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JP2006282774A - 印刷用インキおよびそれを用いた印刷物 - Google Patents

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JP2006282774A JP2005102522A JP2005102522A JP2006282774A JP 2006282774 A JP2006282774 A JP 2006282774A JP 2005102522 A JP2005102522 A JP 2005102522A JP 2005102522 A JP2005102522 A JP 2005102522A JP 2006282774 A JP2006282774 A JP 2006282774A
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Takaaki Abe
卓暁 阿部
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、非塗工紙および微塗工紙といった低密度の用紙にオフセット印刷してなる印刷物の製造方法において、青味色相を付与するための補色剤を用いずに青味色相および高黒色度の双方の性能を付与したオフセット印刷用インキを提供でき、それを印刷してなる印刷物は、黒色度の高いオフセット印刷物であり、しかも高い生産性の向上を図ることができる。
【解決手段】本発明は、特定の物性を有するカーボンブラック、ロジン変性フェノール樹脂および溶剤とを含有するオフセット印刷用インキおよびそれを用いて、非塗工紙および微塗工紙といった低密度の用紙にオフセット印刷してなる印刷物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、オフセット印刷用インキおよびそれを用いて、非塗工紙および微塗工紙といった低密度の用紙にオフセット印刷してなる印刷物に関する。さらに、詳しくは、青味色相を付与するための補色剤を用いずに青味色相および高黒色度の双方の性能をオフセット印刷用インキに付与する方法およびそれにより製造されるオフセット印刷用インキさらにこのオフセット印刷用インキにより印刷してなる印刷物およびその製造方法に関するものである。
オフセット印刷用墨インキでは顔料としてカーボンブラックが用いられるのが一般的である。オフセット印刷では印刷後の紙上におけるインキ膜厚が薄くなるため、印刷濃度を確保するためにカーボンブラックの配合率が通常15〜25%と高い。また、印刷画線の色相は赤味あるいは黄味がかった色相を呈するが、この色相は印刷インキとしては好まれず、色相を青味に調整するために高価な青色顔料あるいは染料を添加させてコントロールしている(非特許文献1、2)。
オフセット印刷用墨インキに使用されるカーボンブラックは一次(基本)粒子と呼ばれる球状のカーボン粒子が融着し連鎖状あるいは不規則な鎖状に枝分かれした複雑な凝集形態を示しており、ぶどうの房に例えられる凝集体を形成している。この凝集体をアグリゲートと呼び、このアグリゲートを形成している一次粒子の融着の程度をストラクチャーと呼んでいる。インキビヒクル中にカーボンブラックを分散させた場合においては、アグリゲートよりも細かく分散することは不可能とされている(非特許文献2、3)。
オフセット印刷の中でも高品質を要求されるインキでは高い光沢を要求されるため、インキを薄膜とした場合にもインキ膜表面の平滑度を高くするためにアグリゲート径が小さいカーボンブラックが選択される。しかし、非塗工紙および微塗工紙といった低密度の用紙に対して印刷を行うインキにおいては、カーボンブラックがインキビヒクルとともに用紙の内部に沈み込んでしまい印刷濃度が維持できないため、アグリゲート径の大きいカーボンブラックを選択する必要がある(非特許文献3)。
球状のカーボン粒子がぶどう状に連なっているカーボンブラックの構造から考えた場合、アグリゲート径の大きいカーボンブラックを選択するには、一次粒子径およびストラクチャーに着目すればよい(非特許文献3)。すなわち、一次粒子径およびストラクチャーを大きくすれば、アグリゲート径が結果として大きくなり、黒色度が高いオフセット印刷が可能となる。
一次粒子を大きくした場合、ストラクチャーが同一であってもアグリゲート径は相対的に大きくなる。一次粒子径の大きさは、窒素吸着法により測定されるカーボンブラックの比表面積により評価することができる。この窒素吸着法により測定された比表面積は、一次粒子径とほぼ反比例の関係であり、一次粒子径が大きい場合には、比表面積は小さくなる。しかしながら、一次粒子径が大きい、すなわち、比表面積の小さいカーボンブラックを用いたインキで印刷を行った場合、印刷画線の色相は良好な青味色相を呈するが、その一方、ドライダウンと呼ばれるインキが乾燥していく過程で印刷濃度が低下して印刷直後と乾燥後で画線の印刷濃度に差が生じる現象の程度が大きく、乾燥後の印刷物において黒色度の不足が問題となりやすい(非特許文献3)。
このドライダウンを防ぐ目的で、基材である紙の加工を行う方法、例えば、特開平6−192996号公報、特開平10−131089号公報、特開2002−327393号公報等に開示されているが、何れもドライダウンには、効果があると思われるが、特殊な紙基材であり、生産性、コストにおいて実用的ではない。
また、ストラクチャーを大きくすると、一次粒子径が同一であってもアグリゲート径は相対的に大きくなる。ストラクチャーの大きさは、フタル酸ジブチル(本発明において、DBPと略す。)吸油量測定法により評価することができる。すなわち、ストラクチャーが大きいとDBP吸油量は大きくなる。DBP吸油量の高いカーボンを用いたインキで印刷を行った場合、ドライダウンが少なくなり、乾燥後の印刷物でも良好な印刷濃度を維持できるためインキの品質としては、有利である。しかし、DBP吸油量の高いカーボンを使用する場合には、印刷画線の色相が黄味色相を呈するため、色相を青味とするために高価な青色顔料または染料を添加しなければならずコストを上昇させる要因となっている。そのため、カーボンブラックに代わる特殊な黒色顔料を使用する方法が、特開2002−265837号公報に開示されているが、カーボンブラックに比較して高価であり、実用性が乏しい。
これらの問題を解消する手段のひとつとして、粒子径の大きいカーボンブラックとストラクチャーの大きいカーボンブラックを併用して用いられることがある(例えば、特開平7−18200号公報実施例2)が、大量に生産を行う場合にカーボンブラック用のサイロが複数必要であったり、計量作業が煩雑になる等、印刷インキ生産における設備面や工程上の負荷が必要となる。
また、粒子径およびストラクチャーの双方を大きいカーボンを使用した場合は、アグリゲート径が大きくなりすぎるため、印刷画線におけるインキ膜厚の薄いオフセット印刷においては必要な分散性を維持できず、また、著しい光沢の劣化や印刷時に版やガイドローラー等にカーボン粒子が堆積する問題が発生するため好ましくない。
さらに、特開平7−18200号公報および特開平8−176463号公報には、印刷インキ用カーボンブラックが開示されており、しかもこの印刷インキ用のカーボンブラックを使用した平版新聞オフセット輪転インキの調製を行っているが、この特開平7−18200号公報および特開平8−176463号公報には、インキに必要な樹脂成分として「樹脂ワニス」としか記述がなく、実質的に印刷用インキおよびその製造方法さらに製造された印刷インキにより形成された印刷物について、何ら開示されておらず、開示されているインキ適性等に疑義が持たれる。
また、特開平11−349311号公報には、多環芳香族成分含有量が少ない鉱物油に分散性の良好なカーボンブラックが開示されているが、インキを製造した場合に単純にこのような鉱物油に分散性が良いだけでは、インキとしての物性が良いとは限らない。
また、本発明のような墨顔料としてカーボンブラックを、樹脂ワニスとしてロジン変性フェノール樹脂を使用した例としては、以下の例が挙げられる。
すなわち、特開平9−25444号公報には、墨顔料としてカーボンブラックを、樹脂ワニスとしてロジン変性フェノール樹脂を使用し、さらに、顔料分散剤を用いたオフセット印刷用墨インキ組成物を用いる例が、開示されている。しかしながら、印刷インキの安定性(分散性)は、向上するが、単純にカーボンブラックを選定するだけでは、高品質の印刷物を得ることができない。
また、特開2004−269572号公報には、特定の物性を有するカーボンブラックおよび樹脂ワニスにより製造される印刷インキが開示されているが、カーボンブラックの物性としてDBP吸収量(吸油量)が、30〜65(cm/100g)であると規定されているが、DBP吸油量が80(cm/100g)以下である場合に、非塗工紙または微塗工紙に印刷すると、ドライダウンが大きく、印刷後の黒色度不足が起こる可能性がある。
さらに、特開2004−107585号公報には、特定の物性を有するカーボンブラックおよび樹脂ワニスから製造されるインキ組成物が、開示されている。しかしながら、樹脂ワニスとして、ロジン変性フェノール樹脂が、開示されているものの、DBP吸油量および粒子径だけでは、高品質を要求されるインキとしては使用できず、しかも、開示されている粒子径では、非塗工紙または微塗工紙に印刷した場合に、印刷濃度が維持できない。
また、特開2002−322407号公報、特開2002−322408号公報、特開2002−327143号公報には、カーボンブラックと常温で固体の樹脂ワニスとを予め乾式粉砕を行い、溶剤等を加えて混合して製造する方法が開示されている。しかも、特定のカーボンブラックを使用することが記載されているが、これらのカーボンを使用し、この製造方法を行った場合には、ストラクチャーが破壊され、非塗工紙または微塗工紙等の低級紙用途としては、適切ではない。
一般に、カーボンブラックは、アグリゲート径が小さいほど黒色度が高くなるが、アグリゲート径が小さくなるほど流動性が悪くなる。そのため、特開2001−72912号公報には、アミノシランによるカーボンブラックの表面処理方法が開示されているが、カーボンブラックの分散性は向上するが、インキの乾燥性は低下する問題がある。
さらに、特開2001−192584号公報には、表面処理を行わずに、表面酸化処理したカーボンブラックの欠点である乾燥性に劣るという点を改善した表面処理を行わないで、カーボンブラックを製造する方法および印刷インキ組成物が開示されている。しかしながら、製造されているカーボンブラックのDBP吸油量がすべて80(cm/100g)以下であり、この場合に、非塗工紙または微塗工紙に印刷すると、ドライダウンが大きく、印刷後の黒色度不足が起こる可能性がある。
従って、青味色相を付与するための補色剤を用いずに青味色相および高黒色度の双方の性能を有するオフセット印刷用インキ、さらに、このオフセット印刷用インキを用いて、非塗工紙および微塗工紙といった低密度の用紙にオフセット印刷してなる印刷物およびその製造方法が待望されている。
「印刷と紙2000」平成12年3月5日発行、発行所 紙業タイムス社 「カーボンブラック年鑑No.54(2004)」 カーボンブラック協会編 「カーボンブラック便覧」平成7年4月15日、第三版、編集発行者 カーボンブラック協会 特開平6−192996号公報 特開平10−131089号公報 特開2002−327393号公報 特開2002−265837号公報 特開平7−18200号公報 特開平8−176463号公報 特開平11−349311号公報 特開平9−25444号公報 特開2004−269572号公報 特開2004−107585号公報 特開2002−322407号公報 特開2002−322408号公報 特開2002−327143号公報 特開2001−72912号公報 特開2001−192584号公報
本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであって、オフセット印刷用インキおよびそれを用いて、非塗工紙および微塗工紙といった低密度の用紙にオフセット印刷してなる印刷物を提供することにある。すなわち、青味色相を付与するための補色剤を用いずに青味色相および高黒色度の双方の性能をオフセット印刷用インキに付与する方法およびそれにより製造されるオフセット印刷用インキさらにこのオフセット印刷用インキにより印刷してなる印刷物およびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のカーボンブラック、ロジン変性フェノール樹脂および溶剤を含有することによって製造されるオフセット印刷用インキおよびこのオフセット印刷用インキにより印刷してなる印刷物およびその製造方法により上記課題を解決できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、比着色力:80〜95(%)、DBP吸油量:80〜120(cm/100g)、窒素吸着比表面積:60〜120(m2/g)をすべて満たすカーボンブラック、ロジン変性フェノール樹脂および溶剤とを含有することを特徴とするオフセット印刷用インキに関する。
第2の発明は、溶剤が、石油系溶剤、植物油、植物油エステルから選ばれる一種または二種以上の混合物であることを特徴とする第1の発明のオフセット印刷用インキに関する。
第3の発明は、石油系溶剤のアニリン点が65〜110(℃)であることを特徴とする第1の発明乃至第2の発明の何れかのオフセット印刷用インキに関する。
第4の発明は、植物油が大豆油、ヤシ油、アマニ油、菜種油から選ばれる一種または二種以上の混合物であることを特徴とする第1の発明乃至第2の発明の何れかのオフセット印刷用インキに関する。
第5の発明は、ロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量が、10,000〜400,000であることを特徴とする第1の発明乃至第4の発明の何れかのオフセット印刷用インキに関する。
第6の発明は、ロジン変性フェノール樹脂のトレランス(H)が10〜40(%)であることを特徴とする第1の発明乃至第5の発明の何れかのオフセット印刷用インキに関する。
第7の発明は、浸透乾燥型であることを特徴とする第1の発明乃至第6の発明の何れかのオフセット印刷用インキに関する。
第8の発明は、第1の発明乃至第7の発明の何れかのオフセット印刷用インキの製造方法に関する。
第9の発明は、第1の発明乃至第7の発明の何れかのオフセット印刷用インキを非塗工紙または微塗工紙に印刷してなる印刷物に関する。
なお、本発明において、分子量は、特に、断りがない限り、重量平均分子量とする。
また、本発明における比着色力、DBP吸油量、窒素吸着比表面積はいずれもJIS K6217に準拠して定義されたものである。
さらに、本発明において平均分子量は、重量平均分子量を示す。
比着色力:80〜95(%)、DBP吸油量:80〜120(cm/100g)、窒素吸着比表面積:60〜120(m2/g)をすべて満たすカーボンブラック、ロジン変性フェノール樹脂および溶剤とを含有するオフセット印刷用インキおよびそれを用いて、非塗工紙および微塗工紙といった低密度の用紙にオフセット印刷してなる印刷物の製造において、青味色相を付与するための補色剤を用いずに青味色相および高黒色度の双方の性能をオフセット印刷用インキに付与することができ、それによりこのオフセット印刷用インキにより印刷してなる印刷物は、黒色度の高いオフセット印刷物であり、しかも高い生産性の向上を図ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について具体的に説明する。
本発明に係わる第一の必須成分であるカーボンブラックおいて必要な物性は、第一に比着色力が80〜95(%)である。さらに、好ましくは80〜90(%)であり、より好ましくは、85〜90(%)である。特に、非塗工紙および微塗工紙といった低密度の用紙に対して印刷を行う場合には、比着色力が低い方が乾燥後の印刷物における青味色相の点で有利に働くが、比着色力が80%を下回るカーボンブラックは製造自体が困難となる。
さらに、本発明のカーボンブラックは、さらなる特性としてDBP吸油量が80〜120(cm/100g)の範囲にあることが必要であり、好ましくは、85〜110(cm/100g)、より好ましくは、90〜105(cm/100g)であることが必要である。低密度の用紙に対して印刷を行うインキの場合、DBP吸油量が80(cm/100g)よりも小さいとドライダウンが大きく印刷後の黒色度不足が起こる可能性がある。また、DBP吸油量が120より大きいとインキの流動性が著しく低下し、良好な分散性が得られない。
さらに、本発明のカーボンブラックは、さらなる特性として窒素吸着比表面積が60〜120(m2 /g)の範囲にあることが必要であり、好ましくは60〜90(m2 /g)、より好ましくは60〜80(m2 /g)が良く、70〜80(m2 /g)がより好ましい。窒素吸着比表面積は上述の通り一次粒子径とほぼ反比例の関係にあり、数値が小さいほど粒子径が大きくなり、さらにはアグリゲート径が大きくなることを意味する。低密度の用紙に対して印刷を行うインキの場合、アグリゲート径が大きいほど、すなわち、窒素吸着比表面積が小さいほど、ドライダウンに対して有利であるが、窒素吸着比表面積が60(m2 /g)より小さくなるとアグリゲート径が大きすぎるため分散性が劣化する。また、120(m2 /g)より大きくなるとアグリゲート径が小さくなるためドライダウンの問題が発生する。
さらに、本発明のカーボンブラックの添加量としては、印刷インキ中10〜30重量%であることが好ましい。
本発明に用いるカーボンブラックは上記性状を満たすものであれば形状は粉状あるいは粒状を問わず使用することができる。
また、本発明に係わる第二の必須成分であるロジン変性フェノール樹脂は、以下のようにして製造される。
すなわち、出発物質であるロジンは、松の生木から得られるガムロジン、松の切り株から得られるウッドロジン、クラフトパルプのチップを処理して得られるトール油ロジン等があり、アゼエチン酸を主成分にしてピマル酸等を副成分に含む複合物として存在する。そのロジンを各種処理して、ロジン誘導体が得られる。
ロジン誘導体としては、フェノール樹脂で変性するロジン変性フェノール樹脂、ポリオールで変性するロジンエステル樹脂、水素添加する水添ロジン樹脂、不均化触媒による不均化ロジン樹脂、それをさらにエステル化する不均化ロジンエステル樹脂、マレイン酸で処理するロジン変性マレイン酸樹脂、重合する重合ロジン樹脂、それをさらにエステル化する重合ロジンエステル樹脂等がある。本発明において、使用されるロジン変性フェノール樹脂の製造方法は、詳細には、以下のようであるが、製造法の容易さあるいは生産コスト等から選定を行えば良く、ロジン変性フェノール樹脂製造会社(例えば荒川化学株式会社)から提供されるロジン変性フェノール樹脂を使用しても良い。
(1)ロジン類および高級脂肪族多塩基酸と多価アルコールとを反応させ、次に、フェノール樹脂を反応させる。
(2)ロジン類と多価アルコールとをまず反応させ、次に、高級脂肪族多塩基酸を反応させたのち、フェノール樹脂を反応させる。
(3)ロジン類と多価アルコールとを反応させ、次に、高級脂肪族多塩基酸を反応させたのち、フェノール樹脂を反応させる。
(4)ロジン類とフェノール樹脂またはその原料成分とを反応させ、次に、多価アルコールを反応させたのち、高級脂肪族多塩基酸を反応させる。
(5)ロジン類、高級脂肪族多塩基酸およびフェノール樹脂またはその原料成分を反応させ、次に、多価アルコールを反応させる。
本発明で使用されるロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量としては、10000〜400000のものが好ましく、50000〜300000がより好ましく、100000〜250000がさらに好ましい。10000未満ではインキの粘弾性が不足し、400000を超えるとインキとしての流動性が不充分となる。
さらに、本発明において使用されるロジン変性フェノール樹脂の溶解性としては、新日本石油株式会社製0号ソルベントH溶剤(n-パラフィン系低臭気溶剤)でのトレランス[H]が10%〜40%のものが望ましい。さらに、20%〜30%が好ましい。10%未満ではインキのセットが劣化し、40%以上を超えるとインキの流動性が低下する傾向がある。
トレランスとは樹脂Xgを試験管に取り、溶剤で加熱溶解させたのちに25℃に冷却したときの白濁しない最小樹脂濃度であり、数値が小さいほど溶解性が優れている。式で表すと式(1)である。
トレランス(%)=樹脂(Xg)/[樹脂(Xg)+溶剤(Yg)]×100 式(1)
なお、本発明においては、溶剤を上述した新日本石油株式会社製0号ソルベントH溶剤で行った場合のトレランスをトレランス[H]と省略する。
本発明で使用するロジン変性フェノール樹脂の添加量としては、印刷インキ中5〜40重量%、さらには10〜30重量%が好ましい。
本発明で使用する石油系溶剤は、例えば炭素数14〜18のナフテン、イソパラフィンを主成分とするもので、環境に与える影響を考慮すると芳香族成分を含有しないものを用いることが望ましく、アニリン点は65℃〜110℃が好ましく、70℃〜110℃がより好ましく、90℃〜110℃がさらに好ましく、98℃〜110℃がより良い。
アニリン点が110℃より高い溶剤を使用する場合には、インキ組成中の使用樹脂との溶解性に乏しく、インキの流動性が不十分であり、その結果、被印刷体へのレベリングが乏しく光沢のない印刷物しか得られない。また65℃より低いアニリン点の溶剤を使用したインキでは、乾燥時のインキ皮膜からの溶剤の離脱性が悪く乾燥劣化を起こしてしまう場合がある。このような非芳香族系石油溶剤としての例は、新日本石油株式会社製0号ソルベントH、AFソルベント4〜7号、エクソン化学(株)のエクソールD80、D110、D130、D160等がある。添加量としては、40重量%以下が望ましく、30重量%以下が好ましく、さらに、20重量%以下が良く、10重量%以下が良く、5重量%以下が好ましい。また、一部高級アルコール系溶剤を添加しても良い。
また、これらの石油系溶剤は大気汚染などの地球環境問題や作業環境の安全衛生面での問題が指摘されている揮発性有機化合物(VOC)を含有するものもあり、近年は使用量を低減させる傾向があり、これら石油系溶剤の代わりに揮発性有機化合物(VOC)を全く含有しない植物油、植物重合油あるいは植物油脂肪酸のメチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル等の脂肪酸エステルに置換または併用しても良い。また、これら石油系溶剤、植物油、植物重合油、植物油エステルを複数種併用することも可能である。
本発明において、植物油としては、ロジン変性フェノール樹脂と相溶性が良いものならば、何でも良く、大豆油、綿実油、アマニ油、サフラワー油、トール油、脱水ヒマシ油、カノーラ油、菜種油が挙げられ、大豆油、ヤシ油、アマニ油、菜種油が好ましく、これらを単独で、または2種以上併用できる。
本発明において、使用される植物油エステルとしては、大豆油、綿実油、アマニ油、サフラワー油、トール油、脱水ヒマシ油、カノーラ油、菜種油等の植物油由来の脂肪酸エステルが挙げられる。脂肪酸エステルとしては、モノアルキルエステル化合物が挙げら、モノエステルを構成する脂肪酸としては、炭素数16〜20の飽和または不飽和脂肪酸が好ましく、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸等が例示できる。脂肪酸モノエステルを構成するアルコール由来のアルキル基は、炭素数1〜10のものが好ましく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシル等のアルキル基が例示できる。これら脂肪酸モノエステルは、単独で、または2種以上を組合わせて使用でき、本発明においては、植物油成分として、植物油、脂肪酸エステルをそれぞれ単独で用いてもよく、両者を併用しても良い。
溶剤の添加量としては、インキ中10〜50重量%が好ましい。
なお、本発明の印刷インキを製造するには、上記カーボンブラックをワニスおよび溶剤と混合し、ビーズミル・3本ロールで混練・分散させた後にワニス・溶剤・添加剤を加えて、使用される印刷条件に適した性状に調整するといった公知の製造方法を用いることができる。
また、本発明のカーボンブラックに常温固体の樹脂を加えて乾式粉砕した後、得られた粉砕物を印刷インキ用溶剤およびワニス混合物中に混合、分散して製造しても良い。
本発明においては、カーボンブラックをワニスに分散させる際に有機ベントナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、シリカといったカーボンブラック以外の顔料を添加することも可能であり、添加を行っても同様の効果が得られる。
本発明で使用する他の助剤としては、ゲル化剤、乾燥抑制剤、酸化防止剤、耐摩擦剤(ワックス)等の添加剤を適宜用いることができる
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施例に何等限定されるものではない。以下の説明において、「部」は、「重量部」を意味する。
[ロジン変性フェノール樹脂ワニス製造例]
平均分子量80000、酸価20、軟化点165℃であるロジン変性フェノール樹脂(荒川化学工業(株)製)38.5部、大豆油30部、非芳香族系溶剤であるAFソルベント5号(新日本石油株式会社製、アニリン点88.2℃)30部を仕込み、180℃に昇温させ、同温で30分間攪拌した後放冷し、ゲル化剤としてエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド1.0部(川研ファインケミカル(株)製ALCH)を仕込み180℃で30分間攪拌してロジン変性フェノール樹脂ワニスを得た。
[ギルソナイト樹脂ワニス製造例]
ギルソナイトから抽出された軟化点120〜125℃の脂肪族系炭化水素樹脂(AMERICAN GILSONITE COMPANY製ER−125)42部、大豆油58部を仕込み、140℃で1時間加熱攪拌してギルソナイト樹脂ワニスを得た。
[インキ製造例]
得られた樹脂ワニス、カーボンブラックおよび溶剤(AFソルベント6号(新日本石油株式会社製、アニリン点93.6℃)を表1の配合で三本ロールおよびミキサーを用いて混練混合し、実施例および比較例のインキを作製した。インキはタック値が東洋精器(株)製デジタルインコメーターにて、30℃、インキ1.32cc、400rpmの条件で3.5〜4.0になるよう調整した。
本実施例に使用したカーボンブラック(CB)の性状比較表を表2に示す。
上記実施例および比較例で得られたインキをボリュームメーターにより0.15ccおよび0.2ccの2水準でRIテスターを使用して新聞用更紙(非塗工紙)に展色することにより展色刷を作製し、ドライダウン量とドライダウン後の色相を下記の方法により評価した。
[ドライダウンの評価方法]
展色直後および24時間後の濃度値をグレタグマクベス社製分光光度計SpectroEyeを用いて測定し、以下の式により差を計算して評価した。数値が大きいほどドライダウンによる印刷濃度の低下が大きいことを示す。
ドライダウン量=展色直後の展色濃度−24時間後の濃度
[色相の評価方法]
展色後24時間経過した展色刷を用いて上記分光光度計により測色を行ない、Lを測定した。測定したb値により色相の評価を行った。bは値が大きいほど黄味色相、小さいほど青味色相であることを表す。
[評価結果]
表3に評価結果を示す。
以上の結果、実施例1,2のカーボンブラックと比較すると、比較例1,2はカーボンブラックの比着色力が大きいが、この場合ドライダウン量はほぼ同等であるもののbが大きく色相が黄味である。比較例3は比着色力が低目であることから色相は青味を呈するが、ドライダウン量が大きくなっている。比較例4は比着色力が低く、ドライダウン後の展色濃度が同一のものどうしで比較すると青味傾向ではあるが、DBP吸油量が小さいためドライダウン量が非常に大きい。

Claims (8)

  1. 比着色力:80〜95(%)
    DBP吸油量:80〜120(cm/100g)
    窒素吸着比表面積:60〜120(m2 /g)
    をすべて満たすカーボンブラック、ロジン変性フェノール樹脂および溶剤とを含有することを特徴とするオフセット印刷用インキ。
  2. 溶剤が、石油系溶剤、植物油、植物油エステルから選ばれる一種または二種以上の混合物であることを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷用インキ。
  3. 石油系溶剤のアニリン点が65〜110(℃)であることを特徴とする請求項1または2記載のオフセット印刷用インキ。
  4. 植物油が大豆油、ヤシ油、アマニ油、菜種油から選ばれる一種または二種以上の混合物であることを特徴とする請求項1乃至3何れか記載のオフセット印刷用インキ。
  5. ロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量が、10,000〜400,000であることを特徴とする請求項1乃至請求項4何れか記載のオフセット印刷用インキ。
  6. ロジン変性フェノール樹脂のトレランス(H)が10〜40(%)であることを特徴とする請求項1乃至請求項5何れか記載のオフセット印刷用インキ。
  7. 浸透乾燥型であることを特徴とする請求項1乃至請求項6何れか記載のオフセット印刷用インキ。
  8. 請求項1乃至請求項7何れか記載のオフセット印刷用インキを非塗工紙または微塗工紙に印刷してなる印刷物。
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