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JP2006307223A - 共重合性ポリアルキレングリコールマクロモノマー、及びそれの製造法及び使用 - Google Patents

共重合性ポリアルキレングリコールマクロモノマー、及びそれの製造法及び使用 Download PDF

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JP2006307223A JP2006124574A JP2006124574A JP2006307223A JP 2006307223 A JP2006307223 A JP 2006307223A JP 2006124574 A JP2006124574 A JP 2006124574A JP 2006124574 A JP2006124574 A JP 2006124574A JP 2006307223 A JP2006307223 A JP 2006307223A
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Abstract

【課題】他の不飽和コモノマーとの共重合の後に、そうして得られたコポリマーにおいてポリエーテル側鎖の加水分解安定性の化学結合を有する、費用効果が高くかつ貯蔵安定性のポリアルキレングリコールマクロモノマーを提供すること。
【解決手段】次式1または2で表される化合物、及びその重合性乳化剤としての使用。
Figure 2006307223

Figure 2006307223

[式中、Aは、C2〜C4アルキレンであり、nは、4〜900の整数であり、mは、1〜50の整数であり、そしてRは、水素、価数mの酸基、または炭素原子数1〜200の価数mの有機基であり、後者の有機基は、炭素及び水素の他に、異種原子、例えば酸素、窒素、硫黄またはリンを含んでいてもよい]
【選択図】なし

Description

本発明は、イソオイゲノールポリアルキレングリコールの合成及びそれの使用、例えばポリマー合成の分野において様々な用途に反応性乳化剤もしくは加水分解安定性マクロモノマーとして使用する方法、あるいは合成のための反応性中間体として、または香料(fragrances)もしくは芳香料(aromas)として使用する方法に関する。
一般的に、ポリアルキレングリコールは、以下に記載する反応式1に従い、開始剤としてアルコール(所謂、スターターアルコール)を用いてエポキシド(例えば、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド)をアニオン性開環重合することによって製造される。この反応で使用できる触媒は、触媒有効量のアルカリ金属水酸化物もしくはアルカリ土類金属水酸化物または対応するアルカリ金属アルコキシドである。例えば、R’−OHがメタノールである場合には、α−メトキシ−Ω−ヒドロキシポリアルキレングリコールが生成し、R’−OHがブタノールである場合には、α−ブトキシ−Ω−ヒドロキシポリアルキレングリコールが応じて生成する。
Figure 2006307223
ポリエーテル鎖の他に末端反応性共重合性二重結合を含むポリアルキレングリコールマクロモノマー、すなわちポリアルキレングリコールは、ポリアルキレングリコール側鎖を有する櫛状ポリマーの製造に重要である。この櫛状ポリマーは、数多くの用途に、例えば反応性共重合性界面活性剤として、または例えばポリマー性分散剤の合成のためのコモノマー構成単位として使用される物質である。末端二重結合を有するこれらのポリアルキレングリコールマクロモノマーを製造するためには、原則的に二つの方法がある。
ポリアルキレングリコール(例えばメチルポリグリコール)から出発して、それの末端ヒドロキシ基のところでの反応(例えばメタクリル酸もしくは他の不飽和酸とのエステル化)によって末端二重結合を導入することができる(Gramain, Polymer Commun 1986, 27, 16 ff)。この方法の欠点は、少なくとも二段階からなる合成法であること(第一段階: ポリアルキレングリコールの製造、第二段階:エステル化)、及びその後に行われるマクロモノマーの(共)重合の間に生ずるポリグリコール側鎖がエステル基を介して主鎖に結合してしまうこと、すなわちこれらの側鎖が、加水分解安定性の形で主鎖に固定されないことである。
他の方法として、反応式1に従いオレフィン性不飽和アルコールR’−OHから出発して、末端二重結合を有するポリアルキレングリコールを直接合成することができる。R’−OHがアリルアルコールの場合は、反応式1に従う一段階反応において、α−アリルオキシ−Ω−ヒドロキシポリアルキレングリコールが生成する。必要に応じて、ドイツ特許出願公開第41 38 166号明細書に記載のように、最初に生成した上記α−1−アリルオキシ−Ω−ヒドロキシポリアルキレングリコールを、塩化アルキルとのエーテル化によって対応するα−1−アリルオキシ−Ω−アルコキシポリアルキレングリコールに転化することもできる。
上記のエステル化によるポリアルキレングリコールマクロモノマーの合成とは異なり、この方法で生ずる櫛状ポリマーのポリエーテル側鎖は、エーテル化合物を介してポリマー主鎖に結合しているので、大方、加水分解安定性である。
他の不飽和コモノマーとの共重合の後に、そうして得られたコポリマーにおいてポリエーテル側鎖の加水分解安定性の化学結合を有する、費用効果が高くかつ貯蔵安定性のポリアルキレングリコールマクロモノマーを見出すことが本発明の課題であった。
イソオイゲノールポリアルキレングリコールがこれらの要求を満たしそしてこれらは簡単な経路で得ることができることがここに見出された。これらは、数多くのモノマーとの共重合に適しており、そしてこの際、ポリアルキレングリコール側鎖を有する加水分解安定性のコポリマー(櫛状ポリマー)を形成させるのに適している。
それゆえ、本発明は、次の式1及び2で表される化合物を提供する。
Figure 2006307223
Figure 2006307223
上記式中、
Aは、C2〜C4アルキレンであり、
nは、4〜900の整数であり、
mは、1〜50の整数であり、そして
Rは、水素、価数mの酸基、または炭素原子数1〜200の価数mの有機基であり、前記有機基は、炭素及び水素の他に、異種原子、例えば酸素、窒素、硫黄またはリンを含むこともできる。
上記式1及び2では、本発明によるイソオイゲノール誘導体のトランス型及びシス型が示される。以下には、トランス型についてのみ記載するが、シス型も同様に本発明の範囲内のものである。本発明の上記式1及び2の化合物は、以下にはイソオイゲノールポリアルキレングリコールとも称する。
更に本発明は、上記式1及び/または2の化合物を、重合反応におけるモノマーとして使用する方法も提供する。
更に本発明は、上記式1及び/または2の化合物を重合性乳化剤として使用する方法も提供する。
更に本発明は、遊離基重合することができるオレフィン性不飽和化合物に上記式I及び/またはIIの化合物を加え、そして得られた混合物を水性相で重合することによって、乳化されたコポリマーを製造する方法にも関する。
更に本発明は、上記式1及び/または2のモノマーと、少なくとも一種の更に別のオレフィン性不飽和モノマーとを含むコポリマー及びこれらの分散液も提供する。
Aは、好ましくは、エチレン基、またはエチレン基とプロピレン基との混合物である。
mは、好ましくは、1〜10の整数である。
(A−O)nで表されるアルコキシ鎖においては、Aは、好ましくはエチレンもしくはプロピレン基、特にエチレン基である。アルコキシ単位の総数は、好ましくは5〜300、特に8〜200である。アルコキシ鎖は、異なるアルコキシ単位、好ましくはエトキシ及びプロポキシ単位からそれぞれなるブロックが交互に並ぶブロックコポリマーであることができる。また上記アルコキシ鎖は、各々のアルコキシ単位がランダムな順列で並ぶ鎖であるか、またはホモポリマーであることもできる。
好ましい態様の一つでは、−(A−O)n−は、次式で表されるアルコキシ鎖である。
Figure 2006307223
上記式中、
aは、0〜300、好ましくは0〜80の数であり、
bは、5〜300、好ましくは5〜200の数であり、
cは、0〜300、好ましくは0〜80の数である。
更に別の好ましい態様では、−(A−O)n−は、エトキシ単位数8〜240のエトキシ基である。
全ての態様において共通して、好ましくは(A−O)基の少なくとも50モル%はエトキシ基、特に60〜100モル%はエトキシ基である。
Rは、価数mの酸基、または水素、または炭素原子数1〜200の飽和もしくは不飽和で環状もしくは非環式の有機基である。なお、後者の有機基は、炭素及び水素の他に、異種原子、例えば酸素、窒素、硫黄またはリンを含むこともできる。Rが酸基の場合は、これは、モノマー性もしくはポリマー性酸基であるかまたは単官能性もしくは多官能性単位(m−官能性)であることができる。Rが水素の場合は、mは1である。
酸基Rが誘導され得る無機酸の例は、硫酸及びリン酸である。硫酸が使用された場合は、上記式1及び/または2の化合物は、硫酸のモノエステルもしくはジエステルのいずれかとなり得る。すなわち、この場合はmが1または2である。リン酸が使用された場合は、上記式1及び/または2の化合物は、リン酸のモノエステル、ジエステルまたはトリエステルのいずれかとなり得る。すなわちこの場合はmは1、2または3である。
好ましい態様の一つでは、Rが誘導され得る有機酸は、単価カルボン酸、二価カルボン酸、三価カルボン酸または多価カルボン酸、すなわち1つ、2つ、3つまたはそれ以上のカルボキシル基を含み、更に少なくとも一つの硫黄含有官能基またはリン含有官能基を有していてもよい化合物である。特に好ましいものは、硫黄含有官能基、特にスルホネート基である。好ましいスルホン酸/スルホネートは、脂肪族または芳香族化合物であることができる。好ましいスルホン酸/スルホネートは、2もしくは3つのカルボキシル基を含み、そしてカルボキシル基の炭素原子も数に入れて3〜6個の炭素原子を含む。特に好ましいスルホン酸の一つはスルホコハク酸である。
好ましい態様の一つでは、上記スルホン酸及びカルボン酸は、一つまたはそれ以上の酸官能基を有する芳香族または脂肪族化合物である。
上記カルボン酸は、不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸またはマレイン酸であることができる。
上記式中Rが水素ではない好ましいイソオイゲノールアルコキシレートは、例えば、次の式3〜10の構造を有することができる。
Figure 2006307223
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Figure 2006307223
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Figure 2006307223
Figure 2006307223
Figure 2006307223
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上記式中、Bは炭素原子数1〜50の脂肪族または芳香族基であり、これらは異種原子も含むことができ、そしてM+は、
− 一価の金属イオン、例えばアルカリ金属イオン;
− アンモニウム類のイオン、例えばNH4 +、またはモノ−、ジ−、トリ−及び/またはテトラアルキルアンモニウムイオン、この際、これらのアンモニウム類イオンのアルキル置換基は、互いに独立して、C1〜C22アルキル基であることができるが、これらのアルキル基は、場合によっては、30個までのC2〜C10ヒドロキシアルキル基によって占められていてもよい;
− H+、または
− 二価、三価もしくは多価金属イオン、例えばCa2+もしくはAl3+の当量。
本発明の化合物は、母体となるアルコキシレートを適当な酸もしくは対応する酸誘導体と反応させることによって製造することができる。スルフェートエステルは、好ましくは、アミドスルホン酸を用いて製造される。それによって得られるアンモニウム塩は、アルカリ金属水酸化物との反応によって対応するアルカリ金属塩に転化することができる。リン酸エステルの製造のためには、リン酸を使用することができる。メタクリル酸エステルは、メタクリル酸で直接エステル化するか、または例えばメタクリル酸メチルとエステル交換することによって製造することができる。有機酸は、それらの酸無水物の形で母体のアルコキシレートと反応させることもできる。非官能化酸のエステルを製造した後に官能基を導入することもできる。例えば、スルホコハク酸エステルは、対応するマレイン酸エステルを製造し、次いで例えばピロ亜硫酸塩でスルホン化することによって製造することができる。
上記スルホン酸、カルボン酸及びホスホン酸は、母体のアルコキシレートを、スルホン酸もしくはカルボン酸の対応するハロゲン化物もしくは環状エステルと反応させることによって製造することもできる。
対応するアルキル誘導体は、母体のアルコキシレートを、ウイリアムソンエーテル合成においてアルカリ性条件の下に、ハロゲン化アルキル、例えば塩化ブチルと反応させることによって製造することができる。
本発明の化合物は、例えば式9のような重合性酸の対応するエステルは除いて、それ自体はホモ重合性ではない。なぜならば、プロペニル−スチリル基は、アクリル酸エステル基またはメタクリル酸エステル基とは対照的に、ホモ重合のための位置にないからである(cf. B. Vollmert, Grundriss der Makromolekularen Chemie [高分子化学の概要] volume I p. 55)。それ故、本発明のマクロモノマーは貯蔵安定性である。しかし、これらを更に別のオレフィン性不飽和化合物と重合するように誘発することができる。これは、従来技術において既知の方法に従い行うことができる(例えばバルク重合、溶液重合、乳化重合)。このような方法を介し、得られるポリマーを、例えばポリマー分散液、ポリマー溶液または固形のポリマーとして製造することができる。
上記の種々の重合方法においては、従来技術から既知の遊離基開始剤を使用することができる。
同様に、分子量を制御しそしてポリマー構造に影響を与えるために、架橋性モノマー及び/または調節剤を使用することができる。
上記重合性マクロモノマーとオレフィン性不飽和コモノマーとの遊離基開始共重合により本発明のコポリマーが製造される。使用し得るコモノマーは、特定の反応媒体中において本発明の化合物との共重合を可能にする反応パラメータを有する全てのオレフィン性不飽和モノマーである。
これらは、例えば次に挙げるものである。
開鎖型N−ビニルアミド類、好ましくはN−ビニルホルムアミド(VIFA)、N−ビニルメチルホルムアミド、N−ビニルメチルアセトアミド(VIMA)及びN−ビニルアセトアミド; 3〜9の環サイズを有する環状N−ビニルアミド類(N−ビニルラクタム類)、好ましくはN−ビニルピロリドン(NVP)及びN−ビニルカプロラクタム; アクリル酸及びメタクリル酸のアミド類、好ましくはアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド及びN,N−ジイソプロピルアクリルアミド; アルコキシル化アクリルアミド及びアルコキシル化メタクリルアミド、好ましくはヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシメチルメタクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリルアミド、ヒドロキシプロピルメタクリルアミド及びモノ[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]スクシネート; N,N−ジメチルアミノメタクリレート; ジエチルアミノメチルメタクリレート; アクリル−もしくはメタクリルアミドグリコール酸; 2−もしくは4−ビニルピリジン; 酢酸ビニル、メタクリル酸グリシジル; スチレン; アクリロニトリル。
不飽和アミン誘導体、例えばジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドまたはトリメチル−2−メタクリロイルエチルアンモニウムクロライド。
オレフィン類、例えばエチレン、プロペン及びブテン類、ペンテン、1,3−ブタジエン及びクロロプレン、
ハロゲン化ビニル類、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン及びフッ化ビニリデン。
アルコキシル化されたアリル、ビニル化合物及びビニルエーテル。
非常に幅広い様々なアルコール及び不飽和カルボン酸に基づくオレフィン性不飽和カルボン酸エステル、例えばアクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ステアリル; メタクリル酸ラウリル、マレイン酸ジブチル、メチルポリグリコール−1000メタクリレート、ノニルフェノールポリアルキレングリコールメタクリレート類、トリブチルフェノールポリアルキレングリコールメタクリレート類など。
加えて、一種またはそれ以上の不飽和カルボン酸またはそれの塩を該コポリマー中に重合することもできる。特に好ましいものは、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸及びセネシオ酸である。
オレフィン性不飽和スルホン酸及びホスホン酸、例えばアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、メタアリルスルホン酸またはビニルホスホン酸誘導体も同様に使用することができる。
これらの酸の好ましい対イオンは、Li+、Na+、K+、Mg++、Ca++、Al+++、NH4 +、モノアルキルアンモニウム基、ジアルキルアンモニウム基、トリアルキルアンモニウム基及び/またはテトラアルキルアンモニウム基であり、なお前記アミンのアルキル置換基は、互いに独立して、(C1〜C22)アルキル基であることができるが、このアルキル置換基は、場合によっては、3個までの(C2〜C10)ヒドロキシアルキル基によって占められていてもよい。加えて、様々なエトキシル化度を有するモノ乃至トリエトキシル化アンモニウム化合物を使用することもできる。上記カルボン酸の中和度は、0〜100%であることができる。
本発明のコポリマーは、場合によっては、二つ以上の重合性単位を有するコモノマーを含むことができる。二つ以上の重合性単位を有するコモノマーは、本発明の構造体に架橋をもたらす。対応する態様の一つでは、該コポリマーは、少なくとも二つの重合性ビニル基を有するコモノマーを含む。
好ましい架橋剤は、メチレンビスアクリルアミド; メチレンビスメタクリルアミド; 不飽和モノ−もしくはポリカルボン酸とポリオールとのエステル、好ましくはジアクリレート及びトリアクリレートまたはジメタクリレート及びトリメタクリレート(例えば、PEG−400ジメタクリレート)、特に好ましくはブタンジオールジアクリレートもしくはメタクリレート並びにエチレングリコールジアクリレートもしくはメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)及びアリル化合物、好ましくはアリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルマレエート、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン; リン酸のアリルエステル; 及び/またはビニルホスホン酸誘導体である。特に好ましい架橋剤は、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)及びトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)である。
ビニル性モノ不飽和コモノマーとポリ不飽和コモノマー(架橋剤)との混合物の使用も同様に本発明の範囲内である。
本発明の化合物は、それら単独でまたは他の既に知られている従来技術のカチオン性、アニオン性もしくは非イオン性乳化剤との組み合わせで、反応性乳化剤として使用することができる。
本発明の化合物は、ポリマーの製造に使用するオレフィン性不飽和モノマーの重量を基準にして一般的には0.1〜99重量%、好ましくは0.2〜95重量%、特に0.4〜90重量%の量で乳化剤またはコモノマーとして使用される。
本発明のイソオイゲノールポリアルキレングリコールは、適当な反応条件の下に、オイゲノールまたはイソオイゲノールをエチレンオキシド、プロピレンオキシドまたは他のエポキシドと反応させることによって、直接、一つの段階で製造することができる。これに関連して、“一つの段階で”とは、中間生成物の単離がないことを意味し、そしてこれは本方法の経済的な実現可能性にとって重大な事柄である。
以下の例は、本発明をより詳しく例示するものである。
例1
圧力容器中で、オイゲノール150gを、メタノール中に溶解したナトリウムメトキシド0.87gと混合し、次いでこの混合物を、減圧下70℃で3時間攪拌してメタノールを除去した。次いで、160℃の温度で、エチレンオキシド402gを、圧力が6barを超えないようにゆっくりと計量添加した。生じたポリエーテルを酢酸で中和してpH7とし、そして1H NMRで分析した。NMRスペクトルでは、一つの芳香族基当たり10個のエチレングリコール単位を有するイソオイゲノールエトキシレートのシグナルが確認された。
例2
圧力容器中で、イソオイゲノール200gを、メタノール中に溶解したナトリウムメトキシド1.2gと混合し、次いでこの混合物を、減圧下70℃で3時間攪拌してメタノールを除去した。 次いで、160℃の温度で、エチレンオキシド537gを、圧力が6barを超えないようにゆっくりと計量添加した。生じたポリエーテルを乳酸で中和してpH7とし、そして1H NMRで分析した。NMRスペクトルでは、一つの芳香族基当たり10個のエチレングリコール単位を有するイソオイゲノールエトキシレートのシグナルが確認された。
例3
圧力反応器中で、オイゲノール300gを、メタノール中に溶解させたナトリウムメトキシド0.79gと混合し、次いでこの混合物を、減圧下70℃で3時間攪拌してメタノールを除去した。次いで、160℃の温度で、エチレンオキシド402gを、圧力が6barを超えないようにゆっくりと計量添加した。生じたポリエーテルを乳酸で中和してpH7とし、そして1H NMRで分析した。NMRスペクトルでは、一つの芳香族基当たり5個のエチレングリコール単位を有するイソオイゲノールエトキシレートのシグナルが確認された。
例4
圧力反応器中で、オイゲノール160gを、メタノール中に溶解させたナトリウムメトキシド1.48gと混合し、次いでこの混合物を、減圧下70℃で3時間攪拌してメタノールを除去した。次いで、160℃の温度で、エチレンオキシド860gを、圧力が6barを超えないようにゆっくりと計量添加した。生じたポリエーテルを乳酸で中和してpH7とし、そして1H NMRで分析した。NMRスペクトルでは、一つの芳香族基当たり20個のエチレングリコール単位を有するイソオイゲノールエトキシレートのシグナルが確認された。
例5
圧力反応器中で、オイゲノール80gを、メタノール中に溶解させたナトリウムメトキシド1.48gと混合し、次いでこの混合物を、減圧下70℃で3時間攪拌してメタノールを除去した。次いで、160℃の温度で、エチレンオキシド860gを、圧力が6barを超えないようにゆっくりと計量添加した。生じたポリエーテルを乳酸で中和してpH7とし、そして1H NMRによって分析した。NMRスペクトルでは、一つの芳香族基当たり40個のエチレングリコール単位を有するイソオイゲノールエトキシレートのシグナルが確認された。
例6
圧力反応器中で、オイゲノール200gを、メタノール中に溶解させたナトリウムメトキシド2.6gと混合し、次いでこの混合物を、減圧下70℃で3時間攪拌してメタノールを除去した。次いで、140℃の温度で、プロピレンオキシド354gを、圧力が4barを超えないようにゆっくりと計量添加した。生じたポリエーテルをイソノナン酸で中和してpH7とし、そして1H NMRで分析した。NMRスペクトルでは、一つの芳香族基当たり5個のプロピレングリコール単位を有するイソオイゲノールプロポキシレートのシグナルが確認された。
例7
圧力反応器中、160℃の温度において、エチレンオキシド194gを、圧力が6barを超えないように例6の未中和生成物200g中にゆっくりと計量添加した。生じたポリエーテルを乳酸で中和してpH7とし、そして1H NMRで分析した。NMRスペクトルでは、一つの芳香族基当たり5個のプロピレングリコール単位及び10個のエチレングリコール単位を有するイソオイゲノールアルコキシレートのシグナルが確認された。
例8
ガラス製反応器中、窒素雰囲気下及び攪拌しながら、例4で製造されたイソオイゲノールエトキシレート140gを、メタクリル酸メチル49g、ブチルヒドロキシトルエン0.9g、p−メトキシフェノール0.5g及びジブチルスズオキシド1.4gと混合した。この混合物を100〜130℃で14時間加熱し、そしてその間に生じた蒸留物を留去した。NMR分光分析を用いて、対応するメタクリル酸エステルへの95%を超える転化率が確認された。
例9
ガラス製反応器中、攪拌しながら、例1で製造されたイソオイゲノールエトキシレート100gを尿素0.5g及びアミドスルホン酸16gと混合し、そして100℃で4時間加熱した。次いで、50%濃度の水酸化ナトリウム溶液0.25gでpHを6.5〜7.5に調節した。NMR分光分析によって、対応する硫酸エステルアンモニウム塩への95%を超える転化率が確認された。
例10
例1に従い製造したアルコール440gを70℃でポリリン酸85gと混合し、そして70℃で2時間攪拌した。100℃で更に2時間後、水22gを90℃で加え、そしてこの混合物を更に2時間攪拌した。リン酸モノエステル87重量%及びリン酸ジエステル10重量%及び残りが水の混合物である生成物が得られた。この生成物は、リン酸トリエステルを含んでいなかった。
例11
例1に従い製造されたアルコール300gを、窒素雰囲気下に、70℃で無水マレイン酸49gに加えた。次いで、この混合物を90℃で8時間加熱した。その間に生じた水は留去した。得られた生成物を、ピロ亜硫酸ナトリウム26g、NaOH20g及び蒸留水390gを含む混合物に加え、そして80℃で5時間加熱した。これにより、対応するスルホスクシネートを50重量%の含有率で含む溶液が得られた。

Claims (7)

  1. 次式1または2で表される化合物。
    Figure 2006307223
    Figure 2006307223
    [式中、
    Aは、C2〜C4アルキレンであり、
    nは、4〜900の整数であり、
    mは、1〜50の整数であり、そして
    Rは、水素、価数mの酸基、または炭素原子数1〜200の価数mの有機基であり、後者の有機基は、炭素及び水素の他に、異種原子、例えば酸素、窒素、硫黄またはリンを含んでいてもよい]
  2. Aが、エチレン基であるか、またはエチレン基とプロピレン基である、請求項1の化合物。
  3. mが1〜10の整数である、請求項1または2の化合物。
  4. 重合性乳化剤としての、上記式1及び/または2の化合物の使用。
  5. 上記式I及び/またはIIの化合物を、遊離基重合可能なオレフィン性不飽和化合物に加え、そして得られた混合物を水性相で重合することによって、乳化されたコポリマーを製造する方法。
  6. 上記式1及び/または2のモノマー及び少なくとも一種の更に別のオレフィン性不飽和モノマーを含む、コポリマーまたはそれの分散液。
  7. 上記の更に別のオレフィン性不飽和モノマーが、開鎖型N−ビニルアミド類、3〜9の環サイズを有する環状N−ビニルアミド類(N−ビニルラムタム類)、アクリル酸及びメタクリル酸のアミド類、アルコキシル化されたアクリルアミド類及びメタクリルアミド類、N,N−ジメチルアミノメタクリレート; ジエチルアミノメチルメタクリレート、アクリルアミドグリコール酸、メタクリルアミドグリコール酸、2−もしくは4−ビニルピリジン、酢酸ビニル、メタクリル酸グリシジル、スチレン、アクリロニトリル、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−メタクリロイルエチルアンモニウムクロライド、エチレン、プロペン、ブテン類、ペンテン、1,3−ブタジエン及びクロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン及びフッ化ビニリデン、アルコキシル化されたアリル、ビニル化合物及びビニルエーテル、オレフィン性不飽和カルボン酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、セネシオ酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、メタアリルスルホン酸またはビニルホスホン酸誘導体から選択される、請求項6のコポリマーまたはそれの分散液。
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