JP2006261106A - プラズマディスプレイ用部材およびその製造方法、プラズマディスプレイ用背面板の製造方法、プラズマディスプレイ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板上に少なくとも隔壁、および隔壁と垂直な方向に形成された補助隔壁とを有するプラズマディスプレイ用部材において、少なくとも基板縦方向の最上端および/または最下端の補助隔壁が、それと直交する隔壁高さより低く、その段差が4〜60μmであることを特徴とするプラズマディスプレイ用部材。
【選択図】図3
Description
このように隔壁構造が複雑化した理由の一つに、ストライプ状の隔壁構造の場合、画素間の放電の干渉が生じやすいことがあげられる。特に高精細化した場合には放電の干渉が顕著となり、前面板の放電ギャップを狭くする必要があるが、その場合には、画素の放電空間が狭くなるために、輝度が大幅に低下するという問題が生じる。この問題を解消するために、ストライプ状の隔壁と交差するような画素を仕切る補助隔壁を設けることにより格子状の隔壁構造とする方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
酸化ビスマス :10〜40質量%
酸化ケイ素 : 3〜50質量%
酸化ホウ素 :10〜40質量%
酸化バリウム : 8〜20質量%
酸化アルミニウム:10〜30質量%
また、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムのうち、少なくとも1種類を合計で3〜20質量%含むガラス微粒子を用いてもよい。アルカリ金属酸化物の添加量は、20質量%以下、好ましくは、15質量%以下にすることによって、ペーストの安定性を向上することができる。上記3種のアルカリ金属酸化物の内、酸化リチウムがペーストの安定性の点で、特に好ましい。リチウム系ガラス微粒子としては、例えば次に示す組成を含むガラス粉末を用いることが好ましい。
酸化リチウム : 2〜15質量%
酸化ケイ素 :15〜50質量%
酸化ホウ素 :15〜40質量%
酸化バリウム : 2〜15質量%
酸化アルミニウム: 6〜25質量%
また、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛のような金属酸化物と酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムのようなアルカリ金属酸化物の両方を含有するガラス微粒子を用いれば、より低いアルカリ金属酸化物含有量で、熱軟化温度や線膨脹係数を容易にコントロールすることができる。
(実施例1)
ガラス基板として、590×970mm、厚み2.8mmの42インチサイズのPD−200(旭硝子(株)製)を使用した。この基板上に、アドレス電極として、平均粒径2.0μmの銀粉末を70重量部、酸化ビスマスを69質量%、酸化珪素24質量%、酸化アルミニウム4質量%、酸化ホウ素3質量%の組成からなる体積平均粒子径2.2μmのガラス粉末を2重量部、アクリル酸、メチルメタクリレート、スチレンの共重合ポリマーを8重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート7重量部、ベンゾフェノン3重量部、ブチルカルビトールアクリレート7重量部、ベンジルアルコール3重量部からなる感光性銀ペーストを用いて、フォトリソグラフィー法により、ピッチ300μm、線幅100μm、焼成後厚み3μmのストライプ状電極を形成した。
ガラス粉末:Bi2O3/SiO2/Al2O3/ZnO/B2O3=82/5/3/5/3/2質量%からなる体積平均粒子径2μmのガラス粉末:67重量部
フィラー:平均粒径0.2μmの酸化チタン:3重量部
ポリマー:”サイクロマー”P(ACA250、ダイセル化学工業社製):10重量部
有機溶剤(1):ベンジルアルコール:4重量部
有機溶剤(2):ブチルカルビトールアセテート:3重量部
モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:8重量部
光重合開始剤:ベンゾフェノン:3重量部
酸化防止剤:1,6−ヘキサンジオール−ビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:1重量部
有機染料:ベージックブルー26:0.01重量部
チキソトロピー付与剤:N,N’−12−ヒドロキシステアリン酸ブチレンジアミン:0.5重量部
界面活性剤:ポリオキシエチレンセチルエーテル:0.49重量部。
ダミー補助隔壁を形成するための1回目の前記隔壁用感光性ペーストの塗布厚みを150μm、画像表示領域の補助隔壁及び隔壁を形成するための2回目の隔壁用感光性ペーストの塗布厚みを40μmとした以外は実施例1と同様にしてプラズマディスプレイ用部材を得た。
ダミー補助隔壁を形成するための1回目の前記隔壁用感光性ペーストの塗布厚みを180μmとしダミー補助隔壁形成領域に上下各3本のストライプパターンを有するフォトマスクを介して露光を行い、画像表示領域の補助隔壁及び隔壁を形成するための2回目の隔壁用感光性ペーストの塗布厚みを8μmとした以外は実施例1と同様にしてプラズマディスプレイ用部材を得た。
実施例1において誘電体層が形成された基板上に、隔壁用感光性ペーストを乾燥後厚みが190μmになるようにダイコーターにより塗布した後、クリーンオーブンにて100℃、40分乾燥を行い塗布膜を形成した。前記塗布膜において有効表示域(隔壁:0.3×3×1024=921.6mm、補助隔壁:0.68×768=522.4mm)内に、ピッチ0.3mm、線幅50μmの隔壁パターンと、ピッチ0.68mm、線幅50μmの補助隔壁パターンが配置され、かつ表示領域外の領域に上下5本ずつダミー補助隔壁パターンが配置された格子状パターンを有するフォトマスクを介して露光した。
実施例1において、ダミー補助隔壁を形成するための1回目の前記隔壁用感光性ペーストの塗布厚みを185μm、画像表示領域の補助隔壁及び隔壁を形成するための2回目の隔壁用感光性ペーストの塗布厚みを3μmとした以外は実施例1と同様にしてプラズマディスプレイ用部材を得た。
実施例1において、ダミー補助隔壁を形成するための1回目の前記隔壁用感光性ペーストの塗布厚みを89μm、画像表示領域の補助隔壁及び隔壁を形成するための2回目の隔壁用感光性ペーストの塗布厚みを97μmとした以外は実施例1と同様にしてプラズマディスプレイ用部材を得た。
実施例1において、2回目の露光に用いたフォトマスクを補助隔壁パターンが2本1組(線幅50μm、1組の補助隔壁間の間隔150μm、隣り合った画素の補助隔壁とのピッチ:0.68mm)である格子状のパターンが配置されたものに変更した以外は同一手法により隔壁及び補助隔壁、ダミー補助隔壁が形成されたプラズマディスプレイ用部材を得た(図5模式図参照)。
実施例2において、1回目の露光に用いたフォトマスクを補助隔壁パターンが有効表示域(0.68×768=522.24mm)では2本1組(線幅50μm、1組の補助隔壁間の間隔150μm、隣り合った画素の補助隔壁とのピッチ:0.68mm)であり、有効表示域より外側のダミー補助隔壁形成領域にピッチ0.68mm、線幅50μmのストライプパターンが上下5本ずつ配置されたものに変更し、2回目の露光に用いたフォトマスクをピッチ0.3μm、線幅50μmの隔壁パターンが配置されたものに変更した。それ以外は実施例2と同一手法により隔壁及び補助隔壁、ダミー補助隔壁が形成されたプラズマディスプレイ用部材を得た(図6模式図参照)。
次いで直径100μm、0.9mmピッチで1024個の穴が設置されたノズルを用意し、粘度が50,000cpに調整された赤(R)蛍光体ペーストを前記ノズル内に充填し、一定の圧力をかけ穴からペーストを吐出し、前記実施例及び比較例によって形成された基板の表示領域にあたる隔壁−隔壁間に基板の下側から塗布速度60mm/secでディスペンサー塗布をし、130℃、20分乾燥することでR蛍光体が形成された基板を得た。
2:補助隔壁
3:基板
R:画像表示領域
DB:ダミー補助隔壁形成領域
Claims (8)
- 基板上に少なくとも隔壁と、隔壁と垂直な方向に形成された補助隔壁とを有するプラズマディスプレイ用部材において、前記隔壁の長手方向を縦方向としたとき、少なくとも基板縦方向の最上端および/または最下端の補助隔壁の高さが、それと直交する隔壁の高さより低く、その高さの差が4〜60μmであることを特徴とするプラズマディスプレイ用部材。
- 前記直交する隔壁の高さより低い高さを有する補助隔壁を、基板縦方向の最上下端から各々1〜5本有することを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイ用部材。
- 前記補助隔壁が表示領域内においては2〜5本一組で前記縦方向に隣り合う表示セルを区切るように存在し、非表示領域においては略等間隔に存在することを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイ用部材。
- 前記プラズマディスプレイ用部材の、基板最下端の補助隔壁の高さが画像表示領域内に形成された補助隔壁の高さより低く、その高さの差が4〜60μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマディスプレイ用部材。
- 前記プラズマディスプレイ用部材の画像表示領域における隔壁と補助隔壁の高さの差が0〜30μmであることを特徴とする請求項4記載のプラズマディスプレイ用部材。
- 基板に感光性ペーストを塗布し、該感光性ペーストの塗布膜を露光することにより、隔壁パターンおよび補助隔壁パターンを形成することを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のプラズマディスプレイ用部材の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマディスプレイ用部材の隔壁間に、ディスペンサー法により蛍光体ペーストを塗布することによって蛍光体層を設けることを特徴とする、プラズマディスプレイ用背面板の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマディスプレイ用部材を用いることを特徴とするプラズマディスプレイ。
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