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JP2006270148A - 画像処理方法および画像処理装置並びに画像形成装置 - Google Patents

画像処理方法および画像処理装置並びに画像形成装置 Download PDF

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JP2006270148A JP2005081038A JP2005081038A JP2006270148A JP 2006270148 A JP2006270148 A JP 2006270148A JP 2005081038 A JP2005081038 A JP 2005081038A JP 2005081038 A JP2005081038 A JP 2005081038A JP 2006270148 A JP2006270148 A JP 2006270148A
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Kenji Furuyama
健司 古山
Kimikatsu Kanda
公克 神田
Tsutomu Kimura
努 木村
Kenji Ueda
健次 上田
Shinji Hanaoka
新治 花岡
Hiroshi Niina
博 新名
Hidemi Kaneko
秀美 金子
Kenji Yamada
健二 山田
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Abstract

【課題】原稿種に応じた最適な画像処理を行なう画像形成装置において、像域分離処理を原稿種に適応させる。
【解決手段】原稿種類検知部140は、2値化結果、収縮膨張、濃度、色黒(色彩)、線分、エッジ、網点・誤差拡散・ディザなどのスクリーンパターンなど種々の観点から処理対象画像を評価することで原稿種を特定する。画像分離部240は、画像分離部241〜243の内の特定された原稿種に応じた最適なものを使用しつつ、特定された原稿種に応じた最適な分離パラメータを用いて像域分離処理を行なう。前段画像補正処理部300などの像域適応信号処理部は、画像分離部240により得られる、原稿種に適応した像域分離処理結果を参照して、像域に適応した画像処理を行なう。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像処理方法および画像処理装置並びに画像形成装置に関する。より詳細には、たとえば複写装置、プリンタ装置、ファクシミリ装置、あるいはそれら複数の機能を有する複合機など、所定の記録媒体に画像を形成する画像形成装置に用いて好適な、処理対象画像の種類に適応した画像処理を行なう技術に関する。たとえば、複写すべき原稿の種類に応じて最適な画像処理を施すようにする仕組みに関する。
所定の記録媒体に画像を形成する画像形成装置においては、処理対象画像の種別(たとえば原稿種や画像オブジェクト)に応じて画像処理の内容を切り替える仕組みを持つものが提案されている(たとえば特許文献1,2を参照)。
特開平09−65143号公報 特開平11−146220号公報
たとえば従来のカラー複写機として、原稿種に応じて画像処理内容を切り替えることができるようにしたものがあり、この種のカラー複写機では、原稿タイプを4つ(文字/写真の混在、文字、写真、地図)のモードに分類し、ユーザがキー操作により、指定するモードに従って、空間フィルタの強さ、スクリーン線数、ディザあるいは色補正係数を切り替えるようにしている。
しかし、このような処理の切替方式では、ユーザがその都度モード設定操作を行なわなければならず、しかも、複写しようとしている“絵”が銀塩写真であるのか網点写真であるのかを、操作の度にユーザが判断しなければならないことから、ユーザの負担が大きいといった問題がある。また、ユーザ自身が複写すべき原稿の種類と複写機で選択すべきモードとを正確に判定できない場合がある。
これに対して、たとえば特許文献1には、読み取った原稿が地図であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて画像処理内容を切り替える仕組みが提案されている。たとえば、原稿判定結果に応じて空間フィルタによるエッジ強度の度合いを制御したり、原稿が地図であると判定した場合にはディザ処理のディザサイズを小さくしたり誤差拡散法により処理したりするなどして、画像処理内容を切り替えている。
しかしながら、プロセスインクと網点によって形成された多色刷りの地図や特色(プロセスインク以外の色)によって網点を使用せずに形成された地図、あるいは印刷所や地域によって特色の濃度を変更した地図など、地図原稿には様々な種類が存在するので、一律な判定では、前記のような様々な地図原稿の種別を判定できない場合がある。また、同様に、判定した原稿種に対応した一律な画像処理では使用者の好みに応じた出力を得られない可能性がある。
一方、特許文献2には、たとえば読み取った原稿の色情報を予め分割された色空間ごとに分類して画像の特徴量を抽出し、抽出した特徴量と予め記憶されている特徴量とを比較することにより読み取った原稿の種類を判定し、その判定結果に基づいて画像処理内容を切り替える仕組みが提案されている。要するに、原稿種をプレスキャンまたはファーストスキャンしたときに、色情報を元に画像処理内容を切替える技術である。これによれば、使用者が画質モードを選択する手間を省き、読み取った原稿の色情報を元に、原稿の種類を正確に判定することができる。
また、原稿の特徴量として、読み取った原稿の画像データの濃度および色相のヒストグラムを評価観点とすることにより、蛍光ペンによって書き込まれた原稿や地図原稿などを的確に判定できるようにした仕組みも提案されている。
たとえば、画像分離回路でヒストグラム、周波数領域におけるエッジ度、網点領域の割合などの特徴量を基に文字部と写真部の判定、および有彩色・無彩色の判定を行ない、判定結果に応じて最適な画像処理を行なうようにしている。
しかしながら、特許文献2に記載の仕組みでは、原稿の種類を検知した結果に応じて最適な画像処理を行なうとはいうものの、検知した原稿種と画像分離(像域分離とも言われる)との関わりについては記載がない。このため、特許文献2の記載内容に基づいただけでは、検知した原稿種に応じた最適な画像分離と、この画像分離結果を反映した最適な画像処理を行なうことはできない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、原稿種に応じた適切な画像分離と、この画像分離結果を反映した適切な画像処理を行なうことができる仕組みを提供することを目的とする。
本発明に係る画像処理方法は、処理対象画像の種類に適応した画像処理を行なう画像処理方法であって、処理対象画像の種類に適応した像域分離処理を行ない、処理対象画像の種類に適応した像域分離処理の結果を参照して像域に適応した画像処理を行なうこととした。
ここで、処理対象画像の種類に適応した像域分離処理を行なうとは、処理対象画像の種類に応じた適切な画像分離手法を採用するか、あるいは処理対象画像の種類に応じた適切な画像分離パラメータを使用することを意味する。
すなわち、画像分離手法と画像分離パラメータの内の少なくとも一方について、処理対象画像の種類に適応させると言うことである。処理対象画像の種類に応じた適切な画像分離手法を採用するとともに、処理対象画像の種類に応じた適切な画像分離パラメータを使用すると一層好ましいものとなる。
本発明に係る画像処理装置は、前記本発明に係る画像処理方法を実施するのに好適な画像処理装置であって、処理対象画像の種類を特定する原稿種分類処理部と、原稿種分類処理部が特定した処理対象画像の種類に適応した像域分離処理を行なう像域分離処理部と、像域分離処理部により得られる処理対象画像の種類に適応した像域分離処理の結果を参照して像域に適応した画像処理を行なう像域適応信号処理部とを備えるものとした。
本発明に係る画像形成装置は、前記本発明に係る画像処理方法を実施するのに好適な画像形成装置であって、前記本発明に係る画像処理装置が備える機能部に加えて、像域適応信号処理部による処理結果に基づいて所定の記録媒体に画像を形成する画像出力部を備えるものとした。なお、原稿画像を光学的に走査して読み取ることで処理対象画像を取得する画像読取部をさらに備えた画像形成装置にするとよい。
また従属項に記載された発明は、本発明に係る画像処理装置や画像形成装置のさらなる有利な具体例を規定する。
本発明によれば、処理対象画像の種類に適応した像域分離処理を行ない、さらに、処理対象画像の種類に適応した像域分離処理の結果を参照して、像域に適応した画像処理を行なうようにした。これにより、処理対象画像に対して適切な画像分離手法や画像分離パラメータを選択して処理対象画像に適応した画像分離処理ができるようになる。また、その像域分離結果を受けて、像域に適応した画像処理を行なうので、画像種と像域の双方について適切な画像処理ができるようになる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
<画像形成装置の全体構成>
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるカラー複写装置を示す概略図である。このカラー複写装置1は、たとえば複写機能、ページプリンタ機能、およびファクシミリ送受信機能を備えたいわゆる複合機(マルチファンクション機)で、デジタルプリント装置として構成されている。
カラー複写装置1は、大まかに、原稿を読み取る画像読取部10、所定の画像処理を行なう画像処理部20、画像処理部20による処理済の画像データに基づいて可視画像を所定の記録媒体に形成して出力する画像出力部30、および給紙トレイ82から記録媒体としての印刷用紙を画像出力部30に搬送する給紙部80を備えている。画像処理部20は、画像読取部10と画像出力部30との境界部分に配された処理基板38上に設けられている。
またカラー複写装置1は、接続ケーブル90を介してネットワークに接続可能になっている。たとえば、図示しない画像入力端末から、接続ケーブル90を介して、ページ記述言語(PDL:Page Description Language )で記載された印刷データを受け取る。あるいは一般加入電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network )を介してFAX装置などの画像入力端末に接続される。なお、一般加入電話網PSTNに代えて、ISDN(Integrated Switched Digital Network )またはインターネットを含む他の通信媒体を利用してファクシミリをやり取りするようにしてもよい。画像読取部10と画像出力部30と図示しない通信処理部とでファックス送受信手段が構成される。
このような構成により、カラー複写装置1は、前述のように、画像読取部10にて読み取った画像の印刷機能すなわち複写機能に限らず、接続ケーブル90を介してパソコンなどの画像入力端末から取得した文書データや画像ファイルなどに基づいて画像を印刷するいわゆるプリント機能や、電話回線および接続ケーブル90を介して受信したFAXデータに基づいて印刷出力するFAX機能も備えるようになる。
画像読取装置10は、プラテンカバーの機能も備え、原稿を図示しない読取台(プラテンガラス)上の読取位置まで搬送し排紙する循環機能のないドキュメントフィーダ(ADF(自動原稿搬送)装置)12と、装置使用のためのガイダンス情報や所定の情報処理結果や管理情報などを表示する操作パネル部15aやオペレータからの装置に対する種々の指示入力を受け付けるための操作キー部15bを有するユーザインタフェース部15とを有している。なお、操作パネル部15aや操作キー部15bに代えて、あるいはこれらとともに使用される大型ユーザインタフェースあるいはメンテナンス画面を備えたユーザインタフェース装置16を設けてもよい。
画像読取部10は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表す赤、緑、青のアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換し、画像処理部20へ送る。
このようにして、読取りが完了すると、画像処理部20は、画像読取部10からの赤、緑、青の画像データR,G,Bに基づいて、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のオンオフ2値化トナー信号を得、各トナー信号を画像出力部30に出力する。
画像出力部30は、画像形成ユニット32と、両面複写ユニット34と、排紙ユニット36と、1枚もしくは複数枚(図は複数枚で例示)の処理基板38とを含む。画像形成ユニット32は、画像読取装置10にて得られた画像信号により表される画像を、電子写真式、感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいは同様な従来の画像形成処理を利用して、普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する(印刷する)すなわち複写する。
このため、画像形成ユニット32は、たとえばカラー複写装置1をデジタル印刷システムとして稼働させるためのラスタ出力スキャン(ROS)ベースのプリントエンジンを備える。たとえば、画像形成ユニット32は画像処理部20で生成される2値化記録信号を用いて画像記録処理を行なうマーキングエンジンを有している。マーキングエンジン部は、たとえばトナーを色材に使用し、露光による静電潜像形成とその後の現像、転写、定着を行なう電子写真方式を利用したものであってもよいし、インクを色材に使用するインクジェット方式を利用したものであってもよいし、あるいは刷版製作を行ない、その版を用いてインクを記録紙に転写する製版印刷方式(たとえばリソグラフィ方式)のもの、など様々なものが使用できる。
処理基板38には、画像出力部30用の処理部(特に画像処理部)だけでなく、画像処理部20やカラー複写装置1全体の種々の処理をするための回路が搭載される。たとえば、カラー複写装置1内に構築された資源であるドキュメントフィーダ12、操作パネル部15a、画像読取部10の図示しない画像読取ユニット(スキャナ部)、画像形成ユニット32、両面複写ユニット34、排紙ユニット36、あるいは給紙トレイ82など制御する回路が搭載される。この処理基板38には、半導体製の記憶媒体が搭載され、たとえば、複写アプリケーション、プリンタアプリケーション、ファクシミリ(FAX)アプリケーション、あるいは他のアプリケーション用の処理プログラムが格納される。
たとえば、画像読取装置10は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表すアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換し、画像処理部20へ送る。この画像読取装置10の読み取りに同期して、用紙が複数(A4,B4,A3)の給紙トレイ82の内の何れかから画像出力部30へ給紙されると、画像出力部30の画像形成ユニット32は、その用紙の一方の面に、画像処理部20から送られたK,Y,M,Cのトナー信号に基づいて可視画像を形成する。
両面複写ユニット34は、一方の面に画像が形成された用紙を裏返し、再び画像形成ユニット32にその用紙を給紙する。これにより、画像読取装置10が読み取った画像が用紙の他方の面に形成され、両面複写が完了される。画像形成ユニット32から排出される用紙あるいは両面複写済み用紙は、排紙ユニット36により、ページ順に連続的に、あるいは1ページごとにソートされる。
<画像処理部の機能ブロック図>
図2は、上記構成のカラー複写装置1における画像処理部20、特に像域分離に関わる部分に着目した機能ブロック図である。
図示するように、カラー複写装置1は、画像読取部10、画像処理部20、および画像出力部30の他に、ハードディスク装置や光ディスク装置などでなる画像記憶部900を備えている。
画像読取部10で読み取られた原稿画像を表わす画像データや、接続ケーブル90を介してパソコンなどの画像入力端末から取得した文書データや画像ファイルなどを表わす画像データは、一旦画像記憶部900に格納され、所定のタイミングで読み出されてから画像出力部30における出力処理(画像形成処理)に供される。もちろん、その前に、画像処理部20において所定の画像処理が加えられる。
画像処理部20は、処理対象画像の種類に適応した画像処理を行なうように構成されており、原稿種分類処理部100と、像域分離処理部200と、前段画像補正処理部300と、色空間変換部400と、後段画像補正処理部500と、出力データ処理部600とを備えている。
原稿種分類処理部100は、処理対処画像に対する分割指示を受け付ける領域指定部120と、原稿種を検知する原稿種類検知部140と、原稿種類検知部140の検知結果を保持する検知画像記憶部160とを有している。
原稿種類検知部140は、処理対象画像について、プレスキャン方式もしくはプレスキャンレス方式(リアルタイム方式ともいわれる)により原稿の種類を検知し、その検知結果(検知情報を含む画像)を、検知画像記憶部160に格納する。
また、詳細は後述するが、原稿種類検知部140は、たとえば、色空間ごとにヒストグラムを作成して原稿の色数や色の蛍光を抽出する、原稿を周波数変換し、文字や写真などのエッジ情報に基づいて画像データを分類する、あるいは特開平7−298074号公報に記載されているように、原稿の網点・文字・写真の各割合の特徴量を抽出するなどの方法を用いて種々の観点から(これらの何れか1つの方法を使用してもよい)処理対象画像を評価し、この評価結果を示す各観点の評価値に基づいて、原稿種を検知(特定)する。
ここで、プレスキャン方式とは、通常の画像形成動作(本読み;本スキャン)に先立って原稿の画像(被形成画像)を読み取る(プリスキャンする)ことにより処理対象原稿の画像濃度を測定し、この測定結果に基づいて原稿の種類を特定するものである(たとえば特開平4−037258号公報を参照)。
たとえば、原稿をプレスキャンして、このプレスキャン時に原稿全面における濃度ヒストグラムを作成し、このヒストグラムに基づいて原稿の地肌濃度を判別することで、文字原稿、写真原稿、あるいは文字と写真が混在した混在原稿の何れであるかを特定する。換言すれば、プレスキャン方式は、面処理方法ともいうことができ、対象範囲面をスキャンして、ヒストグラムを用いて2次元データ量を検知することで原稿種を特定する。
一方、プレスキャンレス方式とは、プレスキャンなしに原稿の画像(被形成画像)を読み取ることにより処理対象原稿の画像濃度を測定し、この測定結果に基づいて原稿の種類を特定するものである。
プレスキャン方式では、通常の画像形成動作に入る前にスキャン動作を行なうことから、原稿を少なくとも2度読み込まなければならず、出力指令を発してから(たとえばスタートボタンを押してから)1枚目の出力物(たとえばコピー)が排出されるまでの処理時間FCOT(First Copy Out Time )が増加し、生産性が低下する。
プレスキャンレス方式は、この処理時間の増加対策として提案された検知速度を優先するもので、種々の方式が提案されている(たとえば、特開平7−13399号公報、特開平8−65530号公報、特開2000−261676号公報、特開平7−322069号公報などを参照)。これら文献に記載の手法では、プレスキャンなしで、ラインごとの地肌濃度(下地量)を検出し、この検出結果に応じて、リアルタイムに(ライン単位で)階調補正を行なっていく、つまり原稿種に応じた階調補正処理を行なう仕組みが提案されている。
ただし、リアルタイム方式では、実際には、地肌濃度を信頼度よく検出することが難しく、たとえばグラデーション画像など、原稿の内容によっては、ラインごとに下地検知量が変動し、原稿種の特定精度が低下する可能性がある。よって、この検知結果に基づいて濃度調整処理や下地除去処理を行なうと、処理途中で不要に濃度レベルが変動したり下地除去レベルが変動したりして、出力画像の品質が劣化するという問題が生じ得る。
この問題を避けるには、たとえば、原稿先端側だけで下地検知を行ない、原稿先端側で取得した下地検知量に基づいて特定される原稿種に応じて、以降の(原稿中央部の)濃度調整や下地除去を行なう手法を採ってもよい。
あるいは、領域指定部120による領域分割指示に基づいて、画像を複数のブロックに分割し、この複数のブロックごとに原稿濃度を検知することで、領域ごとに原稿種を特定してもよい(たとえば特開平7−322069号公報を参照)。
なお、原稿種類検知部140は、領域指定部120によって、予め処理対象画像に関して領域分割が指定されている場合、すなわち分割した領域ごとの原稿種検知処理が指示されている場合は、分割された個別の領域ごとに原稿種を検知し、領域ごとに抽出した検知結果を、検知画像記憶部160に格納する。
1枚の原稿上に様々な種類の画像が存在しているときに、領域別に原稿種の判定を行なうことで、全体を纏めて原稿種の判定を行なう場合よりも適切な原稿種の判定ができるようになる。また、この結果を受けて、像域分離処理部200にても、領域別に画像分離を行なうことで、結果としては、全体を纏めて像域分離を行なう場合よりも適切な像域分離ができるようになる。
なお、画像記憶部900は、原稿種類検知部140による検知結果の検知画像記憶部160への格納と同時に、像域分離処理部200や前段画像補正処理部300、色空間変換部400、および後段画像補正処理部500で使用する画像を格納する。
像域分離処理部200は、処理対象画像の解像度を変換する解像度変換部220と、原稿種に応じたそれぞれ異なる種類の画像分離方法を用いて像域分離を行なう画像分離部241〜243を具備した画像分離部240と、画像分離部240が採用するべき画像分離方法や分離パラメータを決定する画像分離態様選択部260とを備えている。
また像域分離処理部200は、原稿種類検知部140で検知された処理対象画像種類(画像種;本例では原稿種)の情報と画像分離部240による画像分離結果(像域情報)を1つのデータに併合(マージ)して、画像記憶部900に記憶されている画像と画素単位で対応付けてかつ同期させて前段画像補正処理部300に向けて出力するマージ処理部280を備えている。
画像分離部240は、処理対象原稿について、文字部と写真部の判定、あるいは有彩色と無彩色の判定など、画像オブジェクトを特定する処理を行なう。また、図示を割愛するが、画像分離部240は、判定すべき原稿種ごとに、像域分離処理を行なう際の分離パラメータを記憶するパラメータ記憶部(たとえば不揮発性メモリ)を有している。
ここで、本実施形態においては、画像分離部240は、原稿種類検知部140による原稿種の判定結果(すなわち検知結果の原稿種パターン)に基づいて画像分離方法を決定し、この決定に従って画像分離部241〜243のうちの原稿種に応じた最適なものを選択するとともに、画像分離部241〜243のそれぞれに複数存在する(パラメータ記憶部に記憶されている)分離パラメータの中から原稿種に応じた最適な分離パラメータを選択する。
つまり、画像分離態様選択部260は、原稿種類検知部140による原稿種の判定結果を参照して、画像分離部240における像域分離処理の態様(分離処理方法と分離パラメータ)を特定する選択判定部の機能を持つ。こうすれば、3系統の画像分離部241〜243のうちの何れか1つのみを動作させればよいので、消費電力の低減に繋がる。
また、画像分離境界が検知される場合は、解像度変換部220により予め解像度変換を行なって境界をシフトしてから画像分離部240にて像域分離を行なう(詳細は後述する)。
ここで、本実施形態においては、画像分離部240は、3種類の画像分離方法に対応するべく画像分離部241〜243を有している。もちろん、3種類は一例に過ぎず、画像種別の分類に対応できるだけの種類を持てばよい。
本実施形態において、画像分離部241は、文字写真混在画像に適した像域分離を行なうもので、文字と写真が混在する場合のバランスを重視するバランス型のものである。また、画像分離部242は、文字画像に適した像域分離処理を行なう文字・背景文字重視型のものである。また、画像分離部243は、絵柄画像(特に地図原稿)に適した像域分離処理を行なう色背景文字重視型のものであり、画像分離に背景色情報を使用する点に特徴を有している。
また、画像分離部241〜243に対しては、さらに詳細な分離パラメータを設定できるようになっており、たとえば、図示しない記憶部に、各分離処理手法に対して複数の分離パラメータが登録されている。そして、原稿種類検知部140で検知される検知結果のレベルに基づいて、各分離処理手法に対して複数存在する分離パラメータの中から原稿種に応じた適正な分離パラメータが画像分離態様選択部260にて選択されるようになっている。最終的には、画像分離部240は、選択された最適な分離手法(つまり画像分離部241〜243の何れか1つ)および選択された最適な分離パラメータを用いて画像分離処理を行なう。
なお、本実施形態では、予め、原稿種類検知部140の検知結果に対応した好適な画像分離手法のものを選択して、それのみを原稿種類検知部140の検知結果に対応した好適な分離パラメータにて単独で動作させるようにしているが、このような形態は一例に過ぎず、原稿種類検知部140の検知結果を参照して原稿種に応じた適切な画像分離処理を行なうものである限り、種々の変形が可能である。
たとえば、それぞれ異なる3種類の画像分離手法で画像分離を実行する画像分離部241〜243での処理を、それぞれ原稿種類検知部140の検知結果に対応した好適な分離パラメータにて同一処理対象画像に対して同時に行ない、それぞれの像域分離結果に基づいて、最終的に採用する像域分離結果を特定するようにしてもよい。
たとえば、バランス型で文字と検知して、かつ文字重視型検知で文字と検知された像域については文字1とし、バランス型で文字と検知せずに文字重視で文字と検知した場合には文字2とするなどである。
なお、本実施形態においては、写真(印刷、印画紙、複写)原稿に関しては、画像全面に対し、階調再現、色再現、あるいは粒状性などについてイメージ(絵柄)処理を行なうので、写真原稿用の像域分離処理に適応した機能部を有していない。ただし、たとえば文字/写真の混在と同様のバランス型の画像分離部を設け、分離パラメータを写真よりに設定することで写真用の画像分離に対処することもできる。
マージ処理部280は、たとえば、画像分離部の画像分離結果である通常文字/写真1ビットの画像分離信号を、原稿種類検知部140で検知された処理対象画像種類(画像種;本例では原稿種)の情報を参照して3ビットの情報に拡張し、これにより画像分離結果を2つの状態から少なくとも8つの状態に分離する。そして、この3ビットの像域分離情報を、後段の各画像処理部300〜600に渡す。こうすることで、後段の各画像処理部300〜600にては、原稿種と画像種の双方に関しての適応処理をよりきめ細かく行なうことができ、画質を大幅に改善することができるようになる。
前段画像補正処理部300は、その前段側に設けられる図示しない画像読取部(図1参照)や通信インタフェースを介して接続されたパーソナルコンピュータなどの画像入力端末から供給される比較的高ビット数(たとえば8〜10ビット)の画像データDinを、たとえばR(赤),G(緑),B(青)などの色成分ごとに取得する。そして、この色成分ごとの画像データDin_R,Din_G,Din_Bに対して、所定の画像処理を施す。
一例として、本実施形態の前段画像補正処理部300は、フィルタ処理を用いた空間周波数補正を行なう空間周波数補正部310を備えている。もちろん、前段画像補正処理部300は、空間周波数補正に限らず、たとえば、下地除去処理、変倍処理、コントラスト調整(濃度調整)処理、色補正処理、などの所定の画像処理(前処理)を施すこともできる。
色空間変換部400は、入力色成分ごとの入力画像データDin_R,Din_G,Din_Bを、画像出力部30が処理対象とするたとえばトナー色に対応したC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)などの色材色成分ごとの色分解データ(以下多値画像データDMVと呼ぶ)に変換する。このような色空間変換処理に当たっては、たとえばRGBデータ→Labデータ→YMCKデータといった処理ステップが採られる。
後段画像補正処理部500は、色空間変換部400で色空間が変換された色材色対応の多値画像データDMV_C,DMV_M,DMV_Y,DMV_Kに対して、所定の画像処理を施す。一例として、本実施形態の後段画像補正処理部500は、TRC(Tone Reproduction Control)補正処理(階調補正処理とも呼ばれる)を行なう階調補正部510を備えている。もちろん、後段画像補正処理部500は、階調補正に限らず、たとえば、コントラスト調整(濃度調整)処理や色補正処理などの所定の画像処理(後処理)を施すこともできる。
前段画像補正処理部300や後段画像補正処理部500における各処理並びに色空間変換部400における色空間変換処理自体の詳細については、従来のものと同様であるため、ここではその説明を割愛する。
出力データ処理部600は、解像度変換部610とスクリーン生成部630とを有している。解像度変換部610は、たとえば400SPI(Spot Per Inch ;同義語DPI;Dot Per Inch)を600SPIに変換するなどの解像度変換処理を行なう。スクリーン生成部630は、色材色対応の多値画像データDMV_C,DMV_M,DMV_Y,DMV_Kの各々にスクリーン処理をかけた2値化データ(1ビットのデータ)を生成する。たとえば、濃度階調を有する多値画像情報である多値デジタルデータC,M,Y,Kを、網点と呼ばれる着色ドットの大きさによって擬似的に中間調画像の濃度を表わす2値化記録信号を生成し、画像出力部30に渡す。
なお、前段画像補正処理部300、色空間変換部400、後段画像補正処理部500、および出力データ処理部600は、像域分離処理部200にて特定される処理対象画像の種類に適応した像域分離処理の結果を参照して、像域に適応した画像処理を行なう像域適応信号処理部の一例である。
これらの各信号処理部は、原稿種類検知部140で特定される原稿種に適応した画像処理パラメータや、像域分離処理部200で特定される像域分離結果を参照して、原稿画像の種別(文字、文字/写真の混在、あるいは地図など)と画像オブジェクト(文字や写真や図形などのその他の絵柄成分など)に適応した各別の画像処理を行なう。なお、画像を適当な数のエリアに分割してエリアごとに像域分離処理を行なう場合には、エリアごとの像域分離処理結果を参照して、各エリアの画像種別(文字、文字/写真の混在、あるいは地図など)に適応した各別の画像処理を行なう。
たとえば、像域分離処理部200は、画像分離結果信号として、現在処理を行なっている画像データが原稿内のどの領域(文字部と写真部など)に属するかや有彩色であるのかや無彩色であるのかなどを区別するための領域信号を発生する。これらの領域は、指定領域ごとに、文字、銀塩写真(印画紙)、印刷原稿、インクジェット、蛍光ペン、地図、熱転写原稿など、それぞれの原稿種と画像オブジェクトに最適な色補正係数、空間フィルタ、あるいは階調変換テーブルなどの画像処理パラメータをそれぞれ画像領域に応じて設定することができる。
前段画像補正処理部300などの像域適応信号処理部は、この像域分離処理部200で発生された領域信号と、原稿種類検知部140で検知される原稿種に基づいて、画像処理で用いるパラメータを最適なものに切り替える。つまり、処理対象画像の種類(たとえば原稿種)の検知結果と画像分離結果の両方を用いて、処理対象画像に対して適応処理を行なう。たとえば、原稿種に応じた下地除去量にて下地除去処理を行ないつつ、文字や絵柄のそれぞれに適した強調処理を行なう。
なお、本実施形態においては、写真(印刷、印画紙、複写)に関しては、画像全面に対し、階調再現、色再現、あるいは粒状性などについてイメージ(絵柄)処理を行なうので、像域分離パラメータを用いた画像処理を行なうことはない。ただし、たとえば文字/写真の混在と同様の像域分離処理結果を参照して、より写真に適応した像域分離パラメータを用いて各別の画像処理を行なうようにすることもできる。
<原稿種類検知部について>
図3は、原稿種類検知部140の内部構成の詳細を説明する機能ブロック図である。原稿種類検知部140は、種々の観点から処理対象画像を評価し、この評価結果を示す各観点のスコア値に基づいて原稿種を特定するべく、各観点に対応した画像評価部を備えている。つまり、処理対象画像の種類の特定に適した複数の観点から画像の特徴量を抽出し、この抽出した複数の観点からの各特徴量と予め記憶されている画像種ごとの特徴量とを比較することにより処理対象画像の種類を判定する機能部を備えている。
たとえば、原稿種類検知部140は、処理対象画像の種類の特定に適した複数の観点から画像の特徴量を抽出する機能部の一例として、浮動(最適)2値化を含む2値化処理結果の観点から原稿画像を評価する2値化評価部141と、収縮膨張処理と処理前の画像の論理演算結果の観点から原稿画像を評価する収縮膨張評価部142と、特定濃度および周辺画素の同レベルの画素値を持つ領域を抽出することで高濃度領域に着目して原稿画像を評価する濃度評価部143とを有する。
たとえば、2値化評価部141は、浮動2値化を含む2値化処理結果におけるオン画素の数をカウントして出力する。なお、浮動2値化とは、中間調レベルのある多値レベル画像を2値データに変換する際に、多値レベル画像を、単純な固定閾値との比較により2値化するのではなく、周囲の状況を反映して、たとえば薄い文字を“掠れ”を発生させずに取り込んだり、あるいは全体が濃い雰囲気の中の薄い部分を確実に“白”に取り込んだりするように、閾値をダイナミックに最適化させて2値化する方式を意味する。
また、収縮膨張評価部142は、収縮膨張処理と処理前の画像の論理演算をすることで、文字など細い領域として抽出し、その画素数をカウントして出力する。
また、濃度評価部143は、特定濃度および周辺画素の同レベルの画素値を持つ領域を抽出し、その画素数をカウントして出力する。
また、原稿種類検知部140は、処理対象画像の種類の特定に適した複数の観点から画像の特徴量を抽出する機能部の他の一例として、中間調生成手段であるスクリーン種における網点の観点から原稿画像を評価する網点評価部144と、色の観点から原稿画像を評価する色黒(彩度)評価部145とを備えている。
また、原稿種類検知部140は、処理対象画像の種類の特定に適した複数の観点から画像の特徴量を抽出する機能部の他の一例として、線分検知の観点から原稿画像を評価する線分評価部146と、エッジの観点から原稿画像を評価するエッジ評価部147と、中間調生成手段であるスクリーン種における誤差拡散およびディザの観点から原稿画像を評価する誤差拡散・ディザスクリーンパターン評価部148とを備えている。
網点評価部144は、網点が存在するか否かの観点から原稿種を評価するもので、網点らしさによりスコア付けを行ない、そのスコア値を出力する。たとえば、注目画素からの距離が遠いほど、すなわち低線数の網点であるほど、スコア値を高く設定する。
色黒評価部145は、処理対象画素が、色成分を持つのか無彩色であるのかを判定する色黒判定機能を持つ。色黒評価部145は、設定した所定の閾値以上の色成分値を持つ画素の数をカウントして出力する。
線分評価部146は、線分をなす画素の数をカウントして出力する。エッジ評価部147は、画像を微分し、隣接画素値との差分を抽出するなどしてエッジ画素を特定し、エッジ画素の数をカウントして出力する。
なお、線分評価部146とエッジ評価部147の各カウント結果を参照すれば、文字/写真の分離境界(画像種の分離境界)をなす1mm幅など特定幅の線分をなす画素の数が得られる。つまり、線分評価部146とエッジ評価部147とで、特定幅の線分が、文字部分のものであるのか絵柄部分(写真などの中間調部分)のものであるのかを評価する、すなわち特定幅の線分が存在するか否かの観点から画像種の境界を判定する(特定幅境界検知を行なう)境界検知部149が構成される。たとえば、モルフォロジ演算における円形フィルタなどを用いて文字/写真の分離境界の幅を設定することで、特定幅(たとえば1mm)の境界を検知する。
また、網点評価部144と境界検知部149とにより、網点や特定幅の細線に関しての画像分離境界検知を行なう画像分離境界検知部が構成される。
誤差拡散・ディザスクリーンパターン評価部148は、網点評価部144と同様に中間調生成手段であるスクリーン種の観点から原稿画像を評価するものであるが、自分コピーまたはプリント出力をスキャンする原稿として想定した、いわゆるジェネレーションコピー(子、孫コピー)の観点から原稿画像を評価する点に特徴を有している。この場合、中間調生成手段であるスクリーンは、誤差拡散やディザなど予め分かっているので、その点を考慮した評価を行なう。
また、原稿種類検知部140は、各評価部141〜147で抽出される各評価結果(画素数やスコア値)に対応する判定すべき画像種ごとの評価値を記憶する標準データ記憶部150と、各評価部141〜147で抽出される各評価結果(画素数やスコア値)と総合評価部150に予め記憶されている画像種ごとの評価値(つまり特徴量)とを比較することにより処理対象画像の種類を判定する機能部の一例として総合評価部152を備えている。
総合評価部152は、各評価部141〜147の評価結果(画素数やスコア値)を、所定の基準に基づいてレベル分けし、そのレベル分け結果の総合評価に基づいて原稿種を特定する。たとえば、総合評価部152は、評価対象画像についての各評価部141〜147の評価結果(画素数やスコア値)を、レベル0からレベル10までにレベル分けし、その評価結果の各レベルと、文字、写真、混在、地図の標準的な各レベルとを比較して、最も近似したレベル分けに属するものに評価対象画像を割り当てることで、原稿種を特定する。
<領域指定部と原稿種類検知部との関わりについて>
図4は、領域指定部120と原稿種類検知部140との関わりを説明する原稿画像の分割概念を示す図である。ここでは、処理対象画像を、主走査方向および副走査方向のそれぞれについて4分割して、同一面内で、分割された複数領域(本例では計16個)の原稿種類を検知する場合について示している。
ここで、領域分割を行なうのは、原稿種類の検知精度を上げることで、より画像種に応じた適切な画像処理を行なうためである。たとえば、文字、写真、地図画像が同一画像上に混在するとき、たとえばカタログなどで左半分は写真で右半分は説明文となっているように、これらが分布する領域には偏りがある場合がある。このような場合においては、領域分割を行なうことで、原稿の全面を一括して原稿種を特定して画像処理するよりも、領域別に原稿種を特定して画像処理することで、領域別に原稿種に応じた適応処理ができるようになる。
領域指定部120は、予めカラー複写装置1にプリセットされている領域指定情報あるいはユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16(図1参照)を介して入力された領域指定情報に基づき、処理対象画像を、主走査方向および副走査方向のそれぞれについて所定数に分割する。なお、検知位置や分割数については、任意の値を設定可能とするのがよい。
原稿種類検知部140の各評価部141〜147は、領域指定部120による領域指定値数分の画素値やスコア値を保持するためのカウンタを持つ。図示した例では、主走査方向および副走査方向のそれぞれについて4分割して計16個に領域分割しているので、16個のカウンタを持つ。
そして、主走査方向の指定値(fs1,fs2,fs3)ごとにカウンタを切り替え、副走査方向の指定値ss1−1ラインで領域A11〜領域A14の最終ラインとし、fs1,fs2,fs3でカウントアップを終了する。
総合評価部152は、各評価結果に基づいて原稿種の判定を行ない、そこで得られる総合評価結果を、領域別に検知画像記憶部160に格納する。
なお、総合評価部152は、分割した領域ごとの原稿種の判定結果を、隣接領域の原稿種の判定を参照して補正するようにしてもよい。
たとえば、領域A12,A21,A22の判定結果が、文字、写真、文字/写真、地図の何れかの内で全て同じである一方、領域A11の判定結果が、隣接するこれら領域A12,A21,A22の判定結果と異なる場合には、その隣接するこれら領域A12,A21,A22の判定結果を、その領域A11の最終的な判定結果として使用する。この補正手法は、隣接領域に対して、特異的に異なる領域が存在することは希であるとの前提に基づくものである。
<解像度変換部について>
図5は、解像度変換部220の内部構成の詳細を説明する機能ブロック図である。解像度変換部220は、網点評価部144や、線分評価部146とエッジ評価部147とで構成される境界検知部149の評価結果(すなわち観点4,6,7の各評価結果)を検知画像記憶部160から読み出し、各評価結果に基づいて、網点種や文字/写真の分離境界の有無や程度と関係における解像度変換の要否を判定する分離境界判定部222と、分離境界判定部222の判定結果(オン/オフ信号)に基づいて処理対象画像の解像度を変換する変換実行部224とを有している。
先にも述べたように、原稿種類検知部140には、網点を検知できる網点評価部144や特定幅(たとえば1mm幅)の線分を検知できる境界検知部149を備えているので、画像分離境界検知を行なうことができる。
分離境界判定部222は、たとえば、網点評価部144における網点の観点や境界検知部149における2つ(特定幅の線分およびエッジ)の観点の各評価結果と画像出力部30などにおけるハードウェア仕様とを参照して、処理対象画像に対する解像度変換の要否を判定する。
変換実行部224は、分離境界判定部222によって画像種の境界が存在すると判定されたことを条件に処理対象画像の解像度を変換する、すなわち、画像分離境界が検知される場合には像域分離を行なう画像に対して解像度変換を行なうことで、分離境界を原稿上に存在しない領域にシフトさせる。
つまり、画像分離が境界付近で不安定となる要因が生じたか否かを分離境界判定部222にて判定し、画像分離境界が検知されている場合など不安定要因が生じた場合は、その問題を防ぐため、変換実行部224にて、処理対象画像を検知画像記憶部160から読み出し、解像度変換を行なうことで境界をシフトする一方、不安定要因が生じていない場合には、変換実行部224による解像度変換を行なわない。
たとえば、文字/写真分離境界検知に関しては、処理対象画像を複数の領域に分割して原稿種の検知とそれに基づく画像分離を行なう場合に、境界検知部149における検知結果(領域別の観点6,7の検査結果)が領域分割した領域の半分以上に入力画像に分離境界が多いと判定される場合は、入力画像を低解像度に変換することで、見かけ上の検知ウインドウサイズを大きくし、これにより、境界域を原稿画像に含まれていない領域にシフトする。
より具体的に説明すると、600dpi画像に対して、像域分離(たとえば文字と写真の分離)を行なう場合、文字(TEXT)と写真(IMAGE)の分離境界を1mm近辺に設定した際に、入力画像に1mm近辺の画像が多いときには、分離結果が不安定となり、画像処理で処理がバタつき、プリント出力時に画質が劣化してしまう。
そこで、線分評価部146での線分検知により、入力画像に1mm近辺の画像が多いと判定される場合には、解像度変換部220にて予め入力画像を低解像度に変換することで見かけ上の検知ウインドウサイズを大きくする。これにより、画像分離境界域を原稿画像に含まれていない領域にシフトした上で画像分離部240にて画像分離処理を行ない、その結果を、後段の各画像処理部300〜600に出力して適応画像処理を行なう。この結果、画像分離結果がバタ付くことによるコピー出力の画質が大幅に劣化することを低減することができるようになる。
また、網点分離境界検知についても同様で、処理対象画像の解像度を変換することで、入力原稿の網点線数と画像分離部240が処理する実質的な網点の線数とを異なるものとする。
たとえば、ハードウェアの制約で、網点分離境界を50線と設定したときに、入力原稿として50線網点原稿が使用されると、画像分離部240における画像分離が境界付近で不安定となり、後段の各画像処理部300〜600における画像処理がバタつくためプリント出力時に画質が劣化する。
そこで、網点についても文字/写真分離境界検知と同様に、たとえば分離境界を50線45度網点と設定している場合、原稿に境界網点多数存在すると判定される場合、解像度変換部220にて予め入力画像の解像度を変換することで、網点分離境界を原稿上に存在しない線数にシフトする。
具体的には縮小処理(実質的な網点の線数をより低い線数に設定することと等価)を行ない、網点が分離境界から外れるようにすることで、対処する。もちろん、これに限らず、入力原稿の網点線数と画像分離部240が処理する実質的な網点の線数とを異なるものとすればよく、拡大処理を行なうことで対処してもよい。ただし、この場合には、処理対象画素数が増える欠点がある。
これにより、網点分離境界を原稿画像に含まれていない領域にシフトした上で画像分離部240にて画像分離処理を行ない、その結果を、後段の各画像処理部300〜600に出力して適応画像処理を行なう。この結果、画像分離結果がバタ付くことによるコピー出力の画質が大幅に劣化することを低減することができるようになる。
<処理手順の概要>
図6は、上記構成の画像処理部20における像域分離に関わる処理手順の概要を説明するフローチャートである。
原稿種類検知部140は、先ず、領域指定部120にて処理対処画像に対して領域分割が指定されているか否かを判断する(S10)。領域分割が指定されている場合には、原稿種類検知部140の各評価部141〜148は、分割された個別の領域ごとに原稿種を検知し、領域ごとに抽出した検知結果を、検知画像記憶部160に画像と対応付けて格納する(S10−YES,S12,S16)。領域分割が指定されていない場合には、原稿種類検知部140の各評価部141〜148は、処理対処画像の全面について原稿種を検知し、抽出した検知結果を、検知画像記憶部160に画像と対応付けて格納する(S10−NO,S14,S16)。
解像度変換部220の分離境界判定部222は、網点評価部144や境界検知部149の評価結果に基づいて画像分離境界が検知されるか否かを判断する(S20)。画像分離境界が検知されている(分離境界判定部222からオン信号が出力されている)場合には、解像度変換部220の変換実行部224は、事実上(見かけ上)、境界域が原稿画像に含まれていない状態となるように、処理対象画像の解像度を変換してから画像分離部240に渡す(S20−YES,S22,S26)。一方、画像分離境界が検知されていない(分離境界判定部222からオフ信号が出力されている)場合には、解像度変換部220の変換実行部224は、処理対象画像に対する解像度変換処理を行なうことなく画像分離部240に渡す(S20−NO,S24,S26)。
画像分離態様選択部260は、原稿種類検知部140における画像種の評価結果を参照して、画像分離処理にて使用する分離方法と分離パラメータとを決定する(S30)。画像分離部240の各画像分離部241〜243は、この決定された分離方法と分離パラメータとに従って処理対象画像について像域を分離する、すなわち文字や写真などの画像オブジェクトを特定するなどのための画像分離処理を行なう(S32)。
マージ処理部280は、原稿種類検知部140で検知された原稿種の情報と画像分離部240による画像分離結果をマージし、画像記憶部900に記憶されている画像と画素単位で対応付けてかつ同期させて前段画像補正処理部300に向けて出力する(S34)。ステップS22で解像度変換処理を行なった場合は、分離結果を元の解像度に戻した後、同期出力を行なう。
前段画像補正処理部300、色空間変換部400、後段画像補正処理部500、および出力データ処理部600は、原稿種類検知部140で特定される原稿種や像域分離処理部200で特定される像域分離結果を参照して、原稿画像の種別と画像オブジェクトに適応した像域分離パラメータを用いて各別の画像処理を行なう(S36)。
<総合評価と画像分離の態様との関係>
図7〜図9は、総合評価部152における総合評価方法と画像分離の態様との関係の具体例を説明する図である。ここで図7は、文字、写真、混在、地図の各標準原稿の各評価観点の評価値例を示す図表である。図8は、図7の評価値例を折れ線図で示したもので、横軸は図7に示した評価の観点番号であり、縦軸はそのレベル値である。
また図9は、画像分離部240に用意されている3種類の画像分離方法と、それぞれについての分離パラメータの種類とを纏めた図表である。図では、それぞれタイプ1〜N1,タイプ1〜N2,タイプ1〜N3が分離パラメータとして用意されている。N1〜N3は、原稿種の区別に対応するように設定する。以下、これらを纏めて、単に1〜Nとも記す。
たとえば、2値化評価部141による浮動2値化を含む2値化処理結果(観点1の検査結果)は、文字原稿や絵柄(写真(文字との混在を含む)や地図)原稿の特定に適する評価値である。文字原稿の場合には、単純な2値化処理で問題ないが、絵柄原稿の場合には中間調レベルのある原稿であるから浮動2値化を含む2値化処理にするのが好ましい。また、該当画素数は通常、文字原稿よりも絵柄原稿の方が多く、評価値の度合いは文字原稿よりも絵柄原稿の方が大きくなる傾向にある。
収縮膨張評価部142による収縮膨張処理などに関する評価結果(観点2の検査結果)は、絵柄原稿の特定に適する評価値である。文字原稿の場合には、評価値の度合いとしては、絵柄原稿の場合は極めて大きく、文字原稿の場合には極めて小さく(殆どゼロに近くに)なる傾向にある。
濃度評価部143による特定濃度に関する評価結果(観点3の検査結果)は、2値化処理の評価結果と同様に、文字原稿や絵柄原稿の特定に適する評価値である。ただし、評価値の度合いとしては、濃度に着目したものであるので、その観点で評価値の現われ方に相違がでる。
たとえば、パーソナルコンピュータ(パソコンと称す)などのアプリケーションソフトの出力結果であることが多い一般的な文字原稿の場合には評価値が極めて大きくなる傾向にあるが、鉛筆文字原稿やトレーシングペーパーへの印刷原稿などの第2原図のように載りの悪い文字原稿の場合には比較的薄く記載されるので中程度になる傾向にある。また比較的鮮明に現わされる写真原稿の場合には極めて大きく、中濃度で表わされる傾向にある地図原稿の場合には評価値も中程度になる。なお、図示しないが、トレーシングペーパーへの複写原稿のように第2原図が複写原稿の場合には、極めて濃く出力される場合もあり、この場合には評価値も極めて大きくなる。
網点評価部144による網点に関する評価結果(観点4の検査結果)は、収縮膨張処理などに関する評価結果と同様に、絵柄原稿の特定に適する評価値である。ただし、評価値の度合いとしては、網点に着目したものであるので、その観点で評価値の現われ方に相違がでる。たとえば、文字原稿では通常網点処理がなされないので極めて小さく(殆どゼロに近くに)なり、また、印画紙原稿(いわゆる銀塩を使用した写真原稿が典型例)の場合も通常網点処理がなされないので極めて小さく(殆どゼロに近くに)なるが、写真の印刷や複写(コピー)の場合には通常網点処理がなされるので極めて大きくなる傾向にある。地図原稿は、文字と写真の印刷や複写の混在原稿と同レベルと考えてよく、中程度になる傾向にある。
色黒評価部145による彩度に関する評価結果(観点5の検査結果)は、色付き原稿の特定に適する評価値である。よって、モノクロ原稿の場合には、彩度成分は殆ど検知されないので極めて小さく(殆どゼロに近くに)なり、カラー原稿の場合には彩度成分が存在するので大きくなる傾向にある。また、カラー原稿の場合においても、該当画素数は通常、カラー文字原稿よりもカラー絵柄原稿の方が多く、カラー文字原稿よりもカラー絵柄原稿の方が値が大きくなる傾向にある。
線分評価部146による線分に関する評価結果(観点6の検査結果)は、線分が存在する原稿の特定に適する評価値である。よって、写真原稿の場合には、線分は殆ど検知されないので極めて小さく(殆どゼロに近くに)なり、文字原稿や地図原稿の場合には線分が存在するので大きくなる傾向にある。また、文字原稿内や地図原稿との対比では、トレーシングペーパーの使用は線分が極めて多い製図図面に多く、また地図原稿も比較的線分が多く中程度になる傾向にある。また、線分を引く場合でも、パソコンなどの出力結果である文字原稿の場合には直線が精度よく現われるので評価値は中程度になるが、鉛筆書きでは直線精度が悪くなる傾向にあり評価値が極めて小さく(殆どゼロに近くに)なる。
エッジ評価部147によるエッジに関する評価結果(観点7の検査結果)は、エッジ画素が存在する原稿の特定に適する評価値である。2値で表わされる文字原稿では、エッジ画素が比較的多く評価値が極めて大きくなるが、絵柄原稿は中間調画像であり、エッジ画素はさほど多くなく評価値は中程度になる傾向にある。ただし、文字原稿であっても、鉛筆書きでは鮮明さはなく評価値が極めて小さく(殆どゼロに近くに)なる傾向にある。
誤差拡散・ディザスクリーンパターン評価部148による誤差拡散やディザに関する評価結果(観点8の検査結果)は、誤差拡散やディザで中間調表現されたスキャン原稿(すなわち処理対象原稿)の特定に適する評価値である。通常、写真が、誤差拡散やディザで中間調表現される原稿の対象となるので、写真原稿や文字/写真の混在原稿の複写では評価値が極めて大きくなるが、他は極めて小さく(殆どゼロに近くに)なる傾向にある。
総合評価部152は、たとえば、文字、写真、混在、地図のそれぞれ標準的な原稿を評価した際の各評価部141〜147の評価結果(画素数やスコア値)を、低、中、高の3つにレベル分けする。そして、実際の評価対象原稿の各評価結果のレベルと、文字、写真、混在、地図の標準的な各レベルとを比較して、最も近似した評価対象画像を特定することで評価対象原稿の原稿種を特定する。
すなわち、図7および図8から分かるように、検知結果(画素数またはスコア値)をレベル分けすることで、文字、写真、混在、地図の各標準原稿の各観点1〜7の評価結果のパターンは、原稿種によって異なり、原稿によって傾向が現れる。したがって、実際の評価対象原稿の各評価結果の各レベルが、何れの原稿種の評価結果のパターンに近いかを判断することで、その評価対象原稿の原稿種を一義的に特定することができる。
画像分離部240は、この一義的に特定される評価対象原稿の原稿種に応じて、図9に示す3種類の画像分離方法と各分離パラメータの中から、画像分離部240が使用するべき画像分離方法(処理タイプ;画像分離部241〜243)と、それに設定すべき分離パラメータ(1〜N)を特定することができる。
たとえば、図7および図8に示した原稿タイプの例では、文字/写真の混在原稿(印刷/印画紙/複写の何れか)であることが原稿種類検知部140にて検知されると、像域分離処理部200は、画像分離部241〜243の中からバランス型の画像分離部241を選択する。また、本例の場合、文字/写真の混在原稿を細分化する基準として印刷/印画紙/複写が存在するので、分離パラメータ1〜N1(本例ではN1=3でよい)の中から印刷/印画紙/複写のそれぞれに適応したものを選択する。
また、文字原稿(普通/鉛筆/第2原図の何れか)であることが原稿種類検知部140にて検知されると、像域分離処理部200は、画像分離部241〜243の中から文字・背景文字重視型の画像分離部242を選択する。また、本例の場合、文字原稿を細分化する基準として普通/鉛筆/第2原図が存在するので、分離パラメータ1〜N2(本例ではN2=3でよい)の中から普通/鉛筆/第2原図のそれぞれに適応したものを選択する。
また、地図原稿であることが原稿種類検知部140にて検知されると、像域分離処理部200は、画像分離部241〜243の中から色背景文字重視型の画像分離部243を選択する。なお、本例の場合、地図原稿を細分化する基準がなく、様々な種類の地図原稿に対して一律な判定を行なうので、分離パラメータ1〜N3に関しては、1つのみを用意しておけばよい。
ただし、たとえば、プロセスインクと網点によって形成された多色刷りの地図や特色(プロセスインク以外の色)によって網点を使用せずに形成された地図、あるいは印刷所や地域によって特色の濃度を変更した地図など、様々な種類の地図原稿を区別するようにして、それに応じて分離パラメータ1〜N3に関しても適切なものを選択する仕組みにすることができる。
また、該当する画像種の標準的な評価値のパターンと評価対象画像の評価値のパターンとの類似の度合いに基づいて、図2では図示を割愛したパラメータ記憶部に記憶されている該当する画像種の分離パラメータを修正(微調整)して使用してもよい。こうすることで、パラメータ記憶部に記憶する分離パラメータの種類を少なくしつつ、実際の評価対象画像により適合した分離パラメータを用いて像域分離処理ができるようになる。
マージ処理部280は、原稿種類検知部140で検知された原稿種の情報と画像分離部240による画像分離結果を、画像記憶部900に記憶されている画像と画素単位で対応付けてかつ同期させて前段画像補正処理部300に向けて出力する。
なお、先にも述べたが、本実施形態においては、写真(印刷、印画紙、複写)に関しては、それ用の像域分離処理に対応した機能部を有していないので、原稿種類検知部140で検知された原稿種が写真である場合には、マージ処理部280は、原稿種類検知部140で検知された原稿種の情報のみを画素単位で対応付けて(マージして)、画像記憶部900に記憶されている画像と同期させて前段画像補正処理部300に向けて出力する。
ただし、たとえば文字/写真の混在と同様のバランス型の画像分離部を設け、分離パラメータを写真より設定にすることで画像分離に対処することもできる。この場合、写真原稿(印刷/印画紙/複写の何れか)であることが原稿種類検知部140にて検知されると、像域分離処理部200は、画像分離部241〜243の中からバランス型の画像分離部241を選択し、かつ分離パラメータ1〜N1の中から、印刷/印画紙/複写のそれぞれに適応したより写真よりのものを選択する。
以上説明したように、本実施形態によれば、原稿種類検知部140で検知される原稿種の評価結果のレベルに基づいて、画像分離部240において適用する画像分離方法および分離パラメータを、処理対処原稿の原稿種に最適化させることができる。
これにより、文字原稿、写真原稿、文字と写真の混在原稿、地図原稿など、種々の原稿画像に対して、それぞれに適した像域分離処理と分離パラメータを適用して画像分離を行ない、その結果を反映した像域適応の画像処理ができるようになる。
上記実施形態の例で言えば、
1)文字/写真の混在画像や写真に適した像域分離処理として、バランスを重視した画像分離部241を用いることができる。
2)文字画像に適した像域分離処理として、文字や背景文字を重視した画像分離部242を用いることができる。
3)地図画像に適した像域分離処理として、色や背景文字を重視した画像分離部243を使用することができる。
加えて、たとえば文字に関しては、さらに普通/鉛筆/第2原図に適応した最適な分離パラメータを設定できるし、文字/写真の混在画像や写真画像に関しては、さらに印刷/印画紙/複写に適応した最適な分離パラメータを設定できる。
この結果、検知した原稿種に応じた最適な画像分離と、この画像分離結果を反映した最適な画像処理を行なわない構成で生じ得るような問題を解消することができる。たとえば、画像読取部10にセットされた原稿に対して、最適な画像分離手法と分離パラメータを選択して画像分離を行なうことができ、さらに原稿種類の検知結果と画像分離結果の両方を用いて、入力原稿に対して適応処理を行なうことができ、最適なコピー出力を生成することができる。
さらに詳述すれば、文字重視型の分離処理に際して、エッジ検知(画像微分:隣接画素値の差分)の結果を採用する場合、背景文字を抽出しやすい反面、文字/写真の混在画像にこれを適用すると、イメージ中の輪郭を文字エッジとして抽出してしまうという欠点が生じる。
これに対して、本実施形態では、文字画像に適した像域分離処理を、バランスを重視すべき文字/写真の混在画像に適用することはなく、たとえば写真部に画質劣化を発生させてしまうようなことは起きない。
また、浮動2値化処理で、文字の印刷部を抽出し、画像細らせ処理や太らせ処理を行なう輪郭抽出処理(たとえば特開平2−294885号公報を参照)がある。この方法では、背景文字周辺画素の平均値を取ると白背景に対して濃度がアップしているため、背景文字は白背景中の文字に比べて、地色と文字部のコントラストが低く、イメージ(絵柄)に判定してしまう。よって、背景文字に対して、イメージ用の画像処理を行なうこととなり、シャープ感が低下してしまう。
これに対して、本実施形態では、文字や背景文字を重視すべき文字画像に文字写真混在(バランス型)分離処理を適用することはなく、たとえば、シャープ感が低下した見にくい背景文字を再現してしまうようなことは起きない。
また、原稿が地図である(文字とも異なる)と判明した場合には、画像分離部243により背景の色情報をも参照して画像分離を行なうので、たとえば画像分離部242により文字や背景文字を重視した画像分離を行なうことはなく、カラー地図に適応した像域分離ができるようになる。
また、画像分離処理に必ず存在する分離境界について、特許文献2に記載の仕組みでは、切り替える画像処理間の出力特性ギャップを低減する手段を備えていないため、重大な画質劣化が発生し易い。特に、出力スクリーン[文字600線/写真200線]を切り替える場合である。これに対して、本実施形態の構成では、画像分離境界が検知されるときには解像度を変換してから画像分離処理を行なうようにすることで、発生し得る画質劣化を低減することができる。
本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるカラー複写装置を示す概略図である。 画像処理部の像域分離に関わる部分に着目した機能ブロック図である。 原稿種類検知部の内部構成の詳細を説明する機能ブロック図である。 領域指定部と原稿種類検知部との関わりを説明する図である。 解像度変換部の内部構成の詳細を説明する機能ブロック図である。 像域分離に関わる処理手順の概要を説明するフローチャートである。 文字、写真、混在、地図の各標準原稿の各評価観点の評価値例を示す図表である。 図7の評価値例に基づく折れ線図である。 画像分離部に設定されている3種類の画像分離方法と、それぞれについての分離パラメータの種類とを纏めた図表である。
符号の説明
1…カラー複写装置、10…画像読取部、20…画像処理部、30…画像出力部、100…原稿種分類処理部、120…領域指定部、140…原稿種類検知部、141…2値化評価部、142…収縮膨張評価部、143…濃度評価部、144…網点評価部、145…色黒評価部、146…線分評価部、147…エッジ評価部、148…誤差拡散・ディザスクリーンパターン評価部、149…境界検知部、150…標準データ記憶部、152…総合評価部、160…検知画像記憶部、200…像域分離処理部、220…解像度変換部、222…分離境界判定部、224…変換実行部、240〜243…画像分離部、260…画像分離態様選択部、262…手法・パラメータ設定部、264…選択部、280…マージ処理部、300…前段画像補正処理部、310…空間周波数補正部、400…色空間変換部、500…後段画像補正処理部、510…階調補正部、600…出力データ処理部、610…解像度変換部、630…スクリーン生成部、900…画像記憶部

Claims (9)

  1. 処理対象画像の種類に適応した画像処理を行なう画像処理方法であって、
    前記処理対象画像の種類に適応した像域分離処理を行ない、
    前記処理対象画像の種類に適応した像域分離処理の結果を参照して、像域に適応した画像処理を行なう
    ことを特徴とする画像処理方法。
  2. 処理対象画像の種類に適応した画像処理を行なう画像処理装置であって、
    前記処理対象画像の種類を特定する原稿種分類処理部と、
    前記原稿種分類処理部が特定した前記処理対象画像の種類に適応した像域分離処理を行なう像域分離処理部と、
    前記像域分離処理部により得られる、前記処理対象画像の種類に適応した像域分離処理の結果を参照して、像域に適応した画像処理を行なう像域適応信号処理部と
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記像域適応信号処理部は、前記原稿種分類処理部が特定した前記処理対象画像の種類にも適応した画像処理を行なう
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記原稿種分類処理部は、前記処理対象画像の種類の特定に適した複数の観点から前記処理対象画像の特徴量を抽出し、この抽出した複数の観点からの各特徴量と予め記憶されている画像種ごとの特徴量とを比較することにより前記処理対象画像の種類を判定する
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の画像処理装置。
  5. 前記処理対象画像の分割領域を指示する領域指定部をさらに備え、
    前記原稿種分類処理部は、前記領域指定部により指示された分割領域ごとに前記処理対象画像の種類を特定し、
    前記像域分離処理部は、前記原稿種分類処理部が特定した分割領域ごとの前記処理対象画像の種類を参照して、分割領域ごとの前記処理対象画像の種類に適応した像域分離処理を行なう
    ことを特徴とする請求項2〜4のうちの何れか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記処理対象画像の解像度を変換する解像度変換部をさらに備え、
    前記像域適応信号処理部は、前記解像度変換部により前記解像度変換が施された処理対象画像を対象として、前記処理対象画像の種類に適応した像域分離処理を行なう
    ことを特徴とする請求項2〜5のうちの何れか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記原稿種分類処理部は、網点が存在するか否かの観点、または特定幅の線分が存在するか否かの観点から、画像種の境界を判定し、
    前記解像度変換部は、前記画像種の境界が存在すると判定されたことを条件に、前記処理対象画像の解像度を変換する
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 処理対象画像の種類に適応した画像処理を行ない、その処理結果に基づいて所定の記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
    前記処理対象画像の種類を特定する原稿種分類処理部と、
    前記原稿種分類処理部が特定した前記処理対象画像の種類に適応した像域分離処理を行なう像域分離処理部と、
    前記像域分離処理部により得られる、前記処理対象画像の種類に適応した像域分離処理の結果を参照して、像域に適応した画像処理を行なう像域適応信号処理部と、
    前記像域適応信号処理部による処理結果に基づいて所定の記録媒体に画像を形成する画像出力部と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 原稿画像を光学的に走査して読み取ることで前記処理対象画像を取得する画像読取部をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
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JP2008141680A (ja) * 2006-12-05 2008-06-19 Canon Inc 画像形成装置、および画像形成装置の制御方法
JP2008271488A (ja) * 2007-03-28 2008-11-06 Sharp Corp 画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置、画像読取装置、コンピュータプログラム、及び記録媒体
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