JP2006299878A - 多気筒内燃機関の吸気弁リフト調整方法および調整構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】各気筒毎の吸入空気量を同一に定め得るようにする。
【解決手段】各気筒ごとに第1吸気弁V1および第2吸気弁が配設された吸気弁リフト量可変機関において、ロッカアーム26、吸気弁V1およびリフト量調整機構97間に油圧タペット64を設け、非燃焼状態でのクランキングに応じて油圧タペット64が作動することで生じる燃焼室内の圧縮圧力を圧力計で測定し、その測定値に基づいてリフト量調整機構97のアジャストスクリュー100を回転操作して吸気弁のリフト量を調整する。
【選択図】 図1
【解決手段】各気筒ごとに第1吸気弁V1および第2吸気弁が配設された吸気弁リフト量可変機関において、ロッカアーム26、吸気弁V1およびリフト量調整機構97間に油圧タペット64を設け、非燃焼状態でのクランキングに応じて油圧タペット64が作動することで生じる燃焼室内の圧縮圧力を圧力計で測定し、その測定値に基づいてリフト量調整機構97のアジャストスクリュー100を回転操作して吸気弁のリフト量を調整する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、吸気弁のリフト量を調整するための多気筒内燃機関の吸気弁リフト調整方法および吸気弁リフト調整構造に関する。
吸気弁のリフト量を無段階に変化させることで、機関出力すなわち吸入空気量の制御を行うようにした内燃機関の動弁装置が、たとえば特許文献1で既に知られている。
特開2004−36560号公報
ところで、上記特許文献1で開示された動弁装置において、通常の運転領域で吸気弁は、たとえば2mm以下の非常に小さなリフト量で作動するものであり、リフト量の小さなばらつきでも吸気量の大きなばらつきが生じ、機関の回転の不安定化や失火を起こす可能性がある。そこで高精度の工作や、剛性の高い構造および調整機構等で対処することが必要となるが、そのような対処によってリフト量のばらつきをなくしても、ピストンおよびシリンダボアの形状、ピストンリングの状態、吸気ポートでの空気流入抵抗のばらつき等によって各気筒毎の吸入空気量にはばらつきが残ったままとなる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、各気筒毎の吸入空気量を同一に定め得るようにした多気筒内燃機関の吸気弁リフト調整方法および吸気弁リフト調整構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、吸気弁のリフト量を調整するための多気筒内燃機関の吸気弁リフト調整方法であって、機関の非燃焼状態でのクランキング中に燃焼室内の圧縮圧力を測定し、その測定値に基づいて吸気弁のリフト量を調整することを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の多気筒内燃機関の吸気弁リフト調整方法を実行するにあたり、機関本体に、吸気弁のリフト量を調整するリフト量調整機構が設けられることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成に加えて、カムシャフトに設けられるカムに従動して揺動するようにして機関本体に支承されるカムフォロワに、前記吸気弁および前記リフト量調整機構間に介装されるようにして油圧タペットが設けられることを特徴とする。
さらに請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成に加えて、前記カムフォロワに、吸気弁のリフト量を可変としたリフト可変機構が連結されることを特徴とする。
なお実施例のロッカアーム26,27が本発明のカムフォロワに対応する。
請求項1記載の発明によれば、機関の圧縮圧力は最終的な吸入空気量によるので、機関の非燃焼状態でのクランキング中における燃焼室内の圧縮圧力測定値が所定値となるように吸気弁のリフト量を調整することにより、各気筒毎の吸入空気量を同一に定めることが可能となる。
また請求項2記載の発明によれば、機関の非燃焼状態でのクランキング中に吸気弁のリフト量を調整することが可能となる。
請求項3記載の発明によれば、油圧タペット用いる場合には吸気弁のリフト量を直接測定することは困難となるのであるが、機関のクランキングに応じて油圧タペットが作動することで生じる圧縮圧力に基づいて吸気弁のリフト量を調整するので、油圧タペットがカムフォロワに設けられていても吸気弁のリフト量を調整することができる。
さらに請求項4記載の発明によれば、吸気弁のリフト量を変化させて吸入空気量を制御するようにした内燃機関においては、低負荷時のポンピングロスの低減や燃焼状態の改善により燃費の低減および出力向上を図ることが可能であるものの、その低負荷時に、吸気弁のリフト量のばらつきが生じると機関の回転の不安定化や失火を起こす原因となり得るのであるが、気筒毎の吸入空気量を同一に調整し得るので、回転の不安定化や失火を確実に防止して、低負荷時の燃費の低減および出力向上をより効果的に達成することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図10は本発明の第1実施例を示すものであり、図1は吸気弁用動弁装置の縦断側面図であって図2および図3の1−1線に沿う断面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図1の3−3線断面図、図4はコントロール軸の斜視図、図5は一対の吸気弁のリフト特性図、図6は油圧タペット付近の拡大縦断面図、図7は油圧タペットの一部の分解斜視図、図8は上部連結軸および通路形成部材の分解斜視図、図9は図3の9−9線拡大断面図、図10は吸気弁のリフト量調整時の状態を簡略化して示す斜視図である。
先ず図1〜図3において、多気筒である内燃機関の機関本体15が備えるシリンダヘッド16には、各気筒毎に一対ずつの第1および第2吸気弁V1,V2が開閉作動可能に配設されており、両吸気弁V1,V2が備えるステム18…の上端部に設けられるばねシート19…およびシリンダヘッド16間には、各吸気弁を開弁方向に付勢する弁ばね20…が設けられる。
シリンダヘッド16には、各気筒の両側に配置されるカムホルダ21…が一体に設けられ、それらのカムホルダ21…にそれぞれ締結されるホルダキャップ22…およびカムホルダ21…間にカムシャフト23が回転自在に支承され、該カムシャフト23には、第1および第2吸気弁V1,V2に個別に対応する第1および第2動弁カム24,25が設けられる。
第1吸気弁V1には第1動弁カム24に従動して揺動する第1ロッカアーム26が連動、連結され、第1吸気弁V1のリフト量は第1リフト可変機構28で無段階に可変とされる。また第2吸気弁V2には第2動弁カム25に従動して揺動する第2ロッカアーム27が連動、連結され、第2吸気弁V2のリフト量は第2リフト可変機構29で無段階に可変とされる。
一端部が第1吸気弁V1に連動、連結される第1ロッカアーム26の他端側上部には、相互に間隔をあけて対向する一対の上側連結壁部26a,26aが第1吸気弁V1とは反対側に開いた略U字状をなすようにして設けられ、また第1ロッカアーム26の他端側下部には、相互に間隔をあけて対向する一対の下側連結壁部26b,26bが第1吸気弁V1とは反対側に開いた略U字状をなすようにして設けられる。
第1リフト可変機構28は、第1ロッカアーム26の他端側上部に一端部が回動可能に連結されるとともに他端部が機関本体15の固定位置に固定支軸30を介して回動可能に支承される第1アッパリンクアーム32と、第1ロッカアーム26および第1アッパリンクアーム32とともに四節リンクを構成すべく第1ロッカアーム26の他端側下部に一端部が回動可能に連結されるとともに他端部が可動支軸31で回動可能に支承される第1ロアリンクアーム33とで構成され、可動支軸31は、固定支軸30と平行な軸線を有してコントロール軸34に連結され、コントロール軸34は図示しないアクチュエータで回動駆動される。
第1アッパリンクアーム32の一端部は、第1ロッカアーム26の上側連結壁部26a…を両側から挟む一対の連結壁部32a,32aを有して略U字状に形成されており、上部連結軸35を介して両連結壁部32a…が上側連結壁部26a…に回動可能に連結される。しかも第1ロッカアーム26における一対の上側連結壁26a…間には、第1動弁カム24に当接するカム当接部としてのローラ36が配置されており、そのローラ36は、中空の円筒状である上部連結軸35およびニードルベアリング37を介して前記両上側支持壁部26a…に軸支される。而して上部連結軸35は、第1アッパリンクアーム32の両連結壁部32a…および第1ロッカアーム26の両上側連結壁部26a…に挿通されており、上部連結軸35の外面に装着される止め輪38が、第1アッパリンクアーム32が備える両連結壁部32a…の一方の内面に係合することにより、第1アッパリンクアーム32の両連結壁部32a…および第1ロッカアーム26の両上側連結壁部26a…からの上部連結軸35の抜け出しが阻止される。
また第1アッパリンクアーム32の他端部を回動可能に支承する固定支軸30は、シリンダヘッド16が一体に備えるカムホルダ21…にカムシャフト23と平行な軸線を有して支持される。第1アッパリンクアーム32の下方に配置される第1ロアリンクアーム33の一端部は、第1ロッカアーム26の下側連結壁部26b…間に挟まれるように配置され、下部連結軸39を介して下側連結壁部に回動可能に連結される。
一端部が第2吸気弁V2に連動、連結される第2ロッカアーム27の他端側上部には、相互に間隔をあけて対向する一対の上側連結壁部27a,27aが第2吸気弁V2とは反対側に開いた略U字状をなすようにして設けられ、また第2ロッカアーム27の他端側下部には、相互に間隔をあけて対向する一対の下側連結壁部27b,27bが第2吸気弁V2とは反対側に開いた略U字状をなすようにして設けられる。
第2リフト可変機構29は、第2ロッカアーム27の他端側上部に一端部が回動可能に連結されるとともに他端部が第1リフト可変機構28と共通である固定支軸30を介して回動可能に支承される第2アッパリンクアーム42と、第2ロッカアーム27および第2アッパリンクアーム42とともに四節リンクを構成すべく第2ロッカアーム27の他端側下部に一端部が回動可能に連結されるとともに他端部が第1リフト可変機構28と共通な可動支軸31で回動可能に支承される第2ロアリンクアーム43とで構成される。
第2アッパリンクアーム42の一端部は、第2ロッカアーム27の上側連結壁部27a…を両側から挟む一対の連結壁部42a,42aを有して略U字状に形成されており、上部連結軸45を介して両連結壁部42a…が上側連結壁部27a…に回動可能に連結される。しかも第2ロッカアーム27における一対の上側連結壁27a…間には、第2動弁カム25に当接するカム当接部としてのローラ46が配置されており、そのローラ46は、中空の円筒状である上部連結軸45およびニードルベアリング47を介して前記両上側支持壁部27a…に軸支される。而して上部連結軸45は、第2アッパリンクアーム42の両連結壁部42a…および第2ロッカアーム27の両上側連結壁部27a…に挿通されており、上部連結軸35の外面に装着される止め輪48が、第2アッパリンクアーム42が備える両連結壁部42a…の一方の内面に係合することにより、第2アッパリンクアーム42の両連結壁部42a…および第2ロッカアーム27の両上側連結壁部27a…からの上部連結軸45の抜け出しが阻止される。
また第2アッパリンクアーム42の下方に配置される第2ロアリンクアーム43の一端部は、第2ロッカアーム27の下側連結壁部27b…間に挟まれるように配置され、下部連結軸49を介して下側連結壁部27b…に回動可能に連結される。
第1リフト可変機構28における第1アッパリンクアーム32の他端部および第2リフト可変機構29における第2アッパリンクアーム42の他端部は、固定支軸30を囲繞するリング状のスペーサ50を相互間に介在させて一対のカムホルダ21…間に配置されており、カムホルダ21…には、第1および第2アッパリンクアーム32,42の他端部外側面に摺接するボス部21a…が一体に突設される。
図4を併せて参照して、コントロール軸34は、一列に並ぶ複数気筒に共通に機関本体15に支承される単一のものであり、第1ロッカアーム26の他端側下部および第1ロアリンクアーム33を両側から挟むようにして第1ロッカアーム26側を開放した略U字状に形成される第1支持部34aと、第2ロッカアーム27の他端側下部および第2ロアリンクアーム43を両側から挟むようにして第2ロッカアーム27側を開放した略U字状に形成される第2支持部34bと、第1および第2支持部34a,34bの開放側外側面に直角に連設されるジャーナル部34c,34cと、第1および第2支持部34a,34bの閉塞部側を相互に結ぶ連結部34dとを各気筒毎に備える。
コントロール軸34の各ジャーナル部34c…は、機関本体15のシリンダヘッド16に設けられるカムホルダ21…と、カムホルダ21…に下方から結合される下部ホルダ51との間で回動可能に支承され、各ジャーナル部34c…と、カムホルダ21…および下部ホルダ51との間には、ローラベアリング52…が介装される。
また第1および第2支持部34a,34b内に配置される第1および第2ロアリンクアーム33,43の一端部を第1および第2ロッカアーム26,27にそれぞれ連結する下部連結軸39,49は、第1および第2支持部34a,34bの両側面によって軸方向移動を阻止されるようにして第1および第2ロアリンクアーム33,43の一端部ならびに第1および第2ロッカアーム26,27の他端側下部に挿通される。
さらに第1支持部43a、連結部43dおよび第2支持部43bには、ジャーナル部43c…と平行な支持孔53,54,55が同軸に設けられており、第1および第2ロアリンクアーム33,43の他端部を回動可能に支承する可動支軸31が前記支持孔53〜55に挿通される。而して可動支軸31は、コントロール軸34がジャーナル部34c…の軸線まわりに回動することにより、カムシャフト23の軸線と直交する平面内で、図1の実線で示す位置ならびに図1の鎖線で示す位置間を移動する。
第1および第2リフト可変機構28,29において、可動支軸31が図1の実線で示す位置にあるときには、第1および第2動弁カム24,25でローラ36,46が押圧されると、固定支軸30、上部連結軸35,45、下部連結軸39,49および可動支軸31を結ぶ四節リンクが変形して第1および第2ロッカアーム26,27が下方に揺動し、第1および第2吸気弁V1,V2を低リフトで開弁する。また可動支軸31が図1の鎖線で示す位置に上昇すると、第1および第2吸気弁V1,V2が高リフトで開弁する。
しかも機関の負荷に応じた第1吸気弁V1および第2吸気弁V2のリフト特性は図5で示すように設定されるものであり、機関の高負荷運転域で第1および第2吸気弁V1,V2のリフト特性を同一とするとともに機関の低負荷運転域で第1および第2吸気弁v1,V2の一方を閉弁休止とすべく、第1および第2リフト可変機構28,29が第1アッパおよびロアリンクアーム32,33ならびに第2アッパおよびロアリンクアーム42,43の第1および第2ロッカアーム26,27への連結点ジオメトリを相互に異ならせて構成されるとともに第1および第2動弁カム24,25のカムプロフィルが相互に異なって設定されるものであり、この実施例では、機関の低負荷運転域で第1吸気弁V1を閉弁休止するために、第1アッパリンクアーム32における固定支軸30および上部連結軸35間の距離L1が第2アッパリンクアーム42における固定支軸30および上部連結軸45間の距離L2よりも短く設定される。
また第1および第2リフト可変機構28,29のジオメトリが異なるので、第1および第2吸気弁V1,V2の開弁タイミングを合わせるためには、第1および第2動弁カム24,25がカムシャフト23の周方向にずれた位置に設けられる。
ところで、第1吸気弁V1は弁ばね20で閉弁方向にばね付勢されるものであり、閉弁方向にばね付勢されている第1吸気弁V1を第1ロッカアーム26で開弁方向に駆動しているときに第1ロッカアーム26のローラ36は、弁ばね20の働きによって第1動弁カム24に接触しているのであるが、第1吸気弁V1の閉弁状態では、弁ばね20のばね力は第1ロッカアーム26に作用することはなく、ローラ36が第1ロッカアーム26から離れてしまい、第1吸気弁V1の微小開弁時における弁リフト量の制御精度が低下してしまう可能性がある。そこで、弁ばね20とは別の弾発付勢手段56により、前記ローラ36を第1動弁カム24に当接させる方向に第1ロッカアーム26が付勢される。
弾発付勢手段56は、一端が第1ロッカアーム26側に連結される引っ張りロッド58と、該引っ張りロッド58を牽引して第1カム24にローラ36を当接させる側に第1ロッカアーム26を付勢すべく引っ張りロッド58の他端および機関本体15間に介設される圧縮コイルばね59とから成るものである。
而してこの実施例では、第1ロッカアーム26に一端部が上部連結軸35を介して連結される第1アッパリンクアーム32の他端部に一体に設けられて上方に延びるブラケット60に引っ張りロッド58の一端部が連結ピン61を介して連結され、機関本体15のシリンダヘッド16が一体に備えるカムホルダ21…に一体に設けられた支持腕部62に前記引っ張りロッド58の中間部が摺動可能に嵌合され、半径方向外方に張り出すようにして引っ張りロッド58の他端部に設けられる鍔部58aおよび前記支持腕部62間に、引っ張りロッド58を囲繞する圧縮コイルばね59が縮設される。
また第2ロッカアーム27に一端部が連結される第2アッパリンクアーム42および支持腕部62間にも、上述の弾発付勢手段56と同様に構成される弾発付勢手段57が設けられ、弁ばね20とは別の該弾発付勢手段57により、ローラ46を第2動弁カム25に当接させる方向に第2ロッカアーム27が付勢される。
図6において、第1ロッカアーム26の一端部には、第1吸気弁V1におけるステム18の上端に装着されたキャップ63に当接する油圧タペット64を装着せしめる装着孔66が設けられ、前記装着孔66は、第1ロッカアーム26の一端下部に下端を開放した大径孔部66aと、該大径孔部66aよりも小径に形成されるとともに第1ロッカアーム26の一端上部に上端を開放した小径孔部66bとが、下方に臨む環状の段部66cを介して同軸に連なって成る。
油圧タペット64は、閉塞端を第1吸気弁V1側に配置して前記装着孔66の大径孔部66aに摺動可能に装着される有底円筒状のボディ67と、該ボディ67に摺動可能に装着されるプランジャ68と、前記ボディ67の閉塞端および前記プランジャ68の一端間に形成される高圧室69ならびに前記プランジャ68内に形成される油室70間に介装されて前記プランジャ68の一端に設けられるチェックバルブ71と、前記高圧室69の容積を増大させる側に前記プランジャ68を付勢するばね力を発揮してボディ67およびプランジャ68間に設けられる戻しばね72とを備え、ボディ67の閉塞端には、第1吸気弁V1の上端のキャップ63に当接するチップ73が装着される。
前記プランジャ68を囲繞するコイル状である前記戻しばね72は、ボディ67の外方で該ボディ67およびプランジャ68間に設けられる。而してボディ67の他端には、前記戻しばね72の一端部に挿入される小径の円筒状である一端側内周規制筒部67aが、前記戻しばね72の一端を受ける環状の段部67bを形成するようにして同軸にかつ一体に設けられる。また基本的には円筒状に形成されるプランジャ68には、前記段部67bに対向するようにして半径方向外方に張り出す受け鍔部68aと、前記戻しばね72の他端部に挿入されるようにして前記受け鍔部68aの基端に連なる円筒状の他端側内周規制筒部68bとが同軸にかつ一体に設けられ、戻しばね72の他端は受け鍔部68aに当接される。
しかも一端側内周規制筒部67aの基端外面には環状の係止溝74が設けられ、他端側内周規制筒部68bの外面には環状の係止溝75が設けられており、戻しばね72の両端はそれらの係止溝74,75に係合される。すなわち戻しばね72の両端は、ボディ67およびプランジャ68に係合される。
前記プランジャ68の一端すなわち下端寄り内面には、内周で弁孔76を形成するようにして半径方向内方に張り出す内向き鍔部68cが一体に設けられており、その内向き鍔部68cよりも下方でプランジャ68には、弁孔76よりも大径に形成される弁室形成孔77と、該弁室形成孔77よりも大径に形成される第1圧入孔78とが、弁室形成孔77を内向き鍔部68c側に配置して同軸に設けられる。
前記チェックバルブ71は、プランジャ68の内向き鍔部68cとの間に弁室79を形成するようにして前記プランジャ68の一端部に取付けられるケージ80と、前記弁孔76を中央部に開口させるとともに弁室79に臨んで前記内向き鍔部68cの一端側内周に設けられるテーパ状の弁座81と、該弁座81に着座し得るようにして弁室79に収容される球状の弁体82とで構成される。
前記ケージ80は、削り出し加工によって短円筒状に形成されるものであり、前記プランジャ68の第1圧入孔78に圧入される。而してケージ80は、前記弁体82の弁座81への着座時には該弁体82との間に微小間隙たとえば0.15mmがあくようにして第1圧入孔78に圧入される。
しかも弁室形成孔77の内向き鍔部68c寄りの部分でプランジャ68には、弁室79に内端が通じるとともに外端がプランジャ68の外周に開口するようにして複数のエア抜き孔83…が穿設される。
また前記内向き鍔部68cよりも上方で、プランジャ68には、油室70を形成すべく前記弁孔76よりも大径に形成されて該弁孔76に一端が同軸に連なる油室形成孔84が設けられるとともに、環状凹部85を介して該油室形成孔84の他端に同軸に連なる第2圧入孔86とが設けられ、高圧室69とは反対側で油室70の端部を閉じるキャップ87がプランジャ68の他端部に固定される。
図7を併せて参照して、第2圧入孔86の軸方向外端には、軸方向外方に向かうにつれて大径となるテーパ状の面取り部86aが形成される。一方、キャップ87は、前記プランジャ68と同軸に延びる軸部87aと、該軸部87aに同軸に連なるフランジ部87bとを一体に有するものであり、前記フランジ部87bをプランジャ68の他端面に対向、当接させるまで前記軸部87aを第2圧入孔86に圧入せしめることでプランジャ68の他端部に固定される。しかも軸部87aの先端外周部には、第2圧入孔86への圧入を円滑に行うためにテーパ状の面取り部87cが形成される。
また軸部87aの外周の少なくとも1箇所には、油室70に通じる第1エア抜き通路89を第2圧入孔86の内面との間に形成するようにして軸方向に延びる平坦な切欠き88が設けられ、プランジャ68の他端面には、第2エア抜き通路90をフランジ部87bとの間に形成するようにしてプランジャ68の半径方向に沿って延びる溝91,91が、その内端を面取り部86aの内面に開口させるようにして、たとえばプランジャ68の一直径線上の2箇所に設けられる。
このような油圧タペット64は、受け鍔部68aを段部66cに対向させてプランジャ68の上部を装着孔66の小径孔部66bに嵌合せしめるとともに、ボディ67を装着孔66の大径孔部66aに摺動可能に嵌合せしめるようにして第1ロッカアーム26の一端部に装着されるものであり、装着孔66内で、ボディ67の他端およびプランジャ68の受け鍔部68a間には環状油室92が形成され、戻しばね72が該環状油室92に収容される。
また他端側内周規制突部68bが設けられる部分でプランジャ68の側壁には、プランジャ68内の油室70を前記環状油室92に連通せしめる複数の連通孔93…が設けられており、他端側内周規制筒部68bの前記連通孔93…に対応する部分は、スリット状に切欠かれる。
またボディ67に摺動可能に嵌合される部分でプランジャ68の軸方向中間部外面には、ボディ67およびプランジャ68間を潤滑するオイルを溜めるための環状凹部94が設けられ、油室70内のオイルを前記環状凹部94に導くための複数の潤滑孔95…がプランジャ68に設けられる。
このような油圧タペット64では、第1吸気弁V1の閉弁時に戻しばね72のばね力ならびに環状油室70の油圧による油圧力によってボディ67がその閉塞端に装着したチップ73を第1吸気弁V1の上端のキャップ63に当接せしめるように付勢され、第1ロッカアーム26および第1吸気弁V1間のクリアランスが「0」となる。また第1吸気弁V1の開弁時には、第1吸気弁V1からボディ67に作用する反力でボディ67が高圧室69の容積を減少する側に付勢されることによってチェックバルブ71が閉じ、高圧室69にオイルが閉じ込められることによってボディ67のプランジャ68に対する軸方向相対移動が阻止されることになり、第1ロッカアーム26から伝達される開弁駆動力が第1吸気弁V1に確実に伝達される。
再び図1において、機関本体15のシリンダヘッド16が一体に備えるカムホルダ21…には、第1吸気弁V1のリフト量を調整するためのリフト量調整機構97が設けられるものであり、第1吸気弁V1およびリフト量調整機構97間に油圧タペット64が介装される。
このリフト量調整機構97は、第1ロッカアーム26の一端部の上方に位置するようにしてカムホルダ21…に設けられるスクリュー保持部99と、前記油圧タペット64におけるキャップ87のフランジ部87bに先端を当接させるようにしてスクリュー保持部99に進退自在に螺合されるアジャストスクリュー100と、アジャストスクリュー100に螺合される止めナット101とで構成され、止めナット101は、アジャストスクリュー100の進退位置を保持するようにしてスクリュー保持部99に当接、係合される。
このようなリフト量調整機構97によれば、止めナット101を緩めてアジャストスクリュー100の進退位置を調整し、前記プランジャ68の受け鍔部68aと、第1ロッカアーム26の段部66cとの間隔を変化させることにより、第1吸気弁V1のリフト量を調整することができる。
第2吸気弁V2に連動、連結される第2ロッカアーム27の一端部には、第1ロッカアーム26と同様にして、第2吸気弁V2に当接する油圧タペット65が装着され、カムホルダ21…には、第2吸気弁V2のリフト量を調整するためのリフト量調整機構98が設けられ、第2吸気弁V2およびリフト量調整機構98間にも油圧タペット65が介装される。
ところで、固定支軸30は、図示しないオイルポンプからのオイルを導くオイル通路105を同軸に形成するようにして中空の円筒状に形成されるものであり、オイル通路105に通じる第1通路106が第1アッパリンクアーム32に設けられ、油圧タペット64に通じる第2通路107が第1ロッカアーム26に設けられ、上部連結軸35内に、第1および第2通路106,107を結ぶ連絡通路108を上部連結軸35の内周との間に形成する通路形成部材109が挿入、固定される。
第1通路106は、カムホルダ21…のボス部21aに摺接する側とは反対側の側面寄りで固定支軸30の軸線と直交する平面内で一直線状に延びるようにして第1アッパリンクアーム32に設けられ、固定支軸30には、固定支軸30の軸線まわりの第1アッパリンクアーム32の回動にかかわらず該固定支軸30内のオイル通路105を第1通路106に連通させる連通孔110が設けられる。また第2通路107は、第1ロッカアーム26が備える一対の上側連結壁部26a…のうち、内方側の上側連結部26a内を直線状に通るようにして第1ロッカアーム26に設けられる。
図8および図9において、通路形成部材109は、金属もしくは合成樹脂により中空の円筒状に形成されるものであり、この通路形成部材109の外周には、上部連結軸35の内面および通路形成部材109の外周間に環状の連絡通路108を形成する環状凹部111が設けられる。
また上部連結軸35を嵌合するようにして第1アッパリンクアーム32の連結壁部32aに設けられる第1嵌合孔112の内周に第1通路106に通じる第1環状溝113が設けられ、上部連結軸35を嵌合するようにして第1ロッカアーム26の上部連結壁部26aに設けられる第2嵌合孔114の内周に第2通路107に通じる第2環状溝115が設けられ、上部連結軸35には、第1環状溝113および連絡通路108間を結ぶ一対の第1連通孔116,116と、第2環状溝115および連絡通路108間を結ぶ一対の第2連通孔117,117とが、相互に重ならない直径線上、この実施例では相互に直交する直径線上に配置されるようにして穿設される。
また第2リフト可変機構29側で固定支軸30内のオイル通路105および油圧タペット65間は、上述の第1リフト可変機構28側と同様にして、オイル通路105に通じるようにして第2アッパリンクアーム42に設けられる第1通路120と、油圧タペット65に通じるようにして第2ロッカアーム27に向けられる第2通路121と、第1および第2通路120,121間を結ぶようにして上部連結軸45内に形成される連絡通路122で接続されており、連絡通路122は、上部連結軸45の内周と、上部連結軸45に挿入、固定される通路形成部材123の外周との間に形成される。
しかも連絡通路122と、第1および第2通路120,121との接続構造は、第1リフト可変機構28における連絡通路108と、第1および第2通路106,107との接続構造と同様に構成される。
ところで、各気筒における第1および第2吸気弁V1,V2のリフト量を調整するにあたっては、機関の非燃焼状態での図示しないスタータモータ等によるクランキング中に燃焼室内の圧縮圧力を測定し、その測定値に基づいて吸気弁V1,V2のリフト量を調整するものである。
すなわち図10で示すように、吸気チャンバ130が吸気マニホールド131を介してシリンダヘッド16に接続される4気筒の直列多気筒内燃機関の場合、リフト量の調整のために、機関本体15の一部を構成するようにしてシリンダヘッド16に結合されるヘッドカバー17に、各気筒におけるリフト量調整機構97,98…に個別に対応した操作孔129…が密閉可能として予め設けられており、燃焼室内の圧縮圧力を測定する圧力計125は、ヘッドカバー17に設けられるプラグ挿入孔124…の1つに挿入される。
またリフト量調整機構97,98…の調整は、開放した操作孔129に調整工具126を挿入して実行されるものであり、この調整工具126は、リフト量調整機構97,98…における止めナット101を回転操作し得る止めナット操作具127に、アジャストスクリュー100を回転操作し得るスクリュー操作具128が付設されて成る従来周知のものである。
而して1つの気筒における第1および第2吸気弁V1,V2のリフト量を調整するにあたっては、先ず両吸気弁V1,V2の一方を調整対象として他方をゼロリフトとなるようにしておき、両吸気弁V1,V2の一方だけが作動したときの圧縮圧力が規定値となるように両吸気弁V1,V2の一方のリフト量を調整し、その後で、両吸気弁V1,V2がともに作動するときの圧縮圧力が規定値となるように両吸気弁V1,V2の他方のリフト量を調整すればよい。
次にこの第1実施例の作用について説明すると、1気筒あたり一対である第1および第2吸気弁V1,V2に個別に対応して一対のリフト可変機構28,29が配設されており、機関の高負荷運転域で第1および第2吸気弁V1,V2のリフト特性を同一とするとともに機関の低負荷運転域で第1および第2吸気弁V1,V2の一方(この実施例では第1吸気弁V1)を閉弁休止とすべく、第1および第2リフト可変機構28,29が第1アッパリンクアーム32および第1ロアリンクアーム33の第1ロッカアーム26への連結点ジオメトリならびに第2アッパリンクアーム42および第2ロアリンクアーム43の第2ロッカアーム27への連結点ジオメトリを相互に異ならせて構成されるとともに、第1および第2ロッカアーム26,27に個別に対応して第1および第2動弁カム24,25のカムプロフィルが相互に異なって設定されている。
したがって機関の高負荷運転域で第1および第2吸気弁V1,V2のリフト特性を同一とすることにより高負荷運転域での出力特性の向上を図ることができ、また機関の低負荷運転域では第1吸気弁V1を閉弁休止することによってスワールを生じさせて燃焼効率の向上を図り、燃費の低減および排気性能の向上を図ることができ、しかも低負荷運転域では、第2気弁V2のリフト量が、第1および第2吸気弁V1,V2を同一特性で開弁するようにしたときに比べて大きくなるので、リフト量が小さくなる低負荷運転域での第2J吸気弁V2のリフト量の制御および調整が容易となる。
また第1および第2ロッカアーム26,27は、第1および第2吸気弁V1,V2を閉弁方向に付勢する弁ばね20…とは別の弾発付勢手段56,57により、ローラ36,46が第1および第2動弁カム24,25に当接する側に付勢されるのであるが、弾発付勢手段56,57は、一端が第1および第2ロッカアーム26,27側に連結される引っ張りロッド58…と、該引っ張りロッド58…を牽引して第1および第2動弁カム24,25にローラ36,46を当接させる側に第1および第2ロッカアーム26,27を付勢すべく引っ張りロッド58の他端部および機関本体15間に介設される圧縮コイルばね59…とから成るものである。
このような弾発付勢手段56,57の構成によれば、圧縮コイルばね59…が発揮するばね力で引っ張りロッド58…が牽引され、それによって第1および第2ロッカアーム26,27が、そのローラ36,46を第1および第2動弁カム24,25に当接させる側に付勢されることになり、弾発付勢手段56,57をコンパクト化して動弁系構造の設計自由度を増大することができる。
また第1および第2吸気弁V1,V2のリフト量を可変とする第1および第2リフト可変機構28,29の一部を構成する第1アッパリンクアーム32および第2アッパリンクアーム42の一端部が第1および第2リンクアーム26,27にそれぞれ連結され、第1アッパリンクアーム32および第2アッパリンクアーム42の他端部が固定支軸30で支承されるのであるが、弾発付勢手段56,57が、第1アッパリンクアーム32および第2アッパリンクアーム42の他端部と、シリンダヘッド16のカムホルダ21に設けられる支持腕部62…との間に設けられており、第1および第2吸気弁V1,V2のリフト量を変化させるようにした動弁装置において、第1および第2ロッカアーム26,27と、一対ずつのリンクアーム32,33;42,43でリンク機構のがたを弾発付勢手段56,57抑制し、動弁装置で生じる振動を抑えることが可能となる。
また第1および第2リンクアーム26,27の一端部には、第1および第2吸気弁V1,V2に当接する油圧タペット64,65が装着されるものであり、それらの油圧タペット64,65は、閉塞端を第1および第2吸気弁V1,V2側に配置して第1および第2リンクアーム26,27の一端部に摺動可能に装着される有底円筒状のボディ67…と、該ボディ67…に摺動可能に装着されるプランジャ68…と、ボディ67…の閉塞端および前記プランジャ68…の一端間に形成される高圧室69…ならびにプランジャ68…内に形成される油室70…間に介装されて前記プランジャ68…の一端に設けられるチェックバルブ71…と、高圧室69…の容積を増大させる側にプランジャ68…を付勢するばね力を発揮してボディ67…およびプランジャ68…間に設けられる戻しばね72…とを備えるものであるが、戻しばね72…がボディ67の外方に配置されるので、高圧室69…の容積を小さくすることが可能であり、それによって作動に伴うオイルの流量を少なくすることが可能であり、油圧タペット64,65の小型化を図ることができる。
しかもプランジャ68…を囲繞するコイル状の戻しばね72…の両端が、ボディ67…およびプランジャ68…に係合されるので、戻しばね72…によってボディ67…およびプランジャ68…の組付け状態を維持することができ、プランジャ68…のボディ67…からの抜け出しを阻止するためのスナップリングをボディ67…の内周に装着することが不要となる。このためボディ67…およびプランジャ68…の相互摺接によるシール長さを比較的大きく設定することが可能となり、機能上必要なシール長さを、油圧タペット64,65全体の大型化を回避しつつ容易に確保することができる。
またプランジャ68の他端部には、軸方向外方に向かうにつれて大径となるテーパ状の面取り部86aを軸方向外端に有する第2圧入孔86が設けられ、プランジャ68と同軸に延びる軸部87aと、該軸部87aに同軸に連なるフランジ部87bとを一体に有するキャップ87が、高圧室69とは反対側で油室70の端部を閉じるべくフランジ部87bをプランジャ68の他端面に対向、当接させるまで軸部87aを第2圧入孔86に圧入せしめることでプランジャ68の他端部に固定されるものであり、このようにキャップ87を固定することで、高速作動する内燃機関に対応することができる。
しかも軸部87aの外周には、油室70に通じる第1エア抜き通路89を第2圧入孔86の内面との間に形成するようにして軸方向に延びる切欠き88が設けられ、プランジャ68の他端面には、第2エア抜き通路91をフランジ部87bとの間に形成してプランジャ68の半径方向に沿って延びる溝90…が、その内端を面取り部86aの内面に開口させるようにして設けられており、プランジャ68の他端部へのキャップ87の固定時に、該キャップ87の軸部87a外周に設けられる切欠き88と、プランジャ68の他端面に設けられる溝90…との位相を合わせることなく、第1および第2エア抜き通路89,91を相互に連通させることが可能であり、煩雑な位相合わせ作業を不要とした簡単な構造で、油室70からのエア抜きを確実に行うことができる。
またチェックバルブ71は、プランジャ68との間に弁室79を形成するようにしてプランジャ68の一端部に取付けられるケージ80と、油室70に通じる弁孔76を中央部に開口させるとともに弁室79に臨んでプランジャ68に設けられるテーパ状の弁座81と、該弁座81に着座し得るようにして弁室79に収容される球状の弁体82とで構成されるものであり、弁座81寄りの部分で弁室79に内端が通じるとともに外端がプランジャ68の外周に開口した複数のエア抜き孔83…がプランジャ68に設けられるので、高圧室69内に溜まったエアを、高圧室69の圧力増大とともにプランジャ68およびボディ67間の隙間に押し出すようにして、高圧室69からのエアを確実に抜くことができる。
さらにケージ80は、削り出し加工によって短円筒状に形成されるとともにプランジャ68の一端部に圧入されるものであり、ケージ80の寸法精度を高め、弁体82のガイド精度およびストローク精度を高めることが可能となるとともに高圧室69の容積をより小さくして、剛性向上を図ることが可能となる。しかもケージ80をプランジャ68に固定するための専用部品を不要とすることで、部品点数の低減およびチェックバルブ71の組付け工数低減が可能となる。
第1および第2ロッカアーム26,27の一端部に装着される油圧タペット64,65に固定支軸30内のオイル通路105からオイルを供給するために、第1アッパリンクアーム32および第2アッパリンクアーム42には、オイル通路105に通じる第1通路106,120が設けられ、油圧タペット64,65に通じる第2通路107,121が第1および第2ロッカアーム26,27に設けられ、第1アッパリンクアーム32および第2アッパリンクアーム42の一端部を第1および第2ロッカアーム26,27に回動可能に連結する円筒状の上部連結軸35,45内に、第1および第2通路106,120;107,121を結ぶ連絡通路108,122を前記上部連結軸35,45の内周との間に形成する通路形成部材109,123が挿入、固定される。
このような通路構造によれば、上部連結軸35,35内に通路形成部材109,123を挿入、固定するだけの簡単かつコンパクトな構造で第1および第2アッパリンクアーム32,42と、第1および第2ロッカアーム26,27との間でオイルを受け渡しするための連絡通路108,122を形成することができ、しかも連絡通路108,123は通路形成部材109,123の外周および上部連結軸35,45の内周間に形成されるものであるので容積を小さく設定することができ、機関の再始動時に油圧タペット64,65への給油遅れが生じることを回避することができ、しかも円筒状とすることで軽量化を図った上部連結軸35,45の剛性を通路形成部材109,123の挿入、固定で増大することができる。
また通路形成部材109,123の外周に、上部連結軸35,45の内面および通路形成部材109,123の外周間に環状の連絡通路108,122を形成する環状凹部111…が設けられるので、連絡通路108,122の容積を通路形成部材109,123の外周に設けられる環状凹部111…の形状によって容易に変更可能であり、設計自由度を高めることができる。しかも通路形成部材109,123が中空の円筒状に形成されるので、軽量化を図ることができる。
さらに上部連結軸35,45を嵌合するようにして第1および第2アッパリンクアーム32,33に設けられる第1嵌合孔112…の内周に第1通路106,120に通じる第1環状溝113…が設けられ、上部連結軸35,45を嵌合するようにして第1および第2ロッカアーム26,27に設けられる第2嵌合孔114…の内周に第2通路107,121に通じる第2環状溝115…が設けられ、上部連結軸35,45には、第1環状溝113…および連絡通路108,122間を結ぶ一対の第1連通孔116…と、第2環状溝115…および連絡通路108,122間を結ぶ一対の第2連通孔117…とが、相互に重ならない直径線上、この実施例では相互に直交する直径線上に配置されるようにして穿設されている。
したがって固定支軸30で支承される第1および第2アッパリンクアーム32,42ならびに第1および第2ロッカアーム26,27に対する上部連結軸35,45の軸線まわりの相対位置がいずれの位置となっても、第1および第2連通孔116…,117…の少なくとも一方を極力上方位置に配置する可能性が高くなり、連絡通路108,122内に溜まったエアを抜き易くすることができ、しかも第1および第2連通孔116…,117…が上部連結軸35,45の直径線上に一対ずつ配置されるようにして第1および第2連通孔116…,117…の加工性を高めることができる。
ところで、第1および第2吸気弁V1,V2のリフト量を調整するにあたっては、機関の非燃焼状態でのクランキング中に燃焼室内の圧縮圧力を圧力計125で測定し、その測定値に基づいて第1および第2吸気弁V1,V2のリフト量を調整するようにしている。而して機関の圧縮圧力は最終的な吸入空気量によるので、機関の非燃焼状態でのクランキング中における燃焼室内の圧縮圧力測定値が所定値となるように吸気弁V1,V2のリフト量を調整することにより、各気筒毎の吸入空気量を同一に定めることが可能となる。
また吸気弁V1,V2のリフト量を調整するリフト量調整機構97,98が機関本体15に設けられているので、機関の非燃焼状態でのクランキング中に吸気弁V1,V2のリフト量を調整することが可能となるものであり、また第1および第2ロッカアーム26,27NI,吸気弁V1,V2およびリフト量調整機構97,98間に介装されるようにして油圧タペット64,65が設けられるので、機関のクランキングに応じて油圧タペット64,65が作動することで生じる圧縮圧力に基づいて吸気弁V1,V2のリフト量を調整することになり、油圧タペット64,65が両ロッカアーム26,27に設けられていても吸気弁V1,V2のリフト量を調整することができる。
さらに両吸気弁V1,V2のリフト量はリフト可変機構28,29で可変とされるものであり、機関の低負荷運転時に、吸気弁V1,V2のリフト量のばらつきが生じると機関の回転の不安定化や失火を起こす原因となり得るのであるが、気筒毎の吸気空気量を同一に調整し得るので、回転の不安定化や失火を確実に防止して、低負荷時の燃費の低減および出力向上をより効果的に達成することができる。
図11は本発明の第2実施例を示すものであり、4気筒の直列多気筒内燃機関において、機関本体15′は、吸気チャンバ130が吸気マニホールド131を介して接続されるシリンダヘッド16と、該シリンダヘッド16に結合されるヘッドカバー17′とを備えるものであり、シリンダヘッド16およびヘッドカバー17′間には、1気筒あたり一対ずつの吸気弁をそれぞれ開閉駆動するソレノイド駆動手段132,132…が収容されており、各ソレノイド駆動手段132,132…は、開弁リフト量を可変として各吸気弁を開閉駆動する。
このような多気筒内燃機関において、各気筒における吸気弁のリフト量を調整するにあたっては、機関の非燃焼状態での図示しないスタータモータ等によるクランキング中に燃焼室内の圧縮圧力を測定し、その測定値に基づいて各ソレノイド駆動手段132,132…の作動量を調整することで吸気弁のリフト量を調整するものであり、燃焼室内の圧縮圧力を測定する圧力検出器134が、ヘッドカバー17′の対象気筒における挿入孔124に挿入される。
また圧力検出器134の検出値は、各ソレノイド駆動手段132,132…の作動を制御する電子制御ユニット135に入力されるものであり、調整モードとされた電子制御ユニット135が、圧力検出器134の検出値に基づいて調整対象吸気弁に対応したソレノイド駆動手段132の作動量を調整することにより、吸気弁のリフト量を調整することが可能となる。
なおソレノイド駆動手段132…が、開閉タイミングをも可変として吸気弁を開閉駆動するものである場合には、開閉タイミングを調整することも可能となる。
このような第2実施例によっても、各気筒毎の吸入空気量を同一に定めることが可能となる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
15・・・機関本体
23・・・カムシャフト
24,25・・・動弁カム
26,27・・・カムフォロワとしてのロッカアーム
28,29・・・リフト可変機構
64,65・・・油圧タペット
97,98・・・リフト量調整機構
V1,V2・・・吸気弁
23・・・カムシャフト
24,25・・・動弁カム
26,27・・・カムフォロワとしてのロッカアーム
28,29・・・リフト可変機構
64,65・・・油圧タペット
97,98・・・リフト量調整機構
V1,V2・・・吸気弁
Claims (4)
- 吸気弁(V1,V2)のリフト量を調整するための多気筒内燃機関の吸気弁リフト調整方法であって、機関の非燃焼状態でのクランキング中に燃焼室内の圧縮圧力を測定し、その測定値に基づいて吸気弁(V1,V2)のリフト量を調整することを特徴とする多気筒内燃機関の吸気弁リフト調整方法。
- 請求項1記載の多気筒内燃機関の吸気弁リフト調整方法を実行するにあたり、機関本体(15)に、吸気弁(V1,V2)のリフト量を調整するリフト量調整機構(97,98)が設けられることを特徴とする多気筒内燃機関の吸気弁リフト調整構造。
- カムシャフト(23)に設けられる動弁カム(24,25)に従動して揺動するようにして機関本体(15)に支承されるカムフォロワ(26,27)に、前記吸気弁(V1,V2)および前記リフト量調整機構(97,98)間に介装されるようにして油圧タペット(64,65)が設けられることを特徴とする請求項2記載の多気筒内燃機関の吸気弁リフト調整構造。
- 前記カムフォロワ(26,27)に、吸気弁(V1,V2)のリフト量を可変としたリフト可変機構(28,29)が連結されることを特徴とする請求項3記載の多気筒内燃機関の吸気弁リフト調整構造。
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-
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