JP2006262453A - マルチメデイア伝送品質リアルタイム表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の音声・ビデオ伝送のサービス品質評価方法では,音声とビデオの個別の主観品質を距離尺度の保証がない形で評価している。そこで,音声とビデオの両方を考慮してユーザの主観品質を距離尺度により表示することを目的としている。
【解決手段】下位レベルのQoSを用いて,時間的に連続してユーザレベルQoSを推定する研究は行われている。このような方法で推定されたユーザレベルQoSを表示することによって,音声・ビデオ配信サービスにおいて,ユーザレベルのサービス品質管理を可能とした。
【選択図】 図10
【解決手段】下位レベルのQoSを用いて,時間的に連続してユーザレベルQoSを推定する研究は行われている。このような方法で推定されたユーザレベルQoSを表示することによって,音声・ビデオ配信サービスにおいて,ユーザレベルのサービス品質管理を可能とした。
【選択図】 図10
Description
本発明は、マルチメデイア伝送品質表示装置に関するものである。
近年,通信回線の高速化に伴い,インターネット上で,音声やビデオといった連続メディアを転送するサービスが注目されている。しかし,インターネットはベストエフォート型のサービスであるため,メディア転送時にパケットの欠落や遅延,遅延揺らぎなどが生じる可能性がある。このような通信品質の低下は,連続メディアの時間構造を乱し,その出力品質に多大な影響を及ぼすと考えられる。そのため,連続メディア転送時には,サービス品質(QoS:Quality of Service) を高く保つことが重要となる。
インターネットが階層構造を有することに対応し,インターネットにおけるQoS も階層的に定義することができる(非特許文献1)。QoS の中でも,最終的なサービスの受け手はユーザであるため, ユーザレベルのQoS が最も重要といえる。そのため,ユーザレベルQoS に関する様々な研究が行われている(非特許文献2、3)。
ユーザレベルQoS は人間の主観品質を表したものである。したがって,ユーザレベルQoS を直接制御することはできない。そこで,下位レベルのQoS を制御することにより,ユーザレベルQoS を高く保つことが考えられる。このためには, 下位レベルのQoS とユーザレベルQoS との関係を求めることが重要であり, これをQoS マッピング(非特許文献4)[4] と呼ぶ。
(非特許文献4)では,計量心理学的測定法(非特許文献5)を用いて,全観察時間のユーザレベルQoS を定量的に評価している。そして,重回帰分析により,アプリケーションレベルからユーザレベルへのQoS マッピングを行い. 得られた重回帰式から, ユーザレベルQoS の推定を行っている.また,非特許文献6 では,連続メディアの品質は時間的に変化すると考えられており,アプリケーションレベルからユーザレベルへの時間的に連続なQoS マッピングが行われている.更に,得られた重回帰式を用いて,ユーザレベルQoS の時間的に連続な推定も行われている.
田坂修二, "情報ネットワークの基礎", 数理工学社, 2003.(以下、[1] という)。 伊藤嘉浩, 田坂修二, "音声・ビデオ伝送における系列カテゴリ法を用いたユーザレベルQoS", 信学ソ大. Sep. 2002. (以下、[2] という)。 福田良彦, 伊藤嘉浩, 田坂修二, "ライブメディア伝送における遅延分布がユーザレベルQoS に及ぼす影響の評価", 信学技報CQ2003-11, pp. 7-12, Apr. 2003. (以下、[3] という)。 伊藤嘉浩, 田坂修二, "音声・ビデオ伝送におけるメディア同期を対象としたユーザレベルQoS の定量的測定及びマッピング", 電子情報通信学会論文誌(B), Mar.2003. (以下、[4] という)。 田中良久, "心理学的測定法 第2版", 東京大学出版会, 1977. (以下、[5] という)。 伊藤竜介,伊藤嘉浩,田坂修二,"音声・ビデオ伝送におけるユーザレベルQoS 連続評価とQoS マッピング",信学技報CQ2004-74, Sep. 2004. (以下、[6] という)。 間瀬憲一, "マルチメディアネットワークとコミュニケーション品質", 電子情報通信学会誌, 1998. (以下、[7] という)。 ITU-R BT.500-10, "Method for the subjective assessment of the quality of televisionpictures", International Telecommunication Union, 2001.(以下、[8] という)。 L.L. Thurstone, "A law of comparative judgment", Psychological Review, vol.34,pp.273-286, 1927. (以下、[9] という)。 H. de Ribber and R. Hamberg, "Continuous evaluation of time varying speech quality", International Telecommunication Union, May. 1997.(以下、[10] という)。 A. Watson, and M. A. Sasse, "Measuring Perceived Quality of Speech and Video in Multimedia Conferencing Applications", ACM Multimedia 98 - Electronic Proceedings,Sep. 1998. (以下、[11] という)。 藤原 洋, "最新MPEG 教科書", アスキー, 1994. (以下、[12] という)。 Network Simulator - ns-2, http://www.isi.edu/nsnam/ns, (以下、[13] という)。 木下凌一,"X-Window Ver.11 プログラミング", 日刊工業新聞社,1989.(以下、[14] という)。 監修斎藤孝, 著者浦新克哉,安達幸司, "UNIX X ウィンドウプログラミング(ツールキット)", HBJ 出版,1994.(以下、[15] という)。 "Nist Home Page", http://snad.ncsl.nist.gov/itg/nistnet/usage.html(以下、[16] という)。
ユーザレベルQoS は人間の主観品質を表したものである。したがって,ユーザレベルQoS を直接制御することはできない。そこで,下位レベルのQoS を制御することにより,ユーザレベルQoS を高く保つことが考えられる。このためには, 下位レベルのQoS とユーザレベルQoS との関係を求めることが重要であり, これをQoS マッピング(非特許文献4)[4] と呼ぶ。
(非特許文献4)では,計量心理学的測定法(非特許文献5)を用いて,全観察時間のユーザレベルQoS を定量的に評価している。そして,重回帰分析により,アプリケーションレベルからユーザレベルへのQoS マッピングを行い. 得られた重回帰式から, ユーザレベルQoS の推定を行っている.また,非特許文献6 では,連続メディアの品質は時間的に変化すると考えられており,アプリケーションレベルからユーザレベルへの時間的に連続なQoS マッピングが行われている.更に,得られた重回帰式を用いて,ユーザレベルQoS の時間的に連続な推定も行われている.
田坂修二, "情報ネットワークの基礎", 数理工学社, 2003.(以下、[1] という)。 伊藤嘉浩, 田坂修二, "音声・ビデオ伝送における系列カテゴリ法を用いたユーザレベルQoS", 信学ソ大. Sep. 2002. (以下、[2] という)。 福田良彦, 伊藤嘉浩, 田坂修二, "ライブメディア伝送における遅延分布がユーザレベルQoS に及ぼす影響の評価", 信学技報CQ2003-11, pp. 7-12, Apr. 2003. (以下、[3] という)。 伊藤嘉浩, 田坂修二, "音声・ビデオ伝送におけるメディア同期を対象としたユーザレベルQoS の定量的測定及びマッピング", 電子情報通信学会論文誌(B), Mar.2003. (以下、[4] という)。 田中良久, "心理学的測定法 第2版", 東京大学出版会, 1977. (以下、[5] という)。 伊藤竜介,伊藤嘉浩,田坂修二,"音声・ビデオ伝送におけるユーザレベルQoS 連続評価とQoS マッピング",信学技報CQ2004-74, Sep. 2004. (以下、[6] という)。 間瀬憲一, "マルチメディアネットワークとコミュニケーション品質", 電子情報通信学会誌, 1998. (以下、[7] という)。 ITU-R BT.500-10, "Method for the subjective assessment of the quality of televisionpictures", International Telecommunication Union, 2001.(以下、[8] という)。 L.L. Thurstone, "A law of comparative judgment", Psychological Review, vol.34,pp.273-286, 1927. (以下、[9] という)。 H. de Ribber and R. Hamberg, "Continuous evaluation of time varying speech quality", International Telecommunication Union, May. 1997.(以下、[10] という)。 A. Watson, and M. A. Sasse, "Measuring Perceived Quality of Speech and Video in Multimedia Conferencing Applications", ACM Multimedia 98 - Electronic Proceedings,Sep. 1998. (以下、[11] という)。 藤原 洋, "最新MPEG 教科書", アスキー, 1994. (以下、[12] という)。 Network Simulator - ns-2, http://www.isi.edu/nsnam/ns, (以下、[13] という)。 木下凌一,"X-Window Ver.11 プログラミング", 日刊工業新聞社,1989.(以下、[14] という)。 監修斎藤孝, 著者浦新克哉,安達幸司, "UNIX X ウィンドウプログラミング(ツールキット)", HBJ 出版,1994.(以下、[15] という)。 "Nist Home Page", http://snad.ncsl.nist.gov/itg/nistnet/usage.html(以下、[16] という)。
しかし、従来、マルチメディア伝送におけるサービス品質評価では,アプリケーションレベルやネットワークレベルのサービス品質を評価・提示していたが,これらの品質は,必ずしも主観品質を表すものではなかった.また,マルチメディア通信において,連続メディア転送を行う場合,その品質は時間毎に変化する.そのため,時間的に連続なユーザレベルQoS 評価が必要である.したがって,時間的に連続なQoS マッピングによる,ユーザレベルQoS の推定を行う必要がある。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、従来のサービス品質評価方法では,顧客満足度など,ユーザの主観品質を表示できない点を解決すべき課題としている。
上述したように,下位レベルのQoS を用いて,時間的に連続してユーザレベルQoS を推定する研究は行われている.このような方法で推定されたユーザレベルQoS を表示することによって,音声・ビデオ配信サービスにおいて,ユーザレベルのサービス品質管理が可能となると考えられる。
そこで,本発明では,ユーザレベルQoS の連続時間推定値をリアルタイムで出力する装置を開発するに至ったのである。
そこで,本発明では,ユーザレベルQoS の連続時間推定値をリアルタイムで出力する装置を開発するに至ったのである。
なお,推定方法として文献[6] の方法を用いる。すなわち,連続メディア転送時にアプリケーションレベルQoS を時間的に連続して測定する。文献[6]の方法は,受信者が得た情報のみから主観品質を推定する方法(No Reference法)であり,リアルタイム推定に適している。そして,求められた値から,重回帰式を用いてユーザレベルQoS の時間的に連続な推定を行う。
以下,マルチメディア通信について述べ、マルチメディア通信におけるQoS について述べる。次いで、本発明で使用するQoS パラメータについて述べ,QoS マッピングについて述べる。そして、本発明で使用するメディア転送プログラム,ライブメディア転送プログラムについて述べ,X Window System について説明し、最後に本発明の目的と構成を示す。
マルチメディア通信とは, 音声,ビデオ, テキストといった複数のメディアをネットワーク上で送受信する通信形態のことである。現在,インターネット上では,様々なマルチメディア通信サービスが行われている。その一つに,映画や音楽など配信を行うサービスがある。映画は,音声とビデオ,音楽は音声で構成された時間的構造を持つ連続メディアである。連続メディアの転送を行う際,メディア同期が重要となる。メディア同期とは,音声やビデオなどの連続メディアの時間構造の保持・回復のことを指す。連続メディアをネットワークを介して伝送するとネットワークの負荷状況により遅延揺らぎが生じる可能性がある。遅延揺らぎが生じると,連続メディアの時間構造が乱され,主観的品質にも大きな影響を与える。そのため,それらの影響を少なくするために,メディア同期制御が重要となる。メディア同期制御では,乱れた連続メディアの出力間隔を送信側の発生間隔と一致するように出力先で制御する。この制御にはメディア内同期制御とメディア間同期制御がある。この関係を図1に示す。メディア内同期制御とは,メディア発生源における単一メディアのMU(メディアユニット: はアプリケーションにおける転送単位であり,ビデオの場合1 フレームに相当する)の時間的構造を出力先で維持するものである。また,メディア間同期制御とは,メディア出力先において,複数のメディア間の互いの時間的構造を維持するものである。複数メディア間にはマスタとスレーブの関係があり,スレーブメディアの各MU をマスタメディアのMU に同期させる。
また,近年, アクセス網の高速化や,画像圧縮技術の向上により,高品質な音声やビデオをリアルタイムに送受信することも可能となった。この結果,ライブメディア転送に対する需要も高まりつつある。ライブメディアとは,送信側からリアルタイムに入力されるメディアである。ライブメディアを用いたサービスとして,テレビ電話やテレビ会議などがある。このようなインタラクティブ通信では,リアルタイム性が要求されるため,メディアの発生から出力までの時間的制限が厳しいと言う特徴を持つ。また,ライブメディアに対して,入力がリアルタイムに行われないメディアを蓄積メディアと呼ぶ。
マルチメディアQoS とは, マルチメディア通信におけるQoS を示す。 マルチメディア通信におけるQoS は様々に定義されている。文献[7] では,“有るべき姿への一致度” と定義されている。サービスの受け手にとって,あるべき姿とは理想的なサービスのことである。これは, アプリケーション毎に異なるが,テレビ会議では,会議が対面して行われているように,リアルタイムに行われ,それぞれの音声・ビデオに遅れや乱れが無く,また,それらが一致している状態である。
一般的に, ネットワークはOSI(Open Systems Interconnection) 参照モデルのように階層的に定義されている。また,インターネットも同様に階層的に表すことができる,OSI 参照モデルとインターネット階層モデルを図2に示す。また,表1にインターネットの各階層に対応させたQoS を示す。
最上位層に定義されているユーザレベルQoS とは,人間が感じるサービスの品質である。最終的にサービス品質を判断するのはユーザであるため,ユーザレベルQoS が最も重要である。しかし,ユーザレベルQoS は人間主観品質を表したものあるため,ユーザレベルQoS は制御することができない。そのため,下位レベルからユーザレベルへのQoS マッピングとなる,本発明では,ユーザレベルQoS に最も近い階層である,アプリケーションレベルQoS を使用し,QoS マッピングを行う。
QoS を定量的に評価するためには,その良し悪しを決める尺度が必要になる。この尺度をQoS パラメータという。以下に,本発明で用いるQoS パラメータを示す。
本発明では,音声・ビデオ伝送のメディア同期品質を含むアプリケーションレベルQoS パラメータを使用する。これらのパラメータの例を以下に記述する。なお,メディア間同期平均二乗誤差以外のパラメータは,音声とビデオの両方で定義されている。これらのパラメータと,それを示す記号を表2に示す。
ここで、出力間隔の変動係数とは,MU の出力間隔の標準偏差を平均で割ったものある。この値が小さいほど出力が滑らかである。
ここで、出力間隔の変動係数とは,MU の出力間隔の標準偏差を平均で割ったものある。この値が小さいほど出力が滑らかである。
メディア内同期平均二乗誤差とは,MU の出力間隔から発生間隔を引いたものを二乗した値の平均である。この値が小さいほどメディアの同期品質が高いことを示す。
メディア間同期平均二乗誤差とは,マスタメディアのMU 出力時間とこれに対応するスレーブメディアの出力時間から,それぞれの発生時間の差を引いた値を二乗したものの平均である。この値が小さいほど,音声とビデオの同期品質が高いことを示す。
MU 欠落率とは,発生したMU 数に対して欠落したMU 数の割合である。
平均MU レートとは,単位時間当りに出力されたMU 数である。
平均MU 出力遅延とは,MU の出力時間から発生時間を引いた値の平均である。
メディア間同期平均二乗誤差とは,マスタメディアのMU 出力時間とこれに対応するスレーブメディアの出力時間から,それぞれの発生時間の差を引いた値を二乗したものの平均である。この値が小さいほど,音声とビデオの同期品質が高いことを示す。
MU 欠落率とは,発生したMU 数に対して欠落したMU 数の割合である。
平均MU レートとは,単位時間当りに出力されたMU 数である。
平均MU 出力遅延とは,MU の出力時間から発生時間を引いた値の平均である。
以上のパラメータ値はすべて,受信者が得た情報のみから算出することが可能である。
ユーザレベルQoS とは,ユーザの主観的な品質を表すものである。そのため,定量的な評価は困難である。 音声・ビデオに対する主観評価については,ITU-R(International Telecommunication Union Radiocommunication sector, 国際電気通信連合無線通信部門)が標準化を行っている[8]。評価方法には,単一刺激尺度法(Stimulus Comparison Methods ), 二重刺激連続品質尺度法(DSCQS:Double Stimulus Continuous Quality Scalemetho d), 二重連続刺激連続妨尺(DSIS:Double StimulusImpairment Scale method )などがある。
単一刺激尺度法は,単一の評価対象を画像の品質,または劣化で評価する方法である,品質を評価する品質尺度と,劣化の度合いを評価する妨害尺度法がある。量尺度を表3,表4に示す。二重刺激連続品質尺度法は,ある基準に対する画像品質を測定する方法で,比較的劣化が少ない場合に用いられる。 被験者に対して二つの画像を提示し, 評定尺度上の任意の場所に横線を引く。 そして,その横線の位置を結果として用いる。二重連続刺激連続妨尺は,ある基準に対する画像の劣化を測定する方法である。基準画像と劣化を伴った評価画像を交互に提示し,評価尺度上の任意の場所に横線を引く。そして,その横線の位置を結果として用いる。
単一刺激尺度法は,単一の評価対象を画像の品質,または劣化で評価する方法である,品質を評価する品質尺度と,劣化の度合いを評価する妨害尺度法がある。量尺度を表3,表4に示す。二重刺激連続品質尺度法は,ある基準に対する画像品質を測定する方法で,比較的劣化が少ない場合に用いられる。 被験者に対して二つの画像を提示し, 評定尺度上の任意の場所に横線を引く。 そして,その横線の位置を結果として用いる。二重連続刺激連続妨尺は,ある基準に対する画像の劣化を測定する方法である。基準画像と劣化を伴った評価画像を交互に提示し,評価尺度上の任意の場所に横線を引く。そして,その横線の位置を結果として用いる。
品質尺度法や妨害尺度法などを用いて評価対象の品質を5 段階で評価し,得られた結果の平均をMOS(Mean Opimion Score) という。MOS は,今日まで主観的品質の測定方法として,よく用いられてきた。しかし,各カテゴリー間の心理的尺度が一定とは限らないため,得られる尺度は順序尺度にすぎない。そのため,計量心理学的測定法を用いてユーザレベルQoS を測定する方法が提案されている[4][6]。文献[4] では,音声・ビデオ転送のユーザレベルQoS の評価方法として,一対比較法[5] と,Thurstone の比較判断の法則[9] を用いて全観察時間のユーザレベルQoS を定量的に評価している。 一対比較法とは,二つの刺激を提示し,どちらが好きか,または印象が強いかなどを選択させ,これを繰り返すことで,評価対象の優劣を決定する方法である。Thurstone の比較判断の法則とは,刺激に対する評価値の標準偏差は等しく,各分別仮定は独立であるものと仮定し,それらの分別の散らばりから二つの心理的な距離の差を決定する方法である。
ユーザレベルQoS の時間的に連続な評価に関する研究として,文献[10] では,図4に示す5段階の目盛りのついたスライダーを使用し, ビデオの主観的品質の評価が行われている。この評価方法は,SSCQE 法と呼ばれ,被験者が主観量に合わせてスライダーのつまみをスライドさせ,つまみの位置を逐次記録し,それをもとに,5 段階評価を行っている。文献[11] では,QUASS(QUalit ASsessment Slider) と呼ばれるスライダーを用いる方法が報告されている。QUASS は, マルチメディア転送の主観品質を,時間的に連続に評価するために開発されたソフトウェアである。文献[10] と同様に,被験者が主観量に合わせてスライダーのつまみをスライドさせるというものである。しかし,文献[10]と違いQUASS は評価基準となる目盛がない。これは,被験者の判断基準による評価を行うためである。この研究では,このQUASS を用いてTV 会議における音声のみに対して,評価が行われている。
マルチメディア転送の連続評価に関する研究として,文献[6]で,図5に示すスライダーを用い,音声・ビデオ転送に対し連続時間評価をおこなっている。また,この文献ではスライダーを用いた評価方法で得られる評価値は,被験者が主観量を定量的に表現できる能力を有しているという前提が必要であるということや品質評価用スライダーの位置を確認しながら評価を行うので評価対象に意識を集中できないなどの問題点があることを挙げている。その問題点から,系列カテゴリー法を用いた連続時間評価値の評価を行っている。この評価方法は,キーボードの入力による,時間的に連続して5 段階評価を測定をおこない,時間的に連続な順序尺度値を得る。この値に,カテゴリー判断の法則[5] を適応して距離尺度への変換をおこない。連続時間評価値を得ている。さらに,重回帰分析による,アプリケーションレベルQoS からユーザレベルQoS のQoS マッピング行い,それを用いてユーザレベルQoS の時間的に連続した推定をおこなっている。
本発明では,これらの方法より得られた値をユーザレベルQoS パラメータとしている。
異なる階層のQoS パラメータを対応づけることをQoS マッピング[1] と呼ぶ。マルチメディアQoS を高く保つためには,最終的なサービスの受け手はユーザであるため,ユーザレベルQoS を制御し,高く保つことが重要と考えられる。しかし,ユーザレベルQoSは人間の主観的評価のため,直接制御することができない。 そのため,下位レベルのQoS パラメータとユーザレベルQoS の関係を調べ,アプリケーションレベルQoS などの下位レベルのQoS を制御することによりユーザレベルQoS を制御する必要がある。本発明では,QoS マッピング方法として重回帰分析を用いる,重回帰分析とは,いくつかの変数X1,X2,...,Xn(独立変数) に基づいて, 別の変数Y( 従属変数)を推定する方法である. Y?をYの推定値,bを重み付けの定数として,推定式は以下のように表される.
つまり,独立変数の重み付け定数の合計値がYの推定値Y?となる。すなわち,本発明では,前に述べたアプリケーションレベルQoS パラメータを独立変数に,ユーザレベルQoSパラメータを従属変数として重回帰分析により,QoS マッピングを行う。
つまり,独立変数の重み付け定数の合計値がYの推定値Y?となる。すなわち,本発明では,前に述べたアプリケーションレベルQoS パラメータを独立変数に,ユーザレベルQoSパラメータを従属変数として重回帰分析により,QoS マッピングを行う。
本発明で用いるメディア転送プログラムの動作を図6に示す。音声・ビデオから,MU 毎のサイズやMPEG のフレームの種類(I フレーム,P フレーム,B フレーム)[12]などの,情報を取り出したトレースファイルを用いNS2(Network Simulator 2)[13]で音声・ビデオの転送シミュレーションを行う。そして,それらの出力時刻などが書かれたタイムスタンプを出力する。本発明では,このプログラムが出力するタイムスタンプから,サンプリング時間毎のユーザレベルQoS の推定を行う。
本発明で用いるライブメディア転送プログラムの動作を図7に示す。サーバ側PC から入力される音声・ビデオをクライアント側のPC に転送し,リアルタイムに出力を行う。 X Window System とは, マサチューセッツ工科大学(MIT) のAthena Widget Project が中心となって開発された,UNIX 系OS で利用されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI) 環境である。現在はThe Open Group が開発を行っている。X Window System は, クライアント・サーバモデルである。クライアント・サーバモデルとは,図8に示すように,クライアントがサーバの機能を呼び出して使う分散構造になっている。アプリケーションソフトやOS の処理はクライアントが,画面表示や入出力はサーバが行う。例えば,アプリケーションにキーボードやマウスからの入力処理をする時も,入力情報を直接アプリケーションが受取らず, サーバが受取り, クライアントはサーバからの入力情報を受取るようになっている。本発明では,推定したユーザレベルQoS をモニタ上に表示する際にX Window System を用いる。
通信回線の高速化に伴い,マルチメディア通信を用いたサービスの需要が増加し,これらのQoS が注目されている。また,QoS の中でも,最終的にサービスを判断するのはユーザであるため,ユーザレベルQoS を高く保つことが重要である。 また,連続メディアを転送する場合,その品質は,時間毎に変化する。ユーザレベルのサービス品質管理を行うために,ユーザレベルQoS をリアルタイムに表示することが必要だと考えられる.しかし,ユーザレベルQoS はユーザの主観品質であるため直接制御できない.そこで,下位レベルからユーザレベルへのQoS マッピングを行い.下位レベルのQoS を制御することにより,ユーザレベルQoS を高く保つことが必要である.そこで,本論文では,音声・ビデオ転送のアプリケーションレベルQoS をリアルタイムに測定し,QoS マッピングによりユーザレベルQoS を推定する.そして,推定した値をモニタ上にリアルタイムに表示するシステムをX Window System 上で開発するものである.
以下、ユーザレベルQoS 表示装置の実装環境,開発した装置の機能等により本発明のを説明する。
高品質なサービスを提供するためには,ユーザレベルQoS を高く保つ事が必要である.しかし,ユーザレベルQoS は人間の主観品質を表したものである.したがって,ユーザレベルQoS を直接制御することはできない.そこで,下位レベルからユーザレベルへのQoS マッピングが有効であると考えられる。
また,マルチメディア通信において,連続メディア転送を行う場合,その品質は時間毎に変化する.そのため,時間的に連続なユーザレベルQoS 評価が必要である.したがって,時間的に連続なQoS マッピングによる,ユーザレベルQoS の推定を行う必要がある.
QoS マッピングによるユーザレベルQoS の時間的に連続な評価は,行われており,その有効性も示されている[6]。このような方法で推定されたユーザレベルQoS を表示することによって, 音声・ビデオ配信サービスにおいて,ユーザレベルのサービス品質管理が可能となると考えられる.
本実施例では,連続メディア転送時にアプリケーションレベルQoS を時間的に連続な測定するとともに,QoS マッピングによりユーザレベルQoS の連続時間推定を行う.そして,推定した値をモニタ上にリアルタイムで出力する装置を説明する.なお,QoS マッピングは,[6] の方法により,予め求められた重回帰式を利用して行う。
また,マルチメディア通信において,連続メディア転送を行う場合,その品質は時間毎に変化する.そのため,時間的に連続なユーザレベルQoS 評価が必要である.したがって,時間的に連続なQoS マッピングによる,ユーザレベルQoS の推定を行う必要がある.
QoS マッピングによるユーザレベルQoS の時間的に連続な評価は,行われており,その有効性も示されている[6]。このような方法で推定されたユーザレベルQoS を表示することによって, 音声・ビデオ配信サービスにおいて,ユーザレベルのサービス品質管理が可能となると考えられる.
本実施例では,連続メディア転送時にアプリケーションレベルQoS を時間的に連続な測定するとともに,QoS マッピングによりユーザレベルQoS の連続時間推定を行う.そして,推定した値をモニタ上にリアルタイムで出力する装置を説明する.なお,QoS マッピングは,[6] の方法により,予め求められた重回帰式を利用して行う。
以下では,表示装置の機能や仕様を説明し,次いで、実装環境について述べる.次にこの装置を用いて,評価対象と同時に表示した場合の推定結果を述べる。
表示装置の動作のフローチャートを図9, 図10に示す.まず,表示装置は初期化処理を行い,待ち状態になる.この状態で,データ表示開始の命令を受取ると,データの読込みを開始する.そして,一定間隔毎に,アプリケーションレベルQoS を測定する.得られた値よりユーザレベルQoS を推定し,モニタ上に表示する.
図11に,ユーザレベルQoS 推定値が一つの場合の表示画面を示す.横軸は時間[s] であり, 縦軸はユーザレベルQoS 推定値を示す。右上の数値と棒グラフは現在のユーザレベルQoS の推定値を示している.折れ線グラフの部分は,時間毎のユーザレベルQoS 推定値の変化を表わしている.指定した時間毎に新たな推定値が表示され,折れ線グラフは左に推移していく.また,閾値を決めることにより, それより推定値が下回った場合,色を変えて表示する.
図12に,ユーザレベルQoS 推定値が二つの場合の表示画面を示す。
右上にある二つの数値と棒グラフは, 現在の各ユーザレベルQoS 推定値を示している.
各数値と棒グラフ及び折れ線グラフは同じ色で表わされており,推定値の高い方のグラフで低い方との間を塗りつぶして表示している.
表示装置は動作モードによって,蓄積及びライブなど環境に合せた,ユーザレベルQoS の推定値及び実測値を求めることできる.動作モードには,ファイルモード,ファイルMP モード,NS モード, ライブメディアモード,UQoS ファイルモード,UQoSダイレクトモードの6種類がある.それらについて以下に述べる.
図13にファイルモードの動作の流れを示す。ファイルモードで起動すると,NS で出力されたタイムスタンプを受取り,図14のように“Click To Start” と表示し待ち状態になる,この状態でウィンドウをクリックまたはEnter キーを押すと,タイムスタンプの読込みを開始する.そして,一定時間毎のアプリケーションレベルQoS を求め,重回帰式によりユーザレベルQoS を推定し,その値を表示する。また,入力された音声・ビデオ両方の,最後のタイムスタンプを読み終えたときに推定を終了する。
図11に,ユーザレベルQoS 推定値が一つの場合の表示画面を示す.横軸は時間[s] であり, 縦軸はユーザレベルQoS 推定値を示す。右上の数値と棒グラフは現在のユーザレベルQoS の推定値を示している.折れ線グラフの部分は,時間毎のユーザレベルQoS 推定値の変化を表わしている.指定した時間毎に新たな推定値が表示され,折れ線グラフは左に推移していく.また,閾値を決めることにより, それより推定値が下回った場合,色を変えて表示する.
図12に,ユーザレベルQoS 推定値が二つの場合の表示画面を示す。
右上にある二つの数値と棒グラフは, 現在の各ユーザレベルQoS 推定値を示している.
各数値と棒グラフ及び折れ線グラフは同じ色で表わされており,推定値の高い方のグラフで低い方との間を塗りつぶして表示している.
表示装置は動作モードによって,蓄積及びライブなど環境に合せた,ユーザレベルQoS の推定値及び実測値を求めることできる.動作モードには,ファイルモード,ファイルMP モード,NS モード, ライブメディアモード,UQoS ファイルモード,UQoSダイレクトモードの6種類がある.それらについて以下に述べる.
図13にファイルモードの動作の流れを示す。ファイルモードで起動すると,NS で出力されたタイムスタンプを受取り,図14のように“Click To Start” と表示し待ち状態になる,この状態でウィンドウをクリックまたはEnter キーを押すと,タイムスタンプの読込みを開始する.そして,一定時間毎のアプリケーションレベルQoS を求め,重回帰式によりユーザレベルQoS を推定し,その値を表示する。また,入力された音声・ビデオ両方の,最後のタイムスタンプを読み終えたときに推定を終了する。
図15にファイルMP モードの動作の流れ示す。ファイルMP モードで起動すると,図16に示す待ち状態になる。この状態でFreeBSD-MediaPlayer を起動させるとメディアプレイヤーが参照しているタイムスタンプを読込む。音声・ビデオの再生開始と同時にユーザレベルQoS の推定を行い,その値を表示する。また,入力された音声・ビデオ両方の,最後のタイムスタンプを読み終えたときに推定を終了する。
図17にNSモードの動作の流れを示す。このモードで起動すると,NSの起動を待つ状態になる。この状態でNSを起動させると,出力データを直接受け取り,それよりアプリケーションレベルQoS を求める.得られた結果を用いて,重回帰式によりユーザレベルQoS の推定,表示を行う。
また,NS から受取った音声・ビデオ両方の,最後のタイムスタンプを読み終えたときに推定を終了する。
また,NS から受取った音声・ビデオ両方の,最後のタイムスタンプを読み終えたときに推定を終了する。
図18にライブメディアモードの動作の流れを示す。このモードで起動し,この状態でライブメディア転送プログラムを起動するとプログラムから各メディアの到着時刻及び出力時刻などの時刻情報を受け取り,アプリケーションレベルQoS を求める。その結果から,ユーザレベルQoS の推定,表示を行う。
また,ライブメディア転送プログラム終了時に,推定を終了する。
また,ライブメディア転送プログラム終了時に,推定を終了する。
図18にライブメディアモードの動作の流れを示す。このモードで起動し,この状態でライブメディア転送プログラムを起動するとプログラムから各メディアの到着時刻及び出力時刻などの時刻情報を受け取り,アプリケーションレベルQoS を求める.その結果から,ユーザレベルQoS の推定,表示を行う。
また,ライブメディア転送プログラム終了時に,推定を終了する。
また,ライブメディア転送プログラム終了時に,推定を終了する。
図19にUQoS ファイルモードの動作の流れを示す。UQoS ファイルモードで起動すると,ユーザレベルQoS の連続時間評価値を受取る。この状態でウィンドウをクリックまたはEnter キーを押すと,出力時刻に合わせてユーザレベルQoS の表示を行う。
また,最後の評価値を読み終えたときに推定を終了する。
また,最後の評価値を読み終えたときに推定を終了する。
図20にUQoS ダイレクトモードの動作の流れを示す。UQoS ダイレクトモードで起動すると, 主観評価値測定プログラム待ち状態になる。この状態でスライダー,5 段階評価等のユーザレベルQoS 連続時間評価を行うプログラムを起動させると,それに入力された評価値を受取り,一定時間毎の平均値を表示する。
また,ユーザレベルQoS 連続時間評価プログラムの終了時に,推定を終了する図9のフローチャートに示してある推定開始待ち状態のとき,F1 かF2 キーを押すことにより図21に示す重回帰式入力プログラムを起動する。F1 キーが一つ目のグラフのマッピングファイル,F2 キーが二つめのマッピングファイルに対応している.重回帰式入力プログラムの操作方法を表5に示す。
オプション
プログラム名uqosdisp
オプションの指定方法
uqosdisp [MODE] [OPTIONS]
[MODE]:モードを指定する.f : ファイルモード
m:
ファイルMP モード
n
:
NS モード
l
:
ライブメディアモード
u
:
UQoS ファイルモード
d
:
UQoS ダイレクトモード
モードを指定しない場合ファイルモードとして起動する。
[OPTIONS]
-outlog
:
ログを出力する.
-nooutlog
:
ログを出力しない.
-nowait
:
ファイルモード,NS モードまたはUQOS ファイルモードのとき表示時間
間隔を無視して高速でユーザレベルQoS の表示を行う。
-2 [mode]
:
推定値を二つ同時に表示する.[mode] は二つめのグラフの動作モー
ドを指定する.
f
:
一つ目のグラフのモードがファイルモード,ファイルMP モード,NS モード
またはライブメディアモードの時はそれと同じモードとなる.
また,一つ目のグラフがUQoS ダイレクトモードまたは
UQoS ファイルモードの時はファイルモードとなる.
u
:
UQoS ファイルモードを指定する.
d
:
UQoS ダイレクトモードを指定する。
-ig2end
:
二つ同時にグラフを出力する際,二つ目のグラフが終了しても推定を続ける.
-noig2end
:
二つ同時にグラフを出力する際,二つ目のグラフが終了したら推定を終了する.
-a [audio timestamp]
:
ファイルモードで起動する際に,参照する音声のタイムスタンプを指定する.
-v [video timestamp]
:
ファイルモードで起動する際に,参照するビデオのタイムスタンプを指定する.
-u [uqos timestamp]
:
UQoS ファイルモードで起動する際に,参照するUQoS 連続時間評価値のタイムスタンプを指定する.
-ft [flash time]
:
表示時間間隔(推定時間間隔)をミリ杪単位で指定する.
-x [xpoint]
:
ウィンドウの初期位置のX 座標を指定する.
-y [ypoint]
:
ウィンドウの初期位置のY 座標を指定する.
-w [window width]
:
ウィンドウの横のサイズを指定する.
-h [window height]
:
ウィンドウの縦のサイズを指定する.
-umax [display max val]
:
グラフ上の最大値を指定する.
-umin [display min val]
:
グラフ上の最小値を指定する.
-baduqos [border val]
:
ある値を下回った際にグラフの色を変化させる閾値を指定する.
-shift [shift size]
:
表示毎に動かす折れ線グラフの幅を指定する.
-m1 [mappingfile name]
:
一つ目のグラフに使用する.
重回帰式の係数が示してあるファイルを指定する.
-m2 [mappingfile name]
:
二つ目のグラフに使用する.
重回帰式の係数が示してあるファイルを指定する.
-cbg [background color]
:
背景色を指定する.※
-cbd [background color]
:グラフの基準線及びメッセージの色を指定する.※
-cg1 [graph1 color]
:
一つ目のグラフの色を指定する.※
-cg2 [graph2 color]
:
二つ目のグラフの色を指定する.※
-cbvg [badvalgraph color]
:
グラフが一つのとき,ユーザレベルQoS 推定値が閾値を下回った際に使用するグラフの表示色を指定する.※
※カラーオプションで使用可能な色には,red,red1-4,green,green1-4,blue,blue1-4, yallow,yallow1-4,cyan,cyan1-4,purple,purple1-4,orange,orenge1-4,brown,brown1-4,gold,gold1-4,pink,pink1-4,white,gray,black などがある.色の後の数値は輝度を表わしており,大きくなるほど暗い色になる。
ユーザレベルQoS 表示装置の実装環境を説明する.なお,開発言語にはC++を用い,コンパイラには,gcc version2.95.4 を用いた[14][15]。
蓄積メディアの再生には,FreeBSD-MediaPlayer を用いる.FreeBSD-MediaPlayer は,音声・ビデオをそれらのタイムスタンプと同時に読込み,タイムスタンプの出力時刻にそって音声・ビデオの再生を行うプログラムである.このタイムスタンプを作成するのにメディア転送プログラムを用いる。
プログラム名uqosdisp
オプションの指定方法
uqosdisp [MODE] [OPTIONS]
[MODE]:モードを指定する.f : ファイルモード
m:
ファイルMP モード
n
:
NS モード
l
:
ライブメディアモード
u
:
UQoS ファイルモード
d
:
UQoS ダイレクトモード
モードを指定しない場合ファイルモードとして起動する。
[OPTIONS]
-outlog
:
ログを出力する.
-nooutlog
:
ログを出力しない.
-nowait
:
ファイルモード,NS モードまたはUQOS ファイルモードのとき表示時間
間隔を無視して高速でユーザレベルQoS の表示を行う。
-2 [mode]
:
推定値を二つ同時に表示する.[mode] は二つめのグラフの動作モー
ドを指定する.
f
:
一つ目のグラフのモードがファイルモード,ファイルMP モード,NS モード
またはライブメディアモードの時はそれと同じモードとなる.
また,一つ目のグラフがUQoS ダイレクトモードまたは
UQoS ファイルモードの時はファイルモードとなる.
u
:
UQoS ファイルモードを指定する.
d
:
UQoS ダイレクトモードを指定する。
-ig2end
:
二つ同時にグラフを出力する際,二つ目のグラフが終了しても推定を続ける.
-noig2end
:
二つ同時にグラフを出力する際,二つ目のグラフが終了したら推定を終了する.
-a [audio timestamp]
:
ファイルモードで起動する際に,参照する音声のタイムスタンプを指定する.
-v [video timestamp]
:
ファイルモードで起動する際に,参照するビデオのタイムスタンプを指定する.
-u [uqos timestamp]
:
UQoS ファイルモードで起動する際に,参照するUQoS 連続時間評価値のタイムスタンプを指定する.
-ft [flash time]
:
表示時間間隔(推定時間間隔)をミリ杪単位で指定する.
-x [xpoint]
:
ウィンドウの初期位置のX 座標を指定する.
-y [ypoint]
:
ウィンドウの初期位置のY 座標を指定する.
-w [window width]
:
ウィンドウの横のサイズを指定する.
-h [window height]
:
ウィンドウの縦のサイズを指定する.
-umax [display max val]
:
グラフ上の最大値を指定する.
-umin [display min val]
:
グラフ上の最小値を指定する.
-baduqos [border val]
:
ある値を下回った際にグラフの色を変化させる閾値を指定する.
-shift [shift size]
:
表示毎に動かす折れ線グラフの幅を指定する.
-m1 [mappingfile name]
:
一つ目のグラフに使用する.
重回帰式の係数が示してあるファイルを指定する.
-m2 [mappingfile name]
:
二つ目のグラフに使用する.
重回帰式の係数が示してあるファイルを指定する.
-cbg [background color]
:
背景色を指定する.※
-cbd [background color]
:グラフの基準線及びメッセージの色を指定する.※
-cg1 [graph1 color]
:
一つ目のグラフの色を指定する.※
-cg2 [graph2 color]
:
二つ目のグラフの色を指定する.※
-cbvg [badvalgraph color]
:
グラフが一つのとき,ユーザレベルQoS 推定値が閾値を下回った際に使用するグラフの表示色を指定する.※
※カラーオプションで使用可能な色には,red,red1-4,green,green1-4,blue,blue1-4, yallow,yallow1-4,cyan,cyan1-4,purple,purple1-4,orange,orenge1-4,brown,brown1-4,gold,gold1-4,pink,pink1-4,white,gray,black などがある.色の後の数値は輝度を表わしており,大きくなるほど暗い色になる。
ユーザレベルQoS 表示装置の実装環境を説明する.なお,開発言語にはC++を用い,コンパイラには,gcc version2.95.4 を用いた[14][15]。
蓄積メディアの再生には,FreeBSD-MediaPlayer を用いる.FreeBSD-MediaPlayer は,音声・ビデオをそれらのタイムスタンプと同時に読込み,タイムスタンプの出力時刻にそって音声・ビデオの再生を行うプログラムである.このタイムスタンプを作成するのにメディア転送プログラムを用いる。
ライブメディア転送環境を図22に示す。端末間のネットワークシミュレータには,NISTNet[16] を用いた。これは,文献[3] の実験に使用された環境と同一のものである.サーバ側のPC で入力された音声・ビデオをクライアント側に転送し,リアルタイムに出力を行っている。なお, 表示装置はクライアント側で起動し,受信したタイムスタンプからユーザレベルQoS を推定する。
仕様に基づき完成したユーザレベルQoS 表示装置を用い測定を行った。図23に表示装置によるユーザレベルQoS の推定中の画像を示す。図24にその推定値と,音声,ビデオのMU 欠落率を示す。MU の欠落時に,推定値が低下するなど,概ね, 推定値の正しさを確認できた。
仕様に基づき完成したユーザレベルQoS 表示装置を用い測定を行った。図23に表示装置によるユーザレベルQoS の推定中の画像を示す。図24にその推定値と,音声,ビデオのMU 欠落率を示す。MU の欠落時に,推定値が低下するなど,概ね, 推定値の正しさを確認できた。
また,表示装置を用い,ユーザレベルQoS 推定値と同時に実測値を表示した.推定値と実測値を同時に表示した画像を図25に示す。これと同じユーザレベルQoS 推定値と実測値を図26に示す。この結果,推定値は実測値に追従していることが確認できた。さらに,どのシーンで推定誤差が大きくなるかも確認できた。
ライブメディアに対して測定を行った。NIST Netを用い遅延や遅延ゆらぎを発生させた場合と,発生させない場合でのユーザレベルQoS の推定をおこなった。その結果,大きな遅延や遅延ゆらぎを発生させた場合の推定値が低下するなど,概ね,正しさを確認できた。
Claims (4)
- パケット交換ネットワークにおいて距離尺度で表現されるユーザレベルQoS (QoS:Quality of Service) の連続時間推定値をリアルタイムで出力することを特徴とするマルチメデイア伝送品質表示装置。
- パケット交換ネットワーク上の音声・ビデオ転送のメディア同期品質を含むアプリケーションレベルQoS をリアルタイムに測定し,QoS マッピングによりユーザレベルQoS を推定することを特徴とする請求項1のマルチメデイア伝送品質表示装置。
- パケット交換ネットワーク上での音声・ビデオ転送時にメディア同期品質を含むアプリケーションレベルQoS を時間的に連続に測定するとともに,QoS マッピングによりユーザレベルQoS の連続時間推定を行い、推定した値をモニタ上にリアルタイムで出力することを特徴とするマルチメデイア伝送品質表示装置。
- パケット交換ネットワークにおける音声・ビデオ転送のメディア同期品質を含むアプリケーションレベルQoS をリアルタイムに測定し,QoS マッピングによりユーザレベルQoS を推定して,推定した値をモニタ上にリアルタイムに表示するシステムを備えることを特徴とするマルチメデイア伝送品質表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006035998A JP2006262453A (ja) | 2005-02-18 | 2006-02-14 | マルチメデイア伝送品質リアルタイム表示装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005042159 | 2005-02-18 | ||
JP2006035998A JP2006262453A (ja) | 2005-02-18 | 2006-02-14 | マルチメデイア伝送品質リアルタイム表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006262453A true JP2006262453A (ja) | 2006-09-28 |
Family
ID=37101115
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006035998A Pending JP2006262453A (ja) | 2005-02-18 | 2006-02-14 | マルチメデイア伝送品質リアルタイム表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006262453A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014533443A (ja) * | 2011-08-29 | 2014-12-11 | エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー | 推定されたQoEをアプリケーションごとに端末上に出力する方法 |
US9838892B2 (en) | 2011-12-22 | 2017-12-05 | Empire Technology Development Llc | Apparatus, mobile terminal, and method to estimate quality of experience of application |
-
2006
- 2006-02-14 JP JP2006035998A patent/JP2006262453A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014533443A (ja) * | 2011-08-29 | 2014-12-11 | エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー | 推定されたQoEをアプリケーションごとに端末上に出力する方法 |
US9413848B2 (en) | 2011-08-29 | 2016-08-09 | Empire Technology Development Llc | Method of outputting estimated QoEs on a terminal on an application basis |
US9667744B2 (en) | 2011-08-29 | 2017-05-30 | Empire Technology Development Llc | Method of outputting estimated QoEs on a terminal on an application basis |
US9838892B2 (en) | 2011-12-22 | 2017-12-05 | Empire Technology Development Llc | Apparatus, mobile terminal, and method to estimate quality of experience of application |
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