以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。まず、図1及び図2を参照して遊技機としての弾球遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、実施形態に係る弾球遊技機1の正面図であり、図2は、弾球遊技機1の背面図である。
弾球遊技機1は、縦長な方形状に枠組み形成される外枠2と、該外枠2の一側に開閉自在に軸支され且つ弾球遊技機1の主要構成部のほぼすべてが集約して設けられる枠基体3と、該枠基体3の前面上部に開閉自在に設けられるガラス板保持枠4と、から構成されている。枠基体3に設けられる主要構成部としては、ガラス板保持枠4、遊技盤40、上皿12、灰皿21を含む下皿18、操作ハンドル22、機構板50、打球発射装置71がある。また、図示の実施形態では、弾球遊技機1の側方に遊技者に遊技玉を貸し出すためのユニット装置としてのカードユニット装置30が付設されている。
ガラス板保持枠4には、後述する遊技盤40の遊技領域をほぼ透視し得る円形透視窓5が開設され、該円形透視窓5の裏面からガラス板が装着されている。また、ガラス板保持枠4には、円形透視窓5の外周に沿って、その上部に装飾LED7が、その左右両側方に装飾蛍光灯6a・6bが設けられている。この装飾LED7や装飾蛍光灯6a・6bは、遊技状態に応じて点灯又は点滅されるものであり、特別の遊技状態の発生時や継続時を遊技者に報知すると共に遊技の雰囲気を盛り上げるものである。また、ガラス板保持枠4の軸支側上部には、払い出すべく景品玉が不足したことを報知する玉切れLED8や、入賞玉の発生に基づいて所定個数の景品玉が払い出されたことを報知する払出LED9が設けられ、更に、ガラス板保持枠4の上部左右に遊技の進行に応じた効果音を発生するスピーカ10a・10bが設けられている。なお、上記した構成のうち、装飾LED7や玉切れLED8及び払出LED9は、複数のLEDがプリント配線基板上に実装されるように構成されるものであるが、このプリント配線基板を金属ベースプリント配線基板で構成することにより、LEDから発生される熱の放熱効果を高めることができる。
次に、ガラス板保持枠4の下部で開閉自在に取り付けられる上皿12の構成について説明すると、上皿12は、合成樹脂製の上皿開閉板11の表面に複数の合成樹脂製部材を組合せた皿部材を固着することにより構成されている。上皿開閉板11には、その開放側の上端に玉抜き操作レバー16が設けられている。この玉抜き操作レバー16は、左右方向に移動可能に設けられ、図示しないスプリングの付勢力に抗して一方向に移動させることにより、上皿12に貯留されていた玉を上皿開閉板11の裏面に形成される玉抜き路(図示しない)を流下させて下皿18に誘導するものである。また、上皿12には、その内部に圧電ブザー17が内蔵されている。この圧電ブザー17は、遊技玉の貸出異常が生じたとき(例えば、ピッ、ピッ、ピッという連続音)、あるいは遊技玉の貸出時(例えば、100円相当の遊技玉が払い出される毎にピーという音)に、その旨を報知する報知音が発生されるものである。
上記した上皿12について、さらに詳細に説明すると、上皿12は、その上流側に形成される賞球払出口14とその下流側に形成される打球供給口15とを連絡するように貯留整列路13が形成されており、その貯留整列路13の中程底面裏面に上皿玉検出器(図示しない)が設けられている。この上皿玉検出器は、上皿12に残留する打玉を検出するものである。また、上皿12には、弾球遊技機1に隣接して設けられるカードユニット装置30を介して遊技玉を借り受ける際に操作する操作部が設けられている。なお、この操作部は、玉貸スイッチ、返却スイッチ、自動玉貸スイッチ、度数表示LED、及び自動玉貸表示LED(共に図示しない)から構成されている。玉貸スイッチは、カードユニット装置30によって遊技玉を借り受ける際に操作するものである。返却スイッチは、遊技終了の際にカードユニット装置30のカード挿入口33に差し込まれたカードを返却するためのものである。度数表示LEDは、カードユニット装置30のカード挿入口33に差し込まれたカードの残額が表示されるものである。また、自動玉貸スイッチは、借り受けるべき遊技玉を前記玉貸スイッチを操作して行うマニュアルモードと、上皿12の打玉の残量が前記上皿玉検出器によって検出されなくなったときに自動的に遊技玉を払い出す自動モードと、のいずれかのモードに設定するものであり、自動モータが選択設定されているときには、自動玉貸表示LEDが点灯している。
しかして、後述する遊技盤40の遊技内容において大当り遊技状態が発生すると、短時間に多量の入賞玉を獲得するチャンスがある。このように大当り遊技状態という遊技者にとって極めて大きなチャンスは、上皿12の残留玉がほとんどなくなった時点で発生する場合もあり、このような場合、続けて打玉を発射させて打玉を可変入賞球装置42の特定入賞領域に入賞させる必要があるにも拘らず、打玉が上皿12に残存しないので、慌てて玉貸スイッチを操作して遊技玉を借り受けなければならない。しかし、玉貸スイッチを操作してから遊技玉が払い出され、しかもその玉が発射されて可変入賞球装置42の特定入賞領域に到達するまでに多少の時間がかかるため、その時間の間に有利なチャンス(継続権の成立)を逃してしまうという不都合があるが、本実施形態においては、自動玉貸スイッチを自動モードに設定しておけば、上皿玉検出器が打玉の不存在を検出した時点で自動的に遊技玉を上皿12に払い出すので、上記したような不都合は生じない。なお、上皿12として上記した制御を行わないならば、上皿玉検出器及び自動玉貸スイッチを省略したものでも良い。
また、枠基体3の下部に取り付けられる下皿18は、前記上皿12から溢れた賞球であって余剰玉通路(図示しない)を介して余剰玉払出口19から排出される余剰の賞球を貯留するものであり、その下皿18の前面壁には、玉抜き操作レバー20がスライド可能に取り付けられるようになっている。この玉抜き操作レバー20を操作することにより、下皿18に貯留されていた賞球を下方に玉抜きして持ち運び可能な玉箱に移し替えることができる。また、下皿の左側には、灰皿21が設けられ、右側には、操作ハンドル22が設けられている。操作ハンドル22は、後述する打球発射装置71の発射装置モータ72の駆動を開始せしめるメインスイッチ及びタッチアンテナ(共に図示しない)を内蔵していると共に、弾発力を調節するものである。
弾球遊技機1の正面構造は、概ね上記した通りであるが、図示の実施形態では、弾球遊技機1にカードユニット装置30が隣接されている。このカードユニット装置30は、前記上皿12の上面に設けられる前述した操作部を操作することにより作動されるものである。しかして、カードユニット装置30は、使用可能状態であるか否かを表示する使用可能表示器31と、当該カードユニット装置30がいずれの側の弾球遊技機1に対応しているか否かを表示する連結台方向表示器32と、記録媒体としての磁気カードを挿入するカード投入口33とが設けられている。そして、このように構成されるカードユニット装置30は、独自の制御回路によって制御されるものであるが、上皿12に設けられる玉貸スイッチ、返却スイッチ、及び度数表示LEDや、後述する制御基板ボックス64内に収納された賞球払出制御基板63と接続されている。なお、カードユニット装置30を弾球遊技機1に内蔵しても良い。なお、本実施形態においては、遊技者に遊技玉を貸し出すためのユニット装置としてカードユニット装置30を例示したが、例えば、紙幣等を挿入し得るユニット装置であっても良い。
次に、遊技盤40の正面構造について説明すると、遊技盤40は、前記枠基体3の裏面側に一体的に形成される遊技盤収納枠(図示しない)に収納固定されるべく、ほぼ正方形状の合板により形成され、その表面には、円形うず巻き状に誘導レール(図示しない)が取り付けられ、該誘導レールの内側が遊技領域とされて発射された打玉が落下するものである。遊技領域には、図示の場合、ドラム状可変表示装置41や可変入賞球装置42やドラム状可変表示装置41の可変表示を許容する始動入賞口43が設けられると共に、単に打玉を入賞とする入賞口44・45、打玉の流下方向及び速度を変化せしめる風車又は多数の障害釘が設けられ、また、遊技領域の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない打玉が取り込まれるアウト口46が設けられている。
一方、弾球遊技機1の裏面側には、図2に示すように、機構板50が開閉自在に設けられている。機構板50の中央には窓開口51が開設され、該窓開口51からは、前記遊技盤40の裏面に取り付けられた入賞玉集合カバー体52が貫通されている。入賞玉集合カバー体52には、中継基板53と、ドラム表示制御回路基板54を備えた前記ドラム状可変表示装置41と、が設けられている。なお、各基板53・54は、相互間で接続されている。また、中継基板53には、遊技盤40上の各種電気部品が接続されると共に、後述する遊技制御回路基板61が接続されている。一方、ドラム表示制御回路基板54には、前記可変表示装置41を構成する各種電気部品(ドラムモータ、ドラムランプ、ドラムセンサ等)が接続されると共に、遊技制御回路基板61が接続されている。
また、前記機構板50には、発生した入賞玉に基づいて所定個数の賞球を払い出す玉タンク55と、賞球払出装置56と、玉タンク55内の玉を賞球払出装置56に送る玉整列レール57、カーブ樋58、及び通路体59と、玉止め部材60a及び入賞玉排出ソレノイド60bを備えた入賞玉処理装置60と、遊技制御回路基板61を収納した回路基板ボックス62と、賞球払出制御基板63を収納した制御基板ボックス64と、ユニット中継基板65を収納した中継基板ボックス66と、ターミナル基板67を収納したターミナル基板ボックス68と、が設けられている。遊技制御回路基板61は、CPU、RAM、及びROMを備えてドラム式可変表示装置41や可変入賞球装置42等の遊技装置の遊技動作を制御するものである。賞球払出制御基板63は、賞球払出装置56の動作を制御するものである。ユニット中継基板65は、弾球遊技機1とカードユニット装置30との配線を中継するものである。ターミナル基板67は、遊技制御回路基板61に電源を供給するものである。また、弾球遊技機1の裏面には、上記した機構板50以外の領域に、装飾制御基板69を収納した制御基板ボックス70と、発射装置モータ72を備えた打球発射装置71とが設けられている。装飾制御基板69は、遊技制御回路基板61からの指令又はデータに基づいて弾球遊技機1の前面に設けられる電気的装飾部品(ランプ等)の動作を制御するものである。
なお、上記した各種基板及び装置には、所定の配線を接続するためのコネクタが設けられており、特に、ターミナル基板ボックス68に収納されるターミナル基板67は、遊技制御回路基板61に電源を供給するだけでなく、弾球遊技機1に設けられる各種電気的装置、例えば、上記した各基板及び打球発射装置71にも電源を供給すると共に、弾球遊技機1の内部での信号線の中継、あるいは弾球遊技機1と外部との信号線の中継を行うための端子も設けられている。
次に、各種制御用の回路基板を収納してなる基板ボックスの構成について回路基板ボックス62を例に挙げて説明する。回路基板ボックス62は、図3に示すように、前記遊技制御回路基板61を内部に収納する蓋体80及びボックス本体110の組付体からなり、この組付体が取付台150を介して前記機構板50に取り付けられて構成される。先ず、ボックス62内に収納される遊技制御回路基板61について図6を参照して説明する。回路基板61は、図6に示すように、長方形状のプリント配線基板によって構成されており、その上面の大部分はROM等の電子部品73を実装する電子部品実装領域74として形成される一方、幅方向一側の領域がコネクタ75を実装するコネクタ実装領域76として形成されている。また、回路基板61には、幅方向一側の両端に止め穴77が穿設される一方、幅方向他側の両端には係合穴78が穿設されている。なお、回路基板61の上面及び下面における止め穴77の外周には、メッキ部(図示しない)が設けられている。このメッキ部は、回路基板61を後述の本体枠116にビス119止めする際、回路基板61のグランドライン(図示しない)と本体枠116とを導通させるためのものであり、ボックス62内で発生する静電気から回路基板61を保護するようになっている。また、各実装領域74・76が形成された回路基板61の上面には、電子部品73とコネクタ75を電気的に接続する結線パターン79が形成されている(図7参照)。
また、上記した回路基板61のコネクタ実装領域76には、図6に示すように、透明合成樹脂製の被覆部材161が取り付けられるようになっている。被覆部材161は長板形状をなし、その長手方向の両端側には、ビス139で回路基板61と共締めする取付穴162が穿設されている。各取付穴162間には、コネクタ実装領域76に並設されたコネクタ75を個々に挿通する挿通穴163が複数穿設されている。また、被覆部材161の幅方向一側の両端部には、被覆部材161の長手方向に沿って延びる規制壁164が上方に突設され、その規制壁164の内向側端部分から被覆部材161の下面にかけて規制壁165が突設されている。規制壁165の下端部には、後述する底板111の取付穴111aに嵌合する取付突起166が突設されている。
蓋体80は、図4に示すように、透視性を有する上板81と、金属製の蓋枠93と、透視性及び導電性を有する導電板100と、を備えている。上板81は、透明合成樹脂の長方形板からなり、その下面側の外周端部には、所定間隔を置いて複数の溶着突起82が突設されている。また、上板81の長手方向の両端側には、複数(実施形態中では、3つ)の取付片部83a〜83cが並設されている。取付片部83a〜83cは、各々、上板81の側壁を構成する部分と、上板81の上壁を構成する部分と、を有した断面L字状をなし、上板81の側壁構成部分においては、各取付片部83a〜83c間を連結する連結部84a〜84cが一体成形され、上板81の上壁構成部分においては、各取付片部83a〜83c間を連結する連結部85a〜85cが一体成形されている。なお、各取付片部83a〜83c間には、スリット状の溝が形成されており、連結部84a〜84c・85a〜85cは、取付片部83a〜83cの外壁面から突出した状態で設けられている(図8参照)。また、取付片部83a〜83cの上壁構成部分には、それぞれ取付穴86a〜86cが穿設されており、取付片部83cの隣接部であり且つ上板81の幅方向一側の両端隅角部には、取付穴86dが穿設されている。上板81の上面には、凹部90・92が形成されており、凹部90には、弾球遊技機1の機種名を記した機種名シール84が貼着され、凹部92には、回路基板ボックス62を交換した際に書き込む「交換者」「交換日」の各項目を記した交換履歴シール91が貼着されている。
なお、上記した各取付穴86a〜86d・88の上方部分は、ボックス本体110との組み付け状態で組み付け用のビスを蓋枠93の外壁面に入り込ませるような凹形状をなしている(図8(A)参照)。このため、ビスの頭部を切断してビス止めを解除する不正行為が防止できる。また、各連結部84a〜84c・85a〜85cには、それぞれ回路基板ボックス62の開放手順を示唆するための刻印「1〜3」が施されている(図7及び図10参照)。具体的には、取付片部83aに対応する連結部84a・85aには「1」の刻印が施され、取付片部83bに対応する連結部84b・85bには「2」の刻印が施され、取付片部83cに対応する連結部84c・85cには「3」の刻印が施されている。
蓋枠93は、上面に開口部94を有し、該開口部94以外となる残りの上面領域には、上板81側の複数の溶着突起82を個々に挿通する挿通穴95が複数穿設されている。また、蓋枠93の外周縁部には、全周に亘って側壁が垂下形状されている。蓋枠93の長手方向両端の側壁は、ボックス本体110との組み付け状態で後述する取付片130の先端部分と当接する当接壁97として形成され(図8参照)、その下端側の前後2箇所には、係合爪96が突設されている。蓋枠93の幅方向一側の側壁は、回路基板ボックス62内に収納される回路基板61の電子部品実装領域74とコネクタ実装領域76とを蓋枠93の内外に仕切る仕切り壁98として形成されている(図13参照)。
導電板100は、上板81と同様に透明合成樹脂の長方形板からなり、その上面側には黒色塗装を施した導電性繊維101が全域に接合して設けられている。導電板100の外周端部には、蓋枠93に穿設された挿通穴95と同様に、上板81側の溶着突起82を個々に挿通する挿通穴102が複数穿設されている。ここで、導電性繊維について簡単に説明すると、導電性繊維は、大きく分けて金属製(銅、黄銅、ニッケル、アルミニューム等)のフィラメントを網状に織ったものと、合成繊維に導電性粒子(銅、カーボン等)を塗布又は含浸させたものと、があり、いずれの種類の導電性繊維においても、電磁シールド効果及び光線透過率の見地から、50〜250メッシュ(特に、100〜200メッシュがよい)程度で、その開口率10〜90%(特に、30〜80%がよい)であることが望ましい。そして、メッシュという構造上、どうしても透視性が悪くなるが、本実施形態では、これを抑制するために、導電性繊維101を金属色を避けた濃色(実施形態中では、黒色)にすることで透視性を向上させている。
なお、本実施形態では、透明合成樹脂板に導電性繊維101を接合することで導電板100を構成しているが、導電板の構成はこれに限定するものではなく、透明合成樹脂板に導電性繊維を埋設して導電板(俗にCRTフィルターなどともいう)を構成してもよい。この場合、その透明合成樹脂板を濃色とすることにより透視性を向上させることができる。また、透明導電層の形成によって導電板を構成してもよい。この透明導電層について簡単に説明すると、透明導電層は、金、白金、銀、錫、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、あるいはアンチモン等の金属や酸化インジウムあるいは酸化錫等の金属酸化物、又はこれらの混合物を真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD等の方法により導電性と透視性を有する厚みの層として樹脂材等の表面に形成されるものである。透明導電層の厚みは、通常5〜1000nm程度であり、その電気伝導性は、10000Ω/□以下、好ましくは1000Ω/□以下の電気抵抗率が適当である。
しかして、蓋体80は、図5(A)(B)に示すように、蓋枠93の挿通穴95及び導電板100の挿通穴102を挿通した上板81の溶着突起82が超音波溶着されることで、上板81、蓋枠93、及び導電板100の組付体として構成されている。また、このような溶着突起82の溶着により、導電板100の導電性繊維101は、蓋枠93と確実に導通される。なお、溶着突起82の溶着において、上板81(溶着突起82)と導電板100とを同一素材で形成した場合には、溶着突起82の溶着部分が導電板100に混じり合い、より一層強固な溶着が可能になる。また、蓋体80の組み付け方法は、超音波溶着以外にも熱溶着したり、溶剤又は接着剤を用いてもよい。また、このような蓋体80の組み付け状態において、上板81の上面と蓋枠93の側面との間には、長方形状のホログラムシール104が貼着され、これによって蓋体80の組み付け状態が担保されるようになっている。
一方、ボックス本体110は、図6に示すように、透視性を有する底板111と、金属製の本体枠116と、を備えている。底板111は、透明合成樹脂の長方形板からなり、その上面側には、回路基板61の下面を支承するためのフランジ片112が四隅近傍部及び幅方向両端の中央部に立設されている。なお、幅方向一側の二隅近傍部に立設されたフランジ片112には、後述する係合片124との干渉を逃がすためのスリット部113が形成されている。一方、幅方向他側の二隅近傍部に立設されたフランジ片112の近傍には、後述する取付片122を貫通する貫通穴114が穿設され、その近傍には、被覆部材161の取付突起166を嵌合する取付穴111aが穿設されている。また、長手方向一側のほぼ中央部には、切欠部115が穿設されている。この切欠部115は、回路基板ボックス62を取付台150に取り付けた状態で後述する係合突起154との干渉を逃がすための切り欠きである。
本体枠116は、下面に開口部117を有すると共に、その外周縁部には全周に亘って側壁を有する形状となっている。開口部117の内周縁部には、その幅方向両側に断面L字状をなす係合片118が所定の条設長さで形成され、内周縁部の長手方向一側には、係止穴120を穿設した係止片119が形成されている。また、開口部117以外となる残りの下面領域には、複数の軽減穴121が穿設されている。下面領域における幅方向一側の両端には、取付穴123を穿設した取付片122が形成され、下面領域における幅方向他側の両端には、係合突起125を備えた係合片124が形成されている。また、上記した係合片118は、後で詳述する取付台150への取り付け時に取付台150側の係合レール151と係合し易いように先端部分が若干下方に折曲されている。
また、本体枠116の幅方向一側壁には、複数の放熱穴128が穿設されている。本体枠116の幅方向の両側壁には、その長手方向の両端部に補強片129が延設されている。この補強片129は、延設部分から内向側に折曲されることで本体枠116の長手方向両側壁を内側から押さえ、本体枠116の強度を向上するようになっている。また、側壁間の隙間を塞ぐので、側壁間を広げて不正に改造しようとしてもできない。なお、このような補強片は、本体枠116に限らず蓋枠93側に設けてもよい。本体枠116の長手方向の両側壁の上端部分は、内向側に折曲された取付片130として形成されており、該取付片130には、蓋体80側の取付穴86a〜86dと個々に対応する取付穴131〜134が穿設されている。取付穴132〜134の近傍には、それぞれ装備用のワンウェイネジ140を挿通状態で装備しておく装備穴135〜137が穿設されている。また、取付片130の先端側の前後2箇所には、蓋体80側の係合爪96を係止する係止溝138が形成されている。さらに、本体枠116の長手方向一側の下端部分には、回路基板ボックス62を取付台150に固着状態で取り付けるための取付穴149a〜149dを個々に穿設した取付突起148a〜148dが形成されている。
しかして、上記した蓋体80及びボックス本体110は、以下に示す組み付けによって回路基板61を収納した組付体(回路基板ボックス62)として構成される。先ず、回路基板61と底板111とを重畳して本体枠116に装着し、回路基板61の係合穴78に係合片124の係合突起125を挿通する。次に、回路基板61のコネクタ75を挿通穴158に挿通させて被覆部材161をコネクタ実装領域76に装着し、被覆部材161の取付穴162と回路基板61の止め穴77を取付片122の取付穴123にビス139で共締めする。これにより、被覆部材161及び回路基板61が底板111を挟んで本体枠116にビス139止めされた状態となる(図13(A)参照)。なお、このような回路基板61の取り付け固定において、止め穴77と取付穴123との穴位置を合せる際、回路基板61が若干ズレることで係合突起125と係合穴78とが係合し、ビス止めされない回路基板61の幅方向一側も固定される。また、コネクタ実装領域76は、図7及び図13に示すように、その上面に被覆部材161が取り付けられることで、コネクタ75以外の部分、言い換えれば結線パターン79を形成した部分が被覆部材161によって被覆される。このようにして結線パターン79を被覆した被覆部材161は、取付突起166が底板111の取付穴111aに嵌合することで底板111に対して位置決めされている。
次に、上面が開放しているボックス本体110に蓋体80を被せる。このとき、蓋体80側の4つの係合爪96は、図4及び図6に示すように、それぞれC〜F方向への挿入によってボックス本体110側の係止溝138に係止され、ボックス本体110及び蓋体80の位置決め的な取り付けが行われる。なお、このような係合爪96と係止溝138の係合は、図12(A)(C)に示すように、先ず、係合爪96を係止溝138内に挿し込み、次いで図12(B)(D)に示すように、蓋体80(係合爪96)をスライド移動させて係止溝138と係合させることで行われる。この係合状態は、固着状態を解除しなければ解除されないので、固着部の代わりになる。このため、固着箇所を少なくでき、組み付け易くコストダウンが招来できる。つまり、四隅にこのような係合部があれば、四隅を全て固着しなくてもよい(四隅を開けることができない)。また、蓋枠93の仕切り壁98は、回路基板61の電子部品実装領域74とコネクタ実装領域76とを蓋体80の内外に仕切った状態にある。これにより、蓋体80を取り外すことなく、コネクタ75への配線取り付け及び配線取り外しが可能になる。
そして、図4及び図6に示すA・B方向において、取付片部83aの取付穴86aを本体枠116の取付穴131にワンウェイネジ(ビス)140で止め(図8(A)参照)、そのビス140止め部分を長方形状のホログラムシール105で封印する。これにより、蓋体80とボックス本体110との内部空間に回路基板61を封止状態で収納した組付体(回路基板ボックス62)が構成される。なお、このような回路基板61の封止状態において、外部に露出して設けられるコネクタ実装領域76は、結線パターン79が被覆部材156で被覆されている。このため、コネクタ実装領域76を外部に露出して設けた構成でも、結線パターン79を利用した不正行為を防止することができる。また、このような組み付け状態で、仕切り壁98の先端部分は、被覆部材161と当接することにより、各規制壁164・165を蓋体80の内側に配している。これにより、不正行為でビス139が取り外された場合でも、回路基板61の封止状態(蓋体80の固着状態)を解除しない限り被覆部材161が取り外せないようになっている。
また、上記した蓋体80とボックス本体110との組み付け状態において、各装備穴135〜137に挿通されたワンウェイネジ140は、その上方から蓋体80が覆いかぶさるようにして取り付けられることで、装備穴135〜137から外れることなくボックス62内に収納されている。即ち、このような収納状態で、蓋体80の各取付片部83b・83c及び取付穴86d近傍の上壁面が個々にワンウェイネジ140の飛び出しを阻止している。なお、ワンウェイネジ140の装備方法は、実施形態中に記載のものに限定しない。例えば、ボックス62の組み付け状態で、ワンウェイネジ140の頭部を蓋体80(取付片部など)によって完全に押え込む構成としたり、あるいはワンウェイネジ140の径と装備穴135〜137の径をほぼ同じ構成としてもよい。このような構成とした場合には、回路基板ボックス62の閉塞状態で、装備されたワンウェイネジ140のガタ付きを押えることができる。
ここで、ワンウェイネジ140について説明する。ワンウェイネジ140は、ネジ締め方向にしか回らない特殊なネジであり、一旦締め付けるとネジを破壊しない限り取り外すことができない。具体的には、図9(A)(B)に示すように、その頭部141に設けられたネジ溝が当接面部142と凹部143と中心穴部144とから構成されている。そして、図9(C)(D)に示す特殊マイナスドライバー145でネジ140締めを行う場合には、ドライバー145の中心軸部146を中心穴部144に差し込み、この状態からドライバー145の当接片部147を当接面部142に当接させて一方向(図9(A)の時計回り方向)に頭部141を回転させることでネジ140締めを行う。一方、ドライバー145で頭部141を他方向(図9(A)の反時計回り方向)に回転させてネジ140を取り外そうとした場合には、ドライバー145が凹部143に入り込んで滑ってしまい頭部141を回転させることができずにネジ140の取り外しが行えない。なお、通常のマイナスドライバーでも頭部141を一方向に回転させてネジ140締めすることは可能であるが、特殊マイナスドライバー145のように、中心軸部146をワンウェイネジ140の中心穴部144に差し込んでワンウェイネジ140との位置決めを行った方が締め付け作業が容易に行える。
また、上記した蓋体80及びボックス本体110の組み付けを行うビス140は、螺着状態で蓋枠93の外壁面に入り込む構成となっている。このため、ビス140止め部分を封印するホログラムシール105は、突起のない平坦面上に貼付され、シール105の剥れ及び損傷が防止できると共に、シール105に対する不正行為の判別が容易になる。ここで、ホログラムシールについて簡単に説明すると、ホログラムシールは、ホログラム層と光反射層と接着剤層とを備え、ホログラム層に形成されるホログラム図柄を偽造困難な図柄に構成することで、不正行為に伴うシールの貼り替えを防止するようになっている。このホログラム図柄は、ホログラムシールの表面に入射したコヒーレント光(レーザー光)がホログラム層のエンボス面を透して光反射層に入り、光反射層からホログラム干渉光としてホログラムシールの外方に反射されることで形成される。また、ホログラムシールを剥した場合は、もう一度貼り直してもホログラム図柄が元の形状にならないので、剥した痕跡が残る。
以上のように、回路基板ボックス62は、蓋体80とボックス本体110とのビス140止め部分をホログラムシール105で封印することにより回路基板61の被覆状態を担保している。また、ボックス62内に設けられた導電板100によって電磁シールド効果を奏し得るようになっている。さらに、回路基板ボックス62は、その上壁面を構成する上板81と導電板100、及び下壁面を構成する底板111をそれぞれ透視性を有する素材から形成することで、回路基板61の実装面(上面)及びハンダ面(下面)を外部から透視できるようにしている。このため、回路基板61に不正な工作(例えば、ジャンパー配線を接続したり、電子部品を実装したりする不正工作)が施された場合には、直ちにその不正工作が判るようになっている。
次に、上記した回路基板ボックス62を機構板50に取り付けるための取付台150について図3を参照して説明する。取付台150は、図3に示すように、合成樹脂(金属でもよい)によって形成された長方形板からなり、その基板中央には断面逆L字状をなす一対の係合レール151が所定間隔を置いて条設されている。なお、係合レール151の条設方向は、取付台150の長辺部に沿った左右方向となっている。取付台150の各長辺部(前後端縁)には、基板面に対して直交するガイド片152が突設されている。取付台150の右側端部には、弾性変形する解除レバー153が形成されており、該解除レバー153の基部には、ボックス本体110側の係止穴120と係合する係合突起154が突設されている。また、取付台150の基板面には、機構板50側の取付ボス(図示しない)に取付台150をビス止めするための止め穴155が穿設されている。
一方、上記した取付台150の左側端部には、複数(本実施形態では、3つ)の取付片部156a〜156cが並設されている。取付片部156a〜156cには、それぞれ取付台150の基板面との間を連結する連結部157a〜157c・158a〜158cが一体成形されている。なお、各取付片部156a〜156cと取付台150の基板面との間には、スリット状の溝が形成されており、連結部157a〜157c・158a〜158cは、取付台150の基板面から上方に突出した状態で設けられている。また、取付片部156a〜156cには、それぞれ取付穴159a〜159cが穿設されており、取付片部156cに隣接する取付台150の基板面には、取付穴159dが穿設されている。これらの取付穴159a〜159dは、本体枠116の取付穴149a〜149dと個々に対応するようになっている。
しかして、上記した取付台150は、止め穴155を介して機構板50にビス止めされることで機構板50上の所定部位に取り付けられる。また、この取付台150に回路基板ボックス62を取り付けるときには、取付台150に対してボックス62を左側方からスライド装着させる。このとき、取付台150側の係合レール151は、ボックス62側の係合片118と係合した状態にあり、ガイド片152は、ボックス62のスライド移動を案内する。その後、このようなボックス62のスライド移動によって取付台150側の解除レバー153が下方に弾性変形し、遂には、ボックス62側の係止穴120が取付台150側の係合突起154と係合してボックス62が装着される。そして、回路基板ボックス62の取付突起148aに穿設された取付穴149aを取付片部156aの取付穴159aにワンウェイネジ160で共締めすることにより、回路基板ボックス62を取付台150に対して非可逆的な固着状態で取り付ける。
ところで、上記取付台150を介した回路基板ボックス62の弾球遊技機1への取り付け状態では、図2に示すように、被覆部材161の配設側が上側になるように取り付けられる。言い換えれば、図12に示す回路基板ボックス62の左側部分が上側になるように取り付けられる。このため、後述する回路基板61の検査等によって蓋体80とボックス本体110との固着状態を解除した場合でも、蓋体80側の係合爪96とボックス本体110側の係止溝138との係合状態(係合爪96が係止溝138に引っ掛かって蓋体80がボックス本体110にぶら下がった状態)が維持されるので、回路基板ボックス62の開閉作業が容易になる。
次に、上記した回路基板ボックス62を回路基板61の検査(出荷納入後にROMが正規のものか否かを検査する)のために開放し、その後再度閉塞状態に復元する手順を図10に基づいて説明する。先ず、図10(A)に示す回路基板ボックス62の閉塞状態において、取付片部83aのビス140止め部分に貼着されたホログラムシール105を剥した後、刻印「1」を目印に各連結部84a・85aをニッパー等の切断工具で切断する。これにより、取付片部83aは、蓋体80から完全に分離され且つワンウェイネジ140によってボックス本体110に固着された状態となる。即ち、ボックス本体110に対する蓋体80の固着が全て解除されて、回路基板ボックス62の開放が可能になる。そして、図10(B)に示すように、ボックス本体110から蓋体80を取り外して回路基板61の検査を行う。また、このような蓋体80の取り外し(連結部84a・85aの切断)によって、各装備穴135〜137に挿通されたワンウェイネジ140は、取り出し可能な状態となり、このうち装備穴135に挿通されたワンウェイネジ140をボックス62の復元用に取り出す。その後、回路基板ボックス62を閉塞するときには、図10(C)に示すように、蓋体80をボックス本体110に被せた状態で、取り出したワンウェイネジ140を刻印「2」を目印に取付片部83bの取付穴86bに螺着する。これにより、取付片部83bの取付穴86bとこれに対応する本体枠116の取付穴132とがワンウェイネジ140によって共締めされる。そして、この取付片部83bのビス140止め部分に新しいホログラムシール105を貼着することで、回路基板ボックス62が再度閉塞状態に復元される。
その後、回路基板ボックス62を再度検査(2回目の検査)する場合には、刻印「2」を目印に各連結部84b・85bを切断する。これにより、取付片部83bを蓋体80から分離させて回路基板ボックス62を開放する。後は同様に、各連結部84b・85bの切断に伴って取り出したワンウェイネジ140(装備穴136のワンウェイネジ140)を刻印「3」を目印に取付片部83cの取付穴86cに螺着して新しいホログラムシール105を貼着する。これにより、回路基板ボックス62が再度閉塞状態に復元される。それ以降、回路基板ボックス62を検査(3回目の検査)する場合には、刻印「3」を目印に各連結部84c・85cを切断することで、取付片部83cを蓋体80から分離させて回路基板ボックス62を開放する。また、回路基板ボックス62の復元時には、各連結部84c・85cの切断に伴って取り出したワンウェイネジ140(装備穴137のワンウェイネジ140)を最後に残った取付穴86dに螺着して新しいホログラムシール105を貼着する。
ところで、上記した回路基板ボックス62の閉塞状態においては、連結部84a〜84c・85a〜85cを切断して取付片部83a〜83cと上板81との連結を解除しない限り、回路基板ボックス62が開放できないようになっている。従って、回路基板61の検査以外で連結部84a〜84c・85a〜85cが切断されるような場合は、この切断により回路基板61に不正が行われたことが即座に且つ確実に判別できるため、回路基板ボックス62の防犯効果を高めることができる。また、回路基板ボックス62の構成では、上板81の溶着突起82を切り離しても、導電板100が回路基板61上に落ち込むため、溶着突起82を切り離した隙間から回路基板61に細工をしようとしても導電板100がそれを阻止する。また、ホログラムシール105を剥した場合には、ホログラムシール105の痕跡がしっかりと残るため不正が行われたことが即座に分かる。
次に、回路基板61の不慮の故障等によって回路基板ボックス62を交換する手順を図11に基づいて説明する。先ず、図11(A)に示す回路基板ボックス62と取付台150との固着状態において、各連結部157a・158aをニッパー等の切断工具で切断する。これにより、取付片部156aは、取付台150から完全に分離され且つワンウェイネジ160によって回路基板ボックス62に固着された状態となる。即ち、回路基板ボックス62は、取付台150との固着が解除されて取付台150からの取り外しが可能になる。そして、解除レバー153を下方に押して係止穴120と係合突起154との係合を解除し、この状態からボックス62を図11(B)に示すG方向にスライドさせることで取付台150から取り外す。その後は、図11(C)に示すように、新しい回路基板ボックス62’を取付台150にスライド装着し、取付突起148bを取付片部156bにワンウェイネジ160で止めることにより、回路基板ボックス62’を取付台150に対して非可逆的な固着状態で取り付ける。
なお、上記した回路基板ボックスの交換作業は、回路基板ボックスのメーカー側の営業マンが行い、その営業マンは、図11(D)に示すように、交換履歴シール91に自分の氏名(交換者「佐久間」)と交換日「H9年4月1日」を記入することで、交換した旨を回路基板ボックス62’に明記するようになっている。さらには、古いボックス62を営業マンが持ち帰った際、交換日、製造番号、遊技店名等をメーカー側の保守管理用コンピューターにインプットしておけば、回路基板ボックスが不正にすり替えられたか否かの判断を容易にすることができる。即ち、メーカー側にその記録がなければ偽造ということになる。当然、交換履歴シール91に交換の記述がなくボックスの固着が解除されていれば、このことから不正を判断することもできる。また、製造番号は、シール89・91に書かれていてもよいし、封印用のシール104・105に書かれていてもよい。また、交換履歴シール91は、交換時に貼り付けられるものでもよいし、交換時に新しい回路基板ボックスに貼り替えられるものでもよい。さらに、履歴シールは、検査履歴を記入するものであってもよい。
その後、回路基板ボックス62’を再度交換(2回目の交換)する場合には、各連結部157b・158bを切断して回路基板ボックス62’と取付台150との固着を解除し、回路基板ボックス62’を取付台150から取り外す。次に、新しい回路基板ボックスを取付台150にスライド装着し、その後、新しい回路基板ボックスの取付突起148cを取付片部156cにワンウェイネジ160で止めることにより、回路基板ボックスを取付台150に対して非可逆的な固着状態で取り付ける。それ以降、回路基板ボックスを交換(3回目の交換)する場合には、各連結部157c・158cの切断によって古い回路基板ボックスを取付台150から取り外す。そして、新しい回路基板ボックスを取付台150にスライド装着して、取付突起148dを取付片部156dにワンウェイネジ160で止める。これにより、回路基板ボックスの3回目の交換が完了する。
また、上記した回路基板ボックス62に収納される遊技制御回路基板61は、図2に示すように、各種コネクタ75に配線167が接続されるものであるが、この配線167には、1つのコネクタ75を1単位とした複数本毎に配線チューブ168が取り付けられている。配線チューブ168は、無色透明なビニールからなり、複数本の配線167を束ねて配線167の外周を覆うことにより、外部から配線167を保護するようになっている。このため、不正基板を配線167に接続して配線チューブ168内に隠す不正が行われた場合でも、無色透明な配線チューブ168を透して不正箇所が容易に発見できるようになっている。
以上のように、本実施形態に係る弾球遊技機1は、遊技制御回路基板61を収納するボックス本体110及び蓋体80からなる回路基板ボックス62と、該回路基板ボックス62を弾球遊技機1に取り付ける取付台150と、を備え、該取付台150と回路基板ボックス62とを取付固着手段(ワンウェイネジ160、取付突起148a〜148c、取付片部156a〜156c)により取り付け、非可逆的な固着状態とすると共に、ボックス本体110と蓋体80とを組付固着手段(ワンウェイネジ140、取付片部83a〜83c、取付片130)により組み付け、非可逆的な固着状態としたことを特徴とする。このように構成することにより、回路基板ボックス62の閉塞を非可逆的な固着状態にすると共に、回路基板ボックス62を弾球遊技機1(取付台150)に非可逆的な固着状態で取り付けることで、回路基板ボックス62を開放する不正、及び複製品の回路基板ボックスにすり替える不正を防止することができる。
また、前記取付固着手段は、第一及び第二の取付固着手段を含み、第一の取付固着手段(ワンウェイネジ160、取付突起148a、取付片部156a)による固着状態を解除するための連結部157a・158aを設け、該連結部157a・158aの解除状態で取付台150と回路基板ボックス62とを前記第二の取付固着手段(ワンウェイネジ160、取付突起148b・148c、取付片部156b・156c)により取り付け、再び非可逆的な固着状態としたので、不慮の故障等による回路基板ボックス62の交換が行える。また、本実施形態では、第二の取付固着手段による固着状態を解除するための連結部157b・157c・158b・158cも設けているので、回路基板ボックスの交換が複数回行える。
また、前記組付固着手段は、第一及び第二の組付固着手段を含み、第一の組付固着手段(ワンウェイネジ140、取付片130、取付片部83a)による固着状態を解除するための連結部84a・85aを設け、該連結部84a・85aの解除状態でボックス本体110と蓋体80とを前記第二の組付固着手段(ワンウェイネジ140、取付片130、取付片部83b・83c)により組み付け、再び非可逆的な固着状態としたので、再度防犯効果の高い回路基板ボックス62に復元することを前提に回路基板61の検査が行える。また、本実施形態では、第二の組付固着手段による固着状態を解除するための連結部84b・84c・85b・85cも設けているので、再度防犯効果の高い回路基板ボックス62に復元することを前提に回路基板61の検査が複数回行える。
なお、上記した実施形態(第一実施形態)は、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。以下、その他の構成を第二乃至第六の実施形態として説明する。なお、以下の説明では、前述する実施形態と同様の構成部材については同一の符号を付記すると共に、その詳細な説明は省略する。先ず、第一実施形態では、取付台150を介して回路基板ボックス62を機構板50に取り付けると共に、取付台150と機構板50との取り付けを着脱自在なビス止めによって行っているが、この構成に限定するものではない。第二実施形態の弾球遊技機170では、図14及び図15に示すように、回路基板ボックス62を取り付けるための取付台150が取付基板173を介して遊技盤40に取り付けられている。取付基板173は方形状の平板からなり、その左右両端には、折曲形状をなすフランジ部174が形成されている。取付基板173の平板部分には、取付穴177が穿設されており、フランジ部174には、取付穴175が穿設されている。しかして、取付基板173は、フランジ部174の取付穴175にワンウェイネジ176が螺着されて遊技盤40の裏面に非可逆的な固着状態で取り付けられる。
また、上記した取付基板173に対しては、その取付穴177に取付台150の止め穴155がワンウェイネジ178で共締めされることにより、取付台150が非可逆的な固着状態で取付基板173に取り付けられる。そして、このようにして取り付けられた取付台150に、回路基板ボックス62(第一実施形態と同様)が前記第一実施形態と同様に取り付けられる。また、弾球遊技機170の裏面側には、機構板171が開閉自在に設けられ、該機構板171の中央には、遊技盤40の裏面側に突出して設けられるドラム式可変表示装置41と前述の回路基板ボックス62を貫通する窓開口172が開設されている。
以上のように、第二実施形態に係る弾球遊技機170は、取付基板173を遊技盤40にワンウェイネジ176で固着し、その取付基板173にワンウェイネジ178で固着した取付台150に回路基板ボックス62を取り付けている。このため、遊技盤40の入れ替えと同時に回路基板ボックス62を交換することができ、ひいては回路基板ボックス62の交換に伴って余分な構成部材を交換する必要がなくなる。例えば、前記第一実施形態のように回路基板ボックス62を機構板50に取り付けた場合には、交換する必要のない機構板50まで取り替えなければならなくなる。また、第二実施形態では、取付台150と取付基板173を介して遊技盤40に回路基板ボックス62を取り付けると共に、回路基板ボックス62の取付部をワンウェイネジによる固着部分(取付片部156a〜156c)のみとしているが、この構成に限定するものではなく、以下に示す第三実施形態の構成でもよい。
第三実施形態の弾球遊技機180では、図16に示すように、遊技制御回路基板181を収納した回路基板ボックス182が取付基板190を介して遊技盤40に取り付けられている。取付基板190は方形状の平板からなり、その左右両端には、折曲形状をなすフランジ部191が形成されている。取付基板190の平板部分には、前記取付台150と同様に切断可能な取付片部193a〜193cが形成されている。また、取付基板190には、回動自在な係止レバー194と、左右一対の係止部195a・195bと、が形成されている。一方、回路基板ボックス182には、前記回路基板ボックス62の取付突起148a〜148dと同様な取付突起183a〜183dが形成されると共に、係止レバー194と係合する係合片部184と、係止部195a・195bと係合する左右一対の係合爪185a・185bと、が形成されている。
しかして、上記した取付基板190は、フランジ部191の取付穴(図示しない)にワンウェイネジ192が螺着されて遊技盤40の裏面に非可逆的な固着状態で取り付けられる。また、回路基板ボックス182は、係合爪185a・185bが係止部195a・195bに係止されると共に、係合片部184が係止レバー194に係止され、この状態で取付突起183aが取付片部193aにワンウェイネジ196で止められている。
以上のように、第三実施形態に係る弾球遊技機180は、取付基板190を遊技盤40にワンウェイネジ192で固着し、その取付基板192に回路基板ボックス182を固着状態で取り付けている。即ち、第三実施形態では、取付基板190を本発明の取付台として構成としている。また、回路基板ボックス182の取付部は、ワンウェイネジによる固着部分(取付片部193a〜193c)のみならず、係止レバー194及び係止部195a・195bを設けている。
また、前記第一実施形態では、ボックス本体110と蓋体80とを非可逆的な固着状態で組み付ける組付固着手段(ワンウェイネジ140、取付片部83a〜83c、取付片130)と、回路基板ボックス62を弾球遊技機1側(取付台150)に非可逆的な固着状態で取り付ける取付固着手段(ワンウェイネジ160、取付突起148a〜148c、取付片部156a〜156c)と、を別体に構成しているが、これに限定するものではない。以下、それぞれの固着手段を同一に設定した構成を第四実施形態として図17乃至図19(A)を参照して説明する。第四実施形態の弾球遊技機200は、図17及び図18に示すように、遊技制御回路基板201を収納するボックス本体203及び蓋体204からなる回路基板ボックス202と、遊技盤40にワンウェイネジ176で取り付けられた取付基板173に非可逆的に固着され且つ回路基板ボックス202を非可逆的な固着状態で取り付ける取付台150’と、を備えている。蓋体204は、図19(A)に示すように、回路基板ボックス202の上面を構成する上板205を備え、該上板205の側壁の下端には、前記取付突起148a〜148cと同様な取付突起205a〜205cが形成されている。なお、この取付突起205a〜205cは、回路基板ボックス202の長手方向両端に位置する各側面壁にそれぞれ形成されている。一方、取付台150’は、前記取付台150とほぼ同様に構成されるが、解除レバー153が形成された長手方向の一側にも他側と同一の取付片部156a〜156cが形成されている。
しかして、第四実施形態の回路基板ボックス202は、上板205の取付突起205aが取付台150’の取付片部156aにワンウェイネジ(ビス)160で取り付けられることにより、取付台150’と回路基板ボックス202との取り付け及びボックス本体203と蓋体204との組み付けが同時に非可逆的な固着状態で行われる。また、第一実施形態の回路基板ボックス62と同様に、取付片部156a〜156cと一体成形された連結部157a〜157c・158a〜158cを切断することで、回路基板ボックス202の検査あるいは交換が複数回可能である。また、第四実施形態の構成では、固着箇所を必要最小限に削減することができるので、前記第一実施形態の効果に加えて、コストダウンが招来できると共に、基板収納ボックスの組み付け作業が容易になる。なお、第四実施形態では、ボックス本体203と蓋体204との組み付けをビス160止めでのみ行っているが、この構成に限定するものではない。例えば、図19(B)に示す第五実施形態のように、上板205の側壁内面に係合爪206を形成する一方、ボックス本体203側にその係合爪206を係止する係止穴207を穿設してもよい。この場合、回路基板ボックス202を取付台150’にビス160止めしなくてもボックス本体203と蓋体204とを仮止め状態に組み付けることができる。このため、回路基板201を収納したボックス単体の状態で回路基板ボックス202が扱えるので、製造時も回路基板201を保護することができる。
また、前記第一乃至第五の実施形態では、弾球遊技機用の遊技制御回路基板を収納する回路基板ボックスに本発明を適用しているが、この構成に限定するものではなく、内部の回路基板に対する不正行為を防止する必要がある基板収納ボックスであれば、いずれの基板収納ボックスに本発明を適用してもよい。例えば、図20に示す第六実施形態の弾球遊技機210のように、賞球払出制御基板63を収納する制御基板ボックス64、装飾制御基板69を収納する制御基板ボックス70、及び表示制御基板211を収納する制御基板ボックス212に対して本発明を適用してもよい。即ち、第六実施形態では、制御基板ボックス64に、前記回路基板ボックス62の取付片部83a〜83cと同様な取付片部64a〜64cを設けることで、制御基板ボックス64を非可逆的な固着状態で組み付け、制御基板ボックス64を弾球遊技機210に取り付ける取付台213に、前記取付台150の取付片部156a〜156cと同様な取付片部213a〜213cを設けることで、制御基板ボックス64を非可逆的な固着状態で弾球遊技機210(取付台213)に取り付けている。また、制御基板ボックス70に、取付片部83a〜83cと同様な取付片部70a〜70cを設けることで、制御基板ボックス70を非可逆的な固着状態で組み付け、制御基板ボックス70を弾球遊技機210に取り付ける取付台214に、取付片部156a〜156cと同様な取付片部214a〜214cを設けることで、制御基板ボックス70を非可逆的な固着状態で弾球遊技機210(取付台214)に取り付けている。また、制御基板ボックス212に、取付片部83a〜83cと同様な取付片部212a〜212cを設けることで、制御基板ボックス212を非可逆的な固着状態で組み付け、制御基板ボックス212を弾球遊技機210に取り付ける取付台215に、取付片部156a〜156cと同様な取付片部215a〜215cを設けることで、制御基板ボックス212を非可逆的な固着状態で弾球遊技機210(取付台215)に取り付けている。
なお、上記した各制御基板ボックス64・70・212は、それぞれ回路基板ボックス62と同様に構成されている。具体的に、制御基板ボックス64・70・212の各上板64d・70d・212dは、透明な合成樹脂から形成されることで、収納される各基板63・69・211は、開口64e・70e・212eを透して外部から視認できるようになっている。また、各制御基板ボックス64・70・212には、それぞれ電磁シールド効果を奏する導電板(図示しない)が設けられている。
また、以上記載の第一乃至第六の実施形態では、本発明を弾球遊技機に適用した場合を例示しているが、弾球遊技機以外の遊技機(例えば、スロットマシンやコインゲーム等)に本発明を適用し得ることは言うまでもない。また、固着方法は、実施形態中に記載のようなワンウェイネジによる固着方法に限定せず、リベット、破断ネジ、溶着、あるいは接着等による固着方法を採用してもよい。
なお、以上説明した実施形態から把握できる発明として以下のものがある。
(1)前記第二の組付固着手段は、少なくとも締結部材(ワンウェイネジ140)を含み、その締結部材を前記基板収納ボックスに装備したことを特徴とする。このように構成することにより、基板収納ボックスの検査毎に締結部材を用意する必要がなく、基板収納ボックスの検査後の復元作業が行い易くなる。
(2)前記第二の取付固着手段を複数設けると共に、該複数の第二の取付固着手段による固着状態を解除するための第二の取付解除部(連結部157b・157c・158b・158c)を設けたことを特徴とする。このように構成することにより、基板収納ボックスの交換が複数回行える。
(3)前記第二の組付固着手段を複数設けると共に、該複数の第二の組付固着手段による固着状態を解除するための第二の組付解除部(連結部84b・84c・85b・85c)を設けたことを特徴とする。このように構成することにより、再度防犯効果の高い基板収納ボックスに復元することを前提に回路基板の検査が複数回行える。