれても、盗人が投棄する可能性が増える。したがって回収の可能性を高める効果も期待できる。
さらに、携帯電話や携帯型の情報端末機などにICカードの機能を搭載した機器が普及する中で、携帯電話や携帯型の情報端末機と、ICカード機構の両方あるいはICカード機構に本発明の盗難対策装置を搭載して盗難に対応することができる。
さらに、新たな形態の盗難がICカードには発生することが予想される。それは、カードそのものを盗まれなくても、盗人が携帯型のカード読取書き込み装置を持って近づいてくれば、ICカードの情報を読み盗られたり書き込まれる危険が生ずる。本発明の盗難対策装置はICカードの電子回路本体を動かなくしてしまうことができるので、このようなICカードに対する電磁波を用いた犯罪にも対処することができる。
したがって、効果的な盗難対策機能をICカード自身が持たなかったことで普及が遅れているとすれば、本発明の盗難対策装置を搭載することによって、広く普及させることを促進できる。
盗んでも盗んだ対象物を盗人に使用させないことで、盗人に思いのままにさせないで、盗人に得を与えず盗んだ行為を無駄にするという痛手の罰を与えることができる盗難対策方法及び盗難対策装置を提供することを目的としている
なお、本発明の盗難対策装置を搭載した対象物は、既存あるいは他の方法の盗難対策装置を搭載することができる。したがって、本発明の盗難対策装置を含む複数の盗難対策装置を併用することで、既存あるいは他の方法の盗難対策装置の盗めない盗難対策効果と本発明の盗難対策装置の盗まない盗難対策効果から相乗効果を得ることができる。
以上本発明の盗難対策装置付き電子回路を盗難対策装置として使用すると、これまでの盗難対策装置及び盗難対策方法では得られなかった多くの効果を得る事ができる。
本発明の盗難対策装置を搭載している対象物は盗んでも使えない。したがって、盗んでも無駄である。したがって、盗難対策装置の効果と盗難対策装置を搭載している対象物であることを盗人に分からせることによって、盗人の盗む動機そのものに作用して、盗む気持ちそのものを削いで盗む行動に至らせない効果を持つ。したがって、盗む行為を防御する従来の盗難対策装置が陥っていた、盗人の巧妙な手口を常に上回る盗難対策装置を開発し続けなければならないいたちごっこから一部開放される。
ここで、本明細書で用いている言葉について、下記の様に定義する。
本明細書で言う、対象物は、車両、携帯電話、ICカード等のように正常に機能するために電子回路を必要として、かつ移動可能であるために盗まれる可能性のある物、と定義する。定義した対象物は、図46の一覧表に示す通りである。
本明細書で用いる電子回路本体とは、対象物が正常に機能するために不可欠な電子回路の本体を言う。車両であればエンジン制御回路であるとか、携帯電話であれば受発信回路や画面表示回路であり、デジタルカメラであれば撮像用の電子回路とかモニター駆動用の電子回路などであり、ICカードであればICそのものの回路や通信用の回路などであり、前記電子回路が機能する為に不可欠な周辺の電子回路を含んで言う。
対象物の電源スイッチとは、対象物を使用する時に使用者が入れる、一般的に言う電源スイッチである。対象物が車両であればエンジンキーが相当するし、携帯電話やデジタルカメラであれば電源ボタンがその例である。ただし、本発明の対象物であるICカードには外部に露出した電源スイッチはない。
中枢部とは、電子回路本体を正常に動かす為の信号や電力が通る回路部分であり、遮断するとこの電子回路本体が正常には機能しない状態になってしまう回路部分を言う。
遮断部は、中枢部を通る信号や電力を遮断して、電子回路本体を正常には機能しない状態で安定させることを目的とするものであり、中枢部に設ける信号や電力の遮断手段である。したがって、本明細書で用いる遮断とは、回路を機械的に遮断することに限定していない。半導体や抵抗体やフィルターなどの電子部品の信号を遮断あるいは減衰あるいは乱すなどで、電子回路本体を正常には動かない状態にしておく手段も遮断に含む。対象の信号が光の場合もあるので、光を遮断しておく手段も本発明の遮断に含む。遮断部の構造は、信号を電気的に遮断したり減衰させたりするなどの無接点の回路が実用的である。したがって、本明細書の図では遮断部を機械的な切り欠き状に表現しているが、これはあくまでも遮断部の役割を強調して説明するための表現である。
正常には機能しない状態と正常に機能する状態、正常には機能しない状態について、車両や携帯電話やICカード等の対象物に於いて、車両であればエンジンが回らないとか、携帯電話であれば発信しないとかモニターが写らないとか、ICカードであれば決済できないとか、あたかも修理不能あるいは修理しなければ使用できないのと同然の症状を表している状態を言う。商品として正しく機能しない状態を正常には機能しない状態と定義する。一般的な取扱説明書で、故障あるいは修理が必要としている症状の状態を言う。
一方、キーが抜けていたり燃料が切れていたりバッテリーが消耗しているなどで機能しない状態は、キーを差し込んだり、燃料を補給したり、バッテリーを充電すれば機能するので、取扱説明書に故障と定義していないこれらの正常には機能しない状態は、本明細書に用いている正常に機能する状態の範疇であり、正常には機能しない状態と明確に区別する。
本明細書で言う管理者とは、対象物を購入して使用する本人をはじめ、本人が使用を認めた本人の家族など、さらに、販売前の製造時に遡って流通段階で管理責任を持つ者、保守、修理の技術者など、その時どきの正当な管理者を言う。
本明細書で言う所定の信号14とは、暗証番号や暗証記号などの暗号や、指紋や虹彩の像や顔かたちや皮下の血管の形などの像の信号や、声紋やDNAなどを信号にした、管理者を識別するための管理者固有の信号を言う。
なお、所定の信号そのものをICチップやICタグに記憶させて管理者固有の暗証番号を発信する装置などを用いて所定の信号とする場合には、チップを体に埋め込むとか、指輪など身体から離れない、あるいは身体から離れたら機能しない対策を講じるなど、所定の信号はあくまでも管理者が占有することを条件とする。
したがって、所定の信号14の入力装置11は所定の信号が、暗証番号や暗証記号であれば数字や文字の入力ボタンであり、指紋であれば指紋センサーであり、手の血管の像であれば血管像センサーであり、虹彩パターンや顔かたちであれば撮像素子であるなど、所定の信号に対応した入力装置となる。また、今後開発される識別手段の入力装置も含む。
本明細書で言う所定の時間とは、本発明の盗難対策装置によって対象物が正常に動く状態を持続する時間の長さであり、30秒とか60秒などの秒単位、3分・10分・30分などの分単位、3時間・12時間などの時間単位、7日・30日などの日単位、週単位、月単位、年単位など、予め設定しておくものである。である。さらに、休日の日中とか毎朝夕一時間とか正常状態になる日時を指定する場合も定義の中に含む。盗難対策装置を使用するときの長さや日時は、予め設定する場合や予め設定した幾つかの中から選択する場合や管理者がその都度任意に設定する場合などがある。
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
図1から図60で本発明の盗難対策装置を実施する基本的な部分を請求項に沿って説明し、図61以降で本発明の実施例を説明する。
図1ないし図4は、対象物を正常には機能しない状態にする、本発明の盗難対策装置の基本部分を説明している。
図1は、車両、携帯電話、ICカード等の対象物と電子回路の模式図である。対象物1を点線枠で模式的に表現し、電源スイッチ3を備えた対象物1の電子回路2を実線で表し、電子回路本体4の中枢部5を一本のリード線で表して、対象物1とこの対象物の電子回路2と電源スイッチ3と電子回路本体4と、中枢部5を模式図にしたものである。電源スイッチ3を入れれば対象物を動かすことが出来る。
図2は、図1の中枢部5に中枢部5を遮断する遮断部6を設けた電子回路である。
遮断部6は、この電子回路を内蔵している対象物を盗まれた時に盗人に対象物を使用させないためである。
図3は、電子回路2が図2の状態であるとき、遮断部6によって電子回路本体4が正常には機能しない状態のままであり、電源スイッチ3をいれても対象物を機能させることができないことを表している。
この中枢部5に遮断部6を設けた電子回路本体4が、基本の状態が正常には機能しない状態である電子回路図2であり、盗まれたときに盗人に対象物を使用させない本発明の盗難対策装置を実施するための基本的な手段を説明している電子回路である。
図4は、遮断部6Aを電源スイッチ3Aと直列の場所に設けた例である。この場合でも遮断の電気的な目的は達することが出来る。ただし、対象物1Aが乗用車やオートバイなどの場合にはこの方法では遮断部分に容易に侵入されてしまうので盗難対策装置の電子回路2Aとして用いることができない。しかし、開けるのが困難な筐体の中に電子回路本体4Aが入っている場合とか、到達しにくい電子回路基板構造にするなどの対策が採られていれば、その到達しにくさの度合いに応じた侵入防止手段となるので盗難対策装置として有効である。
図2と図4からも分かるように、遮断部は、電子回路本体の中枢部の中でも電源や電源スイッチに近い部分から、ICの内部に至るまで中枢部の広い範囲に設けることが出来る。何処に設けるかは、対象物によって、侵入防止の厳重度や生産性などの兼ね合いによって決めればよい。したがって、本明細書の図で説明する遮断部は多くの場合は図2の例を用いて説明しているが、図が遮断部の設置場所を規定しない。
遮断部6を電子回路本体4の中枢部5に設ける理由は、電子回路を正常には機能しない状態にすることに加えて、効果の高い侵入防止手段を講じることが出来ることにある。遮断部の有る中枢部を電子回路本体の多層基板の内側に設けるとか、遮断部の有る中枢部をIC化することで、ICチップそのものが堅牢なICパッケージに守られ、仮に侵入されてもICの微細な構造が侵入を阻むなど、ICの構造そのものが侵入不可能な侵入防止手段を持つなどである。
図5から図12は、遮断部にA接点のスイッチ機構を設けたことを説明している。
図5は、遮断部をA接点のスイッチとした電子回路2の模式図である。電子回路本体4が元々有する電源スイッチ3を第一と数えて、遮断部に設けたA接点のスイッチを第二のスイッチ7と呼んで以降説明する。
図2で説明した遮断部のある電子回路は、対象物1を正常には動かない状態に保つものであり、万が一盗まれても盗人に使用させないことができる。したがって、管理者が対象物を使用するときには遮断部6を接続状態にすれば良い。そのための、電子回路を正常には動かない状態と正常に動く状態の二つの状態に切り変える手段が図5の第二のスイッチである。しかし、使用しないときには元の使用できない状態に保つ必要があるので、第二のスイッチをA接点のスイッチ機構としたものである。
第二のスイッチをA接点のスイッチ機構としたこの構造が、本発明の盗難対策装置の機能を持った電子回路の重要な基本構造である。
図5から分かるように、第二のスイッチ7が遮断している限り対象物1は正常に動く状態にならない。第二のスイッチ7が接続状態であるときだけ、電源スイッチ3が有効に働いて対象物1を正常に動く状態にすることができる。
図6は、電源スイッチ3Aと直列の場所に第二のスイッチ7Aを設けた例である。図4の遮断部6AをA接点のスイッチにした例である。電子回路本体4Aの中の第二のスイッチ7Aの位置を何処に設けるかは、対象物1Aによって、侵入防止の厳重度や生産性などの兼ね合いによって決めればよいことを表現している。したがって、本明細書の図で説明する第二のスイッチは多くの場合は図5の例を用いて説明しているが、それらの図が第二のスイッチの設置場所を規定しない。
図7は、第二のスイッチのスイッチ機構がA接点のスイッチであることを説明し、合わせて、図5と6の第二のスイッチ7の構造がA接点のスイッチの構造であることを表現している図である。しかし、実際にこのような機械的な構造をとることは稀であり、以下に説明する通り無接点のA接点のスイッチ機構の形をとる場合が多い。本明細書で用いるA接点のスイッチの構造とは、スイッチが動作していないときは遮断部6を遮断している状態であって、動作しているときだけ遮断部6を接続した状態にするスイッチと定義する。したがって、第二のスイッチ7が動作しているときに限って電子回路2は正常に動く状態を持続する。
次に、図8から図10で、A接点のスイッチ機構の例について説明する。既に述べたように第二のスイッチ7は機械的なスイッチに限らず、IC回路の中に組み込んだり電子基板の中に配置したりする無接点のスイッチの形態をとり、かえってその方が多い。つまり、第二のスイッチ7はA接点のスイッチ機能を有した無接点のスイッチ機構として様々な形で電子回路2の中に存在する。
図8は、第二のスイッチの例その1であり、第二のスイッチ7を、PNP型のトランジスタ33とゲート駆動回路35とゲート制御回路36からなる無接点のA接点のスイッチ機構31にした例である。本発明の盗難対策装置は大部分を電子回路にして対象物1の電子回路本体4と一体化することができる。電子回路本体4がICであれば本発明の盗難対策装置の電子回路の大部分をICにして電子回路本体4に一体化できる。IC化によって、侵入防止にもなるし、量産効果で廉価な盗難対策装置にすることができるので、対象物が量産品の場合はかえってIC化することが望ましい。その場合には、機械構造のスイッチ機構ではなく無接点のスイッチ機構が必要になる。図8から図10にその例を示す。
図9は、第二のスイッチの例その2であり、図8のPNP型のトランジスタ32の代わりにNPN型のトランジスタ33を用いたA接点のスイッチ機構31Aの例である。
図10は、第二のスイッチの例その3であり、サイリスタ34を使ったA接点のスイッチ機構31Bからなる第二のスイッチ7である。ただし、サイリスタ34を使用した場合には、正常な状態を持続させる信号を発する他にもう一つ遮断手段を設ける必要がある、さらにサイリスタの場合は接続状態を自己で維持できる構造であるので、盗人に進入の隙を与えかねない。よって、厳重な侵入防止機構を設ける場合には、遮断手段も侵入防止機構で守る必要があるなど、スイッチ機構の回路が複雑になる欠点がある。
また、近年に実用化が見込まれる原子スイッチは微細である上に回路の遮断ができるので、IC回路の中のA接点のスイッチ機構31に用いる電子部品として好都合である。
なお、半導体や抵抗体やフィルターなどの電子部品の信号を遮断あるいは減衰あるいは乱すなどで、電子回路本体を正常には動かない状態にしておく手段も遮断部に含む。したがって、これらの電子部品も、通常は遮断や減衰や乱すなどの状態で有って、動作しているときだけ正常な状態になるA接点のスイッチ機構の機能を持つことになる。
なお、遮断する場所を電子回路本体の主要な信号が通る中枢部としているが、遮断の目的が電子回路本体の主要な機能を停止させることであるので、前記のような単純な遮断手段で遮断できる要所を選択するほうが効率が良い。例えば、電源やバイアス電流などの直流電流が流れる場所であればその信号に適応したトランジスタで遮断回路が作れるが、交流の場合であれば複数のトランジスタが必要になるとか、高い周波数であれば専用のトランジスタが必要になるなど解決しなければならない問題が増えるという欠点がある。
なお、図では一つの遮断の箇所で説明しているが、複数箇所を遮断する場合を含む。したがって、第二のスイッチも遮断する箇所に合わせた複数となる場合を含む。電子回路本体の中枢部の複数の場所に第二のスイッチを複数個有する例を、図11と図12で表す。図11は、一つのA接点のスイッチ機構の系列に2箇所のスイッチを設けた場合であり、図12は、複数のスイッチ機構を持つ場合である。
図13から図15で本発明の盗難対策装置の機能を持った電子回路の基本を説明する。
図13は、請求項1の電子回路の模式図である。第二のスイッチ7の接続と遮断を制御する制御手段10を設けた電子回路2である。制御手段10は後に説明する本発明の盗難対策装置の根幹となる部分である。この電子回路2の特長は、制御手段10が接続と遮断を制御するのは電源スイッチ3ではなく第二のスイッチ7であることである。
電源スイッチ3ではなくA接点のスイッチ機構である第二のスイッチ7を制御することによって、対象物の使用方法を損なわない盗難対策装置が実現する。
図14は、図13の第二のスイッチ7Aと制御手段10Aの設置場所を電源スイッチ3Aの近くに設けた例である。電子回路本体4Aの中の第二のスイッチ7Aの位置を何処に設けるかは、対象物によって、侵入防止の厳重度や生産性などの兼ね合いによって決めればよい。したがって、本明細書の図で説明する第二のスイッチ7と制御手段10の位置は多くの場合は図13の例を用いて説明しているが、図が第二のスイッチ7と制御手段10の位置を規定しない。
図15は、第二のスイッチ7を制御する制御手段10の主な構成要素をあらわした図であり、以下に構成要素を説明する。
制御手段10は、前述の通り第二のスイッチを制御する装置であり、入力装置12と識別装置14と時限装置16と接続指示装置17を主な構成要素としたものである。説明でも分かるとおり、制御手段の構成要素の一つ一つは特別新規なものは無く、一般的なものである。
入力装置12は、所定の信号13を入力する装置であり、所定の信号が、暗証番号であれは数字ボタンを持ち、暗証記号であれば文字ボタンを持ち、指紋像であれば指紋センサーを有するなど、所定の信号の種類に応じた形態をとる。したがって所定の信号の種類に合わせて形態は多様である。
また、所定の信号の登録を変更したり所定の時間を変更する場合などの操作ボタンや操作部を持つ場合もある。また、入力装置12あるいは制御手段10を起動させるための入力装置のスイッチ11を有する。ただし常時入力待機にする場合にはこのスイッチはいらない。
識別装置14は、入力装置12に入力された所定の信号13を予め登録してある所定の信号と照合識別する装置である。照合して所定の信号13が正しい場合にはYesの信号を発する。本明細書ではYesのときに識別装置14が発する信号を便宜上、識別信号15と呼ぶ。識別装置14は所定の信号と所定の信号13の登録や変更に対応する記憶装置を持つ。
識別信号15を受けた接続指示装置17は、第二のスイッチ7を接続状態にする接続信号18を発して、第二のスイッチ7を接続状態にする。第二のスイッチの接続状態を持続させるのは、接続指示装置が接続信号の発信を持続する場合と、接続信号を受けた後は第二のスイッチ側が接続を持続する場合などがある。所定の時間が過ぎると前者の場合は持続信号の停止で、後者の場合は停止信号で第二のスイッチを遮断状態にもどすなどである。
ただし、接続指示装置は単独で存在しないで識別装置とか時限装置とか第二のスイッチに付随する場合があるので、必ずしも単独の装置としての形を成さなくても良い。
ただし、接続指示装置は単独で存在しないで識別装置とか時限装置とか第二のスイッチに付随する場合があるので、必ずしも単独の装置としての形を成さなくても良い。
時限装置16は、所定の時間だけ第二のスイッチを接続状態に持続させて、所定の時間が経過したら第二のスイッチを自動的に遮断状態に戻すための本発明の電子回路の重要な役割を果たす重要な装置である。
時限装置の位置は、図15では接続指示装置の下に表示してあるが、識別装置と接続指示装置の間や、接続指示装置と並行な位置など、所定の時間が経過したら第二のスイッチを自動的に遮断状態に戻すために必要な位置であれば、その位置を限定しない。なお、対象物が元々時計機能を持っている場合には、対象物の時計信号を利用すると部品効率が良い。ただし、対象物の時計信号を利用する場合には時計信号に侵入させない侵入防止策を講じれば時計機能からの侵入を防止できる。また、所定の時間内に所定の信号が入力されて識別されたときには、新たに所定の時間の計時を始めるとか、残っている時間に加算するとか、何もしないゼロ加算などの加算方法を予め決めておくと良い。
ただし、以下、本明細書の中でこれらの構成要素を独立した回路のように表現している模式図があるが、こうした表現は装置の役割を説明することが目的であって位置や大きさを図が規定するものではない。識別装置と時限装置と接続指示装置は制御手段の中でそれぞれに形を有して順に並んでいる必要は無く、識別装置と時限装置と接続指示装置のいずれか二つが一体になったり全体が一体になったり、あるいは第二のスイッチと一体になったり、あるいは時限装置が対象物の時計装置と一体になるなど、それぞれが電子回路の中に分散する場合すらある。これは、制御手段の構成要素に、請求項2の項の安全停止装置が加わった場合にも同様である。
この制御手段10を設けることによって、請求項1の電子回路2は、所定の信号13が入力された時だけ、所定の時間だけ正常に動く状態を持続して所定の時間が過ぎると正常には動かない状態に自動的に戻るという動作をする。この動作が、本発明の盗難対策装置の重要な基本動作である。
なお、制御手段10を駆動する電源は、対象物が持つ電源装置から供給されるものとして、図では都度表現することはしない。
同じく時計装置も、時刻信号そのものやクロック信号などの時計信号を対象物の時計装置から供給されるものとして、図では都度表現することはしない。
ただし、ICカードのように制御手段を動かすような電源装置も時計装置も持たない対象物については、電源装置も時計装置も不可欠であるので図に表現する。
また、請求項6の項で述べるようにICカードなどの場合には入力装置あるいは入力装置の一部を対象物本体から分離する場合がある。その場合には入力装置あるいは入力装置の一部を分離した制御手段を設けた電子回路も対象に含む。
図16は、本発明の請求項1記載の制御手段の基本の動作のフローチャートである。開始から、入力装置に所定の信号が入力される。入力装置から識別装置に所定の信号が伝わる。識別装置で所定の信号が照合される。Yesの場合のみ、接続指示装置が第二のスイッチに向けて接続信号を所定の時間だけ発する。所定の時間が終了すると接続指示装置が接続信号の発信を停止する。終了する。である。
したがって、図16のフローチャートの通りに動作する制御手段の制御下にある第二のスイッチ7は接続信号が発せられている時だけ接続状態になる。したがって、電子回路2は第二のスイッチ7が接続している間だけ正常に動く状態を持続する。
次に、図17から図19で、回路の模式図を用いて制御手段の基本的な動作を説明する。図16のフローチャートと照らし合わせて読むと本発明の電子回路をより良く理解することができる。
図17は、入力装置12と識別装置14と時限装置16と接続指示装置17とからなる制御手段10を表している。
図18は、制御手段10の動作を説明している。入力装置のスイッチ11を入れて入力装置に所定の信号を入力する。入力装置のスイッチは入力装置を起動させるためのスイッチであるが入力装置を常時入力待機にする場合にはこのスイッチはいらない。入力した所定の信号13は識別装置14に伝わり識別される。所定の信号が正しければ識別装置14から識別信号15を接続指示装置17に向けて発する。識別信号15を受けた接続指示装置17は第二のスイッチ7に接続信号18を発して第二のスイッチ7を接続状態にする。この状態で電子回路が正常に動く状態となる。このとき時限装置16は所定の時間の計時を始める。
図19は、所定の時間内の制御手段の動作を説明している。時限装置16が所定の時間を計時中であり、この間は接続指示装置17が第二のスイッチ7に接続信号18を引き続き発して第二のスイッチ7を接続状態を持続させている。したがって、電子回路は正常に動く状態を持続している。入力装置12と識別装置14は役割を終えて停止している。
時限装置16が所定の時間の計時を終了すると、接続指示装置17が停止するので、接続信号も停止する。したがって、第二のスイッチは遮断され、電子回路が正常には動かない状態に戻る。つまり図17の状態に自動的に戻る。
図20は、以上で説明した制御手段と第二のスイッチと対象物の動作をタイムチャートに表したものである。所定の信号が照合した時に第二のスイッチが接続して対象物が正常に動く状態になって、時限装置によって所定の時間後は正常には動かない状態に自動的に戻る動作がわかる。
ここで、接続信号18の出し方について触れる。接続信号18は所定の時間だけ第二のスイッチ7を接続状態にしておく信号である。したがって、接続信号18は、図20のように連続して出る場合の他に、図21の本発明の盗難対策装置の動作のタイムチャート例2のように持続開始信号と持続終了信号を用いる方法も有る。
この場合の第二のスイッチは、接続開始信号で接続状態になって接続を持続して、接続終了信号を受けた時に遮断状態に戻るという動きをする。また、図22の本発明の盗難対策装置の動作のタイムチャート例3のように接続開始信号だけを用いて時限装置16を第二のスイッチ7側に設けて所定の時間後に第二のスイッチ7側でスイッチを遮断する方法など、多様である。
しかし、遮断のための信号を用いる場合は、遮断信号が伝わらなかったり遮断信号の受信装置や受信側の装置が機能しなかったりすると第二のスイッチ7が遮断されずに接続状態のままになる可能性が高まる。そのために補完装置が必要である。よって、接続信号18は連続信号あるいは断続信号などの継続的な信号を用いる方が簡素な装置ができる。
また、図22を見ると、接続指示装置と接続信号は不要で代わりに識別装置と識別信号だけでも同様な効果を得ることができる。しかし、実際には第二のスイッチに対する指示と接続信号の役割を担っている。
このように請求項1の制御手段の主要な構成要素は、入力装置と識別装置と接続指示装置と時限装置であるが、電子回路上の場所や順序などは図が規定するものではない。このことは次項で説明する請求項2に該当する制御手段でも同様である。
時限装置を使用するその他の方法として、以上の説明の中では、所定の時間は対象物を使用しているか使用していないかにかかわらず所定の時間が経過する装置として説明しているが、使用した時間だけ所定の時間を減ずる時限装置も本発明の盗難対策装置に含む。
なお、本発明の盗難対策装置の電子回路には電源装置と時計装置が必要であるが、電源装置も時計装置も盗難対策装置を搭載する対象物が既に持っているものとして、図には表していない。但し、後に述べる、本発明の盗難対策装置を搭載するICカードに対する実施例ではICカードが電源装置も時計装置も持っていないのでその様な場合にのみ図に表す。
図23から図30で請求項2を説明する。
図23は、請求項1の制御手段10の構成要素に安全停止装置19を加えた制御手段10であることを説明した図である。これによって制御手段10の主な構成要素は、入力装置12と識別装置14と時限装置16と接続指示装置17と安全停止装置19となる。
図24は、安全停止装置付きの制御手段の基本動作のフローチャートであり、本発明の請求項2記載の制御手段を搭載した電子回路の基本の動作のフローチャートである。図16で説明したフローチャートに安全停止装置が加わった動作をする。開始から、入力装置に所定の信号が入力される。入力装置から識別装置に所定の信号が伝わる。識別装置で所定の信号が照合される。Yesの場合のみ、接続指示装置が第二のスイッチに向けて接続信号を所定の時間だけ発する。所定の時間が終了すると安全停止装置がエンジンが停止中であることを確認する。Noの場合は、運転中であると判断して、接続指示装置は接続信号を発信し続ける。安全停止装置がエンジンが停止中であることを確認する作業は、3分とか10分とかの所定の時間間隔で実施するとかエンジンが動いている信号を監視するとかエンジン停止信号を受ける待機にしておくなどの方法がある。エンジン停止がYesの場合のみ、接続指示装置が接続信号の発信を停止する。終了する。である。
したがって、図24のフローチャートの通りに動作する制御手段の制御下にある第二のスイッチは接続信号が発せられている時だけ接続状態になる。したがって、電子回路は第二のスイッチが接続している間だけ正常に機能する状態を持続する。
図25は、請求項2の電子回路の模式図である。電子回路本体4Bの第二のスイッチ7Bと第二のスイッチ7Bの接続と遮断を制御する安全停止装置19付きの制御手段10Aの関係を表している。
図25は、請求項1の項で説明した図13とともに、制御手段10Aを備えた電子回路2Bを表現する模式図である。この電子回路2Bは制御手段10Aの動作で説明した通り、所定の信号が入力されると所定の時間だけ正常に機能する状態を持続して所定の時間が過ぎると元の正常には機能しない状態に自動的に戻るという機能を持つ。したがって、この電子回路2Bは所定の信号を持つ管理者だけが正常に機能する状態にすることができるという盗難対策装置としての機能を持つ。したがって、この制御手段10Aの制御下にある第二のスイッチ7Bを設けた電子回路2Bは、盗難対策装置を内蔵した電子回路2Bとなる。したがって、この電子回路2Bを内蔵すれば、対象物1Bは盗難対策装置内蔵の対象物1Bとなる。
図26の請求項4の電子回路の模式図例1は、安全停止装置19を付けた制御手段10Aを表している。
なお、これまでに説明した制御手段10は、入力装置の入力部以外の部分は全て電子回路である。しかも、対象物の主要な電子回路に一体化して搭載される場合が多い。したがって、電子基板上に盗難対策装置として一定の形状を成すとは限らない。したがって、請求項3の項で説明した図17から図19と、図26では、制御手段10の主要な構成要素の入力装置12や識別装置14や時限装置16や接続指示装置17や安全停止装置19をそれぞれに形があるように分けて表現しているが、あくまでも構成要素の機能を説明するために区分したものであり、実際の電子回路の大きさや位置関係を図が規定するものではない。このことは以降の図でも同様である。
したがって、制御手段の中は、図27の制御手段の電子回路の模式図例2のように、時限装置が第二のスイッチ寄りにある場合や、識別装置あるいは入力装置側に有るとか、図28の制御手段の電子回路の模式図例3のように、識別装置が識別すると第二のスイッチを接続させて、所定の時間の終了信号で遮断する回路や、ただしこの場合は識別装置が接続指示装置の機能を持つ。図29の制御手段の電子回路の模式図例4ように、第二のスイッチの駆動回路と接続指示装置が一体化していたり、図30の制御手段の電子回路の模式図例5のように、入力装置以外の制御手段全部が第二のスイッチと一体化したり、対象物が元々備えている時計装置や電源装置と混在している場合があるなどで構成要素の回路がお互いに入り組んだり、回路上に分散したり、一部あるいは全部が対象物側の電子回路に組み込まれるなど、夫々の構成要素の回路の位置や形状や順序や場所を図が規定するものではない。
以上のことを前提にして、この項以降に使用する回路の模式図に於いては、制御手段10を一つの実線枠で表し、制御手段の中の特定の構成要素を説明する場合には当該の構成要素だけ表現する。
次に図31から図35で、請求項3を説明する。
請求項3で対象とする主な対象物はICカードである。そのほかに乗用車やオートバイや船舶などの大きな対象物も対象となる。
車両等の対象物は大きいために電子回路本体と入力装置に距離が生じて制御手段の一体化が出来ない場合があるために、入力装置を外部リモコン式にすれば、電子回路本体の場所に関わらず入力装置を持つことができるし、ダッシュボードや計器パネル付近に入力装置を設けなくても済むなどの利点がある。
一方、小さく薄いICカードの場合は、ICカード本体が約0.76ミリメートルと薄い形状であるために入力装置の全部を含む電子回路本体を、今日の内蔵技術で内蔵するには無理があるし、内蔵できてもICカードの製造価格が高騰してしまうなどの問題がある。
そこで、ICカードの場合は、本発明の盗難対策装置の制御手段のうちの入力装置あるいは入力装置の少なくとも入力部をICカード本体から切り離して、替わりに所定の信号を外部から受け取る通信手段を備えれば、約0.76ミリメートルの薄さのICカードに本発明の盗難対策装置を、今日の内蔵技術で内蔵できる。これによって、盗難対策装置を内蔵した廉価なICカードができる。
内蔵する場所に制限のあるICカードの場合には、かえって入力装置を外に持つことによって、入力装置の設置制限が軽減して操作機能を拡張したり充実したりしやすいのでICカードの多機能化に対応しやすくなるなど、ICカードの多機能化促進と普及促進ができる。
図31の制御手段の分離型は、図15の制御手段の主な構成要素の制御手段から入力装置を分離して外部入力装置としたことを説明して、図32安全停止装置付きの制御手段の分離型は、図23安全停止装置付き制御手段の構成要素の制御手段から入力装置を分離して外部入力装置としたことを説明している。分離した部分には通信手段を設ける。
図33の外部入力装置20を持った制御手段10Cで制御する電子回路2Cは、図25の電子回路の模式図を用いて、入力装置を分離して外部入力装置20とした模式図である。分離した外部入力装置20と対象物1C側の制御手段10Cの間には通信手段21を設ける。
外部入力装置20から対象物1C側の制御手段10Cへ所定の信号13を送る方法は通信手段21を介して行う。通信手段21は、一般に用いられているリモコン装置あるいは双方向のリモコン装置に準じた仕組みで良い。通信手段21は、外部入力装置20側では送信部22であり、対象物1C側では受信部24である。通信手段21の送信方式によって、電波の場合であればアンテナ、光の場合であれば発光部と受光部、接触型であれば接続端子をそれぞれに有するし、有線の場合もある。ただし、この通信手段21は所定の信号13を盗聴されるという侵入の危険があるので、送信部22と受信部23を近接させて動作させるとか微弱な電磁波を用いて通信するとか、秘話通信や光を使用するとか、直接接点で繋げて接触型にするなどの侵入防止手段を講じると良い。
図34は、図33の電子回路2Cに所定の信号13Aを入力して電子回路2Cを正常に動く状態にしている図である。外部入力装置20の入力部30で入力した所定の信号13Aが送信部22から電磁波26で発信されている。受信部24が受けた所定の信号13Aを識別装置14Bが識別して正しければ識別信号15Aを発して接続指示装置17Bに接続信号18Aを発信させ第二のスイッチ7Cを接続状態にさせ電子回路2Cを正常に動く状態にさせる。
図35は、外部入力装置を持った制御手段で制御する電子回路の動作の所定の時間内状態を説明している。図34の後の状態で所定の時間内のときである。このとき制御手段10Cで稼動しているのは時限装置16Bと接続指示装置17Bである。
なお、入力装置を分離したICカードについては実施例の項で具体的に説明する。
図36から図46で請求項4を説明する。
請求項4は、本発明の電子回路を、盗難対策装置が備わった電子回路として搭載した対象物である。つまり盗難対策装置を搭載した対象物である。
本発明の盗難対策装置の特徴は、盗難対策装置の開錠に相当する行為の対象が電源スイッチではなく第二のスイッチであることである。したがって、開錠行為は対象物を使用する目的ではなくて、対象物を正常に動く状態にするための開錠行為であることに特徴がある。
なお、請求項1ないし3の電子回路の対象物に内蔵した場合の盗難対策装置の動作の基本は同じである。したがって、動作の説明は盗難対策装置の基本動作を中心に説明して、個々の具体的な動作は実施例の項で述べる。
図36は、本発明の盗難対策装置を内蔵した対象物の盗難対策の基本的な動作を表したフローチャートである。開始。入力装置で所定の信号を入力する。識別装置で所定の信号を照合して識別する。所定の信号の照合がYesの場合のみ対象物を所定の時間だけ正常に機能する状態にする。所定の時間の間は対象物を正常に機能する状態に持続させる。所定の時間が終了したら対象物を元の正常には機能しない状態に戻す。終了。である。
図37は、本発明の盗難対策装置を内蔵した対象物の動作をタイムチャートで表したものである。入力装置のスイッチをいれて入力装置を起動して、所定の信号を入力する。所定の信号は、識別装置で照合される。所定の信号が照合されると接続指示装置が接続信号を発する。接続信号で第二のスイッチが接続状態になる。このとき時限装置が所定の時間の計時を開始する。
上記によって、今まで使用できない状態にあった対象物が、使用できる状態に変わる。このとき、対象物はいつでも自由に使用できる状態を持続している。対象物の電源スイッチを入れれば使用できるし、使用が終わったら電源スイッチを切ればよい。所定の時間が過ぎると、時限装置が働いて第二のスイッチを遮断する。したがって、対象物は使用できない状態に自動的に戻る。
つまり、本発明の盗難対策装置は使用する時に対象物を正常に動く状態にするばかりでなく、対象物を、使用できる状態つまり正常に動く状態に所定の時間持続させておくという大きな特徴を持つ。
図38から図39では、本発明の盗難対策装置を内蔵した対象物の盗難対策の動作を説明する。
図38は、対象物1Dが正常には動かない状態、つまり管理者が使用しないときの対象物1Dである。入力装置のスイッチ11Cが切れていて、制御手段10D全体が稼動していないので、第二のスイッチ7Dが遮断状態である。したがって、電子回路本体4Dは正常には動かない状態であり、対象物1Dも正常には動かない状態である。このとき電源スイッチ3Dを入れても対象物1Dは動かない。したがって、仮にこのとき盗んでも盗人は使用することができない。なお、以下の図の制御手段10Dの中に構成要素を点線で表示しているのは、以下に構成要素の動作を説明するためのものであり、各構成要素の場所や大きさを特定するものではない。
図39は、管理者が対象物1Dを使用できる状態にしたときにあたる。入力装置のスイッチ11Cが入り、所定の信号13Bが入力装置12Bに入力される。入力された所定の信号13Bは識別装置14Cに送られる。識別装置14Cは所定の信号13Bを識別してYesの時だけ識別信号15Bを接続指示装置17Cに発する。識別信号15Bを受けた接続指示装置17Cは第二のスイッチ7Dに接続信号18Bを発し、第二のスイッチ7Dを接続状態にする。第二のスイッチ7Dが接続状態を開始したので電子回路本体4Dも正常に動く状態を開始する。このとき時限装置16Cは所定の時間の計時を開始する。
図40は、使用できる状態を持続している状態である。制御手段10Dの時限装置16Cと接続指示装置17Cだけが稼動して第二のスイッチ7に接続信号18Bを発し続けている。第二のスイッチ7Dは接続状態を持続して電子回路本体4Dを正常に動く状態にしている。この状態が本発明の盗難対策装置が対象物1Dを正常に動く状態にしているときである。予め任意に設定してある、あるいはその都度設定することも可能な所定の時間の間だけこの状態を持続する。
図41は、電源スイッチ3Dを入れて、図40の状態の対象物1Dを、使用している状態である。所定の時間の間は、電源スイッチ3Dを入れれば対象物1Dを何時でも自由に使用できる。使用が終わったら電源スイッチ3Dを切るだけで良くこの行為は盗難対策装置にかかわりの無い通常の行為と同じである。このように、所定の時間の間であれば何度でも通常通りの使用方法で使用することができるのが本発明の盗難対策装置の特長である。この特長は一回の使用時間が短くて使用頻度が高い傾向にある携帯電話やデジタルカメラやビデオカメラなどに、使用しやすい盗難対策装置としての効果を発揮する。盗人はこの状態のとき盗んだ場合のみ使用できる。ただし所定の時間が過ぎれば、自動的に使用できなくなる。
図42は、所定の時間が過ぎたときの状態である。時限装置16Cが計時を終了して接続指示装置17Cの接続信号18Bを止める。したがって、第二のスイッチ7Dが遮断状態に戻る。対象物1Dも正常には機能しない状態に戻る。したがって、図のように電源スイッチ3Eを入れて使用しようとしても使用できないし、使用していても自動的に使用できなくなる。本発明の盗難対策装置は必ずこの状態に自動的かつ強制的に戻ることが大きな特長である。引き続き使用する場合は入力装置12Cで所定の信号13Bを入れれば良いので、管理者にとっては極めて単純かつ簡単である。使用できる状態を継続させる場合は使用できる状態のときに所定の信号13Bを入れる方法が簡単である。その場合、所定の時間を追加するか、その時点から所定の時間を開始するように時限装置16Cを設定しておけば良い。盗人が図41の状態で盗んで使用していたとしても、この時点からは使用することができなくなる。このように、時限装置16は盗難対策装置の施錠に相当する行為を行うための、本発明の盗難対策装置の重要な要素であり、かつ不可欠な要素である。
ただし、車両やコンピューターのような、使用中に突然停止することが危険あるいは好ましくない対象物に対しては、運転中に所定の時間が過ぎても第二のスイッチ7を遮断することはしないで、エンジンが停止するなど遮断しても安全な状態に対象物がなったことを確認してから第二のスイッチ7を遮断させる安全停止装置19を設ける必要がある。安全停止装置19については請求項2を説明する項で詳しく述べたし、後の乗用車の実施例でも述べる。
次に、図43から図45用いて本発明の盗難対策装置の侵入防止手段について説明する。
盗難対策装置を搭載していて使用できない状態の対象物を盗んだ盗人は、対象物を使用できるようにするために、盗難対策装置に侵入する可能性がある。対象物の使用価値が高ければ高いほど侵入の可能性は高く、組織的かつ高度な手口で侵入する場合がある。
図43は、本発明の盗難対策装置の電子回路2Dに侵入防止手段を施す範囲を太点線の枠内に示した図である。本発明の盗難対策装置はこの太点線の枠の範囲内に侵入させなければ盗難対策装置の効力を失わない。
図44は、発生する識別信号15Bと接続信号18Bが侵入対象範囲9にあることを表している。
図44は、発生する識別信号15Bと接続信号18Bが侵入対象範囲9にあることを表している。
図45は、本発明の盗難対策装置に対する侵入の予想である。その手口は、電子回路本体の中枢部まで侵入したうえで、第二のスイッチ7Dを機械的に接続させるか迂回させる機械的な侵入と、偽の識別信号や偽の接続信号で第二のスイッチを接続する電気的な侵入がまず考えられる。また、識別装置のメモリーに侵入することも考えられる。さらに、使用できる状態のときに盗んで時限装置に侵入して所定の時間を延長させるなど、時計機構も侵入場所となるなど侵入手段は多岐にわたる。
しかし、上記のような高度な侵入技術で侵入する盗人は、専門的かつ組織的な盗人集団である可能性が高い。このような盗人集団が盗む対象とする獲物は、高額な車両やICカードなど高額な対象物に限られる傾向にある。その理由は廉価なものを高度な技術や手間をかけて盗むという非効率な行為を盗人集団はやらないことにある。したがって、前述のような盗人集団の侵入に耐えれば全ての侵入に耐えられることになる。
本発明の盗難対策装置は破ることが極めてむずかしい侵入防止手段を設けることができる盗難対策装置である。前記のような高い侵入技術にも十分な耐侵入防止効果をあげる侵入防止手段について以下に説明する。
侵入防止手段の結論はIC化である。本発明の盗難対策装置の主な構成要素は電子回路である。したがって、図43の太点線枠内の侵入防止の範囲9の主な構成要素をIC化できる。したがって、このICをICパッケージ構造で保護することで侵入を防止できる。一般にICパッケージは堅牢な構造であるので、IC本体を傷つけることなくICパッケージを破ることは難しい。仮にIC本体まで侵入到達したとしても、IC本体の細密構造に入り込むことは、一般の技術レベルでは不可能である。したがって、第三者を侵入させない厳重でかつ高度な侵入防止機能を有することができる。したがって、侵入が不可能な盗難対策装置を作ることができる。
侵入防止手段の結論はIC化である。本発明の盗難対策装置の主な構成要素は電子回路である。したがって、図43の太点線枠内の侵入防止の範囲9の主な構成要素をIC化できる。したがって、このICをICパッケージ構造で保護することで侵入を防止できる。一般にICパッケージは堅牢な構造であるので、IC本体を傷つけることなくICパッケージを破ることは難しい。仮にIC本体まで侵入到達したとしても、IC本体の細密構造に入り込むことは、一般の技術レベルでは不可能である。したがって、第三者を侵入させない厳重でかつ高度な侵入防止機能を有することができる。したがって、侵入が不可能な盗難対策装置を作ることができる。
図43と図44に破線で示した侵入防止の範囲9は、万一侵入されると本発明の盗難対策装置の基本機能そのものが犯される可能性のある範囲であるが、侵入防止策をどのように施しているかを公表する必要は無いので厳重度は設計次第である。したがって、個々の対象物で実施する場合に、侵入防止の対象範囲を図の破線の範囲に規定するものではない。
図43から45で示す侵入防止の範囲の電子部品の全てをIC化することができなくても、電子回路に侵入させない手段は沢山ある。高額な車両やICカードのように厳重度の高い侵入防止手段を備えなくても、厳重度の低い侵入防止手段で盗人の侵入を防止したり、侵入をあきらめさせたりすることができる。
廉価な対象物の場合、対象物の筐体を+やマイナスのドライバーでは開けられないようにするとか、筐体を開けただけでは盗難対策装置の電子回路に到達できないようにするなどの筐体による侵入防止手段がまず有効である。次に、電子基板の何処に盗難対策装置の電子回路があるか分かりにくくするとか、例えば電子基板が多層の場合は内層に設けるなどの電子基板上の侵入防止手段が有効である。
廉価な対象物の盗難に於いては、盗人はこの時点でこれ以上の侵入を諦めてしまう可能性が高いのでこれらの手段を有効な侵入防止手段ということが出来る。理由は、廉価な対象物を盗む盗人は侵入に必要な高度かつ組織的な電気知識と電気技術と設備道具を持たないし、仮に持っていても、廉価なものに手間と時間をかけることは、盗人として割りが合わないからしない。
その他の侵入防止手段としては、中枢部4の遮断部5を複数個設ける例もある。電子回路を正常には動かない状態に保つ為には中枢部の一箇所を遮断すれば十分であるが、侵入防止をより厳重にする場合の一手段として中枢部に複数の遮断部を設ける方法がある。高額な車両を盗むような組織的な侵入手口を持った盗人に対抗する手段として有効である。
また、所定の時間の設定を短くすることででも侵入防止に準じた効果をあげることができる。
また、時限装置からの侵入も考慮しておく必要がある。使用可能な状態のときに盗まれて時計の設定を変えられたり、所定の時間の設定を変えて使用可能な時間を延長されるなどの侵入があるし、所定の時間内に盗まれてそのまま時間を止めると所定の時間が経過しないということも考えられる。これは、本発明の盗難対策装置が対象物が元々もっている時計機構や電源装置などを共有することができることに由来する侵入である。
侵入防止手段
したがって、所定の信号を入力しなければ時計機能に入れないとか、時計機能が止まったら第二のスイッチを遮断するとか、クロック信号だけを受けて盗難対策装置内で計時するなどの侵入防止機構で守る必要がある。時限付きの接続持続指示装置内に専用の時計機能あるいはタイマー機能を内蔵する方法もある。
したがって、所定の信号を入力しなければ時計機能に入れないとか、時計機能が止まったら第二のスイッチを遮断するとか、クロック信号だけを受けて盗難対策装置内で計時するなどの侵入防止機構で守る必要がある。時限付きの接続持続指示装置内に専用の時計機能あるいはタイマー機能を内蔵する方法もある。
なお、所定の信号そのものを奪われてしまえば侵入されてしまうのは当然のことであるが、手の血管の像や虹彩の像など奪われることがない所定の信号など、所定の信号の種類や管理方法は様々であるので、所定の信号は管理者に管理されていることを絶対条件にしたうえでの侵入に対して説明するものである。
図46は、請求項4で対称にしている対象物の一覧表であり、以下に述べるものが主な対象物である。道路交通法で言う車両のうち電子制御下にある駆動装置で動く全ての車両でスノーモービルも含む。電子制御下にある駆動装置で動く航空機。電子制御下にある駆動装置で動く船舶で水上バイクも含む。電子制御下にある駆動装置で動く土木建設機械で野外発電機も含む。ノート型パソコンや電子手帳などの携帯型の情報端末器。携帯電話器。ヘッドホンステレオや携帯型のゲーム機や携帯テレビなどの携帯型の電子機器。テレビや映像記録再生装置やゲーム機や冷蔵庫や洗濯機や電子レンジなどの家電製品。デジタルカメラやビデオカメラや電子回路の制御下で動作するフィルム式カメラ。ICカード。ICカード機構を内蔵した、携帯電話や情報端末機や携帯型の電子機器や財布やペンダントなどのICカードとの複合製品。その他、動作するために電子回路を必要として、かつ移動可能であるために盗まれる可能性のある物すべてを対象とする。
ここで、所定の時間の運用面について説明する。所定の時間は、本発明の盗難対策装置を内蔵した対象物を正常に動く状態に持続しておく時間である。
30秒とか3分などの短い時間の設定は、ICカードの決済時に用いる。ICカードの場合は決済するときだけ正常に動く状態であれば良いし、正常に動く状態を必要以上に長く持続させるのは不正に使用される原因となる。
また、30秒とか3分などの短い時間の設定は、車両等の始動用に用いる場合もある。始動するときだけ正常に動く状態にして、正常に動く状態の終了はエンジンキーでエンジンを停止したときと設定しておく方法であり、安全停止装置で停止する方法である。この利点は、エンジンを切ったその時から正常には動かない状態にすることができることである。
3時間とか8時間などの例は、多くの対象物に便利な時間設定である。特に携帯電話やビデオカメラやデジタルカメラなど一度正常に動く状態にすれば使用する時間帯は盗難対策装置を気にすることなく、普通に使用することができるのが本発明の盗難対策装置の特筆する特長である。
長時間の設定にする例について述べる。所定の信号を一度入力するだけで一ヶ月とか3ヶ月とか180日とかなどの長時間にする方法がある。家電商品や事務機器などの場合に使用の都度あるいは数日毎に所定の信号を入力するのは面倒である。室外に持ち出す携帯品に比べて盗難に遭う危険が極端に小さく、しかし、盗難対策装置を搭載していることが安心感を生む対象物には、所定の時間を長時間に設定する方法が便利な場合がある。家電商品や事務機器や卓上型コンピューターなどには所定の時間の長時間設定が盗難対策になる。月に一回所定の信号の入力日を決めておくなどの入力方法もある。なお、盗んでも盗人には所定の時間の終了が何時なのか分からないので何時使用できなくなるか不安である、盗難対策装置が搭載されていることを表示しておくことで高い盗難防止効果を得ることができる。
また、所定の時間の応用として、正常に動く状態になるための接続と遮断の両方を予約時間で動かす方法を採る事ができる。通勤用の車両やICカード機能の定期券機能などで使用時間が決まっている対象物に朝の予約の一時間と夜の予約の一時間だけは予約機能が働いて自動的に繰り返し使用可能な状態にすることができるなどである。このことによって、定期的に使用する場合に限って対象となる時間帯だけは何もしなくても自動的に使用できる状態にすることができる。
請求項3で分離した入力装置あるいは分離した入力装置を搭載した対象物
について以下に説明する。
について以下に説明する。
分離した入力装置は外部入力装置20として、請求項5の所定の信号の入力装置を持たない盗難対策装置を内蔵しているICカードに外部から所定の信号を入力する装置である。入力装置を持たない盗難対策装置はICカードの他に、盗難対策装置の電子回路と入力部分が離れがちな車両や船舶などがあり、入力装置の設置場所を確保しにくい対象物にも使用される。
分離した入力装置20の回路の働きについては請求項3の項で述べているので重複する説明は避ける。
図47ないし図50は、外部入力装置を説明する図である。
図47は、入力板27の形をした外部入力装置20Aの例である。外部入力装置20Aは入力装置のスイッチ11Dを持ち、所定の信号13Cには暗証記号あるいは暗証番号を用いる例なので所定の信号入力ボタン41を持ち、入力確認の表示装置40を持つ。多機能型のICカードの場合には機能選択ボタン44や実行ボタン42を持つ。乗用車やオートバイなどの場合にはロックボタン43があると、残っている所定の時間をキャンセルして第二のスイッチを遮断して正常には機能しない状態に直ちにすることが出来るので、便利である。
この外部入力装置20の操作は、入力装置のスイッチ11Dで起動して所定の信号13を入力して、ICカードや車両などの対象物の受信部に近づけるとか重ねるとかして実行ボタンを押す。これで所定の信号が送信される。ICカード以外の場合も、受信部に送信する基本動作は同じである。
図48は、所定の信号に指紋像を用いた場合である。形状は入力板27Aの形をした外部入力装置20Bの例であり、指紋センサー117と、送信ボタンを兼ねた入力装置のスイッチ11Eと、操作確認ランプ118を持った例である。操作は入力装置のスイッチ11Eで起動して指紋を指紋センサー117で読み取って、ICカードや車両などの対象物の受信部に近づけるとか重ねるとかして入力装置のスイッチ11Eを押す。
図49は、外部入力装置20の電子回路の模式図である。入力部30と、通信手段21の送信部22と、電源装置28を主な構成要素とする。通信手段21は電磁波を用いた例であり送信アンテナ23を有している。なお、通信手段21は双方向の場合を含む。
外部入力装置20の通信手段21は通信方式によって、電波の場合であればアンテナ、光の場合であれば発光部と受光部、接触型であれば接続端子を有する。
図50は、外部入力装置を搭載した携帯電話器89である。携帯電話器の中に図49の電子回路の機能を搭載している。
携帯電話器は携帯性が高いので本発明の盗難対策装置の外部入力装置を搭載する対象物としては好都合である。さらに、携帯電話器に外部入力装置を搭載する利点は外部入力装置の送受信アンテナ以外の大部分を携帯電話が元々持っている装置で兼用できることである。
したがって、将来本発明の盗難対策装置が普及した場合、外部入力装置で所定の信号を入力する対象物に対応する為に、外部入力装置の機能を予め搭載した図50のような携帯電話器89が必要になる。
図50のような携帯電話器89はオートバイや車両の外部入力装置としても、ICカードの外部入力装置としても、使い勝手が良い。入力操作のために携帯電話器の機能選択の項に外部入力装置の項を入れておけば専用のスイッチを携帯電話器に設ける必要が無いが、図50では、入力装置のスイッチ11Fを増設して所定の信号を直接入力できるようにしている。
外部入力装置20は、これまで説明したように入力板の形をとる場合と、外部入力装置の機能を携帯電話などに搭載する場合のほかに、決済用の読み取り書き込み装置に搭載する場合や、金融機関の読み取り書き込み装置の近くに設置する外部入力装置の専用機とすれば、不正使用の防止にも盗難対策にも有効である。
なお、外部入力装置で所定の信号を入力するICカードは、実施例の項で詳しく説明する。
本発明の盗難対策装置は盗人に盗む気を起こさせなくする、つまり盗んでも無駄だと思わせることで盗ませない装置である。本発明の盗難対策装置で実際に盗難を防止する方法とその手段について説明する。
まず、図51を用いて、本発明の盗難対策装置を内蔵した対象物に於いて、盗難対策装置を内蔵していることを告知することで盗難を防止する仕組みと、従来の方法と異なる盗難対策の手段について説明する。
図51は、盗人が物を盗むときの二つの条件に付いて、盗人の心理と行動を、盗人の心理を想定して説明している図である。
物がどんな条件下にあるときに盗むかということに着目すると、対象物が次の二つの条件を併せ持ったとき盗むことがわかる。第一の条件は、盗んでまでも手に入れたいと思う価値を対象物が持っていることである。第二の条件は、盗める環境にあることである。盗める環境とは、鍵を掛けていないとか、盗難対策装置が無いとか、見張りがいないなどである。
表の物Aは、第一の条件の盗んでまでも手に入れたいと思う価値と、第二の条件の盗める環境の二つの条件下にあることを表している。このとき、盗人は盗むし盗める。
表のどちらか一方の条件を持たない物Bと物Cのうち、物Bは、第一の条件を持って第二の条件を持たない。つまり、盗んでまでも手に入れたいと思う価値を持っているが盗める環境には無い、つまり鍵を掛けてあったり、見張りがいるということである。したがって盗人は、物Bを盗みたいが盗めない。
従来から用いられている盗難対策方法は、このBの方法である。しかし、この方法には、多くの隙間があり、盗まれてしまう場合がある。つまり、盗みたいが盗めないということは、盗みたいという気持ちがあるが、盗む手口つまり技術が無いという風に解釈することが出来る。したがって、1.鍵や見張りを破る手口を持っていれば盗める。2.鍵がかけられていないときや見張っている人がいないときつまり隙が生じれば盗める。3.強奪する。などの手口を用いれば、盗むことが出来る。
物Cは、第二の条件下にあるが、第一の条件を持っていない、つまり、盗める環境にあるが、盗んでまでも手に入れたいと思う価値を持っていない。価値が無ければそもそも盗む対象にならない。盗もうと思っても価値が無いことを知れば盗む行為に至る気持ちが消失する。したがって、盗人は、物Cを盗まない。
二つの条件を持たない物Dは、盗まれることは無い。
本発明の盗難対策装置及び盗難対策方法に於いて着目し、実施したのは物Cの条件下の対象物であり、価値を持たない物は盗まれないということである。このことが本発明の盗難対策手段の根幹になっている。
持ち主には物の価値を保ったまま、盗人に対しては物から価値を無くしてしまうという方法は今までに無かった。あえて近似した方法を挙げれば、消せないように名前を大きく書く方法である。名前を書いたものが盗まれにくいのは、盗人にとっては甚だ使いにくい物、つまり使用価値が損なわれた物になってしまうからである。このように、価値が大きく損なわれたり、価値がなくなったりすると、その物は盗まれることがない。
使用価値を無くす。つまり、盗んだ対象物をどうやっても動かすことができなければ使用価値を失う。使用価値が無ければ盗む目的が無くなってしまう。対象物が正常には動かない状態であり、使用価値を無くしてある、という情報を盗人にあらかじめ伝えることで、盗んでも使えない、ということを盗人に前もって分からせて盗む行動に至らせない盗難対策ができる。
上記の通り、本発明の盗難対策装置は、盗まれたとき使わせない装置であるが、目的とする本来の効果は、盗まれる前に盗人の盗む意欲を削いで盗まなくさせる効果であり、このことによって盗難を防止するものである。
この盗難対策方法は馴染みが無いために、世間一般、特に盗人には当然のことながら当初は認知されていない。盗んでも使用できないということを盗人が体験しないと効果の事実が伝わりにくいという欠点がある。したがって、認知されるまでの間は、盗難対策装置の盗難防止効果は小さい可能性がありこれはやむを得ないことである。
本発明の盗難対策装置が搭載されていたら盗んでも無駄だという情報が盗人たちに認知されればされるほど盗難が減少することになる。この効果は特に組織的に動く盗人には大きな効果を発揮する。本発明の盗難対策方法が広く認知された後には、本発明の盗難対策装置を搭載していることを告知するだけで、本発明の盗難対策装置及び盗難対策方法が目的とする本来の効果をあげることができる。
したがって本発明の盗難対策装置を搭載している対象物であることをマークや絵や文字や音や映像などの告知手段で盗人に知らせることが本発明の盗難対策方法で盗難を防止するための必須条件になる。
図52から図60で、告知の実施例を説明する。何れも対象物に刻印するとか印刷するとかシールで張るとか表示装置画面に映し出すとか、対象物の梱包に表記するとか、告知広告やカタログに表記するなど、印刷物や映像や音声などの告知媒体を使用して、告知する。
図52は、錠をイメージした告知マークの例である。
図53は、鍵をイメージした告知マークの例である。
図54は、警告シール調の告知マークの例である。盗難対策装置を内蔵したコンピューター画面に表示して本発明の盗難対策装置を内蔵した警告文にも使用できる。
図55は、本発明の盗難対策装置を搭載した携帯電話に図44の錠をイメージした告知マークを付けた実施例である。
図56は、本発明の盗難対策装置を搭載したICカードに図45の鍵をイメージした告知マークを付けた実施例である。
図57は、本発明の盗難対策装置を搭載したデジタルカメラに図45の鍵をイメージした告知マークを付けた実施例である。
図58は、本発明の盗難対策装置を搭載した商品の梱包箱に図44の錠をイメージした告知マークを付けた実施例である。
図59.は、本発明の盗難対策装置を搭載した商品の梱包箱に図46の警告シール調の告知マークを付けた実施例である。
図60は、告知広告やカタログや店内放送などで説明する例である。
このように、本発明の盗難対策装置は盗もうとする盗人に鍵や警報装置で対抗するものではなくて、盗人の盗む意欲を無くさせる盗難対策方法を具体的に実施するための盗難対策装置である。したがって、本発明の盗難対策装置を内蔵していることを盗人に知らせる告知手段は重要な役割を持つ。
これまでに、本発明の電子回路が持つ盗難対策装置としての機能と原理を説明してきた。ここからは、本発明の電子回路を盗難対策装置の付いた電子回路として対象物に内蔵した実施例を説明する。なお、これらの本発明を実施する実施例を説明するにあたって、前記の原理で説明した同一の構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図61から図65は本発明の盗難対策装置を車両に内蔵した実施例を説明するものである。
図61は、本発明の盗難対策装置を乗用車50に内蔵した実施例であり、請求項4記載の入力装置と識別装置と接続指示装置と時限装置と安全停止装置を主な構成要素とする制御手段で第二のスイッチを制御する電子回路を、乗用車の盗難対策装置として内蔵した実施例である。
本発明の盗難対策装置のうち、所定の信号の入力装置12Cはダッシュボードの円Aの位置に取り付けてある。
図62は図61の入力装置12Cを取り付けたダッシュボード52周辺の拡大図である。入力装置12Cは、所定の信号を入力するときに見やすくかつ計器パネル53や運転の邪魔にならない場所としてエンジン始動スイッチ51の近くに設置してある。エンジン始動スイッチ51近くには盗難対策装置搭載の告知マーク錠65を付けて盗難対策装置を搭載していることを告知している。
図63は、図62の入力装置12Cの拡大図である。暗証番号あるいは暗証記号からなる所定の信号13が表示装置40に表示されている。入力方法の一例は、入力装置のスイッチ11Gを押して、所定の信号入力ボタン41Bで所定の信号13を入力して、実行ボタン42を押すだけである。なお、入力装置を常時待機にしている場合には入力装置のスイッチ11Gは必要が無いとか、実行ボタン42を押さなくても入力するなど入力装置や入力方法は様々であり、図が限定しない。
機能選択ボタン44Aは、所定の信号の登録・変更や所定の時間の設定変更などに用いる。
ロックボタン43Aは、所定の時間の残りにかかわり無く、押せば直ちに第二のスイッチを遮断して、乗用車50を使用できない状態にすることができる。但し運転中は機能しないようにするとか、押してもエンジン始動スイッチ51を切るまでは停止しないなどの安全停止装置を設ける必要がある。
図63では所定の信号13が正しく入力されていることの確認ができる表示装置40や実行ボタン42を設けているが、表示装置40や実行ボタン42は必ずしも必須のものではない。
入力装置の配置においての問題が、乗用車50などの大きな対象物で起こる。大きな対象物の場合は入力装置と電子回路本体との間に距離が生じてしまう、盗人がなんとしても手に入れたいと思うような高額な乗用車の場合には、この距離間に侵入して所定の信号を盗聴する可能性がある。したがって、この間に光ファイバーを使用するとか、秘話通信にするとか、到達範囲の短い電磁波のリモコンにすると良い。この場合の入力装置は識別装置14と直結した直接入力と、入力装置12をリモコン式にする方法がある。
また、入力装置12は、乗用車50にカーオーディオやカーナビゲーションが標準装備されている場合には、それらの入力ボタンやリモコンなどの入力手段を本発明の盗難対策装置の入力装置に兼用する方法もある。
また、乗用車50が既に備えている速度や走行距離や気温などのデジタル表示装置や表示切替ボタンなどと、本発明の盗難対策装置の識別機構の入力装置を兼用させる方法もある。
図61に戻って、本発明の盗難対策装置の電子回路部分の搭載場所は、エンジン制御装置55の電子回路の基板37の中のICパッケージ38の中のICチップ39の一角の円Bの部分に挿入してある。ただし図はイメージである。
この場合のICチップ39への侵入防止の構造は、まず、ICチップ39は堅牢なICパッケージ38で保護されている。ICパッケージ38は電子回路の基板37に搭載され、電子回路の基板37は、エンジン制御装置55の一部であり、エンジン制御装置55はエンジン制御装置収納箱54で保護され乗用車50の所定の場所に固定されている。
乗用車の場合にはこのような配置そのものが、侵入防止手段となる。エンジン制御装置収納箱54を封印してブラックボックス化すればさらに厳重度の高い侵入防止手段となる。侵入者が仮にICパッケージ38に到達してもICチップ39本体を傷つけずにICパッケージ38を破るのはむずかしいし、仮にICチップに到達してもIC構造の微細さ故に、高度な技術が無ければ回路内には侵入できない。つまり、本発明の盗難対策装置は、盗人がどんなことをやっても侵入を遂げられないように作ることが出来る。
という侵入防止手段である。本発明の盗難対策装置の特徴は侵入行為を防ぐことよりも、侵入を試みても無駄であることを告知して侵入を諦めさせること、つまり盗むことを諦めさせることにある。そのためにも侵入できない侵入防止手段の裏づけを有することが重要である。
という侵入防止手段である。本発明の盗難対策装置の特徴は侵入行為を防ぐことよりも、侵入を試みても無駄であることを告知して侵入を諦めさせること、つまり盗むことを諦めさせることにある。そのためにも侵入できない侵入防止手段の裏づけを有することが重要である。
図64は、図61の円B内の電子回路の模式図である。乗用車50のエンジン制御装置55に内蔵した本発明の盗難対策装置の電子回路2の模式図である。乗用車50の高度に複雑な電子回路を極めて単純化して表現しているが、中枢部に第二のスイッチを設ける目的と効果はこれまでに説明したことと同等である。
図64は、入力装置12C、識別装置14D、時限装置16D、接続指示装置17D、安全停止装置19Cを主な構成要素として有する制御手段10Eと、制御手段の制御下にある第二のスイッチ7Eと電子回路本体4Eからなる乗用車50の電子回路2Eを表している。
図64は対象物が休止している状態のときつまり乗用車が正常には動かない状態を表わしている。入力装置12Cに所定の信号13を入れない限り時限付きの接続指示装置16Dが第二のスイッチ7Eを接続状態にしないので、エンジン始動スイッチ51を入れても乗用車50は正常には動かない。
乗用車50に搭載した場合でも盗難対策装置の使用方法は簡単である。まず、入力装置のスイッチ11Gで入力装置12Cを起動して次に所定の信号13を入れれば、乗用車は正常に動く状態になる。入力装置12Cを常時待機の状態にしておけば、入力装置のスイッチ11Gを入れる動作は必要なく、所定の信号13を入力するだけで良い。
所定の信号13が正しければ、乗用車50のエンジン制御装置55は直ちに正常な状態になり、正常な状態は所定の時間持続する。したがって、所定の時間内であれば、盗難対策装置に全くかかわること無く、普通にキーでエンジンを掛けて乗用車を自由に使用できる。キーレスシステムの場合も同様な使用方法ができる。例えば所定の時間を12時間として朝所定の信号を入力しておけば日中は家族が誰でも従来の使用方法で普通に使用することができる。最後の使用者がそのままにしておけば、12時間が過ぎると、乗用車は自動的に使用不能の状態に戻る。この様な使い方ができることが本発明の盗難対策装置の大きな特長である。所定の時間内であってもロックボタン18によって直ちに使用不能の状態にできる。なお、走行中に所定の時間が過ぎて突然止まってしまうのは危険であるから、この場合には前述の安全停止装置が働くようにする。
所定の信号でない信号が入力装置12に入力された場合は、何もしない方法と、所定の回数以上入力されたら、入力を一定時間拒否するとか、別に設ける警報装置に警報信号を発するなどの付加機能も取り付けることができる。
所定の信号や所定の時間の設定を変更する場合は、所定の信号で設定変更機能を呼び出す方法を用いるのが一般的である。
管理者が所定の信号を忘れてしまった場合あるいは定期的な保守点検の為の整備部門が正常に動く状態にするときの対策、例えば販売者が販売者用の所定の信号を別に持つとか管理者の所定の信号を共有するなどの対策が乗用車の場合には特に必要である。
本発明の盗難対策装置はエンジンの制御に電子回路を用いている物であれば、スノーモービルや水上バイクや船舶や航空機や野外発電機などにこの実施例に準じた方法を用いることができる。
図65は、入力装置12を外部入力装置20にした場合の模式図である。図63を入力板型の外部入力装置20としても良いこの方法はダッシュボードに入力装置の設置場所を必要としない利点があるが入力装置を紛失したら乗用車は動かないという問題がある。外部入力装置20を携帯電話器に搭載する方法もある。
図66から図68は、オートバイ57に本発明の盗難対策装置を搭載した実施例である。これまで電気的な方法の効果的な盗難対策装置がなかったので、オートバイに搭載する盗難対策装置として高い効果を発揮する例としたものである。なお、この実施例は、電動バイク、電動自転車、電動車椅子など電子回路に制御される電気モーターを動力に用いる対象物にも適用する。
図66は、計器パネル53の前方に風防58とバックミラーアーム59があり、運転者の視線で計器パネルを見た図である。本発明の盗難対策装置の電子回路部分をエンジン制御装置の中に搭載する方法は乗用車60の実施例図61と同じ要領であり、重複するので説明を割愛する。入力装置12Bをオートバイ57の計器パネル53Aの近くに装着した図である。
図66は、計器パネル53の前方に風防58とバックミラーアーム59があり、運転者の視線で計器パネルを見た図である。本発明の盗難対策装置の電子回路部分をエンジン制御装置の中に搭載する方法は乗用車60の実施例図61と同じ要領であり、重複するので説明を割愛する。入力装置12Bをオートバイ57の計器パネル53Aの近くに装着した図である。
なお、野外に曝される時間の多いオートバイの場合は、所定の信号の入力を外部入力装置で行う方法もある。その場合の外部入力装置20は、入力装置12をリモコン型にしたり外部入力装置搭載の携帯電話器にするなどの組み合わせが有る。
図67は、図66の計器パネル53Aの部分を拡大した図である。入力装置12Bの表示装置40Aは計器パネル53Aの表示装置を兼用している。
エンジン始動スイッチ51Aの近くに、告知マーク鍵66を入れて、盗難対策装置を搭載していることを告知している。
図68は、図67の入力装置12の拡大図である。実施例では入力装置12Bにテンキー型を用いているが、オートバイの場合は場所が狭いので、送りキーや戻しキーや実行キーを組み合わせて入力キーを少なくする方法も良い。
入力装置12Bの通常の使用方法は、入力装置のスイッチ11を押して、所定の信号入力ボタン41で所定の信号を入力して実行ボタン42を押す。この操作でオートバイは正常に動く状態になる。
ロックボタン43によって、所定の時間内であっても直ちに使用不能の状態にできる。なお、走行中に所定の時間が過ぎて突然止まってしまうなどということが起こらないように、走行中とかエンジンが回っているなどの間は停止しない安全停止装置は不可欠である。安全停止装置の動作については乗用車の図64と同じである。
オートバイ側の本発明の盗難対策装置の電子回路の模式図は基本的に乗用車と同じである。
なお、本発明の盗難対策装置の、対象物を動かなくしてしまうという動作の特徴から、乗用車には安全停止装置は不可欠である。車両の他に、突然停止してしまうと不都合が生じるコンピューターにも、本発明の盗難対策装置を内蔵する際には安全停止装置に準じた装置を含ませた方が良い。
ここで図69のフローチャートと図70と図71のタイムチャートを用いて、車両の安全停止装置の動作例を説明する。
図69は、車両用の、安全停止装置の付いた盗難対策装置のフローチャートである。所定の信号を照合して正常に動く状態になった車両は所定の時間が経過すると、安全停止装置がエンジンが停止しているとかエンジンキーが切れているなど運転状態でないことを確認した上で、接続信号を停止させるもので、運転中に所定の時間が過ぎた時に突然停止することを防いでいる。
図70は、安全停止装置の付いた盗難対策装置のタイムチャートである。図中Aの線は所定の時間が終わった線である。安全停止装置はエンジンが停止していることあるいはBで停止したことを確認するCの線までは接続信号の発信を持続させておく指示を出して、運転中の停止を防止する。
図71は、安全停止装置のエンジン停止確認方法が図70と異なった例である。安全停止装置はエンジンの稼動情報を受けていて、所定の時間が経過したAの時点以降、エンジンが動いていない、あるいはBの時点でエンジンが止まった場合のみ接続信号を停止させる方法で運転中の停止を防止する。
いずれも、Aの時点で運転中で無ければ接続信号は停止して車両を正常には動かない状態にする。
図69ないし図71で説明したエンジン停止の確認方法は一例である。運転中に突然停止させないことが安全停止装置であり、運転中であることの検知方法はエンジンキーの状態から得るとかエンジン制御装置の信号から得るなど多様で有り、その方法をこの図と説明が規定するものではない。
図72から図75は、本発明の盗難対策装置をデジタルカメラに搭載した実施例であり、入力装置と識別装置と接続指示装置と時限装置を主な構成要素とする制御手段で第二のスイッチを制御する電子回路を用いた実施例である。
図72は、デジタルカメラ60Aが既に備えている操作ボタンや表示装置を本発明の盗難対策装置の入力装置に兼用する場合の説明図である。入力装置のスイッチ11はデジタルカメラの電源スイッチ3を兼用する。所定の信号の入力ボタン41はデジタルカメラ60Aの操作ボタンを用いる。所定の信号の入力確認のための表示装置40にはデジタルカメラのモニター画面を用いる。以上のように兼用できる操作ボタンや表示装置を既に有している電子機器は、これらを兼用することで電子機器本来の外観を損なうことなく、新たな部品の追加をしなくても本発明の盗難対策装置を搭載することができる。
図73は、デジタルカメラ60Aの電子回路に本発明の盗難対策装置を一体化した実施例である。盗難対策装置の電子回路は、デジタルカメラ60Aの電子回路の基板37のICパッケージ38に護られたICチップ39の一角の円C内に一体化している。
図74は、図73の円Cの電子回路の模式図である。デジタルカメラ60Aの電子回路2に内蔵した本発明の盗難対策装置の電子回路の模式図であり、電子回路が休止している状態のときつまり正常には機能しない状態を表している。入力装置12に所定の信号を入れない限り第二のスイッチ7が接続状態にならないので、デジタルカメラは正常には機能しない。しかも、電子回路がICの中に有るので容易に侵入できないという仕組みを説明している。
図74では、対象物の電源スイッチ3と入力装置のスイッチ11が一つになっている。これは、対象物に入力装置のスイッチを新たに設けなくても良い利点がある反面、管理者には戸惑う原因になるので、二つのスイッチ機能を自動的に切り替える必要がある。
図75は、電源スイッチ3を入力装置のスイッチ11と兼用するときの機能切り替えの例をフローチャートにしたものである。開始から。電源スイッチが押された。第二のスイッチの状態を確認する。接続状態であるか?。Yesの場合。電源スイッチとして機能する。電源を入れる。終了である。Noの場合。入力装置のスイッチとして機能する。対象物の操作ボタンと表示装置を入力装置の機能に切り替える。入力装置を起動する。終了である。したがって、正常には機能しない状態のときに押したときには入力装置のスイッチとして機能して、正常に機能する状態のときには電源スイッチ4として機能するこのような切替え装置47を設けておくと良い。
デジタルカメラの盗難対策装置の使用方法は簡単である。まず、入力装置のスイッチ11を入れる。次に所定の信号の入力ボタン41と表示装置40で所定の信号を入れればよい。入力装置のスイッチ11は、デジタルカメラが正常に機能する状態になったら本来のデジタルカメラの電源スイッチの機能に戻る。
所定の信号が正しければ、デジタルカメラは直ちに正常に機能する状態になり、正常に機能する状態は所定の時間持続する。したがって、所定の時間内であれば、盗難対策装置に全くかかわり無く、デジタルカメラを自由に使用できる。例えば所定の時間を1時間としておけば所定の信号を入力してから1時間の間は従来の使用方法で普通に使用できる状態にしておくことができる。使用が終わったらそのままにしておけば、一時間後には自動的に使用不能の状態に戻る。所定の時間内であっても動かなくしてしまいたい場合の為にロック機能を設ける方法もある。ロック機能は車両の入力装置で説明した機能と同じである。
なお、デジタルカメラの盗難対策装置の電子回路をIC化するのは、侵入防止機構を厳重にする効果の他に量産効果と搭載費用を安くするためにより効果がある。
しかし、デジタルカメラやヘッドホンステレオなどの低価格の対象物の場合は、盗んだ盗人が手間と費用をかけて組織的に盗難対策装置の電子回路に侵入するなどということはまず無いので、侵入防止の厳重度を高度にする必要は必ずしも無い。盗難対策装置をICチップの中に隠さなくても、電子基板の内層に隠すとか、電子基板に到達しにくい配置をするとか、筐体の止めネジを通常の工具では回せないようにするなどでも十分な侵入防止機構とすることができる。
図76と図77は、ヘッドホンステレオに本発明の盗難対策装置を搭載した場合の実施例である。
図76は、半導体メモリーあるいはハードディスクあるいはMDあるいはCDあるいはカセットテープなどの音楽媒体を用いたヘッドホンステレオの例であり、ヘッドホンステレオ本体62内部の電子回路の基板37のICパッケージ38の中のICチップ39の一角円Dに本発明の盗難対策装置の電子回路を搭載した例である。
盗難対策装置の操作は、入力装置のスイッチ11を入れて、ヘッドホンステレオ本体の操作ボタン兼用の所定の信号入力ボタンで所定の信号を入力する。所定の信号の入力状況の確認は表示装置で行う。この操作は、前述の車両でもデジタルカメラでも基本は同じである。
図77は、図76の円Dの盗難対策装置の電子回路とヘッドホンステレオの電子回路の図である。実施例では、ヘッドホンステレオの電源スイッチ4と入力装置のスイッチ11は別に設けた例であるが、前項デジタルカメラで説明したように一つのスイッチに切替え装置を設けても良い。なお、入力装置をリモコン側に搭載しても良いし、ヘッドホンステレオ本体をリモコン側だけで操作する対象物もあるのでその場合はリモコン側に所定の信号の入力装置を設けると良い。
本発明の盗難対策装置の
図78と図79は、携帯電話器に本発明の盗難対策装置を搭載した実施例である。今後は、携帯電話には高性能のカメラ機能などが搭載されて多機能化が進み、ますます価値が上がるので、盗難対策装置は有用である。
図78は、携帯電話がもともと持っている操作ボタンと表示装置を盗難対策装置の所定の信号の入力装置に兼用することを説明している。入力装置12のうち、入力装置のスイッチ11は操作面上に増設してあるが所定の信号の入力ボタン41と表示装置40は携帯電話が元々持っているものを切り替えて使用する。入力装置のスイッチを携帯電話の電源スイッチあるいはその他の操作ボタンと兼用することもできる。このように、携帯電話は表示装置を持ってかつ操作ボタンを沢山持っているので、所定の信号の入力装置として兼用するには大変に都合が良い。
図79は、携帯電話の電子回路に本発明の盗難対策装置を搭載したときの電子回路の模式図である。
図79は、第二のスイッチが遮断の状態であり、携帯電話が正常には機能しない状態を表している。ただし、携帯電話の場合はすべての機能を正常には機能しない状態にしてしまうことはかえって差支えがあるので、盗難対策に有効な部分例えば発信機能とか表示装置などを正常には機能しない状態にして、受信機能は正常に機能する状態にしておくなどの所定の場所に第二のスイッチを設置する必要がある。
図80は、本発明の盗難対策装置が、以上に説明したデジタルカメラとかヘッドホンステレオとか携帯電話器などの、一回の使用時間が短くて使用回数が多いという使用形態の対象物に特に高い効果を発揮することを説明している。本発明の盗難対策装置の使用上の利点は、所定の信号の入力を一度行えば、所定の時間の間は盗難対策装置に関わり無く何度でも使用できることにある。従来の盗難対策方法では使用する前に開錠して使用が終わった都度施錠するのが一般的である。携帯電話器の例ではダイヤルロックの機能があるが、使用する度にロックを解除する方法は面倒である。図の通り使用1ないし使用3に於いて使用の都度開錠行為と施錠行為が必要であるために実用性には大いに問題がある。つまり、従来の概念の盗難対策装置であれば実用化されたとしても、一回の使用時間が短くて使用回数が多い対象物には不適格な装置になってしまう。
その点、本発明は所定の時間の間であれば、使いはじめに所定の信号を入力する一度だけの行為の後は盗難対策装置の操作に関わり無く何度でも自由に使用することができるので、携帯電話器やデジタルカメラやビデオカメラなどでも盗難対策装置を気にすることなく使用することができる。
さらに、小さな対象物でも搭載できるし、廉価な対象物でも搭載できるという特長を持っている。
なお、この特長はオートバイや乗用車でも効果がある。所定の時間を12時間に設定していたとすれば、一日のドライブのとき、出発前の朝8時に所定の信号を入力すれば、その一日は盗難対策装置に関わり無くエンジンを始動して、休むときにはエンジンを切って、また、始動して、と、盗難対策装置に関わり無く普通に使用することができる。もし、万が一このとき鍵が付いたまま盗まれたとしても、盗人は夜の8時以降は、どうやっても動かすことができなくなる。
次に、図81から図88で本発明の盗難対策装置を内蔵したICカードを説明する。厚さが約0.76ミリメートルのICカードの中に本発明の盗難対策装置を全て内蔵するものであり、請求項6の実施例である。
本発明の盗難対策装置は大部分が電子回路で出来ているが、制御手段の入力装置だけはスイッチや入力ボタンやセンサーなどからできている。したがって、ICカードのような薄い構造に入力装置を廉価に実装する技術が必要になる。
図81は、薄型実装技術が進歩して、0.76ミリメートルの厚さに本発明の盗難対策装置のすべてを廉価つまり、普及するのに適した価格で搭載することができたときのICカード本体100Dの実施例である。薄いカードの表面に所定の信号の入力装置が設けられていて、管理者が手に持って、所定の信号を入力しているところのイメージ図である。所定の信号を入力することによって3分とか10分とかあるいは12時間などの所定の時間だけICカードを正常に機能する状態にすることができる。
図82は、入力装置12をICカード本体100のICカード表面101に設けた図81のICカードの全体図である。入力装置のスイッチ11、所定の信号入力ボタン41、カード機能選択ボタン109、表示装置40の他に制御手段を駆動する電源装置に光発電装置111を設けた例である。
図83は、図82の83−83線に沿った断面図である。現在の内蔵技術で約0.76ミリメートルの厚さのICカード本体100に実装すると価格の高いICカードになってしまうが、近い将来は廉価なICカードとして、この実施例が実現可能になる。
図84は、本発明の盗難対策装置を搭載した図81のICカードの基本的な動作を表したフローチャートである。開始。入力装置に所定の信号を入力する。識別装置が所定の信号を照合して識別する。所定の信号の照合がYesの場合のみICカードを所定の時間だけ正常に機能する状態にする。所定の時間の間はICカードを正常に機能する状態に持続させる。所定の時間が終了したらICカードを元の正常には機能しない状態に戻す。終了。である。
図85は、ICカード本体100の電子回路2の模式図である。ICカードのアンテナ113とICカードの電子回路112はICカードの構成要素である。本発明の盗難対策装置の電子回路は以下のように内蔵する。ICカードの電子回路112の中の電子回路本体4Eの中枢部5の遮断部6に、第二のスイッチ7Eを設け、この第二のスイッチを制御するための入力装置12と識別機構14と時限装置16と接続指示装置17を主な構成要素とする制御手段10を設ける。さらに、ICカードが本来持っていない電源装置28も設ける。なお、時限装置16は、ICカード本体が元々時計機能を持っていないので時計信号あるいは計時信号の発信機構を有する。ただしICカードの場合の所定の時間は、決済に使用する場合であれば3分とか10分などの短時間が推奨なので正確な時計装置で無くても良い。
図85の状態は、図84のフローチャートの開始前のとき、ICカードが正常には動かない状態を表している。つまり、盗んでも使うことが出来ない状態になっている。第二のスイッチは遮断状態であるので電子回路本体3は正常には動かない状態である。ICカードは電源スイッチを持たずにICカードのアンテナが読み取り書き込み装置からの電波で起動する。したがって、この状態ではリーダーライターの電波をICカードのアンテナ113が受けてもICカードの電子回路本体は正常には機能しない。
図86は、図85の状態のICカードを正常に機能する状態にするための操作をしているときの電子回路の動作を説明するものである。図84のフローチャートのICカードが正常に機能する状態になったときまでを表している。ICカード表面101に設けた入力装置12で所定の信号13を入力する。入力装置12から所定の信号13を受けた識別装置14は、所定の信号13を識別すると識別信号15Aを接続指示装置17に向けて発する。識別信号15を受けた接続指示装置17は第二のスイッチ7に接続を指示する接続信号18を発して第二のスイッチ7を接続状態にする。所定の信号を識別した以降からこの時までの間に時限装置16が所定の時間の計時を始める。この状態でICカードの電子回路112は正常に機能する状態になり、ICカードのアンテナ113がICカードの電波114を受けて発して読み取り書き込み装置との送受信を行うことができる状態になる。
図87は、ICカードが正常に機能する状態を持続しているときの電子回路の模式図を説明している。時限装置16が所定の時間を計時中である。接続指示装置17が接続信号18を発信し続けているので第二のスイッチは接続状態を持続している。電源装置28は稼動していて、入力装置12と時限装置14は停止中である。所定の時間が過ぎると図85の状態に自動的に戻る。
図88は、多機能化に対応した本発明の盗難対策装置の電子回路の例の模式図である。多機能の中から指定する機能の専用回路の中枢部121に第二のスイッチ7を設けて、当該の機能の電子回路の第二のスイッチにだけ接続信号を送る機能選択装置120を設けた例である。
ICカードの所定の時間は、3分とか10分など短く設定する方が盗難対策上好ましい。使用方法としては決済直前に所定の信号を入力する方法が安全である。したがってこの限りに於いては識別装置の計時機構は10分間ほど計時できるタイマー機能でもよい。
さらに、現金の引き出しや金融機関の決済の場合には一度決済行為が成されたら二度目は使用できない機能を加えて決済後に残った所定の時間における不正な読み取りや書き込みを防止する機能を組み込むと盗難対策装置としての効果をより厳重にすることができる。
さらに、複数の機能を持ったICカードの場合、例えば、交通機関の定期乗車券として所定の時間を1時間として朝と晩に使用するが、金融機関のカード機能は所定の時間を5分に設定しておくなど、機能選択装置を設けると、さらに便利な場合がある。この場合には時限装置に時計機構が必要である。
ICカード側
ICカード側
ここで、機能選択装置について説明する。ICカードは、交通機関の定期乗車券をはじめ現金決済機能や金融機関のカードとしても使用され、一枚のカードで複数の金融機関に対応する場合もある。さらに、身分証明書や鍵機能など、ICカードの多機能化はますます広がる。
さらに、非接触方式のICカードには盗まれて使われるという盗難のほかに、携帯型の読み取り書き込み装置を持った第三者に非接触方式のICカードの情報を不正に読み取られたり書き込まれるといった犯罪の出現が予想されるが、このような、非接触方式のICカードに対する電磁波を用いた犯罪に対処する手段として、ICカードの電子回路そのものを遮断しておく本発明の盗難対策装置は高い効果を発揮する。
以上に説明した事項は図81のICカードに限った事ではなく、ICカード及びICカード機能を搭載した電子機器にも適用する。
図89ないし図93は、カードの厚さが0.76ミリメートルの規格が緩和された場合を仮定した場合の、本発明の盗難対策装置を搭載することによって0.76ミリメートルよりも厚みが増えた盗難対策装置付きICカードの実施例である。
図89は、入力装置を含む本発明の盗難対策装置の全てを搭載したICカードである。薄型化の制限が緩めば、ICカードに盗難対策装置を搭載する技術はカード型電卓やリモコンなどの既存の薄型化技術が使える。ICカード本体100Aのカード表面101には入力装置のスイッチ11、入力装置のスイッチ11の誤動作防止のための凹み部分106、ICカード機能の多機能化が進んだ場合に対応するカード機能選択ボタン109、所定の信号の入力ボタン41、表示装置40を設ける。なお、入力装置のスイッチ11は誤動作防止装置が設けられている。この場合は、くぼみの中の凹んだ位置にスイッチの頂部を設けた例であり、カード入れの中で押される誤動作に対処するものである。
図90は、図89の90−90線に沿う断面図である。誤動作防止のスイッチの位置を説明している。カード入れや財布の中に入れておいて押されることで、意図せずにスイッチが入ってしまうことを防止するために、凹み部分106を設けてICカード表面の位置104より窪んだところにスイッチの高さを設けておく例を示している。誤動作防止は複数のスイッチを同時に押すとか所定の回数を押すとかカード側面に隠すとか方法は自由である。
指紋センサーICカード
図91は、識別機構の入力装置に指紋センサー117を設けた場合の実施例である。ICカード表面には、指紋センサー117と、指紋センサーの起動スイッチつまり入力装置のスイッチ11と、動作確認ランプ118を設ける。入力装置のスイッチ部は凹み部分106で誤動作防止策がとられている。
図91は、識別機構の入力装置に指紋センサー117を設けた場合の実施例である。ICカード表面には、指紋センサー117と、指紋センサーの起動スイッチつまり入力装置のスイッチ11と、動作確認ランプ118を設ける。入力装置のスイッチ部は凹み部分106で誤動作防止策がとられている。
所定の信号が指紋であったり、虹彩の像であったり、血管の形などになることも予測されることであり、センサーの実用化と小型化が進めば、本発明の盗難対策装置に用いる所定の信号と入力装置は多様化する。そして、所定の信号と入力装置の多様化はICカードの盗難対策装置だけに限らず全ての対象物の盗難対策装置の所定の信号の入力装置として使用できる。
所定の信号に指紋や虹彩の像を用いる場合は、管理者の初期設定の段階で識別機構のメモリーに登録する必要が生じるので、ICカードを発行する窓口に登録装置を設けるなどの対応が必要になる。
図92は、入力装置のスイッチ11をカード側面位置105より窪んだ側面の凹み部分119に横押し型に設けた場合の例である。ICカードはカード入れや財布の中で押され易いので、前記のような誤動作防止は有効である。
図93は、図92の93−93線に沿う断面図である。誤動作防止の横押し型のスイッチ部分を説明している。
図94から図97は、ICカードの機能を搭載した携帯電話器のICカードに本発明の盗難対策装置を搭載した実施例を説明するものである。ICカードの機能を搭載した携帯電話は今後益々普及することが見込まれる。少なくともICカード機構に盗難対策装置を設けることは必要なことである。
図94は、ICカード機能付き携帯電話90からICカードの電波114と携帯電話器の電波96の二つの電波が出ている図である。このような異なった機能を併せ持った対象物でも、携帯電話の機能を正常に機能させるために不可欠な携帯電話器の電子回路と、ICカードの機能を正常に機能させるために不可欠なICカードの電子回路112をそれぞれに持っているので、異なった機能それぞれに盗難対策装置を設けることができる。また、ICカード側だけあるいは携帯電話側だけに盗難対策装置を設けることもできる。なお、図94に表しているICカードの電子回路112とICカードのアンテナ113は携帯電話の筐体の中にあるので実際には見えない。また、携帯電話の盗難対策装置は図78の実施例で既に説明しているので、この項では、携帯電話に搭載したICカードに本発明の盗難対策装置を内蔵した部分を中心に説明する
図95は、図94のICカード機能付き携帯電話器90を使用状態に開いた図である。このように、元々電源も入力装置も表示装置も単独では持たないICカードを、携帯電話器90の中に搭載することによって、ICカードの盗難対策装置に必要な電源も入力装置も表示装置もすべて携帯電話器側の物を共用できるので組み合わせの利点はきわめて大きい。さらに0.76ミリメートルの薄さの制限がなくなるという利点も有る。
図96は、図95の操作部分の拡大図である。携帯電話器本来の操作部分にICカードの盗難対策装置の入力装置のスイッチ11を加えてある。ICカードの所定の信号を入力するときには、はじめに入力装置のスイッチ11を押せば携帯電話器の操作ボタンがICカードの所定の信号の入力専用になるようにしておけば、所定の信号の入力が簡単である。ICカードと携帯電話器のそれぞれの盗難対策装置の明確な使い分けも誤りなくできる。但し、入力装置のスイッチ11を設けないで携帯電話器の機能選択で所定の信号を入力きるようにする方法もある。
図96では、入力装置のスイッチ11を押せば携帯電話の入力ボタンがICカードの盗難対策装置の所定の信号の入力ボタン91になる。携帯電話の操作ボタンと表示装置は機能が豊富なのでICカードが多機能化した場合にも十分に対応できる。したがって、ICカード機能を搭載した携帯電話に本発明の盗難対策装置を搭載するのは、好都合でありかつ効率が良い。
図97は、図94から図96で説明したICカード機能付き携帯電話器90のICカードの電子回路112に盗難対策装置を搭載した場合の電子回路の模式図である。図では携帯電話器の電子回路にも盗難対策装置を搭載しているが、図78既に述べているので説明を省く。また、図には表していないが、電源や時計装置は携帯電話のものを用いている。
図97は、ICカードが正常には機能しない状態になっているときを表している。所定の信号の入力装置は携帯電話器の入力装置を使用する。入力装置から所定の信号が入ればICカードの電子回路112の第二のスイッチ7が所定の時間だけ接続状態を持続する。
なお、ICカードに対する本発明の盗難対策装置の働きについては図78以降に説明している通りである。
図97は、携帯電話器とICカードが複合した製品の電子回路の模式図である。携帯電話器は24時間使用できるようにしておいて、ICカードの決済機能は使用できないようにしておくことや、ICカードが多機能になったら、交通機関の乗車券機能を朝と晩だけ働くようにして、決済機能のときだけ5分間決済可能な状態にするなどの多機能化の対応が出るようにしておくことで、使用しない機能を正常には動かない状態に出来る。
実施例6の図81では、0.76ミリメートルの厚さの盗難対策装置搭載のICカードを説明した。しかし、ICカードを普及価格で生産するには0.76ミリメートルの厚さに廉価で実装する薄型化技術を実用化させなければならず、実用化までに時間がかかる。そこで、本発明の盗難対策装置は、今日の生産技術で本発明の盗難対策装置を0.76ミリメートルの薄いICカードに内蔵する手段として、盗難対策装置本体から入力装置の入力部を分離して外部入力装置20とした入力装置分離型の盗難対策装置としたものである。入力装置12を分離することによって、ICカードはもとより、乗用車のような大型の対象物にも、また、オートバイのような入力装置12の設置場所を確保しづらい対象物にも本発明の盗難対策装置を搭載することが可能になる。
図98から図108は0.76ミリメートルの薄いICカードに本発明の盗難対策装置を搭載した実施例を説明するものである。
この実施例は、厚さが約0.76ミリメートルしか無いICカードに、本発明の盗難対策装置のうちの入力装置12を除いた盗難対策装置を搭載した外部入力型ICカード本体70である。入力装置12を外部入力装置20に分離することによって、ICカード本来の薄さを維持しながら本発明の盗難対策装置の機能を搭載することができる。
本発明の盗難対策装置の全てを厚さ約0.76ミリメートルのICカードに搭載して、しかも普及価格で製造するには今後の薄型化技術に負う必要がある。既に説明したように、本発明の盗難対策装置で嵩張るのは入力装置12だけであり、入力装置12以外の識別機構以降の電子回路はIC化も可能であり、ICカードのICに組入れることもできる。したがって、入力装置12以外の制御手段を約0.76ミリメートルの薄さのICカードに搭載することは現在の生産技術でも可能であり容易である。これによって、本発明の盗難対策装置の基本機能を搭載したICカードができるし、かつ普及価格で製造することができる。
一方、分離した入力装置12の部分は、ICカードと重ねて使用する入力板27として単独で外部入力装置20を成しても良いし、携帯電話器に外部入力装置20の機能を搭載しても良いし、金融機関のICカードの場合であれば決済場所つまり読み取り書き込み装置の近くに外部入力装置20を備えて置くか、読み取り書き込み装置に外部入力装置20を搭載しておけば、決済直前にICカードを正常に機能する状態にすることができる。しかも外部入力装置20により、ICカードを多機能化しても対応できる。この実施例は請求項7の分離した外部入力装置あるいは外部入力装置を搭載した携帯電話や読み取り書き込み装置や電卓など電子機器に当たる。
使用方法の例は、本発明の盗難対策装置の所定の信号を、外部入力装置20に入力して、外部入力装置20と外部入力型ICカード70間の通信手段21の電磁波26を介して、外部入力型ICカード70に送信して、外部入力型ICカード70を所定の時間だけ正常に機能する状態にするものである。外部入力型ICカード70に所定の信号13を送信する方法、つまりICカードと分離した入力装置の間の交信は、電波や電磁誘導や光などの電磁波を用いるか接点を設けて接触式で行うなど方法は多岐ある。ただし、送信信号を盗聴されないようにする必要があるので、電磁波を用いる場合は、ICカードと入力装置を近接させなければ交信出来ないような微弱な電磁波を使用するとか、外に漏れない構造の光で通信するとか、接点を用いて送信するとか、信号を暗号化するなどの漏洩防止策を講じる必要がある。
また、ICカードは元々自らの電源装置と時限装置を必要としない。したがって、本発明の盗難対策装置を搭載させる場合には電源装置と、時計装置あるいはタイマー装置を追加して搭載する必要があるのは、実施例6の図81同じである。
図98から図108はICカード本体に入力装置12を除いた盗難対策装置を搭載して外部入力型ICカード70とし、外部入力装置20を入力板27の形にしたものである。制御手段10から入力装置12部分を除いた本発明の盗難対策装置の電子回路の全部をICカードに搭載してICカードの約0.76ミリメートルの本来の薄さを遵守して、入力装置12は厚さが自由な外部入力装置20である入力板27の方に搭載するものである。所定の信号13の通信は外部入力型ICカード70と入力板27を重ねるか近づけて行う。
図98は、本発明の盗難対策装置から入力装置を除いた電子回路を内蔵した外部入力型ICカード70である。通常の状態は正常には動かない状態であるので盗まれても悪用されることはない。使用するときには入力板や外部入力装置搭載の携帯電話器などの外部入力装置で所定の信号を送信する。外部入力装置20から所定の信号13を受ける手段は、ICカードのアンテナとは別に設けた外部入力型ICカードの誘導コイル71と入力板の誘導コイルの間で電磁誘導で行う場合の例である。
図において、誘導コイル71は内装されているので実際には見えないため位置を示す点線で表している。互いの誘導コイルの位置を中心に配置すれば入力操作の時にカードの表裏と方向を問わないので良い。誘導コイルを用いる利点は密着して使用すれば漏洩が少なく盗聴対策ができてしかも構造が簡単であること、入力板から外部入力型ICカード70側に電力供給が楽にできることなどである。ICカード表面72には盗難対策装置を搭載していることを告知する告知マーク鍵66が描かれている。
図99は、図98の外部入力型ICカード70の電子回路の模式図である。入力装置を分離して外部入力装置から所定の信号を受ける電子回路に該当する。本発明の盗難対策装置は電子回路の形でICカード本体に搭載する。電子回路本体4Cの中枢部5Cに設けた第二のスイッチ7とこの第二のスイッチ7を制御する制御手段10からなり、制御手段10は、接続指示装置17と時限装置16と識別装置14と、通信手段21の受信部24から成る。さらに、制御手段用の電源装置28が加わる。図99はICカードが正常には機能しない状態の電子回路の状態を表している。
ICカードの場合は極めて短時間の動作である決済や認証などのときだけ正常に機能する状態になっていれば良い。したがって、所定の時間は決済直前の時間を含めても3分とか5分などの短時間に設定するほうがより安全で良い。したがって時限装置16の計時機能は長時間の精度を必ずしも必要としない。したがって、時限装置16は時計機能でなくてもタイマー機能が備わっていても良い。但し所定の時間を短時間にする利点はICカードで決済するときのことであって、別の機能、例えば交通機関の定期として使用したり身分証明書兼通行証として使用するような場合には所定の時間が12時間とか8時間とかになるのでその様な用途の場合には時計機能が必要である。
ICカードは、読み取り書き込み装置からアンテナを経由して都度電力を受けるので自らの電源を持たない。したがって、盗難対策装置の制御手段を駆動する電源を必要とする。実施例では制御手段を駆動する電源は電磁誘導コイルで外部入力装置20から受けて二次電池に充電するとか、そのほかに太陽光発電の二次電池あるいはシート型などの電池寿命の長い一次電池を用いる場合などがある。これらの方法は従来の技術でも十分に対応できる。
図100は、図99の電子回路が、入力板27から所定の信号を受信して正常に機能する状態になるときの動作を説明するものである。後に詳しく説明する入力装置の、誘導コイルが発する電磁波の所定の信号を、外部入力型ICカード70の誘導コイル71が受けて、識別装置14に送る。識別装置14は所定の信号13が正しいことを識別すると識別信号15を接続指示装置17に向けて発する。識別信号15を受けた接続指示装置17は接続信号18を発して第二のスイッチ7を接続状態にする。このとき時限装置16が所定の時間の計時を始める。
図101は、図100の後の接続状態を持続しているときの動作である。所定の時間を計時中の時限装置16が所定の時間の計時を終了するまで、接続指示装置17は接続信号を発して第二のスイッチを接続状態にして、電子回路本体を正常に機能する状態に持続する。このとき読み取り書き込み装置から電波が来ればアンテナ113が受けてICカードの電波114を発信してICカードとして正常に動作する。
図102は、入力板27側の電子回路の模式図であり、外部入力装置20としての主な構成要素を表している。この電子回路は図99の電子回路と対になる。したがって外部入力型ICカード70の誘導コイル71に相対して入力板27の誘導コイル81がある。入力板27は前記の入力板の誘導コイル81と入力板の側の通信手段21である送信部22と入力板の電源装置28と入力部30を主な構成要素とする。特に電源装置28は、ICカード本体70側に電力を供給する方法を用いる場合は容量の大きな電源が必要である。
図103は図102が所定の信号の発信動作をしているときを説明している。入力部30で入力した所定の信号13は、送信部22を通って入力板の誘導コイル81から発信される。このとき電源装置28から電力29も送られる。
図104は、分離した入力装置の入力装置本体となる入力板27の入力板表面の図である。入力板27の入力板表面86に入力装置のスイッチ11と所定の信号入力ボタン41と表示装置40を備える。また、多機能型のICカードの場合は機能選択ボタン44を備える。この入力板27の薄型化の搭載技術はカード型電卓とかカード型のリモコン操作部などの既存の生産技術でできる。なお、操作ボタンの数や配置などは図が制限するものではない。入力板27の縦横の形状を外部入力型ICカード70と同じ形にすれば、入力板27の裏側にICカードを重ねて保持するときに便利である。
図105は、図104の105−105線に沿う断面図である。入力板27はICカードと重ねて財布やカード入れに収納することが多いので、入力板のスイッチが誤って押される誤動作を防止するために入力板の凹み部分84を作って入力板表面の位置88より低い位置に、入力板のスイッチを兼ねた識別機構の起動スイッチ12Dを設けている。これは誤動作防止の一例であり、その他にカバーをつけるとか、複数箇所のボタンを同時に押したときにスイッチが入るようにするなどの誤動作防止方法がある。
図106は、図104の入力板27の裏面である。入力板27の誘導コイル81の位置を点線で示している。中心部分に誘導コイルを配置すれば、外部入力型ICカード70の誘導コイル71と重ねて使用する際に、外部入力型ICカード70の向きや裏表にかかわり無く所定の信号13の送信ができるので使い勝手が良くなる。この場合、所定の信号13を送信する電磁波26は入力板27の中心位置に生じる。ただし誘導コイルの大きさ形状や位置は図が制限するものではない。
図107は、図106の107−107線に沿う断面図である。誘導コイルからの電磁波26が中心から出ていることを表している。
図108は、図107の入力板27に外部入力型ICカード本体70を重ねて所定の信号13を送信している状態を表している。この図が実際に使用するときの状態であり、使用方法は、入力板のスイッチ80を押して、所定の信号入力ボタン41で所定の信号13を入力するだけである。ICカード本体70は所定の信号13の入力後に重ねたままで使用する方法と、入力板27から離してICカード単体で使用する方法がある。いずれの場合もICカードとしての機能は変わらない。
図108では入力板27とICカード本体70の間に隙間があって電磁波26を表現しているが、実際の使用状態では入力板27とICカード本体70は隙間無く密着して良い。密着することで強い電磁波を発しなくても所定の信号を送信できる。しかも強い電磁波は所定の信号の情報漏洩の元になるので、洩れを防ぐ為にも弱い電磁波で送信できる構造にする。入力板とICカード本体は重ねた状態でカード入れなどに入れて持ち運びできる。
入力板80の厚さに規定はないが、約4ミリメートル未満であることが望ましい。ICカード本体70と重ねても5ミリメートル未満になり、携帯時の負担が軽くなる。
なお、この入力板27が請求項5の外部入力装置20に相当する。
図109は、実施例11の図104で説明した外部入力装置20の入力板27の機能を、携帯電話器に搭載した例であり、この外部入力装置搭載の携帯電話器89で、同じく実施例11の図98で説明した外部入力型ICカード70に所定の信号を入力している図である。使用方法の例は、本発明の盗難対策装置の所定の信号を、外部入力装置搭載の携帯電話器89側に入力して、外部入力装置搭載の携帯電話器89と外部入力型ICカード70間の通信手段21の電磁波26を介して、外部入力型ICカード70に送信して、外部入力型ICカード70を所定の時間だけ正常に機能する状態にするものである。
外部入力装置搭載の携帯電話器89と外部入力型ICカード70との交信は、電波や電磁誘導や光などの電磁波を用いるか接点を設けて接触式で行うなど方法は多岐ある。ただし、送信信号を盗聴されないようにする必要があるので、電磁波を用いる場合は、互いの通信手段21を近接させなければ交信出来ないような微弱な電磁波を使用するとか、外に漏れない構造の光で通信するとか、接点を用いて送信するとか、信号を暗号化するなどの漏洩防止策を講じる必要がある。
図109では外部入力装置搭載の携帯電話器89と外部入力型ICカード70との間が離れているが、電磁波26の説明をするためであり、実際には密着して入力する方が認識信号の電磁波の漏洩を防げる。
図110は、携帯電話器89の操作ボタンを所定の信号入力ボタン41として兼用していることを表している。携帯電話が元々持っている操作ボタンをそのまま兼用できることが携帯電話器を使用する利点になっているが、図では入力装置のスイッチ11を増設した例を表している。携帯電話器89の機能選択の中に所定の信号の入力ボタンを設ければ入力装置のスイッチ11の増設は必要ない。操作方法は図108の入力板27と同じである。
図111は、外部入力装置20を搭載した携帯電話89の電子回路の模式図であり、携帯電話器にも盗難対策装置が内蔵されている場合を表している。したがって、携帯電話器側の電子回路本体に第二のスイッチと第二のスイッチを制御する制御手段があり、その制御手段の入力装置からの所定の信号を利用する入力板機構が搭載されている。
一方図112は、盗難対策装置を内蔵しない携帯電話に入力板機構を搭載した例である。入力板機構は電源も所定の信号の入力ボタンも携帯電話のものを兼用できるので入力板単独のものよりも部品効率が良い。
この実施例は入力板が板の形状である必要がないことの1例である。携帯電話は、文字入力装置や電源などを既に持っているので入力装置と兼用できて搭載効率が良いし、常に持ち歩くので外部入力型ICカード70の外部入力装置を搭載した電子機器として携帯電話は良い対象である。
所定の信号をICカードに送信する方法は、識別機構の起動ボタン12Fを押して入力装置を起動させて所定の信号の入力ボタン16Eで所定の信号を入力して、ICカードに近づけて識別機構の起動ボタン12Fを押す。なお、図では識別機構の起動ボタン12Fを設けているが、携帯電話の機能の中に所定の信号をICカードに伝える機能をいれておいて実行時に機能選択する方法でも良い。
さらに、ICカード70側の盗難対策装置の所定の信号の受信規格を統一することによって、所定の信号の入力機能が付いている携帯電話あるいは入力板を一つ持っていれば、複数のICカードに対応できるし、盗難対策装置の所定の信号の受信規格を統一することによってオートバイや乗用車などに搭載した盗難対策装置の入力装置としても使用できる。
入力板あるいは入力板の機能を持った入力装置を、ICカード決済装置に、あるいはICカード決済装置の近くに配置しておけば、決済のときにそこに有る入力板で所持しているICカードに所定の信号を送信できるので個人が入力板を持つ必要が無く、公共的に便利である。
図113は、読み取り書き込み装置に外部入力装置の機能を組み込んだ例である。外部入力型ICカード70の所有者が決済前に、この読み取り書き込み装置に搭載してある外部入力装置20を用いて外部入力型ICカード70に所定の信号を入力して、送信部に置いた外部入力型ICカード70を正常に機能する状態にする。
また、外部入力装置の機能選択ボタンは、ICカードが多機能になった場合に効果がある。ICカードの多機能化が進むと、一枚のカードで定期乗車券の機能や現金決済機能や金融機関のカード機能や各種の鍵の機能や証明書などの多機能型のICカードが出現する。その場合は、そのとき使用する機能を選択する機能を設けて、所定の時間を機能ごとに設定しておくと良い。例えば定期乗車券の機能のときには所定の時間の長さを60分とか12時間などの長時間に設定するとかあるいは、朝8時から一時間、夕方6時から一時間、定期乗車券の機能だけ正常に機能する状態になるようにしておいて、現金決済機能や金融機関のカード機能には3分とか10分の短時間の設定をしておくなどである。これによって、定期乗車券として使用している間に盗難に遭っても決済機能を悪用されることを防止できる。しかも、定期乗車券の機能の場合は発行者側にも盗難対策手段がある。
これらの機能別の所定の時間の管理は、入力板の時計機能で行う方法とICカード本体に時計機能まで搭載してICカード側で行う方法、あるいは、入力板側とICカードで分担して行う方法などがある。
本発明は、大は車両や船舶から、小は携帯電話やICカードに至る、動作するために電子回路を必要としてかつ移動可能であるために盗まれる可能性があるすべての対象物と定義した対象物の盗難対策装置として利用することができる。
1、1A、1B、1C、1D:対象物、
2、2A、2B、2C、2D、2E、2F、2G、2H、2I、2J、2K、2L、2M:電子回路、
3、3A、3B、3C、3D、3E、3F、3G、3H、3I:電源スイッチ、
4、4A、4B、4C、4D、4、4E、4F、4G、4H、4I、4J、4K、4L、4M、4N:電子回路本体、
5、5A、5B、5C、5D、5E、5F、5G、5H、5I、5J、5K、5L、5M:遮断部、
6、6A:スイッチ機構、
7、7A、7B、7C、7D、7E、7F、7G、7H、7I、7J、7K、7L、7M、7N:スイッチ、
8、8A:対象物、
9、9A、9B:対象物の電源スイッチ、
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G、10H、10I、10J、10K、10L、10M:識別機構、
11、11A、11B、11C、11D、11E、11F、11J、11H、11I、11J、11K、11L、11M、11N、11O、11P、11Q、11R、11X、11Y:入力装置、
12、12A、12B、12C、12D、12E、12F、12J、12H、12I、12J、12K:識別機構の起動ボタン、
13、13A、13B、13C、13D、13E、13F、13G、13H、13I、13J、13K:表示装置、
14、14A、14B、14C、14D、14E、14F、14G、14H、14I、14J、14K:所定の信号、
15、15A、15B、15C、15D:認識信号、
16、16A、16B、16C、16D、16E、16F、16G、16H、16I、16J、16K:所定の信号入力ボタン、
17、17A、17B、17C、17D、17E、17F、17G、17H、17I、17J、17K:実行ボタン、
18、18A、18B、18C、18D:ロックボタン、
19、19A、19B、19C、19D:機能選択ボタン、
20、20A、20B、20C、20D、20E、20F、20G:入力装置表面、
21、21A、21B、21C、21D、21E、21F:通信手段、
22、22A、22B、22C、22D:送信部、
23、23A、23B:送信アンテナ、
24、24A、24B:受信部、
26、26A、26B、26C:電磁波、
27、27A:入力板、
28、28A、28B、28C、28D、28E:電源装置、
29:電力、
30、30A、30B、30C:入力部、
31、31A、31B、31C、31D:A接点のスイッチ機構、
32:pnp型トランジスタ、 33:npn型トランジスタ、
34:サイリスタ、
35、35A、35B:ゲート駆動回路、
36、36A、36B:ゲート制御回路、
37、37A、37B:電子回路の基板、
38、38A、38B:ICパッケージ、
39、39A、39B:ICチップ、
40、40A、40B、40C、40D、40E、40F、40G、40H:表示装置、
41、41A、41B、41C、41D、41E、41F、41G、41H、41I、41J、41K、41L:所定の信号入力ボタン、
42、42A:送信ボタン、
43、43A、43B:ロックボタン、
44、44A:機能選択ボタン、 47:接続侵入、
48:偽の識別信号、 49:偽の接続信号、
50、50A:乗用車、
51、51A、51B:エンジン始動スイッチ、
52:ダッシュボード、 53、53A:計器パネル、
54:エンジン制御装置収納箱、 55:エンジン制御装置、
56:ハンドル 57:オートバイ、 58:風防、
59:バックミラーアーム、 60:デジタルカメラ、
61:携帯電話、 62:ヘッドホンステレオ、
63:外部入力装置搭載の携帯電話、 65:告知マーク錠、
66:告知マーク鍵、 67:告知マーク鍵、
68:商品梱包箱、 70:分離型搭載ICカード、
71:カードの誘導コイル、 72:カード表面、
81:入力板の誘導コイル、 84:入力板の凹み部分、
85:押す方向、 86:入力板表面、
87:入力板裏面、 88:入力板表面の位置、
89、89A:外部入力装置搭載の携帯電話器、
90:ICカード機能付き携帯電話、 95:携帯電話のアンテナ、
96:携帯電話の電波、
100、100A、100B、100C、100D、100E:ICカード本体、
101、101A、101B、101C:カード表面、
102:カード裏面、 103:カード側面、
104:カード表面の位置、 105:カード側面の位置、
106、106A:凹み部分、
109、109A、109B:カード機能選択ボタン、
111、111A:光発電装置、
112、112A、112B、112C:ICカードの電子回路、
113、113A、113B、113C:ICカードのアンテナ、
114、114A、114B:ICカードの電波、
117、117A、117B:指紋センサー、
118、118A、118B:動作確認ランプ、
119:側面の凹み部分、 120:機能選択装置、
121:機能別回路別中枢部、 122:読み取り書き込み装置、
123:スイッチ切り替え装置。
2、2A、2B、2C、2D、2E、2F、2G、2H、2I、2J、2K、2L、2M:電子回路、
3、3A、3B、3C、3D、3E、3F、3G、3H、3I:電源スイッチ、
4、4A、4B、4C、4D、4、4E、4F、4G、4H、4I、4J、4K、4L、4M、4N:電子回路本体、
5、5A、5B、5C、5D、5E、5F、5G、5H、5I、5J、5K、5L、5M:遮断部、
6、6A:スイッチ機構、
7、7A、7B、7C、7D、7E、7F、7G、7H、7I、7J、7K、7L、7M、7N:スイッチ、
8、8A:対象物、
9、9A、9B:対象物の電源スイッチ、
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G、10H、10I、10J、10K、10L、10M:識別機構、
11、11A、11B、11C、11D、11E、11F、11J、11H、11I、11J、11K、11L、11M、11N、11O、11P、11Q、11R、11X、11Y:入力装置、
12、12A、12B、12C、12D、12E、12F、12J、12H、12I、12J、12K:識別機構の起動ボタン、
13、13A、13B、13C、13D、13E、13F、13G、13H、13I、13J、13K:表示装置、
14、14A、14B、14C、14D、14E、14F、14G、14H、14I、14J、14K:所定の信号、
15、15A、15B、15C、15D:認識信号、
16、16A、16B、16C、16D、16E、16F、16G、16H、16I、16J、16K:所定の信号入力ボタン、
17、17A、17B、17C、17D、17E、17F、17G、17H、17I、17J、17K:実行ボタン、
18、18A、18B、18C、18D:ロックボタン、
19、19A、19B、19C、19D:機能選択ボタン、
20、20A、20B、20C、20D、20E、20F、20G:入力装置表面、
21、21A、21B、21C、21D、21E、21F:通信手段、
22、22A、22B、22C、22D:送信部、
23、23A、23B:送信アンテナ、
24、24A、24B:受信部、
26、26A、26B、26C:電磁波、
27、27A:入力板、
28、28A、28B、28C、28D、28E:電源装置、
29:電力、
30、30A、30B、30C:入力部、
31、31A、31B、31C、31D:A接点のスイッチ機構、
32:pnp型トランジスタ、 33:npn型トランジスタ、
34:サイリスタ、
35、35A、35B:ゲート駆動回路、
36、36A、36B:ゲート制御回路、
37、37A、37B:電子回路の基板、
38、38A、38B:ICパッケージ、
39、39A、39B:ICチップ、
40、40A、40B、40C、40D、40E、40F、40G、40H:表示装置、
41、41A、41B、41C、41D、41E、41F、41G、41H、41I、41J、41K、41L:所定の信号入力ボタン、
42、42A:送信ボタン、
43、43A、43B:ロックボタン、
44、44A:機能選択ボタン、 47:接続侵入、
48:偽の識別信号、 49:偽の接続信号、
50、50A:乗用車、
51、51A、51B:エンジン始動スイッチ、
52:ダッシュボード、 53、53A:計器パネル、
54:エンジン制御装置収納箱、 55:エンジン制御装置、
56:ハンドル 57:オートバイ、 58:風防、
59:バックミラーアーム、 60:デジタルカメラ、
61:携帯電話、 62:ヘッドホンステレオ、
63:外部入力装置搭載の携帯電話、 65:告知マーク錠、
66:告知マーク鍵、 67:告知マーク鍵、
68:商品梱包箱、 70:分離型搭載ICカード、
71:カードの誘導コイル、 72:カード表面、
81:入力板の誘導コイル、 84:入力板の凹み部分、
85:押す方向、 86:入力板表面、
87:入力板裏面、 88:入力板表面の位置、
89、89A:外部入力装置搭載の携帯電話器、
90:ICカード機能付き携帯電話、 95:携帯電話のアンテナ、
96:携帯電話の電波、
100、100A、100B、100C、100D、100E:ICカード本体、
101、101A、101B、101C:カード表面、
102:カード裏面、 103:カード側面、
104:カード表面の位置、 105:カード側面の位置、
106、106A:凹み部分、
109、109A、109B:カード機能選択ボタン、
111、111A:光発電装置、
112、112A、112B、112C:ICカードの電子回路、
113、113A、113B、113C:ICカードのアンテナ、
114、114A、114B:ICカードの電波、
117、117A、117B:指紋センサー、
118、118A、118B:動作確認ランプ、
119:側面の凹み部分、 120:機能選択装置、
121:機能別回路別中枢部、 122:読み取り書き込み装置、
123:スイッチ切り替え装置。
Claims (6)
- 車両、携帯電話、ICカード等の対象物を正常に機能させるための電子回路において、この電子回路の電子回路本体と、この電子回路本体の電源スイッチと、この電源スイッチとは別に、前記電子回路本体の中枢部に該中枢部を通る信号を遮断する位置に設けた、動作していないときは遮断の状態であって動作しているときだけ接続状態となるA接点のスイッチ機構である第二のスイッチと、この第二のスイッチを制御する、暗証番号や暗証記号や指紋像などの所定の信号を入力する入力装置と入力した前記所定の信号を識別する識別装置と前記識別装置が管理者を識別した時だけ前記第二のスイッチを接続状態にする接続指示装置と前記第二のスイッチの接続状態を所定の時間だけ持続させる時限装置とを主な構成要素とする制御手段とからなる、前記第二のスイッチが動作していないときは、前記電源スイッチを入れても正常には動かない状態にして保持することを特徴とする電子回路。
- 前記電子回路において、所定の時間が過ぎた時に前記第二のスイッチを遮断する前に動作する、前記電源スイッチが入りの状態であることを確認した時には接続信号の発信を持続させて前記電源スイッチが切れてから前記第二のスイッチを遮断させる安全停止装置を、前記制御手段に加えたことを特徴とする請求項1の電子回路。
- 請求項1及び2記載の電子回路の中の入力装置と識別装置の間を切り離して前記切り離した部分に通信手段を設けて、切り離した前記入力装置をリモコン式の外部入力装置とし、この外部入力装置から前記通信手段を介して所定の信号を受けることを特徴とする前記電子回路。
- 請求項1ないし請求項3に記載の電子回路を対象物を正常に機能させるための電子回路として搭載している、あるいは前記電子回路をIC化するとか電子基板の中に隠すなどの侵入防止手段を施した上で搭載している、車両や携帯電話やICカード等の対象物。
- 暗証番号や暗証記号や指紋像などの所定の信号を入力する入力装置と電源と前記入力した所定の信号を発信する通信手段とを主な構成要素とする請求項3記載の外部入力装置、及びこの外部入力装置を搭載した、携帯電話、情報端末機、ICカードの読み取り書き込み装置などの電子機器。
- 請求項5記載の対象物に於いて、盗難対策装置を内蔵していることを、マークや絵や文字や音や映像などの告知手段で自ら告知表明している、あるいは前記の告知手段で告知された対象物。
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