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JP2006224591A - インクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの製造方法 Download PDF

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博之 徳永
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Abstract

【課題】 CRBTJ製法の工程短縮、信頼性向上。
【解決手段】 犠牲層を、配線/ヒーター/配線の三層構成として、Si(110)基板に垂直エッチしたインク供給口を形成できるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体に外部からエネルギーを加えることによって、所望の液体を吐出するインクジェット記録ヘッド、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
熱等のエネルギーをインクに与えることで、気泡の発生を促し、この体積変化を利用して吐出口からインクを吐出し、これを記録媒体上に付着させて画像形成を行うインクジェット記録方法が知られている。インクジェット方式の中で、基板に対し垂直にインクを吐出するサイドシューター型(特開平9−011479)が提案されている。また、このヘッドの製法として、エッチング犠牲層を用いてインク供給口の形状を成型する方法(特開平10−181032)が開示されている。
これは、シリコン基板上に酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜を形成し、前記酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜上にインク吐出圧発生素子を形成し、前記シリコン基板表面にエッチング液に侵されやすい材料で薄膜を堆積しインク供給口の形状にパターン(エッチング犠牲層)を形成し、さらに前記供給口の形状のパターン上にエッチングストップ層を形成し、前記シリコン基板表面にインク吐出口部を形成し、前記酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜形成面の裏面に開口部を設け、異方性エッチングによりインク供給口となる部分のシリコンを除去し、インク供給口部に残ったエッチングストップ層の酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜またはその混合物を除去する工程によって形成されていた。
特開平9−11479号公報 特開平10−181032号公報
従来のサイドシューター型のインクジェット記録ヘッドでは、特開平10−181032に示されたように、エッチング犠牲層はポリシリコンやAl合金を用いた単層構造になっていた。この場合、エッチング犠牲層と配線など他の層との構成が異なるため、エッチング犠牲層を形成する工程を特別に設けるなど工程数が増えてしまうという問題点があった。
上記のような問題点は、シリコン基板上に畜熱層として酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜などの絶縁膜を形成する工程、前記膜上にインク吐出圧発生素子を形成する工程、前記シリコン基板表面にエッチング液に侵されやすい材料で薄膜を堆積しインク供給口の形状にパターン(エッチング犠牲層)を形成する工程、前記供給口の形状のパターン上に酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜またはその混合物のエッチングストップ層を形成する工程、前記酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜が形成された裏面に開口部を設け、異方性エッチングによりインク供給口となる部分のシリコンを除去する工程、インク供給口部に残ったエッチングストップ層の酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜またはその混合物を除去する工程を少なくとも含むインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、前記基板表面の供給口の形状の薄膜パターン(エッチング犠牲層)が異種の材料の層を三層積層したものであることを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法によって解決される。
(作用)
インク吐出圧発生用のヒーター配線を、高抵抗層と低抵抗層の三層構造にして、低抵抗配線の一部をエッチングして高抵抗部層を露出させることによりヒーター部を形成するプロセスを採用した場合のおいて、エッチング犠牲層を同様な三層構造とすることによって、インク吐出圧発生用のヒーター配線と同時に形成することが可能になり、工程の簡略化が達成される。
エッチング犠牲層を下層をヒーター、上層を配線として二層構成として形成すると、以下の実験に述べるようにエッチング能力が不足して、Si(110)ウエハに垂直のインク供給口をあけるのには適用できない。
以上述べたように本発明によれば、エッチング犠牲層を薄いヒーター層と配線層の二層構成にすることにより、犠牲層と配線を同一プロセスで形成することが可能になり、プロセスの大幅な簡略化が達成された。また、配線プロセスの信頼性も向上した。
[実験1]
以下に、本発明に関わる実験について述べる。図3は実験に用いたサンプルの断面構造を示したものである。5インチΦ、厚さ625μmのSi(110)ウエハ101の表面にAlCu膜(Al:Cu=99.5:0.5)1000Å、TaSiN膜(Ta:Si:N=43:42:15)を200〜1000Å、AlCu膜(Al:Cu=99.5:0.5)を2000Åを積層して堆積し平面図5のようにパターニングして犠牲層102とした。犠牲層の形状は狭角が70.5度の平行四辺形で、長辺がSi基板の(110)方位と平行になるようにした。大きさは幅160μm、長さ8mmとした。その上にプラズマCVDによるSiN膜を8000Å堆積してエッチングストップ層103とした。この時のSiN膜の成膜条件は、SiH4/NH3/N2=500/1500/6300sccm、圧力150mtorr、基板温度380℃、RF 1700Wであった。また基板の裏面には、熱酸化膜を平面図6のようにパターニングした異方性エッチング用パターンが形成してある。これは、表面の犠牲層とは鏡像関係になっている。裏面の酸化膜の開口部には、平行四辺形の狭角近傍に基板を非貫通のエッチング先導孔105が加工されている。基板表面には耐アルカリ性のレジスト(OBC 東京応化製)106が塗布してある。
犠牲層の中間層のTaSiN膜の膜厚を200〜2000Åまで変化させた複数のサンプルを、テトラ・メチル・アンモニウム・ハイドライド(TMAH)に浸漬して、裏面よりシリコンを異方性エッチングした。エッチング条件は、TMAH/H2O=21%、液温度83℃、エッチング時間は7時間であった。
TaSiN膜の膜厚が200〜1000Åの範囲では、図4のようにシリコンに開いた穴は犠牲層に到達し、犠牲層をエッチングしてエッチングストップ層で止まり、犠牲層残りは観察されなかった。TaSiN膜の厚さが1000Å以上の時、犠牲層残りが発生した。
[実験2]
比較実験として、犠牲層を図9のように下層にTaSiN膜の膜厚を500Å、上層のAlCu層を2000Åの二層構造とし、他は実験1と同様の構成でサンプルを形成して同様に異方性エッチングした。すると、図11のように犠牲層の狭角近傍に狭角から150〜250μmにわたって犠牲層残りが発生した。
[実験3]
実験1と同様の構成で、中間層のTaSiN膜の膜厚を500Å、上層のAlCu層を2000Åに固定して、下層のAlCuの膜厚を200〜8000Åまで変化させたサンプルを作成して、同様に異方性エッチングした。AlCuの膜厚が300Å以上では犠牲層が全てエッチングされたが、それ以下では一部でエッチングされない犠牲層が残った。また、犠牲層が7000Å以上では、一部のサンプルにエッチング後にエッチングストップ層の亀裂が観察された。
[実験4]
比較実験として、図8に示したように、犠牲層を一層として他の構成は実験1と同様のサンプルを作製して異方性エッチングを行った。この時AlCuの犠牲層の厚みが薄いと図11のように、犠牲層パターンの狭角近傍にエッチング残りが発生してしまった。図12は、犠牲層の厚さと、犠牲層残りの部分の狭角からの長さXの関係を示したものである。犠牲層の厚さが400Å以下になると、犠牲層残りが急激に増加していることが判る。
[実施態様例]
図1は本発明による実施態様例を示すインクジェット記録ヘッドの製造工程途中のヒーターボード基板の模式図である。基板としては(110)のSiウエハ201が用いられる。ウエハの表面に配線層203/ヒーター層204/配線層205を三層積層して堆積しパターニングして犠牲層207とした。犠牲層の平面形状は、狭角が70.5度の平行四辺形とする。また、犠牲層のヒーター層の膜厚は一般には800Å以下、好ましくは700Å、最適には600Å以下である。一方、犠牲層の下層の配線層の膜厚は一般には300〜7000、好ましくは400〜6000Å、最適には500〜5000Åである。
その上にスパッター、蒸着やプラズマCVDによって薄膜を堆積してエッチングストップ層304とした。このエッチンッグストップ層の膜厚は、一般には1000〜20000Å、好ましくは2000〜16000Å、最適には3000〜13000Åである。
犠牲層に隣接して、ヒーター層と配線層が積層されたパターンが配置されている。このパターの一部で配線層をエッチングしてヒーター部208を形成している。
また基板の裏面には、耐アルカリ性の膜をパターニングしてインク供給口開口部211が形成してあり、ここから異方性エッチングにより、表面の犠牲層へ向かって貫通口を開けインク供給口を形成する。
次に、本発明によるインクジェット記録ノズルのプロセスを図7を使って順を追って説明する。
(1)基板面方位(110)のシリコン基板301に、例えば熱酸化やCVD法などで絶縁膜302を形成し、フォトリソ技術によって図10のようにインク供給口を設けるための所望のパターン303を形成する。
(2)配線材に適したAlやCu等の抵抗が低く、TMAH(テトラ・メチル・アンモニウム・ハイドライド)等の異方性エッチング用エッチャントに対するエッチング速度が大きな金属を堆積し、パターニングして、配線304と犠牲層305を形成する。エッチング犠牲層は、裏面からエッチングが進行してエッチャントが犠牲層に到達するとSiウエハよりエッチングレートが格段に速いので短時間にエッチングされ、犠牲層パターンに対応した開口部を開けることができるものである。この時のパターンは基板に対して垂直にエッチング穴があくように、図5のように狭角が70.5度をなす平行四辺形とし、平行四辺形の長辺および短辺は(111)と等価の面に平行になるように配置する。ヒーター部が形成される位置の配線材料は、306のようにあらかじめエッチングして取り除いておく。
(3)抵抗の高いヒーター材307と配線用308の低抵抗材料を連続して堆積し、上層の配線材も一部エッチングして取り除きヒーター部309形成する。
(4)基板表面上にエッチングストップ層310として、プラズマCVD法によって、SiNまたはSiON膜を堆積する。エッチングストップ層は、膜応力を調整するために2種以上の膜を積層しても良い。
積層されたエッチングストップ膜のトータルの膜厚は、一般には2000Å〜2μm、好ましくは3000〜15000Å、最適には4000〜13000Åである。また積層されたエッチングストップ膜のトータルの応力は、一般には2×10exp−9dyne/cm2以下、より好ましくは1.8×10exp−9dyne/cm2以下、最適には1.5×10exp−9dyne/cm2以下である。
(5)ヒーターには耐久性の向上を目的としてプラズマCVDでSiN膜311を堆積し保護膜とする。
(6)この上に、耐キャビテーション膜312としてスパッター等でTaを堆積しパターニングする。この膜の膜厚は、好ましくは1000〜5000Å、さらに好ましくは2000〜4000Å、最適には2500〜3500Åである。
(7)樹脂製のノズルの密着性を上げるためと、裏面をアルカリ性エッチャントから保護するために、耐食性の高い樹脂膜313を形成する。そして、ヒーター部とインク供給口部をパターニングする。
(8)インク流路確保のために、強アルカリや有機溶剤等で溶解可能な樹脂でパターン314を形成する。このパターンは、印刷法や感光性樹脂によるパターニング等で形成する。
(9)インク流路のパターンの上に、ノズル形成のための被覆樹脂層315を形成する。この被覆樹脂層は微細パターンを形成するので感光性レジストが望ましく、さらに流路を形成した樹脂層を除去する際のアルカリや溶剤等によって変形変質しない性質が必要である。
(10)次に流路の被覆樹脂層をパターニングして、ヒーター部309に対応したインク吐出口316と電極の外部接続部を形成する。この後、被覆樹脂層を光や熱等によって硬化する。
(11)この基板のノズル形成面側を保護するためレジストで保護膜317を形成する。
(12)裏面のSiNまたはSiO2などをフォトリソ技術を使って、裏面のインク供給口のパターン部分318を除去しウエハ面を露出させる。裏面のエッチングマスク膜の製法は、プラズマCVDに限定されるものではなく、LPCVD法や常圧CVD、熱酸化法などでも良い。
(13)次に裏面の平行四辺形の狭角の近傍部分(裏面の平面図6参照)に、エッチング先導孔319をあける。一般的には、レーザー加工などが用いられるが、放電加工、ブラスト等でも良い。
この先導孔は、エッチングストップ層に限りなく近くまであける。先導孔の深さは、一般には基板厚さの60%以上、好ましくは70%以上、最適には80%以上である。また、基板を貫通してはならない。この先導孔によって、平行四辺形の狭角から発生する斜めの(111)面が抑制される。
(15)この基板をアルカリ系エッチャント(KOH、TMAH、ヒドラジン等)に浸け、(111)面が出るように異方性エッチングすると、貫通穴が形成される。
(16)エッチングストップ層のSiN等の膜をフッ酸等の薬液または、ドライエッチ等で部分的に除去してインク供給口を開口する。最後にインク流路形成材を除去し、インクの流路320を確保する。
上記プロセスにおいて、基板の加工手順は特に限定されるものではなく、任意に選ぶことができる。
以下に、本発明によるインクジェット記録ヘッドの基板の実施例について説明する。
図1は本発明による実施態様例を示すインクジェット記録ヘッドの製造工程途中のヒーターボード基板の模式図である。基板として5インチΦSi(110)ウエハ201を用いた。
パターニングされた酸化膜202の上に、下層にAuCu(Al:Cu=99.5:0.5)を1000Å、TaSiN膜(Ta:Si:N=43:42:15)を400Å、上層にAlCu膜(Al:Cu=99.5:0.5)を1000Åを積層して堆積しパターニングして犠牲層206と配線層203〜205を形成した。犠牲層の平面形状は図5のように、狭角が70.5度の平行四辺形とした。犠牲層の幅は150μm、長さは10mmとした。
その上にSiN膜を8000Å堆積してエッチングストップ層207とした。
また基板の裏面には、酸化膜5000Åの上に耐アルカリ性の膜(HIMAL日立化成製)210を犠牲層と鏡像になるようにパターニングしてエッチングパターン211を形成した。
ここから異方性エッチングにより、表面の犠牲層へ向かって貫通口を開けインク供給口を形成する。
テスターを用いて、このインクジェット記録ヘッドの配線のオープンショートチェックを行ったところ、欠陥率は0.01%であった。
(比較例)
他の部分は実施例1と同様で、図10のように下層のTaSiN膜(Ta:Si:N=43:42:15)を400Å、上層にAlCu膜(Al:Cu=99.5:0.5)を2000Åを積層して堆積しパターニングし配線およびヒーターを形成した基板を作製した。この基板をテスターを用いて、配線のオープンショートチェックを行ったところ、欠陥率は0.05%であった。
このことから、AlCuを二層用いた三層配線の方が、二層配線よりも信頼性が高いことが判った。
本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法について、図7を使って順を追って説明する。
図7(1)のように、厚さ630μmで5インチΦの(110)面のSiウエハ301を熱酸化して、SiO2層302を12000Å形成した。次に、SiO2をパターニングして供給口開口部303を形成した。スパッターでAlCu膜(Al:Cu=99.5:0.5)を1200Å堆積した。フォトリソ技術によって図7(2)のようにパターニングして犠牲層305と電極配線304を形成した。ヒーター部が形成される位置の配線材料は、306のようにあらかじめエッチングして取り除いた。犠牲層の幅は140μm、長辺方向は15mmとした。
次に、中間層にTaSiN307を400Å、上層にAlCu308を1000Å連続堆積し、インク供給口に合わせて、上層の配線材を一部エッチングして取り除き下層のTaSiNを露出させヒーター部309形成した。(平面図2参照)ヒーター部の大きさは24X24μmとした。配線は図2のように平面上で折り返し、個別信号供給線と下流のグラウンド電源部を同一配線で形成した。
エッチングストップ層として、図7(4)のようにプラズマCVDでSiN膜310を8000Å堆積した。この時のSiN膜の成膜条件は、SiH4/NH3/N2=500/1500/6300sccm、圧力150mtorr、基板温度380℃、RF 1700Wであった。
ヒーターには耐久性の向上を目的としてプラズマCVDでSiN膜311を堆積し保護膜とした。この時のSiN膜の成膜条件は、SiH4/NH3=500/2000sccm、圧力150mtorr、基板温度360℃、RF 1700Wであった。
この上に、耐キャビテーション膜312としてスパッターでTaを2300Å堆積しパターニングした。
樹脂製のノズルの密着性を上げるためと、裏面をアルカリ性エッチャントから保護するために、耐アルカリ性の膜(HIMAL日立化成製)313を形成する。そして、ヒーター部パターニングする。
感光性樹脂としてポリメチルイソプロペニルケトン(東京応化ODUR−1010)を20μm塗布してパターニングして、図7(8)のようにインク流路型材314を形成した。さらに表1に示した感光性樹脂層315を12μm塗布しパタ−ニングして、図7(10)のようにインク吐出口316を形成した。
ノズル形成面側を保護するために、ゴム系レジスト(東京応化製 OBC)で保護膜317を形成した。ノズルの裏面側のHIMAL膜とSiO2をパターニングして、裏面インク供給口318を形成した。このパターンは、表面の犠牲層と鏡像関係の平行四辺形とした。
次に裏面のインク供給口パターン部の平行四辺形の窓の狭角に隣接した部分に、図7(12)のようにYAGレーザーの2倍高調波で非貫通のエッチング先導孔319を開けた。この時の穴の径は25〜30μm、深さは500〜580μmであった。
この基板を21%のTMAH水溶液に浸漬して異方性エッチングした。エッチャント温度は83℃、エッチング時間は7時間20分とした。これは基板の厚み630μmをジャストエッチする時間に対して10%のオーバーエッチ時間とした。
エッチングは図7(13)のようにAlCuの犠牲層まで進み、エッチングストップ層の前で止まっている。この時、エッチングストップ層に亀裂はなく、流路形成樹脂層やノズル部へのエッチング液の浸入は見られなかった。
次に、図7(14)のようにエッチングストップ層のSiNをCDE法によって除去した。エッチング条件は、CF4/O2=300/250sccm、RF800W、圧力250mtorrであった。
図7(15)のように、乳酸メチル中で超音波を掛け流路形成樹脂を除去して、インク流路320を形成した。最後に、メチルイソブチルケトンに浸漬後、キシレン中で超音波を掛け保護膜を除去してインクジェット記録ヘッドが完成した。
このインクジェット記録ヘッドを使って、吐出周波数14KHzで印字テストを行ったが、15mm幅全域にわたって、印字のカスレ、濃度ムラ、インクの不吐出のない高品位な印字物が得られた。
Figure 2006224591
本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程途中の基板断面を示す概略図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程途中の基板平面を示す概略図。 本発明に至る実験に用いた基板の断面概略図。 本発明に至る実験に用いた基板の実験経過を示す概略図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドのベース基板の上面を示す概略。 本発明によるインクジェット記録ヘッドのベース基板の裏面を示す概略。 本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造工程フローを示す図。 本発明に至る実験に用いた基板の断面概略図。 本発明に至る実験に用いた基板の断面概略図。 比較例のインクジェット記録ヘッドの製造工程途中の基板断面。 本発明に至る実験に用いた基板の犠牲層残りを示す概略図。 本発明に至る実験の結果を示す図。
符号の説明
101 Si基板
102 犠牲層
103 エッチングストップ層
104 インク供給口開口部
105 エッチング先導孔
106 耐アルカリ性レジスト
201 Si基板
202 酸化膜
203 下層配線層
204 ヒーター層
205 上層配線層
206 犠牲層
207 エッチングストップ層
208 ヒーター
209 酸化膜
210 耐アルカリ性樹脂膜
301 シリコンウエハ基板
302 絶縁膜
303 インク供給口パターン
304 下層配線
305 犠牲層
306 ヒーター形成部
307 ヒーター材
308 上層配線
309 ヒーター
310 エッチングストップ層
311 ヒーター保護膜
312 耐キャビテーション膜
313 耐アルカリ性樹脂膜
314 インク流路形成材
315 ノズル形成材
316 吐出口
317 異方性エッチング用保護膜
318 裏面供給口
319 レーザー加工エッチング先導孔
320 インク流路

Claims (8)

  1. シリコン基板上に畜熱層として酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜などの絶縁膜を形成する工程、前記膜上にインク吐出圧発生素子を形成する工程、前記シリコン基板表面にエッチング液に侵されやすい材料で薄膜を堆積しインク供給口の形状にパターン(エッチング犠牲層)を形成する工程、前記供給口の形状のパターン上に酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜またはその混合物のエッチングストップ層を形成する工程、前記酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜が形成された裏面に開口部を設け、異方性エッチングによりインク供給口となる部分のシリコンを除去する工程、インク供給口部に残ったエッチングストップ層の酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜またはその混合物を除去する工程を少なくとも含むインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、前記基板表面の供給口の形状の薄膜パターン(エッチング犠牲層)が異種の材料の層を三層積層したものであることを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  2. 前記エッチング犠牲層は、最下層が配線材で中間層がヒーター材で上層が配線材であることを特徴とする請求項第一項記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  3. 前記エッチング犠牲層は、最下層がAlまたはAlを含む合金、中間層がTa、Si,Nの内、少なくとも二種を含む合金層で、上層がAlまたはAlを含む合金であることを特徴とする請求項第一項記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  4. 前記エッチング犠牲層の最下層は、AlとCuを含む合金であることを特徴とする請求項第一項記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  5. 前記エッチング犠牲層の最下層は、AlとSiを含む合金であることを特徴とする請求項第一項記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  6. 前記エッチング犠牲層の最下層の配線層は400Å以上の厚さであることを特徴とする請求項第一項記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  7. 前記エッチング犠牲層の中間層のヒーター層は1000Å以下の厚さであることを特徴とする請求項第一項記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  8. 前記異方性エッチングに用いるエッチング液はテトラ・メチル・アンモニウム・ハイドライド(TMAH)であることを特徴とする請求項第一項記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
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