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JP2006298076A - 車体フロア構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車体側方からの外力の入力に抗することができ、剛性を高めることができる車体フロア構造を提供する。
【解決手段】 左右一対のサイドシル1,1と、この左右一対のサイドシル1,1に架設された前後一対のクロスメンバ2A,2Bとにより囲まれるフロアパネル10を備え、フロアパネル10には、サイドシル1,1とクロスメンバ2A,2Bとの交差する部位O1,O2を中心とする同心円弧状のビード20が形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車等の車体フロア構造に関する。
従来、自動車等におけるフロアパネルを備えた車体フロア構造において、フロアの剛性を高めるための技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された車体フロア構造では、図7に示すように、フロアパネル30が、図示しない車体の前後方向Xに沿う複数本の縦ビード31と、図示しない車体の左右方向Yに沿って前記縦ビード31と交差する複数本の横ビード32とを備えた構造となっていた。縦ビード31は、車体の前後方向Xから見た断面形状が図示しない三角形とされており、また、横ビード32は、この縦ビード31を横切る状態に底部32aと頂部32bとからなる凹凸が連続する平面視で略菱形の形状となっていた。横ビード32の周部には傾斜部32cが形成されており、これにより、横ビード32の頂部32bは縦ビード31の頂部31bよりも上方に突出した形状となっている。
特開平6−107234号公報
ところで、図7に示すように、車体の側方からの外力、例えば、衝突荷重Fが入力された場合に入力された荷重は、入力された部位を中心としてフロアパネル30上を図中矢印Dで示すように放射状に伝播する。
前記従来の車体フロア構造では、縦ビード31と横ビード32とが交差する構造であり、しかも、横ビード32は平面視で略菱形の形状となっていて細くなった部分(頂部32b)を有しているので、車体の側方からの衝突荷重Fが入力された場合に、横ビード32の細くなった部分を中心として変形し易いという問題があった。
そこで、本発明では、車体側方からの外力の入力に抗することができ、剛性を高めることができる車体フロア構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決した本発明のうち請求項1に係る車体フロア構造は、左右一対のサイドシルと、この左右一対のサイドシル間に架設された前後一対のクロスメンバとにより囲まれるフロアパネルを備えた車体フロア構造であって、前記フロアパネルには、前記サイドシルと前記クロスメンバとの交差する部位を中心とする同心円弧状のビードが形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、左右一対のサイドシルと前後一対のクロスメンバとで囲まれるフロアパネルに、サイドシルとクロスメンバとの交差する部位を中心とする同心円弧状のビードが形成されていると、サイドシルを介して衝突荷重がかかったときに、荷重の伝播方向に沿うような同じ方向性を有するかたちでビードが配置されるため、ビードが荷重に対して突っ張るような状態で荷重を受けるようになり、フロアパネルの変形が抑制される。したがって、車体側方からの外力の入力に抗することができ、剛性を高めることができる車体フロア構造が実現される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車体のフロア構造において、前記ビードは、等間隔で複数形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、ビードが等間隔で複数形成されているので、応力の集中によりフロアパネルが局部的に変形するのを好適に防止することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の車体フロア構造において、前記フロアパネルは、車体中央で前後に延設されたフロアトンネルで補強されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、フロアパネルが車体中央で前後に延設されたフロアトンネルで補強されているので、一層剛性の高められた車体フロア構造が実現される。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車体フロア構造において、前記フロアパネルは、前記左右一対のサイドシルに少なくとも端部が固定されたフロアクロスメンバで補強されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、フロアパネルが左右一対のサイドシルに少なくとも端部が固定されたフロアクロスメンバで補強されているので、サイドシルに入力された外力に対して好適に抗することができ、より一層剛性の高められた車体フロア構造が実現される。
本発明によれば、車体側方からの外力の入力に抗することができ、剛性を高めることができる車体フロア構造が得られる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る車体フロア構造の詳細について説明する。なお、説明において、「前後」,「左右」,「上下」は、車体フロア構造の主要部を構成するフロアパネルを、車体を構成する一対のサイドシルおよび一対のクロスメンバに取り付けた状態を基準とする。
参照する図面において、図1は本発明の一実施の形態に係る車体フロア構造を説明するための車室周りの車体構造を示す斜視図、図2は同じく車体の主要部を示した平面図である。
図1に示すように、本実施形態の車体フロア構造は、車体Cの左右に配置される一対のサイドシル1,1と、この左右一対のサイドシル1,1間に架設された前後一対のクロスメンバであるフロントクロスメンバ2A,リアクロスメンバ2Bとにより囲まれる略四角形のフロアパネル10を備えて構成される。
さらに、フロアパネル10は、フロントクロスメンバ2Aとリアクロスメンバ2Bとの中央部で前後に延設されたフロアトンネル11で補強された構成となっている。
また、フロアパネル10は、左右のサイドシル1,1とフロアトンネル11との中央部同士を連結すべく左右方向に延設されたフロアクロスメンバ3,3で補強された構成となっている。
左右のサイドシル1,1、フロントクロスメンバ2A、リアクロスメンバ2B、フロアクロスメンバ3,3は、いずれも、2枚以上の部材により閉断面を形成している。
そして、このようなフロアパネル10の略中央部上方(フロアクロスメンバ3,3の略上方)には、図示しない左右2つの前部座席が配置され、フロアパネル10の後部上方(リアクロスメンバ2Bの略上方)には、図示しない後部座席が配置される。
また、フロントクロスメンバ2Aの前方には、左右一対のフロントサイドフレーム4,4が延設され、リアクロスメンバ2Bの後方には、左右一対のリアサイドフレーム5,5が延設されている。左右一対のフロントサイドフレーム4,4は、左右一対のサイドシル1,1の図示しない前部にその後端が結合され、また、左右一対のリアサイドフレーム5,5は、左右一対のサイドシル1,1の後部にその前端が結合されている。
左右一対のサイドシル1,1は、フロアパネル10の左右両側部に沿って車体Cの前後方向に設けられたものであり、その内側部には、フロアパネル10が例えば溶接によって接合されている。また、左右一対のサイドシル1,1には、フロアクロスメンバ3,3が取り付けられる部分1a,1aよりも後方にセンタピラー6,6が固定されている。なお、サイドシル1,1は、フロアパネル10の両端部に前後方向に向けて配置されるフロアフレームと隣接して形成される場合もあるが、本発明ではかかるフロアフレームとあわせてフロアパネル10の両端部に前後方向に向けて配置される部材を一つのサイドシル1として説明する。
センタピラー6,6は、詳細は図示しないが、いずれも略ハット型断面をなすピラーアウタとピラーインナとから閉断面に構成され、該閉断面の内部にピラーリンフォースメントを設けて補強した構造となっている。
フロアパネル10は、前記のように、左右一対のサイドシル1,1とフロントクロスメンバ2A,リアクロスメンバ2Bとにより囲まれて設けられており、フロアトンネル11およびフロアクロスメンバ3,3で仕切られるかたちで前後左右で計4つのパネル面を備えている。
本実施形態では、これらのパネル面に、同心円弧状のビード20がそれぞれ突出形成されている。ビード20は、サイドシル1とフロントクロスメンバ2Aとの交差する部位O1を中心として、また、サイドシル1とリアクロスメンバ2Bとの交差する部位O2を中心としてそれぞれ同心円弧状に等間隔で複数形成されている。つまり、ビード20は、フロアパネル10の四隅からパネル面に波紋状に拡がるかたちで形成されている。なお、交差する部位O1,O2には、交差する部位O1,O2の近傍部位も含まれる。
このように形成されたビード20は、図2に示すように、平面視でその端部21がサイドシル1に対して略直交する状態に配置され、フロアパネル10の中央へ向けて円弧に延びている。なお、フロントクロスメンバ2Aおよびリアクロスメンバ2Bの近傍ではビード20が、これらのフロントクロスメンバ2Aおよびリアクロスメンバ2Bに向けて円弧に延びている。つまり、ビード20は、後記するように、サイドシル1を介して入力された衝突荷重Fが伝播する方向(図2中矢印Dで示す方向)と略同じ方向性をもってフロアパネル10に形成されている。
本実施形態では、ビード20が、フロアパネル10の各パネル面の略全体にわたる状態に形成されており、また、その断面形状は、図3に示すように、パネル面と同様の肉厚を備えた半円形とされている。
次に、このような構成を備えた車体フロア構造において、サイドシル1に衝突荷重Fが入力された場合の作用について主として図2を参照して説明する。なお、ここでは、センタピラー6を介して、サイドシル1に衝突荷重Fが入力された場合について説明する。
図2に示すように、側面衝突などにより、センタピラー6を介してサイドシル1に衝突荷重Fが入力されると、その荷重はセンタピラー6の下端部からサイドシル1に伝わり、フロアパネル10を放射状(矢印Dで示す方向)に伝播する。別言すれば、フロアパネル10上を図中二点鎖線で示すように、波紋状に拡がってゆく。
フロアパネル10のパネル面には、前記のように、部位O2を中心とした同心円弧状のビード20が形成されているので、フロアパネル10を拡がる荷重は、複数のビード20によってそれぞれ受け止められる状態となる。すなわち、ビード20はその延びる方向が二点鎖線で示した波紋と略直交するように配置されているため、ビード20が荷重に対して突っ張るように作用し、フロアパネル10の変形が抑制される。この点を確認すべく、本発明者らはシミュレーションを行った。
シミュレーションは、図4(a)〜(d)に示すように、センタピラー6に、速度14m/secの強制変位を車体の外側から内側へ向けて与えることにより行い、フロアトンネル11に相当する部分にかかる荷重を測定した。フロアパネル10は、同一の板厚を備えたものを使用した。
比較例として、ビードを設けないフロアパネル10Aを採用した車体フロア構造(図4(b)参照)と、車体の左右方向に伸びる直線状のビード20Bを設けたフロアパネル10Bの車体フロア構造(図4(c)参照)と、車体の前後方向に伸びる直線状のビード20Cを設けたフロアパネル10Cの車体フロア構造(図4(d)参照)とを用意し、これらの測定を同様に行った。測定結果を図4(e)に示す。
図4(a)に示した本実施形態の車体フロア構造と、図4(b)〜(d)に示した比較例の車体フロア構造とを比較すると、図4(e)に示すように、本実施形態の車体フロア構造では、測定された荷重が顕著に大きくなっていることが分かり、フロアパネル10の剛性が効果的に高められていることが分かる。特筆すべき点は、車体側方からの衝突荷重Fの伝播方向に部分的に沿うビード20Bを備えた図4(c)の車体フロア構造よりも、約1.5倍の剛性向上が得られたことである。
以上説明した本実施形態の車体フロア構造によれば、左右一対のサイドシル1,1とフロントクロスメンバ2A、リアクロスメンバ2Bとで囲まれるフロアパネル10に、ビード20が設けられ、このビード20が、サイドシル1,1を介して入力された衝突荷重Fの伝播方向に沿うような同じ方向性を有するかたちで配置されるため、ビード20が荷重に対して突っ張るような状態で荷重を受けるようになり、フロアパネル10の変形が抑制される。したがって、車体側方からの衝突荷重Fの入力に抗することができ、剛性を高めることができる車体フロア構造が実現される。
また、ビード20は、等間隔で複数設けられているので、応力によりフロアパネル10が局部的に変形するのを好適に防止することができる。
さらに、フロアパネル10が車体Cの中央で前後に延設されたフロアトンネル11で補強されているので、一層剛性の高められた車体フロア構造が実現される。
また、フロアパネル10は、左右一対のサイドシル1,1に少なくとも端部が固定されたフロアクロスメンバ3,3で補強されているので、サイドシル1,1に入力された衝突荷重Fに対して好適に抗することができ、より一層剛性の高められた車体フロア構造が実現される。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されず、発明の主旨に応じた適宜の変更実施が可能であることはいうまでもない。例えば、図5(a)に示すように、ビード20は、半円形よりも小さい円弧状に突出するものであってもよく、また、図5(b)に示すように、断面四角型であってもよく、さらに、図5(c)に示すように、断面山型(三角型)であってもよい。
また、図6に示すように、フロアクロスメンバを外して、その部分に、ビード20を同心円弧状に形成するようにしてもよい。この場合にも、衝突荷重Fの伝播方向に沿うような同じ方向性を有するかたちでビード20が配置されるため、ビード20が荷重に対して突っ張るような状態で衝突荷重Fを受けるようになり、フロアパネル10の変形が抑制される。
本発明の一実施の形態に係る車体フロア構造を説明するための主として車室周りの車体構造を示す斜視図である。 同じく車体の主要部を示した平面図である。 ビードを断面で示した図である。 (a)〜(d)は試験の説明図、(e)は測定結果である。 (a)〜(c)はビードの変形例を示した断面図である。 その他の例の車体の主要部を示した平面図である。 従来技術の説明図である。
符号の説明
1 サイドシル
2A フロントクロスメンバ
2B リアクロスメンバ
3 フロアクロスメンバ
6 センタピラー
O1 部位
O2 部位
10 フロアパネル
11 フロアトンネル
20 ビード
C 車体

Claims (4)

  1. 左右一対のサイドシルと、この左右一対のサイドシル間に架設された前後一対のクロスメンバとにより囲まれるフロアパネルを備えた車体フロア構造であって、
    前記フロアパネルには、前記サイドシルと前記クロスメンバとの交差する部位を中心とする同心円弧状のビードが形成されていることを特徴とする車体フロア構造。
  2. 前記ビードは、等間隔で複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車体フロア構造。
  3. 前記フロアパネルは、車体中央で前後に延設されたフロアトンネルで補強されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車体フロア構造。
  4. 前記フロアパネルは、前記左右一対のサイドシルに少なくとも端部が固定されたフロアクロスメンバで補強されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車体フロア構造。
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