JP2006243187A - カメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】 高品質な写真撮影が容易に行うとともに、被写体が逆光状態となることを防止することのできるカメラを提供することを目的とする。
【解決手段】 フィルム感度検出部12によりフィルム感度がISO1600以上であると検出された場合であって、測光部13により検出された外光輝度が、被写体を逆光状態にする所定輝度以上の場合には、制御部19は、ストロボ発光部15を発光させる。また、フィルム感度検出部12によりフィルム感度が所定感度以上であると検出された場合であって、測光部13により検出された外光輝度が前記所定輝度より小さい場合には、制御部19は、ストロボ発光部15を発光させないよう制御する。
【選択図】 図7
【解決手段】 フィルム感度検出部12によりフィルム感度がISO1600以上であると検出された場合であって、測光部13により検出された外光輝度が、被写体を逆光状態にする所定輝度以上の場合には、制御部19は、ストロボ発光部15を発光させる。また、フィルム感度検出部12によりフィルム感度が所定感度以上であると検出された場合であって、測光部13により検出された外光輝度が前記所定輝度より小さい場合には、制御部19は、ストロボ発光部15を発光させないよう制御する。
【選択図】 図7
Description
本発明は、周囲の明るさに応じた高品質な撮影が行えるカメラに関する。
近年、ストロボ発光を行うことなく、高品質な写真撮影が容易に行えるカメラとして、「木村正博、カラーネガフィルムを活かす「富士フィルム『ナチュラルフォトシステム』NATURA」、写真工業、写真工業出版社、2004年11月1日、第62巻、第11号、P43−45」(特許文献1)に記載されているナチュラルフォトシステムが知られている。このナチュラルフォトシステムによると、フィルム感度が所定感度以上である場合には、ストロボによる発光を行うことなく、自然光による撮影を行うことができ、高品質の写真を得ることができる。
木村正博、カラーネガフィルムを活かす「富士フィルム『ナチュラルフォトシステム』NATURA」、写真工業、写真工業出版社、2004年11月1日、第62巻、第11号、P43−45
木村正博、カラーネガフィルムを活かす「富士フィルム『ナチュラルフォトシステム』NATURA」、写真工業、写真工業出版社、2004年11月1日、第62巻、第11号、P43−45
しかしながら、上述ナチュラルフォトシステムは、外光輝度が所定輝度以上である場合には、被写体を逆光状態のまま撮影する場合がある。
そこで、本発明は、高品質な写真撮影を容易に行うとともに、被写体を逆光状態のまま撮影することを防止することのできるカメラを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明のカメラは、撮像媒体の撮像感度を検出する感度検出手段と、被写体に対して発光する発光手段と、外光輝度を検出する輝度検出手段と、前記感度検出手段により撮像媒体の感度が所定感度以上であると検出された場合であって、前記輝度検出手段により検出された外光輝度が所定の第1輝度領域にある場合には、検出された輝度に対応した露出基準値から第1の露出補正値を減じて算出された露出目標値に基づいて露出制御を行い、前記感度検出手段により撮像媒体の感度が所定感度以上であると検出された場合であって、前記輝度検出手段により検出された外光輝度が前記第1輝度領域より大きい領域に設定されている第2輝度領域にある場合には、露出基準値から前記第1の露出補正値より小さい値に設定されている第2の露出補正値を減じて算出された露出目標値に基づいて露出制御を行う露出制御手段と、前記感度検出手段により撮像媒体の感度が所定感度以上であると検出された場合であって、被写体が逆光状態であると判断した場合、前記発光手段を発光させ、前記感度検出手段により撮像媒体の感度が所定感度以上であると検出された場合であって、被写体が逆光状態でないと判断した場合、前記発光手段を発光させないよう制御する発光制御手段と、を備えている。
この発明によれば、感度検出手段により撮像媒体の感度が所定感度以上であると検出された場合であって、輝度検出手段により検出された外光輝度が所定の第1輝度領域にある場合には、第1の露出補正値を露出基準値から減じて算出された露出目標値に基づいて露出制御を行い、外光輝度が所定の第2輝度輝度領域にある場合には、第2の露出補正値をもって露出基準値から減じて算出された露出目標値に基づいて露出制御をする。また、被写体を逆光状態にする場合には、発光手段を発光させ、被写体を逆光状態にしない場合には発効手段を発光しないように制御することができる。これにより、撮像媒体が所定感度以上のものであって、外光輝度が第1の輝度領域にある場合の、比較的外光輝度が暗い場合には、発光手段による発光制御を行うことなく、露出制御を行うことにより、被写体を自然な光のままで撮影をすることができる。一方で、所定輝度以上の明るい場所で撮影しようとする場合、外光輝度により被写体を逆光状態にしてしまうことがあるが、発光手段による発光のため、逆光状態を防止することができる。
また、本発明の発光制御手段は、前記輝度検出手段により検出された外光輝度が、被写体を逆光状態にする所定輝度以上である場合には、被写体は逆光状態と判断し、前記輝度検出手段により検出された外光輝度が前記所定輝度より小さい場合には、被写体は逆光状態ではないと判断することが好ましい。
この発明によれば、外光輝度が所定値以上であるか否かに基づいて被写体の逆光状態を判断することができる。発光手段による発光は、第三者に迷惑をかける場合があるが、外光輝度が所定輝度以上の比較的明るい場所であることから、発光手段による発光により第三者に迷惑をかけることは少なくなる。
また、本発明の発光制御手段は、撮影される範囲における中心部分と外側部分との比または輝度差に基づいて被写体が逆光状態であるか否かを判断することが好ましい。
この発明によれば、撮影される範囲における中心部分と外側部分との比または輝度差に基づいて被写体が逆光状態であると判断することにより、確実に被写体が逆光状態であることを判断することができる。よって、確実に高品質な撮影を実現することができる。
本発明は、現実に近い光による撮影を容易に行うことができるとともに、被写体が逆光状態となる場合には、発光手段による発光により逆光状態を防止することができる。
本発明は、一実施形態のために示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解することができる。引き続いて、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態のカメラ10の斜視図である。図1に示すように、135フィルムフォーマットのパトローネを装填するレンズシャッターカメラである。このカメラ10は、その上端にレリーズボタン11が設けられている。カメラ10の前面の中央部には、フォーカスレンズ8を組み込んだ鏡胴20(後述するシャッター部16を内蔵する)が取り付けられている。この鏡胴には、フォーカスレンズ8およびシャッターからなるオートフォーカス動作が可能な撮影レンズ鏡胴が用いられる。カメラ10の上部にはファインダ5、ストロボ発光部15、AF投光窓17a及びAF受光窓18aが設けられている。これらAF投光窓17aおよびAF受光窓18aを通じて発光し受光できるように、後述する投光部(IRED(赤外線発光ダイオード))17および受光部(PSD(位置検出素子))18が配置され、これら投光部17及び受光部18は、例えば三角測量の原理に基づいて被写体までの距離を測定する測距部を構成している。
また、カメラ10には、測光部13が設けられている。測光部13は、撮影視野内の外光輝度を測定する輝度検出手段として機能する。この測光部13は、例えば中央重点平均測光センサとして一つのSPDデバイス(赤外カットフィルタを光路上に内蔵したもの)を備えたものが用いられる。このSPDデバイスは近似的に撮影レンズ光学系の光軸上に向けられている。
図2は、本実施形態のカメラ10のブロック構成図である。カメラ10は、例えば、135フィルムフォーマットのパトローネを装填するレンズシャッターカメラに適用される。このカメラ10は、レリーズボタン11、フィルム感度検出部12、測光部13、メモリ部14、ストロボ発光部15、シャッター部16、投光部17、受光部18、制御部19を備えている。以下、各部について説明する。
レリーズボタン11は、ユーザが被写体を撮影しようとするときに押下するボタンである。このレリーズボタン11が押下されるとシャッター部16がシャッターの開閉動作を行う。
フィルム感度検出部12は、フィルム装填部(図示せず)に装填されたフィルムの感度を検出する感度検出手段である。フィルム感度検出部12は、フィルムパトローネに示されるCASコードのうち感度をあらわす部分を読取り、読取った情報を制御部19に出力する。制御部19では、出力された情報に基づいてフィルム感度を認識することができる。フィルム感度はISO(International Organization for Standardization)で定められている。なお、ユーザがマニュアル操作においてフィルム感度を設定するようにしてもよい。
測光部13は、被写体を含む外光輝度を検出する輝度検出手段である。測光部13が測定した輝度を示す情報を制御部19に出力し、制御部19では、外光輝度をAPEX単位であるBV値(Brightness Value)に変換する。なお、LV値(LightValue)(LV値=BV値+SV値)を用いてもよい。
メモリ部14は、補正制御テーブル、プログラム線図、および動作プログラムを記憶している。補正制御テーブルは、BV値とΔEV値とを対応付けて記憶する制御情報である。ΔEV値とは、露出基準値を補正するための露光補正値である。露出基準値は、例えばBV値にAPEX単位であるSV値(Film Speed Value)を加算することにより算出される。そして、露出目標値であるEV値(Exposure Value)は、BV値にSV値を加算したものから露光補正値ΔEVを減じることにより算出される。
この補正制御テーブルの具体例を示す。図3は、補正制御テーブルの概念図である。図3に示すように、BV値とΔEV値とが対応付けて記憶されている。この補正制御テーブルに記憶されている情報に基づき、測光部13が検出したBV値に対応するΔEV値が設定される。そして、BV値+SV値により算出された露出基準値からΔEV値を減算することにより、補正された露出目標値EVが算出される。
プログラム線図は、露出制御のためのAPEX単位で示されるEV値と、同じくAPEX単位であるTV値(Shutter Speed Value)およびAV値(Aperture Value)とを対応
付けた制御情報である。なお、TV値とは、シャッタースピードを示し、AV値とは、F値(レンズ絞り)を示す情報である(図8参照)。
付けた制御情報である。なお、TV値とは、シャッタースピードを示し、AV値とは、F値(レンズ絞り)を示す情報である(図8参照)。
動作プログラムは、カメラ10における撮影動作に関する一連の制御処理を行うためのプログラムである。
ストロボ発光部15は、測光部13が測定した外光輝度に基づき、自動的に又はユーザの操作により、被写体にストロボ光を発光するものである。なお、本実施形態におけるストロボ発光部15は、BV値があらかじめ定めた範囲(例えばBV値<3)では使用できないよう設定されることも可能である。
シャッター部16は、制御部19による露出制御(シャッタースピードおよびF値(レンズ絞り))に基づいて、F値で示された径で開口し、シャッタースピードで示された時間経過すると閉口する動作を行うものであり、シャッター部16が開口している間レンズを通して得た画像はフィルムに転写される。
投光部17は、被写体までの距離を測定するためのものであり、被写体に対して光を照射するものである。
受光部18は、投光部17が照射した光が被写体から反射した光に基づいて被写体までの距離を算出するものである。具体的には、受光部18は、受光した光に基づいた光量を示す情報を制御部19に出力し、制御部19は、入力された光量を示す情報に基づいて被写体までの距離を算出する。これら投光部17、受光部18から測距部が構成されている。
制御部19は、カメラ全体の制御を行う制御手段であり、例えばCPU、ROM、RAM、入力信号回路、出力信号回路などを備えて構成されている。この制御部19は、後述する動作フローチャートを実行する。例えば、レリーズボタン11の押下を検出すると、シャッター部16を動作させるよう指示を出力する。また、フィルム感度検出部12からの情報に基づいてフィルム感度を判断する。また、測光部13から出力された被写体の光量を示す情報に基づいてBV値を算出する。また、レリーズボタン11が半押しされた状態を検出すると、測距部を動作させる。さらに露出基準値から露出補正値(ΔEV)を減算することにより補正された露出目標値を算出し、露出目標値による露出制御を行い、測光値に基づいてストロボ発光による撮影を行うか否かを判断し制御する。このように、制御部19は、露出制御を行う露出制御手段、およびストロボ発光を制御する発光制御手段としても機能する。
次に、このように構成されたカメラ10の露出制御における動作について説明する。
まず、本実施形態のカメラ10における露出制御の概要について説明する。図4は、第1の実施形態における露出制御の概念図であり、補正制御テーブルに記憶されているBV値とΔEV値との対応を模式的に表したものである。
図4に示すとおり、縦軸にΔEV値を、横軸にBV値をとっている。BV値が0〜3の範囲(第一輝度領域)にあるときは、ΔEV値を2としている。また、BV値が3.5〜9の範囲(第二輝度領域)にあるときは、ΔEV値を1としている。そして、ここで得たΔEV値を用いて、露出目標値を算出する。すなわち、BV値にSV値を加算して得られた露出基準値(Bv+Sv)からΔEV値を減じることにより、露出目標値を算出する。このようにして得られたEV値を用いて露出制御は行われる。なお、図4では、第一輝度領域のΔEV値を2、第二輝度領域におけるΔEV値を1として固定値で表しているが、固定値であることに限らない。つまり、図4のグラフにおいてBV値に応じてΔEV値を増減させるよう露出補正の特性に傾斜をもたせるようにしてもよい。
ここで、第一輝度領域は、室内などの人工照明下を想定した明るさを示す部分である。近年は雰囲気を重視することからタングステンや電球色の蛍光灯など、色温度の低い光源(3000K程度)が多く使われているようになってきた。よって、カメラの測光は標準比視感度に準じた分光感度により行われるため、色温度の低い照明下では青色の露出が不足しがちとなる。そのため、第一輝度領域については、青色の露出を上げることができるように、EV値で2段階露出を上げるようにする。つまり、通常の露出基準値からΔEV値を2減算することにより、露出を上げるよう露出目標値を補正する。ここで、自然な光による撮影を確実に行うため、ストロボ発光部15による発光を行わないようにすることができる。具体的には、BV値が第一輝度領域にあるときは、ストロボ発光部15の発光を禁止するようなプログラムとすることができる。ただし、この場合でも、ユーザの操作によりストロボを強制発光させることは可能である。
なお、第一輝度領域は、シャッター制御可能範囲の下限BV値からBV値を3とする値までとする。シャッター制御可能範囲の下限とは、手ぶれ規制などのシャッター速度に制限を設けている場合はその速度とする。規制がない場合は、BV値が−3から3までの範囲とする。
また、第二輝度領域は、屋外における曇天または晴天時を想定した明るさを示す部分である。第二輝度領域における色温度は中庸(約5000K(ケルビン))であり、カメラが取得したBV値が第二輝度領域の範囲内にあるときに、適正露出を与えることで大部分の撮影環境で適切な撮影を行うことができる。そのため第二輝度領域については、撮影状態における光量のばらつきをも考慮する必要がある。そして、全体的に露出不足となることを防止するため、EV値で1段階露出を上げるようにする。つまり、BV値+SV値により算出された露出基準値からΔEV値を1減算することにより、露出を上げるよう露出目標値を補正する。
なお、第二輝度領域は、BV値を3.5とする値からシャッター制御可能範囲の上限BV値までとする。シャッター制御可能範囲の上限とは、シャッター速度を限界まで速くした場合の速度であり、または、プログラムとして制御可能な範囲をいう。
また、第一輝度領域におけるΔEV値の平均補正値をΔE1、第二輝度領域におけるΔEV値の平均補正値をΔE2とすると、ΔE1−ΔE2≧0.8を満たすΔEV値をとることができれば、上述図4に示すΔEV値以外の露出補正値を設定してもよい。以下、ΔE1−ΔE2≧0.8とすることが好ましい理由を説明する。
カラーネガにおける赤感層、緑感層、および青感層における波長ごとの分光感度をSr、Sg、Sbとする。また、光源の相対エネルギー5000K(ケルビン)、3000K(ケルビン)における波長ごとの相対強度をI5000、I3000とすると、次の式(1)に示す結果が得られる。
一般的にカラーネガにおける色ごとの分光感度は、図5に示すグラフのとおりである。また、代表的な光源(屋内における光源、屋外における光源)の色温度における相対強度は図6に示すグラフのとおりである。以下の式1は、図5、および図6において示される緑感層および青感層の各波長における相対分光感度と相対強度とを乗算して累積的に加算したものの比を算出したものである。
この式(1)から、3000Kの相対エネルギーを有する光源においては、5000Kの相対エネルギーを有する光源と比べて、緑感層に対して青感層は1/2.15の光しか感光できないことがわかる。ここで算出した値に基づいて、次の式(2)を用いて露出差に換算する。
この計算結果は、カラーネガにおいては緑感層に対して青感層はEV値で1.11だけ露出が少なくなることを意味している。
カメラの測光は緑感層の分光感度に準じる標準比視感度で行われる。このため、カメラ測光値に対してEV値において+1.11の露出補正を行うと、青感層に対しても適正露出を与えることができる。一方、緑感層に対してもEV値において+1.11の露出補正がされることになる。しかし、カラーネガは露出オーバに対して大きなラチチュードを持つため、露出オーバしても問題はない。
そして、現実的な光源のばらつきなどを考慮した数値としてEV値として0.8以上の差をもって(すなわち、ΔE1−ΔE2≧0.8とする)露出補正することが好ましい数値となる。なお、第一輝度領域、第二輝度領域においてΔEV値を実質的に一定値とする場合(微小に増減する場合も含む)、ΔE1、ΔE2はそれぞれの範囲における平均値と定義する。また、ΔEV値が一定値となるような制御でない場合(各々の輝度領域においてΔEV値で0.5以上の変動がある場合)、ΔE1については第一輝度領域における最低値を採用し、ΔE2については第二輝度領域における最大値を採用することとする。
また、ΔE1−ΔE2≧0.8とする数値条件については、3000K、5000Kの光源との比較において算出した数値条件であるが、現実の世界においては様々な光源が存在する。例えば、色温度が高い光源における比較において上述式(2)を算出すると、EV値が0.5〜0.8となる場合もある。そうした場合、さらに現実に存在するあらゆる光源を想定した数値としてΔE1−ΔE2≧0.5とすることも好ましい。
次に、上述した露出制御の概念に基づいてストロボ発光を行うことのできるカメラ10の具体的な動作について説明する。図7は、カメラ10の動作を示すフローチャートである。このフローチャートの制御処理はメモリ部14に格納されているプログラムに基づき制御部19によって実行される。
制御部19は、カメラ10のレリーズボタン11が押下されたことを判断すると(S1)、測光部13に対して測光処理を行うよう指示を出力する。測光部13は、外光輝度を検出し、検出信号を出力する。制御部19は、入力された検出信号に基づいて輝度値となるBV値を算出する(S2)。
制御部19は、フィルム感度に応じたSV値とBV値を加算して露出基準値を算出する(S3)。例えば、EV値=BV値+SV値からなる数式を用いてEV値を算出する。具体的に示すと、ISO1600のフィルムのAPEX単位は+9であり、BV値が3のときには、露出基準値は9+3=12となる。
そして、制御部19は、フィルム感度検出部12が検出したフィルムの感度がISO1600で示される感度以上であるか否かを判断する(S4)。
制御部19は、フィルム感度がISO1600で示される感度以上であると判断すると、露出基準値を補正する(S5)。具体的には、制御部19は、補正制御テーブルから上述算出したBV値に対応したΔEV値を取り出す。そして、制御部19は、S3において算出した露出基準値からΔEV値を減算することにより、露出基準値を補正して露出目標値を算出する。つまり、検出された外光輝度が所定の第1輝度領域にある場合には、露出基準値から第1の露出補正値を減じて露出目標値を算出し、検出された外光輝度が第1輝度領域より大きい領域に設定されている第2輝度領域にある場合には、露出基準値から、第2の露出補正値を減じて露出目標値を算出する。なお、第2の露出補正値は第1の露出補正値より小さい値に設定されている。
制御部19は、測光部13により得た測光値が所定輝度以上であるか否かを判断する(S6)。なお、ここでの「所定輝度」とは、被写体が逆光状態となるような輝度をいい、例えば、EV値=14に対応する外光輝度であり、また第1輝度領域より大きい値であることが好ましい。S6において、測光値が所定輝度以上ではないと、制御部19が判断した場合、露出目標値EVを用いて露出制御を行う(S7)。ここでいう露出制御とは、レンズの絞り(AV値)とシャッタースピード(TV値)とを制御するものである。この露出制御は、例えば、図8に示すようなプログラム線図を用いて行われる。
制御部19は、割り出されたシャッタースピードとF値とを用いて撮影するようシャッター部16に指示を出し、シャッター部16は撮影を行う。すなわち、シャッター部16におけるシャッター部分(羽根)における開口径をF値に基づいた大きさだけ開口し、シャッタースピードで示された所定時間後に閉口する(S8)。
また、S6において、測光値が所定輝度以上ではあると、制御部19が判断した場合、露出目標値EVを用いて露出制御を行う(S9)。そして、制御部19は、ストロボ発光部15を発光するよう指示するとともに、割り出されたシャッタースピードとF値とを用いて撮影するようシャッター部16に指示を出す。シャッター部16は、ストロボ発光部15による発光に連動して撮影を行う(S10)。
また、S4において、フィルム感度がISO1600以上ではない場合は、通常の処理であるEV値=BV値+SV値とする露出制御を行い(S11)、その後撮影する(S12)。S12においては、測光部13により得た測光値に基づいて、必要に応じてストロボ発光部15による発光に連動したシャッター部16による撮影動作を行う。
このようにして、フィルム感度に基づいた露出制御を行うことができ、ストロボ発光を使用することなく、高品質の撮影を行うことができ、測光値に基づいてストロボ発光部15による発光に連動した撮影を行うことができ、被写体の逆光対策を実現できる。また、所定輝度以上のときに発光手段による発光を行うため、第三者に発光手段の発光による迷惑をかけることを防止することができる。なお、本実施形態において、「逆光状態」とは、背景輝度に対して主要被写体の輝度が1EV以上暗い状態を言う。このような逆光状態の検出は、いかなる手段を用いて行われても良いが、撮影領域を分割して測光し、主要被写体の輝度と背景輝度とを比較することで逆光状態を推定する方法が最も簡易かつ好ましい方法である。逆光状態で、測光により得られた測光値に基づいて露光制御が行われると、主要被写体が露光不足となり好ましくない結果となる。これに対する解決手段としては、主要被写体が十分な露出となるように全体の露出を増やす方法、または、補助光を発光する手段を発光させ、主要被写体に十分な照明を与えて露光を行う方法、の二通りの方法がある。
なお、S6において、外光輝度を測定することにより被写体が逆光状態であることを判断する代わりに、被写体と被写体の周囲の明暗(輝度の差)により被写体が逆光状態であることを判断するようにしてもよい。その具体例を図9に示す。図9は、カメラ10のファインダ5内で示される被写体100を示す概念図であり、太陽が被写体100の後ろに位置し、被写体100が逆光状態であることを示している。カメラ10は、被写体100が逆光状態であることを判断するため、図示しない狭角輝度センサを用いてファインダ5の中心部分102の明るさ測定し、図示しない広角輝度センサを用いてファインダ5の外側部分101の明るさを測定する。そして、測定された中心部分102の明るさと外側部分101の明るさとの輝度比(中心部部分102の明るさ÷外側部分101の明るさ)が所定値以下である場合、または輝度の差(外側部分101の明るさ−中心部分102の明るさ)が所定値以上である場合、制御部19は逆光状態であることを判断することができる。つまり、制御部19は、撮影された範囲(ファインダ5に表示された範囲)における中心部分102と外側部分101との比または輝度差に基づいて被写体100が逆光状態であると判断することができる。このように直接被写体100の逆光状態を判断することで確実な撮影を行うことができる。
次に、図4に示した露出制御とは、別の第2の実施形態における露出制御について説明する。図10は、図4に示した露出制御とは別の露出制御の概念図である。
図10によると、BV値が0〜5を示す第一輝度領域については、EV値を2段階上げるよう制御している。また、BV値が5.5〜8を示す第二輝度領域については、EV値の補正を行わないようにしている。さらに、第2の実施形態においては、BV値が5未満のときにはストロボ発光は非発光とし、BV値が5以上のとき(つまり、図7におけるS6の所定輝度がBV値≧5)にはストロボ発光を常時発光とするよう制御するものである。これにより、少なくとも屋内にいるときにはストロボ発光を使用することなく高品質で雰囲気のある写真を撮影することができる。また、屋外にいるときには、ストロボ発光を使用しても、ストロボ発光により被写体が浮き出てしまうといったことがあまりなく、やはり高品質の写真を撮影することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るカメラ10によれば、フィルム感度がISO1600以上の高感度である場合に、第一輝度領域の露光補正値ΔEV1を第二輝度領域の露出補正値ΔEV2に対し平均で少なくとも0.5Ev以上の大きい値とすることにより、撮影環境に応じた適切な露出制御が行え、ストロボ発光することなく、より現実に近い光による撮影を簡単に行うことができる。特に、室内の人工照明下での撮影環境において、青感層に対しても適正な露出を与えることができ、より高品質な写真撮影が行える。
その際、第一輝度領域の露光補正値ΔEV1を第二輝度領域の露出補正値ΔEV2に対し平均で少なくとも0.8Ev以上の大きい値とする場合、撮影環境に応じたより適切な露出制御が行え、ストロボ発光することなく、より現実に近い光による撮影を簡単に行うことができる。この場合も、室内の人工照明下での撮影環境において、青感層に対しても適正な露出を与えることができ、より高品質な写真撮影が行える。
また、本実施形態に係るカメラにおいて、ストロボ光を発光するストロボ発光手段を備え、外光輝度が所定値以下である場合は、ストロボ発光手段による発光を行わないようにすることが好ましい。これにより、ストロボ発光による人工的な光による写真撮影を防止して、より現実に近い光による撮影を簡単に行うことができる。
本実施形態においてはフィルムを用いたカメラに基づいて説明したが、本発明係るカメラはフィルムを用いたカメラに限定されるものではない。例えば、CCDを用いたデジタルカメラに適用してもよい。この場合、フィルム感度を検出する代わりにCCDの設定感度を検出し、その設定感度がISO感度1600に相当する感度以上である場合に、第二輝度領域に対し低い輝度に設定される第一輝度領域において露出補正値を平均で少なくとも0.5Ev以上の大きい値に設定し、設定感度と輝度値(Bv)とに基づいて演算される露出基準値に対し露出補正値を減じて露出目標値として露出制御を行えばよい。この場合であっても、上述した実施形態に係るカメラと同様な作用効果が得られる。
10…カメラ、11…レリーズボタン、12…フィルム感度検出部、13…測光部、14…メモリ部、15…ストロボ発光部、16…シャッター部、17…投光部、18…受光部、19…制御部。
Claims (3)
- 撮像媒体の撮像感度を検出する感度検出手段と、
被写体に対して発光する発光手段と、
外光輝度を検出する輝度検出手段と、
前記感度検出手段により撮像媒体の感度が所定感度以上であると検出された場合であって、前記輝度検出手段により検出された外光輝度が所定の第1輝度領域にある場合には、検出された輝度に対応した露出基準値から第1の露出補正値を減じて算出された露出目標値に基づいて露出制御を行い、前記感度検出手段により撮像媒体の感度が所定感度以上であると検出された場合であって、前記輝度検出手段により検出された外光輝度が前記第1輝度領域より大きい領域に設定されている第2輝度領域にある場合には、露出基準値から前記第1の露出補正値より小さい値に設定されている第2の露出補正値を減じて算出された露出目標値に基づいて露出制御を行う露出制御手段と、
前記感度検出手段により撮像媒体の感度が所定感度以上であると検出された場合であって、被写体が逆光状態であると判断した場合、前記発光手段を発光させ、前記感度検出手段により撮像媒体の感度が所定感度以上であると検出された場合であって、被写体が逆光状態でないと判断した場合、前記発光手段を発光させないよう制御する発光制御手段と、
を備えるカメラ。 - 前記発光制御手段は、前記輝度検出手段により検出された外光輝度が、被写体を逆光状態にする所定輝度以上である場合には、被写体は逆光状態と判断し、前記輝度検出手段により検出された外光輝度が前記所定輝度より小さい場合には、被写体は逆光状態ではないと判断する
ことを特徴とする請求項1記載のカメラ。 - 前記発光制御手段は、撮影される範囲における中心部分と外側部分との比または輝度差に基づいて被写体が逆光状態であるか否かを判断する
ことを特徴とする請求項1記載のカメラ。
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