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JP2006308252A - 燃焼圧検知センサ付きグロープラグ及びその製造方法 - Google Patents

燃焼圧検知センサ付きグロープラグ及びその製造方法 Download PDF

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JP2006308252A
JP2006308252A JP2005133537A JP2005133537A JP2006308252A JP 2006308252 A JP2006308252 A JP 2006308252A JP 2005133537 A JP2005133537 A JP 2005133537A JP 2005133537 A JP2005133537 A JP 2005133537A JP 2006308252 A JP2006308252 A JP 2006308252A
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JP2005133537A
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Shunsuke Maeda
俊介 前田
Tatsuki Hirabayashi
達樹 平林
Yosuke Ito
洋介 伊藤
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

【課題】 通電用軸部材41のねじ45に、締付け用ねじ部材をねじ込んで燃焼圧検知センサを締め付けることで内部の圧電素子に圧縮応力を発生させる構成を有する燃焼圧検知センサ付きグロープラグで、その締め付けにおいて、通電用軸部材が本体内で回転するのを防止する。
【解決手段】 通電用軸部材41のねじ45に、締付け用ねじ部材66をねじ込んで燃焼圧検知センサ50を締め付ける際に、通電用軸部材41が締付け用ねじ部材66とともに回転するのを防止するために保持可能の工具係合部(多角形部)44を通電用軸部材41に形成した。本体31とこの工具係合部44を保持して、締付け用ねじ部材66をねじ込んでその締め付けをすることで、通電用軸部材41の回転がないため、断線等の問題がおきない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンの燃料の着火の促進に加えて、その燃焼室内の燃焼圧を検出する機能を備えた燃焼圧検知センサ付きグロープラグに関する。
この種の燃焼圧検知センサ付きグロープラグ(以下、単にグロープラグともいう)としては、図12に示した断面構造を有するものがある(例えば、特許文献1)。このものは、通電することによって発熱する軸状のヒーター(例えば、セラミックヒーター)11を、外周面にエンジンヘッド(以下、単にエンジンともいう)への取り付け用ねじ32を備えた筒状の金具本体(グロープラグ本体)31内に、その先端(図示下端)10を突出させて固定された構造をしている。ただし、同図においてはヒーター11が金属製の筒状部材21内に圧入によって固定されており、この筒状部材21を本体31の先端内に圧入し、さらには溶接することによって固定している。そして、同本体31の内側には、通電用軸部材41がその先端をヒーター11の後端に接続され、本体31の後端から一部突出するようにして配置されている。同図においてはヒーター11と通電用軸部材41とは、筒状端子金具(リング)18を介して、圧入或いは圧入と溶接によって固定されている。また。本体31の後端(図示上端)には、グロープラグをエンジンの取付け用穴にねじ込む際において、それを回転させる例えば六角ボルトの頭部形状をなすようなねじ込み用多角形部(以下、単に多角形部ともいう)33を膨出状に備えている。
一方、圧電素子を内蔵した燃焼圧検知センサ50はリング状に形成され、本体31の多角形部33の後端向き面34に配置されて固定されている。この固定は、通電用軸部材41の後端部(外周面)に形成されたねじ45を用い、このねじ45に、例えば通電端子71を締付け用ねじ部材として同図中の矢印で示したようにねじ込むことによつて絶縁部材からなる絶縁リング61を介して燃焼圧検知センサ50を先端側に押え付けることで行われている。すなわち、ねじ込み用締付け部材71をねじ込んで締付けることにより、絶縁リング61を介して本体31の後端向き面34との間で燃焼圧検知センサ50を挟みつけ、内部の圧電素子に予め所定の予荷重(圧縮応力)を付与するようにされている。なお、同図中の39は、本体31と軸部材41との絶縁確保のためのものであり、同図では燃焼圧検知センサ50が締付けられた状態で絶縁リング61に接するように配置されている。また、その先端のリングパッキン40でシールが確保されている。しかして、このような燃焼圧検知センサ付きグロープラグにおいては、エンジンの始動によって変化する燃焼室内の燃焼圧が、ヒーター11から通電用軸部材41にかかり、それによって圧電素子を締付け固定している締付け用ねじ部材である通電端子71が軸方向に変位することに基づき、圧電素子内の圧縮応力(予荷重)が変化することから、その荷重の変化に伴って出力される信号に基づいて燃焼圧の変化が検知される。
上記のような燃焼圧検知センサ付きグロープラグにおいては、通電用軸部材41のねじ45を用いて燃焼圧検知センサを圧縮しているため、圧電素子に予荷重を付与するのに、格別の部品の必要性や構造の複雑化を招かない。このため、低コストで圧電素子に与荷重を付与することができるというメリットがある。一方、この燃焼圧検知センサ50において、出力感度や応答性の向上のためには、できるだけ大きな予荷重を圧電素子に付与しておく必要がある。他方、そのためには、締付け用ねじ部材をなす通電端子71をできるだけ大きなトルクで締付ける必要があるが、このような締付け構造のグロープラグでは、大きな締付けトルクで通電端子71を締付ける場合には次のような重大な問題が発生することがあった。
特開2004−124910号公報
上記のグロープラグにおいて、その組立過程で、圧電素子に大きな予荷重を付与するためには、本体31が回転しないように、例えばその多角形部33をジグ又は工具Kで保持した上で、最終的に、所望とする大きなねじ込みトルクによって、通電端子71をねじ込み、その締め付けを行うことになる。しかし、その締め付けにおいては、ねじ込み時のトルクにより通電用軸部材41がその軸線回りに通電端子71と一緒に回転し、そのねじり応力により、他の部品との接合部、或いは他の部品相互の接合部のうち、低強度の部位において、接合の分離(断線)や弛緩等の不具合が発生することがあった。具体的には、上記のグロープラグにおいては、通電用軸部材41とヒーター11とが、ヒーター11の後端に圧入によって取付けられている筒状端子金具18を介して接続されている。そして、この筒状端子金具18と通電用軸部材41の先端とは例えば圧入及び溶接によって取付けられている。また、このような筒状端子金具18は薄肉の金属から形成されており、それ自体の強度も高くはない。このため、通電端子71のねじ込みに伴う通電用軸部材41の回転力(ねじり応力)が作用する場合には、こうした接続部において、その分離等の不具合が発生するといったことがあった。さらに、ヒーター11は筒状部材21内に圧入によって固定されており、その筒状部材21はその後端寄り部を本体31の先端の内側に圧入され、させらに溶接によって固定されているが、その圧入深さの短さなどから、必ずしも高い固定力は得られない。したがって、場合によっては、こうした接続部においても、分離等の不具合が発生することさえあった。なお、上記従来の燃焼圧検知センサ付きグロープラグにおいては、締付け用ねじ部材として通電端子71を利用しているが、これとは別のナット等を締付け用ねじ部材として用い、圧電素子に予荷重を付与する場合であっても同様の問題がある。
また、本体31を固定して、通電端子71などの締付け用ねじ部材のねじ込みによって燃焼圧検知センサ50を締め付ける際には、通電用軸部材41にはねじり応力に加えて引張り力も作用する。したがって、筒状端子金具18がヒーター11から抜ける形で分離したり、通電用軸部材41の特にねじ45において破断が生じるといった危険性もあった。こうした問題は図12に示したグロープラグに限られず、ヒーターが有底の金属製チューブ内に発熱コイルを有するもので、このチューブの開口端内に発熱コイルの端部に接続した通電用軸部材が挿入され、チューブ内周面に絶縁材(例えばゴムチューブ)を介在させてスウェージングによって同軸部材を固定し、そのチューブの開口端側を本体の先端内に圧入してなる構造のメタルグロープラグにおいても、その通電用軸部材の後端部のねじを用いて、上記したのと同様に圧電素子を圧縮する構造としたものでは、同様の問題が発生する危険性があった。すなわち、このものでは通電用軸部材がチューブ内において回転して、発熱コイルと分離(断線)するなどの危険性があった。
本発明は、こうした問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、燃焼圧検知センサを、締付け用ねじ部材をねじ込んで締め付けることによって内部の圧電素子に圧縮応力を発生させてなる構成を有する燃焼圧検知センサ付きグロープラグで、その締め付けにおいて、通電用軸部材が本体内で回転するのを防止できるようにすることにある。
本発明の請求項1に記載の発明は、筒状をなす金具本体内に、通電することによって発熱するヒーターが固定され、そのヒーターに通電するための通電用軸部材が後端を金具本体の後端から突出させてその金具本体内に絶縁を保持して設けられており、しかも、該金具本体の後端又は後端寄り部位の後端向き面には、圧電素子を内蔵した燃焼圧検知センサが配置され、この燃焼圧検知センサを、前記通電用軸部材の外周面に形成されたねじに、締付け用ねじ部材をねじ込んで締め付けることによって前記圧電素子に圧縮応力を発生させてなる構成を有する燃焼圧検知センサ付きグロープラグにおいて、
前記通電用軸部材の前記ねじに、前記締付け用ねじ部材をねじ込んで前記燃焼圧検知センサを締め付ける際に、前記通電用軸部材が該締付け用ねじ部材とともに回転するのを防止するために保持可能の工具係合部を該通電用軸部材に形成したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記工具係合部を、前記通電用軸部材の後端部又は後端寄り部位に形成したことを特徴とする請求項1に記載の燃焼圧検知センサ付きグロープラグである。また、請求項3に記載の発明は、前記工具係合部を、前記通電用軸部材の後端部又は後端寄り部位の外周面に形成したことを特徴とする請求項1に記載の燃焼圧検知センサ付きグロープラグである。ここで、外周面に形成した工具係合部の典型例としては、ねじの軸線方向から見て多角形をなす多角形部が挙げられる。そして、請求項4に記載の発明は、前記工具係合部を、前記通電用軸部材の後端面に形成した多角形の穴又はスリワリとしたことを特徴とする請求項1に記載の燃焼圧検知センサ付きグロープラグである。
請求項5に記載の発明は、筒状をなす金具本体内に、通電することによって発熱するヒーターが固定され、そのヒーターに通電するための通電用軸部材が後端を金具本体の後端から突出させてその金具本体内に絶縁を保持して設けられており、しかも、該金具本体の後端又は後端寄り部位の後端向き面には、圧電素子を内蔵した燃焼圧検知センサが配置され、この燃焼圧検知センサを、前記通電用軸部材の外周面に形成されたねじに、締付け用ねじ部材をねじ込んで締め付けることによって前記圧電素子に圧縮応力を発生させてなる構成を有する燃焼圧検知センサ付きグロープラグを製造する方法において、
前記通電用軸部材に、その後端側に前記燃焼圧検知センサの締付け後において切除すべき捨て代部を備えた長めのものを用い、
前記締付け用ねじ部材をねじ込んで前記燃焼圧検知センサを締め付けるに当たり、
前記締付け用ねじ部材を前記ねじに螺合して螺進させて少なくとも前記通電用軸部材の後端を露出させた状態とし、その状態において、該締付け用ねじ部材の後方に位置する前記通電用軸部材の部位のうちの前記捨て代部に、
前記ねじに前記締付け用ねじ部材をねじ込んで前記燃焼圧検知センサを締め付ける際に前記通電用軸部材が該締付け用ねじ部材とともに回転するのを防止するために保持可能に設けられた工具係合部材を固定しておき、
前記金具本体と該工具係合部材を保持した状態で、前記締付け用ねじ部材をねじ込んで前記燃焼圧検知センサを締め付け、その締付け後に、前記工具係合部材を含む前記通電用軸部材の前記捨て代部を切除することを特徴とする燃焼圧検知センサ付きグロープラグの製造方法である。
請求項6に記載の発明は、前記工具係合部材を溶接により固定することを特徴とする請求項5に記載の燃焼圧検知センサ付きグロープラグの製造方法である。なお、本発明において、工具係合部とは、スパナ等の工具の口が係合ないし嵌合可能の部位をいい、工具係合部材とは、この部位を備えた部材をいう。
本発明の請求項1〜4に記載のグロープラグにおいては、上記の構成により、締付け用ねじ部材をねじ込んで前記燃焼圧検知センサを締め付ける際には、本体を固定(又は保持)し、締付け用ねじ部材をねじ込み工具によって回転することによって行うことになるが、その際においては、前記通電用軸部材に形成された前記工具係合部を工具で保持することができる。すなわち、このように前記工具係合部を工具で保持した状態で、締付け用ねじ部材をねじ込むことで燃焼圧検知センサを締め付けることができるため、その締付けにおいて、本体に対して通電用軸部材が回転することを防止できる。
このように、本発明のグロープラグにおいては、前記ねじに締付け用ねじ部材をねじ込んで締め付けることによって前記圧電素子に圧縮応力(予荷重)を発生させる際には、本体をねじの軸線回りに回転しないように固定(又は保持)するとともに、前記通電用軸部材に形成された前記工具係合部を工具で保持した状態の下で、締付け用ねじ部材を締め付けることができるため、通電用軸部材をねじの軸線回りに回転させることなく、その締め付けを行うことができる。したがって、通電用軸部材と接続(接合)されている他の部品との接合部、或いは各部品間の接合部における分離(断線)ないし弛緩等の不具合の発生を招くことなく、圧電素子に所望とする十分な大きさの予荷重を付与することができる。また、本発明の請求項5,6に記載のグロープラグの製法においては、簡易な工程で、通電用軸部材をねじの軸線回りに回転させることなく、締付け用ねじ部材によって燃焼圧検知センサの締め付けを行うことができる。
本発明のグロープラグの第1の実施の形態例について、図1〜図4に基づいて詳細に説明する。本形態のグロープラグ1は、軸状をなすセラミックヒーター11と、このヒーター11を、先端10を突出させて内側に固着してなる金属製の筒状部材21と、この筒状部材21の後端寄り部位の外側に圧入されて溶接され、同軸状に接合された筒状の金具本体31等から次のように構成されている。なお、本明細書において「先」というときは、グロープラグ又はその構成部品に対して、図示における下を意味し、「後」というときは、その逆を意味する。
セラミックヒーター11は、軸線G方向において略同径をなす円柱状又は丸棒状に形成されており、絶縁基体(例えば窒化珪素質セラミック)中の先端寄り部位には断面U字状に形成され、通電することにより発熱する抵抗ヒーター12が埋設されている。そして、この内部の抵抗ヒーター12の両端部にはそれぞれ中継線14が接続され、その両端がヒーター11の後端と後端寄り部位の外周面に露出されて正負の各電極(第1、第2の電極)16、17をなしている。このうち後端の第1の電極16を含む、その近傍のヒーター11の外周面には、円筒状端子金具18が圧入によって締り嵌め状に嵌められており、第1の電極16にその筒状端子金具18の内周面が圧接されて導通がとられている。そして、この筒状端子金具18の後端側(図示上方)の内側には、金具本体31内にリング状の空隙を介して同軸状に配置された通電用軸部材41の先端(図示下端)における小径部42が圧入されたうえで溶接により固定されている。通電用軸部材41の後端寄り部位は、本体31の後端(図示上端)から所定の長さ突出しており、その軸部材の後端43から先端に向かう所定の長さにわたって外周面にねじ45が形成されている。なお、本明細書においてねじ45の軸線Gと、セラミックヒーター11の軸線G及びその他の部品の軸線Gとは同一のものである。
また、ヒーター11は、その中間寄り部位の外周面を覆うように、金属製筒状部材21の内側に圧入によって固定されており、第2の電極17はその金属製筒状部材21の内面に圧接されて導通がとられており、グロープラグ1がエンジンに取付けられることで接地されるように構成されている。なお、本形態の金属製筒状部材21は、その軸線G方向の後端寄り部位の外周面に、半径外方にツバ状に突出し、周方向に環状をなす環状凸部22を一体的に備えた外径が異径の円筒状を呈している。このような金属製筒状部材21はその後端部を本体31の先端の内側に、環状凸部22の後端向き面が当接するまで圧入されて溶接されている。
さて、本形態における金具本体31は、後端寄り部位を除いて、略ストレートの円筒状をなしており、軸線G方向の中間部位の外周面には、グロープラグ1をエンジンの取付け穴に取り付けるための取付け用ねじ32が所定の長さ範囲にわたって形成されている。一方、後端寄り部位の外周面には、取付け用ねじ32によるグロープラグ1のねじ込みのためのねじ込み用多角形部33が膨出状に形成されている。この多角形部33は、本形態では、軸線G方向から見て例えば6角形(六角ボルトの頭部形状)をなしている。また、本形態における金具本体31は、この多角形部33の平坦な(平面をなす)後端向き面34の内周縁寄り部位に、本体31の軸と同心で後方に向かって突出する円筒状の筒壁部35が形成されている。なお、筒壁部35の、その後端向き面34における高さ(突出量)は、次記する円環状をなす燃焼圧検知センサ(以下、単にセンサともいう)50の厚みより小さくされており、筒壁部35の外径は同センサ50の内径より若干小さく設定されている。
また、本体31の内径は、後端寄り部位に位置する筒壁部35の内側を含め、後端から所定範囲が相対的にやや大径の円断面からなる大径部38をなし、それ以外は、同心で、相対的に小径の円断面からなるストレートの空孔とされている。本形態では、この大径部38の内周面と通電用軸部材41の外周面とで形成される円筒状の空間(空隙)に、円筒状の絶縁部材39が介挿され、通電用軸部材41を本体31の中心に絶縁を保持しつつ位置決めしている。この絶縁部材39はその後端(図示上端)の外周にフランジ39bを突出状に備えており、フランジ39bの先端向き面(図示下面)を本体31の後端(筒壁部35の端)の内周縁に係止させている。なお、センサ50を締め付けるため、筒壁部35の高さにフランジ39bの厚みを加えた寸法は、センサ50の厚みより、小さくなるように設定されている。また、本体31の内周面の大径部38の先端と、絶縁部材39の先端との間にはOリング状のゴムパッキン40が装填されており、グロープラグとして組み立てられた状態において、本体31の内周面と通電用軸部材41の間のシールを保持するようにされている。なお、本形態では、上記したように、ヒーター11を筒状部材21内に圧入した後、そのヒーター11と通電用軸部材41とを筒状端子金具18で接合して組立体とし、この段階において、筒状部材21を本体に接合して、通電用軸部材41を本体31内に配置し、その後、ゴムパッキン40及び絶縁部材39が介挿されている。
一方、通電用軸部材41の、金具本体31の後端及び絶縁部材39のフランジ39bから突出している部位のうち、本形態では、その後端43から先端に向かう所定の範囲L1に、本発明の要旨をなすところの工具係合部44が形成されている。この工具係合部44は本形態では、外周面が軸線G方向から見て、略四角の多角形部をなすように、部分的にねじ45が削られて形成されており、スパナ(又は四角スパナ)が係合(嵌合)するように形成されている。なお、通電用軸部材41のねじ45は後端43からセンサ50の後端近傍まで形成されており、後述するように、このねじ45には、工具係合部44の存在にかかわらず、通電用軸部材41の後端43からナット状をなす締付け用ねじ部材66がねじ込み可能とされている。
また、上記した本体31の後端における多角形部33の後端向き面34には、円環状をなし、内部に圧電素子を備えた燃焼圧検知センサ50が、ねじ45の軸線Gと同心状に配置されている。この燃焼圧検知センサ50は、本形態では、図3に拡大して示したような構造のものである。すなわち、金属製のケース51内に、先端(図示下)側からそれぞれ円環状をなす、下の電極板(金属製の環状台板)52、圧電素子53、上の電極板54、そして絶縁板55が配置されている。そして、圧電素子53の内周面側には絶縁板(例えばゴム板)56が配置され、外周側には樹脂(絶縁材)57が充填されている。なお、図3中の58は、上の電極板54に接続されたリード線59を樹脂57を介して後端側に取り出すようにしたリード線ケースであり、下の電極板52はケース51を介して本体31に接続され、エンジンに接地される構成とされている。
本形態では、本体1の多角形部33の後端向き面34の上に、この燃焼圧検知センサ50が筒壁部35を包囲する形で配置され、この燃焼圧検知センサ50の後端側に絶縁材(例えば、セラミック)からなる角断面で円環状をなす絶縁リング61が配置され、この上から、六角ナット状をなす締付け用ねじ部材66が、通電用軸部材41の外周面のねじ45にその後端43側からねじ込まれている。そして、この締付け用ねじ部材66を回転して締め付けることにより、絶縁リング61を介して、燃焼圧検知センサ50を締め付け、内部の圧電素子53に予荷重を付与し、所定の圧縮応力を発生させている。しかして、本形態では、この締付け用ねじ部材66の締付け後において、通電用軸部材41の後端(図示上端)に、図示したようなナット部71bを有する通電端子71がねじ込まれており、その後、例えばその胴部72が縮径状に加締められて固定され、燃焼圧検知センサ付きグロープラグ1をなしている。
なお、絶縁リング61の先端面(図示下面)63は、燃焼圧検知センサ50の後端面(図示上面)の略全体を押え付け得るように、外径が燃焼圧検知センサ50の後端面の外径と略同じ大きさとされ、内径は通電用軸部材41の外径(軸径)より若干大き目とされ、軸線Gと同心状に配置されている。また、締付け用ねじ部材66は、絶縁リング61の後端面65の外周寄り部位を除いて、それを押え付け可能にその先端面が形成されている。また締付け用ねじ部材66の厚みは、そのねじ込みの際において、通電用軸部材41の工具係合部44をなす多角形部の露出を妨げない厚みで、適度の強度が得られる大きさ(寸法)とされている。また、締付け用ねじ部材66は、四角ナットその他の多角形のナットであってもよい。本形態では通電端子71が通電用軸部材41の後端部にねじ込み接合され得るように、そのねじ45の本体31の後端からの突出長さが設定されている。
本形態のグロープラグ1においては、その構造から、締付け用ねじ部材66をねじ込んで燃焼圧検知センサ50を締め付けてその内部の圧電素子53に圧縮応力を発生させるには、上記したように各部品を組み付け、本体31の後端向き面34の上に、燃焼圧検知センサ50及び絶縁リング61を配置する(図4参照)。次いで、締付け用ねじ部材66を通電用軸部材41の後端43からねじ込んで締め付ける。この際は、まず、締付け用ねじ部材66を通電用軸部材41の後端43のねじ45に螺合するのであるが、センサ50を締め付ける(締め上げる)前の一応のねじ込みにおいては実質的にはトルクを要しないため、絶縁リング61の後端面65に当接するまでは単に締付け用ねじ部材66を回転して螺進しておけばよい。一方、締付け用ねじ部材66で、燃焼圧検知センサ50に予荷重を付与するような締め付けを行う際には、大きな締め付けトルクを要する。このため、本体31を例えばその多角形部33で適宜の工具Kにて保持(固定)するとともに、通電用軸部材41の後端部ないし後端寄り部位に形成された工具係合部44を工具(例えばボックスレンチ)で保持(固定)し、その状態の下で、締付け用ねじ部材66を適宜のねじ込み工具によって回転することで締付ければよい。そして、このように本体31とともに通電用軸部材41の工具係合部44を工具で保持して、締付け用ねじ部材66のねじ込みを行う場合には、本体31に対して通電用軸部材41が回転することがない。すなわち、本形態のグロープラグ1によれば、センサ50内の圧電素子53に圧縮応力を発生させる際の締付け用ねじ部材66の締め付けにおいては、その締め付けトルクに関係なく、通電用軸部材41と接続(接合)されている他の部品との接合部、或いは各部品間の接合部における分離(断線)ないし弛緩等の不具合の発生を招くことがない。
つまり、本形態のグロープラグ1においては、締付け用ねじ部材66をねじ込む際には、本体31を固定するとともに、通電用軸部材41における工具係合部44を工具で保持することで、通電用軸部材41が本体31内で回転することがないので、十分に大きなトルクで締付け用ねじ部材66を締め付けることができる。その結果、燃焼圧検知センサ50に内蔵された圧電素子53に所望とする十分な大きさの予荷重を断線等の不具合の発生を招くことなく付与することができるという極めて顕著な効果が得られる。しかも、本形態では、従来のグロープラグと比べてみても、部品点数の増加も構造の複雑化も招かない。
本形態のグロープラグ1においては、絶縁リング61を介してセンサ50を締め付ける構成としたが、締付け用ねじ部材66をセラミックや樹脂等の絶縁性のある素材で形成し、かつ、センサ50の後端面(図示上端面)において本体31との電気的な絶縁が確保されるような場合には、絶縁リング61に代えて、金属製のワッシャ等の中間部材を介するようにすることもできる。また、絶縁リング61を設けることなく、そのような絶縁性のある素材製の締付け用ねじ部材で直接締め付けて予荷重を付与することもできる。
前記形態においては、通電用軸部材41の工具係合部44を、その後端部又は後端寄り部位に形成したが、本発明におけるその工具係合部44は、通電用軸部材41のねじ45に、締付け用ねじ部材66をねじ込んで燃焼圧検知センサ50を締め付ける際に、通電用軸部材41が締付け用ねじ部材66とともに回転するのを防止するために保持可能のものであればよい。したがって、図5に示したように、その工具係合部44は、通電用軸部材41の後端側の長さ次第では、その後端43から距離Sをおいた位置に設けることもできる。すなわち、図5に示したグロープラグのように、工具係合部44は、その保持に使用するスパナ等の工具の口の2面幅に対応する平行2面44b、44bを有するように、同図中に示したように円断面の両側をカットしたものとしてもよい。なお、図5のグロープラグはこの工具係合部44以外は上記したものと異なる点はないので、同一の部位には同一の符号を付すに止める。以下の実施例についても同様とする。
すなわち、本発明において工具係合部は、通電用軸部材41のねじ45に締付け用ねじ部材66を螺合、螺進して燃焼圧検知センサ50をねじ込み方式で締め付けるのに支障なく、通電用軸部材41がこの締付け用ねじ部材66とともに回転するのを防止するために保持可能に設けられていればよい。したがって、軸線G方向から見て四角等の多角形部や平行2面44b、44bに限られるものではなく、図示はしないが、ねじ45の対向する側面に、締付け用ねじ部材66のねじ込みに支障がない限り、複数の凹部(くぼみ)を設け、この凹部を工具係合部とすることもできる。さらには、パイプレンチのように、円管(円筒体)を保持できる工具を用いる場合には、このような工具係合部44の形状は、多角形とすることなく、外径がねじ45の谷の径以下であり、締付け用ねじ部材66のねじ込みに支障がない範囲であれば円形(円柱軸部)に形成しておくことも可能である。なお、締付け用ねじ部材66についても同様である。
そして、本発明における通電用軸部材41の工具係合部44は、その外周面に形成されるものに限られるものではなく、例えば、図6に示したように、通電用軸部材41の直径方向に貫通する貫通穴とし、ここに棒状工具を挿入するようにした工具係合部44とすることもできる。さらに、図7に示したように、本発明における通電用軸部材41の工具係合部44は、通電用軸部材41の後端(後端面)43に形成した、軸線G方向から見て四角、六角又は十字形の穴などの多角形の穴又はスリワリとして具体化することもできる。
さて、次に本発明の応用例とでも言うべき、上記した燃焼圧検知センサ付きグロープラグ1と同様のグロープラグを製造する方法(本願請求項5に記載の発明)の実施の形態について、図8〜図11に基づいて説明する。このものは、通電用軸部材41のねじ45に、締付け用ねじ部材66をねじ込んで燃焼圧検知センサ50を締め付ける際に、本体31内において通電用軸部材41が締付け用ねじ部材66とともに回転するのを防止するために保持可能の工具係合部を通電用軸部材41に形成する点については、上記した技術内容と同じである。しかし、このものは、グロープラグの完成品としてみたとき、上記したグロープラグにおいては、通電用軸部材の工具係合部がそのまま残存しているのに対し、それが存在していないものである点で相違する。
すなわち、この製法では、図8に示したように、通電用軸部材41に、その後端側に燃焼圧検知センサ50の締付け後において切除すべき捨て代部Nを備えた分、上記したグロープラグより長いものを用いる。そして、締付け用ねじ部材66をねじ込んで燃焼圧検知センサ50を締め付けるに当たって、まず、締付け用ねじ部材66をその通電用軸部材41の後端から螺合し、少なくとも通電用軸部材41の後端43が露出するまで螺進する。この場合、絶縁リング61に当接するまで螺進しておくのが好ましい。通電用軸部材41は、その後端43から所定長さの捨て代部Nがある分、長いものとされているが、締付け用ねじ部材66を通電用軸部材41の後端43からねじ込み、そして、センサ50を締め付け可能に、外周面にはねじ45が形成されたものである点、従来の通電用軸部材と異なる点はない。
次に、図9に示したように、通電用軸部材41の後端43側の捨て代部Nに対し、工具係合部材68を固定しておく。工具係合部材68は、上記して螺合した状態の締付け用ねじ部材66をねじ込んで燃焼圧検知センサ50を締め付ける際に、通電用軸部材41が締付け用ねじ部材66とともに回転するのを防止するために保持可能に設けられたものであればよい。具体的には、六角ナットや四角ナットが好ましい。これらのものであれば、通電用軸部材41の後端寄り部位の捨て代部Nのねじに適量螺合ないしねじ込んだ上で、そのナットの後端の内周縁Pなどを通電用軸部材41に溶接により容易に固定できるためであるが、上記したことからも明らかであるが、いずれの形状、構造のものであってもよい。また固定は溶接によらなくともよいが、溶接によれば容易にできる。工具係合部材68にナットを用いる場合における溶接以外の固定手段としては、例えば、捨て代部Nの部位のねじにおいて、そのナットがねじ45の周りに回転しないように、ねじ山を加締めたり潰すことや、工具係合部材68に図示はしないが軸線Gと垂直に、通電用軸部材41の径方向にロックピンを打ち込むことがあげられる。
このように通電用軸部材41の捨て代部Nに工具係合部材68を固定した後、金具本体31とその工具係合部材68を工具Kで保持した状態で、上記した実施の形態におけるのと同様に、締付け用ねじ部材66をねじ込んで燃焼圧検知センサ50を締め付けるのであるが、この締付けにおいては、本体31に対して通電用軸部材41が回転することがない。すなわち、このようなグロープラグの製法によれば、センサ50が内蔵している圧電素子53に圧縮応力を発生させるのに必要な締付け用ねじ部材66の締め付けにおいて、その締め付けトルクに関係なく、通電用軸部材41と接続(接合)されている他の部品との接合部、或いは各部品間の接合部における分離(断線)ないし弛緩等の不具合の発生を招くことがない。したがって、その締付け後において、図10に示したように、工具係合部材68を含む通電用軸部材41の捨て代部Nを切断、除去し、その後で、図11に示したように、通電端子71をその切断後の通電用軸部材41の後端43からねじ込むことで、所望とする燃焼圧検知センサ付きグロープラグが得られる。
本発明のグロープラグおよびその製法は、上記した形態のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜に変更して具体化できる。例えば、上記においては、セラミックヒーターを備えてなる燃焼圧検知センサ付きグロープラグにおいて具体化したが、いわゆるメタルヒーターを備えてなる燃焼圧検知センサ付きグロープラグにおいても同様に具体化できる。さらに燃焼圧検知センサが配置される本体の後端向き面をねじ込み用多角形部における後端向き面としたが、これとは別に設けた部位の後端向き面を用いることもできる。
本発明に係る燃焼圧検知センサ付きグロープラグの第1の実施の形態を示す半断面図及びその要部拡大図。 図1の要部拡大図を後端(図示上端)側から見た図。 燃焼圧検知センサを説明する拡大断面図。 図1のグロープラグの要部を示す分解図。 工具係合部の別例を説明するグロープラグの一部破断要部拡大図。 工具係合部の別例を説明するグロープラグの一部破断要部拡大図。 Aは工具係合部の別例を説明するグロープラグの一部破断要部拡大図、BはAを後端(図示上端)側から見た図。 本発明の製法を説明する要部の一部破断要部拡大図。 図8において通電用軸部材に工具係合部材を固定した後の図。 図9において工具係合部材を含む通電用軸部材の捨て代部を切除した図。 図10において通電端子をねじ込んで取りつけたグロープラグ完成品の図。 従来の燃焼圧検知センサ付きグロープラグの半断面図及びその要部拡大図。
符号の説明
1 燃焼圧検知センサ付きグロープラグ
11 ヒーター
31 金具本体
34 金具本体の後端向き面
41 通電用軸部材
43 通電用軸部材の後端
44、44b 工具係合部
45 通電用軸部材のねじ
50 燃焼圧検知センサ
53 圧電素子
66 締付け用ねじ部材
68 工具係合部材
G ねじの軸線
N 捨て代部

Claims (6)

  1. 筒状をなす金具本体内に、通電することによって発熱するヒーターが固定され、そのヒーターに通電するための通電用軸部材が後端を金具本体の後端から突出させてその金具本体内に絶縁を保持して設けられており、しかも、該金具本体の後端又は後端寄り部位の後端向き面には、圧電素子を内蔵した燃焼圧検知センサが配置され、この燃焼圧検知センサを、前記通電用軸部材の外周面に形成されたねじに、締付け用ねじ部材をねじ込んで締め付けることによって前記圧電素子に圧縮応力を発生させてなる構成を有する燃焼圧検知センサ付きグロープラグにおいて、
    前記通電用軸部材の前記ねじに、前記締付け用ねじ部材をねじ込んで前記燃焼圧検知センサを締め付ける際に、前記通電用軸部材が該締付け用ねじ部材とともに回転するのを防止するために保持可能の工具係合部を該通電用軸部材に形成したことを特徴とする燃焼圧検知センサ付きグロープラグ。
  2. 前記工具係合部を、前記通電用軸部材の後端部又は後端寄り部位に形成したことを特徴とする請求項1に記載の燃焼圧検知センサ付きグロープラグ。
  3. 前記工具係合部を、前記通電用軸部材の後端部又は後端寄り部位の外周面に形成したことを特徴とする請求項1に記載の燃焼圧検知センサ付きグロープラグ。
  4. 前記工具係合部を、前記通電用軸部材の後端面に形成した多角形の穴又はスリワリとしたことを特徴とする請求項1に記載の燃焼圧検知センサ付きグロープラグ。
  5. 筒状をなす金具本体内に、通電することによって発熱するヒーターが固定され、そのヒーターに通電するための通電用軸部材が後端を金具本体の後端から突出させてその金具本体内に絶縁を保持して設けられており、しかも、該金具本体の後端又は後端寄り部位の後端向き面には、圧電素子を内蔵した燃焼圧検知センサが配置され、この燃焼圧検知センサを、前記通電用軸部材の外周面に形成されたねじに、締付け用ねじ部材をねじ込んで締め付けることによって前記圧電素子に圧縮応力を発生させてなる構成を有する燃焼圧検知センサ付きグロープラグを製造する方法において、
    前記通電用軸部材に、その後端側に前記燃焼圧検知センサの締付け後において切除すべき捨て代部を備えた長めのものを用い、
    前記締付け用ねじ部材をねじ込んで前記燃焼圧検知センサを締め付けるに当たり、
    前記締付け用ねじ部材を前記ねじに螺合して螺進させて少なくとも前記通電用軸部材の後端を露出させた状態とし、その状態において、該締付け用ねじ部材の後方に位置する前記通電用軸部材の部位のうちの前記捨て代部に、
    前記ねじに前記締付け用ねじ部材をねじ込んで前記燃焼圧検知センサを締め付ける際に前記通電用軸部材が該締付け用ねじ部材とともに回転するのを防止するために保持可能に設けられた工具係合部材を固定しておき、
    前記金具本体と該工具係合部材を保持した状態で、前記締付け用ねじ部材をねじ込んで前記燃焼圧検知センサを締め付け、その締付け後に、前記工具係合部材を含む前記通電用軸部材の前記捨て代部を切除することを特徴とする燃焼圧検知センサ付きグロープラグの製造方法。
  6. 前記工具係合部材を溶接により固定することを特徴とする請求項5に記載の燃焼圧検知センサ付きグロープラグの製造方法。
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JP2012184921A (ja) * 2012-07-06 2012-09-27 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグ

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