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JP2006219334A - 水素生成装置 - Google Patents

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JP2006219334A JP2005033733A JP2005033733A JP2006219334A JP 2006219334 A JP2006219334 A JP 2006219334A JP 2005033733 A JP2005033733 A JP 2005033733A JP 2005033733 A JP2005033733 A JP 2005033733A JP 2006219334 A JP2006219334 A JP 2006219334A
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Abstract

【課題】 水素生成装置の小型化を図ることである。特に、例えば燃料電池とした場合に、それなりの出力が確保され、かつ、小型化が図れる水素生成装置を提供することである。
【解決手段】 水素生成装置Aであって、
水素生成原料を案内する筒状体と、
前記筒状体の内側に配設された光・熱素子6と、
前記筒状体に配設された水素生成用触媒
とを備えてなり、
前記筒状体は、
内側に空洞部が設けられたハニカム構造体2であり、
前記ハニカム構造体2における最初の案内路41を案内されて来て該案内路41の端部に到達した水素生成原料は同周の隣接する案内路42の側に流れ込み、この案内路42を前記案内路41における案内方向とは逆方向に案内されて端部に到達した水素生成原料は同周の次の隣接する案内路43の側に流れ込み、そして同周に在る案内路43を前記と同様に順に流れて行った後、その内側に在る案内路5nの側に流れ込み、そして前記と同様にして案内路を案内されて行くよう構成されてなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばアルコール水溶液から水素を生成する水素生成装置に関する。
水素は、工業的利用や燃料としての利用等において、極めて重要な物質である。工業的利用の分野では、アンモニア製造、原油精製、メタノール製造等に用いられる。燃料利用の分野では、水素の燃焼による各種熱源、内燃機関(水素エンジン)、燃料電池による発電(大規模電源、分散型電源、燃料電池自動車等)に用いられる。
現在、水素の工業的製造法としては、天然ガス、石油、石炭等の化石燃料(炭化水素)と水蒸気との反応(水蒸気改質反応)により製造している。これら水蒸気改質反応により製造されるガスは改質ガスと呼ばれる。これら改質ガス中には、水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水蒸気、および未反応の炭化水素が含まれる。
一酸化炭素と水蒸気とを含むガスは水性ガスと呼ばれる。各種改質ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気とを反応(水性ガスシフト反応)させて更に水素を製造することは、用途に乏しい一酸化炭素から高い価値がある水素に変化できるので、工業的に極めて重要な化学プロセスである。
又、メタノールと水(水蒸気)との反応(メタノール水蒸気改質反応)により、液体であるメタノールから水素が製造される。この技術も、工業的および燃料供給の点から極めて重要な反応である。これは、水素が気体である為、輸送や貯蔵が困難であるのに対して、メタノールは液体であり、輸送や貯蔵が比較的容易であるからによる。更に、メタノールからの水素製造法では、他の製造法と比較して、より高純度の水素を製造できる。従って、直接、高純度水素を高圧ボンベ等で運搬することなく、メタノールで輸送、貯蔵し、必要とする場所で、水蒸気改質反応により、水素に変換し、高純度水素を供給することができる。
メタノールからの燃料用水素の製造は次の利点がある。
ガソリンエンジン自動車、ディーゼルエンジン自動車は、各々、ガソリン、軽油を燃料として走行している。この為、排気ガス中には各種の汚染物質が多く含まれているのに対して、水素は、ガソリンや軽油といった石油由来の燃料よりも、クリーン(窒素酸化物や粒状物質により大気を汚すことがない)、かつ、グリーン(二酸化炭素や亜酸化窒素等の地球温暖化原因物質を排出しない)である点から、次世代の燃料とされている。
しかしながら、現状では、水素燃焼エンジン自動車、水素燃料電池自動車を普及させることは、極めて困難である。その理由は、気体である水素を自動車に搭載することが極めて困難なことによる。
さて、メタノールは、他の液体燃料(ガソリン、軽油等)と比較して上記の改質反応により容易に水素を製造できると言う特長を持っている。従って、メタノール燃料タンク、メタノール改質装置が自動車に搭載される可能性は高いと言える。
上述の如く、水性ガスシフト反応やメタノール改質反応は、極めて重要な反応であり、この反応を高効率に行う為の研究が盛んに行なわれ、各種の技術が提案されている。
例えば、上記反応を効率的に行わしめる為の触媒が提案(特開2002−79100、特開2002−79101、特開2003−183002、特開2003−265961、特開2003−320254)されている。
さて、上記の如く、改質反応を効率的に行わせる触媒についての研究の進捗は目を見張るばかりであるものの、例えば燃料電池として水素を用いる場合において、重要な事は、水素製造装置(水素生成装置)を如何に小型化するかと言うことも極めて重要な事柄である。
すなわち、例えば家庭用燃料電池であれば比較的大型化も許容されるであろうが、これが自動車などの輸送機器、その他携帯化が要望される分野の製品に用いられる場合には、実用化する為には、小型化が必須の要件であると言っても過言では無い。
さて、この小型化の研究についての進捗は未だのようである。
例えば、大阪ガス株式会社の提案(http://www.osakagas.co.jp/press/pr00/001025.htm)になる水素製造装置(水素生成装置)は、外形寸法が350mm×280mm×370mmである。
又、三菱電機株式会社の提案(http://www.mitsubishielectric.co.jp/oldnews/1997/0911−b.htm)になる水素製造装置(水素生成装置)は、外形寸法が290mm×290mm×260mmである。
又、化学装置(2004年10月号:pp77〜81)の提案になる水素製造装置(水素生成装置)は、直径が640mmで、高さが1000mmである。
特開2002−79100 特開2002−79101 特開2003−183002 特開2003−265961 特開2003−320254 http://www.osakagas.co.jp/press/pr00/001025.htm http://www.mitsubishielectric.co.jp/oldnews/1997/0911−b.htm 松下電工技報(Mar.2002)pp4−8 化学装置(2004年10月号:pp77〜81)
従って、本発明が解決しようとする課題は、水素生成装置の小型化を図ることである。特に、例えば燃料電池とした場合に、それなりの出力が確保され、かつ、小型化が図れる水素生成装置を提供することである。
前記の課題は、水素生成装置であって、
水素生成原料を案内する筒状体と、
前記筒状体の内側に配設された光・熱素子と、
前記筒状体に配設された水素生成用触媒
とを備えてなり、
前記筒状体は、
前記水素生成原料が該筒状体の外側から前記光・熱素子側の内側に案内されて行くに際して、該水素生成原料は、該筒状体の一端側から他端側に、該他端側から該筒状体の一端側にと言ったように蛇行案内されると共に、該筒状体の周壁方向にも案内されるよう構成されてなる
ことを特徴とする水素生成装置によって解決される。
特に、上記の筒状体は、
外壁と、該外壁に沿って該外壁の内側に設けられた内壁と、該外壁と該内壁との間に設けられた中間壁とを具備し、該外壁と該内壁と該中間壁とにより、該筒状体の方向に沿った複数の水素生成原料の案内路が構成されてなり、
前記案内路を案内されて来て該案内路の端部に到達した水素生成原料は隣接する案内路の側に流れ込むことが出来るよう構成されてなる
ことを特徴とする上記の水素生成装置によって解決される。
更には、上記筒状体は、
内側に空洞部が設けられたハニカム構造体であり、
前記ハニカム構造体における一つの案内路を案内されて来て該案内路の端部に到達した水素生成原料は隣接する案内路の側に流れ込むことが出来るよう構成されてなる
ことを特徴とする上記の水素生成装置によって解決される。
中でも、上記筒状体は、
内側に空洞部が設けられたハニカム構造体であり、
前記ハニカム構造体における最初の案内路を案内されて来て該案内路の端部に到達した水素生成原料は同周の隣接する案内路の側に流れ込み、この案内路を前記案内路における案内方向とは逆方向に案内されて端部に到達した水素生成原料は同周の次の隣接する案内路の側に流れ込み、そして同周に在る案内路を前記と同様に順に流れて行った後、その内側に在る案内路の側に流れ込み、そして前記と同様にして案内路を案内されて行くよう構成されてなる
ことを特徴とする上記の水素生成装置によって解決される。
上記の水素生成装置における筒状体は、例えばセラミックスや、例えばPd,Zr36Ni64等のアモルファス金属と言った金属の群の中から選ばれる一種又は二種以上の素材で構成される。特に、セラミックスによって構成される。
上記の水素生成装置における光・熱素子は、特に、ハロゲンヒータが用いられる。すなわち、ハロゲンヒータを用いることによって、例えば180〜300℃の温度が短時間の中に効率よく得られる。
又、本発明の水素生成装置にあっては、筒状体に水素生成原料を案内する前段階において水素生成原料を案内する略渦巻状の案内路を更に具備し、
前記略渦巻状の案内路が前記筒状体の一端側に配設されてなるものが好ましい。
本発明にあっては、例えば26mm×26mm×50mm程度の大きさにまで小型化できた。すなわち、小型化が非常に達成された。
例えば、熱源としてのハロゲンヒータを用いた場合、即ち、メタノール水溶液を蒸気化する為の熱源としてハロゲンヒータを採用することによって、装置の小型化が可能になる。
しかしながら、ハロゲンヒータを採用した場合、ハロゲンヒータにはガラスが用いられているから、水溶液がハロゲンヒータに掛かると、ガラス部分が破損し、ハロゲンヒータ自体が損傷することになり、水素生成装置の耐久性に問題を引き起こす。
従って、従来にあっては、熱源としてハロゲンヒータの如きの光素子が鑑みられることは無かった。
ところで、ハロゲンヒータは小型であるにも拘わらず、最近における暖房器具としての盛んな使用からも判る通り、その放熱量は著しい。
従って、今まで鑑みられることは無かったものの、ハロゲンヒータの採用は非常に魅力的であり、それでは、如何にして水溶液を完全に蒸気化するかの問題を解決すれば良いことになる。すなわち、水溶液を蒸気化する蒸気化過程を小型化すれば良いことになる。
ところで、水素生成原料を案内する案内路を蛇行形態、しかも、単に、蛇行と言うだけでは無く、筒状体の周壁方向にも沿って動くように蛇行させる形態のものとすれば、入口からハロゲンヒータに至るまでの経路長を非常に長いものと出来る。しかも、その経路長が長いにも拘わらず、非常に、コンパクトなものとなる。すなわち、非常に小型にして、かつ、目的地(ハロゲンヒータ)に到達するまでには、水溶液を完全に蒸気化させることが出来る。
そして、小型であるにも拘わらず、本発明によれば、ハロゲンヒータに至るまでには、長い経路が確保されているから、その間に十分なる蒸気化は達成され、ハロゲンヒータを損傷させることが無い。
すなわち、耐久性に富み、かつ、小型化が達成された水素生成装置が得られる。
図1〜図5は、本発明になる水素生成装置の一実施形態を示すものである。
各図中、1は、水素生成装置Aのハウジングである。このハウジング1は、中央の略円筒状部1aと、上端の上略ドーム状部1bと、下端の下略ドーム状部1cとからなる。尚、この略円筒状部1aは、直径が26mm程度、高さが55mm程度の大きさである。
2は、例えばゼオライト等のセラミックスから構成されたハニカム体である。このハニカム体2は、略円筒状部1a内壁に接する如くの大きさで、略円筒状部1a内に配設されている。ハニカム体2は、略円筒形状であり、即ち、その内側は直径が10mm程度の略円筒状の空洞に刳り貫かれたものであって、空洞部3が構成されている。従って、ハニカム体2は、図2に示される如く、外壁2aと、外壁2aに沿って略平行にして最も内側に設けられた最内壁2bと、外壁2aと最内壁2bとの間に外壁2aや最内壁2bに平行に設けられた中間内壁2cと、外壁2aと中間内壁2cと最内壁2bとで構成される断面がドーナツ状の通路を細かくハニカム状に仕切る仕切壁2dとを具備する構造のものとなっている。そして、外壁2aと仕切壁2dと中間内壁2cとによって、微細な径の孔41,42,……,4n,……,42nが、恰も、同心円状の位置において周方向に沿って存在すると共に、前記孔41,42,……,4n,……,42nの内側の位置において、中間内壁2cと仕切壁2dと最内壁2bとによって、微細な径の孔51,52,……,5n,……,52nが、恰も、同心円状の位置において周方向に沿って存在するように構成されている。尚、これ等の孔の孔方向は筒方向である。
尚、本実施形態では、簡略化の為に、半径方向にあっては、二つの孔を有する場合で説明するが、これは三つ以上有っても良いことは勿論である。例えば、孔51,52,……,5n,……,52nの内側に、孔k1,k2,……,kn,……,k2nが有ることは妨げられない。
外壁2aと中間内壁2cと最内壁2bと仕切壁2dとが、その長さが全て同じであると、孔41,42,……,4n,……,42n,51,52,……,5n,……,52nは全てが等価的なものとなり、例えば孔41を流れて来た液体は隣の孔42に移ることが出来ない。
そこで、例えば孔4kを上側から下側向けて流れて来た液体は、孔4kの下端部において、同周で隣接位置の孔4k+1に流れ込むことが出来るように、図3に示される如く、該当する仕切壁2dの下端部が一部切り欠かれている。又、孔4k+1を下側から上側向けて流れて来た液体は、孔4k+1の上端部において、同周で次の隣接位置の孔4k+2に流れ込むことが出来るように、図4に示される如く、該当する仕切壁2dの上端部が一部切り欠かれている。すなわち、液体は、例えば孔41上部→孔41下部→孔42下部→孔42上部→孔43上部→孔43下部→孔44下部→孔44上部→孔45上部→孔45下部→孔46下部→……→孔4nの経路を蛇行する如く通って流れて行くように該当する仕切壁2dの端部が切り欠かれているのである。又、例えば孔42n上部→孔42n下部→孔42n-1下部→孔42n-1上部→孔42n-2上部→孔42n-2下部→孔42n-3下部→孔42n-3上部→孔42n-4上部→孔42n-4下部→孔42n-5下部→……→孔4n+2の経路を蛇行する如く通って流れて行くように該当する仕切壁2dの端部が切り欠かれているのである。
さて、孔41の上側から流れ込んで来た液体は、順に、孔42,43,……,4nと蛇行しながら、例えば右回りに流れて行く。又、孔42nの上側から流れ込んで来た液体は、順に、孔42n-1,42n-2,……,4n+2と蛇行しながら、例えば左回りに流れて行く。ところで、孔4n,孔4n+2を流れて来た液体は、同周の隣接位置に在る孔には流れ込むことが出来ないから、次には、その内側に位置する孔に流れ込むことが出来るようにする為、該当する位置の中間内壁2cの端部が、図5に示される如く、切り欠かれている。
すなわち、孔4nに流れ込んで来た液体は、孔4nを他端側に流れて行き、そして流れ込んで来た端部とは反対側の端部に到達すると、その内側に位置する孔5nに流れ込んで行くように構成されている。この後は、上記の場合とは反対の左回りに蛇行しながら上記と同様に孔5nから孔5n-1に、次に孔5n-1から孔5n-2に、……、そして孔51に流れて行くことが出来るように該当する仕切壁2dの端部が切り欠かれている。又、孔4n+2に流れ込んで来た液体は、孔4n+2を流れて行き、そして流れ込んで来た端部とは反対側の端部に到達すると、その内側に位置する孔5n+2に流れ込んで行くように構成されている。この後は、上記の場合とは反対の右回りに蛇行しながら上記と同様に孔5n+2から孔5n+3に、次に孔5n+3から孔5n+4に、……、そして孔52n-1に流れて行くことが出来るように該当する仕切壁2dの端部が切り欠かれている。
尚、ハニカム体2はセラミックス製である。従って、液体はハニカム体2の壁面を通り抜けることが出来ないものの、気体(ガス)はハニカム体2の壁面2b,2c,2dを通り抜けることが出来るようになっている。
6は、空洞部3に配設された長さが22mm程度で直径が9mm程度の赤外線ハロゲンヒータである。そして、上記ハニカム体2が190〜250℃程度に加熱される。ここで、ハロゲンヒータとは、例えばガラス管内に、窒素やアルゴン等の不活性ガスと共に微量のハロゲン物質(沃素、臭素、塩素、フッ素)が封入された白熱電球である。この為、同一消費電力の一般電球と比べた場合、その体積は1/200と言った如くの小型なものとなる。そして、一般電球に比べて長寿命である。又、寿命を同じにすると、その分だけフィラメント温度を高めて効率を上げることが出来る。又、一定した光出力のものが得られる。更には、電源オン後、短時間で高い温度のものとなる。
7はハニカム体2の上側に設けられた天板、8はハニカム体2の下側に設けられた地板である。そして、天板7とハニカム体2(外壁2a)と地板8とで囲まれる空間は閉鎖空間であり、所定位置に設けられた出入口以外から流体は漏れ出ることが無いように構成されている。
尚、天板7の内面(下面)側や地板8の内面(上面)側に液体案内用の溝を形成しておけば、即ち、仕切壁2dや中間内壁2cに跨るように凹状溝を形成しておけば、前記した仕切壁2dや中間内壁2cの端部を切り欠くようにしなくても済む。すなわち、ハニカム体2の壁の長さが全て同じでも、天板7や地板8に形成した液体案内用の凹溝を介して隣の孔に液体が移行できるようにしても差し支えない。
9は渦巻状に巻かれた樹脂製のチューブであり、渦巻状チューブ9は天板7上に配置されている。そして、渦巻状チューブ9の一端側はメタノール水溶液(メタノール:水=1:1。水素生成原料)のタンク(図示せず)に接続されており、渦巻状チューブ9の他端側は孔41,42nの上端部に接続されている。従って、タンクからのメタノール水溶液は、渦巻状チューブ9を経て、孔41,42,……,4n,5n,5n-1,……,51又は孔42n,42n-1,42n-2,……,4n+2,5n+2,5n+3,5n+4,……,52n-1に流れて行く。尚、赤外線ハロゲンヒータ6がオンになるや否やの時点で、赤外線ハロゲンヒータ6からの作用により、ハニカム体2や天板7は加熱される。この為、タンクから供給された来たメタノール水溶液は、先ず、渦巻状チューブ9を流れて行く間に予熱される。そして、孔41,42,……,4n,5n,5n-1,……,51又は孔42n,42n-1,42n-2,……,4n+2,5n+2,5n+3,5n+4,……,52n-1を通って行く中に、メタノール水溶液は完全にメタノール水蒸気となるように構成されている。
さて、ハニカム体2の孔41,42,……,4n,……,42n,51,52,……,5n,……,52nの内壁には触媒が設けられている。すなわち、メタノール水溶液を水素と二酸化炭素とに改質するメタノール改質反応を効率良く行わせる為の触媒が設けられている。尚、この触媒を含有する溶液中にハニカム体を浸漬・乾燥させることにより、メタノール改質反応触媒は、簡単に、孔41,42,……,4n,……,42n,51,52,……,5n,……,52nの内壁に付着させられる。そして、触媒としては各種のものを適宜用いることが出来る。従って、孔41,42,……,4n,5n,5n-1,……,51又は孔42n,42n-1,42n-2,……,4n,5n,5n,5n+1,……,52nを通り抜けて行く中に、メタノール水溶液は気化するだけでなく、触媒の作用によって、効率良くメタノール改質反応が進み、水素が生成する。
ところで、ハニカム体2の空洞部3の内壁面(最内壁2b)には、水素分離用触媒、例えばPd系合金膜が設けられている。従って、孔41,42,……,4n,5n,5n-1,……,51,42n,42n-1,42n-2,……,4n,5n,5n,5n+1,……,52nを通り抜けて行く中に触媒の作用によって改質反応が進んで生成した水素ガスは、空洞部3の内壁面(最内壁2b)を通り抜けて、空洞部3側に移行する。すなわち、水素が効率良く取り出される。そして、空洞部3に水素ガス取出口を設けておけば、ここより水素ガスを水素生成装置Aから取り出せる。尚、図示していないが、ハニカム体にはCO2排出口が設けられている。
そして、この取り出された水素ガスは燃料電池に供給される。尚、水素生成装置Aと燃料電池との関係は、例えば上記した非特許文献などにも示されている通りであって、従来からも良く知られているので、詳細な説明は省略する。
ここで、上記の如く、水素生成装置Aが、26mmφで高さは55mm程度に過ぎないのに、効率良く水素が提供される大きな理由の一つは、ハニカム体を用いているからである。すなわち、ハニカム体2(一つの孔4k)の長さをLcmとした場合、孔41,42nから流れ込んで来て孔51,52n-1から空洞部3に流れ出て行くまでの孔の長さは、合計すると、略、2n×Lcmとなる。つまり、一本の孔を流れて行く場合に換算すると、水素生成装置Aは略2n×Lcmの高さが必要となるが、本発明の如くにすれば、略1/2nの小さなものに出来る。そこまで小型化であると言わなくとも、大きさが大幅に小さく出来ることは容易に理解できる。
そして、上記実施形態のもので、メタノール水溶液より取り出された水素ガスを用いた燃料電池の発電能力は、250w程度も有り、例えば車イス用の駆動源として十分に利用できるものである。
本発明になる水素生成装置Aの要部の概略図 水素生成装置Aのハニカム体の概略平面図 水素生成装置Aのハニカム体の仕切壁の概略側面図 水素生成装置Aのハニカム体の仕切壁の概略側面図 水素生成装置Aのハニカム体の中間内壁の概略側面図
符号の説明
A 水素生成装置
1 ハウジング
1a 略円筒状部
1b 上略ドーム状部
1c 下略ドーム状部
2 ハニカム体
2a 外壁
2b 最内壁
2c 中間内壁
2d 仕切壁
3 空洞部
1,42,……,4n,……,42n
1,52,……,5n,……,52n
6 赤外線ハロゲンヒータ
7 天板
8 地板
9 渦巻状チューブ

代 理 人 宇 高 克 己

Claims (7)

  1. 水素生成装置であって、
    水素生成原料を案内する筒状体と、
    前記筒状体の内側に配設された光・熱素子と、
    前記筒状体に配設された水素生成用触媒
    とを備えてなり、
    前記筒状体は、
    前記水素生成原料が該筒状体の外側から前記光・熱素子側の内側に案内されて行くに際して、該水素生成原料は、該筒状体の一端側から他端側に、該他端側から該筒状体の一端側にと言った如く蛇行案内されると共に、該筒状体の周壁方向にも案内されるよう構成されてなる
    ことを特徴とする水素生成装置。
  2. 筒状体は、
    外壁と、該外壁に沿って該外壁の内側に設けられた内壁と、該外壁と該内壁との間に設けられた中間壁とを具備し、該外壁と該内壁と該中間壁とにより、該筒状体の方向に沿った複数の水素生成原料の案内路が構成されてなり、
    前記案内路を案内されて来て該案内路の端部に到達した水素生成原料は隣接する案内路の側に流れ込むことが出来るよう構成されてなる
    ことを特徴とする請求項1の水素生成装置。
  3. 筒状体は、
    内側に空洞部が設けられたハニカム構造体であり、
    前記ハニカム構造体における一つの案内路を案内されて来て該案内路の端部に到達した水素生成原料は隣接する案内路の側に流れ込むことが出来るよう構成されてなる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2の水素生成装置。
  4. 筒状体は、
    内側に空洞部が設けられたハニカム構造体であり、
    前記ハニカム構造体における最初の案内路を案内されて来て該案内路の端部に到達した水素生成原料は同周の隣接する案内路の側に流れ込み、この案内路を前記案内路における案内方向とは逆方向に案内されて端部に到達した水素生成原料は同周の次の隣接する案内路の側に流れ込み、そして同周に在る案内路を前記と同様に順に流れて行った後、その内側に在る案内路の側に流れ込み、そして前記と同様にして案内路を案内されて行くよう構成されてなる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの水素生成装置。
  5. 筒状体はセラミックス及び金属の群の中から選ばれる一種又は二種以上の素材で構成されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかの水素生成装置。
  6. 光・熱素子がハロゲンヒータであることを特徴とする請求項1〜請求項5いずれかの水素生成装置。
  7. 筒状体に水素生成原料を案内する前段階において水素生成原料を案内する略渦巻状の案内路を具備してなり、
    前記略渦巻状の案内路が前記筒状体の一端側に配設されてなる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6いずれかの水素生成装置。
JP2005033733A 2005-02-10 2005-02-10 水素生成装置 Pending JP2006219334A (ja)

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