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JP2006254530A - 電動機 - Google Patents

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JP2005063868A
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Masayuki Hamayasu
昌之 濱保
Akizo Tsuruta
明三 鶴田
Akihiro Shimada
明広 嶋田
Yusuke Morita
雄介 守田
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

【課題】 騒音の低減を図ることができ、かつ、それを安価に実現することができる電動機を提供することを目的としている。
【解決手段】 電磁鋼板を積層した円筒状のステータコア4の内周側にコイル5を装着したステータ2と、ステータコア4が挿入される円筒状のフレーム1と、ステータコア4内に配設されステータコア4の中心軸と同軸に回転できるように支持されたロータ3とを備えた電動機において、ステータコア4の外周に、軸方向の両端において周方向に並ぶ、ステータコア4の外周の円形状から突出した3個の突起6が設けられ、ステータコア4がフレーム1に嵌着されてステータコア4とフレーム1との間に隙間9が形成され、隙間9に充填材8が充填されているものとする。
【選択図】 図2

Description

この発明は、電動機に関し、詳細には、ステータコアとフレームから構成される構造体における円周方向の固有振動数と電磁加振力による電磁振動数との共振で発生する騒音を低減することができ、この騒音低減を安価に実現できる電動機に関する。
電動機の基本構造は、主に、円筒形状部を有するフレームと、フレーム内に固定されたステータと、ステータの中心軸と同軸に回転するように支持されたロータから構成される。フレームは鋳造もしくは鋼板を成形し、溶接して構成される。ステータは、電磁鋼板を積層した円筒状のステータコアとステータコア内周に装着した複数の固定子巻線を備え、この複数の固定子巻線により磁極が構成される。ロータは積層された穴を有する電磁鋼板と、穴に差し込まれたアルミ等の導体棒及び導体棒の両端を短絡する環状部材からなる複数の回転子巻線とを備え、この回転子巻線により磁極が構成される。
電動機には、ステータとロータの磁極数の組合せに起因する電磁加振力による加振振動が発生する。この加振振動数とステータコアとフレームから構成される構造体の円周方向の固有振動数が近接もしくは一致すると、共振を起こし、騒音が発生しやすいという問題がある。
この問題に対して、ステータコアの外周及びフレームの内周を精密加工して真円度をだし、さらにステータコアをフレームに中間嵌めもしくは焼き嵌めして構造体の剛性を向上させ、構造体の円周方向の固有振動数と加振振動数をずらし、共振を抑制して騒音の低減を図るという方法がある。
この方法は、ステータコア及びフレームの精密加工が必要なため、製造コストがかかるという問題がある。また、焼き嵌めした場合、生産性が低下するという問題もある。
一方、特許文献1には、円筒部外周にカット面を設けたステータコアをフレームに嵌着してカット面とフレームとの間に樹脂を封入することで、加振振動の周波数とステータコア及びフレームからなる固定子の固有振動の周波数を変えて騒音を防止する方法が示されている。
実開平1−116556号公報(第3−4頁、図1,2)
一般に、ステータコアは鉄損低減のため0.3〜0.5mmの電磁鋼板を積層して溶接等で一体化するが、外周側面には凹凸ができるため、カット面以外のステータコアとフレームとが嵌着する面では樹脂が入らず、空隙が発生し、十分な密着を得ることができず、嵌着部分の剛性を向上させることが困難であるという問題がある。
この発明は、ステータコアとフレームから構成される構造体の剛性を全周で向上させ、構造体の円周方向の固有振動数と電磁加振力での加振振動数をずらし、共振を抑制して騒音の低減を図ることができ、かつ、それを安価に実現することができる電動機を提供することを目的としている。
この発明に係る電動機は、電磁鋼板を積層した円筒状のステータコアの内周側にコイルを装着したステータと、上記ステータコアが挿入される円筒状のフレームと、上記ステータコア内に配設され上記ステータコアの中心軸と同軸に回転できるように支持されたロータとを備えた電動機において、
上記ステータコアの外周または上記フレームの内周に、軸方向の少なくとも2箇所において、上記ステータコアの外周または上記フレームの内周の円形状から突出し周方向に並ぶ3個以上の突起が設けられ、周方向に隣り合う上記突起同士の成す角度が180゜未満であり、
上記ステータコアが上記フレームに嵌着されて上記ステータコアと上記フレームとの間に上記突起による隙間が形成され、
上記隙間に充填材が充填されているものである。
また、電磁鋼板を積層した円筒状のステータコアの内周側にコイルを装着したステータと、上記ステータコアが挿入される挿入口と挿入された上記ステータコアが固定される底部とを有する円筒状のフレームと、上記ステータコア内に配設され上記ステータコアの中心軸と同軸に回転できるように支持されたロータとを備えた電動機において、
上記フレームの底部または上記ステータコアの挿入先端部に、上記ステータコアまたは上記フレームの円周に沿い、上記円周の円形状から突出した環状突起が設けられ、上記ステータコアの外周または上記フレームの内周に、軸方向の少なくとも1箇所において、上記ステータコアの外周または上記フレームの内周の円形状から突出し周方向に並ぶ3個以上の突起が設けられ、周方向に隣り合う上記突起同士の成す角度が180゜未満であり、
上記ステータコアが上記フレームに嵌着されて上記ステータコアと上記フレームとの間に上記突起による隙間が形成され、
上記隙間に充填材が充填されているものである。
また、電磁鋼板を積層した円筒状のステータコアの内周側にコイルを装着したステータと、上記ステータコアが挿入される円筒状のフレームと、上記ステータコア内に配設され上記ステータコアの中心軸と同軸に回転できるように支持されたロータとを備えた電動機において、
上記ステータコアの外周または上記フレームの内周に、上記ステータコアの外周または上記フレームの内周の円形状から突出し、軸方向の両端あるいは両端近傍まで延在し、周方向の少なくとも3箇所に突起が設けられ、周方向に隣り合う上記突起同士の成す角度が180゜未満であり、
上記ステータコアが上記フレームに嵌着されて上記ステータコアと上記フレームとの間に上記突起による隙間が形成され、
上記隙間に充填材が充填されているものである。
この発明に係る電動機によれば、充填材によるステータコアとフレームとの密着性が向上することにより、ステータコアとフレームから構成される構造体の剛性が向上して、この剛性向上により共振が抑制され騒音が低減された電動機が安価に得られる。
実施の形態1.
図1は、この発明に係る電動機の実施の形態1を示す断面図であり、中心軸を通る断面を示している。図2は、図1のA−A断面図、図3は、図1のB−B断面図である。
各図において、この発明に係る電動機は、円筒形状部を有するフレーム1と、フレーム1内に固定されたステータ2と、ステータの中心軸と同軸に回転するように支持されたロータ3から構成される。フレーム1は鋳造もしくは鋼板を成形し、溶接して構成される。ステータ2は、電磁鋼板を積層したステータコア4とステータコア4内周に設けた複数の固定子巻線5により磁極が構成される。ロータ3は穴(図示せず)を有する電磁鋼板を積層し、穴にアルミ等の導体棒を押し込み、両端を導体の環状部材で短絡した複数の回転子巻線による磁極で構成される。
各図において、A−A断面側をフレーム1の軸方向の上端部と称し、ステータコア4をフレーム1に挿入する挿入口を示し、B−B断面側をフレーム1の軸方向の下端部と称し、ステータコア4をフレーム1に固定する底部を示す。また、同様に、ステータコア4の軸方向のA−A断面側をステータコア4の上端部と称し、ステータコア4の軸方向のB−B断面側をステータコア4のフレーム1の軸方向の下端部(ステータコア4をフレーム1に挿入するときの挿入先端部)と称する。ステータコア4の軸方向の上端部及び下端部の外周のそれぞれに、ステータコア4の周面の円形状より外側に突出し、周方向に並んだ3個の円弧状の突起6が設けられている。隣り合う突起6の間の角度θは、180゜未満とし、好ましくは等角度の120゜とする。これらの突起6によってステータコア4とフレーム1から構成される構造体の隙間9が一意に決まる。この隙間9に樹脂、例えば2液混合タイプの変性アクリル接着剤等の第二世代アクリル系接着剤(SGA(Second Generation Acrylic Adhesive))が充填材8として介在する。
隙間9に充填する樹脂としては、2液混合タイプの変性アクリル接着剤、SGAの他、一液性熱硬化型エポキシ樹脂等の種々の樹脂を用いることができるが、SGAは耐熱性、耐衝撃性、接着強度がよいので好ましい材料である。
図1ないし図3に示した電動機の製作においては、プレスで円環状に打ち抜いた0.3〜0.5mmの電磁鋼板を積層して溶接等で一体化したステータコア4を製作する。その際、ステータコア4の両端の複数枚の電磁鋼板は、円周の外に突出した円弧状の突起部を3箇所形成したものとする。この円弧状の突起部を重ね合わせることにより、図2及び図3に示した突起6が形成される。
この突起6が形成されたステータコア4を、別途製作されたフレーム1の軸方向の上端部(挿入口)から挿入し、ステータコア4はフレーム1の軸方向の下端部(底部)で固定される。フレーム1は、内周径が軸方向の上端部より下端部の方が小さいテーパ状に形成されている。挿入されたステータコア4の突起6の円弧状先端は、フレーム1の内周面と軸方向に線接触で嵌着し、ステータコア4とフレーム1との間に隙間が形成される。
ステータコア4をフレーム1に挿入した後、ステータコア4とフレーム1との間の隙間に2液混合タイプの変性アクリル接着剤を注入し、硬化させる。接着剤をステータコア4表面に塗布し、接着剤を塗布したステータコア4をフレーム1内に挿入してもよい。
この実施の形態1によれば、フレーム1とステータコア4とを嵌着したときの突起6における嵌着面が軸方向の線接触点となり、充填材8がステータコア4のほぼ全外周面に入るので、充填材によってステータコア4とフレーム1とが強固に結合され、ステータコア4とフレーム1から構成される構造体の剛性が向上する。これにより、構造体の円周方向の固有振動数と電磁加振力での電磁振動数をずらし共振を抑制して、騒音が低減された電動機を安価に得ることができる。
また、フレーム1の内周径がフレーム1の軸方向の上端部より下端部の方が小さいため、製造時に充填材8を隙間9に充填する際に、充填材8が流路抵抗を受け、下端部からの洩れ出しが抑制される。
なお、上記実施の形態1では、ステータコア4の軸方向の両端に突起6を設ける例を示したが、ステータコア4の軸方向の両端と中間部のように3箇所以上に突起6を設けてもよいし、あるいは軸方向の両端に限らず軸方向の複数箇所に設けてもよい。
さらに、ステータコア4の外周またはフレーム1の内周に軸方向の両端または両端近傍まで延在した直線状の突起を設けることにより、軸方向の複数箇所に分けて設ける必要がなくなる。
また、上記実施の形態1では、突起6をステータコア4の外周面に設ける例を示したが、フレーム1内周に、内周円形状よりも突出した突起6を設けてもよい。
また、突起6はステータコア4との一体成形物あるいはフレーム1との一体成形物でもよく、ステータコア4の外周面あるいはフレーム1の内周面にシムなどを接着した分離成形物としてもよい。
また、突起6としては、図4に示す楕円形状、図5に示す台形形状であってもよいが、円弧形状あるいは楕円形状のように凸曲面を有する形状にして軸方向の線接触とすることが、フレーム1とステータコア4との嵌着時の突起6における嵌着面積を減少させる上で好ましい。
実施の形態2.
図6は、この発明に係る電動機の実施の形態2を示す断面図であり、中心軸を通る断面を示している。図7は、図6のA−A断面を示す断面図、図8は、図6のB−B断面を示す断面図である。ステータコア4の軸方向の上端部の外周には周方向に並ぶ3個の三角形状の突起6がある。また、フレーム1の軸方向の下端部(底部)には環状突起7がある。環状突起7は充填剤を注入するときの障害物とならないようにするため、底部にのみ設けることができる。
これらの突起6及び環状突起7によってステータコア4とフレーム1から構成される構造体の隙間9が一意に決まる。この隙間9に融点が423K〜723Kの低融点金属あるいは低融点合金、例えば、はんだが充填材8として介在する。低融点金属あるいは低融点合金の融点は、電動機の運転時における発熱を考慮して下限を発熱に耐える温度、423Kとし、充填における作業性を考慮して上限を723Kとする。
この実施の形態2によれば、環状突起7とすることにより、嵌着面が突起6の場合に比べて多少大きくなるけれども、円形状であるので加工が容易になり、かつ、充填材8によってステータコア4とフレーム1とが強固に結合され、ステータコア4とフレーム1とにより構成される構造体の剛性が向上する。これにより、構造体の円周方向の固有振動数と電磁加振力での電磁振動数をずらし、共振を抑制して騒音を低減した電動機を安価に得ることができる。
また、充填剤8として低融点金属を用いることにより、放熱性、耐クリープ特性、耐湿性が向上する。
また、フレーム1の軸方向の下端部(底部)を環状突起7とすることにより、ステータコア4の軸方向の下端部に突起6を設ける場合に比べて、軸方向の下端部における突起の形成が容易になる。
なお、上記実施の形態2では、ステータコア4の軸方向の上端に突起6を設け、軸方向の下端に環状突起7を設ける例を示したが、突起6をステータコア4の軸方向の両端の中間部にも設けてもよいし、あるいは軸方向の上端に限らず軸方向の任意の箇所に設けてもよい。さらに、突起6に代えて軸方向の両端または両端近傍まで延在する直線状の突起を用いてもよい。
また、環状突起7はフレーム1に設け、周方向に並んだ突起6はステータコア4に設けてもよいし、逆に環状突起7はステータコア4に設け、周方向に並んだ突起6はフレーム1に設けてもよい
また、突起6はステータコア4との一体成形物あるいはフレーム1との一体成形物でもよく、ステータコア4の外周面あるいはフレーム1の内周面にシムなどを接着した分離成形物としてもよい。
また、フレーム1の軸方向の下端部に環状突起7を設ける例を示したが、ステータコア4の軸方向の下端部(挿入先端部)に環状突起7を設けてもよい。
この発明に係る電動機は、旋盤等、工作機械の主軸駆動用等に有効に利用することができる。
この発明に係る電動機の実施の形態1を示す断面図である。 図1のA−A断面を示す断面図である。 図1のB−B断面を示す断面図である。 突起の形状の例を示す平面図である。 突起の形状の例を示す平面図である。 この発明に係る電動機の実施の形態2を示す断面図である。 図6のA−A断面を示す断面図である。 図6のB−B断面を示す断面図である。
符号の説明
1 フレーム、2 ステータ、3 ロータ、4 ステータコア、6 突起、
7 環状突起、8 充填材、9 隙間。

Claims (9)

  1. 電磁鋼板を積層した円筒状のステータコアの内周側にコイルを装着したステータと、上記ステータコアが挿入される円筒状のフレームと、上記ステータコア内に配設され上記ステータコアの中心軸と同軸に回転できるように支持されたロータとを備えた電動機において、
    上記ステータコアの外周または上記フレームの内周に、軸方向の少なくとも2箇所において、上記ステータコアの外周または上記フレームの内周の円形状から突出し周方向に並ぶ3個以上の突起が設けられ、周方向に隣り合う上記突起同士の成す角度が180゜未満であり、
    上記ステータコアが上記フレームに嵌着されて上記ステータコアと上記フレームとの間に上記突起による隙間が形成され、
    上記隙間に充填材が充填されていることを特徴とする電動機。
  2. 電磁鋼板を積層した円筒状のステータコアの内周側にコイルを装着したステータと、上記ステータコアが挿入される挿入口と挿入された上記ステータコアが固定される底部とを有する円筒状のフレームと、上記ステータコア内に配設され上記ステータコアの中心軸と同軸に回転できるように支持されたロータとを備えた電動機において、
    上記フレームの底部または上記ステータコアの挿入先端部に、上記ステータコアまたは上記フレームの円周に沿い、上記円周の円形状から突出した環状突起が設けられ、上記ステータコアの外周または上記フレームの内周に、軸方向の少なくとも1箇所において、上記ステータコアの外周または上記フレームの内周の円形状から突出し周方向に並ぶ3個以上の突起が設けられ、周方向に隣り合う上記突起同士の成す角度が180゜未満であり、
    上記ステータコアが上記フレームに嵌着されて上記ステータコアと上記フレームとの間に上記突起による隙間が形成され、
    上記隙間に充填材が充填されていることを特徴とする電動機。
  3. 電磁鋼板を積層した円筒状のステータコアの内周側にコイルを装着したステータと、上記ステータコアが挿入される円筒状のフレームと、上記ステータコア内に配設され上記ステータコアの中心軸と同軸に回転できるように支持されたロータとを備えた電動機において、
    上記ステータコアの外周または上記フレームの内周に、上記ステータコアの外周または上記フレームの内周の円形状から突出し、軸方向の両端あるいは両端近傍まで延在し、周方向の少なくとも3箇所に突起が設けられ、周方向に隣り合う上記突起同士の成す角度が180゜未満であり、
    上記ステータコアが上記フレームに嵌着されて上記ステータコアと上記フレームとの間に上記突起による隙間が形成され、
    上記隙間に充填材が充填されていることを特徴とする電動機。
  4. 上記充填材が、樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電動機。
  5. 上記樹脂が、第二世代アクリル系接着剤(SGA)であることを特徴とする請求項4記載の電動機。
  6. 上記充填材が、低融点金属あるいは低融点合金であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電動機。
    電動機。
  7. 上記低融点金属あるいは低融点合金の融点が、423K〜723Kであることを特徴とする請求項6記載の電動機。
  8. 上記フレームの内周は、上記ステータコアが挿入される挿入口の径が上記ステータコアの挿入底部の径よりも大きなテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電動機。
  9. 上記突起の表面が、上記ステータコアの外周または上記フレームの内周と線接触することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電動機。
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