JP2006263352A - 内視鏡用緊縛糸、外皮固定方法、内視鏡用可撓管および内視鏡 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内視鏡用緊縛糸9は、複数本の合成樹脂製のフィラメント91を撚り合わせた撚糸92を用い、さらに複数本の撚糸92を撚り合わせたフィラメント集合体93で構成されている。そして、内視鏡用緊縛糸9は、チューブ状の内視鏡用可撓管用の外皮を緊縛した状態で、接着剤により外皮の外表面に固定される。
【選択図】図6
Description
このような内視鏡は、体腔内に挿入される挿入部可撓管と、該挿入部可撓管の操作を行う操作部と、操作部に接続された接続部可撓管と、接続部可撓管の先端部に接続された光源差込部とを有している。
(1) チューブ状の内視鏡用可撓管用の外皮の内側に配設された部材に対して、前記外皮を固定する内視鏡用緊縛糸であって、
合成樹脂製のフィラメントを複数本束ねたフィラメント集合体で構成されていることを特徴とする内視鏡用緊縛糸。
これにより、内視鏡用緊縛糸に対してより強いアンカー効果が生じる。
これにより、フィラメント中の分子結合等に再配置が生じて、フィラメントの形状が撚られた状態で安定化し、それによりフィラメント同士が絡まりあって、長手方向の少なくとも一部を固定することができる。
前記外皮の内側に前記部材を配設する第1の工程と、
上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の内視鏡用緊縛糸により、前記外皮を、その外表面側から緊縛する第2の工程と、
前記内視鏡用緊縛糸を、接着剤で被覆して、固定する第3の工程とを有することを特徴とする外皮固定方法。
これにより、外皮をその内側に配置される部材に対して強固に固定することができる。
該可撓管部の先端部に設けられ、芯材と、該芯材の外周を被覆する外皮とを有する湾曲部とを備える内視鏡用可撓管であって、
前記湾曲部の外皮の基端部および前記可撓管部の外皮の先端部が、上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の内視鏡用緊縛糸により、前記湾曲部の芯材または前記可撓管部の芯材に対して固定されてなることを特徴とする内視鏡用可撓管。
これにより、外皮の固定状態が長期間安定的に維持された内視鏡が得られる。
このような可撓管部3の先端部には、湾曲部4が連結されている。
この外皮42の両端部は、それそれ、後述する硬性部5の基端部および可撓管部3が備える芯材31の先端部を覆っている。換言すれば、外皮42の両端部の内側に、それぞれ、硬性部5の基端部および芯材31の先端部が挿入(配設)されている。
また、この硬性部5には、湾曲操作ワイヤーの先端が固定されている。
また、操作部6には、図1中上面に、第1操作ノブ61、第2操作ノブ62、第1ロックレバー63および第2ロックレバー64が、それぞれ独立に回動自在に設けられている。
各操作ノブ61、62を回転操作すると、挿入部可撓管2内に配設された湾曲操作ワイヤー(図示せず)が牽引されて、湾曲部4が4方向に湾曲し、湾曲部4の方向を変えることができる。
なお、以下では、本発明の外皮固定方法を、図1に示す内視鏡が備える挿入部可撓管において、可撓管部と湾曲部とを接合する場合を一例に説明する。
なお、内視鏡用緊縛糸9の構成については、後に詳述する。
前述したように、本発明の内視鏡用緊縛糸9は、合成樹脂製のフィラメント91を複数本束ねたフィラメント集合体93で構成されている。合成樹脂製のフィラメント91は、ステープル(短繊維)からなる天然繊維とは異なり、しなやかで非常に長い繊維であるため、外皮32および外皮42に巻き付けて緊縛した際に、内視鏡用緊縛糸9(フィラメント91)の切断が防止される。このため、内視鏡用緊縛糸9を接着剤94で被覆した際に、接着剤94からフィラメント91の端部が突出したり、接着剤94の表面に微小な凹凸(毛羽立ち)が生じるのを防止することができる。その結果、内視鏡用緊縛糸9は、外皮32および外皮42を芯材31に対して確実に固定することができる。
まず、本発明の内視鏡用緊縛糸の第1実施形態について説明する。
図4に示す内視鏡用緊縛糸9は、複数本のフィラメント91を直線的に束ねたフィラメント集合体93で構成されている。
次に、本発明の内視鏡用緊縛糸の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の内視鏡用緊縛糸の第2実施形態を示す斜視図である。
なお、フィラメント集合体93の撚りの方向は特に限定されない。
このとき、加熱の温度としては、100〜200℃程度であるのが好ましい。
次に、本発明の内視鏡用緊縛糸の第3実施形態について説明する。
図6は、本発明の内視鏡用緊縛糸の第3実施形態を示す斜視図である。
1.電子内視鏡の製造
以下に示すようにして、各実施例および各比較例において、それぞれ、図1に示す電子内視鏡を15個ずつ製造した。
まず、図1に示すような内視鏡の硬性部、湾曲部および可撓管部(いずれもペンタックス社製軟性内視鏡FB−29X)を用意した。
まず、5本のフィラメントを撚り合わせた撚糸を2本作製した。次いで、この2本の撚糸を撚り合わせてフィラメント集合体を得て、これを内視鏡用緊縛糸とした。以下に、内視鏡用緊縛糸の構成の詳細を示す。なお、フィラメントの破断伸びは、島津製作所社製オートグラフによる測定値である。
・フィラメント(モノフィラメント)
構成材料 :ナイロン6
軟化点 :210℃
破断伸び :10%以上
外径(繊度) :0.008mm(8dtex)
・撚糸(マルチフィラメント)
フィラメントの本数:5本
撚り数(下撚り数):1000T/m
外径(繊度) :0.04mm(40dtex)
・フィラメント集合体(内視鏡用緊縛糸)
撚糸の本数 :2本
撚り数(上撚り数):600T/m
外径(繊度) :0.08mm(80dtex)
次に、湾曲部の外皮の先端部と、湾曲部の外皮の基端部および可撓管部の外皮の先端部とを、作製した内視鏡用緊縛糸で緊縛した。そして、内視鏡用緊縛糸を被覆するように、エポキシ系樹脂を主成分とする接着剤を供給した。次いで、接着剤に対して85℃×1時間で加熱し、接着剤を硬化させ、内視鏡用緊縛糸を固定した。
各部の構成は、以下に示す通りである。
構成材料 :アルミニウム合金
形状 :円柱状、3段階で外径変化
中間部分の外径 :9mm
・節輪アセンブリの寸法:外径9mm×内径7mm
節輪の構成材料 :ステンレス鋼
網状管の構成材料 :ステンレス鋼
・外皮の平均厚さ :外径10mm×内径9mm(平均厚さ500μm)
外皮の構成材料 :フッ素ゴム
・芯材の寸法 :外径9mm×内径7mm
螺旋管の構成材料 :ステンレス鋼
網状管の構成材料 :ステンレス鋼
・外皮の寸法 :外径10mm×内径9mm(平均厚さ500μm)
外皮の構成材料 :ポリウレタン系熱可塑性エラストマー
フィラメントの構成材料をビニロン(ポリビニルアルコール系樹脂)に変更した以外は、前記実施例1と同様にして、電子内視鏡を製造した。
フィラメントの構成材料をポリエステルに変更した以外は、前記実施例1と同様にして、電子内視鏡を製造した。
フィラメントの構成材料をポリウレタンに変更した以外は、前記実施例1と同様にして、電子内視鏡を製造した。
内視鏡用緊縛糸として、1本のフィラメントを用いるようにした以外は、前記実施例1と同様にして、電子内視鏡を製造した。以下に、内視鏡用緊縛糸の構成の詳細を示す。
・フィラメント(モノフィラメント)
構成材料 :ナイロン6
軟化点 :210℃
破断伸び :10%以上
本数 :1本
外径(繊度) :0.08mm(80dtex)
フィラメントを炭素繊維に変更した以外は、前記比較例1と同様にして、電子内視鏡を製造した。
フィラメントを絹糸に変更した以外は、前記比較例1と同様にして、電子内視鏡を製造した。
2.1 外観の評価
各実施例および各比較例の各15個の電子内視鏡において、それぞれ、内視鏡用緊縛糸で緊縛した湾曲部を湾曲させる操作を10000回行った後、内視鏡用緊縛糸で緊縛した部位(緊縛部)の外観を評価した。なお、外観の評価は、次の基準にしたがって行った。
○:毛羽立ちが若干あるが目立たない
△:気になる程度の毛羽立ちがある
×:多数の毛羽立ちがある
まず、被検体に適用後の各実施例および各比較例の各15個の電子内視鏡において、それぞれ、内視鏡用緊縛糸で緊縛した部位を、流水洗浄する。次いで、滅菌した綿棒で前記部位の表面を拭き取る。
△:151〜300RLU
×:301RLU以上
まず、各実施例および各比較例の各15個の電子内視鏡において、それぞれ、内視鏡用緊縛糸で緊縛した部位を、下記の各浸漬試験の概要にしたがって、薬液に浸漬した。
薬液の成分 :グルタルアルデヒド
成分含有率 :3%
浸漬時間 :60分間
試験サイクル:5000回
試験個数 :5個
薬液の成分 :過酢酸
成分含有率 :0.3%
浸漬時間 :30分間
試験サイクル:5000回
試験個数 :5個
薬液の成分 :過酸化水素
成分含有率 :30%
浸漬時間 :60分間
試験サイクル:5000回
試験個数 :5個
△:実使用範囲では問題ないが、実使用を超える範囲まで湾曲させると接着剤が剥離する
×:実使用範囲で湾曲させると接着剤が剥離する。
以上、2.1〜2.3の評価結果を表1に示す。
2 挿入部可撓管
22 目盛り
3 可撓管部
31 芯材
311 螺旋管
312 網状管
313 間隙
32 外皮
4 湾曲部
41 芯材
411 節輪アセンブリ
411a 節輪
412 網状管
42 外皮
43 接続管
5 硬性部
6 操作部
61 第1操作ノブ
62 第2操作ノブ
63 第1ロックレバー
64 第2ロックレバー
65 制御ボタン
66 吸引ボタン
67 送気・送液ボタン
7 接続部可撓管
8 光源差込部
81 光源用コネクタ
82 画像信号用コネクタ
9 内視鏡用緊縛糸
91 フィラメント
92 撚糸
93 フィラメント集合体
94 接着剤
Claims (15)
- チューブ状の内視鏡用可撓管用の外皮の内側に配設された部材に対して、前記外皮を固定する内視鏡用緊縛糸であって、
合成樹脂製のフィラメントを複数本束ねたフィラメント集合体で構成されていることを特徴とする内視鏡用緊縛糸。 - 前記フィラメント集合体は、複数本の前記フィラメントを撚り合わせた撚糸を含むものである請求項1に記載の内視鏡用緊縛糸。
- 前記フィラメント集合体は、複数本の前記撚糸で構成されている請求項2に記載の内視鏡用緊縛糸。
- 前記フィラメント集合体は、複数本の前記撚糸を撚り合わせて構成されている請求項2または3に記載の内視鏡用緊縛糸。
- 前記フィラメントの外径をA[mm]、前記フィラメント集合体の外径をB[mm]としたとき、B/Aが2〜30である請求項1ないし4のいずれかに記載の内視鏡用緊縛糸。
- 前記フィラメント同士は、その長手方向の少なくとも一部において固定されている請求項1ないし5のいずれかに記載の内視鏡用緊縛糸。
- 前記固定は、加熱により行われる請求項6に記載の内視鏡用緊縛糸。
- 前記合成樹脂は、その主鎖および/または側鎖に極性構造を有するものである請求項1ないし7のいずれかに記載の内視鏡用緊縛糸。
- 前記合成樹脂は、前記極性構造として、−OH、−CHO、−NCO、−COOH、−O−、−CO−、−COO−、−CONH−、−CONHCO−および−NHCOO−のうちの少なくとも1つを含むものである請求項8に記載の内視鏡用緊縛糸。
- 前記合成樹脂は、その融点または軟化点が150℃以上のものである請求項1ないし9のいずれかに記載の内視鏡用緊縛糸。
- 前記フィラメントは、その破断伸びが10%より大きいものである請求項1ないし10のいずれかに記載の内視鏡用緊縛糸。
- チューブ状の内視鏡用可撓管用の外皮の内側に配設された部材に対して、前記外皮を固定する外皮固定方法であって、
前記外皮の内側に前記部材を配設する第1の工程と、
請求項1ないし11のいずれかに記載の内視鏡用緊縛糸により、前記外皮を、その外表面側から緊縛する第2の工程と、
前記内視鏡用緊縛糸を、接着剤で被覆して、固定する第3の工程とを有することを特徴とする外皮固定方法。 - 前記接着剤は、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤およびエステル系接着剤のうちの少なくとも1種を主成分とするものである請求項12に記載の外皮固定方法。
- 芯材と、該芯材の外周を被覆する外皮とを有する可撓管部と、
該可撓管部の先端部に設けられ、芯材と、該芯材の外周を被覆する外皮とを有する湾曲部とを備える内視鏡用可撓管であって、
前記湾曲部の外皮の基端部および前記可撓管部の外皮の先端部が、請求項1ないし11のいずれかに記載の内視鏡用緊縛糸により、前記湾曲部の芯材または前記可撓管部の芯材に対して固定されてなることを特徴とする内視鏡用可撓管。 - 請求項14に記載の内視鏡用可撓管を備えることを特徴とする内視鏡。
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