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JP2006254872A - 幹細胞分化の促進方法 - Google Patents

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Kenzaburo Tani
憲三朗 谷
Makoto Kurita
良 栗田
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JITSUKEN DOUBUTSU CHUO KENKYUSHO
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JITSUKEN DOUBUTSU CHUO KENKYUS
JITSUKEN DOUBUTSU CHUO KENKYUSHO
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Abstract

【課題】胚性幹細胞の分化を促進する方法の提供。
【解決手段】Tall/Scl転写因子をコードする核酸をベクター介在性の遺伝子導入法により、未分化の胚性幹細胞から形成された組織胚様体に導入すること、および形質導入された細胞を分化培地中で培養すること。
【効果】霊長類のES細胞の分化に有用であると共に、Tall/Sclを含むES細胞を免疫不全マウス中に異種移植することにより、これらの長期にわたる造血再構成能力およびTall/Scl細胞が導入されたES細胞の安全性を確認することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は幹細胞の分化方法に関する。特に、本発明は、Tall/Scl転写因子をコードする核酸を細胞内に導入すること、および分化培地中で形質導入された細胞を培養することによって、胚性幹細胞などの幹細胞の分化を促進する方法に関する。
胚性幹細胞(ES細胞)は、哺乳動物の初期胚に由来する多分化能細胞から生じ、in vitroで無限に未分化増殖が可能である(EvansおよびKaufman, Nature 292:154 (1981); Martin, G., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:7634 (1981))。ES細胞は、in vivoで全系統の細胞へ分化すること(Evansら, Nature 292:154-156 (1981); Bradleyら, Nature 309:255-256 (1984))、およびin vitroで多様な細胞へ分化することが可能である(Doetschmanら, J. Embryol. Exp. Morph., 87:27-45 (1985); Wobusら, Biomed. Biochim. Acta, 47:965-973 (1988); Robbinsら, J. Biol. Chem., 265:11905-11909 (1990))。ヒト以外の霊長類およびヒトの胚性幹細胞株が確立されている(例えばThomsonおよびMarshall, Curr Top Dev Biol 38:133-65 (1998); Thomsonら, Proc Natl Acad Sci USA 92:7844-7848 (1995);ならびにThomsonら Science 282:1145-1147 (1998)参照のこと)。霊長類の胚性幹細胞は、例えば1998年12月1日発行された米国特許第5,843,780に記載されている。サルを起源とする胚性幹細胞は、2003年8月21日に公開された米国特許出願公開第2003/0157710 A1に開示されている。
成熟幹細胞(組織幹細胞、体性幹細胞あるいは出生後の幹細胞とも称される)も、非常に多数の成熟組織、臍帯、および他の非胚性源から単離されており、別の組織および細胞タイプへ分化し得ることが示されている。
in vitroで、様々な細胞タイプ、例えば心臓ミオサイト、造血前駆細胞、卵黄嚢、骨格ミオサイト、平滑筋細胞、脂肪細胞、軟骨細胞、内皮細胞、メラノサイト、ニューロン、グリア、膵島細胞、および初期内胚葉などへの幹細胞、特にES細胞の分化を誘導するために、様々な培養条件が評価されている。血管内皮増殖因子(VEGF)、塩基性繊維芽細胞成長因子(bFGF)および形態形成タンパク質4(BMP4)が、マウスES細胞において初期のまたは最終的な造血発生を促進することが報告されている(JohanssonおよびWiles, Mol. Cell. Biol. 15:141-151 (1995); Faloon ら, Development 127:1931-1941 (2000); ならびにNakayamaら, Blood 95:2275-2283 (2000))。顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、エリスロポエチン(EPO)、インターロイキン3(IL−3)、幹細胞因子(SCF)、トロンボポエチン(TPO)、血管内皮増殖因子(VEGF)、および骨形成タンパク質(BMP)などの、サイトカインおよび/または成長因子の存在下における、ヒト以外の霊長類のES細胞からの造血性分化は、Umedaら(Development 131:1869-1879 (2004))によって試験されている。特に、外因性のVEGF、bFGFおよびEPOがこの研究で有効であることが立証された。
1998年にヒト胚性幹(ES)細胞株の確立に成功して以来(Thomsonら, Science 282:1145-1147 (1998))、分化した胚性幹細胞の特定の臓器への移植が、重要な治療可能性を有するとして期待されている。
本発明は、少なくとも部分的に、塩基性へリックス−ループ−へリックス転写因子(basic helix-loop-helix transcription factor)Tall/Scl(急性T細胞性リンパ芽球性白血病/幹細胞性白血病転写因子)をコードする核酸のES細胞への導入が、ES細胞の造血細胞への分化を容易にすることを証明する実験データに基づいている。
一態様において、本発明は、胚性幹細胞の分化を促進する方法であって、Tall/Scl転写因子をコードする核酸を未分化の胚性幹細胞から形成された組織胚様体(EB)に導入すること、TL1/SClをコードする核酸を保有するEBを、分化が確認されるまで分化培地中で培養することを含む、上記方法に関する。
一実施形態において、前記分化は造血性分化である。
別の実施形態において、前記核酸はベクター仲介性の遺伝子導入により前記EBに導入される。
さらに別の実施形態において、ベクターは、ウイルスベクター、特にレトロウイルスベクター、好ましくは例えばVSV−Gシュードタイプレンチウイルスベクターなどのレンチウイルスベクターである。レンチウイルスベクターは、当業界で公知の様々なプロモーターの制御下でTall/Scl遺伝子を保有していることができ、該プロモーターには、これに限られるものではないが、EF−1α、CAG、PGKおよびCMVプロモーターが含まれる。
造血性分化は、複数種の血液細胞の存在を確認すること、免疫化学的試験、形態学的解析、細胞種に特異的な少なくとも1つの胚性マーカーの局所的発現を検出すること、あるいはそのような検出方法のあらゆる組合せなど、当業界で公知の方法によって確認することができる。
特定の実施形態において、前記胚性マーカーは、ζ(ゼータ)グロビン、ニューロフィラメント68kD、およびαフェトプロテインよりなる群から選択される。ES細胞の分化は、典型的に、例えばIL−3、IL−6、GM−CSF、G−CSF、SCF、および/またはエリスロポエチン(EPO)などのサイトカインおよび/または成長因子の1以上を含む当業界で公知のあらゆる培地中で、あらゆる技術に従って行うことができる。
定義
他に定義されていない場合は、本明細書中で用いられる技術的および科学的用語は、本発明の属する技術分野における当業者により共通して理解されているものと同一の意味を有する。Singletonら, Dictionary of Microbiology and Molecular Biology第2版, J. Wiley & Sons (New York, NY 1994)により、当業者に本出願中で使用されている多くの用語が一般的規準とともに提供されている。
当業者は、本発明の実施において使用され得る、本明細書に記載されるものと類似のまたは同等の多くの方法または材料を理解するであろう。実際、本発明は記載される方法および材料にいかなる意味でも限定されるものではない。
「胚性幹細胞」という用語は、広く多様な分化細胞タイプに分化する可能性を有する、胚に由来する原始(未分化)の細胞を称するべく本明細書中で使用されている。
「成熟幹細胞」という用語は、分化組織中に見られる未分化の細胞であって、該細胞自身を再生することができ、かつ(特定の制限を伴うが)該細胞の起源である組織のあらゆる分化細胞タイプに分化することが可能な細胞を称するべく本明細書中で使用されている。
「造血幹細胞」という用語は、すべての赤血球細胞および白血球細胞の起源となる幹細胞を称するべく使用されている。
詳細な説明
本発明の実施には、他に示されない限り、当業者の技術範囲内である、分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、および生化学の慣用技術を採用する。このような技術は「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」第2版(Sambrookら, 1989);「Animal Cell Culture」(R.I. Freshney編, 1987);「Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells」(J.M. Miller & M.P. Calos編, 1987);「Current Protocols in Molecular Biology」(F.M. Ausubelら編, 1987);および「Embryonic Stem Cells: Methods and Protocols」(Kursad Turksen編, Humana Press, Totowa NJ, 2001)などの文献に十分に説明されている。
本発明は幹細胞の分化、特にES細胞の分化のための改良法を提供する。細胞培養において幹細胞を維持および分化するためのプロトコルは当業界で公知である。このような技術は、これらに限定されるものではないが、ES細胞の単離、培地の調製、ES細胞の継代技術、ES細胞の凍結保存技術、ES細胞のトランスフェクション技術、ES細胞およびこれらの分化派生体の分析のための技術、ならびに、例えば造血、神経、または心臓細胞を含む、様々な細胞タイプへのES細胞の分化のための技術についてのプロトコルを含む。
ヒトおよびヒト以外の霊長類のES細胞は、典型的に、内部細胞塊を培養培地に移すことにより単離される。慣習的に、細胞培養皿の表面は、マウス胎児の皮膚細胞で覆われ、ES細胞の分化を阻止するよう処理されている(通常「支持細胞層」と称される)。支持細胞層は細胞培養中に栄養物を放出する。しかし、このような支持細胞層の不在下でES細胞を培養することも可能である。増殖の許容時間の経過後、ES細胞は複数回継代され、分化することなく凍結および維持され得る、多分化能のES細胞株となる。
ES細胞の異なる細胞タイプへの分化は、様々な方法、例えば細胞培養培地の組成の変更、特定のストローマ細胞上での培養、あるいは様々な遺伝子の挿入によるES細胞の改変によって誘導および調節することができる。分化培地を含めてES細胞の分化のための基礎的なプロトコルは、例えばNIHの報告書の5〜9章ならびに付属書BおよびC(Stem Cells: Scientific Progress and Future Research Directions, June 2001, http://stemcells.nih.gov/info/scireport)に規定されており、その内容全体を参照により本明細書中に明確に組み入れる。
簡潔にいうと、例えばヒトのような霊長類のES細胞を始めとするES細胞は、支持細胞層から除去され、浮遊培養において表面に付着することなく生育させられた後に分化し始める。その結果組織胚様体(EB)が形成され、これは単層培養で分離し再度植え付ける(replate)ことができ、また更なる分化に影響を与える特定の成長因子に暴露することができる。
いくつかの成長因子は、通常は胚の外胚葉から生じる細胞タイプを誘導する。これらの成長因子には、例えばレチノイン酸、上皮細胞成長因子(EGF)、骨形成タンパク質4(BMP4)、および塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)などがある。アクチビンAおよびトランスフォーミング増殖因子β1(TGF−β1)などの別の成長因子は、中胚葉に由来する細胞の分化を誘発する。肝細胞増殖因子(HGF)および神経成長因子(NGF)は、内胚葉を含む3種全ての胚葉への分化を促進する。分化したヒトEB由来の細胞の種類は、これらの形態、成長特性および特定のマーカーについてのメッセンジャーRNA(mRNA)の発現により判定することができる(例えばShamblottら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:13726-13731 (2001)参照のこと)。
ヒトES細胞の造血性前駆細胞への分化は、例えば、ヒトES細胞と(複製を防ぐために放射線を照射した)マウス骨髄間質細胞を、ウシ胎児血清を含むが、成長因子が添加されていない増殖培地中で、共生培養することにより達成することができる。部分的に分化した細胞は、血液細胞前駆体のマーカーであるCD34を発現する。これらの部分的に分化したヒトES細胞を、これらが造血細胞のコロニーを形成することが可能な条件下で再度植え付けると、これらは赤芽細胞、マクロファージ、顆粒球、および巨核細胞に分化する(Odoricoら, Stem Cells 19:193-204 (2001))。
ヒトES細胞のコロニーを形成する造血細胞への分化のための培地は、例えば、KaufmanらProc. Natl. Acad. Sci. USA 98:10716-10721 (2001)などの、いくつかの刊行物中に開示されている。霊長類のES細胞のコロニーを形成する造血細胞への分化のための特定の培地は、以下の実施例に記載されている。
ヒトを含む霊長類の造血幹細胞の同定に適した細胞マーカーには、CD34+、CD59+、Thy1+、CD38low/-、C-kit-/low、lin-がある。これらのマーカーは、例えば抗体を基礎とする検出技術を用いることによって、造血性分化を確かめるのに使用することができる。
本発明によると、ES細胞の分化は、ES細胞、特にES細胞から形成された組織胚様体(EB)へ、Tall/Scl遺伝子を保有するウイルスベクター、好ましくはレンチウイルスベクターを形質導入することによって促進される。
レンチウイルスに由来するベクターは、当業界でよく知られており、効率的な遺伝子送達システムと考えられている。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に由来するレンチウイルスベクター(Kafriら, Nat. Genet. 17:314-317 (1997); Naldiniら, Science 272:163-167 (1996); Pengら, Gene Ther. 8:1456-1463 (2001))、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)に由来するレンチウイルスベクター(Johnstonら, J. Viol. 73:4991-5000 (1999); Poeschlaら, Nat. Med. 4:354-357 (1998); Wangら, Am. J. Respir. Cell. Mol. Biol. 22:129-138 (1999))および他のレンチウイルスベクターが、in vitroおよびin vivoで遺伝子を体細胞に移入するのに利用されている。レンチウイルスを基礎とするベクターの魅力の一つは、これらが分裂細胞および非分裂細胞のいずれにも形質導入することができ、安定な組み込みおよび長期にわたる導入遺伝子の発現をもたらすことである。本発明の目的のため、水胞性口内炎ウイルスG(VSV−G)によりシュードタイプ化されたレンチウイルスベクターが特に有用であるが、別のレンチウイルスベクターも含まれる。
本発明の更なる詳細は、以下の非限定的な実施例によって明らかにされるであろう。
幹細胞分化の促進
ES細胞は、将来の医療のための、最も重要な移植可能細胞源の1つとなると期待される多分化能細胞である。しかし、in vivoにおけるES細胞療法の安全性および有効性を評価するために、ヒト以外の霊長類を含む動物モデルを用いた前臨床研究が不可欠である。コモンマーモセット(CM)などのヒト以外の霊長類が実験動物モデルとして適していることがすでに立証されている。本実施例は、このモデルシステムにおける遺伝子導入を用いた造血幹細胞の誘導に焦点を当てたものである。
CMES中に外来DNAを導入するために、EF1aプロモーターならびにtal1/scl、gata1、gata2、lh2およびhoxB4遺伝子などいくつかの造血遺伝子を含有するVSV−Gシュードタイプヒト免疫不全ウイルス(レンチウイルス)ベクターを構築し、以下のプロトコルを用いてCM ES細胞内に導入にした。
コモンマーモセットES細胞を、0.25%トリプシン/1mM EDTAを用いて放射線(40Gy)を照射した胎児繊維芽細胞層から回収し、1〜2×104の細胞を直径9cmのシャーレに再度植え付けて、15%のウシ胎児血清、200μg/mlのトランスフェリン、50μg/mlのアスコルビン酸、10μg/mlのインシュリン、0.45mMのモノチオグリコール、100μg/mlのストレプトマイシンおよび100U/mlのペニシリンを含むIMDM中で組織胚様体(EB)を獲得した。得られたEBに、プロモーターEF−1α下でtall/sclのcDNAを含めて上に列挙した造血遺伝子をコードするcDNAを発現することができるVSV−Gシュードタイプレンチウイルスベクター(Baiら, Gene Ther. 10:1446-1457 (2003))を1〜2日間で形質導入した。
cDNAが形質導入された細胞を、サイトカインの不在下でさらに10〜14日間培養した。培地を3〜4日ごとに新しいものと交換した。続いて、CFU(コロニー形成単位)アッセイのために、細胞を、1%のメチルセルロース、30%のウシ胎児血清、1%のウシ血清アルブミン、3U/mlのエリスロポエチン、10−4Mの2−メルカプトエタノール、2mMのL−グルタミン、50ng/mlのSCF(幹細胞因子)、20ng/mlのGM−CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)、20ng/mlのIL(インターロイキン)−3、20ng/mlのIL−6、20ng/mlのG−CSF(顆粒球コロニー刺激因子)(StemCell Technologies)を含むIMDMからなる半固形培地へ植え付けた。各コロニーから得られた細胞を回収し、IMDM培地を用いて洗浄し、ガラススライドへサイトスピンした。標準方法(Umedaら, Development 131(8):1869079 (2004))に従って、細胞をメイ・ギムザ染色溶液、エステラーゼ染色溶液および抗体を用いて染色した。
cDNA導入を欠く場合、明瞭なCFU細胞は観察されなかった。ごく稀に、各シャーレ中でわずかなCFU−M(単球のコロニー形成単位)が観察された。CFUは、cDNAが導入された細胞中で観察されたが、tall/sclのcDNAを含むHIVベクターが導入された場合のみ、CM ES細胞からの造血誘導が劇的に増加した。このように、有意数のCFUは、tal/sclが導入されたEB細胞を植え付けた各シャーレにおいて観察された。40を超えるCFUコロニー(CFU:20〜30%、CFU−GM:5〜10%、CFU−M:60〜75%)が105のEB細胞から観察された。これらのコロニーは、サイトスピンした細胞をメイ・ギムザ、二重のエステラーゼおよび抗ヘモグロビン抗体で染色した後に、赤血球細胞、骨髄性細胞、単球マクロファージ細胞、および巨核細胞を含むことが顕微鏡で確認された(図1〜3)。このデータは3回再現可能であった。この結果は、tal1/sclのcDNA導入が、マーモセットのES細胞の造血性分化を効果的に促進すること、またヒトを含む他の霊長類のES細胞を分化することに広く有用であることが期待されることを立証している。tall/sclを含むES細胞を免疫不全マウス中に異種移植することにより、これらの長期にわたる造血再構成能力およびtall/scl細胞が導入されたES細胞の安全性を確認することができる。
この明細書全体にわたって引用された全ての文献は、その全体を参照により本明細書に明確に組み入れる。
図1は、Tall/Scl遺伝子が導入されたマーモセットのEB細胞から得られた造血細胞を示す。 図2は、Tall/Scl遺伝子が導入されたマーモセットのEB細胞から生じた赤血球系細胞の、抗ヒトヘモグロビン抗体を用いた同定を示す。 図3は、Tall/Scl遺伝子が導入されたマーモセットのEB細胞から生じた顆粒球マクロファージ系細胞の、二重のエステラーゼ染色法を用いた同定を示す。

Claims (20)

  1. 胚性幹細胞の分化を促進する方法であって、Tall/Scl転写因子をコードする核酸を未分化の胚性幹細胞から形成された組織胚様体に導入すること、およびTall/Scl転写因子をコードする核酸を保有する組織胚様体を、分化が確認されるまで分化培地中で培養することを含む、上記方法。
  2. 前記分化が造血性分化である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記核酸を、ベクター仲介性の遺伝子導入により前記組織胚様体に導入する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ベクターがウイルスベクターである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ベクターがレンチウイルスベクターである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記レンチウイルスベクターがVSV−Gシュードタイプである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記レンチウイルスベクターが、EF−1a、CAG、PGKおよびCMVプロモーターよりなる群から選択されるプロモーターの制御下でTall/Scl転写因子遺伝子を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記プロモーターがEF−1aプロモーターである、請求項7に記載の方法。
  9. 分化を複数種の血液細胞の存在を確認することにより確認する、請求項2に記載の方法。
  10. 複数種の血液細胞の存在を免疫化学的試験により確認する、請求項9に記載の方法。
  11. 複数種の血液細胞の存在を形態学的解析により確認する、請求項9に記載の方法。
  12. 分化を、細胞種に特異的な少なくとも1つの胚性マーカーの局所的発現を検出することによって確認する、請求項2に記載の方法。
  13. 前記胚性マーカーがζ(ゼータ)グロビン、ニューロフィラメント68kD、およびαフェトプロテインよりなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記分化培地が1以上のサイトカインおよび/または成長因子を含む、請求項2に記載の方法。
  15. 前記分化培地が、IL−3、IL−6、GM−CSF、G−CSF、SCF、およびエリスロポエチンよりなる群から選択される1以上の成分を含む、請求項2に記載の方法。
  16. 前記分化培地が前記成分の全てを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記胚性幹細胞が霊長類細胞である、請求項1に記載の方法。
  18. 前記霊長類がヒト以外の霊長類である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記ヒト以外の霊長類がマーモセットである、請求項18に記載の方法。
  20. 前記霊長類がヒトである、請求項17に記載の方法。
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