JP2006222306A - 電界効果型有機トランジスタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第一の基板1上にソース電極2、ドレイン電極3および有機半導体層4を形成する工程、前記有機半導体層4上に第二の基板5を形成した後、有機半導体層4から前記第一の基板1を剥離する工程、前記有機半導体層4の剥離面にゲート絶縁層6及びゲート電極7を形成する工程を有する電界効果型有機トランジスタの製造方法。
【選択図】 図1
Description
前記第一の基板の表面エネルギー密度が前記有機半導体層の表面エネルギー密度より小さいのが好ましい。形成された有機半導体膜が剥がれやすい事を利用することができ、第一の基板の相互作用の影響が少ないため有機半導体の分子同士の相互作用で、より秩序性が向上する。
前記ゲート絶縁層の誘電率が4以上であるのが好ましい。一般的に誘電率の高いゲート絶縁層上に有機半導体薄膜を形成した場合には、良好な有機半導体薄膜が形成されないが、本発明のプロセスを用いる事によって、そういった高誘電率のゲート絶縁層を用いることが可能となる。
図1は、本発明の電界効果型有機トランジスタの製造方法の一実施態様を示す工程図である。
次に、第一の基板のソース電極2とドレイン電極3を形成した側に有機半導体層4を形成する(図1(b)参照)。このとき、有機半導体層4が良好な秩序構造を有することで、良好な秩序構造を保持した電界効果型有機トランジスタが可能となる。
本発明で用いられる第一の基板及び第二の基板、保護層、保護層兼第三の基板としては特に限定はされないが、例えばシリコン、ガラス、石英等の無機材料のほかアクリル系、ビニル系、エステル系、イミド系、ウレタン系、ジアゾ系、シンナモイル系等の高分子化合物、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン等の有機材料、有機無機ハイブリッド材料を用いることができる。また、これらの材料を2層以上積層させて用いることもでき、絶縁耐圧を上げる目的で効果がある。
これらの共役高分子化合物の重量平均分子量は特に限定はされないが、溶媒に対する可溶性、成膜性等を考慮すると5,000から500,000が好ましい。
実施例1
図1に本実施例の電界効果型有機トランジスタの製造工程を示す。
閾値の変動=0.1V
図2に本実施例の電界効果型有機トランジスタの製造工程を示す。
シリコン基板9上にインクジェット法によりチャネル長100μm、チャネル幅100mmの金(50nm)のソース電極10、ドレイン電極11を作製した。その後、シリコン基板9をオクタデシトリクロロシランのクロロホルム溶液(0.06mol/l)に2時間浸し取り出した。ソース電極10、ドレイン電極11を形成した側のシリコン基板9上に高分子半導体材料のポリ−3−ヘキシルチオフェンのクロロホルム溶液(0.023g/ml)をインクジェット法により塗布し、有機半導体層12を形成した。その後、有機半導体層12上にガラス基板13を張り合わせ、200℃で2時間乾燥した。乾燥後、シリコン基板9を剥離した。
移動度μ=8.5×10-2cm2 /Vs
閾値の変動=0.3V
図1に本実施例の電界効果型有機トランジスタの製造工程を示す。
シリコン基板1上にリフトオフ法によりチャネル長100μm、チャネル幅100mmの金(50nm)のソース電極2、ドレイン電極3を作製した。その後、シリコン基板1をオクタデシトリクロロシランのクロロホルム溶液(0.06mol/l)に2時間浸し取り出した。ソース電極2、ドレイン電極3を形成した側のシリコン基板1上にペンタセンを真空蒸着法により成膜し、有機半導体層4を形成した。その後、有機半導体層4上にポリイミド5を張り合わせ、シリコン基板1のみを剥離した。その有機半導体層4の剥離面をAFMで観測した結果、表面粗さRa=0.23nmであった。
移動度μ=6.8×10-1cm2 /Vs
閾値の変動=0.2V
図1に本実施例の電界効果型有機トランジスタの製造工程を示す。
シリコン基板1上にリフトオフ法によりチャネル長50μm、チャネル幅50mmの金(50nm)のソース電極2とドレイン電極3を作製した。その後、ソース電極2、ドレイン電極3を形成した側のシリコン基板1上にヘキサメチルジシラザンをスピンコート法により塗布し、200℃で10分乾燥した。ソース電極2、ドレイン電極3を形成した側のシリコン基板1上にポリ−3−ブチルチオフェンのクロロホルム溶液(0.023g/ml)をスピンコート法により塗布し、有機半導体層4を形成した。その後、有機半導体層4上にガラス基板5を張り合わせ、200℃で2時間乾燥した。乾燥後、シリコン基板1を剥離した。このとき有機半導体層4についてX線回折評価を行った結果、2θ=6.85°、13.7°、23.3°付近に顕著なピークがあることを確認した。これは秩序構造を有することを示唆している。
移動度μ=1.1×10-1cm2 /Vs
閾値の変動=0.2V
図2に本実施例の電界効果型有機トランジスタの製造工程を示す。
シリコン基板9上にリフトオフ法によりチャネル長50μm、チャネル幅50mmの金(50nm)のソース電極10とドレイン電極11を作製した。シリコン基板9をオクタデシトリクロロシランのクロロホルム溶液(0.06mol/l)に2時間浸し取り出した。ソース電極10、ドレイン電極11を形成した側のシリコン基板9上にゼクシチオフェンを真空蒸着法により成膜し、有機半導体層12を形成した。その後、有機半導体層12上にガラス基板13を張り合わせ、200℃で2時間乾燥した。乾燥後、シリコン基板9を剥離した。
移動度μ=4.7×10-1cm2 /Vs
閾値の変動=0.3V
基板兼ゲート電極として用いるためにn型に高ドープされたシリコン基板表面に、ゲート絶縁層としてポリフッ化ビニリデン(誘電率ε=8.2)をスピンコート法により形成した。その後ゲート絶縁層上にチャネル長50μm、チャネル幅50mmの金(50nm)ソース電極とドレイン電極をマスクを用いて真空蒸着法により作製した。その後ゼクシチオフェンを真空蒸着法により成膜し、有機半導体層を形成した。ゲート電極、ドレイン電極、ソース電極の各電極に0.1mmφの金線を銀ペーストで配線し、電界効果型有機トランジスタ素子を作製した。
移動度μ=5.8×10-3cm2 /Vs
閾値の変動=3V
以上、実施例5と比較例1から明らかなように本発明の製造方法で得られる電界効果型有機トランジスタが高い移動度及び少ない閾値の変動を有していることが分かる。
2,10 ソース電極
3,11 ドレイン電極
4,12 有機半導体層
5,13 第二の基板
6,14 ゲート絶縁層
7 ゲート電極
8 保護層または保護層兼第三の基板
15 ゲート電極兼第三の基板
Claims (6)
- 第一の基板上にソース電極、ドレイン電極および有機半導体層を形成する工程、前記有機半導体層上に第二の基板を形成した後、有機半導体層から前記第一の基板を剥離する工程、前記有機半導体層の剥離面にゲート絶縁層及びゲート電極を形成する工程を有することを特徴とする電界効果型有機トランジスタの製造方法。
- 前記第一の基板の表面エネルギー密度が前記有機半導体層の表面エネルギー密度より小さい請求項1記載の製造方法。
- 前記第一の基板の表面粗さRaが10nm以下である請求項1または2記載の製造方法。
- 前記有機半導体層が秩序構造を有している請求項1乃至3のいずれかの項に記載の製造方法。
- 前記ゲート絶縁層の誘電率が4以上である請求項1乃至4のいずれかの項に記載の製造方法。
- 前記有機半導体層が高分子化合物からなる請求項1乃至5のいずれかの項に記載の製造方法。
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