JP2006259616A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 画像の高画質化を図り、画像安定性を長期にわたり維持でき、特に感光体の寿命およびクリーニング性能寿命をのばし、長期にわたりディフェクトのない均一な画像形成が可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 クリーニング手段として、表面に備えられたブラシ毛を感光体の表面に接触させつつ回転するクリーニングブラシ701を少なくとも備え、クリーニングブラシの表面には、クリーニングブラシの回転方向に沿ってブラシ毛の太さが異なる領域を少なくとも2つA,B有するクリーニング装置を備えた画像形成装置。
【選択図】図3
【解決手段】 クリーニング手段として、表面に備えられたブラシ毛を感光体の表面に接触させつつ回転するクリーニングブラシ701を少なくとも備え、クリーニングブラシの表面には、クリーニングブラシの回転方向に沿ってブラシ毛の太さが異なる領域を少なくとも2つA,B有するクリーニング装置を備えた画像形成装置。
【選択図】図3
Description
本発明は、画像形成装置に関する。
近年、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段を有する、いわゆるゼログラフィー方式の画像形成装置は、各部材、システムの技術進展により一層の高速化、ロングライフ化が図られている。これに伴い、各サブシステムの高速対応性、高信頼性に対する要求が従来に増して高くなっている。特に、画像書き込みに使用される感光体や、感光体をクリーニングするクリーナーは、摺動によるストレスを多く受け、傷、磨耗、欠けなどによる画像欠陥を生じやすく、高速対応性、高信頼性に対する要求が一層強い。
感光体をクリーニングするクリーニング手段としては、ファーブラシ、磁気ブラシ等を使用する方法や弾性クリーニングブレードを使用する方法等各種の方法が使用されているが、クリーニングブレードにて感光体を摺擦してトナーを掻き落とす手段が簡便で安価なことより一般的に使用されている。本来弾性ブレードと感光体の2体間の摩擦抵抗は大きく、それだけでは弾性ブレードを滑らせることは出来ないが、トナーに添加しているシリカ等の微粒子がトナーから遊離し弾性ブレードと感光体との間に介在することにより潤滑を担っていると考えられる。
しかし微粒子の介在は採取される画像によって変動したり非画像形成サイクルでは供給されない為潤滑成分の介在が不安定となり、特には摩擦力の増加する高温高湿条件下での使用や交番電界を印可する接触帯電ロール等の接触帯電器を使った場合など局所的に弾性ブレードと感光体との摩擦が大きくなる場合がある。その摩擦の上昇に起因しブレードのビビリやクリーニングエッジの欠けや摩耗などのダメージが生じ、本来クリーニングしなければならないトナー、トナー成分、放電生成物の除去性能が低下し、長期に渡って安定したクリーニング性能を維持することができなくなる。また摩擦の上昇によりクリーニングブレードによる摺擦が激しくなることで感光体の表面に傷が生じたり、摩耗が加速される場合もある。
しかし微粒子の介在は採取される画像によって変動したり非画像形成サイクルでは供給されない為潤滑成分の介在が不安定となり、特には摩擦力の増加する高温高湿条件下での使用や交番電界を印可する接触帯電ロール等の接触帯電器を使った場合など局所的に弾性ブレードと感光体との摩擦が大きくなる場合がある。その摩擦の上昇に起因しブレードのビビリやクリーニングエッジの欠けや摩耗などのダメージが生じ、本来クリーニングしなければならないトナー、トナー成分、放電生成物の除去性能が低下し、長期に渡って安定したクリーニング性能を維持することができなくなる。また摩擦の上昇によりクリーニングブレードによる摺擦が激しくなることで感光体の表面に傷が生じたり、摩耗が加速される場合もある。
近年、この種の画像形成装置において高画質化が進み、その高画質化のための一つの手段として、重合法を使用し、トナーの小径化、球形状化、粒度分布の狭化が進められるようになってきている。トナーの小径化、粒度分布狭化により、感光体上に形成されたドットの再現性を向上させることができ、球形化することで現像性、転写性を向上させることができる。
しかし、粒度分布が狭く球形に近いトナーは従来の不定形粉砕トナーより流動性が良いためブレードのクリーニングエッジでのトナーの滞留性が悪くブレードの潤滑を安定に確保することは更に困難である。また球形状トナーのブレードクリーニングは困難であり、特に前記ブレードのダメージや感光体の傷が悪化すると従来の不定形粉砕トナーと比較して顕著にクリーニング性能の悪化が表れる。このクリーニング不良が原因となりクリーニングブレード/感光体を含むプロセスカートリッジ等の長寿命化が困難なのが実情である。
しかし、粒度分布が狭く球形に近いトナーは従来の不定形粉砕トナーより流動性が良いためブレードのクリーニングエッジでのトナーの滞留性が悪くブレードの潤滑を安定に確保することは更に困難である。また球形状トナーのブレードクリーニングは困難であり、特に前記ブレードのダメージや感光体の傷が悪化すると従来の不定形粉砕トナーと比較して顕著にクリーニング性能の悪化が表れる。このクリーニング不良が原因となりクリーニングブレード/感光体を含むプロセスカートリッジ等の長寿命化が困難なのが実情である。
一方ファーブラシを用いる場合ブレードクリーナーで発生する欠け等による突発的な故障がなく長寿命や信頼性向上が望めるため高速システムで採用されている。しかしながら通常用いられる有機感光体に適用した場合ブラシによる感光体傷やフィルミングが発生しやすく必ずしも十分な長寿命化が得られていないのが現状である。
これらの課題に対して感光体の耐摩耗性を向上する目的で、アモルファスシリコン感光体や有機感光体の最表層に耐摩耗性の高い保護層を形成し、感光体の寿命を延ばす提案がなされている。例えば、架橋構造を有しかつ、電荷輸送能を有する構造単位をもつ樹脂を用いた感光体が長寿命感光体として提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
これらの感光体は従来のものに対し熱的、機械的強度に圧倒的に優れ、従って表面層の摩耗等による劣化を著しく減少させることができ、長寿命化が図れることを見出した。しかしながら、これら耐摩耗性の高い感光体は、強度が高く、磨耗しにくいが故に特に感光体帯電時に付着する放電生成物が感光体表面より除去されにくく、放電生成物の吸湿などによる画像流れを生じやすいという問題があった。
これらの感光体は従来のものに対し熱的、機械的強度に圧倒的に優れ、従って表面層の摩耗等による劣化を著しく減少させることができ、長寿命化が図れることを見出した。しかしながら、これら耐摩耗性の高い感光体は、強度が高く、磨耗しにくいが故に特に感光体帯電時に付着する放電生成物が感光体表面より除去されにくく、放電生成物の吸湿などによる画像流れを生じやすいという問題があった。
これらの課題に対して、架橋構造を有するシロキサン系樹脂を用いた感光体での放電生成物の吸湿などによる画像流れに対し、感光体をヒーターなどで暖めることが提案されている(例えば、特許文献2又は3参照。)。
感光体をヒーターなどで暖めることで吸湿した水分を除去し、画像流れを効果的に防止することが可能である。しかしながらこの方法では画像形成装置が必要とする消費電力が増大したり、また感光体内部にヒーターの配置やヒーターへの給電機構が必要になるなど、装置が複雑化したりコストが高い物になってしまうといった課題が残っている。
特許3264218号公報
特開2000−241998号公報
特開2002−91269号公報
感光体をヒーターなどで暖めることで吸湿した水分を除去し、画像流れを効果的に防止することが可能である。しかしながらこの方法では画像形成装置が必要とする消費電力が増大したり、また感光体内部にヒーターの配置やヒーターへの給電機構が必要になるなど、装置が複雑化したりコストが高い物になってしまうといった課題が残っている。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、画像の高画質化を図り、画像安定性を長期にわたり維持でき、特に感光体の寿命およびクリーニング性能寿命をのばし、長期にわたりディフェクトのない均一な画像形成が可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、
<1> 感光体と、前記感光体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電した前記感光体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記感光体の表面に形成された潜像を少なくともトナーを含有する現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記感光体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記被転写体に転写されたトナー像を定着する定着手段と、転写後の前記感光体の表面の残留トナーを除去するクリーニング手段と、を少なくとも具備した画像形成装置であって、前記感光体の最表面層が保護層であり、前記クリーニング手段は、表面に備えられたブラシ毛を前記感光体の表面に接触させつつ回転するクリーニングブラシを少なくとも備え、前記クリーニングブラシの表面には、前記クリーニングブラシの回転方向に沿って前記ブラシ毛の太さが異なる領域を少なくとも2つ有する、画像形成装置である。
<1> 感光体と、前記感光体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電した前記感光体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記感光体の表面に形成された潜像を少なくともトナーを含有する現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記感光体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記被転写体に転写されたトナー像を定着する定着手段と、転写後の前記感光体の表面の残留トナーを除去するクリーニング手段と、を少なくとも具備した画像形成装置であって、前記感光体の最表面層が保護層であり、前記クリーニング手段は、表面に備えられたブラシ毛を前記感光体の表面に接触させつつ回転するクリーニングブラシを少なくとも備え、前記クリーニングブラシの表面には、前記クリーニングブラシの回転方向に沿って前記ブラシ毛の太さが異なる領域を少なくとも2つ有する、画像形成装置である。
<2> 前記ブラシ毛が、ナイロン、アクリル、ポリオレフィンおよびポリエステルから選ばれる少なくとも一種である<1>に記載の画像形成装置である。
<3> 前記ブラシ毛が導電性繊維であり、前記感光体と前記クリーニングブラシとの間に所定電圧を印加する印加手段をさらに備えた<1>又は<2>に記載の画像形成装置である。
<4> 前記保護層が、電荷輸送能を有する構造単位を含み、架橋構造を有する樹脂を含有する<1>乃至<3>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
<5> 前記電荷輸送能を有する構造単位を含み、架橋構造を有する樹脂を構成する電荷輸送能を有する構造単位が、架橋構造を有する樹脂としてメチロール基を有するフェノール誘導体またはシロキサン系樹脂と、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料と、を含有する<4>に記載の画像形成装置である。
本発明によれば、画像の高画質化を図り、画像安定性を長期にわたり維持でき、特に感光体の寿命およびクリーニング性能寿命をのばし、長期にわたりディフェクトのない均一な画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の画像形成装置を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態に係る概略構成図である。本発明の画像形成装置は、感光体1と、感光体1を一様に帯電させる帯電手段である帯電装置2と、帯電装置2により帯電された感光体1を露光して潜像を形成する潜像形成手段である露光装置3と、露光装置3により形成された潜像を少なくともトナーを含有する現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段である現像装置4と、現像装置4により形成されたトナー像を被転写体Pに転写する転写手段である転写装置5と、被転写体Pに転写されたトナー像を熱および/または圧力等により定着する定着装置6と、転写後の感光体1表面の残留トナーを本発明に係るクリーニングブラシにより除去するクリーニング手段であるクリーニング装置7と、を備える。
感光体1の最表面層は後述する保護層であり、これにより耐摩耗性に優れる感光体を得ることができる。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態に係る概略構成図である。本発明の画像形成装置は、感光体1と、感光体1を一様に帯電させる帯電手段である帯電装置2と、帯電装置2により帯電された感光体1を露光して潜像を形成する潜像形成手段である露光装置3と、露光装置3により形成された潜像を少なくともトナーを含有する現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段である現像装置4と、現像装置4により形成されたトナー像を被転写体Pに転写する転写手段である転写装置5と、被転写体Pに転写されたトナー像を熱および/または圧力等により定着する定着装置6と、転写後の感光体1表面の残留トナーを本発明に係るクリーニングブラシにより除去するクリーニング手段であるクリーニング装置7と、を備える。
感光体1の最表面層は後述する保護層であり、これにより耐摩耗性に優れる感光体を得ることができる。
図2は、クリーニング装置7の概略構成図を示す。図2に示すクリーニング装置7はカートリッジ方式のもので、2つのクリーニングユニットを備えるものである。すなわち、図2中、ハウジング700内には、クリーニングブラシ701a、回収ロール部材702a及びスクレーパー703aからなる第1のクリーニングユニットと、クリーニングブラシ701b、回収ロール部材702b及びスクレーパー703bからなる第2のクリーニングユニットが収容されている。ハウジング700の感光体1に近い側は開口しており、その開口部においてクリーニングブラシ701a、701bの外周面(ブラシ先端で形成される面)がそれぞれ感光体1の外周面に当接している。
クリーニングブラシ701の表面には、クリーニングブラシ701の回転方向に沿ってブラシ毛の太さが異なる領域が少なくとも2つ存在する。クリーニングブラシ701の表面をこのような構成とすることにより、感光体1の表面の残留トナーのクリーニングと放電生成物のかき取りとを両立することができる。
図3(A)乃至(C)は、クリーニングブラシ701を示す模式図である。クリーニングブラシ701の表面には、ブラシ毛の太さが異なる領域A(ブラシ毛の細い領域)及び領域B(ブラシ毛が太い領域)がクリーニングブラシ701の回転方向Zに沿って2つ存在する。領域A及び領域Bの形状は特に限定されるものではなく、例えば、正方形(図3(A))、帯状(図3(B))又はらせん状(図3(C))等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
図3(A)乃至(C)は、クリーニングブラシ701を示す模式図である。クリーニングブラシ701の表面には、ブラシ毛の太さが異なる領域A(ブラシ毛の細い領域)及び領域B(ブラシ毛が太い領域)がクリーニングブラシ701の回転方向Zに沿って2つ存在する。領域A及び領域Bの形状は特に限定されるものではなく、例えば、正方形(図3(A))、帯状(図3(B))又はらせん状(図3(C))等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
ブラシ毛の素材としては、ナイロン、アクリル、ポリオレフィンおよびポリエステルから選ばれる少なくとも一種を用いることにより、長期使用の下、ブラシ毛倒れやへたりが少なく、長期にわたるクリーニング性能の維持が達成できるため好ましい。ブラシ毛の素材はナイロン、ポリエステルがさらに好ましく、ナイロンが特に好ましい。
太いブラシ毛と細いブラシ毛とを組み合わせる場合、4〜15デニールの太いブラシ毛と0.5〜4デニールの細いブラシ毛の組み合わせが好ましく、4〜8デニールの太いブラシ毛と1〜3デニールの細いブラシ毛の組み合わせがさらに好ましく、4〜6デニールの太いブラシ毛と1〜2デニールの細いブラシ毛の組み合わせが特に好ましい。
また、ブラシ毛の密度は、好ましくは20,000本/inch2以上、より好ましくは60,000本/inch2以上である。
太いブラシ毛と細いブラシ毛とを組み合わせる場合、4〜15デニールの太いブラシ毛と0.5〜4デニールの細いブラシ毛の組み合わせが好ましく、4〜8デニールの太いブラシ毛と1〜3デニールの細いブラシ毛の組み合わせがさらに好ましく、4〜6デニールの太いブラシ毛と1〜2デニールの細いブラシ毛の組み合わせが特に好ましい。
また、ブラシ毛の密度は、好ましくは20,000本/inch2以上、より好ましくは60,000本/inch2以上である。
ブラシ毛の具体例としては、導電性のナイロンとしてベルトロン(カネボウ社製)、SA−7(東レ社製)、UUナイロン(ユニチカ社製)等の市販品を使用することができる。これらのブラシ毛(繊維)を用いてシャフトに交互に貼り付けてクリーニングブラシを作製することができる。
本発明に係るクリーニングブラシには、ブラシ毛の太さが異なる3種類以上の領域を設けることもできる。この場合、クリーニングブラシの表面には、クリーニングブラシの回転方向に沿ってブラシ毛の太さが異なる3種類以上の領域全てを有するようにすればよい。
本発明に係るクリーニングブラシの作用機構は必ずしも明らかではないが図3(C)を用いて説明する。図3(C)においては領域A(ブラシ毛の細い領域)及び領域B(ブラシ毛が太い領域)が交互にらせん状に構成されている。通常ブラシの繊維径を大きくすることで感光体に対する機械力を強めトナーや放電生成物かき取り性は向上する一方で擦りつけ力も大きくなりトナー成分等のフィルミングが発生する。そのため、単一太さのブラシ毛を備えたブラシで残留トナーのクリーニングと放電生成物のかき取りとを両立させることは極めて困難である。
本発明では領域A(ブラシ毛の細い領域;低先端力)でトナー、トナー成分および放電生成物の一部を除去し、領域B(ブラシ毛の太い領域;高先端力)で強固に付着した放電生成物を除去することが可能である。領域Bは常時感光体に接触しないことで感光体の傷発生も抑制できる。
細いブラシ毛のみから構成されるブラシと太いブラシ毛のみから構成されるブラシとを2本用いることもできるが、その場合太いブラシ毛のみから構成されるブラシを感光体から離間させる離間機構が必要のなることやスペースが大きくなるといった不具合がある。
本発明では領域A(ブラシ毛の細い領域;低先端力)でトナー、トナー成分および放電生成物の一部を除去し、領域B(ブラシ毛の太い領域;高先端力)で強固に付着した放電生成物を除去することが可能である。領域Bは常時感光体に接触しないことで感光体の傷発生も抑制できる。
細いブラシ毛のみから構成されるブラシと太いブラシ毛のみから構成されるブラシとを2本用いることもできるが、その場合太いブラシ毛のみから構成されるブラシを感光体から離間させる離間機構が必要のなることやスペースが大きくなるといった不具合がある。
クリーニングブラシ701a(又は701b)は、シャフト704a(又は704b)外周面上に、その中心から外周面方向に複数の繊維を配してロール状としたものである。シャフト704a、704bはそれぞれ感光体1との接線に平行に配置されており、クリーニングブラシ701a、701bはシャフト704a、704bを中心として回転可能である。また、シャフト704a、704bのそれぞれと感光体1との距離は、クリーニングブラシ701a、701bのブラシ先端の感光体1に対する食い込み量が所定の値(好ましくは0.3〜2.0mm、より好ましくは0.5〜1.8mm)となるように設定されている。
回収ロール部材702a、702bは、熱硬化性樹脂を硬化させてロール状に成型し、シャフト705a、705bの外周に配したものである。回収ロール部材702a(又は702b)は、その外周面がクリーニングブラシ701a(又は701b)のブラシ先端に当接している。また、シャフト705a(又は705b)はシャフト704a(又は704b)に平行に配置されており、回収ロール部材702a(又は702b)はシャフト705a(又は705b)を回転軸として回転可能となっている。
回収ロール部材702a、702bに用いられる熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。中でもフェノール樹脂は、寸法精度が高い、成型が容易である、成形体の表面平滑性に優れる、安価である等の利点を有するので好ましい。
回収ロール部材702a、702bの曲げ弾性率は700kPa以上であることが好ましい。曲げ弾性率が700kPa未満であると、回収ロール部材に撓みが生じてブラシ部材やブレード部材との当接位置や食い込み量を所定値に保持することが困難となる。また、曲げ弾性率が700kPa未満の材料を用いて回収ロール部材の肉厚を増加させて剛性を保持しようとすると、成形収縮が大きくなって寸法精度が不十分となり、さらには、質量が増加する、成形時間が増加する、後工程が必要となる等の問題が生じてコストが増大する。なお、ここでいう曲げ弾性率は、JIS K7203に準拠して測定される値をいう
回収ロール部材702a、702bの曲げ弾性率は700kPa以上であることが好ましい。曲げ弾性率が700kPa未満であると、回収ロール部材に撓みが生じてブラシ部材やブレード部材との当接位置や食い込み量を所定値に保持することが困難となる。また、曲げ弾性率が700kPa未満の材料を用いて回収ロール部材の肉厚を増加させて剛性を保持しようとすると、成形収縮が大きくなって寸法精度が不十分となり、さらには、質量が増加する、成形時間が増加する、後工程が必要となる等の問題が生じてコストが増大する。なお、ここでいう曲げ弾性率は、JIS K7203に準拠して測定される値をいう
また、回収ロール部材702a、702bはそれぞれクリーニングブラシ701a、701b及びスクレーパー(ブレード部材)703a、703bと接触状態にあるため、その動作により回収ロール部材702a、702bの外周面は磨耗し得る。本発明では、回収ロール部材の外周面についてJIS K6902に準拠して磨耗量を測定したとき、当該磨耗量が20mg以下であることが好ましい。これにより、ブラシ部材及びブレード部材の当接圧や食い込み量を大きな値に設定することができ、また、その場合にも長期にわたって安定的なクリーニングを行うことができる。なお、磨耗量が20mgを超えると、回収ロール部材の寿命が不十分となって頻繁な交換が必要となる。
また、回収ロール部材702a、702bのロックウェル硬さ(Mスケール)は100以上であることが好ましい。ロックウェル硬さが100以上であると、寸法精度の高い成形が可能となり、また、削れに対して非常に強いロール部材となる。なお、ここでいうロックウェル硬さとは、JIS K7202に準拠して測定される値をいう。
スクレーパー703a、703bは金属薄板からなるもので、その一端のエッジ部分が回収ロール部材702a、702bの外周面に当接するように配置されている。スクレーパー703a、703bの他端はそれぞれハウジング700に固定されるが、それらの固定方法は特に制限されず、スクレーパー703aのように取り付け金具706を用いて固定してもよく、スクレーパー703bのようにハウジング700に直接固定してもよい。
スクレーパー703a、703bの材質としては、高耐久性及び低コストの点から、ステンレス又はリン青銅が好ましい。スクレーパー703a、703bの厚みは、好ましくは0.02〜2mm、より好ましくは0.05〜1mmである。なお、スクレーパーの代わりにブレード部材を用いてもよい。
上記構成を有するクリーニング装置7においては、先ず、転写工程後の感光体1上に残存するトナー(残存トナー)がクリーニングブラシ701a、701bにより除去される。次に、クリーニングブラシ701a、701bの回転により回収ロール部材702a、702bとの当接位置まで残存トナーが移送されて回収される。これにより、クリーニングブラシ701a、701bのブラシ先端は再生され、感光体1のクリーニングに繰り返し使用される。回収ロール部材702a、702bに付着した残存トナーは、回収ロール部材702a、702bの回転によりスクレーパー703a、703bとの当接位置まで移送され、スクレーパー703a、703bにより除去される。これにより、回収ロール部材702a、702bの表面も再生され、クリーニングブラシのブラシ先端の再生に繰り返し使用される。
ここで、効率的にトナーや紙粉等の微粉末を静電的に吸着移動させるためには、クリーニングブラシ701a(又は701b)と回収ロール部材702a(又は702b)との間に電位差のあるクリーニングバイアスを印加する機構とすることが好ましい。より具体的には、クリーニングブラシ701a(又は701b)に所定の電圧を印加することで、その静電誘因力により感光体1上の残存トナーをクリーニングブラシ701a(又は701b)に付着させることができる。そして、回収ロール部材702a(又は702b)にクリーニングブラシ701a(又は701b)への印加電圧よりも絶対値が大きく且つ極性が同じ電圧を印加することで、クリーニングブラシ701a(又は701b)に付着した残存トナーを回収ロール部材702a(又は702b)に付着させることができる。クリーニングブラシと回収ロール部材との電位差(絶対値)は、好ましくは100V以上、より好ましくは200V以上、さらに好ましくは650Vである。
クリーニングブラシ701a、701bに電圧を印加する場合、クリーニングブラシのブラシ毛に導電性を付与する方法としては、ブラシ毛に導電性粉末やイオン導電材を配合する方法、ブラシ毛の内部又は外部に導電層を形成する方法等が挙げられる。また、導電性が付与されたブラシ毛の抵抗値は、繊維単体で102〜109Ω・cmが好ましい
また、回収ロール部材702a、702bの電気抵抗を調整する方法としては、無機フィラー及び/又は有機フィラーを充填する方法等が挙げられる。無機フィラーや有機フィラーを回収ロール部材に充填すると、回収ロール部材の剛性が増加するという利点もある。無機フィラーとしては、錫、鉄、銅、アルミ等の金属粉体や金属繊維、ガラス繊維、磁性粉、酸化亜鉛、酸化すず、酸化チタン等の金属酸化物、硫化銅、硫化亜鉛等の金属硫化物、ストロンチウム、バリウム、希土類等の所謂ハードフェライト、マグネタイト、銅、亜鉛、ニッケル及びマンガン等のフェライト、またはこれらの表面を必要に応じ導電処理したもの、銅、鉄、マンガン、ニッケル、亜鉛、コバルト、バリウム、アルミニウム、錫、リチウム、マグネシウム、シリコン、リン等の異なる金属元素を含んだ酸化物、水酸化物、炭酸塩又は金属化合物等から選ばれ高温中で焼成して得られる金属酸化物の固溶体、所謂複合金属酸化物等が挙げられる。有機フィラーとしては、カーボンブラック、炭素粉、グラファイトやポリアニリンが挙げられる。
また、回収ロール部材702a、702bの電気抵抗を調整する方法としては、無機フィラー及び/又は有機フィラーを充填する方法等が挙げられる。無機フィラーや有機フィラーを回収ロール部材に充填すると、回収ロール部材の剛性が増加するという利点もある。無機フィラーとしては、錫、鉄、銅、アルミ等の金属粉体や金属繊維、ガラス繊維、磁性粉、酸化亜鉛、酸化すず、酸化チタン等の金属酸化物、硫化銅、硫化亜鉛等の金属硫化物、ストロンチウム、バリウム、希土類等の所謂ハードフェライト、マグネタイト、銅、亜鉛、ニッケル及びマンガン等のフェライト、またはこれらの表面を必要に応じ導電処理したもの、銅、鉄、マンガン、ニッケル、亜鉛、コバルト、バリウム、アルミニウム、錫、リチウム、マグネシウム、シリコン、リン等の異なる金属元素を含んだ酸化物、水酸化物、炭酸塩又は金属化合物等から選ばれ高温中で焼成して得られる金属酸化物の固溶体、所謂複合金属酸化物等が挙げられる。有機フィラーとしては、カーボンブラック、炭素粉、グラファイトやポリアニリンが挙げられる。
回収ロール部材702a、702bに500Vの電圧を印加したときの抵抗値は、好ましくは1×105〜1×1010Ω・cm、より好ましくは1×106〜1×108Ω・cmである。抵抗値が1×105Ω・cm未満の場合、回収ロール部材への電荷注入が起こり、クリーニングブラシが掻き取ったトナーや紙粉等の微粉末の極性が反転するため、これらを電気的に吸着することが困難となる。他方、回収ロール部材の電気抵抗が1×1010Ω・cmを超えると、回収ロール部材に電荷が蓄積される現象(チャージアップ)が起こりやすくなり、この場合もトナーや紙粉等の微粉末の電気的な吸着が困難となる。
なお、図2に示したクリーニング装置はクリーニングブラシ、回収ロール部材及びスクレーパーからなるクリーニングユニットを2個備えるものであるが、本発明においては、かかるクリーニングユニットの個数は特に制限されず、例えば1個のクリーニングユニット備えるクリーニング装置を用いてもよい。しかし、図2に示したクリーニング装置7のようにクリーニングユニットを複数有するものは以下の利点を有する。
すなわち、転写工程後の感光体1上に残存するトナー(残存トナー)の極性は、転写電界の影響によりばらつきやすい。すなわち、残存トナーの大半は正極(もとの帯電極性)のままで存在するが、その一部は逆極に反転する場合がある。このような場合、クリーニングブラシ701a、回収ロール部材702a、スクレーパー703aからなるクリーニングユニットと、クリーニングブラシ701b、回収ロール部材702b、スクレーパー703bからなるクリーニングユニットとのそれぞれを異なる極性に帯電させ、一方を正極の残存トナー用、他方を逆極に反転した残存トナー用として使用することで、正極の残存トナー及び逆極の残存トナーの双方を効率的に除去することができる。より具体的には、先ず、第2のクリーニングユニットにおいて、クリーニングブラシ701bと回収ロール702bとにトナーと異なる極性のクリーニングバイアスを印加して、残存トナーの大半を占める正極トナーを静電的に吸着移動させる。次に第1のクリーニングユニットにおいて、クリーニングブラシ701aと回収ロール702aとにトナーと同極性のクリーニングバイアスを印加する事で、逆極性に反転したトナーを静電的に吸着移動させることが有効である。
すなわち、転写工程後の感光体1上に残存するトナー(残存トナー)の極性は、転写電界の影響によりばらつきやすい。すなわち、残存トナーの大半は正極(もとの帯電極性)のままで存在するが、その一部は逆極に反転する場合がある。このような場合、クリーニングブラシ701a、回収ロール部材702a、スクレーパー703aからなるクリーニングユニットと、クリーニングブラシ701b、回収ロール部材702b、スクレーパー703bからなるクリーニングユニットとのそれぞれを異なる極性に帯電させ、一方を正極の残存トナー用、他方を逆極に反転した残存トナー用として使用することで、正極の残存トナー及び逆極の残存トナーの双方を効率的に除去することができる。より具体的には、先ず、第2のクリーニングユニットにおいて、クリーニングブラシ701bと回収ロール702bとにトナーと異なる極性のクリーニングバイアスを印加して、残存トナーの大半を占める正極トナーを静電的に吸着移動させる。次に第1のクリーニングユニットにおいて、クリーニングブラシ701aと回収ロール702aとにトナーと同極性のクリーニングバイアスを印加する事で、逆極性に反転したトナーを静電的に吸着移動させることが有効である。
また、本発明の画像形成装置においてはクリーニングブラシのブラシ毛として導電性繊維を用い、感光体1とクリーニングブラシ701との間に所定電圧を印加する印加手段をさらに備えることが好ましい。該印加手段により感光体1とクリーニングブラシ701との間に電位差を設けることにより、導電ブラシの抵抗を調整することでブラシと感光体との間に安定に所望電界を形成させることができるのでトナークリーニング性の信頼性が向上する。
次に、図1に係る画像形成装置におけるクリーニング装置以外の構成部材について説明する。
帯電装置2を用いることにより感光体1が帯電されるが、帯電手段としてはコロトロン、スコロトロンなどの非接触方式の帯電器、及び、感光体表面に接触させた導電性部材に電圧を印加することにより、感光体を帯電させる接触方式の帯電器が挙げられ、いかなる方式の帯電器でもよい。しかし、オゾンの発生量が少なく、環境に優しく、かつ耐刷性に優れるという効果を発揮するという観点から、接触帯電方式の帯電装置が好ましい。
前記接触帯電方式の帯電装置においては、導電性部材の形状はブラシ状、ブレード状、ピン電極状、ローラー状等の何れでもよく制限を受けるものではない。
帯電装置2を用いることにより感光体1が帯電されるが、帯電手段としてはコロトロン、スコロトロンなどの非接触方式の帯電器、及び、感光体表面に接触させた導電性部材に電圧を印加することにより、感光体を帯電させる接触方式の帯電器が挙げられ、いかなる方式の帯電器でもよい。しかし、オゾンの発生量が少なく、環境に優しく、かつ耐刷性に優れるという効果を発揮するという観点から、接触帯電方式の帯電装置が好ましい。
前記接触帯電方式の帯電装置においては、導電性部材の形状はブラシ状、ブレード状、ピン電極状、ローラー状等の何れでもよく制限を受けるものではない。
帯電した感光体1の表面に露光装置3を用いて潜像が形成される。露光装置3としては、例えば、レーザー光学系やLEDアレイ等が用いられる。
感光体1の表面に形成された潜像は、少なくともトナーを含有する現像剤により現像されてトナー像が形成される。例えば、現像剤層を表面に形成させた現像剤担持体を感光体1に接触若しくは近接させて、感光体1の表面の潜像にトナーを付着させてトナー画像が形成される。
現像装置4としては、既知の装置を用いることができるが、二成分現像剤を用いる現像装置としては、例えば、カスケード方式、磁気ブラシ方式などの現像装置を挙げることができる。
現像装置4としては、既知の装置を用いることができるが、二成分現像剤を用いる現像装置としては、例えば、カスケード方式、磁気ブラシ方式などの現像装置を挙げることができる。
感光体1の表面に形成されたトナー像は転写装置5により被転写体Pに転写される。感光体1からのトナー像を被転写体Pに転写する転写装置5としては、コロトロンが利用できる。コロトロンは被転写体Pを均一に帯電する手段としては有効であるが、被転写体Pに所定の電荷を与えるために、数kVという高圧を印加しなければならず、高圧電源を必要とする。また、コロナ放電によってオゾンが発生するため、ゴム部品や感光体1の劣化を引き起こすことがあるので、弾性材料からなる導電性の転写ロールを感光体1に圧接して、用紙にトナー画像を転写する接触転写方式が好ましいが、本発明の画像形成方法においては、転写装置に関し特に制限を受けるものではない。
被転写体Pに転写されたトナー像は、定着装置6により定着される。定着装置6としては、ヒートロールを用いる加熱定着装置が好ましく用いられる。加熱定着装置は、円筒状芯金の内部に加熱用のヒータランプを備え、その外周面に耐熱性樹脂被膜層あるいは耐熱性ゴム被膜層により、いわゆる離型層を形成した定着ローラと、この定着ローラに対し圧接して配置され、円筒状芯金の外周面あるいはベルト状基材表面に耐熱弾性体層を形成した加圧ローラあるいは加圧ベルトと、で構成される。未定着トナー像の定着プロセスでは、定着ローラと加圧ローラあるいは加圧ベルトとの間に未定着トナー画像が形成された被転写体を挿通させて、トナー中の結着樹脂、添加剤等の熱溶融による定着を行う。本発明の画像形成装置においては、定着装置6について特に制限を受けるものではない。
感光体1としては、最表面層に保護層を有するものであれば特に限定されるものではないが、導電性基体と、前記導電性基体上に形成された感光層と、前記電荷輸送層上に形成された表面層(保護層)とを少なくとも有するものであることが好ましい。
また、前記感光層は、一層のみからなっていてもよいし、電荷発生層と電荷輸送層とから構成される機能分離型の感光層であってもよい。前記感光層が機能分離型である場合、前記導電性基体側から電荷発生層と電荷輸送層とがこの順に積層されている態様が好ましい。
また、前記感光層は、一層のみからなっていてもよいし、電荷発生層と電荷輸送層とから構成される機能分離型の感光層であってもよい。前記感光層が機能分離型である場合、前記導電性基体側から電荷発生層と電荷輸送層とがこの順に積層されている態様が好ましい。
導電性基体としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金を用いた金属板、金属ドラム、金属ベルト、あるいは導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウム、金等の金属又は合金を塗布、蒸着、あるいはラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベルト等が挙げられる。
感光体がレーザープリンターに使用される場合には、レーザーの発振波長としては350nmから850nmのものが好ましく、短波長のものほど解像度に優れるため好ましい。また、レーザー光を照射する際に生じる干渉縞を防止するために、導電性基体表面は、中心線平均粗さRaで0.04μm〜0.5μmに粗面化することが好ましい。粗面化の方法としては、研磨剤を水に懸濁させて基体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、あるいは、回転する砥石に基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化、酸性処理液による処理、ベーマイト処理、有機または無機の半導電性微粒子を含有する層を作成することなどが好ましい。Raが0.04μmより小さいと、鏡面に近くなるので干渉防止効果が得られなくなり、Raが0.5μmより大きいと、導電性基体上に被膜を形成しても画質が粗くなって不適である。非干渉光を光源に用いる場合には、干渉縞防止の粗面化は特に必要なく、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生が防げるため、より長寿命化に適する。
感光体がレーザープリンターに使用される場合には、レーザーの発振波長としては350nmから850nmのものが好ましく、短波長のものほど解像度に優れるため好ましい。また、レーザー光を照射する際に生じる干渉縞を防止するために、導電性基体表面は、中心線平均粗さRaで0.04μm〜0.5μmに粗面化することが好ましい。粗面化の方法としては、研磨剤を水に懸濁させて基体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、あるいは、回転する砥石に基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化、酸性処理液による処理、ベーマイト処理、有機または無機の半導電性微粒子を含有する層を作成することなどが好ましい。Raが0.04μmより小さいと、鏡面に近くなるので干渉防止効果が得られなくなり、Raが0.5μmより大きいと、導電性基体上に被膜を形成しても画質が粗くなって不適である。非干渉光を光源に用いる場合には、干渉縞防止の粗面化は特に必要なく、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生が防げるため、より長寿命化に適する。
陽極酸化処理はアルミニウムを陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することによりアルミニウム表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、そのままの多孔質陽極酸化膜は化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、陽極酸化膜の微細孔を加圧水蒸気または沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行う。陽極酸化膜の膜厚については0.3〜15μmが好ましい。0.3μmより薄い場合は注入に対するバリア性が乏しく効果が十分でない。また、15μmより厚い場合は繰り返し使用による残留電位の上昇を招く。
また、リン酸、クロム酸及びフッ酸からなる酸性処理液による導電性基体の処理は以下の様に実施される。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸およびフッ酸の配合割合は、リン酸が10〜11質量%の範囲、クロム酸が3〜5質量%の範囲、フッ酸が0.5〜2質量%の範囲であって、これらの酸全体の濃度は、13.5〜18質量%の範囲が好ましい。処理温度は、42〜48℃であるが、処理温度を高く保つことにより、一層速く、かつ厚い被膜を形成することができる。被膜の膜厚については0.3〜15μmが好ましい。0.3μmより薄い場合は注入に対するバリア性が乏しく効果が十分でない。また、15μmより厚い場合は繰り返し使用による残留電位の上昇を招く。
導電性基体のベーマイト処理は、90〜100℃の純水中に5〜60分間浸漬するか、90〜120℃の加熱水蒸気に5〜60分間接触させることにより行うことができる。被膜の膜厚については0.1〜5μmが好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩などの皮膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
有機または無機の半導電性微粒子としては、特開昭47−30330号公報に記載のペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料、また、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子等の電子吸引性の置換基を有するビスアゾ顔料やフタロシアニン顔料等の有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミ等の無機顔料が挙げられる。これらの顔料の中で酸化亜鉛、酸化チタンが電荷輸送能が高く厚膜化に有効であり、好ましい。これら顔料の表面は、分散性改善、あるいはエネルギーレベルの調整などの目的でチタネートカップリング剤などの有機チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップリング剤などで表面処理してもよく、特にビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス2メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理することが好ましい。
有機または無機の半導電性微粒子の混合/分散方法は、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等を用いる方法が適用される。混合/分散は有機溶剤中で行われるが、有機溶剤としては、有機金属化合物や樹脂を溶解し、また、有機または無機の半導電性微粒子を混合/分散したときにゲル化や凝集を起こさないものであれば如何なるものでも使用できる。
例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独で又は2種以上混合して用いることができる。
例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独で又は2種以上混合して用いることができる。
所望により導電性基体と感光層との間に下引き層を形成することもできる。
用いられる材料としてはジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤などの有機ジルコニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤などの有機チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物のほか、アンチモンアルコキシド化合物、ゲルマニウムアルコキシド化合物、インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物、マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物、スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化合物、アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物、などの有機金属化合物が挙げられる。特に有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物は残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため、好ましく使用される。
用いられる材料としてはジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤などの有機ジルコニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤などの有機チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物のほか、アンチモンアルコキシド化合物、ゲルマニウムアルコキシド化合物、インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物、マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物、スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化合物、アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物、などの有機金属化合物が挙げられる。特に有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物は残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため、好ましく使用される。
また、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス2メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を含有させて使用することができる。
さらに、従来から下引き層に用いられるポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリイミド、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸等の公知の結着樹脂を用いることもできる。これらの混合割合は、必要に応じて適宜設定することができる。
さらに、従来から下引き層に用いられるポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリイミド、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸等の公知の結着樹脂を用いることもできる。これらの混合割合は、必要に応じて適宜設定することができる。
また、下引き層中には電子輸送性顔料を混合/分散して使用することもできる。電子輸送性顔料としては、特開昭47−30330号公報に記載のペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料、また、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子等の電子吸引性の置換基を有するビスアゾ顔料やフタロシアニン顔料等の有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機顔料が挙げられる。これらの顔料の中ではペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料と多環キノン顔料、酸化亜鉛、酸化チタンが、電子移動性が高いので好ましく使用される。また、これらの顔料の表面は、分散性、電荷輸送性を制御する目的で上記カップリング剤や、バインダーなどで表面処理しても良い。
電子輸送性顔料の混合/分散方法は、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等を用いる常法が適用される。混合/分散は有機溶剤中で行われるが、有機溶剤としては、有機金属化合物や樹脂を溶解し、また、電子輸送性顔料を混合/分散したときにゲル化や凝集を起こさないものであれば如何なるものでも使用できる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。下引き層の厚みは一般的には、0.1〜30μm、好ましくは0.2〜25μmが適当である。
電子輸送性顔料の混合/分散方法は、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等を用いる常法が適用される。混合/分散は有機溶剤中で行われるが、有機溶剤としては、有機金属化合物や樹脂を溶解し、また、電子輸送性顔料を混合/分散したときにゲル化や凝集を起こさないものであれば如何なるものでも使用できる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。下引き層の厚みは一般的には、0.1〜30μm、好ましくは0.2〜25μmが適当である。
また、下引き層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。塗布したものを乾燥させて下引き層を得るが、通常、乾燥は溶剤を蒸発させ、製膜可能な温度で行われる。特に、酸性溶液処理、ベーマイト処理を行った導電性基体は、導電性基体の欠陥隠蔽力が不十分となり易いため、下引き層を形成することが好ましい。
電荷発生層に用いられる電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料、ジブロモアントアントロンなどの縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料等の有機顔料や、三方晶セレン、酸化亜鉛などの無機顔料など既知のもの全て使用することができるが、特に380nm〜500nmの露光波長を用いる場合には無機顔料が好ましく、700nm〜800nmの露光波長を用いる場合には、金属及び無金属フタロシアニン顔料が好ましい。その中でも、特開平5−263007号公報及び、特開平5−279591号公報に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5−98181号公報に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5−140472号公報及び、特開平5−140473号公報に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873号公報及び、特開平5−43813号公報に開示されたチタニルフタロシアニンが特に好ましい。
結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシランなどの有機光導電性ポリマーから選択することもできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂をあげることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
電荷発生材料と結着樹脂との配合比(質量比)は10:1〜1:10の範囲が好ましい。また、これらを分散させる方法としてはボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用いることができるが、この際、分散によって電荷発生材料の結晶型が変化しない条件が必要とされる。なお、本発明で実施した前記の分散法のいずれについても分散前と結晶型が変化していないことが確認されている。さらにこの分散の際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子サイズにすることが有効である。
電荷発生材料と結着樹脂との配合比(質量比)は10:1〜1:10の範囲が好ましい。また、これらを分散させる方法としてはボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用いることができるが、この際、分散によって電荷発生材料の結晶型が変化しない条件が必要とされる。なお、本発明で実施した前記の分散法のいずれについても分散前と結晶型が変化していないことが確認されている。さらにこの分散の際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子サイズにすることが有効である。
またこれらの分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
また、本発明で用いる電荷発生層の厚みは一般的には、0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2.0μmが適当である。また、電荷発生層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
また、本発明で用いる電荷発生層の厚みは一般的には、0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2.0μmが適当である。また、電荷発生層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
感光体の電荷輸送層としては、公知の技術によって形成されたものを使用できる。それらの電荷輸送層は、電荷輸送材料と結着樹脂を含有して形成されるか、あるいは高分子電荷輸送材を含有して形成される。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物があげられる。これらの電荷輸送材料は単独または2種以上混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの電荷輸送材料は単独あるいは2種以上混合して用いることができるが、モビリティーの観点から、以下の構造のものが好ましい。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物があげられる。これらの電荷輸送材料は単独または2種以上混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの電荷輸送材料は単独あるいは2種以上混合して用いることができるが、モビリティーの観点から、以下の構造のものが好ましい。
(式中、R14は、水素原子またはメチル基を示す。また、nは1又は2を意味する。Ar6及びAr7は置換又は未置換のアリール基あるいは、−C(R18)=C(R19)(R20)、―CH=CH―CH=C(Ar)2を表わし、R18、R19、R20は水素原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアリール基を表し、Arは、置換又は未置換のアリール基を表す。置換基としてはハロゲン原子、炭素数が1〜5の範囲のアルキル基、炭素数が1〜5の範囲のアルコキシ基、又は炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換された置換アミノ基を示す。)
(式中R15、R15'は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、を表わす。R16、R16'、R17、R17'は同一でも異なってもよく、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基、あるいは、−C(R18)=C(R19)(R20)、―CH=CH―CH=C(Ar)2を表わし、R18、R19、R20は水素原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアリール基を表し、Arは、置換又は未置換のアリール基を表す。mおよびnは0〜2の整数である。)
(式中R21は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、置換又は未置換のアリール基、または、―CH=CH―CH=C(Ar)2を表す。Arは、置換又は未置換のアリール基を表す。R22、R23は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基を表す。)
さらに電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材など高分子電荷輸送材を用いることもできる。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(質量比)は10:1〜1:5が好ましい。
また、高分子電荷輸送材を単独で用いることもできる。高分子電荷輸送材としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシランなどの電荷輸送性を有する公知のものを用いることができる。特に、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材は、高い電荷輸送性を有しており、とくに好ましいものである。高分子電荷輸送材はそれだけでも電荷輸送層として使用可能であるが、上記結着樹脂と混合して成膜してもよい。
本発明で用いる電荷輸送層の厚みは一般的には、5〜50μm、好ましくは10〜30μmが適当である。塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
電荷輸送層を設けるときに用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
電荷輸送層を設けるときに用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
また、画像形成装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を添加することができる。例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があげられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体があげられる。また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を含有させることができる。
本発明に係る感光体に使用可能な電子受容物質としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等や、後述する一般式(I)で示される化合物をあげることができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系やCl, CN, NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
本発明に係る保護層としては、バインダー樹脂中に導電性微粒子を分散したもの、通常の電荷輸送層材料にフッ素樹脂、アクリル樹脂などの潤滑性微粒子を分散させたもの、シリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができるが、膜強度の観点から、架橋構造を有するものが好ましい。
架橋構造を形成するものとしては種々の材料を用いることが出来るが、特性上フェノール樹脂、シロキサン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが好ましく、特にフェノール樹脂またはシロキサン系樹脂からなるものが好ましい。なお、保護層には、架橋構造を有する樹脂以外にも必要に応じて、架橋構造を有さないバインダー樹脂や、導電性微粒子、また、フッ素樹脂やアクリル樹脂などからなる潤滑性微粒子が含まれていてもよく、最表面層の形成に際しては、必要に応じてシリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができる。また、最表面層の形成方法の詳細については後述するが、最表面層の形成には架橋構造を有する樹脂を構成する前駆体を少なくとも含む最表面層形成用溶液が用いられる。
さらに電気特性や画質維持性などの観点からは、最表面層(保護層)は電荷輸送能を有する構造単位を含み、架橋構造を有する樹脂を含有することが好ましい。
このような電荷輸送能を有する構造単位を含み、架橋構造を有する樹脂を構成する電荷輸送能を有する構造単位は、架橋構造を有する樹脂としてメチロール基を有するフェノール誘導体またはシロキサン系樹脂と、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料とを含有するものがより好ましい。更に保護層としてのフェノール誘導体含有層の赤外吸収スペクトル(IRスペクトル)が下記式で示される条件を満たすことで電気特性に優れ高画質化が図れるためより好ましい。
(P2/P1)≦0.2
[式中、P1は1560cm-1〜1640cm-1に存在する最大吸収ピークの吸光度を、P2は1645cm-1〜1700cm-1に存在する最大吸収ピークの吸光度を示す。]
上記式で上述の効果が得られる理由は必ずしも明確ではないが、本発明者らは以下のように推察する。
すなわち、メチロール基を有するフェノール誘導体を用いて塗膜を形成する過程において、フェノール誘導体のメチロール基のうちの一部は、ホルミル基等の酸化物になると考えられる。このようなホルミル基等の酸化物は、感光体中の電荷輸送を妨げるキャリアトラップとして作用し、感光体の電気特性を低下させると考えられる。ここで、赤外吸収スペクトルにおいて、1560cm-1〜1640cm-1に存在する最大吸収ピーク(P1)は、フェノール誘導体の芳香族C−C伸縮振動に相当する。また、1645cm-1〜1700cm-1に存在する最大吸収ピーク(P2)は、ホルミル基等の酸化物に由来すると考えられる。
すなわち、メチロール基を有するフェノール誘導体を用いて塗膜を形成する過程において、フェノール誘導体のメチロール基のうちの一部は、ホルミル基等の酸化物になると考えられる。このようなホルミル基等の酸化物は、感光体中の電荷輸送を妨げるキャリアトラップとして作用し、感光体の電気特性を低下させると考えられる。ここで、赤外吸収スペクトルにおいて、1560cm-1〜1640cm-1に存在する最大吸収ピーク(P1)は、フェノール誘導体の芳香族C−C伸縮振動に相当する。また、1645cm-1〜1700cm-1に存在する最大吸収ピーク(P2)は、ホルミル基等の酸化物に由来すると考えられる。
つまり、吸光度比(P2/P1)が小さい感光体は、感光体中のホルミル基等の酸化物が少なく、キャリア輸送性に優れると考えられる。そして、本発明に係る感光体は、上記特定の材料を用い且つ吸光度比(P2/P1)が0.2以下であることから、電気特性に優れ、高画質化が達成できたと考えられる。なお、本発明に係る感光体は、電気特性と共に機械強度も優れており、この点も高画質化が達成できた要因であると考えられる。
なお、吸光度比(P2/P1)は、0.18以下が好ましく、0.17以下がより好ましい。吸光度比(P2/P1)が0.2を超えると、キャリア輸送性が低下し、感光体の電気特性が不十分となり、画質が低下する。
なお、吸光度比(P2/P1)は、0.18以下が好ましく、0.17以下がより好ましい。吸光度比(P2/P1)が0.2を超えると、キャリア輸送性が低下し、感光体の電気特性が不十分となり、画質が低下する。
上記メチロール基を有するフェノール誘導体としては、モノメチロールフェノール類、ジメチロールフェノール類若しくはトリメチロールフェノール類のモノマー、それらの混合物、それらがオリゴマー化されたもの、又はそれらモノマーとオリゴマーの混合物が挙げられる。このようなメチロール基を有するフェノール誘導体は、レゾルシン、ビスフェノール等、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール等の水酸基を1個含む置換フェノール類、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の水酸基を2個含む置換フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールZ等のビスフェノール類、ビフェノール類等、フェノール構造を有する化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等とを、酸触媒又はアルカリ触媒下で反応させることで得られるもので、一般にフェノール樹脂として市販されているものも使用できる。なお、本明細書では、分子の構造単位の繰り返しが2〜20程度の比較的大きな分子をオリゴマーといい、それ以下のものをモノマーという。
上記酸触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸、リン酸等が用いられる。また、アルカリ触媒としては、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Ba(OH)2等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物やアミン系触媒が用いられる。
アミン系触媒としては、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。塩基性触媒を使用した場合には、残留する触媒によりキャリアが著しくトラップされ、電子写真特性を悪化させる傾向がある。そのため、酸で中和するか、シリカゲル等の吸着剤や、イオン交換樹脂等と接触させることにより不活性化又は除去することが好ましい。
また、メチロール基を有するフェノール誘導体としては、フェノール樹脂が好ましく、レゾール型フェノール樹脂がより好ましい。
アミン系触媒としては、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。塩基性触媒を使用した場合には、残留する触媒によりキャリアが著しくトラップされ、電子写真特性を悪化させる傾向がある。そのため、酸で中和するか、シリカゲル等の吸着剤や、イオン交換樹脂等と接触させることにより不活性化又は除去することが好ましい。
また、メチロール基を有するフェノール誘導体としては、フェノール樹脂が好ましく、レゾール型フェノール樹脂がより好ましい。
水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料としては、下記一般式(I)、(II)又は(III)で示される化合物であることが好ましい。
F−[(X1)m1−(R1)m2−Y]m3 (I)
上記式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X1は酸素原子又は硫黄原子を、R1はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Yは水酸基、カルボキシル基(−COOH)、チオール基(−SH)又はアミノ基(−NH2)を示し、m1及びm2はそれぞれ独立に0又は1を、m3は1〜4の整数を示す。
F−[(X2)n1−(R2)n2−(Z)n3G]n4 (II)
上記式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X2は酸素原子又は硫黄原子を、R2はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Zはアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを、Gはエポキシ基を、n1、n2及びn3はそれぞれ独立に0又は1を、n4は1〜4の整数を示す。
F−[D−Si(R3)(3-a)Qa]b (III)
式(III)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、Dは可とう性を有する2価の基を、R3は水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)又は置換若しくは未置換のアリール基(炭素数は6〜20が好ましく、6〜15がより好ましい)を、Qは加水分解性基を、aは1〜3の整数を、bは1〜4の整数を示す。
また、上記可とう性を有する2価の基Dとしては、具体的には、光電特性を付与するためのFの部位と、3次元的な無機ガラス質ネットワークの構築に寄与する置換ケイ素基とを結びつける働きを担う2価の基である。また、Dは、堅い反面もろさも有する無機ガラス質ネットワークの部分に適度な可とう性を付与し、膜としての機械的強靱さを向上させる働きを担う有機基構造を表す。Dとして具体的には、−CαH2α−、−CβH2β-2−、−CγH2γ-4−で表わされる2価の炭化水素基(ここで、αは1〜15の整数を表し、βは2〜15の整数を表し、γは3〜15の整数を表す)、−COO−、−S−、−O−、−CH2−C6H4−、−N=CH−、−(C6H4)−(C6H4)−、及び、これらの特性基を任意に組み合わせた構造を有する特性基、更にはこれらの特性基の構成原子を他の置換基と置換したもの等が挙げられる。また、上記加水分解性基Qとしては、アルコキシ基が好ましく、炭素数1〜15のアルコキシ基がより好ましい。
上記一般式(I)〜(III)で示される化合物における正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基Fとしては、下記一般式(VI)で示される化合物が好ましい。
ここで、上記式(VI)中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、且つAr1〜Ar5のうち1〜4個は、上記式(I)〜(III)で示される化合物における−[(X1)m1−(R1)m2−Y]、−[(X2)n1−(R2)n2−(Z)n3G]、又は、−[D−Si(R3)(3-a)Qa]で示される部位と結合手を有する。
また、保護層には、残留電位を下げるために導電性粒子を添加してもよい。導電性粒子としては、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等が挙げられる。これらの中でも、金属又は金属酸化物がより好ましい。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス等、又はこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ、及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらは単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着の形にしてもよい。導電性粒子の体積平均粒径は保護層の透明性の観点から、0.3μm以下が好ましく、0.1μm以下が特に好ましい。
また、保護層には、保護層の強度、膜抵抗等の種々の物性をコントロールするために、下記一般式(VII−1)で示される化合物を添加することもできる。
Si(R30)(4-c)Qc (VII−1)
上記式(VII−1)中、R30は水素原子、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を、Qは加水分解性基を、cは1〜4の整数を示す。
上記一般式(VII−1)で示される化合物の具体例としては以下のようなシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の四官能性アルコキシシラン(c=4);メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシラン等の三官能性アルコキシシラン(c=3);ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等の二官能性アルコキシシラン(c=2);トリメチルメトキシシラン等の1官能アルコキシシラン(c=1)等を挙げることができる。膜の強度を向上させるためには3及び4官能のアルコキシシランが好ましく、可とう性、成膜性を向上させるためには1及び2官能のアルコキシシランが好ましい。
また、主にこれらのカップリング剤より作製されるシリコン系ハードコート剤も用いることができる。市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、及びAY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等を用いることができる。
また、保護層には、その強度を高めるために、一般式(VII−2)に示すような2つ以上のケイ素原子を有する化合物を用いることも好ましい。
B−(Si(R31)(3-d)Qd)2 (VII−2)
上記式(VII−2)中、Bは2価の有機基を、R31は水素原子、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を、Qは加水分解性基を、dは1〜3の整数を示す。
また、保護層には、ポットライフの延長、膜特性のコントロール、トルク低減、塗布膜表面の均一性向上のため、下記一般式(VII−3)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物、若しくはその化合物からの誘導体を含有させることもできる。
上記式(VII−3)中、A1及びA2は、それぞれ独立に一価の有機基を示す。
一般式(VII−3)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物としては、市販の環状シロキサンを挙げることができる。具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素原子含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサン等のヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン等のビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等を挙げることができる。これらの環状シロキサン化合物は1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
更に、感光体表面の耐汚染物付着性、潤滑性、硬度等を制御するために、各種微粒子を添加することもできる。それらは、単独で用いることもできるが、2種以上を併用してもよい。
微粒子の一例として、ケイ素原子含有微粒子を挙げることができる。ケイ素原子含有微粒子とは、構成元素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダルシリカ及びシリコーン微粒子等が挙げられる。ケイ素原子含有微粒子として用いられるコロイダルシリカは、体積平均粒径が好ましくは1〜100nm、より好ましくは10〜30nmであり、酸性若しくはアルカリ性の水分散液、或いはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。保護層中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、成膜性、電気特性、強度の面から保護層の固形分全量を基準として好ましくは0.1〜50質量%の範囲、より好ましくは0.1〜30質量%の範囲で用いられる。
ケイ素原子含有微粒子として用いられるシリコーン微粒子は、球状で、体積平均粒径が好ましくは1〜500nm、より好ましくは10〜100nmであり、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子及びシリコーン表面処理シリカ粒子から選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。
ケイ素原子含有微粒子として用いられるシリコーン微粒子は、球状で、体積平均粒径が好ましくは1〜500nm、より好ましくは10〜100nmであり、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子及びシリコーン表面処理シリカ粒子から選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。
シリコーン微粒子は、化学的に不活性で、樹脂への分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、架橋反応を阻害することなく、感光体の表面性状を改善することができる。即ち、強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、感光体表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐摩耗性、耐汚染物付着性を維持することができる。保護層中のシリコーン微粒子の含有量は、保護層の固形分全量を基準として好ましくは0.1〜30質量%の範囲であり、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲である。
また、その他の微粒子としては、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系微粒子や”第8回ポリマー材料フォーラム講演予稿集p89”に示される様な、フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーを共重合させた樹脂からなる微粒子、ZnO−Al2O3、SnO2−Sb2O3、In2O3−SnO2、ZnO−TiO2、MgO−Al2O3、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、In2O3、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物を挙げることができる。また、同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル等を挙げることができる。これらは、保護層形成用塗布液に予め添加してもよいし、感光体を作製後、減圧、或いは加圧下等で含浸処理してもよい。
また、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を使用することもできる。可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。保護層にはヒンダートフェノール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
酸化防止剤としては以下のような化合物が挙げられる。例えば、ヒンダートフェノール系としては、「Sumilizer BHT−R」、「Sumilizer MDP−S」、「Sumilizer BBM−S」、「Sumilizer WX−R」、「Sumilizer NW」、「Sumilizer BP−76」、「Sumilizer BP−101」、「Sumilizer GA−80」、「Sumilizer GM」、「Sumilizer GS」以上住友化学社製、「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1141」、「IRGANOX1222」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1425WL」、「IRGANOX1520L」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」以上チバスペシャリティーケミカルズ社製、「アデカスタブAO−20」、「アデカスタブAO−30」、「アデカスタブAO−40」、「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」、「アデカスタブAO−70」、「アデカスタブAO−80」、「アデカスタブAO−330」以上旭電化製。ヒンダートアミン系としては、「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」以上三共ライフテック株式会社製、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」、「スミライザーTPS」、チオエーテル系としては、「スミライザーTP−D」、ホスファイト系としては、「マーク2112」、「マークPEP・8」、「マークPEP・24G」、「マークPEP・36」、「マーク329K」、「マークHP・10」が挙げられ、特にヒンダートフェノール、ヒンダートアミン系酸化防止剤が好ましい。さらに、これらは架橋膜を形成する材料と架橋反応可能な例えばアルコキシシリル基等の置換基で変性してもよい。
また、保護層には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂を含有させてもよい。この場合、絶縁性樹脂は、所望の割合で添加することができ、これにより、電荷輸送層との接着性、熱収縮やハジキによる塗布膜欠陥等を抑制することができる。
保護層は、上述した構成材料を含有する保護層形成用塗布液を、電荷輸送層上に塗布して硬化させることで形成される。
保護層は、上述した電荷輸送材料を用いて形成されることから、保護層形成用塗布液に触媒を添加すること、又は保護層形成用塗布液作製時に触媒を用いることが好ましい。用いられる触媒としては、塩酸、酢酸、リン酸、硫酸等の無機酸、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸等の有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、トリエチルアミン等のアルカリ触媒、さらに系に不溶な固体触媒を用いることもできる。
また、メチロール基を有するフェノール誘導体から、合成時の触媒を除去するために、フェノール誘導体をメタノール、エタノール、トルエン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解させ、水洗、貧溶剤を用いた再沈殿等の処理を行うか、イオン交換樹脂、又は無機固体を用いて処理を行うことが好ましい。
例えば、イオン交換樹脂としては、アンバーライト15、アンバーライト200C、アンバーリスト15E(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)等の陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)等の陰イオン交換樹脂が挙げられる。
また、無機固体としては、Zr(O3PCH2CH2SO3H)2,Th(O3PCH2CH2COOH)2等のプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサン等のプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸等のヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸等のイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgO等の単元系金属酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類等複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイト等の粘土鉱物;LiSO4,MgSO4等の金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタン等の金属リン酸塩;LiNO3,Mn(NO3)2等の金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体等のアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂等のアミノ基を含有するポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
保護層形成用塗布液には、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等の他、種々の溶媒が使用できる。なお、感光体の生産に一般的に使用されるディップコーティング法を適用するためには、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、又はそれらの混合系溶剤が好ましい。また、使用される溶媒の沸点は50〜150℃のものが好ましく、それら任意に混合して使用することができる。
なお、溶剤としてアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、又はそれらの混合系溶剤が好ましいことから、使用される保護層の形成に使用される電荷輸送材料としては、それらの溶剤に可溶であることが好ましい。
また、溶媒量は任意に設定できるが、少なすぎると構成材料が析出しやすくなるため、保護層形成用塗布液中に含まれる固形分の合計1質量部に対し好ましくは0.5〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。
保護層形成用塗布液を用いて保護層を形成する際の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。ただし、1回の塗布により必要な膜厚が得られない場合、複数回重ね塗布することにより必要な膜厚を得ることができる。なお、複数回の重ね塗布を行なう場合、加熱処理は塗布の度に行なってもよいし、複数回重ね塗布した後でもよい。
電荷輸送層上に保護層形成用塗布液を塗布後には、硬化処理を行う。通常、硬化処理の際には、フェノール誘導体の架橋反応を促進し、保護層の機械強度を上げるためには硬化温度は高く、硬化時間は長いほど好ましい。しかし、そうした場合には、吸光度比(P2/P1)が0.2を超えやすく、電気特性が著しく悪化してしまう。そこで、保護層のIRスペクトルが上記条件を満たすように、硬化温度、硬化時間、架橋雰囲気又は硬化触媒で制御することが好ましい。
すなわち、保護層のIRスペクトルが上記式で示される条件を満たすようにするために、硬化処理の際の硬化温度は100〜170℃が好ましく、100〜150℃がより好ましく、100〜140℃がさらに好ましい。また、硬化時間は、30分〜2時間が好ましく、30分〜1時間がより好ましい。
また、硬化処理(架橋反応)を行う雰囲気としては、窒素、ヘリウム、アルゴン等の、いわゆる酸化に対して不活性なガス雰囲気(不活性ガス雰囲気)下が吸光度比(P2/P1)を小さくするのに効果的である。不活性ガス雰囲気下で架橋反応を行う場合には、空気雰囲気(酸素含有雰囲気)下よりも硬化温度を高く設定することができ、硬化温度は100〜160℃(好ましくは110〜150℃)とすることが可能である。また、硬化時間は30分〜2時間(好ましくは30分〜1時間)とすることが可能である。また、一般式(I)で示される化合物において、(−(X1)m1−(R1)m2−Y)で示される部位が−CH2−OHの場合が最も硬化温度による電気特性の影響が大きい傾向があり、酸化に対して敏感であるので、上記好ましい温度範囲で硬化処理を行うことが好ましい。
また、硬化処理(架橋反応)を行う雰囲気としては、窒素、ヘリウム、アルゴン等の、いわゆる酸化に対して不活性なガス雰囲気(不活性ガス雰囲気)下が吸光度比(P2/P1)を小さくするのに効果的である。不活性ガス雰囲気下で架橋反応を行う場合には、空気雰囲気(酸素含有雰囲気)下よりも硬化温度を高く設定することができ、硬化温度は100〜160℃(好ましくは110〜150℃)とすることが可能である。また、硬化時間は30分〜2時間(好ましくは30分〜1時間)とすることが可能である。また、一般式(I)で示される化合物において、(−(X1)m1−(R1)m2−Y)で示される部位が−CH2−OHの場合が最も硬化温度による電気特性の影響が大きい傾向があり、酸化に対して敏感であるので、上記好ましい温度範囲で硬化処理を行うことが好ましい。
さらに、硬化処理の際には、硬化触媒を使用することが好ましい。硬化触媒としては、例えば、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタンのようなビススルホニルジアゾメタン類、メチルスルホニルp−トルエンスルホニルメタンのようなビススルホニルメタン類、シクロヘキシルスルホニルシクロヘキシルカルボニルジアゾメタンのようなスルホニルカルボニルジアゾメタン類、2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロピオフェノンのようなスルホニルカルボニルアルカン類、2−ニトロベンジルp−トルエンスルホネートのようなニトロベンジルスルホネート類、ピロガロールトリスメタンスルホネートのようなアルキル及びアリールスルホネート類、ベンゾイントシレートのようなベンゾインスルホネート類、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミドのようなN−スルホニルオキシイミド類、(4−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)−3,4,6−トリメチル−2−ピリドンのようなピリドン類、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチル−1−(3−ビニルフェニル)−エチル−4−クロロベンゼンスルホネートのようなスルホン酸エステル類、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートのようなオニウム塩類等の光酸発生剤や、プロトン酸或いはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、リン酸エステル類、オニウム化合物、無水カルボン酸化合物等が挙げられる。
プロトン酸或いはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、硫酸モノエステル類、リン酸モノ及びジエステル類、ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノ及びジエステル類等を、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種アミン若しくはトリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスファイト、トリアリールホスファイトで中和した化合物、さらには酸−塩基ブロック化触媒として市販されているネイキュア2500X、4167、X−47−110、3525、5225(商品名、キングインダストリー社製)等が挙げられる。また、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、例えば、BF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2等のルイス酸を上記のルイス塩基で中和した化合物が挙げられる。
オニウム化合物としては、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。
無水カルボン酸化合物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水ラウリン酸、無水オレイン酸、無水ステアリン酸、無水n−カプロン酸、無水n−カプリル酸、無水n−カプリン酸、無水パルミチン酸、無水ミリスチン酸、無水トリクロロ酢酸、無水ジクロロ酢酸、無水モノクロロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水ヘプタフルオロ酪酸等が挙げられる。
ルイス酸の具体例としては、例えば、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化第一チタン、塩化第二チタン、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一スズ、塩化第二スズ、臭化第一スズ、臭化第二スズ等の金属ハロゲン化物、トリアルキルホウ素、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲン化アルミニウム、モノアルキルハロゲン化アルミニウム、テトラアルキルスズ等の有機金属化合物、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジブチル・ビス(アセチルアセトナト)スズ、トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス(アセチルアセトナト)ロジウム、ビス(アセチルアセトナト)亜鉛、トリス(アセチルアセトナト)コバルト等の金属キレート化合物、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズエステルマレート、ナフテン酸マグネシウム、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マンガン、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸スズ、オクチル酸鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛等の金属石鹸が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ルイス酸の具体例としては、例えば、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化第一チタン、塩化第二チタン、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一スズ、塩化第二スズ、臭化第一スズ、臭化第二スズ等の金属ハロゲン化物、トリアルキルホウ素、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲン化アルミニウム、モノアルキルハロゲン化アルミニウム、テトラアルキルスズ等の有機金属化合物、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジブチル・ビス(アセチルアセトナト)スズ、トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス(アセチルアセトナト)ロジウム、ビス(アセチルアセトナト)亜鉛、トリス(アセチルアセトナト)コバルト等の金属キレート化合物、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズエステルマレート、ナフテン酸マグネシウム、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マンガン、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸スズ、オクチル酸鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛等の金属石鹸が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これら硬化触媒の使用量は特に制限されないが、保護層形成用塗布液に含まれる固形分の合計100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、0.3〜10質量部が特に好ましい。
また、保護層を形成する際に、有機金属化合物を触媒として用いる場合には、ポットライフ、硬化効率の面から、多座配位子を添加することが好ましい。このような多座配位子としては、以下に示すようなもの及びそれらから誘導されるものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
具体的には、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ジピバロイルメチルアセトン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアセト酢酸エステル類;ビピリジン及びその誘導体;グリシン及びその誘導体;エチレンジアミン及びその誘導体;8−オキシキノリン及びその誘導体;サリチルアルデヒド及びその誘導体;カテコール及びその誘導体;2−オキシアゾ化合物等の2座配位子;ジエチルトリアミン及びその誘導体;ニトリロトリ酢酸及びその誘導体等の3座配位子;エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその誘導体等の6座配位子;等を挙げることができる。さらに、上記のような有機系配位子の他、ピロリン酸、トリリン酸等の無機系の配位子を挙げることができる。多座配位子としては、特に2座配位子が好ましく、具体例としては、上記の他、下記一般式(VII−4)で示される2座配位子が挙げられる。
具体的には、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ジピバロイルメチルアセトン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアセト酢酸エステル類;ビピリジン及びその誘導体;グリシン及びその誘導体;エチレンジアミン及びその誘導体;8−オキシキノリン及びその誘導体;サリチルアルデヒド及びその誘導体;カテコール及びその誘導体;2−オキシアゾ化合物等の2座配位子;ジエチルトリアミン及びその誘導体;ニトリロトリ酢酸及びその誘導体等の3座配位子;エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその誘導体等の6座配位子;等を挙げることができる。さらに、上記のような有機系配位子の他、ピロリン酸、トリリン酸等の無機系の配位子を挙げることができる。多座配位子としては、特に2座配位子が好ましく、具体例としては、上記の他、下記一般式(VII−4)で示される2座配位子が挙げられる。
上記式(VII−4)中、R32及びR33はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、フッ化アルキル基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。
多座配位子としては、上記の中でも、一般式(VII−4)で示される2座配位子がより好ましく、一般式(VII−4)中のR32とR33とが同一のものが特に好ましい。R32とR33とを同一にすることで、室温付近での配位子の配位力が強くなり、保護層形成用塗布液のさらなる安定化を図ることができる。
多座配位子の配合量は、任意に設定することができるが、有機金属化合物の使用量1モルに対し、好ましくは0.01モル以上、より好ましくは0.1モル以上、さらに好ましくは1モル以上である。
保護層の25℃における酸素透過係数は、4×1012fm/s・Pa以下であることが好ましく、3.5×1012fm/s・Pa以下であることがより好ましく、3×1012fm/s・Pa以下であることがさらに好ましい。
ここで、酸素透過係数は層の酸素ガス透過のし易さを表す尺度であるが、見方を変えると、層の物理的な隙間率の代用特性ととらえることもできる。なお、ガスの種類が変われば透過率の絶対値は変わるものの、検体となる層間で大小関係の逆転は殆どない。したがって、酸素透過係数は、一般的なガス透過のし易さを表現する尺度と解釈して良い。
つまり、保護層の25℃における酸素透過係数が上記条件を満たす場合には、保護層においてガスが浸透しにくい。したがって、画像形成プロセスにより生じる放電生成物の浸透が抑制され、保護層に含有される化合物の劣化が抑制され、電気特性を高水準に維持することができ、高画質化、長寿命化に有効である。
ここで、酸素透過係数は層の酸素ガス透過のし易さを表す尺度であるが、見方を変えると、層の物理的な隙間率の代用特性ととらえることもできる。なお、ガスの種類が変われば透過率の絶対値は変わるものの、検体となる層間で大小関係の逆転は殆どない。したがって、酸素透過係数は、一般的なガス透過のし易さを表現する尺度と解釈して良い。
つまり、保護層の25℃における酸素透過係数が上記条件を満たす場合には、保護層においてガスが浸透しにくい。したがって、画像形成プロセスにより生じる放電生成物の浸透が抑制され、保護層に含有される化合物の劣化が抑制され、電気特性を高水準に維持することができ、高画質化、長寿命化に有効である。
また、赤外吸収スペクトルの吸光度比(P2/P1)が上記条件を満たすように保護層を形成しようとする場合には、空気雰囲気下では硬化温度を比較的低く設定することが必要である。そのため、保護層の25℃における酸素透過係数を下げることは困難であるが、吸光度比(P2/P1)が上記条件を満たすようにすると共に、保護層の25℃における酸素透過係数が上記条件を満たすようにすることで、電気特性がさらに向上し、さらに高画質を達成できる感光体が得られる。
保護層の膜厚は、0.5〜15μmが好ましく、1〜10μmがさらに好ましく、1〜5μmがより好ましい。
保護層の膜厚は、0.5〜15μmが好ましく、1〜10μmがさらに好ましく、1〜5μmがより好ましい。
次に本発明に用いられるトナーについて説明する。本発明に用いられるトナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、例えば(1)結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、(2)混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、(3)結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させて調製された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、(4)結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、(5)結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により得られるものが使用できる。
また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法を使用することができるが、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。
また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法を使用することができるが、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。
トナー粒子は結着樹脂と着色剤、離型剤等とからなり、必要であれば、シリカや帯電制御剤を用いてもよい。トナーの体積平均粒径は2〜12μmの範囲が好ましく3〜9μmの範囲がより好ましい。また、トナーの平均形状指数(ML2/A:MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す)が100〜145の範囲のものを用いることにより、高い現像、転写性、及び高画質の画像を得ることができる。さらに好ましくは125〜140である。
平均形状指数が125〜140のトナーを用いることにより、高画質の転写画像を得ることができると共に、クリーニング不良による接触帯電部材へのトナーもしくは外添剤などの付着悪化を抑えることが可能となる。
平均形状指数が125〜140のトナーを用いることにより、高画質の転写画像を得ることができると共に、クリーニング不良による接触帯電部材へのトナーもしくは外添剤などの付着悪化を抑えることが可能となる。
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
また、トナーには必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減との点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。本発明におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナー、および磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
トナーに外添剤として添加される無機酸化物としては、粉体流動性、帯電制御等のため、1次粒径が40nm以下の小径無機酸化物を、更に付着力低減や帯電制御のため、それより大径の無機酸化物を挙げることができる。これらの無機酸化物微粒子は公知のものを使用することができるが、以下のような物が例示できる。
例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグウネシウムおよびりん酸カルシウム等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。
また、上記無機微粒子にテトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどのチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などで処理を行っても良い。また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩による疎水化処理も好ましく行うことができる。
例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグウネシウムおよびりん酸カルシウム等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。
また、上記無機微粒子にテトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどのチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などで処理を行っても良い。また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩による疎水化処理も好ましく行うことができる。
本発明におけるトナーは、前記トナー粒子及び上記外添剤をヘンシェルミキサー、あるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナー粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
また、本発明におけるトナーをカラートナーとして用いる場合には、キャリアと混合して使用されることが好ましいが、該キャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉、またはそれ等の表面に樹脂コーテイングを施したものが使用される。
また、キャリアとトナーとの混合割合は、適宜設定することができる。
また、本発明におけるトナーをカラートナーとして用いる場合には、キャリアと混合して使用されることが好ましいが、該キャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉、またはそれ等の表面に樹脂コーテイングを施したものが使用される。
また、キャリアとトナーとの混合割合は、適宜設定することができる。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。
[クリーニング装置]
図2における第1及び第2のクリーニングユニットとしてそれぞれ以下に示すものを用い、クリーニング装置1〜4(いずれもプロセスカートリッジ)を作製した。また、比較のため、クリーニング装置5としてクリーニングブレードを用いた。なお、クリーニング装置1、2及び4に係るクリーニングブラシの表面は図3(C)に示すらせん状とした。また、クリーニング装置3に係るクリーニングブラシの表面は、1種類のブラシ毛で覆われるようにした。なお、下記実施例において基布幅とは図3(C)における領域A又は領域Bの幅をいう。
[クリーニング装置]
図2における第1及び第2のクリーニングユニットとしてそれぞれ以下に示すものを用い、クリーニング装置1〜4(いずれもプロセスカートリッジ)を作製した。また、比較のため、クリーニング装置5としてクリーニングブレードを用いた。なお、クリーニング装置1、2及び4に係るクリーニングブラシの表面は図3(C)に示すらせん状とした。また、クリーニング装置3に係るクリーニングブラシの表面は、1種類のブラシ毛で覆われるようにした。なお、下記実施例において基布幅とは図3(C)における領域A又は領域Bの幅をいう。
(クリーニング装置1)
<第1のクリーニングユニット>
−クリーニングブラシ−
領域Aの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:2デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:120,000本/inch2、基布幅20mm、
領域Bの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:6デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:50,000本/inch2、基布幅4mm、
感光体への食い込み量:1.5mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体の回転方向に対して逆回転、ブラシ印加バイアス:+200Vとした。
−回収ロール部材−
材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×106Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、ブラシ部材への食い込み量:1.5mm、周速:70mm/s、印加バイアス:+600Vとした。
−スクレーパー−
材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロール部材への食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mmとした。
<第1のクリーニングユニット>
−クリーニングブラシ−
領域Aの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:2デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:120,000本/inch2、基布幅20mm、
領域Bの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:6デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:50,000本/inch2、基布幅4mm、
感光体への食い込み量:1.5mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体の回転方向に対して逆回転、ブラシ印加バイアス:+200Vとした。
−回収ロール部材−
材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×106Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、ブラシ部材への食い込み量:1.5mm、周速:70mm/s、印加バイアス:+600Vとした。
−スクレーパー−
材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロール部材への食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mmとした。
<第2のクリーニングユニット>
−クリーニングブラシ−
領域Aの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:2デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:120,000本/inch2、基布幅20mm、
領域Bの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:6デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:50,000本/inch2、基布幅4mm、
感光体への食い込み量:1.5mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体の回転方向に対して逆回転、ブラシ印加バイアス:−400Vとした。
−回収ロール部材−
材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×106Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、ブラシ部材への食い込み量:1.5mm、周速:70mm/s、印加バイアス:−800Vとした。
<スクレーパー>
材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロール部材への食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mmとした。
−クリーニングブラシ−
領域Aの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:2デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:120,000本/inch2、基布幅20mm、
領域Bの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:6デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:50,000本/inch2、基布幅4mm、
感光体への食い込み量:1.5mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体の回転方向に対して逆回転、ブラシ印加バイアス:−400Vとした。
−回収ロール部材−
材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×106Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、ブラシ部材への食い込み量:1.5mm、周速:70mm/s、印加バイアス:−800Vとした。
<スクレーパー>
材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロール部材への食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mmとした。
(クリーニング装置2)
<第1のクリーニングユニット>
−クリーニングブラシ−
領域Aの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:5デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:150,000本/inch2、基布幅30mm、
領域Bの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:10デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:50,000本/inch2、基布幅4mm、
感光体への食い込み量:1.0mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体の回転方向に対して逆回転、ブラシ印加バイアス:+200Vとした。
−回収ロール部材−
材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×106Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、ブラシ部材への食い込み量:1.5mm、周速:70mm/s、印加バイアス:+600Vとした。
−スクレーパー−
材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロール部材への食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mmとした。
<第1のクリーニングユニット>
−クリーニングブラシ−
領域Aの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:5デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:150,000本/inch2、基布幅30mm、
領域Bの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:10デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:50,000本/inch2、基布幅4mm、
感光体への食い込み量:1.0mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体の回転方向に対して逆回転、ブラシ印加バイアス:+200Vとした。
−回収ロール部材−
材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×106Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、ブラシ部材への食い込み量:1.5mm、周速:70mm/s、印加バイアス:+600Vとした。
−スクレーパー−
材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロール部材への食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mmとした。
<第2のクリーニングユニット>
−クリーニングブラシ−
領域Aの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:5デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:150,000本/inch2、基布幅30mm、
領域Bの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:10デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:50,000本/inch2、基布幅4mm、
感光体への食い込み量:1.0mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体の回転方向に対して逆回転、ブラシ印加バイアス:−400Vとした。
−回収ロール部材−
材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×106Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、ブラシへ部材への食い込み量:1.5mm、周速:70mm/s、印加バイアス:−800Vとした。
−スクレーパー−
材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロール部材への食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mmとした。
−クリーニングブラシ−
領域Aの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:5デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:150,000本/inch2、基布幅30mm、
領域Bの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:10デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:50,000本/inch2、基布幅4mm、
感光体への食い込み量:1.0mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体の回転方向に対して逆回転、ブラシ印加バイアス:−400Vとした。
−回収ロール部材−
材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×106Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、ブラシへ部材への食い込み量:1.5mm、周速:70mm/s、印加バイアス:−800Vとした。
−スクレーパー−
材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロール部材への食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mmとした。
(クリーニング装置3)
<第1のクリーニングユニット>
−クリーニングブラシ−
導電性ナイロン、繊維太さ:2デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:150,000本/inch2、でブラシを作製し、感光体への食い込み量:1.0mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体の回転方向に対して逆回転、ブラシ印加バイアス:+200Vとした。
−回収ロール部材−
材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×108Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、ブラシ部材への食い込み量:1.5mm、周速:70mm/s、印加バイアス:+600Vとした。
−スクレーパー−
材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロール部材への食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mmとした。
<第1のクリーニングユニット>
−クリーニングブラシ−
導電性ナイロン、繊維太さ:2デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:150,000本/inch2、でブラシを作製し、感光体への食い込み量:1.0mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体の回転方向に対して逆回転、ブラシ印加バイアス:+200Vとした。
−回収ロール部材−
材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×108Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、ブラシ部材への食い込み量:1.5mm、周速:70mm/s、印加バイアス:+600Vとした。
−スクレーパー−
材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロール部材への食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mmとした。
<第2のクリーニングユニット>
−クリーニングブラシ−
導電性ナイロン、繊維太さ:2デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:150,000本/inch2でブラシを作製し、感光体への食い込み量:1.0mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体の回転方向に対して逆回転、ブラシ印加バイアス:−400Vとした。
−回収ロール部材−
材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×108Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、ブラシ部材への食い込み量:1.5mm、周速:70mm/s、印加バイアス:−800Vとした。
−スクレーパー−
材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロール部材への食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mmとした。
−クリーニングブラシ−
導電性ナイロン、繊維太さ:2デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:150,000本/inch2でブラシを作製し、感光体への食い込み量:1.0mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体の回転方向に対して逆回転、ブラシ印加バイアス:−400Vとした。
−回収ロール部材−
材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×108Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、ブラシ部材への食い込み量:1.5mm、周速:70mm/s、印加バイアス:−800Vとした。
−スクレーパー−
材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロール部材への食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mmとした。
(クリーニング装置4)
<第1のクリーニングユニット>
−クリーニングブラシ−
領域Aの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:2デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:120,000本/inch2、基布幅4mm、
領域Bの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:6デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:80,000本/inch2、基布幅20mm、
感光体への食い込み量:1.5mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体の回転方向に対して逆回転、ブラシ印加バイアス:+200Vとした。
−回収ロール部材−
材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×106Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、ブラシ部材への食い込み量:1.5mm、周速:70mm/s、印加バイアス:+600Vとした。
−スクレーパー−
材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロール部材への食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mmとした。
<第1のクリーニングユニット>
−クリーニングブラシ−
領域Aの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:2デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:120,000本/inch2、基布幅4mm、
領域Bの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:6デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:80,000本/inch2、基布幅20mm、
感光体への食い込み量:1.5mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体の回転方向に対して逆回転、ブラシ印加バイアス:+200Vとした。
−回収ロール部材−
材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×106Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、ブラシ部材への食い込み量:1.5mm、周速:70mm/s、印加バイアス:+600Vとした。
−スクレーパー−
材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロール部材への食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mmとした。
<第2のクリーニングユニット>
−クリーニングブラシ−
領域Aの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:2デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:120,000本/inch2、基布幅4mm、
領域Bの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:6デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:80,000本/inch2、基布幅20mm、
感光体への食い込み量:1.5mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体の回転方向に対して逆回転、ブラシ印加バイアス:−400Vとした。
−回収ロール部材−
材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×106Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、ブラシ部材への食い込み量:1.5mm、周速:70mm/s、印加バイアス:−800Vとした。
<スクレーパー>
材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロール部材への食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mmとした。
−クリーニングブラシ−
領域Aの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:2デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:120,000本/inch2、基布幅4mm、
領域Bの材質:導電性ナイロン、繊維太さ:6デニール、電気抵抗:1×105Ω、毛足長さ:4mm、繊維密度:80,000本/inch2、基布幅20mm、
感光体への食い込み量:1.5mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体の回転方向に対して逆回転、ブラシ印加バイアス:−400Vとした。
−回収ロール部材−
材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×106Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、ブラシ部材への食い込み量:1.5mm、周速:70mm/s、印加バイアス:−800Vとした。
<スクレーパー>
材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロール部材への食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mmとした。
(クリーニング装置5)
ブレード材質:ウレタンゴム、厚み:2mm、感光体への食い込み量:1.1mm、フリーレングス(自由長):10mm、配置方向:食い込み角度が感光体に対して23度のドクター方向とした。
ブレード材質:ウレタンゴム、厚み:2mm、感光体への食い込み量:1.1mm、フリーレングス(自由長):10mm、配置方向:食い込み角度が感光体に対して23度のドクター方向とした。
[感光体]
<感光体1>
4質量部のポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)を溶解したn−ブチルアルコール170質量部に、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)30質量部および有機シラン化合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)3質量部を添加、混合撹拌して下引き層形成用の塗布液を得た。この塗布液を、ホーニング処理により粗面化された外径40mmのアルミニウム支持体の上に浸漬塗布し、室温で5分間風乾を行った後、支持体を10分間で50℃に昇温し、50℃、85%RH(露点47℃)の恒温恒湿槽中に入れて、20分間加湿硬化促進処理を行った。その後、熱風乾燥機に入れて170℃で10分間乾燥を行い下引き層を形成した。
電荷発生材料として塩化ガリウムフタロシアニン15質量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10質量部およびn−ブチルアルコール300質量部からなる混合物をサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液を、上記下引き層上に浸漬塗布し、乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。次に、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン40部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量40,000)60質量部とをテトロヒドロフラン235質量部及びモノクロロベンゼン100質量部に十分に溶解混合して得られた塗布液を上記電荷発生層の上に浸漬塗布し、120°で40分乾燥することにより、膜厚24μmの電荷輸送層を形成した。これを感光体1とした。
<感光体1>
4質量部のポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)を溶解したn−ブチルアルコール170質量部に、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)30質量部および有機シラン化合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)3質量部を添加、混合撹拌して下引き層形成用の塗布液を得た。この塗布液を、ホーニング処理により粗面化された外径40mmのアルミニウム支持体の上に浸漬塗布し、室温で5分間風乾を行った後、支持体を10分間で50℃に昇温し、50℃、85%RH(露点47℃)の恒温恒湿槽中に入れて、20分間加湿硬化促進処理を行った。その後、熱風乾燥機に入れて170℃で10分間乾燥を行い下引き層を形成した。
電荷発生材料として塩化ガリウムフタロシアニン15質量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10質量部およびn−ブチルアルコール300質量部からなる混合物をサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液を、上記下引き層上に浸漬塗布し、乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。次に、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン40部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量40,000)60質量部とをテトロヒドロフラン235質量部及びモノクロロベンゼン100質量部に十分に溶解混合して得られた塗布液を上記電荷発生層の上に浸漬塗布し、120°で40分乾燥することにより、膜厚24μmの電荷輸送層を形成した。これを感光体1とした。
<感光体2>
下記化合物1を5質量部、イソプロピルアルコールを15質量部、テトラヒドロフランを9質量部、及び蒸留水を0.9質量部混合し、それにイオン交換樹脂(アンバーリスト15E)を0.5質量部加え、室温で攪拌することにより2時間加水分解を行った。さらに、ブチラール樹脂を0.5質量部、レゾール型フェノール樹脂(PL−2211、群栄化学社製)を5質量部、光安定剤としてサノールLS2626(三共ライフテック製)を0.2質量部、及び触媒としてネイキュア4167(楠本化成製)を0.5質量部加え保護層形成用塗布液を調製した。この保護層形成用塗布液を電荷輸送層の膜厚を22μmとする以外は感光体1と同じ条件で作成した電荷輸送層上に浸漬塗布し、140℃で40分乾燥させ、膜厚3μmの保護層を形成した。得られた感光体を感光体2とした。
下記化合物1を5質量部、イソプロピルアルコールを15質量部、テトラヒドロフランを9質量部、及び蒸留水を0.9質量部混合し、それにイオン交換樹脂(アンバーリスト15E)を0.5質量部加え、室温で攪拌することにより2時間加水分解を行った。さらに、ブチラール樹脂を0.5質量部、レゾール型フェノール樹脂(PL−2211、群栄化学社製)を5質量部、光安定剤としてサノールLS2626(三共ライフテック製)を0.2質量部、及び触媒としてネイキュア4167(楠本化成製)を0.5質量部加え保護層形成用塗布液を調製した。この保護層形成用塗布液を電荷輸送層の膜厚を22μmとする以外は感光体1と同じ条件で作成した電荷輸送層上に浸漬塗布し、140℃で40分乾燥させ、膜厚3μmの保護層を形成した。得られた感光体を感光体2とした。
(実施例1〜3及び比較例1〜3)
感光体及びクリーニング装置を表1に示すように組み合わせて、画像形成装置(富士ゼロックス社製Docu Color1250改造機)を作製した。なお、現像剤としてDocu Color1250用の現像剤を用いた。
高温高湿(28℃、80%)及び低温低湿(10℃、20%RH)条件下で10万枚の耐久試験を行い、画像流れ、フィルミング、感光体傷、クリーニング性及び総合評価を下記基準に基づき評価した。結果を表1に示す。
感光体及びクリーニング装置を表1に示すように組み合わせて、画像形成装置(富士ゼロックス社製Docu Color1250改造機)を作製した。なお、現像剤としてDocu Color1250用の現像剤を用いた。
高温高湿(28℃、80%)及び低温低湿(10℃、20%RH)条件下で10万枚の耐久試験を行い、画像流れ、フィルミング、感光体傷、クリーニング性及び総合評価を下記基準に基づき評価した。結果を表1に示す。
(画像流れ)
高温高湿環境下で電源投入後に画像密度20%のハーフトーン画像を採取し官能評価をおこなった。
○:画像流れ白抜け未発生
×:画像流れ白抜け発生
(感光体のフィルミング)
走行中のプリント画像および感光体表面を観察した。
○:感光体表面への付着物なし
×:感光体表面への付着がありプリント画像中に筋状濃度差発生
(感光体の傷)
走行中のプリント画像中筋および感光体表面を観察した。
○:プリント画像中筋状濃度差無し
×:感光体周方向傷がありプリント画像中に筋状濃度差発生
(クリーニング性)
低温低湿下での走行中のプリント画像中のクリーニング不良画像の有無と定期的に未転写のA3サイズの画像密度100%画像をクリーニングすることで評価を行った。判断基準は以下の通りである。
○:プリント画像中および未転写画像にクリーニング不良発生無し
×:プリント画像中クリーニング不良発生
(総合評価)
下記基準に基づき総合評価を行った。
○:画像流れ、フィルミング、傷の発生がなくトナークリーニング性も維持
×:画像流れ、フィルミング、傷、トナークリーニング性のいずれかが不十分
高温高湿環境下で電源投入後に画像密度20%のハーフトーン画像を採取し官能評価をおこなった。
○:画像流れ白抜け未発生
×:画像流れ白抜け発生
(感光体のフィルミング)
走行中のプリント画像および感光体表面を観察した。
○:感光体表面への付着物なし
×:感光体表面への付着がありプリント画像中に筋状濃度差発生
(感光体の傷)
走行中のプリント画像中筋および感光体表面を観察した。
○:プリント画像中筋状濃度差無し
×:感光体周方向傷がありプリント画像中に筋状濃度差発生
(クリーニング性)
低温低湿下での走行中のプリント画像中のクリーニング不良画像の有無と定期的に未転写のA3サイズの画像密度100%画像をクリーニングすることで評価を行った。判断基準は以下の通りである。
○:プリント画像中および未転写画像にクリーニング不良発生無し
×:プリント画像中クリーニング不良発生
(総合評価)
下記基準に基づき総合評価を行った。
○:画像流れ、フィルミング、傷の発生がなくトナークリーニング性も維持
×:画像流れ、フィルミング、傷、トナークリーニング性のいずれかが不十分
表1から、本発明の構成とすることにより感光体およびクリーナーの長寿命化と高信頼化が達成できることがわかる。
1 感光体
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 定着装置
7 クリーニング装置
700 ハウジング
701 クリーニングブラシ
702 回収ロール部材
703 スクレーパー
704、705 シャフト
706 取り付け金具
P 被転写体
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 定着装置
7 クリーニング装置
700 ハウジング
701 クリーニングブラシ
702 回収ロール部材
703 スクレーパー
704、705 シャフト
706 取り付け金具
P 被転写体
Claims (1)
- 感光体と、前記感光体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電した前記感光体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記感光体の表面に形成された潜像を少なくともトナーを含有する現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記感光体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記被転写体に転写されたトナー像を定着する定着手段と、転写後の前記感光体の表面の残留トナーを除去するクリーニング手段と、を少なくとも具備した画像形成装置であって、
前記感光体の最表面層が保護層であり、
前記クリーニング手段は、表面に備えられたブラシ毛を前記感光体の表面に接触させつつ回転するクリーニングブラシを少なくとも備え、前記クリーニングブラシの表面には、前記クリーニングブラシの回転方向に沿って前記ブラシ毛の太さが異なる領域を少なくとも2つ有する、画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005080557A JP2006259616A (ja) | 2005-03-18 | 2005-03-18 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005080557A JP2006259616A (ja) | 2005-03-18 | 2005-03-18 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006259616A true JP2006259616A (ja) | 2006-09-28 |
Family
ID=37098919
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---|---|---|---|
JP2005080557A Pending JP2006259616A (ja) | 2005-03-18 | 2005-03-18 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006259616A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009031550A (ja) * | 2007-07-27 | 2009-02-12 | Canon Inc | 画像形成装置 |
JP2011028012A (ja) * | 2009-07-27 | 2011-02-10 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
CN104238327A (zh) * | 2013-06-11 | 2014-12-24 | 富士施乐株式会社 | 清洁刷、充电装置和图像形成装置 |
-
2005
- 2005-03-18 JP JP2005080557A patent/JP2006259616A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011028012A (ja) * | 2009-07-27 | 2011-02-10 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
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JP2014240866A (ja) * | 2013-06-11 | 2014-12-25 | 富士ゼロックス株式会社 | クリーニングブラシ、帯電装置及び画像形成装置 |
CN104238327B (zh) * | 2013-06-11 | 2018-02-16 | 富士施乐株式会社 | 清洁刷、充电装置和图像形成装置 |
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