JP2006299860A - ターボ過給機の潤滑構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 オイル循環ポンプの駆動エネルギ損出を削減すると共に耐久性に優れたターボ過給機の潤滑構造を提供することにある。
【解決手段】 オイルパン25から供給されるオイルによりターボ過給機10L、10Rを潤滑し、ターボ過給機10L、10Rから排出されるオイルを回収するオイル捕集タンク27L、27R内の油面を検知する油面センサ31を備え、油量センサ31が設定された油面位置L1以上の検知時に電動モータの回転駆動によりオイル環流ポンプ28L、28Rによってオイル捕集タンク27L、27R内のオイルをオイルパン25に送出する。オイル捕集タンク27L、27R内に貯留されるオイルの油量に応じて電動モータ28Lm、28Rmの回転駆動が制御されて、電力消費量が大幅に抑制されて大幅なエネルギ損出を削減することができると共に、優れた耐久性が確保できる。
【選択図】図1
【解決手段】 オイルパン25から供給されるオイルによりターボ過給機10L、10Rを潤滑し、ターボ過給機10L、10Rから排出されるオイルを回収するオイル捕集タンク27L、27R内の油面を検知する油面センサ31を備え、油量センサ31が設定された油面位置L1以上の検知時に電動モータの回転駆動によりオイル環流ポンプ28L、28Rによってオイル捕集タンク27L、27R内のオイルをオイルパン25に送出する。オイル捕集タンク27L、27R内に貯留されるオイルの油量に応じて電動モータ28Lm、28Rmの回転駆動が制御されて、電力消費量が大幅に抑制されて大幅なエネルギ損出を削減することができると共に、優れた耐久性が確保できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ターボ過給機の潤滑構造に関し、特にオイル貯留部からのオイルをエンジン本体に配置されたターボ過給機に供給して潤滑するターボ過給機の潤滑構造に関する。
車両用エンジンに配置されるターボ過給機は、例えば図8に断面図を示すように、タービン室11とコンプレッサ室12がセンタハウジング13を介して一体結合され、タービン室11内のタービンホイール14とコンプレッサ室12内のコンプレッサホイール15とが、センタハウジング13内に設けられたコンプレッサホイール側軸受16a及びタービンホイール側軸受16bによって回転自在に軸支されたタービン軸17によって連結されている。このターボ過給機10は、エキゾーストマニホールドからの排気ガスによってタービンホイール14を回転させることによりタービン軸7を介してコンプレッサホイール15が回転する。この回転するコンプレッサホイール15によって圧縮された吸気がインテークマニホールドに送られて過給が行われる。
このターボ過給機10のタービン軸17は、高速で回転して高温になるためタービンホイール側軸受16aとコンプレッサホイール側軸受16bを十分に潤滑及び冷却する必要がある。
このためオイルOLをセンタハウジング13内の上部に開口するオイル入口18aから供給し、センタハウジング13に設けた給油通路19を経てタービンホイール側軸受16a及びコンプレッサホイール側軸受16bに供給して該部を潤滑及び冷却する。タービンホイール側軸受16a及びコンプレッサホイール側軸受16bを潤滑及び冷却したオイルOLは、センタハウジング13の下部に開口するオイル出口18bから排出して回収される。
なお、センタハウジング13とタービン室11の境界部分及びセンタハウジング13とコンプレッサ室12の境界部分に、センタハウジング13とタービン軸17との間からオイルOLが漏れ出すのを防止するためのオイルシール部20が配設されている。このセンタハウジング13とタービン軸17との間に配設されるオイルシール部20は、図9に示すように高回転で回転するタービン軸17に過度の圧接力が作用しないように、その一部が隙間20aによって分断された環状に形成されている。
このようなターボ過給機を縦置き配置された車両用水平対向式エンジンに搭載する場合には、車体重心位置を低下させて走行安定性の向上を図り、更に各バンクとターボ過給機との間に介在する中間排気パイプの省略、及びターボ過給機のタイムラグを減少させてレスポンスを向上させるため、排気ポートの直下、即ち左右のバンク下面にターボ過給機を直結配置することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の左右のバンク下面にターボ過給機を配設した水平対向式エンジンは、図10に水平対向式エンジンの概要を示すように、エンジン本体111の内部に配置された図示しないオイルポンプによってクランクケース112の直下に取り付けられたオイルパン113内のオイルOLが吸い上げられ、クランクケース112内及び左右のバンク115L、115R内のギャラリに導かれ、左バンク115Lのシリンダヘッド116L内の動弁機構及び右バンク115Rのシリンダヘッド116R内の動弁機構に供給される。
一方、ギャラリから分岐したオイル通路を介して右バンク115Rの下面に配置されたターボ過給機10R及び左バンク115Lの下面に配置されたターボ過給機10LにそれぞれオイルOLを供給して、ターボ過給機10R、10Lを潤滑する。
ターボ過給機10R及び10Lの潤滑及び冷却に使用されたオイルOL及び、それらのタービン室内でタービンホイールによって加圧されたエア及びコンプレッサ室内でコンプレッサホイールによって加圧されたエアがシール部の隙間からセンタハウジング内に漏れ出した高圧のターボブローバイガスは、ターボ過給機10R、10Lがオイルパン113内のオイルOLの油面Laより下方に位置することから、ターボ過給機10R、10Lの下方にそれぞれ配設されて互いに連通通路122によって連通されたオイル捕集タンク121R、121Lに回収された後に、オイル捕集タンク121Lからオイル回収通路122及びオイル回収通路122に介在するスカベンジングポンプ等のオイル環流ポンプ123によってオイルパン113に送出される。また、オイル捕集タンク121Lの上部が圧力調整通路124によってクランクケース112内に連通している。
上記特許文献1に示すターボ過給機の潤滑構造によると、各バンク115L、115Rの下面に配設されたターボ過給機10R、10LからのオイルOLを回収するオイル捕集タンク121R、121Lを設け、かつオイル捕集タンク121R、121L内に回収されたオイルOLをオイル環流ポンプ124によってオイルパン113に送出することによって、オイルパン113の油面Laより低位置にターボ過給機10L、10Rが配置できて車体重心位置を低くすることができる。
しかし、オイル捕集タンク121R、121L内に回収されたオイルOLをオイルパン113に送出するオイル環流ポンプ123がオイル捕集タンク121R、121L内に回収されたオイルOLの有無及び油量の変動にかかわらず常時駆動されることから、そのオイル循環ポンプ123の駆動エネルギ損出が大きく、かつ燃費の低下を招く要因となる。
特に、クランク軸の回転駆動によりタイミングチェーン等の駆動力伝達機構を介してオイル環流ポンプ123を駆動する場合には、駆動力伝達機構による伝達エネルギの損失が比較的大きく燃費及びエンジン性能に影響すると共に、その配置による占用スペースを要すると共に配置位置が制限されて設計レイアウトが制限される。
一方、オイル環流ポンプ123を電動モータによって駆動する電動ポンプによって構成した場合には、燃費及びエンジン性能への影響は比較的少ないが、電動モータの電力消費量が大きく、かつ電動モータが常時連続して回転駆動されることから電動モータのブラシや整流子が摩耗して十分な電動モータの耐久性が得難く、定期的なメンテナンスが必要になる。
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、オイル循環ポンプの駆動エネルギ損出を削減すると共に耐久性に優れたターボ過給機の潤滑構造を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載のターボ過給機の潤滑構造の発明は、エンジン本体に配置されたターボ過給機に、オイル貯留部からのオイルを供給して潤滑するターボ過給機の潤滑構造において、上記ターボ過給機の下方に配置されて該ターボ過給機から排出されるオイルが供給されるオイル捕集タンクと、該オイル捕集タンク内に貯留されたオイルを上記オイル貯留部に送出するオイル環流ポンプと、上記オイル捕集タンク内に貯留されたオイルが予め設定された油量以上か否かを検知する油量センサと、を備え、上記油量センサが上記設定された油量以上を検知時に上記オイル環流ポンプを駆動させて上記オイル捕集タンク内のオイルを上記オイル貯留部に送出することを特徴とする。
上記目的を達成する請求項2に記載のターボ過給機の潤滑構造の発明は、エンジン本体に複数配置された各ターボ過給機に、オイル貯留部からのオイルを供給して潤滑するターボ過給機の潤滑構造において、上記各ターボ過給機の下方に各々配置されて各ターボ過給機から排出されるオイルがそれぞれ供給される複数のオイル捕集タンクと、該複数のオイル捕集タンクのうちのいずれか特定のオイル捕集タンクと他のオイル捕集タンクとの間を連通する連通通路と、上記特定のオイル捕集タンク内のオイルを上記オイル貯留部に送出するオイル環流ポンプと、上記特定のオイル捕集タンク内に貯留されたオイルが予め設定された油量以上か否かを検知する油量センサと、を備え、上記油量センサが上記設定された油量以上を検知時に上記オイル環流ポンプを駆動させて上記特定のオイル捕集タンク内のオイルを上記オイル貯留部に送出することを特徴とする。
上記目的を達成する請求項3に記載のターボ過給機の潤滑構造の発明は、縦置き配置された車両用水平対向式エンジン或いはV字型エンジンの左右のバンク下面に各々配置された各ターボ過給機にオイル貯留部からのオイルを供給して潤滑するターボ過給機の潤滑構造において、上記各ターボ過給機の下方に各々配置されて各ターボ過給機から排出されるオイルが供給される各オイル捕集タンクと、該各オイル捕集タンク間を連通する連通通路と、上記オイル捕集タンクのうちいずれか特定のオイル捕集タンク内のオイルを上記オイル貯留部に送出するオイル環流ポンプと、上記特定のオイル捕集タンク内に貯留されたオイルが予め設定された油量以上か否かを検知する油量センサと、を備え、上記油量センサが上記設定された油量以上を検知時に上記オイル環流ポンプを駆動させて上記特定のオイル捕集タンク内のオイルを上記オイル貯留部に送出することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3のターボ過給機の潤滑構造において、上記連通通路を介して上記特定のオイル捕集タンク側から他方のオイル捕集タンク側へのオイルの移動を阻止する逆止弁を備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか1項のターボ過給機の潤滑構造において、上記特定のオイル捕集タンクと上記各ターボ過給機から上記各オイル捕集タンクに各々排出するターボブローバイガスの圧力より低圧のオイル潤滑系路部分とを連通する圧力調整通路を備えたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5のターボ過給機の潤滑構造において、低圧のオイル潤滑系路部分は、クランクケースであることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項のターボ過給機の潤滑構造において、上記油量センサは、オイル捕集タンク内に貯留されたオイルの油面を検知する油面センサであることを特徴とする。
請求項1の発明によると、ターボ過給機から排出されるオイルを回収するオイル捕集タンク内の油量を検知する油量センサを備え、油量センサが設定された油量以上の検知時にオイル環流ポンプを駆動させてオイル捕集タンク内のオイルをオイル貯留部に送出することから、オイル捕集タンク内に貯留されるオイルの油量に応じてオイル環流ポンプの駆動が制御されることにより、オイル環流ポンプが連続して駆動することがなくなり、オイル環流ポンプを駆動するためのエネルギ損出を大幅に削減することができる。更に、オイル環流ポンプが電動モータの回転駆動によって作動する場合には電動モータが必要に応じて回転駆動することから電動モータのブラシや整流子等の摩耗が減少して優れた耐久性が確保できる。
請求項2の発明によると、複数のターボ過給機から排出されるオイルを回収する各オイル捕集タンク間を連通通路によって連通し、特定のオイル捕集タンク内の油量を検知する油量センサを備え、この油量センサが設定された油量以上の検知時にオイル環流ポンプを駆動させて特定のオイル捕集タンク内のオイルをオイル貯留部に送出することにより、各オイル捕集タンク内に回収されたオイルを単一のオイル環流ポンプによりオイル貯留部に送出できる。更に、オイル捕集タンク内に貯留されるオイルの油量に応じてオイル環流ポンプの駆動が制御されることにより、オイル環流ポンプが連続して駆動することがなくなり、オイル環流ポンプを駆動するためのエネルギ損出を大幅に削減することができる。更に、オイル環流ポンプが電動モータの回転駆動によって作動する場合には電動モータが必要に応じて回転駆動することから電動モータのブラシや整流子等の摩耗が減少して優れた耐久性が確保できる。
請求項3の発明によると、縦置きされた水平対向式エンジン或いはV字型の左右のバンクに配置されたそれぞれのターボ過給機にオイル貯留部から供給されるオイルにより複数のターボ過給機を潤滑し、各ターボ過給機から排出されるオイルを回収する各オイル捕集タンクが連通通路によって連通し、いずれか一方の特定されたオイル捕集タンク内の油量を検知する油量センサを備え、油量センサが設定された油量以上の検知時にオイル環流ポンプを駆動させて特定のオイル捕集タンク内のオイルをオイル貯留部に送出することにより、各オイル捕集タンクに回収されたオイルを単一のオイル環流ポンプによりオイル貯留部に送出できる。また、特定のオイル捕集タンク内に貯留されるオイルの油量に応じてオイル環流ポンプの駆動が制御されることにより、オイル環流ポンプが連続して回転駆動することがなくなり、オイル環流ポンプを駆動するためのエネルギ損出を大幅に削減することができる。更に、オイル環流ポンプが電動モータの回転駆動によって作動する場合には電動モータのブラシや整流子等の摩耗が減少して優れた耐久性が確保できる。
請求項4の発明によると、車両の急激な旋回走行等による大きな横Gが発生した際に、特定のオイル捕集タンク側から他方のオイル捕集タンク側へのオイルの移動が逆止弁によって阻止され、ターボ過給機の機能への影響が抑制できる。
請求項5の発明によると、各ターボ過給機から各オイル捕集タンクに各々排出するターボブローバイガスの圧力より低圧のオイル潤滑系路部分に圧力調整通路を介して特定のオイル捕集タンクを連通することによって、各ターボ過給機から排出されるターボブローバイガスによって各オイル捕集タンク内が加圧される一方、特定のオイル捕集タンク内が圧力調整通路を介して減圧されて特定のオイル捕集タンク内が他のオイル捕集タンク内に対して低圧となる。この圧力差によって他のオイル捕集タンク内のオイルが連通通路を介して特定のオイル捕集タンクに圧送される。
請求項6の発明は、潤滑系路部分をクランクケースに特定したものであって、ターボ過給機からオイル捕集タンクに排出するターボブローバイガスの圧力より低圧の潤滑系路部分が容易に確保できる。
請求項7の発明によると、オイル捕集タンク内に貯留されるオイルの油面を検知する安価な油面センサによって油量センサを構成することができる。
以下、本発明によるターボ過給機の潤滑構造の実施の形態を、縦置き配置された車両用水平対向式エンジンを例に図を参照して説明する。なお、各実施の形態におけるターボ過給機10L、10Rは、上記図8に示すターボ過給機10と実質同一構成であり、その詳細な説明は省略する。
(第1実施の形態)
本発明の第1実施の形態を図1乃至図3を参照して説明する。図1は、本実施の形態の概要を示すターボ過給機が装備された水平対向式エンジンの概略を示す一部断面正面図であり、図2は模式的に示す説明図、図3はそのオイル系統図である。
本発明の第1実施の形態を図1乃至図3を参照して説明する。図1は、本実施の形態の概要を示すターボ過給機が装備された水平対向式エンジンの概略を示す一部断面正面図であり、図2は模式的に示す説明図、図3はそのオイル系統図である。
エンジン本体21の中央に配置されたクランクケース22に左右のバンク23L、23Rが設けられている。クランクケース22の直下にオイル貯留部となるオイルパン25が取り付けられ、左右のバンク23L、23Rの下面に一対のターボ過給機10L、10Rが互いに離間して配置されている。ターボ過給機10L、10Rはオイルパン25内のオイルOLの油面Laより下方に位置している。
エンジン本体21の内部にオイルポンプ39が配置され、オイルポンプ39の吸込側となるオイルストレーナ37及びオイル吸引通路38を介してオイルパン25内のオイルOLを吸引し、オイルポンプ39によって吸い込まれたオイルOLをエンジン本体21内のオイルギャラリから各潤滑部分に送油すると共に、一部を分岐してターボ過給機10L、10Rの潤滑及び冷却のためにターボ過給機10L、10Rのオイル入口18aに送油するオイル潤滑系路が形成されている。
左側のターボ過給機10Lのセンタハウジング13の下部に開口するオイル出口18bが、オイルドレン連通路26Lを介してオイル捕集タンク27Lの上部に連通し、オイル捕集タンク27Lの下部はオイル環流ポンプ28Lが介在するオイル回収通路29Lを介してオイルパン25に連通している。このオイル環流ポンプ28Lは、電動モータ28Lmによって駆動される電動式ポンプによって構成されている。
オイル捕集タンク27Lにはオイル捕集タンク27L内に貯留されるオイルOLが予め設定された油量以上か否かを検知する油量センサとして機能する油面センサ31Lが配設されている。そして、オイル捕集タンク27L内のオイルOLの油面が設定された油面位置L1以上であると、その油面を油面センサ31Lが検出し、油面センサ31Lからの信号によって切換スイッチ32LがONして電動モータ28Lmが回転駆動してオイル環流ポンプ28Lが作動する。そして、オイル捕集タンク27L内のオイルOLが吸い込まれてオイルパン25に送出する。一方、オイル捕集タンク27L内のオイルOLの油面が油面位置L1より少なく予め設定された油面位置L2以下であると、その油面を油面センサ31Lが検出し、油面センサ31Lからの信号によって切換スイッチ32LがOFFして電動モータ28Lmの回転駆動が停止してオイル環流ポンプ28Lによるオイルパン25へのオイル送出が停止する。
同様に、右側のターボ過給機10Rのセンタハウジング13の下部に開口するオイル出口18bが、オイルドレン連通路26Rを介してオイル捕集タンク27Rの上部に連通し、オイル捕集タンク27Rの下部はオイル環流ポンプ28Rが介在するオイル回収通路29Rを介してオイルパン25に連通している。オイル環流ポンプ28Rは、電動モータ28Rmによって駆動されるスカベンジングポンプによって構成されている。
オイル捕集タンク27Rにはオイル捕集タンク27R内に貯留されるオイルOLが予め設定された油量以上か否かを検知する油量センサとして機能する油面センサ31Rが配設されている。そして、オイル捕集タンク27R内のオイルOLの油面が設定された油面位置L1以上であると、その油面を油面センサ31Rが検出し、油面センサ31Rからの信号によって切換スイッチ32RがONして電動モータ28Rmが回転駆動し、オイル環流ポンプ28Rの作動によってオイル捕集タンク27R内のオイルOLがオイルパン25に送出される。一方、オイル捕集タンク27R内のオイルOLの油面が油面位置L1より少なく予め設定された油面位置L2以下であると、その油面を油面センサ31Rが検出し、油面センサ31Rからの信号によって切換スイッチ32RがOFFして電動モータ28Rmの回転駆動が停止し、オイル環流ポンプ28Rによるオイルパン25へのオイル送出が停止する。
オイル捕集タンク27Rの上部は、オイル捕集タンク27Lと同様に圧力調整通路となる圧力調整パイプ34Rによって常時正圧に維持されているクランクケース22に連通している。
次に、図3に示すオイル系統図を参照してオイルOLの各部への送油を説明する。
エンジンの運転により、エンジン本体21の内部に配置されたオイルポンプ39が作動し、オイルポンプ39によってオイルパン25内のオイルOLがオイルストレーナ37及びオイル吸引通路38を介して吸引される。このオイルポンプ39によって吸い込まれたオイルOLは、オイルクーラ40に圧送され、オイルクーラ40によって油温が適正化されてエンジン本体21内のオイルギャラリから潤滑部分に送油される。
具体的には、オイルクーラ40によって油温が適正化されたオイルOLは、クランクケース22側の左右のメインギャラリ41L及び41Rに導かれる。左側のメインギャラリ41Lに供給されたオイルOLは、クランクケース22に配置されたクランク軸部43Lに送油されて潤滑部分であるクランク軸部43Lを潤滑すると共に、メインギャラリ41Lから分岐して左側のバンク23Lのシリンダヘッド24Lに配置されたギャラリ44Lを介して動弁機構45Lに送油され、動弁機構45Lを潤滑する。クランク軸部43L及び動弁機構45Lをそれぞれ潤滑したオイルOLはオイルパン25に回収される。
更に、シリンダヘッド24L内でギャラリ44Lから分岐したギャラリ46Lを経てオイル連通路47LにオイルOLが供給される。ここで、ギャラリ46Lからオイル通路47Lを介して左側のターボ過給機10Lのオイル入口18aにオイルOLが送油される。
オイル入口18aから供給されたオイルOLは、ターボ過給機10Lの給油通路19を経てタービンホイール側軸受16a及びコンプレッサホイール側軸受16bに送油されて該部を潤滑する。タービンホイール側軸受16a及びコンプレッサホイール側軸受16bを潤滑及び冷却したオイルOLは、センタハウジング13の下部に開口するオイル出口18bからオイルドレン連通路26Lを介してオイル捕集タンク27Lに排出され、オイル捕集タンク27Lに回収される。
ここで、ターボ過給機10Lにおいて、タービン室11内でタービンホイール14によって加圧されたエア及びコンプレッサ室12内でコンプレッサホイール15によって加圧されたエアがシール部20の隙間20aからセンタハウジング13内にターボブローバイガスとして漏れ出すことがある。
一方、ターボ過給機10Lの潤滑及び冷却に使用されてオイル捕集タンク27Lに回収されて貯留されたオイルOLの油面が、予め設定された油面位置L1以上になると、その油面を液面センサ31Lが検知し、油面センサ31Lからの信号によって切換スイッチ32LがONして電動モータ28Lmの回転駆動によりオイル環流ポンプ28Lが作動して、オイル捕集タンク27L内のオイルOLがオイル環流ポンプ28Lにより吸い上げられてオイル回収通路29Lを介してオイルパン25に送出される。
オイル環流ポンプ28Lによってオイルパン25に送出されてオイル捕集タンク27L内のオイルOLの液面が、予め設定された油面位置L2以下になると、その油面を液面センサ31Lが検知し、油面センサ31Lからの信号によって切換スイッチ32LがOFFして電動モータ28Lmの回転駆動が停止し、オイル環流ポンプ28Lの作動が停止してオイル循環ポンプ28Lによるオイル捕集タンク27Lからオイルパン25への送出を停止する。
同様に、再びターボ過給機10Lからオイル捕集タンク27Lに回収されて貯留されたオイルOLの液面が、設定された油面位置L1以上になると、その油量を検知した油面センサ31Lからの信号によって切換スイッチ32LがONして電動モータ28Lmが回転駆動し、オイル環流ポンプ28Lが作動してオイル捕集タンク27L内のオイルOLがオイルパン25に戻され、かつオイル捕集タンク27L内のオイルOLの液面が設定された油面位置L2以下になると、その油面を液面センサ31Lが検知した油面センサ31Lからの信号によって切換スイッチ32LがOFFして電動モータ28Lmの回転駆動が停止してオイル循環ポンプ28Lによるオイルパン25へのオイル送出を停止する。
このようにしてターボ過給機10Lからオイル捕集タンク27Lに供給されたオイルOLは、オイル捕集タンク27L内に貯留されるオイルOLの油量の変動に応じた電動モータ28Lmの断続的な回転駆動によるオイル循環ポンプ28Lによってオイルパン25に送出される。
ここで、オイル捕集タンク27Lに貯留されるオイルOLの液面、即ちオイル捕集タンク27L内の油量に応じてオイル環流ポンプ28Lによってオイルパン25への送出が制御されて、オイル捕集タンク27L内のオイルOLが空、或いは過度に減少することがなくなり、かつオイル通路29Lがオイル捕集タンク27Lの下部に接続されることから、オイル環流ポンプ28Lによってオイル捕集タンク27L内のターボブローバイガスやエアを吸い込むことが抑制される。更に、オイル捕集タンク27L内にオイルOLが保持されて、オイル捕集タンク28L内でオイルOL内に混在するターボブローバイガスやエアが分離、いわゆる気液分離されて比較的ターボブローバイガスやエアの混在が少ないオイルOLが効率的にオイル環流ポンプ28Lによってオイルパン25に送出できる。
また、オイル捕集タンク27Lの上部が圧力調整パイプ34Lによって常時正圧に保持されているクランクケース22に連通されることから、例えば、悪路走行や旋回走行によってオイル捕集タンク27L内のオイルOLの油面が乱れ、或いはオイルOLが偏在した際にオイル環流ポンプ28Lによってオイル捕集タンク27L内のターボブローバイガスやエアを吸い込むことがあっても、オイル捕集タンク27L及びターボ過給機10Lのセンタハウジング13内が負圧になることがなくなり、ターボブローバイガスの著しい発生が抑えられる。仮に、圧力調整パイプ34Lが無い時には、オイル捕集タンク27L内にオイルOLが少ないとオイル環流ポンプ28Lによってオイル捕集タンク内のエアを吸い上げると、オイル捕集タンク27L及びターボ過給機10Lのセンタハウジング13内が負圧となりタービン室11及びコンプレッサ室12との圧力差が大きくなり、ターボブローバイガスが著しく発生する。
右側のメインギャラリ41Rに供給されたオイルOLは、クランクケース22に配置されたクランク軸部43Rに送油されてクランク軸部43Rを潤滑すると共に、メインギャラリ41Rから分岐して右側のバンク23Rのシリンダヘッド24Rに配置されたギャラリ44Rを介して動弁機構45Rに送油され、動弁機構45Rを潤滑する。クランク軸部43R及び動弁機構45Rをそれぞれ潤滑したオイルOLはオイルパン25に回収される。
更に、シリンダヘッド24R内でギャラリ44Rから分岐したギャラリ46Rを経てオイル連通路47RにオイルOLが供給される。ここで、ギャラリ46Rからオイル通路47Rを介して右側のターボ過給機10Rのオイル入口18aにオイルOLが送油される。
オイル入口18aから供給されたオイルOLは、ターボ過給機10Rの給油通路19を経てタービンホイール側軸受16a及びコンプレッサホイール側軸受16bに送油されて該部を潤滑する。タービンホイール側軸受16a及びコンプレッサホイール側軸受16bを潤滑及び冷却したオイルOLは、センタハウジング13の下部に開口するオイル出口18bからオイルドレン連通路26Rを介してオイル捕集タンク27Rに排出され、オイル捕集タンク27Rに回収される。
一方、ターボ過給機10Rの潤滑及び冷却に使用されてオイル捕集タンク27Rに回収されて貯留されたオイルOLの油面が、予め設定された油面位置L1以上になると、その油量を液面センサ31Rが検知し、油面センサ31Rからの信号によって切換スイッチ32RがONし、電動モータ28Rmの回転駆動によりオイル環流ポンプ28Rが作動して、オイル捕集タンク27R内のオイルOLがオイル環流ポンプ28Rにより吸い上げられてオイル回収通路29Rを介してオイルパン25に戻される。
オイル環流ポンプ28Rによってオイルパン25に送出されてオイル捕集タンク27R内のオイルOLの油面が、設定された油面位置L2以下になると、その油面を液面センサ31Rが検知し、油面センサ31Rからの信号によって切換スイッチ32RがOFFして電動モータ28Rmの回転駆動が停止し、オイル循環ポンプ28Rによるオイル捕集タンク27Rからオイルパン25への送出を停止する。
同様に、ターボ過給機10Rからオイル捕集タンク27Rに回収されて貯留されたオイルOLの油面が、設定された油面位置L1以上になると、その油面を検知した油面センサ31Rからの信号によって切換スイッチ32RがONし、電動モータ28Rmの回転駆動によるオイル環流ポンプ28Rの作動によりオイル捕集タンク27R内のオイルOLがオイルパン25に戻され、かつオイル捕集タンク27R内のオイルOLの油面が油面位置L2以下になると、その油面を液面センサ31Rが検知した油面センサ31Rからの信号によって切換スイッチ32RがOFFして電動モータ28Rmの回転駆動が停止してオイル環流ポンプ28Rが作動停止してオイル捕集タンク27R内に貯留されるオイルOLの油量に応じて電動モータ28Rmへの通電及び遮断が断続的に行われる。
ここで、オイル捕集タンク27Rに貯留されるオイルOLの液面、即ちオイル捕集タンク27R内の油量に応じてオイル環流ポンプ28Rによるオイルパン25への送油が制御されて、オイル捕集タンク27R内のオイルOLが空、或いは過度に減少することがなく、かつオイル通路29Rがオイル捕集タンク27Rの下部に接続されることから、オイル環流ポンプ28Rによってオイル捕集タンク27R内のターボブローバイガスやエアを吸い込むことが抑制される。更に、オイル捕集タンク27R内にオイルOLが保持されて、オイル捕集タンク28R内でオイルOL内に混在するターボブローバイガスやエアが分離、いわゆる気液分離されて比較的ターボブローバイガスやエアの混在が少ないオイルOLを効率的にオイル環流ポンプ28Rによってオイルパン25に送出することができる。
従って、このように構成された本実施の形態によると、ターボ過給機10L、10Rから排出されるオイルを回収するオイル捕集タンク27L、27R内の油面を検知する油面センサ31L、31Rを備え、油面センサ31L、31Rが設定された油量以上の検知時に電動モータ28Lm、28Rmを回転駆動させてオイル環流ポンプ28L、28Rによりオイル捕集タンク27L、27R内のオイルをオイルパン25に送出することから、電動モータ28Lm、28Rmを必要に応じて回転駆動されて常時回転駆動することがなく、オイル循環ポンプ28L、28Rを駆動するための電力消費量が抑制されてエネルギ損出を大幅に削減することができる。
更に、電動モータ28Lm、28Rmが必要に応じて作動することから、電動モータ28Lm、28Rmのブラシや整流子等の摩耗が大幅に減少して電動モータ28Lm、28Rmの優れた耐久性を確保することでき、メンテナンスの簡素化が得られる。
なお、切換スイッチ32L、32RのON・OFF切り換え及び電動モータ28Lm、28Rmの回転駆動状態に基づいて、車載のエンジンコントロール装置(ECU)等によって切換スイッチ32L、32R、電動モータ28Lm、28Rm等の作動を比較確認することによって、切換スイッチ32L、32R、電動モータ28Lm、28Rmによるオイル循環ポンプ28L、28R等の作動状態を診断することができる。
(第2実施の形態)
本発明の第2実施の形態を図4乃至図6を参照して説明する。図4は、本実施の形態の概要を示すターボ過給機が装備された水平対向式エンジンの概略を示す一部断面正面図であり、図5は模式的に示す説明図、図6はそのオイル系統図である。なお、図4乃至図6において上記図1乃至図3と対応する部分に、図1乃至図3と同一符号を付することで該部の詳細な説明を省略し、異なる部分を主に説明する。
本発明の第2実施の形態を図4乃至図6を参照して説明する。図4は、本実施の形態の概要を示すターボ過給機が装備された水平対向式エンジンの概略を示す一部断面正面図であり、図5は模式的に示す説明図、図6はそのオイル系統図である。なお、図4乃至図6において上記図1乃至図3と対応する部分に、図1乃至図3と同一符号を付することで該部の詳細な説明を省略し、異なる部分を主に説明する。
本実施の形態は、第1実施の形態における左右のオイル捕集タンク27Lと27Rの各車体幅方向中央側の側面の下部間を連通通路35によって連通すると共に、右側のオイル捕集タンク27R側に配置されるオイル回収通路29R、電動モータ28Rmを含むオイル環流ポンプ28R、液面センサ31R、切換スイッチ32R、圧力調整パイプ34Rを省略して構成の簡素化を図ることを特徴とし、他の構成は第1実施の形態と同様に構成されている。
図6に示すオイル系統図を参照してオイルOLの各部への送油を説明する。第1実施の形態と同様に、エンジンの運転によりエンジン本体21の内部に配置されたオイルポンプ39の作動により、オイルパン25内のオイルOLが吸引されてオイルクーラ40によって油温が適正化されてクランクケース22側の左右のメインギャラリ41L及び41Rに導かれる。
左側のメインギャラリ41Lに供給されたオイルOLは、クランク軸部43Lを潤滑すると共に、メインギャラリ41Lから分岐してギャラリ44Lを介して動弁機構45Lに送油され、動弁機構45Lを潤滑してオイルパン25に回収される。更に、シリンダヘッド24L内でギャラリ44Lから分岐したギャラリ46Lを経てオイル連通路47LにオイルOLが供給され、オイル通路47Lを介して左側のターボ過給機10Lのオイル入口18aからターボ過給機10Lに供給されて、タービンホイール側軸受16a及びコンプレッサホイール側軸受16bを潤滑及び冷却したオイルOLはオイル出口18bからオイルドレン連通路26Lを介してオイル捕集タンク27Lに排出される。
右側のメインギャラリ41Rに供給されたオイルOLは、クランク軸部43Rを潤滑すると共に、メインギャラリ41Rから分岐して右側のバンク23Rのシリンダヘッド24Rに配置されたギャラリ44Rを介して動弁機構45Rを潤滑し、オイルパン25に回収される。更に、シリンダヘッド24R内でギャラリ44Rから分岐したギャラリ46Rを経てオイル連通路47RにオイルOLが供給され、オイル通路47Rを介して右側のターボ過給機10Rのオイル入口18aからターボ過給機10Lに供給されて、タービンホイール側軸受16a及びコンプレッサホイール側軸受16bを潤滑及び冷却したオイルOLは、オイル出口18bからオイルドレン連通路26Rを介して右側のオイル捕集タンク27Rに回収される。
ここで、左右のターボ過給機10L、10Rにおいて、各タービン室11内でタービンホイール14によって加圧されたエア及びコンプレッサ12室内のコンプレッサホイール15によって加圧されたエアがシール部20の隙間20aからセンタハウジング13内に漏れ出したターボブローバイガスは高圧であり、各オイルドレン連通路26L、26Rから高圧で左右のオイル捕集タンク27L、27R内に排出され、各オイル捕集タンク27L、27R内を加圧する。一方、特定のオイル捕集タンクとなる左側のオイル捕集タンク27L内はオイルドレン連通路26L、26Rからオイル捕集タンク27L、27Rに排出されるターボブローバイガスの排出圧力より低圧のオイル潤滑系路の部分であるクランクケース22内に圧力調整パイプ34Lによって連通されて減圧され、他方のオイル捕集タンクである右側のオイル捕集タンク27R内に対して左側のオイル捕集タンク27L内が低圧となる。
この右側のオイル捕集タンク27Rの内圧力と左側のオイル捕集タンク27Lの内圧力の圧力差によって右側のオイル捕集タンク27R内のオイルOL及びブローバイガスが連通通路35を介して左側のオイル捕集タンク27L側に逐次圧送される。
この右側のオイル捕集タンク27Rから左側のオイル捕集タンク27Lに圧送されたオイルOL及びターボブローバイガスと、ターボ過給機10Lからオイル捕集タンク27Lに供給されたオイル及びターボブローバイガスは一方のオイル捕集タンク27Lに集まり、オイル捕集タンク27Lの上部よりターボブローバイガスが圧力調整パイプ34Lを介してクランクケース22内に供給される。
一方、右側のオイル捕集タンク27R及び左側のターボ過給機10L側からオイル捕集タンク27Lに回収されて貯留されたオイルOLの油面が、予め設定された油面位置L1以上になると、その油面を液面センサ31Lが検知し、油面センサ31Lからの信号によって切換スイッチ32LがONして電動モータ28Lmの回転駆動によりオイル環流ポンプ28Lが作動して、オイル捕集タンク27L内のオイルOLがオイル環流ポンプ28Lにより吸い上げられてオイルパン25に送出される。
オイル環流ポンプ28Lによってオイルパン25に送油されてオイル捕集タンク27L内のオイルOLの液面が、設定された油面位置L2以下になると、その油面を液面センサ31Lが検知し、油面センサ31Lからの信号によって切換スイッチ32LがOFFして電動モータ28Lmの回転駆動が停止し、オイル環流ポンプ28Lの作動が停止してオイル循環ポンプ28Lによるオイル捕集タンク27Lからオイルパン25への送出を停止する。
同様に、再び右側のオイル捕集タンク27R及びターボ過給機10Lからオイル捕集タンク27Lに回収されて貯留されたオイルOLの液面が、油面位置L1以上になると、その油量を検知した油面センサ31Lからの信号によって切換スイッチ32LがONして電動モータ28Lmが回転駆動し、オイル環流ポンプ28Lが作動してオイル捕集タンク27L内のオイルOLがオイルパン25に戻され、かつオイル捕集タンク27L内のオイルOLの液面が設定された油面位置L2以下になると、その油面を検知した油面センサ31Lからの信号によって切換スイッチ32LがOFFして電動モータ28Lmへの通電が停止してオイル循環ポンプ28Lによるオイル捕集タンク27Lからオイルパン25への送出を停止する。
このようにして右側のオイル捕集タンク27R及びターボ過給機10Lからオイル捕集タンク27Lに供給されたオイルOLは、オイル捕集タンク27L内に貯留されるオイルOLの油量の変動に応じた電動モータ28Lmの断続的な回転駆動によるオイル循環ポンプ28Lよってオイルパン25に送出される。
ここで、オイル捕集タンク27Lに貯留されるオイルOLの液面、即ちオイル捕集タンク27L内の油量に応じてオイル環流ポンプ28Lによってオイルパン25への送油が制御されて、オイル捕集タンク27L内のオイルOLが空、或いは過度に減少することがなくなり、オイル環流ポンプ28Lによってオイル捕集タンク27L内のターボブローバイガスやエアを吸い込むことが抑制される。更に、オイル捕集タンク27L内にオイルOLが保持されて、オイル捕集タンク28L内でオイルOL内に混在するターボブローバイガスやエアが分離されて比較的ターボブローバイガスやエアの混在が少ないオイルOLが効率的にオイル環流ポンプ28Lによってオイルパン25に送出することができる。
また、オイル捕集タンク27Lの上部が圧力調整パイプ34Lによって常時正圧に保持されているクランクケース22に連通されることから、例えば、悪路走行や旋回走行によってオイル捕集タンク27L内のオイルOLの油面が乱れ、或いはオイルOLが偏在した際にオイル環流ポンプ28Lによってオイル捕集タンク27L内のターボブローバイガスやエアを吸い込むことがあっても、オイル捕集タンク27L及びターボ過給機10Lのセンタハウジング13内が負圧になることがなくなり、ターボブローバイガスの著しい発生が抑えられる。
更に、旋回走行等による横Gが発生しても連通通路35を介して旋回内側のオイル捕集タンクから旋回外側のオイル捕集タンクに移動するオイルOLが大幅に減少して、旋回外側のオイル捕集タンク内のオイルOLが過剰に増加することが回避或いは抑制されてターボ過給機の機能に及ぼす影響が抑制できる。
即ち、例えば、左旋回走行時において、右側方向に作用する横Gが発生した状況下において、右側のオイル捕集タンク27R内のオイルOLは、オイル捕集タンク27Rの内圧力とオイル捕集タンク27Lの内圧力の圧力差によって左側のオイル捕集タンク27L側に送出されて残存する油量が極めて少なく、ターボ過給機10RからのオイルOL及びターボブローバイガスの排出等の妨げが回避されてターボ過給機10Rへの影響が抑制できる。
一方、右旋回走行時において、左側方向に作用する横Gが発生した状況下においても、左側のオイル捕集タンク27L内のオイルOLは、オイル循環ポンプ28Lによって送り出されて過剰に残存することがなく、オイル捕集タンク27Lに残存するオイルOLに起因するターボ過給機からのオイルOL及びターボブローバイガスの排出等の妨げが回避されてターボ過給機10Lへの影響が抑制できる。
従って、左右のオイル捕集タンク27Rと27Lを連通通路35で連通することによって、第1実施の形態における右側のオイル捕集タンク27R側に配置されるオイル通路29R、電動モータ28Rmを含むオイル環流ポンプ28R、液面センサ31R、切換スイッチ32R、圧力調整パイプ34Rを省略することができ、第1実施の形態に比較して構造の簡素化が得られ、製造コストの削減が期待できる。また、2つのオイル環流ポンプ28L、28Rを配置する場合に比べオイル環流ポンプの配置による占有空間が少なくエンジン房内の設計の自由度が確保できる。
また、第1実施の形態と同様に、ターボ過給機10Lから排出されるオイルを回収するオイル捕集タンク27L内の油面を検知する油面センサ31Lを備え、油面センサ31Lが設定された油量以上の検知時に電動モータ28Lmを回転駆動させてオイル環流ポンプ28Lによりオイル捕集タンク27L内のオイルをオイルパン25に送出することから、電動モータ28Lmを必要に応じて回転駆動されて常時回転駆動することがなく、オイル循環ポンプ28Lを駆動するための電力消費量が抑制されてエネルギ損出を大幅に削減することができる。
更に、電動モータ28Lmが必要に応じて作動することから、電動モータ28Lmのブラシや整流子等の摩耗が減少して電動モータ28Lmの優れた耐久性を確保することでき、メンテナンスの簡素化が得られる。
なお、本実施の形態では左側のオイル捕集タンク27L側に、電動モータ28Lmを含むオイル環流ポンプ28L、油面センサ31L、切換スイッチ32L、クランクケース22に連通する圧力調整パイプ34L等を配置したが、これらに代えて右側のオイル捕集ポンプ27R側に電動モータ28Rmを含むオイル環流ポンプ28R、油面センサ31R、切換スイッチ32R、クランクケース22に連通する圧力調整パイプ34R等を配置することもできる。
(第3実施の形態)
図7によって、本発明によるターボ過給機の潤滑構造の第3実施の形態について説明する。
図7によって、本発明によるターボ過給機の潤滑構造の第3実施の形態について説明する。
図7は上記図5に対応する模式的に示す説明図であって、図5と対応する部分に同一符号を付することで該部の詳細な説明を省略するが、左右のオイル捕集タンク27Lと27Rを連通する連通通路35に、オイル捕集タンク27L側からオイル捕集タンク27R側へのオイルOLの移動を阻止する一方、オイル捕集タンク22R側からオイル捕集タンク27L側へのオイルOLの移動を許容する逆止弁36を配置したことを特徴とする。
本実施の形態によると、上記第2実施の形態と同様に左右のターボ過給機10L、10RからのオイルOL及びブローバイガスが左右のオイル捕集タンク27L、27Rに排出されてオイル捕集タンク27L、27R内が加圧される一方、左側のオイル捕集タンク27L内が圧力調整パイプ34Lによってクランクケース22に連通されて右側のオイル捕集タンク27Rに対して低圧となる。
このオイル捕集タンク27R内と27L内の圧力差によって右側のオイル捕集タンク27Rから連通通路35及び逆止弁36を経て左側のオイル捕集タンク27L側に送出されたオイルOL及びターボブローバイガスと、ターボ過給機10Lから排出されたオイル及びターボブローバイガスは一方のオイル捕集タンク27Lに集まり、オイル捕集タンク27Lの上部よりターボブローバイガスが圧力調整パイプ34Lを介してクランクケース22内に送出される。
一方、オイル捕集タンク27Lに回収されて貯留されたオイルOLの油面が、予め設定された油面位置L1以上になると、その油面を液面センサ31Lが検知して切換スイッチ32LがONして電動モータ28Lmの回転駆動によるオイル環流ポンプ28Lの作動によりオイル捕集タンク27L内のオイルOLが吸い上げられてオイルパン25に戻される。また、オイル環流ポンプ28Lによってオイルパン25に送油されてオイル捕集タンク27L内のオイルOLの液面が、油面位置L2以下になると、その油面を液面センサ31Lが検知し、切換スイッチ32LがOFFして電動モータ28Lmの回転駆動が停止し、オイル環流ポンプ28Lの作動が停止してオイル捕集タンク27Lからオイルパン25への送出を停止する。
このようにしてオイル捕集タンク27L内に貯留されるオイルOLの油量の変動に応じた電動モータ28Lmの断続的な回転駆動によるオイル循環ポンプ28Lのよってオイルパン25に送油され、オイル捕集タンク27L内に残存するオイルOLが過剰或いは過小になることがない。
従って、特に、急激な左旋回走行等によって、オイル捕集タンク27Rと27Lとの圧力差によるオイル捕集タンク27R側からオイル捕集タンク27Lに連通通路35を介して圧送する圧送力より大きな横Gが発生した状況下においは、左側のオイル捕集タンク27L内のオイルOLが右側のオイル捕集タンク27R側への移動するのが逆止弁36によって阻止されて、ターボ過給機10RからのオイルOL及びターボブローバイガスの排出等の妨げが回避されてターボ過給機10Rへの影響が抑制されてターボ過給機10Rの機能が維持される。一方、急激な右旋回走行によって、過大な左側方向への横Gが発生した状況下においても、左側のオイル捕集タンク27L内のオイルOLは、オイル循環ポンプ28Lによって送り出されて過剰に残存することがなく、残存するオイル捕集タンク27Lに残存するオイルOLに起因するターボ過給機からのオイルOL及びターボブローバイガスの排出等の妨げが回避されてターボ過給機10Lへの影響が抑制できる。従って、第2実施の形態に加え、より大きな横Gが作用した際にも確実なターボ過給機10R、10Lの機能が確保できる。
更に、オイル捕集タンク27L側からオイル捕集タンク27R側へのオイルOLの移動が抑制されることから、左右のオイル捕集タンク27L、27Rの容量を更に小さくしてコンパクト化を図ることができる。
なお、本実施の形態では左側のオイル捕集タンク27L側に、電動モータ28Lmを含むオイル環流ポンプ28L、油面センサ31L、切換スイッチ32L、クランクケース22に連通する圧力調整パイプ34L等を配置したが、これらに代えて右側のオイル捕集ポンプ27R側に電動モータ28Rmを含むオイル環流ポンプ28R、油面センサ31R、切換スイッチ32R、クランクケース22に連通する圧力調整パイプ34R等を配置することもできる。この場合には、連通通路35に配置される逆止弁36は、オイル捕集タンク27R側からオイル捕集タンク27L側へのオイルOLの移動を阻止し、オイル捕集タンクL側からオイル捕集タンク27R側へのオイルOLの移動を許容する逆止弁が配置される。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態でターボ過給機を備えた水平対向式エンジンを例に説明したが、ターボ過給機を備えたV型エンジンや他の形式のエンジンに適用することもできる。また、オイル捕集ポンプは電動モータにより駆動される例を示したが、オイル捕集タンク内のオイル量に応じて当該ポンプの駆動及び停止を切換えることができるものであれば機械式のポンプであってもよい。
10L、10R ターボ過給機
21 エンジン本体
22 クランクケース
23L、23R バンク
25 オイルパン(オイル貯留部)
27L、27R オイル捕集タンク
28L、28R オイル環流ポンプ
29L、29R オイル回収通路
28Lm、28Rm 電動モータ
31L、31R 油面センサ(油量センサ)
32L、32R 切換スイッチ
34L、34R 圧力調整パイプ(圧力調整通路)
35 連通通路
36 逆止弁
39 オイルポンプ
OL オイル
L1、L2 設定された油面位置
21 エンジン本体
22 クランクケース
23L、23R バンク
25 オイルパン(オイル貯留部)
27L、27R オイル捕集タンク
28L、28R オイル環流ポンプ
29L、29R オイル回収通路
28Lm、28Rm 電動モータ
31L、31R 油面センサ(油量センサ)
32L、32R 切換スイッチ
34L、34R 圧力調整パイプ(圧力調整通路)
35 連通通路
36 逆止弁
39 オイルポンプ
OL オイル
L1、L2 設定された油面位置
Claims (7)
- エンジン本体に配置されたターボ過給機に、オイル貯留部からのオイルを供給して潤滑するターボ過給機の潤滑構造において、
上記ターボ過給機の下方に配置されて該ターボ過給機から排出されるオイルが供給されるオイル捕集タンクと、
該オイル捕集タンク内に貯留されたオイルを上記オイル貯留部に送出するオイル環流ポンプと、
上記オイル捕集タンク内に貯留されたオイルが予め設定された油量以上か否かを検知する油量センサと、を備え、
上記油量センサが上記設定された油量以上を検知時に上記オイル環流ポンプを駆動させて上記オイル捕集タンク内のオイルを上記オイル貯留部に送出することを特徴とするターボ過給機の潤滑構造。 - エンジン本体に複数配置された各ターボ過給機に、オイル貯留部からのオイルを供給して潤滑するターボ過給機の潤滑構造において、
上記各ターボ過給機の下方に各々配置されて各ターボ過給機から排出されるオイルがそれぞれ供給される複数のオイル捕集タンクと、
該複数のオイル捕集タンクのうちのいずれか特定のオイル捕集タンクと他のオイル捕集タンクとの間を連通する連通通路と、
上記特定のオイル捕集タンク内のオイルを上記オイル貯留部に送出するオイル環流ポンプと、
上記特定のオイル捕集タンク内に貯留されたオイルが予め設定された油量以上か否かを検知する油量センサと、を備え、
上記油量センサが上記設定された油量以上を検知時に上記オイル環流ポンプを駆動させて上記特定のオイル捕集タンク内のオイルを上記オイル貯留部に送出することを特徴とするターボ過給機の潤滑構造。 - 縦置き配置された車両用水平対向式エンジン或いはV字型エンジンの左右のバンク下面に各々配置された各ターボ過給機にオイル貯留部からのオイルを供給して潤滑するターボ過給機の潤滑構造において、
上記各ターボ過給機の下方に各々配置されて各ターボ過給機から排出されるオイルが供給される各オイル捕集タンクと、
該各オイル捕集タンク間を連通する連通通路と、
上記オイル捕集タンクのうちいずれか特定のオイル捕集タンク内のオイルを上記オイル貯留部に送出するオイル環流ポンプと、
上記特定のオイル捕集タンク内に貯留されたオイルが予め設定された油量以上か否かを検知する油量センサと、を備え、
上記油量センサが上記設定された油量以上を検知時にオイル環流ポンプを駆動させて上記特定のオイル捕集タンク内のオイルを上記オイル貯留部に送出することを特徴とするターボ過給機の潤滑構造。 - 上記連通通路を介して上記特定のオイル捕集タンク側から他方のオイル捕集タンク側へのオイルの移動を阻止する逆止弁を備えたことを特徴とする請求項2または3に記載のターボ過給機の潤滑構造。
- 上記特定のオイル捕集タンクと上記各ターボ過給機から上記各オイル捕集タンクに各々排出するターボブローバイガスの圧力より低圧のオイル潤滑系路部分とを連通する圧力調整通路を備えたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のターボ過給機の潤滑構造。
- 上記低圧のオイル潤滑系路部分は、クランクケースであることを特徴とする請求項5に記載のターボ過給機の潤滑構造。
- 上記油量センサは、オイル捕集タンク内に貯留されたオイルの油面を検知する油面センサであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のターボ過給機の潤滑構造。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20130111557A (ko) * | 2010-09-20 | 2013-10-10 | 엠테우 프리드리히스하펜 게엠베하 | 캐리어 하우징 및 내연 기관 |
-
2005
- 2005-04-18 JP JP2005120051A patent/JP2006299860A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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