JP2006293404A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クリーニング装置6に第1及び第2のクリーニングブレード10,11を設け、第1のクリーニングブレード10に電圧を印加する。
【選択図】図1
Description
2)感光体表面を水拭きし、表面に付着したコロナ生成物を除去し、解像度の劣化を防止する方法(例えば、特開昭58−157549号、特開昭60−173570号 等)
3)感光層を活性炭素繊維でクリーニングしコロナ生成物を除去する方法(例えば、USP5264903号、特開平3−92882号 等)
4)極細繊維の不織布でクリーニングしコロナ生成物を除去する方法(例えば、特開平5−150693号、特開平5−134585号 特開平8−248820等)
5)オゾン、NOxによる画像上の白抜け、白筋を回避し、クリーニングブレードの変形を防止し、長期に亘って安定した画像を維持するために、転写装置側から順にトナー、キャリア等を除去するための残留現像剤除去部材、オゾン、NOx等の固着物を除去する為の強制掻き取り部材を配置する(特開平9−230767)。
6)帯電ローラーを使用した画像形成装置で起こる異常画像(帯電不良による地汚れ、白筋、黒筋など)を回避するために、転写装置側から順に第1のブレードクリーニング手段、第1のブレードとは電気抵抗が低目で電圧を印加可能とした第2のブレードクリーニング手段を配置する(特開平9−296250)。
1)複写プロセス
画像形成装置の概略を図1に示す。ここに示した画像形成装置は、時計方向に回転する感光体1を、図示した如き帯電ローラー、或いは図示していない帯電ブラシ、又はコロナ放電装置などのいずれかの帯電装置2を用いて、画像形成に必要な表面電位、例えば−400〜−1000Vに帯電する。次いでデジタル式の画像形成装置ではCCD(電荷結合素子)で読みとられた、或いは送信された電気信号を630〜820nmもしくはそれ以下の波長のLD或いはLED素子による光をポリゴンミラー、シリンドリカルレンズ及びドット径を80〜30μmに絞る為の凸レンズを使用した露光装置3により、ドットパターンの形で感光体上に画像露光を行い静電潜像を形成する。この様にして得られた静電潜像は、1成分もしくは2成分の現像剤を使用する現像装置4を用いて顕像化、すなわちトナー像化され、そのトナー像は、図示した如きローラー、又は図示していないベルト状、或いはコロナ放電法等のいずれかの転写装置5により、転写材の一例であるコピー用紙(普通紙)9に転写(95〜99%の転写効率)され、分離装置によってコピー用紙が感光体から分離される。このコピー用紙9は定着装置8に搬送され、ここで転写されたトナー像が定着され、ハードコピーとなる。転写後の感光体には現像剤(殆どトナー)が残留しているため、クリーニング装置6で清掃される。
上述した画像形成装置に使用される感光体は基本的としては、Se系、a−Si系等の無機系感光体及び有機系感光体のいずれも使用可能である。ただし、感光体によって現象の現れ方に相違が有り、適当に摩耗することも必要であることから、有機系感光体に好適に使用できる。以下、有機感光体について詳細に説明する。
導電性支持体の素材は超仕上げ、鏡面仕上げ等の加工を施したアルミニウムが一般的に使用されるが、電気、機械、化学的などの各特性を満足するもので有れば良く、ステンレススティール、銅、真鍮などの金属の他、圧縮紙や樹脂或いはガラスに、金やアルミ、白金、クロム等を蒸着或いはスパッタリングした導電層、さらにはカーボン、錫等の微粒子を分散した導電層を塗工したものであっても良い。電気抵抗は体積固有抵抗で、106Ω・cmオーダー以下の値で有れば問題はない。形状は例えばドラム状で、肉厚は直径や材質にも因るが、アルミニウムを使用する場合、0.5〜3mm程度のものが使用される。24〜80mmφの感光体であれば0.8〜1.5mm程度の肉厚の導電性支持体が使用される。
下引き層は、導電性支持体からの電荷注入阻止による帯電特性の維持、デジタル変換された画像露光の感光層内で乱反射による潜像乱れ阻止を行うため、及び導電性支持体、電荷発生層の両層の塗工性、接着性等を良好にするために形成される。下引き層はアルミナ蒸着膜、分散系の場合にはTiO2やSnO2などの金属酸化物をアルキッド樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、ポリビニールアルコール、カゼイン等に分散し、導電性支持体上に、浸漬法、スプレー法、リングコート法等を用いて1〜10μmの厚さに塗布する。好適には4μm〜8μm程度である。下引き層が厚すぎると繰り返し残留電位の増加を起こしやすく、薄い場合にはSN比が悪化し、長時間使用によりノイズ(黒ポチや、地肌汚れ等)の増加を招く。通常は109〜1012Ω・cm程度の体積抵抗の下引き層を3〜8μmの膜厚で均一に形成する事で、良好な電子写真特性が維持できる。
電荷発生層は電荷発生材をバインダー樹脂に分散したものである。有機感光体の場合、電荷発生材としては金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系、カルバゾール、トリフェニールアミン、フルオレノン、オキサジアゾール等の骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントアンスロンなどのキノン顔料、ペリレン顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料等を単独もしくは2種以上混合して使用できる。また、必要に応じて低分子輸送物質を添加しても良い。バインダー樹脂としてはポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノール樹脂などが使用できる。また、正孔輸送物質として、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン等が単独もしくは2種以上混合して使用される。これらの電荷発生材とバインダー樹脂をテトラヒドラフラン、トルエン、シクロヘキサノン、ジクロールエタンなどを分散液として、ボールミル、サンドミル、振動ミルなどで均一に分散し、スプレー塗工法、浸漬法等を用いて、下引き層上に0.05〜5μm、好ましくは0.2〜1μmの厚さで塗工する。必要以上に厚くすると、空間電荷の増大を招き、光減衰特性、残留電位等に影響が生じる。
電荷輸送層は電荷輸送材をバインダー樹脂中に分散したものである。低分子輸送材にはオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体(特開昭52−139065,同52−139066号報に記載)、イミダール誘導体、トリフェニールアミン誘導体(特願平1−77839号報に記載)、α−フェニールスチルベン誘導体(特開昭57−73075号報に記載)、トニフェニールメタン誘導体(特公昭51−10983号報に記載)、アントラセン誘導体(特開昭51−94829号報に記載)などを使用することが出来る。バインダー樹脂としてはポリカーボネート樹脂(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールCタイプ、ビスフェノールZタイプ或いはこれらの共重合体)、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂等単独もしくは2種以上混合して用いることが出来る。
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノールなどのモノフェノール系化合物
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)などのビスフェニール系化合物、
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニール)プロピオネート]メタンなどの高分子フェノール系化合物
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン等のハイドロキノン類
等がある。
被覆層は感光体の機械的、電気的な耐久性を図るために感光層上に形成するもので、高硬度の非晶質炭素膜や、非晶質シリコン膜、高抵抗の酸化錫膜などの薄膜を1〜5μm程度、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等で形成する方法、0.05〜5μm程度の微粒子をバインダー樹脂中に分散し、感光層上に薄膜塗装する方法などがある。無機微粒子をバインダー樹脂中に適当量分散することによって、感光体の耐久性を図ることができる。無機微粒子としては酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、窒化珪素等があり、特にはアルミナ、酸化チタンの順で環境安定性が良好であり、好適な無機微粒子として使用することが出来る。これらの無機微粒子にはシランカップリング材、フッ素系シランカップリング剤を使用して撥水処理する事も可能である。無機微粒子はバインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂等に分散して使用することが出来るが、好ましくは極性依存性が無い、透明性の良い1016〜1017Ω・cm程度に高抵抗のポリカーボネート樹脂が好適である。
感光体に静電潜像を形成するに先立つ帯電、およびトナー像をコピー用紙に転写する際の帯電方法はコロナ放電法や帯電ローラー、ブラシ等の帯電部材を使用する接触或いは非接触帯電法等で行われる。コロナ放電法は金属ケース内に帳架された40〜80μmのタングステンワイヤー、或いは鋸歯状のSUS板に絶対値で4000〜8000Vの高電圧を印加する方式のもので、高電圧を印加するため、必然的にオゾン、窒素酸化物などのコロナ生成物が低電圧駆動の接触帯電法に比べ多くなり、環境上問題が生じる。コロナ放電法(主にはスコロトロン帯電器)は非接触であるため感光体を傷付けない、感光体と10cm程度離して作動させるため均一帯電させ易い、生成したコロナ生成物が感光体に向かって飛翔する間に吸引する工程を設けることが出来るなどにより、接触帯電法より感光体に与えるコロナ生成物の化学的影響を少なくするも可能である。しかし、オゾン、窒素酸化物は多量に発生し、環境上問題が多い。
クリーニング装置はトナーのみならず、コロナ生成物、紙粉、フィルミング等の画像形成上問題となる汚染物質を可能な限り排除する装置である。図1に示したクリーニング装置6は第1及び第2の2体のクリーニングブレード10,11と、クリーニングブラシ12を使用したもので、図2に示すクリーニング装置6はクリーニングブラシを使用しないものであり、転写・分離装置に近い第1のクリーニングブレードの材質はウレタンゴムを好適とするが、BSR、CR、シリコーンゴム等も使用できる。これらのゴム材にはカーボン粉末、カーボンとアルカリ金属塩などの材料を添加し、体積抵抗率を100〜108Ω・cm、硬度を50〜80度と成した物である。ブレードの厚みは1.5〜4mm程度で使用でき、通常は2mm前後である。第1のクリーニングブレード10の設置は感光体1に対しカウンターもしくはリーディング方式のいずれでも良いが好ましくはリーディング法で設置し、第2のクリーニングブレード11より当接圧を低く設定する。例えば第2のクリーニングブレードの当接圧を60〜80mN/cmとすれば、第1のクリーニングブレードの当接圧は60mN/cm以下に設定する。これはトナー、紙粉が多いと、感光体が傷付き易く成るためであり、電圧を印加する事により、低く設定することが可能となり、抜け出たトナー等は第2のクリーニングブレードや、クリーニングブラシで補完する事が出来る。クリーニング装置のクリーニング性能が高くなると、帯電ローラーの汚染もなくなり、帯電性が安定し画像品質を高く維持できる。第1のクリーニングブレード10への電圧印加又は当該ブレード10の接地により感光体に付着した紙粉、トナー等を除去し易くする。使用条件に応じ、図1及び図2に示すように、接地、直流電圧、交流電圧、交流電圧を重畳した直流電圧のいずれかを選択する事が出来る。図1及び図2における符号14は直流電源を、符号13は交流電源を示している。第1のクリーニングブレード10に印加する電圧は直流電圧200〜800V程度、交流電圧200〜1000V、周波数は正弦波で50〜2000Hz程度である。
感光体上に潤滑剤を供給する理由は前記したように、感光体外観劣化、例えばトナーフィルミング、シリカなどの現像剤添加成分の感光体への突き刺さり等の影響を回避することであるが、前記現象を抑制することにより、潤滑剤が感光体に作用し易くなり、感光体の摩擦係数の低減化に寄与する。潤滑剤を感光体に供給する方法には粉末状もしくはブロック状の潤滑剤を感光体に直接もしくは間接的に供給する方法がある。例えば、現像剤中に粉末状のステアリン酸亜鉛やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)、ポリフッカビニリデン等をトナーに対し0.01〜0.5%の割合で入れる。余り入れすぎると、感光体の摩擦係数が低下し過ぎたり、トナーの物理特性(例えばQ/M)が暴れ、コントロールが効かなくなり、トナーが過剰供給になる可能性がある。通常はトナーに対し、0.01〜0.3%の間で添加するのが望ましい。潤滑剤の添加量はトナーによるフィルミングや外観不良が抑制出来る程度の量で十分である。因みにこの程度の添加量は潤滑剤を単独に使用した場合(表面性調整部材を併用使用しない場合)、0.6の摩擦係数を0.45〜0.55程度に下げる程度の量でしかない。したがって、感光層の摩耗抑制には殆ど効果がない。固形状の潤滑剤を供給する方法は摩耗させる部材、例えば、専用のブラシやクリーニングブラシ(ファーブラシ)を兼用する方法等がある。この方法はブロック状の潤滑剤をブラシで摩耗させながら感光体に供給する。ブラシに潤滑剤を軽く当接することによって、供給量をコントロールする。さらに別の供給方法としては50〜200μm程度のフィルム状の潤滑剤を感光体に当接して供給する方法がある。この方式は感光体に当接する潤滑剤の押圧をコントロールしたり、他のフッ素樹脂に転換することにより摩擦係数を低減化させる事が可能である。
感光層の機械的耐久性を向上させる上で摩擦係数は重要な特性である。感光体の摩擦係数はレベリング剤(例えばシリコーンオイルなど)を添加する事によって、0.3〜0.5(後記オイラーベルト法で測定した値)程度になり、レベリング剤を添加しない場合は0.6以上である。但し、レベリング剤を添加した場合でも、20枚程度複写を行えば、摩擦係数は直ちに0.6をオーバーしてしまい、持続性も有しない。この様な被覆層の無い感光体を使用した場合、クリーニングブレードや、現像剤による摩耗により、感光層の摩耗が大きくなり、耐久性を維持できない。また、前記したようなシリカの付着や突き刺さり等を起こし、感光体表面に不均一にフィルミングや偏摩耗を起こす場合がある。被覆層中の無機微粒子は感光層表層に凹凸を形成し、クリーニングブレードとの間で摩擦抵抗を軽減させる。無機微粒子を30%程度添加した場合の摩擦係数は0.4〜0.6程度であり、被覆層の無い場合と異なり比較的持続性が有るので、高硬度の微粒子と相まって摩耗が少なくなる。摩擦係数を低減化させることにより、感光体に接触しているクリーニングブレードや現像剤、接触帯電装置等の圧力が軽減されるために、必然的に感光層の摩耗が少なくなる。但し、摩擦係数が余り下がりすぎると、クリーニングブレードによるクリーニング性能が著しく低下するので、コロナ生成物や紙粉、フィルミング等の汚染物質が除去されにくくなり、解像度低下や画像流れなどの画像品質低下を生じる。摩擦係数の好ましい範囲は0.1以上、0.5以下であり、好ましくは0.2〜0.4が望ましい。0.6近傍もしくはそれ以上の場合に成ると感光層の摩耗が促進されるが、感光体の表面状態によっても摩耗は左右される場合がある。感光体に潤滑剤を外添する方法は粉末状、固形状、フィルム状の形態のフッ素系樹脂、ステアリン酸亜鉛、シリコーンオイルやフッ素系オイルなどの液状の潤滑剤、ガス状にした潤滑剤を感光体に外添法として作用させる方法の他、現像剤中に微量の潤滑剤を添加する方法がある。
μs=2/π×ln(F/W)
ただし、μs:静止摩擦係数、F:読みとり荷重
W:分銅の重さ π:円周率
本測定法(オイラー・ベルト方式)については特開平9−166919などにも記載されている。
感光体を下記の要領で作製した。φ60mm、長さ340mm、肉厚1.2mmのアルミニウムドラムに下記組成の下引き層(UL)用塗工液、電荷発生層(CGL)用塗工液、電荷輸送層(CTL)用塗工液を用い、順に浸漬塗工を行い、加熱乾燥により、3.5μmの下引き層、0.15〜0.2μmの電荷発生層、22〜25μmの膜厚の電荷輸送層を塗工し感光体を作製した。この感光体上にさらに、バインダー樹脂とドナー、無機微粒子(金属酸化物)及び溶媒を硝子ポットに入れ、ボールミルで24時間分散させ、平均粒径(堀場製作所製CAPA500で測定)約0.45〜0.55μmの塗工液を作り、スプレー法を用いて1〜3回塗布(約1.5〜2.0μm/回)し、加熱乾燥させて1〜10μmの被覆層を形成し電子写真感光体を完成した。以下に記載の部はいずれも重量部を表す。
アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL,大日本インキ化学工業社製) 6部
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業社製) 4部
酸化チタン(CR−EL 石原産業社製) 40部
メチルエチルケトン 200部
〔電荷発生層用塗工液〕
オキソチタニウムフタロシアニン顔料 2部
ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 0.2部
テトラヒドロフラン 50部
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールA型ポリカーボネート(帝人化成社製:Zポリカ) 10部
下記構造の低分子電荷輸送物質 12部
メチルフェニルシリコーンオイル(50cs) 1部
〔無機微粒子層用塗工液〕
無機微粒子層用塗工液はバインダー樹脂と無機微粒子が重量比で25%、電荷輸送物質とバインダー樹脂の比が7/10に成るように混合し、シクロヘキサノンを溶媒としてスプレー法で1〜3回のスプレーを行い、4種の被覆層を形成した。
バインダー樹脂:ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成社製 Mv5万)
無機微粒子:アルミナ粉末(AA−40 住友化学工業社製)
低分子電荷輸送物質:下記構造
8mmの真鍮製ロッド棒にカーボンを均一分散したエピクロルヒドリンゴムを塗布し、14mmφ太さに成形した電気抵抗2〜6×105Ω・cm(100VDC印加時)の帯電部材に、感光体の画像形成領域において100μm離れる様に加工した帯電部材を用意した。帯電部材の両端部に厚さ60μm、幅10mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)を1重張り付け、感光体と接触させたとき、画像形成領域に空隙を持たせるように加工した。なお、感光体に対向して配置したときの空隙は85〜100μmであった。この帯電部材をハウジングにセットして使用した。
(1)2mm厚のウレタンゴムをカウンター方式で取り付けたクリーニングブレード1体のクリーニング装置、(2)第1のクリーニングブレードとして、厚み2mm、電気抵抗2〜5×106Ω・cm、硬度60度のウレタンゴム(鬼怒川ゴム製)を用い、これをリーディング方式で図2に示すように取り付け、また第2のクリーニングブレードとして2mm厚のウレタンゴムを用い、これをカウンター方式で図2の様に取り付けたクリーニング装置、(3)17デニールのポリプロピレン繊維を2500本/inch2の密度で植毛(直毛)したφ30mmのクリーニングブラシを図1に示したように2体のクリーニングブレード間に取り付けたクリーニング装置の3種のクリーニング装置を用意した。クリーニングブラシの駆動用モーターは外づけとし、図1に示したように、感光体の回転と順方向に回転するように設定した。回転数は170rpmとした。
評価用の画像形成装置は、(1)1体のクリーニングブレード構成のクリーニング装置、(2)クリーニングブラシと2体のクリーニングブレードから成るクリーニング装置、(3)2体のクリーニングブレードで構成されたクリーニング装置が取り付けられるように改造された複写スピード28(枚/分)の実験用電子写真複写機を用意した。現像剤には粒径約9.5μmのシアントナー(流動剤としてSiO2=0.7%、TiO2=0.8%、潤滑剤(SZ2000)=0.05%添加)を、粒径80μmの磁性キャリア(FPC−300LC)に分散した5%濃度現像剤(リコー製試作現像剤)を使用した。帯電部材は感光体との間隙が85〜100μmのカーボン分散のエピクロルヒドリンゴム製のφ14mmの帯電ローラーを用い、印加電圧として、外部電源より高圧ケーブルで帯電部材に交番電圧を重畳した直流電圧を印加した。電圧条件は交番電圧1.5KV/1KHz、直流電圧は感光体の表面電位が−600Vとなるように調整した。なお、帯電部材用の高圧印加電源には横河製ファンクションジェネレーターFG−300+長野愛知電気HV−255を使用し、トリガー電圧で、感光体への電圧印加のタイミングを図った。
厚み2mm、硬度60度、電気抵抗2〜5×106Ω・cm、当接圧を45、55、70、及び85mN/cmとする第1のクリーニングブレード、厚み2mm、当接圧を75mN/cmとする第2のウレタンゴム製クリーニングブレードから成るクリーニング装置を実験用電子写真複写機に装着し、第1のクリーニングブレードへの印加電圧を接地(0V)、−500VDC、1200VAC/1000Hz、+300VDC+1200VAC/1000Hzの4種の条件とした。感光体として電荷輸送層(CTL)23μm、被覆層5.0μmとなる様に設定したものを用意した。現像剤にはトナーにステアリン酸亜鉛を0.05%添加したトナー(リコー製)を使用した。結果を表1〜表に示す。第1のクリーニングブレードの当接圧を55、70mN/cmに設定した場合は感光体画像品質とも問題は生じなかったが、45、85mNにおいては、僅かでは有るが、感光体にスクラッチ、或いはフィルミングが生じたが、特に問題となる範囲ではなかった。第1のクリーニングブレードに印加した電圧条件では交流電圧が関与する条件で、より良好な結果が得られたが、他の条件に於いても、好適な条件に設定することで、問題ない品質を設定できる。感光体の摩耗は0.08〜0.12μm/1万枚であり、30〜40万枚相当の耐久性が確認された。
クリーニング装置をクリーニングブレード1体から成る装置に変え、ブレードの当接圧を75mN/cmとし、現像剤にはステアリン酸亜鉛0%及び、0.05%添加したものを、感光体には実施例1に同じ5μmの被覆層を有する有機感光体を使用した。評価結果を表2に示す。なお、比較例1−1,1−2はステアリン酸亜鉛が0%、比較例1−3,1−4は0.05%である。フィルミングの形成の仕方はステアリン酸亜鉛を添加した方が軽く、画像流れの程度も局部的に留まっているが、クリーニングブレード1体で構成されたクリーニング装置では感光体上の汚染物質を除去しきれず、10万枚後には画像品質的には問題が生じる可能性がある。
(実施例2)
第1と第2のクリーニングブレード間にクリーニングブラシを取り付けたクリーニング装置に交換し、第1のクリーニングブレードの当接圧を45、55、70、及び85mN/cm、第2のクリーニングブレードの当接圧を75mN/cmに設定した。また、現像剤をトナーに対し0.05%のステアリン酸亜鉛とし、感光体にはアルミナ(AA−40)をバインダー樹脂に対し30%添加した5μmの被覆層の実施例1に同等の有機感光体を使用した。評価結果を表3に示す。クリーニングブラシを追加した場合には、当接圧が85mN/cmを除いた以外、極めて良好な結果が得られた。摩擦係数は全体的に0.3前後であり、曇りも主に端部に筋状に生じた程度であったり、特に問題となるものではなかった。感光層の摩耗は実施例1より僅かに多い程度で、0.1〜0.17μm/1万枚の摩耗が確認された。
クリーニング装置にクリーニングブレードを2体配置したものを用意し、第1のクリーニング゛ブレードに0V、1100V/1KHzの交流電圧を印加し、当接圧を45、55及び70mN/cmとし、第2のクリーニングブレードの当接圧を65mN/cmに設定した。現像剤にはトナーに対しステアリン酸亜鉛を0.05%添加したもの、感光体には被覆層を形成していない有機感光体を使用し、特性の評価を実施した。結果を表4に示す。感光体に被覆層が無くても、クリーニングブレードの当接圧を軽くすることで、スクラッチの発生を軽くすることが出来、画像品質も良好な結果であった。感光層の摩耗は被覆層を形成しないために0.2〜0.4μm/1万枚となった。
クリーニング装置にクリーニングブレード1体構成のものを用意し、当接圧を65mN/cmに設定した。現像剤にはトナーに対しステアリン酸亜鉛を0%及び0.05%添加したものを用意し、感光体には被覆層を形成していない有機感光体を使用し、特性の評価を実施した。比較例2−1及び比較例2−2はステアリン酸亜鉛が0%、比較例2−3及び比較例2−4は0.05%である。結果を表4に示す。クリーニングブレード1体で構成されるクリーニング装置では、感光体表層に刺さったシリカ等を起点として、トナー、紙粉、コロナ生成物等の汚染物質が固着することによって生じるフィルミングが現れ、画像品質は濃度ムラ、解像度低下など問題有る結果となった。感光層の摩耗はステアリン酸亜鉛を添加したトナーを使用した場合、現象は緩和される傾向に有るが、いずれも大なり小なりフィルミングが生じた為、見掛け上削れは小さく、場所によっては増加する部位も見られた。
クリーニングブレードを2体配置したクリーニング装置を用い、第1のクリーニングブレードの当接圧を45、55、及び70mN/cmと可変し、印加電圧に1400V/1KHzの交流電圧を設定した。第2のクリーニングブレードの当接圧は75mN/cmに設定した。感光体には被覆層の厚みを2、5、及び8μmと可変した3種の感光体を用い、現像剤にはトナーに対し0.1%のステアリン酸亜鉛を添加したものを用いた。これらの元に評価を実施した。結果を表6に示す。被覆層が8μmの感光体については残留電位の低下による画像濃度の低下が生じたが、感光体の外観は良好であった。2μm及び5μmの感光体については当接圧が55〜70mN/cmの間で可変しても感光体外観、画像品質とも明確な異常現象は見られず、第1のクリーニングブレードの当接圧が45mN/cmと低くても画像品質、及び感光体に対する問題は無かった。被覆層を2μmとする感光体の場合、感光層が10万枚で1.5μm削れたため、耐久性的には10万枚程度と考えられるが、10万枚でも異常画像は確認できなかった。
2 帯電装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
9 転写材
10 第1のクリーニングブレード
11 第2のクリーニングブレード
12 クリーニングブラシ
Claims (6)
- 帯電装置を用いて感光体に帯電を行い、画像露光によって静電潜像を形成し、現像剤によって静電潜像を現像してトナー像化した後、転写装置により感光体上のトナー像を転写材に転写し、クリーニング装置により、トナー像転写後の感光体上の残留トナーを除去する画像形成装置において、
前記クリーニング装置が、感光体に当接する少なくとも第1のクリーニングブレードと第2のクリーニングブレードを有し、第1のクリーニングブレードは第2のクリーニングブレードよりも感光体表面移動方向上流側の感光体面部分に当接するように第1及び第2のクリーニングブレードをそれぞれ配設し、第1のクリーニングブレードは電圧印加可能な弾性部材で構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 第1のクリーニングブレードは、接地されるか、又は直流電圧、交流電圧もしくは交流を重量した直流電圧を印加される請求項1に記載の画像形成装置。
- 第1のクリーニングブレードの感光体に対する当接圧を、第2のクリーニングブレードの感光体に対する当接圧よりも低く設定した請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記クリーニング装置は、感光体表面の移動方向に関し、第1のクリーニングブレードの感光体に対する当接位置よりも下流側であって、第2のクリーニングブレードの感光体に対する当接位置よりも上流側の感光体面部分に当接するクリーニングブラシを有している請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 感光層上に無機微粒子を分散した2乃至8μmの膜厚の被覆層を有する感光体を用いた請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 感光体面に外添法により潤滑剤を付与する事により潤滑性を与え、感光体表面の摩擦係数を0.5以下で0.1以上の範囲とした請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
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