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JP2006220183A - 静油圧式無段変速機の潤滑構造 - Google Patents

静油圧式無段変速機の潤滑構造 Download PDF

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JP2006220183A
JP2006220183A JP2005032127A JP2005032127A JP2006220183A JP 2006220183 A JP2006220183 A JP 2006220183A JP 2005032127 A JP2005032127 A JP 2005032127A JP 2005032127 A JP2005032127 A JP 2005032127A JP 2006220183 A JP2006220183 A JP 2006220183A
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oil passage
pump
oil
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motor
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JP2005032127A
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Yoshihiro Yoshida
圭宏 吉田
Toshimasa Mitsubori
敏正 三堀
Kenji Sakakibara
健二 榊原
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Priority to US11/347,199 priority patent/US7481298B2/en
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Abstract

【課題】動力源により回転するケーシング内の油圧ポンプと油圧モータとの間に、上記油圧ポンプから上記油圧モータ側に作動油を送る高圧油路と、上記油圧モータ側から上記油圧ポンプ側に作動油を送る低圧油路とからなる油圧回路を、変速機軸に一体のシリンダ内に構成すると共に、変速機軸内に設けたクラッチ弁を摺動して上記高圧油路と上記低圧油路とを短絡させて動力の伝達を切換える静油圧式無段変速機の潤滑構造において、能率よく製作でき、かつ潤滑油噴射孔の設定自由度の高い潤滑油噴射油路の構造を提供する。
【解決手段】上記クラッチ弁の外周側に設けた油路と、上記クラッチ弁の外周側油路に連通し上記変速機軸の外周へ向けて変速機軸に穿設された潤滑油噴出孔と、潤滑油供給源に連なるオイル供給油路と上記クラッチ弁の外周側油路とを連通するよう変速機軸に穿設された連通油路とから構成し、上記連通油路内にオリフィスを設けた。
【選択図】 図11

Description

本発明は静油圧式無段変速機の潤滑構造に関するものであり、特に、変速機軸から静油圧式無段変速機内の斜板等の回転摺動部へ潤滑油を噴射するための油路の構造に関するものである。
従来の静油圧式無段変速機においては、斜板等の回転摺動部へ変速機軸から潤滑油を噴射するためには、変速機軸の中心に軸方向に形成された変速機軸中心油路から変速機軸の外周に向かう径方向の潤滑油噴射孔が複数個設けられていた(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。潤滑油噴射孔は比較的細径の孔である。上記のように、変速機軸の厚肉部に細径の孔を複数個設けることは、生産性が低下するためにあまり細径にすることができず、必要量以上の給油を行っていた。また、細径の孔の加工ができたとしても、適当な場所へ給油しようとすると、孔数を増やさなくてはならず、オイルポンプの容量アップに繋がり好ましくなかった。
特開2002−54734号公報(図2)、 特開平9−100909号公報(図2符号77)。
本発明は、能率よく製作でき、かつ潤滑油噴射孔の設定自由度の高い潤滑油噴射油路の構造を提供しようとするものである。
本発明は上記課題を解決したものであって、請求項1に記載の発明は、動力源により回転するケーシング内の油圧ポンプと油圧モータとの間に、上記油圧ポンプから上記油圧モータ側に作動油を送る高圧油路と、上記油圧モータ側から上記油圧ポンプ側に作動油を送る低圧油路とからなる油圧回路を、変速機軸に一体のシリンダ内に構成すると共に、変速機軸内に設けたクラッチ弁を摺動して上記高圧油路と上記低圧油路とを短絡させて動力の伝達を切換える静油圧式無段変速機の潤滑構造において、上記クラッチ弁の外周側に設けた油路と、上記クラッチ弁の外周側油路に連通し上記変速機軸の外周へ向けて変速機軸に穿設された潤滑油噴出孔と、潤滑油供給源に連なるオイル供給油路と上記クラッチ弁の外周側油路とを連通するよう変速機軸に穿設された連通油路とから構成し、上記連通油路内にオリフィスを設けたことを特徴とする静油圧式無段変速機の潤滑構造に関するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の静油圧式無段変速機の潤滑構造において、上記クラッチ弁の外周側油路は環状を呈し、上記オリフィスを備えた連通油路は1箇所設けてあり、上記潤滑油噴射孔は複数個設けてあることを特徴とするものである。
請求項1の発明において、連通油路に設けたオリフィスは潤滑油の流出量のコントロールのためのものであり、工作の容易な比較的大径の連通油路の一部だけを細径のオリフィスとしているので、これによって、潤滑油噴出量のコントロールが可能である。オリフィスで油量コントロールされる油路の先に潤滑油噴射孔を設けるので、大径の噴射孔も可能で、また、孔の角度、方向、個数等の設定に自由度が生じ、斜板等の潤滑性が向上する。大径の噴射孔からは、潤滑油は、変速機軸の回転による遠心力によって変速機内に撒布される。従来のような細径の潤滑油噴射孔を設けることに比して比較的大径の噴射孔の穿設は工作が容易である。
請求項2の発明において、供給油量を調整するオリフィスを1箇所としたので、個別の潤滑油噴射孔にオリフィスを設ける場合に比して、オリフィス径を大きくでき、加工性、油量のコントロール性が向上する。潤滑油噴射孔は環状の周方向油路に連通させて設けることができるので、容易に複数個の噴射孔を設けることができる。
図1は本発明の一実施形態に係るパワーユニット2を備えた自動二輪車1の側面図である。この自動二輪車1には、ヘッドパイプ3に連なり後下方へ傾斜する一対のメインフレーム4と、ヘッドパイプ3の下部から下方へ下がり、後方へ湾曲し、その先端部が上記メインフレーム4の後端部に接続される一対のサブフレーム5が設けてある。
上記メインフレーム4とサブフレーム5とが形成する側面視がほぼ三角形の空間に、内燃機関6と変速機7とを一体化したパワーユニット2が搭載されている。ヘッドパイプ3にはフロントフォーク8が回動可能に支持され、その上端には操縦用ハンドル9が装着され、下端には前輪10が軸支されている。メインフレーム4の後部には、一対のリヤフォーク11がその前端を枢支され、上下方向に揺動可能になっている。リヤフォーク11の中央部とメインフレーム4の後端部との間にリヤクッション(図示なし)が装着されている。リヤフォーク11の後端には後輪12が軸支されている。
上記内燃機関6は、水冷式V型2気筒内燃機関であり、気筒は前後方向にV型に開いている。上記内燃機関6のクランク軸は車両進行方向に直交し、車両の左右方向に向けて配置されている。変速機7の変速機軸は上記クランク軸と平行である。後輪駆動軸(図示なし)は、変速機の出力軸に直交する連絡軸85(図2)に接続されて、車両の後方へ伸び、後輪12の回転軸に達して、後輪12を駆動する。
上記2個の気筒の車両前後方向に設けられている排気ポートに連なる排気管13は、内燃機関6の前方へ伸び、変速機7の下方を回って車体後部に至り、排気消音器14に接続されている。車体フレーム4の上部には、燃料タンク17が装着され、その後方にシート18が装備されている。この内燃機関6は水冷式であり、シリンダやオイルを冷却する過程で昇温した冷却水は、サブフレーム5の前面に取りつけられたラジエータ19で冷却される。
図2は、上記自動二輪車に搭載されるパワーユニット2の左面図である。矢印Fは車両搭載時の前方を指している。前側気筒24Fと後側気筒24Rとは同じ内部構造であるから、後側気筒24Rのみ断面を示してある。また、クランクケース部分は、左クランクケースカバーを取り外した状態を示し、内部の主な回転軸や歯車やスプロケットの位置を示してある。
図3は図2のIII−III断面展開図である。この図は後側気筒24Rとクランク軸30と静油圧式無段変速機Tの変速機軸100とを含む断面を展開した図である。上記後側気筒24Rは左側クランクピン31に連なるピストン33を保持する気筒である。
図2、図3において、パワーユニット2の主な外殻は、左クランクケース20Lと右クランクケース20Rとからなるクランクケース20、左クランクケースカバー21L、右クランクケースカバー21R、および前側気筒24Fと後側気筒24Rとのそれぞれに設けられたシリンダブロック25、シリンダヘッド26、およびシリンダヘッドカバー27からなっている。以下に述べる気筒部分の説明は後側気筒24Rに基づいて行う。
図3において、左右のクランクケース20L、20Rに保持された左側軸受28と右側軸受29によって、クランク軸30が回転可能に支持されている。クランク軸30の左側クランクピン31に、コンロッド32とピストン33が連なり、ピストン33はシリンダブロック25のシリンダ穴34に摺動可能に保持されている。シリンダヘッド26の上記ピストン33に対向する部分に燃焼室35が形成され、シリンダヘッド26の壁体を貫通して、先端が上記燃焼室35に臨み、後端が外部に露出する点火プラグ36が設けてある。
図2において、燃焼室35には排気ポート40と吸気ポート41とが連なっている。排気ポート40は、前側気筒24Fでは前方へ、後側気筒24Rでは後方へ向けて延びている。吸気ポート41は、何れの気筒でも両気筒の間の空間で上方へ延びている。排気ポート40には排気弁42、吸気ポート41には吸気弁43が設けてある。また、シリンダヘッドカバー27の中には、カム軸44が設けられ、カム軸44の上方に排気ロッカーアーム軸45、吸気ロッカーアーム軸46が設けられ、これらのアーム軸に設けられた排気ロッカーアーム47、吸気ロッカーアーム48は、上記カム軸44のカム44a、44bに駆動されて、上記排気弁42、吸気弁43のステム頂部を押して各弁を開閉駆動する。図3において、カム軸44は、その端部に設けられたカム軸従動スプロケット49とクランク軸30に設けられたカム軸駆動スプロケット50とに掛け回されたカム軸駆動チェーン51によって駆動される。
図2において、クランクケース20の下部には、低圧オイルポンプと高圧オイルポンプとをオイルポンプ軸91を介して一体化したオイルポンプ集合体90が設けてある。低圧オイルポンプは内燃機関6に向けて、高圧オイルポンプは静油圧式無段変速機Tに向けてオイルを送る。オイルポンプ集合体はオイルパン92内のオイルを下部のオイルストレーナ93を経由して吸入する。オイルポンプ軸91に嵌装されたオイルポンプ軸従動スプロケット94と、クランク軸30に設けられたオイルポンプ軸駆動スプロケット95とに掛け回されたオイルポンプ駆動チェーン96によって、オイルポンプ集合体90は内燃機関6によって駆動される。クランクケースの後部にオイルクーラ97と低圧用オイルフィルタ98が見える。高圧用オイルフィルタはクランクケースの右側に設けてあるので、図示されていない。
図3において、クランク軸30の左端部に設けてあるクランク軸出力歯車37は、隣接するカム式トルクダンパ38との組合せによって機能する歯車で、静油圧式無段変速機Tの斜板プランジャ式油圧ポンプPのケーシング110に取り付けてある変速機入力歯車116に噛合っている。クランク軸出力歯車37とカム式トルクダンパ38は、クランク軸30にスプライン結合されたカラー60上に構成されている。クランク軸出力歯車37はカラー60上に回動自在に嵌装され、その側面に円弧状凹面を有する凹カム37aが形成されている。カラー60外周のスプラインにリフタ61が軸方向移動可能に嵌装され、同リフタ61の端面に円弧状凸面を有する凸カム61aが形成され、同凸カム61aは上記凹カム37aに噛み合っている。カラー60の端部にはスプリングホルダ62がスプラインとコッタによって固定されている。同スプリングホルダ62と上記リフタ61との間に皿ばね63が設けられ、上記凸カム61aを上記凹カム37aの方へ付勢している。
定常速度の運転の場合は、クランク軸30のトルクはカラー60、リフタ61、凸カム61a、凹カム37a、クランク軸出力歯車37の順に伝達され、クランク軸出力歯車37はクランク軸30と共に回転する。過大トルクがクランク軸30に入力されたときには、凸カム61aは、凹カム37aのカム面で周方向に滑ると共に、皿ばね63の付勢力に抗して軸方向へ移動し、過大トルクを吸収し、衝撃を緩和する。
上記クランク軸出力歯車37はバックラッシュ低減ギヤであり、中央部の厚い主ギヤ64と、上記主ギヤ64に対して同軸的回動可能に保持された薄い副ギヤ65と、同副ギヤ65を主ギヤ64に対して周方向に付勢する副ギヤ付勢コイルばね66とで構成してある。バックラッシュ低減ギヤが通常のギヤとが噛合ったとき、周方向に付勢され迫り出した副ギヤが、主ギヤと通常ギヤとの間に生じるバックラッシュ間隙を埋めるので、ガタが無くなり騒音が低減され静粛となる。本件の場合は、クランク軸出力歯車37と変速機入力歯車116との噛み合いが静粛となる。
図3において、クランク軸30の後方に静油圧式無段変速機Tが設けてある。静油圧式無段変速機Tは遠心式ガバナークラッチCと斜板式油圧ポンプPと斜板式油圧モータMとを変速機軸100を介して組み合せた装置である。変速機入力歯車116によって、斜板式油圧ポンプPのケーシング110の回転速度が所定速度以上に上がると、遠心式ガバナークラッチCの作用によって、静油圧式無段変速機Tが接続状態となり、変速が行われる。静油圧式無段変速機Tにおいては、斜板式油圧モータMの斜板の傾斜状態に応じた変速比で変速され、変速された回転力は、油圧ポンプP、油圧モータMと一体回転する変速機軸100から取り出される。斜板式油圧モータMの斜板の傾斜角は、モータサーボ機構によって変えられる。静油圧式無段変速機Tの構造・作用については後述する。
図4は図2のIV−IV断面図である。これは、変速機軸100から連絡軸85に至る動力伝達経路を示している。変速機軸100に平行に、ニュートラル状態とドライブ状態とを切換えるためのニュートラル・ドライブ切換用クラッチ75のニュートラル・ドライブ切換え軸76が右クランクケース20Rと右クランクケースカバー21Rにボールベアリングを介して回転可能に支持されている。上記ニュートラル・ドライブ切換え軸76に平行に、出力軸80が左クランクケース20Lと右クランクケース20Rとにボールベアリングを介して回転可能に支持されている。更に、上記出力軸80に直交して、連絡軸85が出力軸80の左端部の近くに設けられた連絡軸支持部84に回転可能に支持されている。連絡軸支持部84は、左クランクケース20Lの外側に取り付けられている(図2も参照)。
図4において、変速機軸100には歯車68が固定されている。ニュートラル・ドライブ切換え軸76には、歯車77が軸に対して回転可能に遊嵌されている。この歯車77は、変速機軸100に固定された変速機出力歯車68に噛合っている。歯車77に隣接して、係合歯78aを有する摺動部材78が、ニュートラル・ドライブ切換え軸76に軸方向摺動可能に遊嵌されている。上記ニュートラル・ドライブ切換え軸76と歯車77と摺動部材78とによって、変速機軸100から出力軸80へ向かう動力伝達を断続することのできるニュートラル・ドライブ切換用クラッチ75が構成されている。ニュートラル・ドライブ切換用クラッチ75は、摺動部材78の係合歯78aが歯車77から外れると、ニュートラル状態となり、摺動部材78を摺動させ、係合歯78aを歯車77の係合部に係合させると、動力伝達経路は接続され、ドライブ状態となる。
図4において、上記歯車77の、上記摺動部材78の反対側で歯車77に隣接して、ニュートラル・ドライブ切換え軸76に、歯車79が嵌着されている。出力軸80の右端に、ニュートラル・ドライブ切換え軸76の上記歯車79に噛合う歯車81が嵌着されている。出力軸80の他端に傘歯車82が一体的に形成されている。連絡軸85の前端に傘歯車86が一体に形成され、上記出力軸80の傘歯車82に噛み合っている。連絡軸85の後端にはスプライン85aが設けてあり、後輪駆動軸が接続できるようになっている。これらの軸および歯車によって、静油圧式無段変速機Tの回転出力が後輪駆動軸に伝達される。
図5は、静油圧式無段変速機Tの縦断面図である。静油圧式無段変速機Tは斜板プランジャ式油圧ポンプPと斜板プランジャ式油圧モータMと遠心式ガバナークラッチCとを備えて構成され、静油圧式無段変速機Tの出力軸となる変速機軸100がその中心を貫通して配設されている。変速機軸100は、左端が左クランクケースカバー21LにボールベアリングB1、B2によって、右端が右クランクケース20RにボールベアリングB3によって回転自在に支持されている。
油圧ポンプPは、変速機軸100と同軸かつ相対回転可能に配設されたポンプケーシング110と、ポンプケーシング110の内部においてポンプケーシングの回転軸に対して所定角度傾いて配設されたポンプ斜板111と、同ポンプ斜板111と対向して配設されたポンプシリンダ112と、ポンプシリンダ112内に中心軸を囲んで環状に配列されたポンププランジャ孔113内に摺動可能に配設された複数のポンププランジャ114とから構成される。ポンプケーシング110は、一端部が変速機軸100にベアリングB2によって、他端部がポンプシリンダ112にベアリングB4によって回転可能に支持されるとともに、左クランクケースカバー21Lに対してベアリングB1によって回転可能に支持されている。ポンプ斜板111は、ポンプケーシング110に対してベアリングB5、B6によって上記所定角度傾いて相対回転可能に配設されている。
ポンプケーシングの外周には、ボルト115によって締結された変速機入力歯車116が取り付けられている。また、ポンププランジャ114の外側端部は外方に突出してポンプ斜板111の斜板面111aに当接係合され、ポンププランジャ114の内側端部はポンププランジャ孔113内にポンプ油室113aを形成する。ポンププランジャ孔113の端部には吐出孔および吸入孔として作用するポンプ開口通路117が形成されている。変速機入力歯車116が回転駆動されるとポンプケーシング110が回転し、その内部に配設されたポンプ斜板111がポンプケーシング110の回転に伴って揺動し、ポンププランジャ114は斜板面111aの揺動に応じてポンププランジャ孔113内を往復移動し、ポンプ油室113a内の作動油を吐出したり吸入したりする。
図の中央部において、ポンプ偏心環状部材118がポンプケーシング110の右端部にボルト119によって取り付けてある。このポンプ偏心環状部材118の内周面118aは、ポンプケーシング110の回転軸に対して偏心した円筒状に形成されている。したがって、この内周面118aは変速機軸100およびポンプシリンダ112の中心線に対しても同様に偏心した円筒状となっている。
油圧モータMのケーシング130は、右クランクケース20Rに結合されて固定保持されている。モータケーシング130は、球面部材131と延長部材132とからなり、ボルト133で結合されている。球面部材131の内面には支持球面131aが形成されている。油圧モータMは、モータケーシング130と、上記支持球面131aに摺接して支持されたモータ揺動部材134と、モータ揺動部材134内にベアリングB7、B8により回転可能に支持されたモータ斜板135と、モータ斜板135と対向するモータシリンダ136と、モータシリンダ136においてその中心軸を囲んで環状に配列され軸方向に貫通する複数のモータプランジャ孔137内に摺動可能に配設されたモータプランジャ138とから構成される。モータシリンダ136はその外周部においてベアリングB9を介してモータケーシング130の延長部材132に回転自在に支持されている。モータ揺動部材134は、変速機軸100の中心線に対して直角方向(紙面に垂直な方向)に伸びる揺動中心Oを中心として揺動可能である。
モータプランジャ138の外側端部は外方に突出してモータ斜板135の斜板面135aに当接係合され、モータプランジャ138の内側端部はモータプランジャ孔137内にモータ油室137aを形成する。モータプランジャ孔137の端部には、モータの吐出口および吸入口として作用するモータ開口通路139が形成されている。モータ揺動部材134の端部が外径側に突出して形成されたアーム部134aは径方向外方に突出してモータサーボ機構Sに連結されており、モータサーボ機構Sによりアーム部134aが左右に移動する制御が行われ、モータ揺動部材134を揺動中心Oを中心として揺動させる制御が行われる。モータ揺動部材134が揺動すると、その内部に回転可能に支持されているモータ斜板135も一緒に揺動し、斜板角度が変化する。
図6は、静油圧式無段変速機Tの分配バルブ160付近の拡大縦断面図である。ポンプシリンダ112とモータシリンダ136との間に分配バルブ160が配設されている。分配バルブ160のバルブボディ161は、ポンプシリンダ112とモータシリンダ136との間に挟持され、ロー付けによりこれらのシリンダと一体結合されている。モータシリンダ136は変速機軸100にスプライン101によって結合されている。したがって、ポンプシリンダ112、分配バルブ160、モータシリンダ136は、変速機軸100と一体となって回転する。一体結合されたポンプシリンダ112、分配バルブ160のバルブボディ161、およびモータシリンダ136を出力回転体Rと呼ぶ。出力回転体Rを変速機軸に取り付ける構造について述べる。ポンプシリンダ左端位置に対応する変速機軸100の外周側に軸方向長さの短い大径部102が形成してある。ポンプシリンダ112の左端面がこの大径部102の端面に当接して、左方向の位置決めがなされる。
一方出力回転体Rの右側の位置決めは、モータシリンダ136に対向して変速機軸100に取り付けられた係止部材150によって行われる。係止部材150は、コッタ151、リテーナリング152、およびC形クリップ153から構成される。係止部材150取付けのために、変速機軸100には、外周のスプライン101を横切って、環状の第1係止溝103、および第2係止溝104が形成されている。第1係止溝103には図7に示される半円状に分割形成された一対のコッタ151が嵌め込んで取り付けられる。その上に図8に示されるリテーナリング152が取り付けられる。リテーナリング152の先端部152aがコッタ151の外周面を覆い、リテーナリング152の内向きフランジ152bがコッタの側面に当接する。さらに第2係止溝104に図9に示すC形クリップ153が取り付けられ、リテーナリング152の抜け止めがなされる。以上の結果、モータシリンダ136の右端面が係止部材150に当接して右方向の位置決めがなされる。
以上のように、出力回転体Rは周方向はスプライン101によって、左方向は大径部102によって、右方向は係止部材150によって変速機軸100に対して位置決めされて一体化され、変速機軸100と共に回転する。なお、リテーナリング152の内周環状溝152cと外周傾斜部152dを結ぶ潤滑油噴射ノズル152eが、全周に3個穿設してある。
図6において、分配バルブ160を構成するバルブボディ161内には、円周方向に等間隔で配置され径方向に延びる複数のポンプ側弁孔162と、同様のモータ側弁孔163とが、2列に並んで形成されている。ポンプ側弁孔162内にはポンプ側切替弁164が、モータ側弁孔163内にはモータ側切替弁165が、それぞれ摺動可能に配設されている。
ポンプ側弁孔162はポンププランジャ孔113に対応して形成されている。ポンププランジャ孔113の内側端部に形成されている各ポンプ開口通路117と、上記の各ポンプ側弁孔162とをそれぞれ連通する複数のポンプ側連通路166が、バルブボディ161に設けてある。モータ側弁孔163はモータプランジャ孔137に対応して形成されている。モータプランジャ孔137の内側端部に形成されている各モータ開口通路139と、上記の各モータ側弁孔163とをそれぞれ連通する複数のモータ側連通路167が、バルブボディ161に設けてある。
分配バルブ160において、ポンプ側切替弁164の外周端を囲む位置にポンプ側カムリング168が配設され、モータ側切替弁165の外周端を囲む位置にはモータ側カムリング169が配設されている。ポンプ側カムリング168はポンプケーシング110の先端にボルト119によって結合されたポンプ偏心環状部材118の内周面118aに取り付けられている(図5)。モータ側カムリング169はモータケーシング130の延長部材132の先端に摺接して位置するモータ偏心環状部材140の内周面140aに取り付けられている(図5)。ポンプ側カムリング168の内周面には、ポンプ側切替弁164の外側端がポンプ側規制リング170を介して摺動可能に係止され、モータ側カムリング169の内周面には、モータ側切替弁165の外側端がモータ側規制リング171を介して摺動可能に係止されている。ポンプ側、モータ側いずれにおいても、カムリングと規制リングとは相対回転可能となっている。
バルブボディ161の内周面と向き合う変速機軸100の外周面には、内側通路172として作用する環状凹部が削設されている。ポンプ側弁孔162およびモータ側弁孔163の内端がこの内側通路172に連通している。バルブボディ161内の外周の近くには、ポンプ側弁孔162とモータ側弁孔163とを連通する外側通路173が形成されている。
ここで、上記分配バルブ160の作動について述べる。内燃機関の駆動力が変速機入力歯車116に伝達されてポンプケーシング110が回転すると、この回転に応じてポンプ斜板111が揺動する。ポンプ斜板111の斜板面111aに当接係合されたポンププランジャ114は、ポンプ斜板111の揺動によって、ポンププランジャ孔113内を軸方向に往復移動する。ポンププランジャ113の内方移動時にポンプ油室113aからポンプ開口通路117を通って作動油が吐出され、外方移動時にポンプ開口通路117を通ってポンプ油室113a内に作動油が吸入される。
この時、ポンプケーシング110の端部に結合されたポンプ偏心環状部材118の内周面118aに取り付けられたポンプ側カムリング168はポンプケーシング110と共に回転する。ポンプ側カムリング168は、ポンプケーシング110の回転中心に対して偏心している。即ちバルブボディに対しても偏心して取り付けられているので、ポンプ側カムリング168の回転に応じてポンプ側切替弁164がポンプ側弁孔162内を径方向に往復移動する。
このように、ポンプ側切替弁164が往復移動し、バルブボディ161の中で径方向内方へ移動すると、ポンプ側切替弁164の小径部164aによってポンプ側連通路166が径方向外方へ開き、ポンプ開口通路117と外側通路173とが連通する。ポンプ側切替弁164がバルブボディ161の中で径方向外方へ移動するとポンプ側連通路166が径方向内方へ開き、ポンプ開口通路117と内側通路172とが連通する。
ポンプケーシング110の回転に伴ってポンプ斜板111が揺動し、ポンププランジャ114が最も外側に押し出された位置(下死点)と、最も内側に押し込まれた位置(上死点)との間で往復移動するのに対応して、ポンプ側カムリング168はポンプ側切替弁164を径方向に往復動させる。この結果、ポンプケーシング110の回転に伴ってポンププランジャ114が下死点から上死点に移動して、ポンプ油室113a内の作動油がポンプ開口通路117から吐出される。この時、ポンプ開口通路117は外側通路173に連通しているので、作動油は外側通路173に送出される。一方、ポンプケーシング110の回転に伴って、ポンププランジャ114が上死点から下死点に移動する時には、内側通路172内の作動油がポンプ開口通路117を通ってポンプ油室113a内に吸入される。即ち、ポンプケーシング110が回転駆動されると、変速機軸100を挟んで、一方の側のポンプ油室113aから吐出された作動油は外側通路173に供給され、変速機軸100の他方の側のポンプ油室113aへは内側通路172から作動油が吸入される。
一方、モータケーシング130の端部に摺接して位置しているモータ環状偏心部材140の内周面140aに取り付けられたモータ側カムリング169は、モータ偏心環状部材140が通常位置にあるときにはモータシリンダ136、出力回転体Rおよび変速機軸100の回転中心に対して偏心して位置しており、モータシリンダ136が回転すると、その回転に応じてモータ側切替弁165がモータ側弁孔163内を径方向に往復動する。
モータ側切替弁165がバルブボディ161の中で径方向内方へ移動すると、モータ側切替弁165の小径部165aによってモータ側連通路167が径方向外方へ開き、モータ開口通路139と外側通路173とが連通する。モータ側切替弁165がバルブボディ161の中で径方向外方へ移動するとモータ側連通路167が径方向内方へ開き、モータ開口通路139と内側通路172とが連通する。
油圧ポンプPから吐出された作動油は外側通路173に送られ、この作動油はモータ側連通路167、モータ開口通路139を通ってモータ油室137a内に供給され、モータプランジャ138は軸方向外方に押圧される。モータプランジャ138の外側端は、モータ斜板135が上死点から下死点へ移動する部分に摺接するように構成されており、この軸方向外方への押圧力により、モータプランジャ138は、上死点から下死点まで移る間に、モータ揺動部材134とベアリングB7、B8とが形成する傾斜面に沿って、モータ斜板135と共に移動する。この結果モータシリンダ136はモータプランジャ138に押されて回転駆動される。モータシリンダ136の回転に伴って、モータプランジャ138の往復動に対応して、モータ側カムリング169はモータ側切替弁165をバルブボディ161の径方向に往復動させる。
変速機軸100を中心として、上記とは反対側のモータシリンダ136は、モータ斜板135の回転と共に変速機軸100の周りを移動しつつ、下死点から上死点まで移動し、モータ油室137a内の作動油はモータ開口通路139から内側通路172に送られ、ポンプ側連通路166、ポンプ開口通路117を通ってポンプ油室113a内に吸収される。
以上のように、油圧ポンプPと油圧モータMとをつなぐ油圧閉回路が分配バルブ160によって構成され、油圧ポンプPの回転に応じて吐出された作動油が、油圧閉回路の一方(外側通路173)を介して油圧モータMに送られてこれを回転駆動し、さらに、油圧モータMの回転に伴って吐出された作動油は油圧閉回路の他方(内側通路172)を介して油圧ポンプPに戻される。
上記の静油圧式無段変速機Tにおいて、内燃機関6によって油圧ポンプPが駆動され、油圧モータMの回転駆動力が分配バルブ160および油圧モータMを介して変速され、変速機軸100から取り出され、車輪に伝達される。車両が走行する状態の時には、外側通路173が高圧側油路となり、内側通路172が低圧側油路となる。一方、降坂路走行等において、車輪の駆動力が変速機軸100から油圧モータMに伝達され、油圧ポンプPの回転駆動力が内燃機関6に伝達されてエンジンブレーキ作用が生じる状態の時には、内側通路172が高圧側油路となり、外側通路173が低圧側油路となる。
静油圧式無段変速機Tの変速比はモータ揺動部材134の傾斜角を変化させることによって無段階に変化させることができる。モータ揺動部材134の傾斜角を変え、モータ斜板の傾斜がゼロ、即ちモータ斜板が変速機軸に直交となった時、トップ変速比となり、ロックアップアクチュエータA(図5)の作用によって、偏心部材140の偏心量がゼロとなり、偏心部材140の中心はモータシリンダ136の中心と一致し、ポンプケーシング110、ポンプシリンダ112、モータシリンダ136、および変速機軸100は略一体回転して効率的な動力伝達がなされる。
図10は遠心式ガバナークラッチC付近の縦断面図である。静油圧式無段変速機Tにおいては、内側通路172と外側通路173とを連通させると、高油圧が発生しなくなり、油圧ポンプPと油圧モータMとの間の動力伝達が行われなくなる。すなわち、内側通路172と外側通路173との連通開度の制御を行うことによってクラッチ制御が行われる。
遠心式ガバナークラッチCはポンプケーシング110の端部にボルト180によって結合されたカムプレート部材181およびスプリングシート部材182と、カムプレート部材181の内面に径方向に斜めに延びて形成された複数のカムプレート溝181a内にそれぞれ受容されたローラ183と、カムプレート溝181aと対向するアーム部184aを有する受圧プレート184と、上記受圧プレート184のアーム部184aがローラ183を受容溝181a内に押圧するように一端がスプリングシート部材182に支えられ他端で受圧プレート184を付勢するコイルばね185と、上記受圧プレート184の中央部を貫通して一体的に接続されると共に上記カムプレート部材181の中央貫通孔181bに挿通され、変速機軸の軸線方向に摺動する摺動軸186と、上記摺動軸186のクラッチ弁係止部186aに係止された棒状クラッチ弁187とから構成される。コイルばね185の一端はスプリングシート部材182の内向きフランジに形成されたスプリングシート182aに支えられている。上記受圧プレート184と上記摺動軸186とは互いに別体として製作された後、一体に結合されて、ローラ受け部材188として構成されている。受圧プレート184は型を用いたプレス成形によって製作され、摺動軸186は機械切削加工によって製作され、両者は溶接によって一体に結合される。
ポンプケーシング110が静止状態、すなわちカムプレート部材181もスプリングシート部材182も回転していない状態では、コイルばね185が受圧プレート184に加える付勢力によりアーム部184aがローラ183をカムプレート溝181a内に押し付ける。カムプレート溝181aは斜めになっているのでローラ183はカムプレート部材181の径方向内方に押し込まれ、受圧プレート184と、これと一体の摺動軸186と、摺動軸186に係止されている棒状クラッチ弁187は、左方に移動した状態となっている。
ポンプケーシング110が変速機入力歯車116(図5)を介して回転駆動され、カムプレート部材181、スプリングシート部材182が回転すると、遠心力によってローラ183はカムプレート部材181の傾斜面に沿って径方向外方へ押し出され、アーム部184aを右方へ押し、受圧プレート184はコイルばね185の付勢力に抗して右方へ動く。受圧プレート184とこれと一体の摺動軸186の右方向への移動量はローラ183に作用する遠心力によって決まる。即ちポンプケーシング110の回転速度に応じて決まる。ポンプケーシング110の回転速度が高まると、摺動軸186に係止されている棒状クラッチ弁187は変速機軸100の内部に延びたクラッチ弁孔105内の奥部へ移動する。このようにしてポンプケーシングの回転によってローラ183に作用する遠心力を用いて遠心式ガバナ機構が構成される。
図10に示されるように、変速機軸100には、クラッチ弁孔105と内側通路172とをつなぐ内側通路連絡油路190が形成され、変速機軸100およびポンプシリンダ112には、クラッチ弁孔105と外側通路173とをつなぐ外側通路連絡油路191、環状溝192および斜め油路193が形成されている。ポンプケーシング110が静止状態の時には、棒状クラッチ弁187の小径部187aを介して、内側通路連絡油路190と外側通路連絡油路191とが連通し、結果的に内側通路172と外側通路173が連通するので、クラッチは断となっている。
ポンプケーシングの回転が所定速度以上となり、上記ガバナ機構の遠心力作用によって、棒状クラッチ弁187がクラッチ弁孔105の最奥部へ移動すると、棒状クラッチ弁187の小径部187aが外側通路連絡油路191のクラッチ弁孔105側の開口から外れ、外側通路連絡油路191の開口は棒状クラッチ弁187の大径部側面187bで塞がれる(図6における棒状クラッチ弁187の位置参照)ので、内側通路172と外側通路173の連通が遮断され、油圧ポンプPと外側通路173と油圧モータMと内側通路172とからなるオイル循環の閉回路が形成され、静油圧式無段変速機Tが機能する。クラッチ開放状態からクラッチ接続状態への移行はローラの移動によっているので、これに応じて、クラッチは徐々に接続される。
図11は作動油と潤滑油の供給経路を示す静油圧式無段変速機Tの要部縦断面図である。作動油は、内燃機関によって駆動されるオイルポンプ集合体90の高圧オイルポンプから、クランクケース内の油路を経由して、変速機軸100の中心に軸方向に形成された変速機軸中心油路200に右端から供給される。変速機軸中心油路200はその最奥部において、径方向に延びて外周に至る油路201につながる。油路201はさらに、変速機軸100と一体となって回転する出力回転体R(モータシリンダ136、バルブボディ161、ポンプシリンダ112)内において変速機軸100と平行に形成された出力回転体内油路202とつながる。出力回転体内油路202は、モータシリンダ136内の油路202a、バルブボディ161内の油路202b、ポンプシリンダ112内の油路202cからなる油路である。
ポンプシリンダ112内には、外側通路173内に補充油を供給するためのチェックバルブ210が設けてある。出力回転体内油路202は、その最奥部で径方向外方に向かう油路203を介してチェックバルブ210とにつながり、必要に応じて(油圧閉回路からの作動油の漏れに応じて)、作動油がバルブボディ161の外側通路173へ供給される。ポンプシリンダ112の別の部分に、内側通路172に作動油を補充する油路とチェックバルブが上記と同様に設けてあり、必要に応じて内側通路172にも作動油が供給される(図示省略)。
出力回転体内油路202の最奥部に対応する変速機軸100の外周には外周環状溝204が設けてあり、出力回転体内油路202の最奥部が連通している。変速機軸100のクラッチ弁孔105の内周には内周環状溝205が設けてあり、1箇所の連通油路206によって、前記外周環状溝204と連通している。連通油路206にはオリフィス206aが設けてある。変速機軸100には、上記クラッチ弁孔内周環状溝205に連通して変速機軸100の外周に向かう潤滑油噴射ノズル207が変速機軸周囲に3箇所穿設してある。出力回転体内油路202内に供給されたオイルの一部が、外周環状溝204、連通油路206、内周環状溝205、および潤滑油噴射ノズル207を経て噴射され、ポンプ斜板111等が潤滑される。
変速機軸100には、変速機軸中心油路200から、出力回転体Rの右端位置決め部の係止部材150へ向かう径方向油路208が1箇所設けてあり、その内側端部にはオリフィス208aが設けてある。リテーナ152の内周に形成されている環状溝152cに、上記径方向油路208の外側端部が連通している。上記内周環状溝152cと連通しリテーナリング152の外周傾斜部152dの周囲に3箇所穿設してある潤滑油噴射ノズル152eに、変速機軸中心油路200内に供給されたオイルの一部が径方向油路208、内周環状溝152cを経て供給され、潤滑油噴射ノズル152eから噴射され、モータ斜板135等が潤滑される。
図11においてポンププランジャ孔113の奥端面113bとバルブボディ161のポンプ側端面161aとの距離L1は、モータプランジャ孔137の奥端面137bとバルブボディ161のモータ側端面161bとの距離L2に比して大きくしてある。これは、ポンプP側には、ポンプシリンダ112のポンププランジャ孔113の奥端面113bとバルブボディ161のポンプ側端面161aとの間に、クラッチ弁孔105と外側通路173とをつなぐ斜め油路193(図10)を穿設する必要があるため、ポンププランジャ孔113をバルブボディ161から離してある。他方のモータM側には斜め油路193等を設ける必要がないので、モータプランジャ孔137の奥端面137bとバルブボディ161のモータ側端面161bとの距離は狭い。
以上詳述した本実施形態においては、次の効果がもたらされる。
(1)オイル供給油路(変速機軸中心油路200、出力回転体内油路202、変速機軸外周環状溝204)に連通する連通油路206に穿設されたオリフィス206aは潤滑油の流出量のコントロールのためのものであり、工作の容易な比較的大径の連通油路206の一部だけを細径のオリフィス206としているので、これによって、潤滑油噴出量のコントロールが可能である。オリフィス206で油量コントロールされる油路の先に潤滑油噴射孔207を設けるので、大径の噴射孔も可能で、また、孔の角度、方向、個数等の設定に自由度が生じ、斜板等の潤滑性が向上する。大径の噴射孔からは、潤滑油は、変速機軸100の回転による遠心力によって変速機内に撒布される。従来のような細径の潤滑油噴射孔を設けることに比して比較的大径の噴射孔の穿設は工作が容易である。
(2)供給油量を調整するオリフィス206aを1箇所としたので、個別の潤滑油噴射孔にオリフィスを設ける場合に比して、オリフィス径を大きくでき、加工性、油量のコントロール性が向上する。潤滑油噴射孔207は環状の周方向油路(クラッチ弁孔内周環状溝205)に連通させて設けることができるので、容易に複数個の噴射孔を設けることができる。
本発明の一実施形態に係るパワーユニット2を備えた自動二輪車1の側面図である。 上記自動二輪車に搭載されるパワーユニット2の左面図である。 図2のIII−III断面展開図である。 図2のIV−IV断面図である。 静油圧式無段変速機Tの縦断面図である。 分配バルブ160付近を示す静油圧式無段変速機Tの要部縦断面図である。 コッタ151の2面図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B断面図である。 リテーナリングの2面図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B断面図である。 C形クリップの2面図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B断面図である。 遠心式ガバナークラッチC付近を示す静油圧式無段変速機Tの要部縦断面図である。 作動油と潤滑油の供給経路を示す静油圧式無段変速機Tの要部縦断面図である。
符号の説明
100…変速機軸、187…棒状クラッチ弁、200…変速機軸中心油路、202…出力回転体内油路、202a…モータシリンダ内油路、202b…バルブボディ内油路、202c…ポンプシリンダ内油路、204…変速機軸外周環状溝、205…クラッチ弁孔内周環状溝、206…連通油路、206a…オリフィス、207…潤滑油噴射ノズル。

Claims (2)

  1. 動力源により回転するケーシング内の油圧ポンプと油圧モータとの間に、上記油圧ポンプから上記油圧モータ側に作動油を送る高圧油路と、上記油圧モータ側から上記油圧ポンプ側に作動油を送る低圧油路とからなる油圧回路を、変速機軸に一体のシリンダ内に構成すると共に、変速機軸内に設けたクラッチ弁を摺動して上記高圧油路と上記低圧油路とを短絡させて動力の伝達を切換える静油圧式無段変速機の潤滑構造において、
    上記クラッチ弁の外周側に設けた油路と、
    上記クラッチ弁の外周側油路に連通し上記変速機軸の外周へ向けて変速機軸に穿設された潤滑油噴出孔と、
    潤滑油供給源に連なるオイル供給油路と上記クラッチ弁の外周側油路とを連通するよう変速機軸に穿設された連通油路とから構成し、
    上記連通油路内にオリフィスを設けたことを特徴とする静油圧式無段変速機の潤滑構造。
  2. 上記クラッチ弁の外周側油路は環状を呈し、
    上記オリフィスを備えた連通油路は1箇所設けてあり、
    上記潤滑油噴射孔は複数個設けてあることを特徴とする請求項1に記載の静油圧式無段変速機の潤滑構造。

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