以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。先ず、図1及び図2を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体構成について説明する。図1は、パチンコ機を示す正面図である。図2は、本体枠及び前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、遊技盤4、前面枠5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面一側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。また、本体枠3は、前枠体8、遊技盤装着枠9、及び機構装着枠10を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前側に形成された前枠体8は、外枠2前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。
前枠体8の後部に一体的に形成された遊技盤装着枠9には、遊技盤4が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤4の盤面(前面)には、外レールと内レールとを備えた案内レール11が設けられ、該案内レール11の内側には、遊技領域12が区画形成されている。遊技盤装着枠9よりも下方に位置する前枠体8の前側下部の一側寄りには、スピーカ装着板13を介して低音用スピーカ14が装着されている。また、前枠体8前面の下部領域内の上側部分には、遊技盤4の発射通路に向けて遊技球を導く発射レール15が傾斜状に装着されている。一方、前枠体8前面の下部領域内の下側部分には、下前面部材16が装着されている。下前面部材16前面のほぼ中央には、下皿17が設けられ、片側寄りには操作ハンドル18が設けられている。
本体枠3(前枠体8)のヒンジ機構7が設けられる側とは反対側となる開放側の後面には、外枠2に対して本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対して前面枠5を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置19が装着されている。施錠装置19は、外枠2に設けられた閉止具20に係脱可能に係合して本体枠3を閉鎖状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック21と、前面枠5の開放側の後面に設けられた閉止具22に係脱可能に係合して前面枠5を閉鎖状態に施錠する上下複数の扉施錠フック23とを備えている。そして、シリンダー錠24の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで、本体枠施錠フック21と外枠2の閉止具20との係合が解除されて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に鍵が回動操作されることで、扉施錠フック23と前面枠5の閉止具22との係合が解除されて前面枠5が解錠されるようになっている。なお、シリンダー錠24の前端部は、パチンコ機1の前方から鍵を挿入して解錠操作が行えるように、前枠体8及び下前面部材16を貫通して下前面部材16の前面に露出して配置されている。
本体枠3前面の一側には、ヒンジ機構25によって前面枠5が前方に開閉可能に装着されている。前面枠5は、扉本体フレーム26、サイド装飾装置27、上皿28、音響電飾装置29を備えて構成されている。扉本体フレーム26は、プレス加工された金属製フレーム部材によって構成され、前枠体8の上端から下前面部材16の上縁に亘る部分を覆う大きさに形成されている。扉本体フレーム26のほぼ中央には、遊技盤4の遊技領域12を前方から透視可能なほぼ円形状の開口窓30が形成されている。また、扉本体フレーム26の後側には、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31が設けられ、該窓枠31には、透明板32が装着されている。
扉本体フレーム26の前側には、開口窓30の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置27が、下部に上皿28が、上部に音響電飾装置29が装着されている。サイド装飾装置27は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体33を主体として構成されている。サイド装飾体33には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ34が組み込まれている。音響電飾装置29は、透明カバー体35、スピーカ36、スピーカカバー37、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
次に、遊技盤4に区画形成された遊技領域12内に設けられる各種構成部材について図3を参照して説明する。図3は、遊技盤4を示す正面図である。
遊技領域12の中央部分には、演出装置40が配設されている。演出装置40は、複数個の発光体(例えば、4個のLED176)の点灯によって特別図柄を変動表示する特別図柄表示器41と、装飾図柄を変動表示すると共に、種々の演出表示を表示領域42で行う液晶表示器116(図25に符号のみ記載)と、複数個の発光体(例えば、4個のLED182)の点灯によって未だ特別図柄の変動が開始されていない記憶数(始動記憶数)を表示する特図記憶ランプ54と、特別図柄表示器41、液晶表示器116、及び特図記憶ランプ54を遊技盤4の表面(遊技領域12)に取り付けるための前面装飾板43とを備えている。また、演出装置40の右上部分には、演出ランプ44a,44bが取り付けられている。これらの演出ランプ44a,44bは、表示領域42による演出表示に合わせた点灯表示を行うようになっている。
演出装置40の下方には、始動入賞口45と始動入賞口45の下方に一対の開閉翼47を有する電動始動入賞口46とが配設されている。電動始動入賞口46は、普通図柄表示器50の表示結果が「当り」となったときに、開閉翼47が所定時間(例えば、通常時0.5秒又は確率変動時3秒)開放されるように制御される。また、始動入賞口45及び電動始動入賞口46に入賞した遊技球は、始動口センサ55(図24に符号のみ記載)によって検出され、この検出に基づいて特別図柄表示器41で特別図柄の変動表示(表示領域42で装飾図柄の変動表示)が許可される。なお、特別図柄の変動中に始動入賞口45及び電動始動入賞口46に入賞した遊技球は、所定個数(例えば、4個)まで記憶可能であり、その記憶数(始動記憶数)は、複数個の発光体(例えば、4個のLED182)からなる特図記憶ランプ54の点灯によって表示される。特図記憶ランプ54は、遊技領域12の右側方に配置されている。また、本実施形態では、特別図柄の変動表示が許可される入賞口として、始動入賞口45と電動始動入賞口46との2つの始動入賞口が設けられているが、始動入賞口の個数はこれらに限られず、例えば始動入賞口45と電動始動入賞口46とのいずれか一方であってもよい。
遊技領域12の左側方には、発光体(例えば、LED)の点灯点滅によって普通図柄を変動表示する普通図柄表示器50が配設されている。また、普通図柄表示器50の下方には、遊技状態が確率変動状態か否かに応じて点灯する確率変動状態ランプ51が取り付けられている。また、普通図柄表示器50の下方には、普通図柄表示器50で普通図柄の変動表示を許可する2個のゲートスイッチ53a,53bが設けられている。なお、普通図柄の変動中にゲートスイッチ53a,53bを通過した遊技球は、所定個数(例えば、4個)まで記憶可能であり、その記憶数は、複数個の発光体(例えば、4個のLED)からなる普図記憶ランプ56の点灯によって表示される。普図記憶ランプ56は、遊技領域12の左側方に配置されている。
電動始動入賞口46の下方には、横長長方形状の大入賞口61を開閉する開閉板62を有する大入賞口装置60が配設されている。大入賞口装置60は、大入賞口61(開閉板62)の開閉用駆動源となるソレノイド63、及びカウントセンサ64(共に図25に符号のみ記載)を備えている。大入賞口装置60の下方となる遊技領域12の最下部には、遊技領域12を流下していずれの入賞口や入賞装置にも入賞しなかった遊技球が取り込まれるアウト口48が設けられている。始動入賞口45、電動始動入賞口46及び大入賞口装置60の左右側方には、4つの入賞口66a〜66dが設けられている。また、遊技領域12には、遊技状態に応じて点灯点滅が制御される電飾用の装飾ランプ49(図25に符号のみ記載)が取り付けられている。
遊技盤4に設けられる各種の入賞装置等によって実現される遊技について説明すると、パチンコ機1の裏面側に設けられる発射装置(図示しない)によって打ち出されて発射レール15及び案内レール11を通って遊技領域12に放出された遊技球は、遊技領域12を障害釘等に衝突しながらアウト口48に向かって流下する。遊技領域12を流下する遊技球がゲートスイッチ53a,53bによって検出されると、普通図柄表示器50で普通図柄が変動表示(発光体が緑色と赤色とで交互に点灯表示)され、その表示結果が「当り」(発光体が緑色で点灯停止)であるときに電動始動入賞口46の開閉翼47が所定時間(例えば、0.5秒)開放される。また、普通図柄表示器50の表示結果が「ハズレ」(発光体が赤色で点灯停止)の場合、開閉翼47が開放されることはないが、開閉翼47が開放しなくても遊技球は、始動入賞口45に入賞し得るようになっている。
そして、始動入賞口45又は電動始動入賞口46に遊技球が入賞すると、特別図柄表示器41で特別図柄が変動を開始すると共に、液晶表示器116で装飾図柄が変動を開始し、所定時間経過した後に特別図柄及び装飾図柄が停止する。その停止した時の特別図柄が特定の表示態様(大当りとなる複数の発光体の点灯の組み合わせ)になると、装飾図柄も特定の表示態様(大当り図柄:左・中・右の装飾図柄が同一図柄の組み合わせ)となり、「大当り遊技状態」となって、大入賞口装置60の開閉板62が手前側に倒れて大入賞口61を開放し、所定時間(例えば、30秒)、あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞があるまで大入賞口61を開放した状態に維持する。その後、開閉板62の起立により大入賞口61が閉じられた後、所定時間(例えば、2秒)を経過することで、再度、開閉板62が手前側に倒れることにより、大入賞口61が開放される開閉サイクル(以下、これをラウンド「R」ともいう)を15回繰り返すようになっている。
図4は、遊技盤4を構成要素に分解した状態で示している。ただし、ここでは説明に必要な構成要素のみを取り上げているため、いくつかの構成要素は適宜図示を省略されている。
本実施形態の演出装置は、遊技板4aを挟んで前後に分割された2つのユニットから構成される。具体的には、遊技板4aの前面側にフロントユニット140が位置し、このフロントユニット140は遊技板4aに対してその前面側から取り付けられる。逆に遊技板4aの背面側にはリアユニット142が位置し、このリアユニット142は遊技板4aに対してその背面側から取り付けられる。
遊技板4aには、その合板材を厚み方向に刳り抜いた貫通孔144が形成されている。この貫通孔144は、遊技領域12の中央からやや上よりの範囲にかけて大きく開口しており、その開口形状は、フロントユニット140の外形にほぼ合致している。
フロントユニット140は、その前後方向でみると遊技板4aに対向する後半分の部位(連結挿入部)が貫通孔144内にすっぽり填り込む形状に成形されており、フロントユニット140は、その後半分の部位を貫通孔144内に嵌め込んだ状態で遊技板4aに取り付けられるものとなっている。フロントユニット140の後半分の部位は、その前後方向でみた厚みがちょうど遊技板4aの厚みとほぼ同じに設定されている。このためフロントユニット140が遊技板4aに取り付けられると、その後半分の部位は遊技板4aの背面に肌合わせされる(いわゆる面一の状態)。
さらにフロントユニット140には、後半分の部位から後方に向けて突出するボス140aが形成されている(挿入連結部)。ボス140aはフロントユニット140の上部位置に1本と、下部位置に2本(図4には1本のみ示されている)の合計3本が形成されており、いずれも貫通孔144を通じて遊技板4aの前面側から挿入されると、遊技板4aの背面からさらに後方に突出する。
一方、フロントユニット140が遊技板4aに取り付けられた状態で、その前半分の部位は遊技板4aの前面側に突出する。この前半分の部位は、その厚みが例えば案内レール11や前面装飾板43(図3参照)等とほぼ同じに設定されている。このため、フロントユニット140が遊技板4aに取り付けられると、その前半分の部位は遊技領域12内で盤面から手前に突出し、それによって遊技球の流下を誘導・案内する存在となる。
これに対し背面側のリアユニット142は、遊技板4aの背面に対向する前面がほとんどフラットな形状に成形されており、このフラットな前面を取付面142aとして遊技板4aに取り付けられる。リアユニット142が遊技板4aに取り付けられると、上記の取付面142aは遊技板4aの背面に密着する(ただし製造誤差や歪みによる隙間は許容される。)。
また取付面142aは、上記の貫通孔144には嵌め込まれないものの、その一部は貫通孔144に対向する位置関係にある。すなわち、リアユニット142が遊技板4aに取り付けられると、その取付面142aは部分的に貫通孔144の内側に張り出し、貫通孔144を通じて遊技板4aの前面側に露出される。ただし、この露出する部分はフロントユニット140に覆い隠されるため、遊技者からは直接的に視認されない。
さらにリアユニット142には、フロントユニット140のボス140aに対応して3箇所にボス孔142bが形成されており、フロントユニット140およびリアユニット142が遊技板4aに対して前後から取り付けられると、3本のボス140aは貫通孔144を通じてリアユニット142にまで達し、それぞれ対応するボス孔142bに差し込まれる。またこの状態で、フロントユニット140およびリアユニット142が相互に位置決めされる。
図4には示されていないが、遊技盤4には、さらにリアユニット142の背後から表示ユニットが取り付けられるものとなっている。表示ユニットは、液晶表示器116と第2電飾制御基板113(図25に符号のみ記載)とを一体化したユニットとして構成されており、その画面上で演出的な画像を表示する役割を担う。遊技盤4の完成状態で、表示ユニットの画面は上記の貫通孔144を通じて前面側から視認することができる。
図5は、フロントユニット140およびリアユニット142を連結した状態で示している。フロントユニット140は、その外表面に施された造形・装飾から一定の視覚的な効果・インパクトを遊技者に対して与える役割を果たす。また、このようなフロントユニット140の造形・装飾は、遊技板4aの前面に貼付された化粧シート(セル板)のデザインと相まって、パチンコ機1の機種やゲームコンセプトを遊技者に明確に認識させる効果を奏する。あわせて本実施形態では、遊技領域12のほぼ中央位置にフロントユニット140が取り付けられることで、そこに演出的な動作が行われる演出領域が形成される。本実施形態では、この演出領域において、例えばLEDの点灯・点滅による発光演出や液晶表示器による画像表示演出、可動役物による動作演出等が行われるものとなっている。
また、フロントユニット140およびリアユニット142の中央部分は、上記の表示ユニットを視認可能とするため矩形に開口しており、それゆえこの開口部分に表示領域42が形成されている。この表示領域42では、液晶表示器116による演出的な画像の表示による演出が行われるものとなっている。
フロントユニット140は、その全体的な外観形状が「怪物屋敷」をモチーフとして形成されている。ここでいう「怪物屋敷」は、例えば創作上の物語に出てくるキャラクタ(想像上の怪物を模したコミカルなキャラクタである)達が住処としている建物であり、その外観は西洋風の煉瓦造りとなっている。フロントユニット140を「怪物屋敷」に見立てると、その屋根に相当する屋根装飾部分140bは、左右に末広がりとなる形状を有している。あわせてこの屋根装飾部分140bは、遊技領域12の上方から流下する遊技球を左右に振り分けるはたらきをする(いわゆる鎧カバー)。
左側の屋根装飾部分140bの直下位置には、コミカルなキャラクタ体(怪物くん)140cが配設されている。このキャラクタ体(怪物くん)140cは、上記の物語において「怪物屋敷」の主人となるキャラクタに相当するものであり、見た目上は人間の少年を模したデザインとなっている。デザイン上、このキャラクタ体(怪物くん)140cは屋根裏から壁を突き破って顔と両手を覗かせたような格好となっている。
また、屋根装飾部分140bの中央はドーム屋根形状に盛り上がっており、その直下の位置に「屋根窓」を模した窓装飾部分140dが配設されている。この窓装飾部分140dは、透明パーツの採用により見た目上も窓であることが認識し易くなっている。さらに、窓装飾部分140dの奥にはLED140lが図示しないLED基板に実装されており、それゆえ窓装飾部分140dでは、LED140lの点灯・点滅による発光演出が行われるものとなっている。なおLED基板は、フロントユニット140に内蔵されている。本実施形態では、これら窓装飾部分140dとLED140lとが演出ランプ44a(図3参照)として機能するものとなっている。
窓装飾部分140dの前面側には、「屋根窓」を斜めに塞ぐようにして別の球誘導部材140eが取り付けられている。この球誘導部材140eは、他の装飾部材140fとともに窓装飾部分140dの前面側で筋交い状に組まれたように配置されている。これら球誘導部材140eおよび装飾部材140fは、いずれも前面に木目をあしらった模様が立体的に付されている。
フロントユニット140の左右の側縁部は、上記の表示領域42の両側を取り囲むようにして下方に延びており、このうち右側縁部は左側縁部に比較して幅広となっている。また上記の屋根装飾部分140bは、フロントユニット140の上部から左右の側縁部にまで垂れ下がるようにして延びており、それゆえ左右の側縁部の外縁は、屋根装飾部分140bによって外側の遊技領域12(図5には示されていない)と区画されている。
フロントユニット140の右側縁部には、上記の屋根装飾部分140bの内側に沿って壁装飾体140gが取り付けられている。さらに右側縁部には、表示領域42の上縁から右側縁に沿って別の壁装飾体140hが取り付けられており、この壁装飾体140hと先の壁装飾体140gとの間には一定の隙間が確保されている。これら壁装飾体140g,140hは、いずれも煉瓦を積み重ねたような形状に成形されており、これら壁装飾体140g,140hの造形により「怪物屋敷」としての雰囲気がそれらしく醸し出されている。
一方、フロントユニット140の左側縁部には、屋根装飾部分140bの内側に位置して窓装飾部分141が形成されている。この窓装飾部分141は、「怪物屋敷」の室内に通じる「明取窓」としての装飾となっている。
フロントユニット140の右側縁部には、上記の壁装飾体140g,140hの間にある空間内に球誘導通路148が形成されている。この球誘導通路148は、表示領域42の上方から右側方を迂回するようにして下方に延び、そして下方の遊技領域12に向けて開放されている。パチンコ機1による遊技中、フロントユニット140の上方から流下してきた遊技球は、上記の球誘導部材140eに案内されて球誘導通路148に送り込まれるものとなっている。
フロントユニット140の右側縁部には、前面側からみて球誘導通路148の奥の位置に壁面部材140iが取り付けられている。この壁面部材140iは透明パーツ(板状部材)の採用により光透過性を有しており、その背後の位置にはLED140mが図示しないLED基板に実装されている。このため球誘導通路148では、上記の窓装飾部分140dと同様にLED140mの点灯・点滅による発光演出が行われるものとなっている。本実施形態では、これら壁面部材140iとLED140mとが演出ランプ44b(図3参照)として機能するものとなっている。
図5には詳しく示されていないが、壁面部材140iはその背面に光拡散用のレンズカット(例えばプリズムカット、ダイヤカット等)が施されている。一方で壁面部材140iは、その前面が壁装飾体140g,140hの表面形状と視覚的な統一性を有する形状に加工されている。具体的には、壁装飾体140g,140hが煉瓦を積み重ねたような形状を有することから、壁面部材140iの前面にも煉瓦の1つ1つを模した突出部が形成されている。
なお、球誘導通路148の形状・機能等についてはさらに別の図面を参照しながら後述するものとする。
フロントユニット140の下縁部には、球受ステージ140jが形成されている。本実施形態ではフロントユニット140だけでなく、リアユニット142の下縁部にも球受ステージ142cが形成されており、フロントユニット140とリアユニット142とが組み合わされた状態で、両者の球受ステージ140j,142cが一体となる。球受ステージ140j,142cは上・中・下の3段に分かれており、このうち上段および中段の球受ステージ142cはリアユニット142に、下段の球受ステージ140jがフロントユニット140に形成されている。このうち上段の球受ステージ142cは最も奥に位置しており、そこから手前側に中段の球受ステージ142c、下段の球受ステージ140jと順番に位置が下がっている。
球受ステージ142c,140jに関連して、リアユニット142には案内通路142dが形成されており、この案内通路142dは上段および中段の球受ステージ142cの中央位置から下方にくだり、そして前面側へ屈曲して延びている。またフロントユニット140には、その下縁部の中央位置に案内通路142dの放出口140kが形成されている。
球受ステージ142c,140jや案内通路142dの機能は公知のものとほぼ同様である。すなわち、球受ステージ142c,140jはその上面にて遊技球を左右に揺れ動くようにして転動させ、遊技球の行き先を予測のつかないものとする。この過程で遊技球は下の段に落ちたり、あるいは案内通路142dに填り込んだりするので、その間の遊技球の動きによって遊技に面白みが付加される。案内通路142dに遊技球が填り込むと、下方の放出口140kから真下に放出されるので、始動入賞口45や電動始動入賞口46(図3参照)に入賞しやすくなる。
図5には詳しく示されていないが、球受ステージ142c,140jに関連して、フロントユニット140にはワープ通路が形成されている。ワープ通路はフロントユニット140の左右の側縁部にそれぞれ形成されており、いずれも遊技球を球受ステージ142cに誘導する役割を担っている。本実施形態では、左右でワープ通路の形態や配置が異なっており、その具体的な形態、配置等については別の図面を参照しながら後述する。
図6は、リアユニット142の外形を詳しく示している。リアユニット142は、フロントユニット140と違ってほとんどの部分は遊技板4aの背後に隠れているので、その外形には装飾的な配慮が特に必要とされていない。ただし、上記の球受ステージ142cの部分や表示領域42を取り囲む部分は前面側に露出されており、遊技者の目に直接触れる部分であるため、そこにはフロントユニット40と同様に装飾が施されている。
先ず、上段の球受ステージ142cの上方で、その奥の位置には装飾部材142eが配設されており、この装飾部材142eは表示領域42の下縁を区画するようにして左右に延びている。また装飾部材142eは、ちょうど煉瓦を横一列に並べたような形状に成形されており、それによってフロントユニット140の装飾と視覚的な統一感が保たれている。なお装飾部材142eは、上記の案内通路142dを隔てて左右に分割されている。
また、表示領域42の上縁の左部分にも装飾部材142fが配設されている。この装飾部材142fもまた、正面からみると煉瓦を横一列に並べたような形状に成形されているが、さらには奥行き方向にも煉瓦を配列したような形状に成形されている。
表示領域42のその他の周縁については、装飾部材142fの右側位置にもこれと同様の装飾(煉瓦の配列を模した装飾)が施されているし、また右側縁についても同様の装飾が施されている。一方、表示領域42の左側縁については他と少し異なり、木製扉を模した装飾が施されている。このようなリアユニット142の装飾は、真正面から見るとちょうどフロントユニット140の背後に位置するため、あまり目立たない存在となっているが、遊技者が視線の方向や角度を変えて表示領域42の周縁を覗き込むようにすると、リアユニット142の装飾がはっきりと視認される。なお、リアユニット142の装飾については別の図面を参照しながら後述する。
次に、リアユニット142において中心的な要素となる動作機構について説明する。
図6中に破線で示されているように、リアユニット142には、表示領域42内にて出没可能な演出動作体、つまりキャラクタ体150,152,154が内蔵されている。これらキャラクタ体150,152,154は、ちょうど上記の取付面142aより奥(リアユニット142の内部)に位置した状態で表示領域42の周囲に収容されており、その動作時には取付面142aより奥の位置から表示領域42内に向かって移動してきて、表示画面の前面側に出現する。
リアユニット142には、上記の取付面142aに対応する位置に3つのカバー部材142gが配設されている。カバー部材142gは薄い肉厚(例えば2mm程度)の透明(または半透明)樹脂板からなり、取付面142aは、これらカバー部材142gの前面から構成されている。図6中にはキャラクタ体150,152,154の外形が破線で示されているが、カバー部材142gが透明性を有するため、実際にはキャラクタ体150,152,154(およびその付属機構)が前面側から透けて視認される。
図7は、リアユニット142からカバー部材142gが取り外されたときの状態を示している。3つのキャラクタ体150,152,154は、表示領域42を取り囲むようにして配置されており、その上方と右側方、左側方にそれぞれ1つずつキャラクタ体150,152,154が位置する。
キャラクタ体150,152,154は1つ1つが異なる形態にデザインされている。これらキャラクタ体150,152,154は、いずれも著名な怪奇小説に登場する何らかの「怪物」を模したものであるが、見た目上はコミカルにデフォルメされたデザインが施されている。すなわち、表示領域42の右側方に位置するキャラクタ体(フランケン)150は「フランケンシュタインの怪物」を模したものであるが、その表情からはどこか間の抜けたような感じを受ける。また表示領域42の上方に位置するキャラクタ体(ドラキュラ)152は、「吸血鬼ドラキュラ」を模したものであるが、その顔立ちからはどことなく気の弱そうな印象を受ける。そして表示領域42の左側方に位置するキャラクタ体154は「オオカミ男(人間の姿から狼に変身する男)」を模したものとなっている。図7には細かく示されていないが、このキャラクタ体(オオカミ男)154の表情はマスコット的な愛嬌のあるものとなっている。
リアユニット142には、3つのキャラクタ体150,152,154にそれぞれ対応して収容部156,158,160(待機収容部)が形成されている。リアユニット142は、その全体がケーシング162に覆われる構造であり、3つの収容部156,158,160はケーシング162の内側に区画して形成された状態にある。
ケーシング162は外形がほぼ矩形をなしており、その前面は大きく開放されているが、背面は奥壁162aで塞がれている。またケーシング162の外縁は側壁162bで囲われており、側壁162bは奥壁162aの周縁から前面側へ立ち上がるようにして形成されている。そして上記の収容部156,158,160は、奥壁162aより手前側の空間内で側壁162bの内側に形成されている。
収容部156,158,160は、いずれも表示領域42に隣接する側端がキャラクタ体150,152,154の出入口となっている。キャラクタ体150,152,154は、それぞれ収容部156,158,160に収容された状態(待機位置)と、表示画面の前面側に出現した状態(出現位置)とに変位することができる。このときキャラクタ体150,152,154は、上記の出入口を通じて出入りする。
リアユニット142は遊技板4aの背面に取り付けられるものであり、またその前面側にはフロントユニット140が取り付けられるため、キャラクタ体150,152,154がそれぞれの収容部156,158,160に収容された状態にあるとき、その姿はフロントユニット140および遊技板4aの陰に隠れて真正面からは視認されない。
さらに本実施形態では、各キャラクタ体150,152,154に対応して遮蔽部材164,166,168が設けられており、これら遮蔽部材164,166,168は、前面側から表示領域42を通じて収容部56の内側が露出するのを塞ぐ役割を果たしている。このため図7中に実線で示されているように、キャラクタ体150,152,154が収容部156内に収容された状態では、それぞれ対応する遮蔽部材164,166,168により収容部156,158,160の出入口が閉ざされている。
一方、図7中に2点鎖線で示されているように、遮蔽部材164,166,168はいずれも表示領域42内に向けて変位し、それぞれ対応する収容部156,158,160の出入口を開放することができる。この状態でキャラクタ体150,152,154は表示領域42の前面側へ出現することができる。
このとき表示領域42の右側方および上方にあるキャラクタ体150,152については、それぞれの遮蔽部材164,166が一端部を中心に表示画面の前面に沿って回動することで出入口が開かれる。また、表示領域42の左側方にあるキャラクタ体154については、その遮蔽部材168が垂直な軸線を中心に表示画面に向かって奥へ回動することで出入口が開かれる。
また遮蔽部材164,166,168には、フロントユニット140の外表面における装飾と統一感のある装飾が施されている。例えば、表示領域42の右側方および上方に位置する遮蔽部材164,166については、装飾部材142fと同様に煉瓦の配列を模した装飾が施されている。一方、表示領域42の左側方に位置する遮蔽部材168については、上記のように木製扉を模した装飾が施されている。
本実施形態では、3つのキャラクタ体150,152,154が表示領域42内にて出没動作を行うものとなっているが、それぞれの動作範囲が互いに干渉しない設計となっているか、もしくは制御上で干渉しない動作が行われるものとなっている。例えば、表示領域42の左側方にあるキャラクタ体(オオカミ男)154は、表示領域42の左側端から直線的に右方向へ動作するが、このときの動作範囲A1は、他の2つのキャラクタ体150,152の動作範囲A2と重複しない設計となっている。
表示領域42の右側方と上方に位置するキャラクタ体150,152については、それぞれの遮蔽部材164,166が回動する動作範囲には設計上の重複がある。ただし、これらキャラクタ体150,152については、実際の動作時において互いの動作範囲(角度)B1,B2が干渉しない制御が行われるものとなっている。
次に、キャラクタ体150,152,154および遮蔽部材164,166,168を作動させる動作機構の詳細について説明する。
図8は、キャラクタ体(フランケン)150および遮蔽部材164についての動作機構を具体的に示している。キャラクタ体(フランケン)150および遮蔽部材164を含む動作機構は、箱形の機構ボックス150a内に収められた状態でユニット化されている。この機構ボックス150aはユニット全体としてリアユニット142に収容され、この状態で機構ボックス150aの内側に上記の収容部156が形成されるものとなっている。
キャラクタ体(フランケン)150は3つの可動パーツの組み合わせから構成されており、具体的には頭部パーツ150bと左腕パーツ150c、右腕パーツ150dが含まれている。これらパーツ150b,150c,150dは互いにピン接合されてリンク機構を構成しており、それぞれがリンク機構の節に該当している。この他にも、機構ボックス150a内には昇降スライダ150eが収容されており、この昇降スライダ150eもまたキャラクタ体(フランケン)150とともに1つの動作機構を構成する。なお昇降スライダ150hは、機構ボックス150a内で上下に昇降自在に支持されている。
キャラクタ体(フランケン)150の頭部パーツ150bは、ちょうど「怪物」の胸元あたりに相当する部位で支点150fを介して機構ボックス150aに支持されている。そして、この部位から斜め下方にレバー150gが延びており、このレバー150gを介して頭部パーツ150bと昇降スライダ150hとがスライダ接合されている。
キャラクタ体(フランケン)150の左腕パーツ150cと右腕パーツ150dとは、ちょうど腕の付け根あたりに相当する部分で相互に連結されている。これら左腕パーツ150cおよび右腕パーツ150dは相対的に運動することなく、機構上は一体となって動作する。ただし、頭部パーツ150bは前後方向でみて右腕パーツ150dと左腕パーツ150cとの間に位置しており、これらは前後に重なり合うようにして機構ボックス150a内に収められている。したがって頭部パーツ150bと左腕パーツ150c、右腕パーツ150dとの間には、適宜のクリアランスが確保されている。その分、本実施形態ではキャラクタ体(フランケン)150が全体として厚みのある存在(薄板1枚だけの可動役物とは構造的に異なる)となっている。これによりに、薄板1枚だけの可動役物のように単一の動作による二次元的な視覚的効果だけではなく、キャラクタ体(フランケン)150を全体として厚みのある存在として見せることで、キャラクタ体(フランケン)150を立体的に見せ、さらにキャラクタ体(フランケン)150の後側の表示領域42に表示される画像にも奥行きをもたせたかのような視覚的効果が得られる。
また図8には示されていないが、頭部パーツ150bは、ちょうど「怪物」の背中あたりに相当する部位で左腕パーツ150cおよび右腕パーツ150dにピン接合されている。一方、右腕パーツ150dは、ちょうど掌あたりに相当する部位にて遮蔽部材164にピン接合されている。これにより、昇降スライダ150hから頭部パーツ150bおよび右腕パーツ150dを介して遮蔽部材164にまで至る一続きの機構が構成される。
図8中(b)に示されているように、機構ボックス150aの背面側には駆動モータ150hが取り付けられている。キャラクタ体(フランケン)150および遮蔽部材164は、この駆動モータ150hを駆動源として動作を行うことができる。
機構ボックス150aには、図8中(a)でみて右の側壁150iに開放孔150jが形成されている。開放孔150jは機構ボックス150aの内側にある空間を右側方へ開放し、その内部への視認性を確保することができるものとなっている。なお、リアユニット142のケーシング162もまた全体として透明樹脂から成形されているため、機構ボックス152aがケーシング162内に収容された状態であっても、その内部が開放孔150jを通じて視認可能となっている。
図9および図10は、キャラクタ体(フランケン)150および遮蔽部材164の動作例を示している。上記の昇降スライダ150eは、駆動モータ150hからの動力で昇降動作が与えられるものとなっており、駆動モータ150hからの動力は、ラック・ピニオン機構を介して昇降スライダ150eに伝達される。
昇降スライダ150eの昇降動作は、レバー150gを介して頭部パーツ150bに伝達される。昇降スライダ150eが上昇すると、これにつられてレバー150gが引き上げられ、それによって頭部パーツ150bが支点150fを中心に回動する。このときの頭部パーツ150bの回動により、ちょうど「怪物」であるキャラクタ体(フランケン)150が頭を前に突き出すような動きが実現される。なお、図9,10に示されているように、昇降スライダ150eの下端部には係合溝150kが形成されており、昇降スライダ150eと頭部パーツ150bとは、係合溝150kを介して接合されている。
さらに頭部パーツ150bが回動すると、その動きが左腕パーツ150cおよび右腕パーツ150dに伝達され、さらに右腕パーツ150dが連接節となって遮蔽部材164にまで動きが伝達される。これにより、遮蔽部材164が最初の姿勢(垂れ下がった状態)から斜めに変位することで、ちょうど遮蔽部材164が左上方向に押し上げられたような動作が実現される。このとき左腕パーツ150cおよび右腕パーツ150dは固定された支点を持たない連接節として働くので、左腕パーツ150cおよび右腕パーツ150dは、遮蔽部材164と頭部パーツ150bの動きに従って左上方向に移動することになる。
これにより、動作機構を全体としてみると、「怪物」であるキャラクタ体(フランケン)150が遮蔽部材164を両手で押し開け、そのなかから顔を突き出しているかのような演出動作が実現されることになる。また、遮蔽部材164には煉瓦壁を模した装飾が施されていることから、このときのキャラクタ体(フランケン)150の動きから、「怪物」がその怪力を持ってして「怪物屋敷」の煉瓦壁を無理やり押し上げているかのような視覚的効果が得られる。
図11は、キャラクタ体(ドラキュラ)152および遮蔽部材166についての動作機構を具体的に示している。キャラクタ体(ドラキュラ)152および遮蔽部材166を含む動作機構もまた、箱形の機構ボックス152a内に収められた状態でユニット化されている。ここでも同様に、機構ボックス152aはユニット全体としてリアユニット142に収容され、この状態で機構ボックス152aの内側に上記の収容部158が形成されるものとなっている。
キャラクタ体(ドラキュラ)152は単独で1つの部品であり、これに付属して機構ボックス152a内には2系統のリンク機構が設けられている。このうち1系統は、キャラクタ体(ドラキュラ)152および遮蔽部材166を全体として回動(または揺動)させるためのものであり、もう1系統は、キャラクタ体(ドラキュラ)152を遮蔽部材166の長手方向にスライドさせるためものものである。
2系統のリンク機構のうち、最初の1系統(第2のリンク機構)には、遮蔽部材166と一体に成形されているメインパーツ152bのほか、このメインパーツ152b(揺動部材)とともにキャラクタ体(ドラキュラ)152を回動(または揺動)させるレバー152cが含まれる。メインパーツ152bは、支点152dを介して機構ボックス152aに支持されており、この支点152dを中心として左右方向に揺動自在となっている。
一方のレバー152cは、支点152eを介して機構ボックス152aに揺動自在に支持されている。レバー152cは、その支点152eから下寄りに位置する端部がメインパーツ152bに接合されている。レバー152cの端部には、その長手方向に沿ってガイド溝152iが形成されており、一方メインパーツ152bには、前後方向でみて後方に突出する係合ピン(図示されていない)が設けられている。メインパーツ152bは、この係合ピンをガイド溝152i内に填り込ませることで、レバー152cに対して機構的に連結されている。
これと反対側、つまり支点152eから上寄りに位置する端部には、その長手方向に沿ってガイド溝152fが形成されており、このガイド溝152fにはクランク152gの先端が填り込んでいる。クランク152gは駆動モータ152hの出力軸に接続されており、その動力で回転または回動することができる。
残りの1系統(第1のリンク機構)には、キャラクタ体(ドラキュラ)152につながる連接棒153aのほか、この連接棒153aに連なるレバー153bが含まれる。キャラクタ体(ドラキュラ)152は、「吸血鬼ドラキュラ」がちょうど空を飛んでいるかのような姿勢でデザインされており、上記の連接棒153aは、キャラクタ体(ドラキュラ)152の飛行方向でみて後方にピン接合されている。
一方、キャラクタ体(ドラキュラ)152は、別系統のメインパーツ152bに対してスライド自在に支持されており、このためメインパーツ152bには、その長手方向に沿ってガイド溝153cが形成されている。前面側からみてキャラクタ体(ドラキュラ)152の後方には係合ピン(図示されていない)が形成されており、この係合ピンはガイド溝153c内に填り込んだ状態にある。
レバー153bにも、その長手方向に沿ってガイド溝153dが形成されており、このガイド溝153dにはクランク153eの先端が填り込んでいる。クランク153eは駆動モータ153fの出力軸に接続されており、その動力で回転または回動することができる。
キャラクタ体(ドラキュラ)152については、機構ボックス152a全体が透明パーツで形成されている。このため2系統のリンク機構についても、その周囲のいろいろな方向から容易に状態を確認することができるという利点がある。
図12および図13は、キャラクタ体(ドラキュラ)152および遮蔽部材166の動作例を示している。先ず、1系統のリンク機構(第2のリンク機構)について、駆動モータ152hの動力でクランク152gが一方向(図12では反時計回り方向)に回動されると、これによってレバー152cが一方向(図12では時計回り方向)に回動する。レバー150gが回動すると、それによってメインパーツ152bが一方向(図12では反時計回り方向)に回動するので、その結果、キャラクタ体(ドラキュラ)152および遮蔽部材166のある一端部(図12では右端部)は下方へ回動することになる。
残りの1系統のリンク機構(第1のリンク機構)については、その駆動モータ153fの動力でクランク153eが一方向(図12では時計回り方向)に回動されると、これによってレバー153bが一方向(図12では反時計回り方向)に回動する。レバー153bが回動すると、それによって連接棒153aが一方向(図12では左方向)に押しやられるので、その結果、キャラクタ体(ドラキュラ)152がメインパーツ152bに沿ってその先端方向(図12では左下方向)にスライドすることになる。
これにより、動作機構を全体としてみると、「吸血鬼ドラキュラ」としてのキャラクタ体(ドラキュラ)152が遮蔽部材166とともに「怪物屋敷」の天井裏から天井ごと垂れ下がるようにして出現し、そのまま宙を漂っているかのような演出動作が実現されることになる。なお、「吸血鬼ドラキュラ=コウモリ」のイメージが一般的に定着しているため、本実施形態のように「吸血鬼ドラキュラ」を模したキャラクタ体(ドラキュラ)152が天井から出現してくる態様は、演出動作としても万人に受け入れられやすい。
以上の説明から明らかなように、2系統のリンク機構のうち、キャラクタ体(ドラキュラ)152をスライドさせるためのリンク機構(第1のリンク機構)については、その駆動モータ153fをも含めた機構要素の全体が別系統のリンク機構(第2のリンク機構)に搭載されていることが理解される。さらに本実施形態では、メインパーツ152bの支点152dを中心としてその左寄りの端部にキャラクタ体(ドラキュラ)152が位置しており、その反対側の右寄りの端部に駆動モータ153hが位置している。このため、メインパーツ152bの揺動に際して、キャラクタ体(ドラキュラ)152と駆動モータ153hとがうまい具合にバランスを取り、その安定した揺動が実現される。特に駆動モータ153hの質量はキャラクタ体152が下方へ変位している状態から収容部158内へ復帰しようとする際のカウンタウェイトとしても作用するので、メインパーツ152bの揺動に過大なトルクを必要としないという利点がある。
次に図14は、キャラクタ体(オオカミ男)154および遮蔽部材168についての動作機構を具体的に示している。上記と同様にキャラクタ体(オオカミ男)154および遮蔽部材168を含む動作機構もまた、箱形の機構ボックス154a内に収められた状態でユニット化されている。そして機構ボックス154aがユニット全体としてリアユニット142に収容され、この状態で機構ボックス154aの内側に上記の収容部160が形成される。
キャラクタ体(オオカミ男)154は2つの可動パーツの組み合わせから構成されており、具体的には本体パーツ154bと左腕パーツ154cとが含まれている。また機構ボックス154a内には、その他の機構要素としてスライドブロック154dやプッシュ・プルロッド154eが配設されている。このうちスライドブロック154dは機構ボックス154a内を上下方向に延び、その上下端部が機構ボックス154aに対して横方向にスライド自在に支持されている。これに対応して、機構ボックス154aには2本のガイド溝154fが形成されており、これらガイド溝154fは互いに平行を保ったまま横方向に延びている。
一方のプッシュ・プルロッド154eは、基端がスライドブロック154dに固定された状態で水平方向(図14では右方向)に延びており、その先端は機構ボックス154aの僅かに外にまで達している。
キャラクタ体(オオカミ男)154の本体パーツ54bは、スライドブロック154dの一側端(図14では右側端)に固定されている。このためキャラクタ体(オオカミ男)154の横方向への動きは、基本的にスライドブロック154dのスライド動作によって実現されるものとなっている。これに対し左腕パーツ154cは、本体パーツ154bにピン接合された状態で、本体パーツ154bの動作に伴い相対運動するものとなっている。
また遮蔽部材168は、その上下端が機構ボックス154aに回動自在に支持されている。既に説明したとおり、遮蔽部材168には木製扉を模した装飾が施されており、その動きはちょうど扉を開閉するときの動きと同様となっている。遮蔽部材168の上端部には、上記のプッシュ・プルロッド154eと係合するための2本の係合片168a,168bが形成されており、これら係合片168a,168bは、上記の装飾部材142fよりも上方に位置している。係合片168a,168bは、遮蔽部材168の回動軸から水平方向に延びており、機構ボックス154aを真上からみると、2本の係合片168a,168bがちょうどV字形に開くようにして配置されている。
一方、プッシュ・プルロッド154eの先端部(図14では右端部)には、上記の係合片168a,168bに対応して係合突起154g,154hが形成されている。図14に示されているように、キャラクタ体(オオカミ男)154が収容部160内に収容された状態では、2本の係合片168a,168bの間に2つの係合突起154g,154hがともに位置する状態にある。この状態で、収容部160の内側寄り(図14では左寄り)に位置する係合突起154hが遮蔽部材168の係合片168bに当接し、これにより遮蔽部材168の姿勢を保持している。このとき遮蔽部材168は収容部160の出入口を閉じた状態にあり、それによって収容部160内に位置するキャラクタ体(オオカミ男)154の存在を隠している。
機構ボックス154aには、図14中(a)でみて左の側壁154iに開放孔154jが形成されている。開放孔154jは機構ボックス154aの内側にある空間を左側方へ開放し、その内部への視認性を確保することができるものとなっている。
図15および図16は、キャラクタ体(オオカミ男)154および遮蔽部材168の動作例を示している。上記のスライドブロック154dは、駆動モータ155からの動力でスライド動作が与えられるものとなっており、駆動モータ155からの動力は、クランク155aおよびレバー155bを介してスライドブロック154dに伝達される。このためレバー155bの下端部は、機構ボックス154aにピン接合されており、一方、レバー155bの上端部は、スライドブロック154dに対してスライダ接合されている。スライドブロック154dには、上下方向に延びるガイド溝155cが形成されており、対応するレバー155bの上端部には、ガイド溝155c内に填り込むピン155dが形成されている。なお、レバー155bにもその長手方向に沿ってガイド溝155eが形成されており、このガイド溝155e内にクランク155aの先端部が填り込んでいる。
このため駆動モータ155の動力でクランク155aが一方向(図15(a)では時計回り方向)に回動されると、これによってレバー155eが一方向(図15(a)では時計回り方向)に回動する。レバー155eが回動すると、それによってスライドブロック154dが一方向(図15(a)では右方向)に押しやられるので、その結果、キャラクタ体(オオカミ男)154が収容部160内から外側方向(図15(a)では右方向)にスライドすることになる。
このようなスライドブロック154dのスライドに連動して、プッシュ・プルロッド154eもまた一方向(図15(a)では右方向)へスライドする。すると、スライド方向でみて先頭に位置する係合突起154gが遮蔽部材168の係合片168aを押すので、それによって遮蔽部材168は軸線周りに回動されることになる。
キャラクタ体(オオカミ男)154の本体パーツ154bについては、スライドブロック154dのスライド動作に伴い一方向(図15(a)では右方向)へ単にスライドするだけであるが、左腕パーツ154cについては、スライド動作に伴って回動する動きがプラスされる。
このため、例えば図15中(b)に示されているように、左腕パーツ154cの背後にはレバー155fが取り付けられており、このレバー155fは左腕パーツ154cの先端部から本体パーツ154bの後方を延び、そして機構ボックス154aにスライダ接合されている。機構ボックス154aにはさらにガイド溝155gが形成されており、レバー155fの一端部にはガイド溝155gに填り込むスライドピン155hが設けられている。ガイド溝155gは、機構ボックス154a内をその一側端(図15(a)では左側端)から他側端に向かって水平に延び、途中で斜め上方に屈曲されている。このため、キャラクタ体(ドラキュラ)152および遮蔽部材168が収容部160内に収容された状態(図14)で、そこからスライドブロック154dが一方向(図15(a)では右方向)にスライドし始めると、はじめのうちレバー155fのスライドピン155hには上下方向への変位が現れないが、スライドブロック154dのスライド動作が終盤に差しかかると、スライドピン155hがガイド溝155gの屈曲部分に案内されて次第に上方へ変位する。これによりレバー155fの先端、つまり左腕パーツ154cの先端部が下方に下がるようにして回動する動きが実現される。
以上の動きを動作機構全体としてみると、「怪物」であるキャラクタ体(オオカミ男)154が「木製扉」である遮蔽部材168を勢いよく押し開け、部屋の中から突然飛び出してきたかのような演出動作が実現されることになる。また、逆にキャラクタ体(ドラキュラ)152が室内に引っ込むときには、それに合わせて「木製扉」である遮蔽部材168が閉まり、室内を遮蔽したかのような自然な演出動作が実現される。
図17は、フロントユニット140およびリアユニット142が組み合わされた状態で、これらの左半分(図中(a))と右半分(図中(b))を示している。図17に示されているように、リアユニット142の動作機構が非作動の状態にある場合、表示領域42の左側では「木製扉」を模した遮蔽部材168により、キャラクタ体(オオカミ男)154やその他の動作機構が覆い隠された状態にある。また表示領域42の右側では「煉瓦壁」を模した遮蔽部材164により、キャラクタ体(フランケン)150やその他の動作機構が覆い隠された状態にある。これら遮蔽部材164,166は、その外表面形状がフロントユニット140の窓装飾部分141や壁装飾体140h等の外表面形状と視覚的に統一されており、このため遊技者からは、キャラクタ体150,152の存在を想起させるものが何もみられず、そこに何らかの仕掛けがあることがほとんど意識されないものとなっている。
次に図18は、フロントユニット140およびリアユニット142が組み合わされた状態で、その全体をやや見上げた角度から示している。図18に示されているように、リアユニット142の動作機構が非作動の状態ある場合、表示領域42の上方では「煉瓦造りの天井」を模した遮蔽部材166により、キャラクタ体(ドラキュラ)152やその他の動作機構が覆い隠された状態にある。ここでも同様に、遮蔽部材166の外表面形状はフロントユニット140の壁装飾体140hの外表面形状と視覚的に統一されているため、遊技者からは動作機構の存在がほとんど意識されないものとなっている。
図19は、フロントユニット140の前半分における縦断面を示している。フロントユニット140のうち、遊技板4aの前面(盤面)から前面側に突出した部分には、上記の屋根装飾部分40bをはじめ球誘導部材140eや壁装飾体140g,140h等が含まれる。
図19では、球誘導通路148の形状がより詳細に示されている。すなわち球誘導通路148は、フロントユニット140の上方で左斜め上向きに開口した入口を有しており、ここから飛び込んできた遊技球は、先ず球誘導部材140eに案内されて右下方向へ転動する。図19に断面が示されているように、球誘導部材140eは遊技球の転動方向に沿って下りの階段状となる断面形状を有しており、それゆえ球誘導部材140e上で遊技球が案内されると、先ずはこの階段状の凹凸面上で転動速度が緩和される。
一方の装飾部材140fには、球誘導部材140eの凹凸面に対向して制動突出部141aが形成されている。この制動突出部141aは、球誘導部材140eの凹凸面上を転動してくる遊技球に対し、これを迎え撃つような格好で衝突する位置関係にある。このため球誘導通路148内に入り込んだ遊技球は、ここで先ず制動突出部141aに衝突して減速される。
同様にして壁装飾体140gにも制動突出部141bが形成されており、先の制動突出部141aからさらに球誘導通路148の奥に進むと、今度は壁装飾体140gの制動突出部141bに遊技球が相対的に衝突し、ここでも転動速度が緩和される。
この後、さらに遊技球が球誘導通路148内を進んでいくと、遊技球は2つの壁装飾体140g,140hの外面に接触しながら転動し、その過程で適宜転動速度を減速される。さらに本実施形態では、壁面部材140iの前面にも凹凸形状が施されていることから、遊技球は壁装飾体140g,140hの2つの外面だけでなく、壁面部材140iの凹凸面との摩擦によっても制動力を付与されることになる。これにより、球誘導通路148内で遊技球の転動に適度な制動力が働き、その転動過程を遊技者がじっくりと目で追いかけることが可能になる。
フロントユニット140の右側縁部において、上記のワープ通路は、フロントユニット140の内部(外表面の内側)を通って左斜め下方に延びている。球誘導通路148の下端部には、壁面部材140iに開口してワープ入口148aが形成されており、球誘導通路148を転動してきた遊技球は、このワープ入口148aからワープ通路内に入り込む場合がある。
また、フロントユニット140の右側縁部には放出アプローチ148bが形成されており、この放出アプローチ148bはワープ通路の出口から球受ステージ142c(図19には示されていない)に向けて突き出ている。ワープ通路を通った遊技球は、放出アプローチ148bを経て球受ステージ142cに放出される。
ここで、フロントユニット140の壁面部材140iにはシースルー孔148cが形成されており、このシースルー孔148cは、壁面部材140iを厚み方向に貫通している。このため、ワープ通路内を通過する遊技球の姿(一部分)がシースルー孔148cを通じて遊技者から視認可能となっている。
さらに本実施形態では、壁面部材140iの装飾的な形状(煉瓦を積み重ねたような形状)において、ちょうど個々の煉瓦と煉瓦との隙間の位置にシースルー孔148cが形成されている。このため本実施形態では、シースルー孔148cの形成によって前面側からワープ通路内を視認可能としていても、それによってフロントユニット140の装飾的な形状が阻害されることはないという2重の視覚的な利点が生じる。
また本実施形態では、ゲートスイッチ53が遊技領域12に配置されているが、図19に示すように、フロントユニット140の左右の側縁部にゲートスイッチ170が一体的に取り付けられてもよい。この場合、ゲートスイッチ170は左右の屋根装飾部分140bの内側に配設されており、このため屋根装飾部分140bには、ゲートスイッチ170に通じる通過案内通路170aが形成されている。
図20は、一例として右側のゲートスイッチ170を遊技球が通過するときの様子を示している。通常、ゲートスイッチ170は屋根装飾部分140bの裏に隠れているため前面側から視認されない。ただし、屋根装飾部分140bにはスルーホール170bが形成されており、遊技者からは、ゲートスイッチ170を通過する遊技球の姿がスルーホール170bを通じて部分的に視認可能となっている。これにより、パチンコ機1において普通図柄判定がしっかり行われていることが遊技者の目に明らかとなるので、普通図柄判定の有無について遊技者に疑念を生じさせるおそれがない。また、ここでは図示されていないが、左側のゲートスイッチについても同様のスルーホールが形成されている。
図21は、フロントユニット140の左側縁部の断面を示している。左側縁部についても同様に、屋根装飾部分140bの内側に上記のゲートスイッチ170および通過案内通路170aが形成されている。図示されていないが、左側縁部についても屋根装飾部分140bにスルーホールが形成されており、それゆえゲートスイッチ170を通過する遊技球の様子が遊技者から視認可能となっている。
また、フロントユニット140の左側縁部には、縦方向に延びるワープ通路172が形成されており、このワープ通路172は比較的高い位置にワープ入口172aを有している。すなわち、ワープ入口172aは屋根装飾部分140bから左上方に開口して形成されており、ここから入り込んだ遊技球は、そのまま屋根装飾部分140bの裏側へ転動する。図21には示されていないが、屋根装飾部分140bにはワープ入口172aの近傍位置にもスルーホール(通過案内通路70aと同様のもの)が形成されており、それゆえ遊技球がワープ入口172aに飛び込むと、そこから先に転動していく過程がスルーホールを通じて遊技者から視認可能となっている。
さらにワープ通路172は、屋根装飾部分140bの背後から奥側へ折れ曲がると、そこから下方に屈曲されて窓装飾部分141の裏側位置を下方に延びている。また、この先でワープ通路172は右方向へ屈曲されて表示領域42との境界近傍にまで達し、そこからさらに奥側へ屈曲されてリアユニット142の球受ステージ142c(図21には示されていない)に開口している。
本実施形態では、窓装飾部分141の窓ガラスに相当する部分に透明板(外面部材)が採用されており、これにより、窓装飾部分141において実際に「明取窓」を模した装飾的効果が強調されている。さらに窓装飾部分141の透明板には、例えばアルミ蒸着加工による半透膜が付されており、このような半透膜加工により、窓装飾部分141の透明板はいわゆるマジックミラーとして機能するものとなっている。したがって、窓装飾部分141では単純に裏側が透けて見えることはなく、その前面側と裏面側との光の反射率の違いによって背後にあるもの(リアユニット142やキャラクタ体(オオカミ男)154の存在が遮蔽されている。
したがって、ワープ通路172を遊技球が通過する過程で窓装飾部分141の背後を遊技球が流下していても、その様子がはっきりと透けて視認されることはないが、半透膜によって遊技球の輪郭が前面側に投影されるものとなっている。このため遊技者からは、窓装飾部分141の背後にあるワープ通路172やリアユニット142、キャラクタ体(オオカミ男)154等の存在はあからさまに視認されないかわり、ワープ通路172を遊技球が通過する様子はその輪郭(投影)によって視認可能となっている。
図22は、フロントユニット140とリアユニット142との重ね合わせの関係を示している。ここでは特に、リアユニット142の右側部分に位置するカバー部材142gについて説明する。
上記のように、リアユニット142はフロントユニット140の背後に重ね合わせられた状態で遊技板4a(図22には示されていない)に取り付けられるため、前面側からカバー部材142gが直接的に視認されることはない。しかし、フロントユニット140の右側縁部では、壁装飾体140hの形状によって表示領域42との境界線が直線的ではなく、装飾的にデザインされた複雑な形状となっている。このため、カバー部材142gの一側端縁部(表示領域42との境界を規定する端縁部)を直線的な形状とすると、その前面側にフロントユニット140が重ね合わされたときに互いの形状が合致しなくなる。
そこで本実施形態では、前面側からみたカバー部材142gの一側端縁部の形状とフロントユニット140の外形(壁装飾体140hの外形)とを相互に合致させることで、前面側からカバー部材142gが不自然に目立って視認されるのを防止している。
図23は、キャラクタ体(フランケン)150についての動作機構をその上方からみた状態で示している。上記のように、キャラクタ体(フランケン)150および遮蔽部材164は、収容部156に対して横方向(図中の両矢印Wで示される)に出入りするため、機構ボックス150aの一側端(図23では左側端)が収容部156の出入口となっている。
カバー部材142gは機構ボックス150aの前面開口を塞ぐようにして取り付けられており、それゆえ収容部156内に遮蔽部材164が収容されている状態では、前面側からみて遮蔽部材164はカバー部材142gに覆われている。またこのとき、カバー部材142gは収容部156の出入口の周囲を区画する隔壁としても機能している。
一方、カバー部材142gの一側端縁部(図23では左側端縁部)は、上記のようにフロントユニット140の壁装飾体140hに合わせて不規則な曲線形状に成形されているため(図22参照)、それだけ収容部156の出入口の周縁が部分的に入り方向(図23では右方向)に切り欠かれた格好になっている。
また本実施形態では、収容部156の出入口の周縁あたりで機構ボックス150aに切欠部156aが形成されており、この切欠部156aは、出入口の開口端から入り方向(図23では右方向)にU字形状をなして延びている(先の図8中(b)を適宜参照)。
これにより、遮蔽部材164が収容部156内に収容された状態であっても、カバー部材142gの切欠部や機構ボックス150aの切欠部156aを通じて遮蔽部材164を両側から把持することができるものとなっている(図23中の白抜き矢印)。したがって、動作機構に何らかのトラブルが生じた場合であっても、遮蔽部材164を把持して引き出せば、収容部156の内側を容易に開放させることができるので、その保守・点検作業を迅速かつ容易に行うことができる。
上記の切欠部の構成は動作機構の保守・点検に関する好適な例であるが、加えて本実施形態では、動作機構による通常の動きをスムーズにするための構成を有している。
図23に示されているように、カバー部材142gの一側端縁部(図23では右側端縁部)に面取部156bが形成されている。この面取部156bは、キャラクタ体(フランケン)150および遮蔽部材164を入り方向(図23では右方向)に案内する傾斜面を形成しており、これにより、キャラクタ体(フランケン)150や遮蔽部材164の動作(特に収容部156に入るときの動作)がスムーズに行われるものとなっている。
なお、ここでは特に図示していないが、面取部の構成はその他のキャラクタ体152,154の収容部158,160についても適用されている。
図24は、フロントユニット140の下縁部を拡大して示している。図24中(a)に示されているように、フロントユニット140の下縁部のうち、上記の放出口140kの両側には2つずつ発光領域174が形成されており、これら発光領域174では、図24中(b)に示されるLED176の光によって点灯・点滅が行われる。本実施形態では、これら4つの発光領域174とLED176とが特別図柄表示器41(図3参照)として機能するものとなっている。
例えば、パチンコ機1における通常遊技中(大当り遊技中でない状態)に始動入賞があると、それを契機に特別図柄の変動表示がおこなわれ、そして、判定結果(当落結果)を表示する態様で特別図柄が停止表示される。本実施形態では、このときの変動表示と停止表示が4つの発光領域174の点灯・点滅によって表される。例えば、変動表示中は発光領域174が一定のパターンで点滅を繰り返し、そして、変動停止時には4つの発光領域174が点灯または消灯することで判定結果を表示する。表示の態様にはいろいろなパターンが考えられるが、ここでは単純に、判定結果が当り(大当り)の場合に4つの発光領域174が全て点灯され、判定に外れた場合はいずれか(1〜4つ)が消灯した状態となる。
また、左右の発光領域174の下方には、始動保留表示を行うための4つの点灯領域178が形成されている。これら点灯領域178では、図24中(b)に示されるLED182の光によって点灯が行われる。本実施形態では、これら4つの点灯領域178とLED182とが特図記憶ランプ54(図3参照)として機能するものとなっている。
図24中(b)に示されているように、フロントユニット140の下縁部には、その外表面の裏側に位置して光誘導部材180が取り付けられており、上記のLED176は、さらに光誘導部材180の奥に配置されている。なお、LED176は図示しないLED基板に実装されており、同じLED基板上には始動保留表示用のLED182もまた実装されている。
前面側からみて光誘導部材180は一定の奥行きを有しており、上記のLED基板は光誘導部材180の奥行き分だけ後方に位置している。光誘導部材180には、その内部を前後方向に貫通して4本の光誘導路180aが形成されており、これら光誘導路180aは、4つのLED176にそれぞれ対応して形成されている。光誘導路180aは光誘導部材180の前面で開口し、そのまま発光領域174の直ぐ背後に通じている。
個々のLED176から発せられた光は、光誘導路180aを通じて前方へ導かれ、そして発光領域174を通じて前面側へ照射される。発光領域174には透明部材が嵌め込まれており、これにより発光領域174が全体的に面発光しているかのように視認される。
本実施形態では光誘導部材180が暗色系の樹脂材料から成形されているため、光誘導路180aの内壁は比較的高い遮光性を発揮し、それによって光誘導路180aからLED176の光が周囲に漏れにくくなっている。このため、遊技者からは発光領域174のみがくっきりと際立って点灯・点滅している様子が視認されるので、遊技者は特別図柄の変動表示や停止表示の態様を明確に認識することができるという利点がある。
さらに本実施形態では、発光領域174の輪郭の形状が図柄(例えば、コウモリが飛ぶ姿を表す図柄)を模した装飾的な形状として成形されている。このため発光領域174の点灯・点滅が単なる点発光動作として認識されにくくなり、そこに何らかの意味合いが含まれていることを遊技者に対して示唆(または教示、アピール、アナウンス等)することができる。
次に、遊技機の動作について説明する。先ず、パチンコ機1の裏面側に設けられる主基板100及び周辺基板110について図25を参照して説明する。図25は、主基板100及び周辺基板110を示すブロック図である。
図25に示すように、主基板100は、主制御基板101と払出制御基板102とから構成されている。主制御基板101は、中央演算装置としてのCPU101a、読み出し専用メモリとしてのROM101b、読み書き可能メモリとしてのRAM101cを備えている。CPU101aは、ROM101bに格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板110や払出制御基板102に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM101cには、主制御基板101で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。主制御基板101には、ゲートスイッチ53a,53b、始動口センサ55、カウントセンサ64等からの検出信号が入力される。一方、主制御基板101は、ソレノイド63、特別図柄表示器41、普通図柄表示器50、特図記憶ランプ54、普図記憶ランプ56等へ駆動信号を出力する。また、払出制御基板102は、中央演算装置としてのCPU102a、読み出し専用メモリとしてのROM102b、読み書き可能メモリとしてのRAM102cを備えている。そして、払出制御基板102は、主制御基板101から入力したコマンド信号を処理し、払出装置103(払出モータ)に駆動信号を出力する。これにより、払出装置103は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
周辺基板110は、サブ統合基板111と第1電飾制御基板112(図25中には電飾制御基板1と記載)と第2電飾制御基板113(図25中には電飾制御基板2と記載)と波形制御基板114とから構成されている。サブ統合基板111は、CPU111a、ROM111b、RAM111cを備えている。CPU111aは、ROM111bに格納されている制御プログラムに従ってコマンド信号を処理する。RAM111cには、サブ統合基板111で実行される種々の処理において生成される各種データや入出力信号等の情報が一時的に記憶される。そして、サブ統合基板111は、主制御基板101から入力したコマンド信号を処理し、第2電飾制御基板113にコマンド信号を出力したり、サイド装飾体33、第1電飾制御基板112、及び波形制御基板114に駆動信号を出力する。
第1電飾制御基板112及び波形制御基板114は、それぞれ読み出し専用メモリとしてのROM112b,114b、読み書き可能メモリとしてのRAMROM112c,114cを備えている。また、第2電飾制御基板113は、中央演算装置としてのCPU113a、読み出し専用メモリとしてのROM113b、読み書き可能メモリとしてのRAMROM113cを備えている。そして、第1電飾制御基板112は、サブ統合基板111からのコマンド信号に基づいて駆動モータ150h,152h,153f,155と演出ランプ44と装飾ランプ49とを制御する。第2電飾制御基板113は、サブ統合基板111からのコマンド信号に基づいて液晶表示器116を制御する。波形制御基板114は、サブ統合基板111からのコマンド信号に基づいて音波装置115(低音用スピーカ14及びスピーカ36)を制御する。
次に、液晶表示器116の表示領域42で装飾図柄が変動を開始した後、全ての装飾図柄が停止するまでの間に行われる予告演出及びリーチ演出の流れについて図26を参照して説明する。図26は、予告演出及びリーチ演出の流れを示す説明図である。なお、予告演出及びリーチ演出では、キャラクタA(以下、これをキャラクタ体(オオカミ男)154と同一のキャラクタであるオオカミ男という)、キャラクタB(以下、これをキャラクタ体(ドラキュラ)152と同一のキャラクタであるドラキュラという)、キャラクタC(以下、これをキャラクタ体(フランケン)154と同一のキャラクタであるフランケンという)、キャラクタD(以下、これをキャラクタ体(怪物くん)140cと同一のキャラクタである怪物くんという)、キャラクタE(以下、これを怪子ちゃんという)が登場する演出が行われる場合がある。
なお、液晶表示器116の表示領域42に表示される左・中・右の装飾図柄のうち任意の2つの装飾図柄の組み合わせが同一の図柄で停止し、残りの装飾図柄については変動表示している状態、又は、液晶表示器116の表示領域42に表示される全ての装飾図柄が同一の図柄の組み合わせで同期して変動表示している状態をリーチ態様といい、リーチ態様となった後、演出ランプ44a,44b、液晶表示器116、音波装置115等により実行される演出(例えば、演出ランプ44a,44bを所定の態様で点灯・点滅、液晶表示器116にて所定の画像表示、音波装置115にて所定の音声出力)をリーチ演出という。
図26に示すように、特別図柄及び装飾図柄の変動表示が開始可能となることによって、液晶表示器116の表示領域42で装飾図柄の通常変動が行われる。そして、予告演出が行われることが決定されている場合には、予告演出として、表示領域42で表示された通常変動画像を暗転させる暗転画像を所定時間表示させるブラックアウト演出が2回行われる。その後、詳細については後述するが、決定された予告演出に応じて、暗転画像に稲妻(雷)を走らせることで装飾図柄の停止表示を浮かび上がらせる稲妻フラッシュ予告、通常変動時に表示されている背景画像が変化(例えば、通常変動の開始時に、背景画像が昼背景である場合には、夜背景に変化)する背景変化予告、及び後述するスーパーリーチ発展演出に対応した4種類のキャラクタ(オオカミ男、ドラキュラ、フランケン、怪物くん)のいずれかや大当り確定のキャラクタ(怪子ちゃん)がスポットライトを浴びながら登場するスポットライト予告のいずれかが行われる場合がある。
次いで、通常変動とは異なるリーチ演出が行われることが決定されている場合には、リーチ態様が形成された後、リーチ態様を表示した状態でノーマルリーチ演出が行われる。そして、リーチ態様が形成された後、装飾図柄が停止するまでに行われるリーチ演出として、スーパーリーチ演出が行われることが決定されている場合には、複数のスーパーリーチ演出のうちいずれのスーパーリーチ演出が行われるかを導出するスーパーリーチ分岐演出が行われた後、オオカミ男が活躍することで未だ停止していない装飾図柄(中図柄)を大当り図柄の組み合わせで停止させようとするオオカミ男リーチ演出、ドラキュラが活躍することで未だ停止していない装飾図柄(中図柄)を大当り図柄の組み合わせで停止させようとするドラキュラリーチ演出、及びフランケンが活躍することで未だ停止していない装飾図柄(中図柄)を大当り図柄の組み合わせで停止させようとするフランケンリーチ演出のスーパーリーチ演出のうちいずれかが行われる。
次いで、リーチ演出として、スーパーリーチ発展演出が行われることが決定されている場合には、上記したスーパーリーチ演出から継続(例えば、オオカミ男リーチ演出が行われた場合には、オオカミ男リーチ発展演出)して、オオカミ男がオオカミ男リーチ演出とは異なる態様で活躍することで未だ停止していない装飾図柄(中図柄)を大当り図柄の組み合わせで停止させようとするオオカミ男リーチ発展演出、ドラキュラがドラキュラリーチ演出とは異なる態様で活躍することで未だ停止していない装飾図柄(中図柄)を大当り図柄の組み合わせで停止させようとするドラキュラリーチ発展演出、及びフランケンがフランケンリーチ演出とは異なる態様で活躍することで未だ停止していない装飾図柄(中図柄)を大当り図柄の組み合わせで停止させようとするフランケンリーチ発展演出のスーパーリーチ発展演出のいずれかを行う。また、スーパーリーチ発展演出では、スーパーリーチ演出と同じキャラクタが登場する演出が行われる他にも、怪物くんが活躍することで未だ停止していない装飾図柄(中図柄)を大当り図柄の組み合わせで停止させようとする怪物くんリーチ発展演出が行われる場合がある。
また、上記したスポットライト予告が行われた場合には、ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ分岐演出、スーパーリーチ演出が行われることなく、スポットライト予告で登場したキャラクタに対応したスーパーリーチ発展演出(例えば、スポットライト予告で怪物くんが登場した場合には、怪物くんリーチ発展演出)が行われる。
また、予告演出が開始される合図となる暗転表示された後、稲妻フラッシュ予告、背景変化予告及びスポットライト予告のいずれも行われない場合には、所定時間が経過した後に、スーパーリーチ分岐演出を経由した場合には行われることのない演出であって、演出装置40に取り付けられたキャラクタ体150,152,154が動作し、こららのキャラクタ体150,152,154や遮蔽部材164,166,168の状態に合わせて、未だ停止していない装飾図柄(中図柄)を大当り図柄の組み合わせで停止させようとする役物リーチ演出が行われることがある。
また、リーチ演出として、ノーマルリーチ演出及びスーパーリーチ分岐演出を経由した場合には行われることのない演出であって、リーチ態様の形成を経由することなく大当り図柄の組み合わせで全図柄が同期して変動表示することにより、特定大当り図柄の組み合わせ又は非特定大当り図柄の組み合わせのいずれかで停止させる全回転リーチ演出が行われることがある。
なお、上述したリーチ演出が行われたときに装飾図柄の停止図柄が大当り図柄の組み合わせとなる確率(大当りの信頼度:大当りとなるときに当該リーチ演出が実行される割合/大当り及びはずれとなるときに当該リーチ演出が行われる割合)は、ノーマルリーチ演出、オオカミ男リーチ演出、ドラキュラリーチ演出、フランケンリーチ演出、オオカミ男リーチ発展演出、ドラキュラリーチ発展演出、フランケンリーチ発展演出、怪物くんリーチ発展演出、役物リーチ演出、全回転リーチ演出の順序で高くなるように設定されている。
次に、液晶表示器116の表示領域42で変動表示される装飾図柄について図27を参照して説明する。図27は、装飾図柄の形態を示す説明図である。
装飾図柄は、図27(A)に示すように、確変判定の判定結果が確変大当りであるときに選択される特定図柄として、「1」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「9」の7種類が第2電飾制御基板113のROM113bに記憶されている。また、図27(B)に示すように、確変判定の判定結果が非確変大当り(通常大当り)であるときに選択される非特定図柄として、「0」,「2」,「8」の3種類が第2電飾制御基板113のROM113bに記憶されている。
装飾図柄の総数に対する特定図柄の割合(この例では、7/10)は、確変判定の判定結果が確変大当りとなる割合である確変突入率(この例では、2/3)とは異なる。即ち、特定図柄の割合と確変突入率とは1対1に対応付けられていない。このように、液晶表示器116の表示領域42に表示される特定図柄の割合を確変突入率よりも高くすることにより、あたかも確変突入率が実際の確変突入率よりも高いように見せることができ、大当り図柄の組み合わせが特定図柄の組み合わせとなる期待感を向上させることができる。なお、確変突入率は2/3でなくともよく、また、特定図柄の割合と確変突入率とは一致してもよい。
また、装飾図柄は、左・右の装飾図柄の各々が「0」,「1」,「2」,・・・,「9」の順序で、通常変動時には液晶表示器116の表示領域42の上方から下方に向かってリールが回転しているような表示態様で変動され、中の装飾図柄が「0」,「1」,「2」,・・・,「9」の順序とは異なるランダムなパターンで、通常変動時には液晶表示器116の表示領域42の中央付近を飛び跳ねているような表示態様で変動される。また、装飾図柄の配色は、特定図柄が赤色に、非特定図柄が青色に配色され、遊技者にとって特定図柄と非特定図柄とを簡単に識別できるように設定されている。
また、装飾図柄の形態は、各種数字が立体的に視認されるように肉厚(数字の内部や側面部)をもった態様で構成されている。そして、装飾図柄における数字の内部には、予告演出やリーチ演出時に登場する各種キャラクタが描写されていると共に、数字の側面部には、背景画が描写されている。通常変動時には、各種キャラクタや背景画の配色を装飾図柄の配色と同系統色(例えば、特定図柄の場合には、各種キャラクタや背景画の配色を特定図柄の赤色をベースとした赤っぽい色にする)とし、装飾図柄における数字の認識を妨げないようにしている。
次に、RAM101cに設けられている変動表示パターン乱数に基づいて変動表示パターンを決定するための変動表示パターンテーブルについて図28を参照して説明する。図28は、主制御基板で選択される変動表示パターンを示す一覧表図である。ここで、表示用コマンドとは、主制御基板101からサブ統合基板111に送信される2バイト構成のデータであり、特別図柄及び装飾図柄の変動時間やリーチ演出を特定するためのデータが含まれる。
但し、表示用コマンドには、基本的には予告演出がサブ統合基板111で決定される演出であり、この予告演出に関わるデータが含まれないが、スポットライト予告を行う場合のみ予告演出を特定するデータが含まれる。即ち、予告演出のうちスポットライト予告のみ主制御基板101で決定される。なお、スポットライト予告を主制御基板101で決定せず、例えば、後述する稲妻予告パターンの1つとして稲妻予告パターンテーブルに設定することで、サブ統合基板111で決定してもよい。
なお、変動番号1の「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動表示パターンである。変動番号2の「短縮変動」とは、保留球数カウンタの値が上限値、確率変動状態、時短状態等の条件が成立したときに選択できるものであって、特別図柄及び装飾図柄の変動時間が「通常変動」よりも短い変動表示パターンである。変動番号3,4の「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴うが、このリーチ態様が形成された後にスーパーリーチ演出やスーパーリーチ発展演出等のリーチ演出を行わない変動表示パターンである。
また、変動番号5,6の「オオカミ男リーチ」、変動番号11,12の「ドラキュラリーチ」、変動番号17,18の「フランケンリーチ」とは、リーチ態様が形成した後に各々のキャラクタが登場するスーパーリーチ演出(例えば、「オオカミ男リーチ」では、オオカミ男の得意の料理で装飾図柄を調理するような演出)を行う変動表示パターンである。また、変動番号7,8の「オオカミ男リーチ発展」、変動番号13,14の「ドラキュラリーチ発展」、変動番号17,18の「フランケンリーチ発展」とは、各々のキャラクタが登場するスーパーリーチ演出を行った後に、これらのキャラクタに応じたスーパーリーチ発展演出(例えば、「オオカミ男リーチ発展」では、変身後のオオカミ男が得意の料理で装飾図柄をダイナミックに調理するような演出)を継続させて行う変動表示パターンである。
また、変動番号9,10の「オオカミ男リーチ〜怪物くん」、変動番号15,16の「ドラキュラリーチ〜怪物くん」、変動番号21,22の「フランケンリーチ〜怪物くん」とは、各々のキャラクタが登場するスーパーリーチ演出を行った後に、これらのキャラクタに応じたスーパーリーチ発展演出とは異なり、怪物くんが登場するスーパーリーチ発展演出を継続させて行う変動表示パターンである。
また、変動番号23〜31の「スポットライト予告」とは、リーチ態様が形成されるまでにキャラクタに応じたスーパーリーチ発展演出を行うことを予告する予告演出を行った後に、スーパーリーチ演出が行われることなく、予告演出で登場したキャラクタに応じたスーパーリーチ発展演出を継続させて行う変動表示パターンである。また、変動番号32,33の「役物リーチ」とは、リーチ態様が形成された後に演出装置40に取り付けられたキャラクタ体150,152,154が動作し、こららのキャラクタ体150,152,154や遮蔽部材164,166,168の状態に合わせて、未だ停止していない装飾図柄(中図柄)を大当り図柄の組み合わせで停止させようとするリーチ演出を行う変動表示パターンである。
また、変動番号34の「全回転リーチ」とは、リーチ態様が形成されることなく大当り図柄の組み合わせが表示され、この大当り図柄の組み合わせで液晶表示器116の表示領域42上にて擬似回転させることによって大当りを特定大当りの組み合わせとするか否かのみを決定する演出を行う変動表示パターンである。また、変動番号35の「スーパーリーチ分岐プレミア」とは、リーチ態様が形成された後に複数のスーパーリーチ演出のうちいずれの演出が行われるかを導出するスーパーリーチ分岐演出が行われるが、通常のスーパーリーチ分岐演出とは異なる演出を行うことで大当り確定とする変動表示パターンである。
変動表示パターンは、大当り判定及びリーチ判定の判定結果による大当り、リーチはずれ、はずれのいずれかに基づいて、図28に示すように、変動表示パターンテーブルに設定された選択可能な変動表示パターンに割り振られた乱数の割合に応じて1つの変動表示パターンに決定される。なお、変動番号31,34,35の変動表示パターンは、大当り判定の判定結果が大当りであるときのみ選択可能な変動表示パターンであり、これらの変動表示パターンに従って演出が行われたときには、遊技者は装飾図柄の変動表示が大当り図柄の組み合わせとなる(大当り確定である)ことを認識できる。
次に、パチンコ機1の遊技進行に応じて実行される種々の制御処理について図29乃至図33を参照して説明する。図29は、主制御基板で実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。図30は、主制御基板で更新される乱数を示す一覧表図である。図31は、主制御基板で実行される特別図柄処理を示すフローチャートである。図32は、特別図柄変動処理のサブルーチンとなる大当り判定処理を示すフローチャートである。図33は、特別図柄変動処理のサブルーチンとなる変動表示パターン設定処理を示すフローチャートである。なお、始動入賞処理は、主制御基板101においてROM102に格納されている遊技制御プログラムをCPU101aが適当なタイミングで実行することによって実現される。表示制御処理は、第2電飾制御基板113においてROM113bに格納されている液晶表示制御プログラムをCPU113aが適当なタイミングで実行することによって実現される。
先ず、図29に示す始動入賞処理では、電動始動入賞口46に対する遊技球の入賞処理を行う。即ち、電動始動入賞口46に遊技球が入賞したか否かを判別する(ステップS1)。具体的には、始動口センサ55から検出信号が出力された場合には入賞した(YES)と判別し、検出信号が出力されなければ入賞しない(NO)と判別する。そして、電動始動入賞口46に遊技球が入賞したときには、RAM101cに設けられている保留球数カウンタの値が上限値となる4よりも小さいか否かを判別する(ステップS2)。保留球数カウンタが上限値よりも小さければ(YES)、保留記憶格納処理を実行する(ステップS3)。保留記憶格納処理では、保留球数カウンタに「1」を加算する処理と、保留球数カウンタの加算に伴ってサブ統合基板111に表示データを出力して特図記憶ランプ54で点灯するランプの個数を変える処理と、各種乱数の取得処理とを行う。なお、ステップS1において電動始動入賞口46に遊技球が入賞していない場合や、ステップS2において保留球数が上限値以上の場合には、何もせずにそのまま始動入賞処理を終了する。
ここで、主制御基板101で更新される各種乱数には、図30に示すように、大当り判定乱数、確変判定乱数、リーチ判定乱数、変動表示パターン乱数等がある。大当り判定乱数は、大当りか否かを判定(大当り判定)するための乱数である。確変判定乱数は、大当り判定において大当りとする場合に、この大当りが確変大当りか否かを判定(確変判定)するための乱数である。リーチ判定乱数は、大当り判定において大当りとしない(はずれとする)場合に、リーチとするか否かを判定(リーチ判定)するための乱数である。変動表示パターン乱数は、特別図柄表示器41に表示されている特別図柄及び装飾図柄の変動表示パターンを決定するための乱数である。なお、主制御基板101で更新される乱数は、これらに限られず、普通図柄の当りか否かを判定するための乱数や、大当り判定乱数の初期値を決定するための乱数等もある。
次に、特別図柄処理では、図31に示すように、先ず、保留球数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS11)。保留球数カウンタの値が0のときは、そのまま後述のステップS15へ移行する。一方、保留球数カウンタの値が0でないときは、特別図柄(装飾図柄)の変動表示が可能か否か、即ち特別図柄(装飾図柄)の変動表示中でないか否かを判別する(ステップS12)。特別図柄(装飾図柄)の変動表示中のときは、そのままステップS15へ移行する。特別図柄(装飾図柄)の変動表示中でないときは、保留記憶移行処理を実行する(ステップS13)。保留記憶移行処理では、保留球数カウンタから1を減算する処理と、RAM101cに設けられた始動入賞記憶の保存領域の内容をシフトする処理とを行う。
その後は、特別図柄変動処理(ステップS14)と特別図柄変動中処理(ステップS15)と情報出力処理(ステップS16)と大当り処理(ステップS17)とを順次実行する。特別図柄変動処理では、後述する大当り判定処理及び変動表示パターン設定処理を行うと共に、変動表示パターン設定処理で決定された変動表示パターンに基づいて特別図柄及び装飾図柄の変動制御を開始し、変動時間を変動タイマに設定する処理を行う。特別図柄変動中処理では、変動タイマに設定された変動時間を監視し、変動タイマがタイムアップすることで特定図柄及び装飾図柄の変動表示を停止(確定表示)する処理を行う。情報出力処理では、特別図柄変動処理及び特別図柄変動中処理で決定される特別図柄及び装飾図柄の変動表示に係る各種情報をサブ統合基板111に出力する処理を行う。大当り遊技処理では、後述する大当りフラグがON状態であるか否かを判別して、ON状態であれば、当りの種類に応じた態様で大入賞口61を開放する制御を行う。
大当り判定処理では、図32に示すように、先ず、後述するステップS37でセットされる確変状態フラグがON状態であるか否かを判別する(ステップS31)。確変状態フラグがON状態であれば、確変時大当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS32)、確変状態フラグがON状態でなければ(OFF状態であれば)、非確変時大当り判定テーブル(図示しない)を選択する(ステップS33)。なお、確変時大当り判定テーブルでは、大当りとなる確率である大当り確率が1/63.1となるように判定値が設定され、通常時大当り判定テーブルでは、大当り確率が1/315.5となるように判定値が設定されている。
そして、ステップS32,33で選択された確変時大当り判定テーブル又は通常時大当り判定テーブルに設定されている判定値とステップS3の保留記憶格納処理で取得された大当り判定乱数の値とが一致するか否かによって、大当りとするか否かを判定する(ステップS34)。大当りとすることが判定されていれば、大当りフラグをON状態とした後に(ステップS35)、確変判定テーブル(図示しない)に設定されている判定値とステップS3の保留記憶格納処理で取得された確変判定乱数の値とが一致するか否かによって、大当りを確変大当りとするか否かを判定する(ステップS36)。なお、確変判定テーブルでは、遊技状態が確率変動状態に突入する確率である確変突入率が2/3となるように判定値が設定されている。
そして、大当りを確変大当りとすることが判定されていれば、確変状態フラグをON状態(但し、確変状態フラグが既にON状態であれば、ON状態を継続する)とし(ステップS37)、大当りを確変大当りとしない(非確変大当りとする)ことが判定されていれば、確変状態フラグをOFF状態(但し、確変状態フラグが既にOFF状態であれば、OFF状態を継続する)とする(ステップS38)。一方、ステップS34で大当りとしない(はずれとする)ことが判定されていれば、そのままメインフローに復帰する。なお、大当りフラグ及び確変状態フラグのON/OFF状態は、RAM101cに記憶される。また、大当りフラグ及び確変状態フラグのOFF状態では「0」の値がセットされ、大当りフラグ及び確変状態フラグのON状態では「1」の値がセットされる。
変動表示パターン設定処理では、図33に示すように、先ず、大当り判定処理のステップS36でセットされる大当りフラグがON状態であるか否かを判別する(ステップS41)。大当りフラグがON状態であれば、大当り時変動表示パターンテーブル(図28に示す変動表示パターンテーブルの当落にて○が付されている変動表示パターンが設定されているテーブル)を選択する(ステップS42)。大当りフラグがON状態でなければ(OFF状態であれば)、リーチ判定テーブルに設定されている判定値とステップS3の保留記憶格納処理で取得されたリーチ判定乱数の値とが一致するか否かによって、リーチとするか否かを判定する(ステップS44)。なお、リーチ判定テーブルでは、リーチとなる確率であるリーチ確率が1/12.5となるように判定値が設定されている。
そして、リーチとすることが判定されていれば、リーチ時変動表示パターンテーブル(図28に示す変動表示パターンコマンドテーブルの当落にて×が付されている変動表示パターンのうち変動番号1,2を除いた変動表示パターンが設定されているテーブル)を選択し(ステップS45)、リーチとしないことが判定されていれば、はずれ時変動表示パターンテーブル(図28に示す変動表示パターンコマンドテーブルの当落にて×が付されている変動番号1,2の変動表示パターンが設定されているテーブル)を選択する(ステップS46)。そして、ステップS42,45,46で選択された大当り時変動表示パターンテーブル、リーチ時変動表示パターンテーブル、又ははずれ時変動表示パターンテーブルから、これらの変動表示パターンテーブルに設定されている判定値とステップS3の保留記憶格納処理で取得された変動表示パターン乱数の値とが一致する変動表示パターンに決定する(ステップS45)。
なお、ステップS45で変動表示パターンテーブルに設定されている変動表示パターンのいずれかを決定することで、スーパーリーチ演出やスーパーリーチ発展演出等のリーチ演出を行うか否かを決定しているが、例えば、スーパーリーチ演出やスーパーリーチ発展演出等のリーチ演出を行うか否かを決定する乱数を設け、この乱数によりスーパーリーチ演出やスーパーリーチ発展演出等のリーチ演出を行うことを決定した後に、これらのリーチ演出を行う変動表示パターンのいずれかに決定してもよい。
次に、RAM113cに設けられている稲妻予告パターン乱数に基づいて稲妻予告パターンを決定するための変動表示パターンテーブルについて図34乃至図36を参照して説明する。図34は、稲妻予告パターンを示す一覧表示図である。図35は、サブ統合基板で選択される昼背景用稲妻予告パターンを示す一覧表図である。図36は、サブ統合基板で選択される夜背景用稲妻予告パターンを示す一覧表図である。
先ず、稲妻予告パターンは、図34に示すように、演出番号0〜6の7種類が用意されている。演出番号0は、稲妻予告演出を行わない(変化しない)稲妻予告パターンである。また、演出番号1は、装飾図柄の変動表示及び背景画像を含む通常変動画像を暗転させる暗転画像(暗転画像83)を所定時間表示させるブラックアウト演出が1回行われるが、ブラックアウト演出が行われた後に、ブラックアウト演出が行われるよりも前に表示されていた通常変動画像から変化することのない演出(ブラックアウトガセ演出)を行う稲妻予告パターンである。また、演出番号2は、ブラックアウト演出が2回行われるが、1回目のブラックアウト演出が行われた後にも2回目のブラックアウト演出が行われた後にも、ブラックアウト演出が行われるよりも前に表示されていた通常変動から変化することのない演出(ブラックアウトガセ演出)を行う稲妻予告パターンである。
また、演出番号3は、2回目のブラックアウト演出が行われた後に、背景画像が変化する演出(例えば、背景画像が昼であれば、夜に変化させる)を行う稲妻予告パターンである。また、演出番号4は、2回目のブラックアウト演出が行われた後に、暗転画像に稲妻(雷)を走らせる稲妻フラッシュを表示すると共に、稲妻に照らされることで暗転画像に左装飾図柄を浮かび上がらせながら停止表示させる演出を行う稲妻予告パターンである。また、演出番号5は、演出番号4の演出が行われた後に、再度、ブラックアウト演出が行われ、2回目の稲妻フラッシュを表示すると共に、稲妻に照らされることで暗転画像に右装飾図柄を浮かび上がらせながら停止表示させることによってリーチ態様を形成する演出を行う稲妻予告パターンである。また、演出番号5は、「全回転リーチ」のリーチ演出が行われるかのようにブラックアウトガセ演出(全回転ガセ)を行う稲妻予告パターンである。
昼背景用稲妻予告テーブルは、図35に示すように、背景画像が昼背景画像(昼背景の背景画像81)であるときに、RAM113cに設けられている稲妻予告パターン乱数に基づいて稲妻予告パターンを決定するためのテーブルである。昼背景用稲妻予告テーブルでは、主制御基板111で決定された変動表示パターンの各々に対して稲妻予告パターン乱数の値が演出番号0〜6の7種類の稲妻予告パターンに振り分けられている。
装飾図柄の変動表示がリーチとなることが決定されているときのみ、上記した演出番号4,5が選択可能であり、稲妻フラッシュが表示された後にリーチ態様が表示される。
「スポットライト予告」及び「役物リーチ」では、上記した演出番号2のみが選択可能であり、2回目のブラックアウト演出が行われた後に各々のキャラクタが登場するスーパーリーチ発展演出が行われたり、役物駆動の役物リーチ演出が行われたりする。
「全回転リーチ」では、上記した演出番号0のみが選択可能であり、稲妻予告演出が行われることなく、特定大当り図柄の組み合わせ又は非特定大当り図柄の組み合わせのいずれかで停止させる全回転リーチが行われる。但し、「全回転リーチ」では、通常変動における背景画像とは異なる特別な画像が表示された後、暗転画像が所定時間表示されることにより、ブラックアウト演出に似せた演出が行われる。
夜背景用稲妻予告テーブルは、図36に示すように、背景画像が夜背景画像(夜背景の背景画像82)であるときに、RAM113cに設けられている稲妻予告パターン乱数に基づいて稲妻予告パターンを決定するためのテーブルである。夜背景用稲妻予告テーブルでも、主制御基板111で決定された変動表示パターンの各々に対して稲妻予告パターン乱数の値が演出番号0〜6の7種類の稲妻予告パターンに振り分けられている。
夜背景用稲妻予告テーブルでは、昼背景用稲妻予告テーブルよりも演出番号4,5の稲妻予告パターンが選択される割合(選択率)が高く設定されている。具体的には、例えば、変動番号6の「オオカミ男、当り」の変動表示パターンに決定されている場合には、昼背景用稲妻予告テーブルであれば、演出番号4,5の稲妻予告パターンの選択率が{(演出番号4の稲妻予告パターン乱数の数値幅)+(演出番号4の稲妻予告パターン乱数の数値幅)/稲妻予告パターン乱数のカウンタ数}=116/200であるが、夜背景用稲妻予告テーブルであれば、演出番号4,5の稲妻予告パターンの選択率が144/200である。このことは、昼背景よりも夜背景の方が、実際の稲妻が視認し易いことに対応している。
次に、サブ統合基板111で実行される種々の制御処理について図37乃至図40を参照して説明する。図37は、サブ統合基板で更新される乱数を示す一覧表図である。図38は、サブ統合基板で実行される表示制御処理を示すフローチャートである。図39は、表示制御処理のサブルーチンとなる図柄設定処理を示すフローチャートである。図40は、表示制御処理のサブルーチンとなる予告選択処理を示すフローチャートである。
ここで、サブ統合基板111で更新される各種乱数には、図37に示すように、特定図柄乱数、非特定図柄乱数、はずれ図柄乱数、稲妻予告パターン乱数等がある。特定図柄乱数は、確変大当りと判定された場合において、液晶表示器116の表示領域42に最終的に停止して表示する特定図柄(図27(A))を選択するための乱数である。非特定図柄乱数は、非確変大当り(通常大当り)と判定された場合において、表示領域42に最終的に停止して表示する非特定図柄(図27(B))を選択するための乱数である。はずれ図柄乱数は、はずれ又はリーチはずれと判定された場合において、表示領域42に最終的に停止して表示する左・右・中のはずれ図柄の各々を選択するための乱数である。稲妻予告パターン乱数は、稲妻予告演出を行うか否かを判別すると共に、表示領域42に表示される稲妻予告演出の稲妻予告パターンを選択するための乱数である。
先ず、表示制御処理では、図38に示すように、主制御基板101から表示用信号(表示用コマンドを含む)を受信したか否かを判別する(ステップS101)。コマンドを受信したときは、後述する図柄設定処理(ステップS102)及び予告選択処理(ステップS103)を行うと共に、図柄変動表示処理(ステップS104)と大当り表示処理(ステップS105)とサブ情報出力処理(ステップS106)とを順次実行する。図柄変動表示処理では、主制御基板101から送信された変動表示パターンコマンドに基づいて特別図柄及び装飾図柄の変動制御を開始し、変動時間を変動タイマに設定すると共に、変動タイマに設定された変動時間を監視し、変動タイマがタイムアップすることで、特別図柄の停止図柄を確定表示すると共に、図柄設定処理で決定された装飾図柄の停止図柄を順次確定表示する処理を行う。また、予告選択処理で決定された予告演出パターンに基づく予告演出の演出制御も図柄変動表示処理で行われる。大当り表示処理では、特別図柄及び装飾図柄の確変表示が大当り図柄の組み合わせであるときに、大当りである旨を液晶表示器116の表示領域42に表示すると共に、大当り遊技のラウンドを表示する処理を行う。
サブ情報出力処理では、図柄変動表示処理で決定される装飾図柄の変動表示や予告選択処理で決定される予告演出の表示等に係る各種情報を周辺基板110(第1電飾制御基板112、第2電飾制御基板113、波形制御基板114)に出力する処理を行う。具体的には、サブ統合基板111で予告演出やリーチ演出が行われることが決定したときに、所定のタイミングで、駆動信号を第1電飾制御基板112に送信することで、駆動モータ150h,152h,153f,155の動作制御や演出ランプ44と装飾ランプ49の点灯・点滅制御を行う。また、所定のタイミングで、コマンド信号を第2電飾制御基板113に送信することで、液晶表示器116の表示制御を行う。さらに、所定のタイミングで、駆動信号を波形制御基板114に送信することで、音波装置115の音声制御を行う。
図柄設定処理では、図39に示すように、受信した表示用信号が変動表示パターンコマンドであるか否かを判別する(ステップS111)。変動表示パターンコマンドを受信していなければ、そのままメインルーチンに復帰する。変動表示パターンコマンドを受信していれば、その変動表示パターンコマンドに係る当落が大当りであるか否かを判別する(ステップS112)。大当りでなければ(はずれ又ははずれリーチであれば)、左・中・右の装飾図柄に停止表示として各々のはずれ図柄を選択し(ステップS118)、そのままメインルーチンに復帰する。但し、はずれであるときには左・中・右の装飾図柄が各々異なる図柄が選択されればよいが、はずれリーチであるときには左・右の装飾図柄が同一の図柄(中の装飾図柄は異なる図柄)が選択される。
そして、大当りであれば、この大当りが確変大当りであるか否かを判別する(ステップS113)。確変大当りでなければ(非確変大当りであれば)、左・中・右の装飾図柄に停止表示として非特定図柄を選択する(ステップS117)。確変大当りであれば、再抽選演出を行うか否かを判別する(ステップS115)。再抽選演出を行わなければ、ステップS116に移行する。再抽選演出を行うときには、仮停止図柄として非特定図柄を選択し(ステップS115)、最終的に停止表示される特定図柄を選択する(ステップS116)。
予告選択処理では、図40に示すように、受信した表示用信号が変動表示パターンコマンドであるか否かを判別する(ステップS121)。変動表示パターンコマンドを受信していなければ、そのままメインルーチンに復帰する。変動表示パターンコマンドを受信していれば、昼背景フラグがON状態であるか否かを判別する(ステップS122)。昼背景フラグがON状態であれば、昼背景用稲妻予告テーブル(図35)を選択し、昼背景フラグがON状態でなければ(OFF状態であれば)、夜背景用稲妻予告テーブル(図36)を選択する。そして、取得された稲妻予告パターン乱数の値に基づいて、各々の稲妻予告テーブルに設定されている稲妻予告パターンから1つの稲妻予告パターンを決定する(ステップS125)。
なお、ステップS125で昼背景用稲妻予告パターンテーブル又は夜背景用稲妻予告パターンテーブルに設定されている稲妻予告パターンのいずれかを決定することで、稲妻予告演出を行うか否かを決定しているが、例えば、稲妻予告演出を行うか否かを決定する乱数を設け、この乱数により稲妻予告演出を行うことを決定した後に、稲妻予告演出を行う稲妻予告パターンのいずれかに決定してもよい。
そして、決定された稲妻予告パターンが演出番号3の背景変化であるか否かを判別する(ステップS126)。背景変化であれば、昼背景フラグのON/OFF状態を切り替える、即ちON状態であればOFF状態に、OFF状態であればON状態にする(ステップS127)。背景変化でなければ、そのままメインフローに復帰する。なお、昼背景フラグのON/OFF状態は、RAM113cに記憶される。また、昼背景フラグのOFF状態では「0」の値がセットされ、昼背景フラグのON状態では「1」の値がセットされる。
次に、装飾図柄の変動表示に伴う液晶表示器116の演出動作について図41乃至図47を参照して説明する。図41乃至図47は、液晶表示器による演出例1〜演出例4を示す説明図である。
先ず、図41乃至図42を参照して、演出例1について説明する。演出例1では、大当り判定の判定結果が大当りであり、主制御基板101で変動表示パターンとして変動番号33の「役物リーチ、当り」に決定されると共に、サブ統合基板111で昼背景用稲妻予告パターンテーブルから稲妻予告パターンとして演出番号2(ブラックアウト2回)に決定された場合を示す。
通常変動として、特別図柄表示器41で特別図柄の変動表示が開始されると共に、液晶表示器116の表示領域42で左・中・右の装飾図柄80a〜80cの変動表示が開始される(図41(A))。具体的には、表示領域42の中央付近には、中の装飾図柄80bが飛び跳ねているような表示態様で変動表示され、中の装飾図柄80bの両側方には、背景画像が視認可能な程度に半透明となった左・右の装飾図柄80a,80cが表示領域42の上方から下方に向かってリールが回転しているような表示態様で変動表示されている。また、表示領域42には、昼背景の背景画像81が表示されると共に、中の装飾図柄80bの下方(表示領域42の中央下部)には、キャラクタ画像(怪物くん)70が表示されている。
次いで、1回目のブラックアウト演出として、遊技者に視認困難となるように、装飾図柄80a〜80cの変動表示及び背景画像81を含む通常変動画像を暗転させる暗転画像83が所定時間(例えば、1秒)表示される(図41(B))。このとき、遊技者は、複数の稲妻予告演出のうちいずれかの演出が開始されたことを認識することができ、大当りとなる信頼度の高い特別の演出(スポットライト予告から開始されるスーパーリーチ発展演出や役物リーチ演出等)が行われる期待感をもつことができる。その後、所定時間が経過することで、1回目のブラックアウト演出が行われる前の通常変動画像に戻る(図41(C))。
次いで、2回目のブラックアウト演出として、1回目のブラックアウト演出よりも遊技者に視認困難となるように、1回目のブラックアウト演出時の暗転よりも暗転度合いの高い暗転画像83が、1回目のブラックアウト演出時の演出時間よりも長い時間(例えば、2秒)表示される(図41(D))。このとき、遊技者は、少なくとも演出番号1のブラックアウトガセ演出ではないことを認識することができ、また、演出番号2の2回目のブラックアウトガセ演出が行われている可能性も残るが、1回目のブラックアウト演出時よりも大当りとなる信頼度の高い特別の演出(スポットライト予告から開始されるスーパーリーチ発展演出や役物リーチ演出等)が行われる期待感を、1回目のブラックアウト演出時よりも向上させることができる。即ち、ブラックアウト演出が2回行われることにより、大当りとなる信頼度の高い特別の演出(スポットライト予告から開始されるスーパーリーチ発展演出や役物リーチ演出等)が行われる期待感を徐々に向上させることができる。その後、1回目のブラックアウト演出後と同様に、ブラックアウト演出が行われる前の通常変動画像に戻る(図42(E))。
次いで、左・右の装飾図柄80a,80cが停止表示されることでリーチ態様(同図中には、「77」のリーチ態様を例示)が形成され、役物リーチ演出が開始されることを報知する「役物リーチ」の文字84が表示される(図42(F))。このとき、2回目のブラックアウト演出後に通常変動画像が表示されたことから、スーパーリーチ演出となるよりも大当りとなる信頼度の高い特別の演出(スポットライト予告や役物リーチ演出等)が行われることなく、2回目のブラックアウトガセ演出だったのではないかと減退した期待感を、役物リーチ演出が行われることによって、再度、向上させることができ、遊技の興趣にメリハリを与えることができる。役物リーチ演出では、演出装置40に取り付けられたキャラクタ体150,152,154が動作し、こららのキャラクタ体150,152,154や遮蔽部材164,166,168の状態に合わせて、未だ停止していない中の装飾図柄80bが変動表示される演出が行われる。
次いで、演出例1では、変動番号33の「役物リーチ、当り」に決定されているため、中の装飾図柄80bが左・右の装飾図柄80a,80cと同一の図柄で停止表示されることで、大当り図柄の組み合わせ(同図中には、「777」の大当り図柄の組み合わせを例示)が確定表示される(図42(G))。その後、確定表示された装飾図柄の組み合わせが大当り図柄の組み合わせであり、大当り遊技が開始されることを遊技者に報知するオープニング画像85が、演出で登場する可能性のある全てのキャラクタ画像70〜75と共に表示される(図42(H))。
次に、図43を参照して、演出例2について説明する。演出例2では、主制御基板101で変動表示パターンとして変動番号1,3〜22のいずれかに決定されると共に、サブ統合基板111で昼背景用稲妻予告パターンテーブルから稲妻予告パターンとして演出番号3の背景変化演出に決定された場合を示す。なお、演出例2についても演出例1と同様に、1回目のブラックアウト演出が行われている。
1回目のブラックアウト演出の後、所定時間が経過することで、1回目のブラックアウト演出が行われる前の通常変動画像に戻る(図43(A))。その後、1回目のブラックアウト演出よりも遊技者に視認困難となるように、1回目のブラックアウト演出時の暗転よりも暗転度合いの高い暗転画像83が、1回目のブラックアウト演出時の演出時間よりも長い時間(例えば、2秒)表示される(図43(B))。その後、ブラックアウト演出が行われる前の通常変動画像に戻るが、背景画像として、ブラックアウト演出が行われる前の背景画像とは異なる夜背景の背景画像82が表示される(図43(C))。このとき、スーパーリーチ演出となるよりも大当りとなる信頼度の高い特別の演出(スポットライト予告や役物リーチ演出等)が行われることはないが、次回以降の装飾図柄の変動表示において、予告演出の決定の際に夜背景用稲妻予告パターンテーブル(図36)が用いられることで演出番号4,5の稲妻フラッシュ予告が行われ易くなったり、演出装置40に取り付けられた駆動可能なキャラクタ体150,152,154の作動率が向上したりする。
次いで、左・右の装飾図柄80a,80cが停止表示されることでリーチ態様(同図中には、「77」のリーチ態様を例示)が形成され、リーチ演出が開始されることを報知する「リーチ」の文字86が表示される(図43(D))。その後、主制御基板101で決定された変動番号1,3〜22のいずれかの変動表示パターンに対応したスーパーリーチ演出やスーパーリーチ発展演出等が行われる。なお、通常変動時に夜背景の背景画像82であり、サブ統合基板111で夜背景用稲妻予告パターンテーブルから稲妻予告パターンとして演出番号3の背景変化演出に決定された場合には、2回目のブラックアウト演出の後、背景画像として、ブラックアウト演出が行われる前の背景画像とは異なる昼背景の背景画像81が表示される。
次に、図44乃至図45を参照して、演出例3について説明する。主制御基板101で変動表示パターンとして変動番号4,6〜10,12〜16,18〜22のいずれかに決定され、サブ統合基板111で昼背景用稲妻予告パターンテーブルから稲妻予告パターンとして演出番号5の稲妻フラッシュ演出に決定された場合を示す。なお、演出例3についても演出例1と同様に、1回目のブラックアウト演出が行われている。
1回目のブラックアウト演出の後、所定時間が経過することで、1回目のブラックアウト演出が行われる前の通常変動画像に戻る(図44(A))。その後、1回目のブラックアウト演出よりも遊技者に視認困難となるように、1回目のブラックアウト演出時の暗転よりも暗転度合いの高い暗転画像83が、1回目のブラックアウト演出時の演出時間よりも長い時間(例えば、2秒)表示される(図44(B))。その後、液晶表示器116の表示領域42の上方に配置された演出ランプ44aが点滅・点灯すると共に、液晶表示器41の上方から暗転画像83に稲妻(雷)87を走らせる稲妻フラッシュ予告が行われることにより、稲妻87に照らされることで左の装飾図柄80aが暗転画像83に浮かび上がるように停止表示される(図44(C))。その後、遊技者に視認不可能(視認できない)となるように、1回目及び2回目のブラックアウト演出時の暗転よりも更に暗転度合いの高い暗転画像83が、2回目のブラックアウト演出時の演出時間と同程度の時間(例えば、2秒)表示される(図44(D))。なお、左・中・右の装飾図柄80a〜80cは、表示領域42の右下部に通常変動時よりも小さく、遊技者にとって視認困難な程度に暗転表示されている。
次いで、3回目のブラックアウト演出の後、所定時間が経過することで、液晶表示器116の表示領域42の右上方に配置された演出ランプ44a,44bが複数回に亘って点滅・点灯すると共に、液晶表示器41の右方から暗転画像83に稲妻(雷)87を走らせる稲妻フラッシュ予告が行われることにより、稲妻87に照らされることで既に停止表示されている左の装飾図柄80aと共に右の装飾図柄80cが暗転画像83に浮かび上がるように停止表示される(図45(E))。このとき、遊技者は、2回目の稲妻フラッシュ予告が行われたことから、ノーマルリーチ演出及びスーパーリーチ演出ではずれとなることがなく、また、これ以外では、大当りとなる信頼度の高いスーパーリーチ発展演出やスーパーリーチ分岐プレミア演出が行われることによって、大当りとなる期待感をもつことができる。
次いで、左・右の装飾図柄80a,80cが停止表示されることでリーチ態様(同図中には、「77」のリーチ態様を例示)が形成され、リーチ演出が開始されることを報知する「リーチ」の文字86が表示される(図45(F))。その後、主制御基板101で決定された変動番号4,6〜10,12〜16,18〜22のいずれかの変動表示パターンに対応したスーパーリーチ演出やスーパーリーチ発展演出等が行われる。なお、サブ統合基板111で稲妻予告パターンとして演出番号4に決定された場合には、2回目の稲妻フラッシュ予告が行われず、1回目の稲妻フラッシュ予告のみが行われる。
次に、図46乃至図47を参照して、演出例4について説明する。演出例4では、主制御基板101で変動表示パターンとして変動番号29,30のいずれかに決定されると共に、サブ統合基板111で昼背景用稲妻予告パターンテーブルから稲妻予告パターンとして演出番号2のブラックアウト演出が2回に決定された場合を示す。なお、演出例4についても演出例1と同様に、1回目のブラックアウト演出が行われている。
1回目のブラックアウト演出の後、所定時間が経過することで、1回目のブラックアウト演出が行われる前の通常変動画像に戻る(図46(A))。その後、1回目のブラックアウト演出よりも遊技者に視認困難となるように、1回目のブラックアウト演出時の暗転よりも暗転度合いの高い暗転画像83が、1回目のブラックアウト演出時の演出時間よりも長い時間(例えば、2秒)表示される(図46(B))。その後、液晶表示器116の表示領域42の中央下方に、スポットライト88を浴びながらキャラクタ(同図中には、キャラクタ画像(怪物くん)70を例示)が登場するスポットライト予告が行われる(図46(C))。このとき、遊技者は、スポットライト予告が行われたことから、大当りとなる信頼度の高いスーパーリーチ発展演出が行われることが確定し、大当りとなる期待感を向上させることができる。更に、キャラクタに応じたスーパーリーチ発展演出が行われることから、大当りとなる信頼度の高さを認識することができ、登場したキャラクタに応じて様々な期待感をもつことができる。なお、左・中・右の装飾図柄80a〜80cは、表示領域42の右下部(スポットライト88で照らされていない部分)に通常変動時よりも小さく、遊技者にとって視認困難な程度に暗転表示されている。
次いで、スポットライト予告で登場したキャラクタに応じたスーパーリーチ発展演出を開始する開始画像89を、キャラクタ画像(怪物くん)70が液晶表示器116の表示領域42の上方から下方に下ろす演出が行われる(図46(D))。その後、主制御基板101で決定された変動番号29,30のいずれかの変動表示パターンに対応したスーパーリーチ発展演出として、左・右の装飾図柄80a,80cが停止表示されることでリーチ態様(同図中には、「77」のリーチ態様を例示)が形成された状態でスーパーリーチ発展演出が開始される(図47(E))。
稲妻フラッシュ予告及びスポットライト予告では、液晶表示器116の表示領域42をブラックアウト演出による暗転画像83とすることで、稲妻(雷)87を走らせたり、スポットライト88をキャラクタに浴びせたりすることが可能となる予告演出である。従って、稲妻フラッシュ予告及びスポットライト予告は、ブラックアウト演出を行うことによる暗転表示ならではの演出ということができる。
以上のように、本実施形態の構成によれば、液晶表示器116の表示領域42に左・中・右の装飾図柄80a〜80cの変動表示やキャラクタ70等が表示される全域が視認困難となるような暗転画像83を所定時間、表示することにより、遊技者が暗転画像83が表示されるまでの左・中・右の装飾図柄80a〜80cの変動表示やキャラクタ70等に注目することができなくなり、遊技者に意識してもらいたい予告演出(ブラックアウト演出)を効果的に意識させることができる。また、ブラックアウト演出により予告演出の開始を意識させた後、予告演出として、演出装置40の演出ランプ44a,44bを点灯・点滅すると共に、稲妻87を表示領域42に表示し、稲妻が落ちているかのような演出態様で左・右の装飾図柄80a,80cが視認可能な態様で表示されることにより、遊技者に意識してもらいたい予告演出に効果的に注意を向けさせることができる。従って、遊技者に意識してもらいたい予告演出を意識・注目させることで、遊技者が長時間、遊技を行ったとしても遊技が単調となることがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態の構成によれば、液晶表示器41に左・中・右の装飾図柄80a〜80cの変動表示やキャラクタ70等の情報が表示される全域が視認困難となるような暗転画像83を所定時間、表示しているが、遊技者が情報表示に注目することができなければよく、例えば、液晶表示器41に暗転画像83とは異なる画像として明転画像や、背景画像のみを表示したり、液晶表示器41の電源を切断することで情報表示が含まれる画像を消去したり、演出装置40等に動作可能な隠蔽部材を設けることで情報表示を隠蔽してもよい。
また、従来、複数のキャラクタを表示させることで、図柄表示装置に表示される特別図柄の変動表示以外の他の演出を賑やかに行うものもあるが、複数のキャラクタが表示されても大当り図柄が導出されることがほとんどなく、キャラクタを意識させるには至らなかった。しかしながら、本実施形態の構成によって、このような演出も意識させることができる。
ここで、上述した実施形態から把握できる発明として以下のような発明がある。
(実施発明1)複数の図柄(例えば、左・中・右の装飾図柄80a〜80c)の変動表示が可能な表示領域(例えば、表示領域42)を有する演出装置(例えば、演出装置40)を備え、図柄始動条件(例えば、始動入賞口45又は電動始動入賞口46への入賞)が成立すると前記表示領域に複数の図柄が変動表示され、その後に停止される複数の図柄の表示態様によって遊技者に特典付与(例えば、大当り遊技)の可否を認識させる遊技機(例えば、パチンコ機1)であって、前記表示領域に特典付与の可否に関わる情報(例えば、左・中・右の装飾図柄80a〜80cの変動表示やキャラクタ70等)を表示する情報表示手段(例えば、変動表示パターンに基づいて左・中・右の装飾図柄80a〜80cの変動表示を表示領域42に表示する制御)と、該情報表示手段による情報が表示される全域が視認困難又は視認不可能となるように暗転画像(例えば、暗転画像83)を前記表示領域に所定時間(例えば、1〜2秒)、表示する暗転表示手段(例えば、演出番号1〜6の稲妻予告パターンに基づくブラックアウト演出として暗転画像83を表示領域42に表示する制御)と、前記表示領域に表示される情報と連動させた特別演出(例えば、演出ランプ44a,44bを点灯・点滅すると共に、稲妻87を表示領域42に表示する演出)を前記演出装置で実行する特別演出実行手段(例えば、演出番号4,5の稲妻予告パターンに基づいて演出ランプ44a,44bを点灯・点滅すると共に、稲妻87を表示領域42に表示する制御)と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明1においては、暗転表示手段により特典付与(例えば、大当り遊技や確率変動等)の可否に関わる情報が表示される全域が視認困難又は視認不可能となるように暗転画像を表示領域に所定時間、表示されることにより、遊技者が暗転画像が表示されるまでの特典付与の可否に関わる情報に注目することができなくなり、遊技者に意識してもらいたい情報を効果的に意識させることができる。また、特別演出実行手段により表示領域に表示される遊技者に意識してもらいたい情報と連動させた特別演出を演出装置で実行することにより、遊技者に意識してもらいたい情報に効果的に注意を向けさせることができる。従って、遊技者に意識してもらいたい情報を効果的に意識・注目させることで、遊技者が長時間、遊技を行ったとしても遊技が単調となることがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(実施発明2)前記(実施発明1)記載の発明において、前記特別演出実行手段は、前記暗転表示手段により前記表示領域に前記暗転画像が表示されているときに、前記特別演出を実行することで前記情報表示手段による情報の一部を視認可能な態様に表示する暗転時情報表示手段(例えば、演出番号4,5の稲妻予告パターンに基づいて演出ランプ44a,44bを点灯・点滅すると共に、稲妻87を表示領域42に表示し、左の装飾図柄80a又は左・右の装飾図柄80a,80cを表示領域42に表示する制御)を含むことを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明2においては、暗転表示手段により表示領域に暗転画像を表示させることで遊技者に意識してもらいたい情報(演出)を意識させた後、特別演出を実行することで暗転時情報表示手段により情報表示手段による情報の一部を視認可能な態様に表示することにより、遊技者に意識してもらいたい特別演出に効果的に注意を向けさせることができる。従って、遊技者に意識してもらいたい特別演出を効果的に意識・注目させることで、遊技者が長時間、遊技を行ったとしても遊技が単調となることがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(実施発明3) 前記(実施発明2)記載の発明において、前記演出装置は、光を発する光源(例えば、LED140l,140m)により発光動作が行われる発光領域(例えば、演出ランプ44a,44b)を有し、前記特別演出実行手段は、前記特別演出として、前記発光領域で発光動作を行う発光動作手段(例えば、演出番号4,5の稲妻予告パターンに基づいて演出ランプ44a,44bを点灯・点滅する制御)と、前記表示領域に表示された前記暗転画像に閃光(例えば、稲妻87)を表示する閃光表示手段(例えば、演出番号4,5の稲妻予告パターンに基づいて稲妻87を表示領域42に表示する制御)と、をさらに含み、前記発光動作手段により前記発光領域で発光動作を行うと共に、前記閃光表示手段により前記暗転画像に前記閃光を表示し、前記暗転時情報表示手段により前記情報表示手段による情報の一部(例えば、左の装飾図柄80a又は左・右の装飾図柄80a,80c)を、前記閃光の明るさに照らされることで視認可能な態様に表示することを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明3においては、特別演出として、発光動作手段により発光領域で発光動作を行うと共に、閃光表示手段により暗転画像に閃光を表示し、暗転時情報表示手段により情報表示手段による情報の一部を、閃光の明るさに照らされることで視認可能な態様に表示することにより、この特別演出が暗転画像の表示ならではの演出であり、遊技者に意識してもらいたい特別演出に効果的に注意を向けさせることができる。従って、遊技者に意識してもらいたい特別演出を効果的に意識・注目させることで、遊技者が長時間、遊技を行ったとしても遊技が単調となることがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(実施発明4)前記(実施発明3)記載の発明において、前記複数の図柄のうち未だ停止していない図柄が変動表示されているリーチ態様(例えば、左・右の装飾図柄80a,80cの変動表示が停止された態様)が成立した後、前記複数の図柄の表示態様が特典付与の結果となる信頼度(例えば、大当り信頼度)を告知するリーチ演出(例えば、ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出及びスーパーリーチ発展演出)を表示するリーチ演出表示手段(例えば、変動表示パターンに基づいてリーチ演出を表示領域42に表示する制御)と、該リーチ演出表示手段により前記リーチ演出が表示されるよりも前に、前記リーチ演出が表示される旨を予告する予告演出(例えば、稲妻フラッシュ予告、背景変化予告及びスポットライト予告)を表示する予告演出表示手段(例えば、稲妻予告パターンに基づいて予告演出を表示領域42に表示する制御。但し、予告演出としてのスポットライト予告では、ブラックアウト演出以降の演出が変動表示パターンに基づく。)と、を備え、前記予告演出表示手段は、前記暗転表示手段と前記特別演出実行手段とを含み、前記暗転表示手段により前記表示領域に前記暗転画像を表示した後、前記リーチ態様が成立するまで、前記複数の図柄の変動表示の各々が停止するタイミングで、前記発光動作手段により前記発光領域で発光動作を行うと共に、前記閃光表示手段により前記暗転画像に前記閃光を表示し、前記暗転時情報表示手段により停止図柄を視認可能な態様に表示する(例えば、演出番号4,5の稲妻予告パターンに基づいて演出ランプ44a,44bを点灯・点滅すると共に、稲妻87を表示領域42に表示し、左の装飾図柄80a又は左・右の装飾図柄80a,80cを表示領域42に表示する)ことを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明4においては、特別演出として、発光動作手段により発光領域で発光動作を行うと共に、閃光表示手段により暗転画像に閃光を表示し、暗転時情報表示手段により情報表示手段による情報の一部を、閃光の明るさに照らされることで視認可能な態様に表示することにより、この演出が暗転画像の表示ならではの演出であり、通常のリーチ態様の形成時には表示領域に表示されることのない特別演出に効果的に注意を向けさせることができる。従って、遊技者に意識してもらいたい特別演出を効果的に意識・注目させることで、遊技者が長時間、遊技を行ったとしても遊技が単調となることがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(実施発明5)前記(実施発明4)に記載の発明において、遊技機の主要な遊技制御(例えば、特別図柄処理)を行うマイクロコンピュータ(例えば、CPU101a)を搭載した主制御手段(例えば、主基板100)と、前記主制御手段から送信されるコマンド信号に基づいた制御(例えば、表示制御処理)を行うマイクロコンピュータ(例えば、CPU111a)を搭載した周辺制御手段(例えば、周辺基板110)と、を備え、前記周辺制御手段は、前記発光動作手段を含み、前記主制御手段からのコマンド信号(例えば、表示用コマンド信号)を受信するサブ統合制御手段(例えば、サブ統合基板111)と、前記発光領域の発光制御を行う第1の電飾制御手段(例えば、第1電飾制御基板112)と、前記暗転表示手段と前記閃光表示手段と前記暗転時情報表示手段とを含み、前記第1の電飾制御手段とは別に構成され、前記表示領域の表示制御を行うマイクロコンピュータ(例えば、CPU113a)を搭載した第2の電飾制御手段(例えば、第2電飾制御基板113)と、から構成され、前記サブ統合制御手段は、前記主制御手段からのコマンド信号に基づいて、前記発光動作手段を実行することで駆動信号を前記第1の電飾装飾手段に送信すると共に、演出コマンド信号を前記第2の電飾装飾手段に送信する演出コマンド送信手段(ステップS106のサブ情報出力処理)を含み、前記第1の電飾装飾手段は、前記演出コマンド送信手段からの前記駆動信号に基づいて前記発光領域を発光動作させる一方、前記第2の電飾装飾手段は、前記演出コマンド送信手段からの前記演出コマンド信号に基づいて前記暗転表示手段と前記閃光表示手段と前記暗転時情報表示手段とを実行することで、前記表示領域を表示制御することを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明5においては、発光動作手段を含み、主制御手段からのコマンド信号を受信するサブ統合制御手段と、発光領域の発光制御を行う第1の電飾制御手段と、暗転表示手段と閃光表示手段と暗転時情報表示手段とを含み、第1の電飾制御基板とは別に構成され、表示領域の表示制御を行うマイクロコンピュータを搭載した第2の電飾制御手段と、から構成されることにより、マイクロコンピュータを搭載した第2の電飾制御手段を設けることで、主制御手段の制御負担を増加させることなく、また、サブ統合制御手段の制御負担も増加させることなく暗転表示手段と閃光表示手段と暗転時情報表示手段とによる多彩な予告演出が可能になる。
また、第1の電飾装飾手段は、演出コマンド送信手段からの駆動信号に基づいて発光領域を発光動作させる一方、第2の電飾装飾手段は、演出コマンド送信手段からの演出コマンド信号に基づいて暗転表示手段と閃光表示手段と暗転時情報表示手段とを実行することで、表示領域を表示制御することにより、サブ統合制御手段を介して発光領域の発光制御と表示領域の表示制御を行うことで、これらの演出を確実に同期させて行わせることができる。
また、上述した(実施発明1)〜(実施発明5)に記載の発明の他にも、実施形態から把握できる演出装置40の構造体に係る発明として以下のような発明がある。
本発明の遊技機は、遊技機本体を構成する構成部材と、前記構成部材に対してその前面側から取り付けられ、遊技者からみて前記構成部材の一部に演出的な動作が行われる演出領域を形成するフロントユニットと、前記構成部材に対してその背面側から取り付けられ、前記演出領域内で演出的な動作を実行可能な動作機構を有するリアユニットとを備えている。
本発明の遊技機では、フロントユニットの背後にリアユニットが位置しており、さらにリアユニットは、構成部材の背面側から取り付けられる構成であるため、通常、遊技者からはリアユニットが視認されにくいものとなっている。遊技機本体の構成部材には、遊技板や枠体、筐体等が含まれるが、いずれにしても演出的な動作(例えば、何らかの機械仕掛けによる動き、可動体の回転・アクション、発光動作等)を実行するための動作機構がリアユニットに備わっているため、遊技者は動作機構の存在そのものに気付かず、どのような演出動作が行われるかについて予測がつかなくなる。
一方で、このような状態で動作機構により演出動作が行われると、遊技者は予期せぬ演出動作に接して新鮮な驚きを感じ、わくわくしながら遊技を楽しむことができる。
本発明の遊技機による利点は、さらに別の方向性にも作用し得る。すなわち、演出にかかわる装備がフロントユニットとリアユニットとに分離された構造を有するため、いずれか一方を単独で修理・交換したり、保守・点検に回したりすることができる。特に、動作機構を有するリアユニットについてのメンテナンス性が高まるので、機械トラブルへの対処が容易となり、遊技機の稼働や運用を効率よく行うことができる。
また、前記リアユニットは、前記構成部材の背面に対向する前面側に形成され、前記構成部材の背面に沿って拡がり、かつ、この背面に密着する取付面を有する。
この場合、構造部材およびリアユニットの双方に複雑な加工を要することなく取り付けができるため、生産過程において作業性が向上する。
また本発明の遊技機は、別途独立の態様を有する。すなわち、本発明の遊技機は、発射された遊技球を流下させる遊技領域と、遊技者に相対する前面側に前記遊技領域が形成された遊技板と、この遊技板を装着して支持する枠体とを遊技機本体の構成部材として有する遊技機において、前記遊技板に対してその前面側から取り付けられ、前記遊技領域の一部に演出的な動作が行われる演出領域を形成するフロントユニットと、前記遊技板に対してその背面側から取り付けられ、前記演出領域内で演出的な動作を実行可能な動作機構を有するリアユニットと、前記遊技板の一部をその厚み方向に貫通して形成され、前記リアユニットの動作機構による演出的な動作を前面側から視認可能とする貫通孔とを備える。
本発明の遊技機では、遊技板を挟んで前後にフロントユニット、リアユニットが分割されている。この場合でも、フロントユニットの背後にリアユニットが位置しており、さらにリアユニットは、遊技板の背面側から取り付けられる構成であるため、通常、遊技者からはリアユニットが視認されにくいものとなっている。
フロントユニットは、遊技板の前面に演出領域を形成するものであり、リアユニットによる演出的な動作はこの演出領域内で行われる。ただし、演出動作を実行するための動作機構はリアユニットに備わっているため、遊技者は動作機構の存在そのものに気付かず、どのような演出動作が行われるかについて予測がつかなくなる。ただし、動作機構が遊技板の背後に全く隠れてしまっていると、前面側からは何も見えないことになるが、この場合では貫通孔を通じて演出動作が視認可能となっている。このような構造であれば、遊技者は動作機構による演出動作を遊技板より奥の位置に見ることになるため、視覚的な奥行きを感じさせることができる。
また、前記リアユニットは、前記遊技板の背面に対向する前面側に形成され、前記遊技板の背面に沿って拡がり、かつ、この背面に密着する取付面を有する。
この場合、リアユニットの取付面が遊技板の背面に合わせてフラットに形成されるので、互いに密着性が高まり、組付の容易さとともに精度の向上が図られる。
また、本発明の遊技機は、前記フロントユニットおよび前記リアユニットの少なくとも一方に前記遊技板の前後方向へ突出して形成され、前記フロントユニットおよび前記リアユニットが前記遊技板に取り付けられた状態で前記貫通孔内に挿入されることにより、前記貫通孔を通じて前記フロントユニットおよび前記リアユニットを相互に連結させる挿入連結部をさらに有する。
この場合、フロントユニットおよびリアユニットは、個別に遊技板に取り付けられるだけでなく、遊技板を間に介して相互に連結されるため、全体としての構造がより強固なものとなる。
また、本発明の遊技機は、前記貫通孔の内側に形成され、前記遊技板に前記フロントユニットおよび前記リアユニットが取り付けられた状態で、前記貫通孔を通じて前記フロントユニットおよび前記リアユニットの外表面が一続きに連なることを許容する受入空間部をさらに有する。
この場合、リアユニットは単にフロントユニットの背後に隠れて存在感が薄れるというものではなく、リアユニットと一続きの存在であるかのように視認されるため、両者が全体で1つの存在として認識される。また、フロントユニットおよびリアユニットが前後方向に一体となって視覚的な奥行きを生みだし、それによって見た目上もインパクトの強い重厚感や存在感が発揮される。
また、本発明の遊技機は、前記フロントユニットの後方に前記リアユニットが位置した状態で、前記動作機構の非作動時において前記動作機構を前面側から視認不可能とするべく遮蔽する遮蔽手段をさらに備える。
これにより、動作機構が非作動の場合はその存在自体が視認されないため、そこに何らかの動作をする機能があることがほとんど意識されない。この状態で、実際に動作機構が作動されると、予期せぬ演出動作の出現によって遊技者は新鮮味を感じ、ますますわくわくどきどきし得る。
また、前記遮蔽手段は、前記リアユニットの外表面の一部を構成し、かつ、前記フロントユニットの外表面と一続きに連なった状態で前記リアユニットの動作機構を遮蔽する遮蔽部材を含む。
この場合、リアユニットの動作機構は、フロントユニットと視覚的に一体性のある遮蔽部材によって覆い隠されているので、遊技者が一見しただけでは動作機構の存在に気付かない。さらに遮蔽部材で動作機構が保護されるため、例えば遊技球を用いる態様であっても、動作機構への干渉(遊技球の衝突、噛み込み等)を有効に防止できる。
また、前記遮蔽手段は、前記動作機構の非作動時に前記遮蔽部材を所定の停止位置に保持することで前記動作機構を遮蔽する一方、前記リアユニットの作動時に前記遮蔽部材を前記停止位置から変位させることで前記動作機構を前面側から視認可能な位置に出現可能とする可動機構をさらに含む。
この場合、上記の遮蔽部材は単に動作機構を覆い隠しているだけではなく、作動時には遮蔽部材が変位することで動作機構を視認可能な位置へ出現させる。逆に作動機構が隠れた停止位置に戻るときは、遮蔽部材が元通りに復帰してこれを覆い隠すので、一度は動作機構が遊技者の目に触れたとしても、また元通り隠れた存在となってしまう。このため、動作機構の存在が継続して意識されにくくなり、長期間にわたってなかなか新鮮味が失われない。
また、前記遮蔽手段は、前記リアユニットの作動時に前記動作機構とともに演出的な動作を実行可能な態様で前記遮蔽部材を変位させる。
この場合、遮蔽部材は単に動作機構を覆い隠すだけでなく、自身も一緒になって演出動作を行うことになる。このため動作機構の動きに遮蔽部材の動きがプラスされ、それだけ見た目上も大がかりな演出動作が行われる。
また、前記フロントユニットおよび前記リアユニットは、前記演出領域内にてそれぞれ別個に演出的な動作を実行可能である。
つまり、フロントユニットとリアユニットの機能は互いに独立であり、それぞれが単独で作動し得る。この場合、2つのユニットの機能が独立しているからこそ、いずれかだけを修理・交換したり、保守・点検作業にあてたりすることがきわめて容易になる。
また、前記フロントユニットおよび前記リアユニットは、前記演出領域内にて互いに協働して演出的な動作を実行可能である。この場合、2つのユニットが協働する分、演出動作の内容を多様にできるし、それだけ大がかりなものにすることができる。
また、本発明の遊技機は、前記リアユニットに対しその後方から取り付けられ、前記演出領域内から前面側へ向けて所定の演出画像を表示する表示ユニットをさらに備える。
この場合、演出に関するユニットは少なくとも3つに分かれた構成となり、個々のユニットが個別に修理・交換・保守・点検等の対象となる。
また、前記リアユニットは、前記動作機構を構成し、前記演出的な動作を行うべく遊技者に相対する前面側へ出現した出現位置と、この出現位置から退却することで前面側から視認不可能となる待機位置との間にて往復動作可能な演出動作体と、前記演出動作体とともに前記動作機構を構成し、前記演出動作体を往復動作させる駆動源と、前記演出動作体とともに前記駆動源を収容し、この収容状態で前記演出動作体を前記待機位置に保持する待機収容部とを有する。
この場合、リアユニットは演出動作体(可動体やキャラクタ人形等)を往復動作させて演出動作を行うことができる。演出動作体は、その待機位置では目に触れないが、出現位置に出現すると前面側で存在感を発揮する。リアユニットは、このような演出動作体の動作に必要な構成要素(機械的機構、駆動源等)を全て収容することができ、さらにこの状態で演出動作体をも収容する。
また、前記演出動作体は、前記リアユニットの前後方向でみて相互に重なり合って配置され、かつ、相互に連結されて相対運動する複数の可動部材を含む。
この場合、演出動作体は平坦な存在ではなく、可動部材の重なりの分だけ厚みを有した立体的な存在となる。このため演出動作体には見た目上の奥行き感があり、それによって大きな存在感を発揮することができる。
また、本発明の遊技機は、前記演出動作体および前記駆動源が前記待機収容部に収容された状態で、前記リアユニットの外方から前記演出動作体および前記駆動源を視認可能とする視認可手段をさらに備える。
ここまで挙げてきたように、本発明の遊技機では演出動作体の存在感や動きの面白さを増すために、作動機構の構成が充実したものとなっている。このように構成が充実していれば、それだけ修理・交換・保守・点検の機会にも一層の利便性が要求される。このため、演出動作体が収容された状態であっても、これを外部から視認可能とすることで、修理・交換・保守・点検の機会における利便性を確保している。
また、前記視認可手段は、前記リアユニットの外表面となる位置に設けられ、この位置で前記待機収容部の外周を区画して形成し、かつ、前記待機収容部の内側を外方から視認可能とする透明部材を含む。
このような構成により、きわめて簡便な手法で作動機構に対する修理・交換・保守・点検の利便性を確実に確保することができる。
また、前記視認可手段は、前記リアユニットの外表面となる位置に設けられ、この位置で前記待機収容部の外周を区画して形成する壁部材と、前記壁部材に開口して形成され、前記待機収容部の内側を前記リアユニットの外方に向けて開放する開放孔とを含む。
この場合、通常は待機収容部の周囲が壁部材に囲まれているため、その内部で作動機構が保護されている。一方、作動機構に対する修理・交換・保守・点検が必要になれば、実際に開放孔を通じて内部を確認したり、あるいは工具類をアクセスさせたりすることができるので、より作業性が高まる。
また、前記リアユニットは、前記待機収容部の内側から前記出現位置に向けて開口して形成され、この開口を通じて前記待機位置と前記出現位置との間にて前記演出動作体を出入り可能とする出入口と、前記出入口の開口縁に形成され、前記演出動作体の入り方向でみて前記出現位置から前記待機位置への下り傾斜を有する面取部とを含む。
待機収容部が壁部材等によって作動機構を保護する態様であれば、繰り返しまたは長期間の使用にも耐え得る構造となる。その反面、作動機構の稼働機会が多くなるということは、それだけ機械的なトラブルに見舞われる頻度も高くなることを意味する。このため、稼働機会の増加によって部材同士の相対的な接触や摩擦、摺動をなるべく緩和するため、演出動作体の出入口の開口縁に面取部(平面だけでなく曲面でもよい)が形成されている。これにより、長期間の使用に際して部材同士の摩擦や接触による損傷が大幅に低減される。
また、前記リアユニットは、前記待機収容部の内側から前記出現位置に向けて開口して形成され、この開口を通じて前記待機位置と前記出現位置との間にて前記演出動作体を出入り可能とする出入口と、前記演出動作体の出入口を開閉可能に設けられ、前記出入口を開いた状態で前記演出動作体が前記出現位置に出現することを許容する一方、前記出入口を閉じた状態では前記待機位置にある前記演出動作体を遮蔽するとともに前記リアユニットの外表面の一部に連なる開閉部材とを含む。
開閉部材の構成は、遮蔽部材の構成に近似している(同一であってもよいが、別のものであってもよい。)。この場合、待機収容部は開閉式の部材によって出入口が開閉され、演出動作体の出現時には開閉部材が出入口を開き、逆に演出動作体が待機位置に戻ると、開閉部材が出入口を閉じて演出動作体を遮蔽する。開閉部材が閉じた状態にあると、その存在はリアユニットの外表面に紛れて目立たなくなるので、ここでも作動機構等の仕掛けがあることを予測させにくいという効果が得られる。
また、前記待機収容部は、前記開閉部材が前記出入口を閉じた状態で前記演出動作体とともに前記開閉部材を収容可能である。この場合、演出動作体に加えて開閉部材についても保護が図られるし、その存在をうまく隠すことができる。
また、本発明の遊技機は、前記待機収容部に前記開閉部材が収容された状態で、外部から前記待機収容部が把持されることを許容する把持許容手段をさらに備える。
上記のように、開閉部材までもが待機収容部に収容される態様であれば、それによる利点は大きいが、今度は逆に待機収容部を人為的な操作で開放することが困難になることもある。このため、開閉部材が待機収容部に収容されたままで、これを外部から把持できる構成を採用することで、待機収容部の開放容易性を担保している。このような容易性は、特に電動モータ等による駆動ができがない状況で待機収容部を開放する必要がある場合に有効である。
また、前記把持許容手段は、前記出入口の周囲を区画する隔壁をその開口端から入り方向に切り欠いて形成され、前記待機収容部に前記開閉部材が収容された状態でその一部を露出させる切欠部を含む。
この場合、待機収容部の隔壁に単純な加工を施すだけで、容易に把持許容手段の機能を実現できる。
また、前記待機収容部は、前記出入口の周囲を区画する隔壁のうち、前記遊技板に前記リアユニットが取り付けられた状態でその前面側に位置し、かつ、前記遊技板に前記フロントユニットが取り付けられた状態でその背後に重ね合わせられるフロント隔壁を有しており、前記切欠部は、前面側からみた前記フロント隔壁の端縁部の形状と前記フロントユニットの外形とを相互に合致させる態様で形成されている。
この場合では、せっかく隔壁に切欠部が形成されるのであるから、これを装飾的な観点から利用するものとしている。このような態様は、特に待機収容部の出入口とフロントユニットの外表面との位置が近い場合に有効である。
また、前記動作機構は、前記演出動作体を構成する前記複数の可動部材を連結して構成され、前記駆動源から動力を受けて前記演出動作体の往復動作を実現するリンク機構を含み、前記リンク機構に前記開閉部材が連結された状態で、前記駆動源からの動力により前記出入口の開閉動作を実現可能である。
この場合、演出動作体の動きはリンク機構によって実現されているが、あわせて開閉部材の開閉動作までもが実現されるので、開閉部材だけのために別の動力を用意する必要がない。
また、前記動作機構は、前記遊技板の背面に沿って揺動自在に設けられ、その揺動中心から両側に延びる本体の一方にて第1の駆動源を支持し、かつ、その他方にて前記演出動作体をスライド自在に支持する揺動部材と、前記揺動部材に設置され、前記第1の駆動源から動力を受けて前記演出動作体をスライドさせる第1のリンク機構と、前記第1の駆動源とは別の第2の駆動源から動力を受けて作動し、前記揺動部材に接続されることで前記第1の駆動源を含む前記第1のリンク機構の全体の姿勢を変位させる第2のリンク機構とを有する。
このように、リンク機構を2系統で構成していれば、演出動作体の動作に一層の多様性が付加される。さらに第1のリンク機構の揺動部材は、その揺動中心を挟んで両側に演出動作体と駆動源(第1の駆動源)とを支持しているため、演出動作体の質量と駆動源の質量とのバランスにより、全体としての揺動をスムーズに保つことができる。
また、前記リアユニットは、前記演出領域内で互いに別々の出現位置に出現可能な複数の前記演出動作体を有しており、これら複数の前記演出動作体が互いに干渉しない範囲内で前記動作機構を作動させる。
このように、演出動作体が複数に用意されている態様であれば、それだけ見た目上の多様性が高まる。それだけに、演出動作体同士が干渉し合わない範囲内で動作機構を作動させることにより、機械的なトラブルが未然に防止される。なお、動作機構の可動範囲は互いに干渉し合わない設計としてもよいし、もしくは、制御上で動作機構同士の干渉が避けられている態様であってもよい。
また、前記フロントユニットは、前記演出領域内で前面側に突出して形成され、前記フロントユニットの外表面を立体的な形状に装飾する複数の装飾体と、前記複数の装飾体を前記遊技板の前面に沿う方向に離隔した状態で配列することで前記装飾体同士の間に存する空間に形成され、この空間内で遊技球を転動可能とすることにより前記演出領域の上方から下方へ向けて遊技球を案内する誘導通路とを有する。
上記のようにフロントユニットは、遊技者から最も見えやすい配置にあるため、その前面側には何らかの装飾体が配置される態様が好ましい。さらに、装飾体を単なる飾りのまま終わらせるのではなく、遊技球を案内するための部材として機能させているため、きわめて合理的で、また見た目上も面白みのある態様となる。
また、前記フロントユニットは、前記誘導通路を形成するべく配列された複数の前記装飾体の表面から前記誘導通路内に向けて突出して形成され、遊技球に対しその転動先の方向から相対的に衝突することで遊技球に制動力を与える制動突出部をさらに有する。このような態様は、装飾体がもともと凹凸形状を有する場合にきわめて有効である。
また、前記フロントユニットは、互いに離隔して配列された複数の前記装飾体の間の位置に形成され、前面側からみて前記誘導通路の奥壁を区画する通路壁面と、前記通路壁面を構成するべく前記フロントユニットの前面位置に配設され、背面が光拡散性を有した凹凸形状の光拡散面として形成される一方、前面が前記誘導通路内を転動する遊技球に対して摩擦制動力を与える凹凸形状の制動面として形成された光透過性の板状部材と、前記板状部材の背面側に配設され、前記板状部材を透過して前面側へ光を照射する発光源とをさらに有することを特徴とする遊技機。
この場合、誘導通路が装飾発光による演出領域をも兼ねており、特に遊技球が通過していない間にも、誘導通路を発光させて演出を実行することができる。加えて誘導通路の壁面は、その両面で異なった機能を発揮でき、きわめて合理的な態様となる。
また、前記板状部材の制動面は、前記装飾体の表面形状との間に視覚的な統一性を有する凹凸形状に成形されている。
この場合、せっかく装飾体によってフロントユニットが装飾されていることから、その装飾形状を損なわず、これを最大限に生かしながら遊技球の制動を行うことができる。
また、前記フロントユニットは、前面側に露出した位置に形成され、前記遊技領域に発射された遊技球を一時的に滞留可能とする球受部と、外表面より奥で前面側に露出しない位置に形成され、前記遊技領域に発射された遊技球を取り込んで案内し、前記球受部に向けて放出可能とする放出通路と、前記放出通路を通じて遊技球が案内される過程を前面側から視認可能とする案内過程可視手段とを有する。
放出通路の構成は、入口から出口までの間に一時的に遊技球を見えにくい位置(前面側に露出しない位置)に通すことで、あたかも瞬間的に遊技球が2地点間を移動したかのような感覚を与えるものであるが、度を超えて遊技球を見えにくくすると、遊技球が放出通路を通過していることが認識されにくくなることもある。このため、放出通路を遊技球が通過する過程を視認可能とすることで、そのような不具合を解消している。
また、前記案内過程可視手段は、前記フロントユニットの外表面を貫通して形成され、前面側から前記放出通路内に通じるフロント貫通孔を含む。
放出通路を遊技球が案内される過程を視認させる手段にはいろいろな態様があるが、ここではフロントユニットの外表面を貫通した貫通孔(スルーホール)が採用されている。このような貫通孔は容易な加工で実現できるため、きわめて実用的な態様となる。
また、前記フロント貫通孔の開口は、遊技球の外径より小さく設定されている。すなわち、遊技球の存在を視認させるだけであれば、必要以上に大きい貫通孔を形成する必要はない。このため、最小限の加工だけで貫通孔を形成することができ、さらにはフロントユニットの装飾を損ないにくいという利点がある。
また、前記案内過程可視手段は、前記フロントユニットの外表面の一部を構成し、かつ、外表面より奥で前記案内通路の壁面を構成する光透過性の外面部材と、前記外面部材に形成され、その背面側よりも前面側からの光の反射率を高く設定することで前記外面部材を通じて前面側から前記案内通路内を視認不可能とする一方、前記案内通路内にある遊技球の輪郭を前記外面部材に投影することで前面側から遊技球が案内される過程を視認可能とする半透膜とを有する。
半透膜は、外面部材の前面側と背面側の明るさの違いによって鏡のような働きをするため、通常は案内通路の内部が透けて見えることはない。ただし、外面部材のすぐ裏側を遊技球が通過すると、その輪郭が半透膜に投影されるため、これによって遊技球が通過する様子を視認可能とすることができる。
また、前記フロントユニットは、外表面より奥で前面側に露出しない位置に形成され、前記遊技領域に発射された遊技球を取り込んで所定の通過口に案内する通過案内通路と、前記通過案内通路を通じて遊技球が案内される過程を前面側から視認可能とする通過案内過程可視手段とをさらに有する。
上記の通過口は、ここを遊技球が通過することで何らかの判定契機(例えば普通図柄判定の契機)を発生させるものである。このような通過口がフロントユニットの奥に隠れていると、実際に判定が行われたか否かが確認しにくくなってしまうため、この場合では通過口を遊技球が通過する様子までも視認可能とする。これにより、遊技者は自己の利益に関係する判定の契機を見逃しにくくなり、遊技に対する集中力をずっと保持できる。
また、本発明の遊技機は、遊技の進行に伴い所定の判定契機が生じると、所定の確率で遊技者に利益を付与すべきか否かの利益判定を行う利益判定手段と、前記利益判定に当選した場合に遊技者にいかなる種類の利益を付与すべきかを判別する利益判別手段と、前記利益判定が行われると、所定の判定情報を所定の変動期間にわたって変動表示させた後、前記利益判定の結果に応じた態様で前記判定情報を停止表示することが可能な判定情報表示手段とを備えており、前記判定情報表示手段は、前記フロントユニットの外表面に形成され、前記判定情報を表示するべく発光動作が行われる発光領域と、前記フロントユニットの外表面より奥の位置に配設され、所定の光源から発せられる光を前記発光領域に向けて導く光誘導路とを有する。
本発明の遊技機では、例えば始動入賞等の判定契機が生じると、それによって利益判定(例えば、乱数取得による判定)が行われる。そして、判定結果が当選に該当すると遊技者に有利な特別遊技状態に移行させたり、さらには判定確率を比較的高く変更したりする利益が遊技者に付与される。このような判定情報を表示するため、フロントユニットの外表面に発光領域が形成されており、判定情報の変動表示や停止表示は、発光領域の点灯・点滅等によって行われる。このとき、発光領域はそれ自身が光源ではなく、別の光源から発する光を光誘導路によって導くことで発光動作(点灯や点滅)が行われるものとなっている。遊技者は、このような発光動作から判定結果を読み取り、自己に利益が付与されるか否かを知ることができる。
また、前記光誘導路は、前記発光領域外への光の伝達を抑制するべく内壁に比較的高い遮光性を有する。
上記のように、判定情報は遊技者にとってきわめて重要な関心事であるため、その表示は常に明瞭である必要がある。このため、光誘導路から発光領域外への光の伝達(または漏洩)を抑制することで、発光領域以外でぼんやりと発光動作が行われるのを防止している。
また、前記判定情報表示手段は、前記フロントユニットに付設されて前記発光領域の背後に位置し、かつ、内部を貫通して前記光誘導路が形成された暗色素材の光誘導部品を有する。
光誘導路を部品の内部に形成する場合、部品そのものの素材を暗色系(例えば、黒色、茶褐色、チャコールグレー等)にすることで簡便かつ確実に遮光性が得られる。
また、前記判定情報表示手段は、前記光源を点灯または消灯させることで前記発光領域を発光状態または非発光状態に切り替えて前記判定情報を表示可能であり、前記発光領域は、その輪郭の形状が図柄を模した装飾的形状として成形されている。
上記のように、判定情報を発光領域の発光動作(点灯または消灯)によって表示する場合、極端にいえば単なる点発光でもよいことになる。ただし、それではフロントユニットの装飾形状が無駄になったり、判定情報がミスマッチになったりすることがあるので、この場合では発光領域の輪郭形状にも図柄を模した装飾的形状を付することとしている。これにより、フロントユニットの装飾形状を活かしながら判定情報の表示を行うことができる。
また、実施形態から把握できるブラックアウト演出に係る発明として以下のような発明がある。
図柄始動条件(例えば、始動入賞口45又は電動始動入賞口46への入賞)が成立すると図柄表示装置(例えば、液晶表示器116の表示領域42)に複数の図柄(例えば、左・中・右の装飾図柄80a〜80c)が変動表示され、その後に停止される複数の図柄の表示態様によって遊技者に特典付与(例えば、大当り遊技)の可否を認識させる遊技機(例えば、パチンコ機1)であって、前記図柄表示装置に特典付与の可否に関わる情報(例えば、左・中・右の装飾図柄80a〜80cの変動表示やキャラクタ70等)を表示する情報表示手段(例えば、変動表示パターンに基づいて左・中・右の装飾図柄80a〜80cの変動表示を表示領域42に表示する制御)と、該情報表示手段による情報が表示される全域が視認困難又は視認不可能となるような暗転画像(例えば、暗転画像83)を前記図柄表示装置に所定時間(例えば、1〜2秒)、表示する暗転表示手段(例えば、演出番号1〜6の稲妻予告パターンに基づくブラックアウト演出として暗転画像83を表示領域42に表示する制御)と、を備えることを特徴とする。
上記のように実施形態から把握できる実施発明においては、暗転表示手段により特典付与(例えば、大当り遊技や確率変動等)の可否に関わる情報が表示される全域が視認困難又は視認不可能となるような暗転画像を図柄表示装置に所定時間、表示されることにより、遊技者が特典付与の可否に関わる情報に注目することができなくなり、図柄表示装置に表示される特典付与の可否に関わる情報以外の他の演出を意識させることができる。従って、特典付与の可否に関わる情報以外の演出を意識させることで、遊技が単調となることがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、前記複数の図柄のうち未だ停止していない図柄が変動表示されているリーチ態様(例えば、左・右の装飾図柄80a,80cの変動表示が停止された態様)が成立した後、前記複数の図柄の表示態様が特典付与の結果となる信頼度(例えば、大当り信頼度)を告知するリーチ演出(例えば、ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出及びスーパーリーチ発展演出)を表示するリーチ演出表示手段(例えば、変動表示パターンに基づいてリーチ演出を表示領域42に表示する制御)と、該リーチ演出表示手段により前記リーチ演出が表示されるよりも前に、前記リーチ演出が表示される旨を予告する予告演出(例えば、稲妻フラッシュ予告、背景変化予告及びスポットライト予告)を表示する予告演出表示手段(例えば、稲妻予告パターンに基づいて予告演出を表示領域42に表示する制御。但し、予告演出としてのスポットライト予告では、ブラックアウト演出以降の演出が変動表示パターンに基づく。)と、を備え、該予告演出表示手段は、前記暗転表示手段により前記暗転画像を表示した後、前記予告演出を表示することを特徴とする。
上記のように実施形態から把握できる実施発明においては、暗転表示手段により暗転画像を表示した後、予告演出表示手段により予告演出を表示することにより、図柄表示装置に表示される予告演出を意識させることができる。従って、予告演出を意識させることで、遊技が単調となることがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
前記暗転表示手段は、前記予告演出表示手段による前記予告演出が表示されない場合にも、前記暗転画像が表示される(例えば、変動番号1,3,4の変動表示パターンであって、演出番号1,2の稲妻予告パターンに基づくブラックアウトガセ演出として暗転画像83を表示領域42に表示する)ことを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明においては、予告演出表示手段による予告演出が表示されない場合にも、暗転表示手段により暗転画像が表示されることにより、例え暗転画像が表示されたとしても、暗転画像が表示された後に予告演出が表示されるとは限らず、暗転画像が表示された後も図柄表示装置に表示される演出に注目させることができる。従って、遊技が単調となることがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、前記暗転表示手段は、第1の暗転態様で暗転画像を表示する第1の暗転表示手段(例えば、演出番号2〜6の稲妻予告パターンに基づく1回目のブラックアウト演出として暗転画像83を表示領域42に表示する制御)と、前記第1の暗転態様よりも暗転度合いの高い第2の暗転態様で暗転画像を表示する第2の暗転表示手段(例えば、演出番号2〜6の稲妻予告パターンに基づく1回目のブラックアウト演出として暗転画像83を表示領域42に表示する制御)と、を含み、前記第1の暗転表示手段により前記第1の暗転態様で暗転画像が表示された後、前記情報表示手段により情報が表示された後に前記第2の暗転表示手段により前記第2の暗転態様で暗転画像が表示されることを特徴とする。
上記のように実施形態から把握できる実施発明においては、第1の暗転表示手段により第1の暗転態様で暗転画像が表示された後、情報表示手段により情報が表示された後に第2の暗転表示手段により第2の暗転態様で暗転画像が表示されることにより、遊技者が特典付与の可否に関わる情報に段階的に注目することができなくなり、図柄表示装置に表示される特典付与の可否に関わる情報以外の他の演出を意識させることができる。従って、特典付与の可否に関わる情報以外の演出を意識させることで、遊技が単調となることがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、前記図柄表示装置に前記リーチ演出を表示するためのリーチ演出パターン(例えば、変動表示パターン)を複数種類記憶するリーチ演出パターン記憶手段(例えば、変動表示パターンが設定されている変動表示パターンテーブルを記憶する主制御基板101のROM101b)と、前記リーチ演出を表示するか否かを決定するリーチ演出表示決定手段(例えば、変動表示パターン設定処理のS43で変動番号3〜35の変動表示パターンのいずれかに決定する制御)と、前記リーチ演出表示決定手段により前記リーチ演出を表示することが決定されたときに、前記リーチ演出パターン記憶手段から前記リーチ演出パターンの1つを選択するリーチ演出パターン選択手段(例えば、変動表示パターン設定処理のS43で変動番号3〜35の変動表示パターンから1つの変動表示パターンに決定する制御)と、前記図柄表示装置に前記予告演出を表示するための予告演出パターン(例えば、稲妻予告パターン)を複数種類記憶する予告演出パターン記憶手段(例えば、稲妻予告パターンが設定されている稲妻予告パターンテーブルを記憶するサブ統合基板111のROM111b)と、前記予告演出を表示するか否かを決定する予告演出表示決定手段(例えば、予告選択処理のS125で演出番号1〜6の稲妻予告パターンのいずれかに決定する制御)と、前記予告演出表示決定手段により前記予告演出を表示することが決定されたときに、前記予告演出パターン記憶手段から前記予告演出パターンの1つを選択する予告演出パターン選択手段(例えば、予告選択処理のS125で演出番号1〜6の稲妻予告パターンから1つの稲妻予告パターンに決定する制御)と、を備え、前記予告演出パターン記憶手段は、前記図柄表示装置に前記暗転画像を表示する機能を含む前記予告演出パターンを複数種類記憶し、前記予告演出表示手段は、前記予告演出パターン選択手段により選択された前記予告演出パターンの1つに従って、前記暗転表示手段により前記暗転画像を表示した後に前記予告演出を表示し、前記リーチ演出表示手段は、前記予告演出表示手段により前記予告演出を表示した後、前記リーチ演出パターン選択手段により選択された前記リーチ演出パターンの1つに従って、前記リーチ演出を表示することを特徴とする。
上記のように実施形態から把握できる実施発明においては、予告演出パターン選択手段により選択された予告演出パターンの1つに従って、暗転表示手段により暗転画像を表示した後、予告演出表示手段により予告演出を表示した後にリーチ演出パターン選択手段により選択されたリーチ演出パターンの1つに従って、リーチ演出表示手段によりリーチ演出を表示することにより、暗転画像が表示された後にいずれの予告演出が表示されるかが分からず、暗転画像が表示された後も図柄表示装置に表示される予告演出に注目させることができる。従って、複数種類の予告演出により遊技が単調となることがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、前記予告演出パターン記憶手段は、前記予告演出パターンとして、前記暗転画像に閃光(例えば、稲妻87)を表示する閃光表示手段(例えば、演出番号4,5の稲妻予告パターンに基づいて稲妻87を表示領域42に表示する制御)と、該閃光表示手段による閃光の明るさに照らされることで前記暗転画像に図柄を視認可能な態様に表示する暗転時図柄表示手段(例えば、演出番号4,5の稲妻予告パターンに基づいて稲妻87と共に、左の装飾図柄80a又は右の装飾図柄80cを表示領域42に表示する制御)と、を実行する閃光予告演出パターン(例えば、演出番号4,5の稲妻予告パターン)を含み、前記予告演出表示手段は、前記予告演出パターン選択手段により前記閃光予告演出パターンが選択されたときに、前記暗転表示手段により前記暗転画像を表示した後、前記リーチ態様が成立するまで、前記複数の図柄の変動表示の各々が停止するタイミングで、前記暗転時図柄表示パターンにより図柄を視認可能な態様に表示することを特徴とする。
上記のように実施形態から把握できる実施発明においては、予告演出パターン選択手段により閃光予告演出パターンが選択されたときに、暗転表示手段により暗転画像を表示した後、リーチ態様が成立するまで、複数の図柄の変動表示の各々が停止するタイミングで、暗転時図柄表示パターンにより図柄を視認可能な態様に表示することにより、閃光予告表示パターンが暗転画像の表示ならではの演出であり、通常のリーチ態様の形成時には図柄表示装置に表示されることのない予告演出に注目させることができる。従って、閃光予告表示パターンに従った予告演出により遊技が単調となることがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、前記情報表示手段は、前記図柄表示装置に背景画像として、態様の異なる第1の背景画像(例えば、昼背景の背景画像81)と第2の背景画像(例えば、夜背景の背景画像82)とを表示する機能(例えば、昼背景の背景画像81又は夜背景の背景画像82を表示領域42に表示する制御)を含み、前記予告演出パターン記憶手段は、前記予告演出パターンとして、前記第1の背景画像を前記第2の背景画像に切替表示する背景予告演出パターン(例えば、演出番号3の稲妻予告パターン)を含み、前記予告演出表示手段は、前記予告演出パターン選択手段により前記背景予告演出パターンが選択されたときに、前記情報表示手段により前記第1の背景画像を表示した後、前記暗転表示手段により前記暗転画像を表示した後に前記第2の背景画像に切替表示し、前記予告演出パターン選択手段は、前記第2の背景画像が表示されているときには、前記閃光予告演出パターンが選択される割合が高い(例えば、夜背景の背景画像82の表示(昼背景フラグがOFF状態)であるときに選択される夜背景用稲妻予告テーブルにおいて、演出番号4,5が選択される割合が高く設定されている)ことを特徴とする。
上記のように実施形態から把握できる実施発明においては、予告演出パターン選択手段により背景予告演出パターンが選択されたときに、情報表示手段により第1の背景画像を表示した後、暗転表示手段により暗転画像を表示した後に第2の背景画像に切替表示し、第2の背景画像が表示されているときには、予告演出パターン選択手段により閃光予告演出パターンが選択される割合が高いことにより、今回の予告演出では第1の背景画像から第2の背景画像に切替表示されるだけであるが、次回以降に行われる予告演出において、閃光予告演出パターンに従った予告演出が行われるのではないかという期待感をもつことができる。
また、前記リーチ演出パターン記憶手段は、前記リーチ演出パターンとして、複数種類のキャラクタ(例えば、キャラクタ画像70〜74)のいずれかが登場するように設定された複数種類の第1のリーチ演出パターン(例えば、スーパーリーチ演出を表示する変動表示パターン)と、前記第1のリーチ演出パターンよりも信頼度の高い旨を告知すると共に、前記複数種類のキャラクタのいずれかが登場するように設定された複数種類の第2のリーチ演出パターン(例えば、スーパーリーチ発展演出を表示する変動表示パターン)と、を含み、前記予告演出パターン記憶手段は、前記予告演出パターンとして、前記暗転画像にスポットライト(例えば、スポットライト88)を表示するスポットライト表示手段(例えば、変動番号23〜31の変動表示パターンに基づいてスポットライト88を表示領域42に表示する制御)と、該スポットライト表示手段によるスポットライトに照らされることで前記暗転画像に前記複数種類のキャラクタのいずれかを視認可能な態様に表示するキャラクタ表示手段(例えば、変動番号23〜31の変動表示パターンに基づいてキャラクタ画像70〜74のいずれかを表示領域42に表示する制御)と、を実行するスポットライト予告演出パターン(変動番号23〜31の変動表示パターンと演出番号2の稲妻予告パターンとの組み合わせ)を含み、前記予告演出表示手段は、前記予告演出パターン選択手段により前記スポットライト予告演出パターンが選択されたときに、前記暗転表示手段により前記暗転画像を表示した後、前記スポットライト表示手段により前記スポットライトを表示すると共に、前記キャラクタ表示手段により前記複数種類のキャラクタのいずれかを視認可能な態様に表示し、前記リーチ演出表示手段は、前記キャラクタ表示手段により表示された前記複数種類のキャラクタのいずれかに対応した前記第2のリーチ演出パターンに従って、前記リーチ演出が表示されることを特徴とする。
上記のように実施形態から把握できる実施発明においては、予告演出パターン選択手段によりスポットライト予告演出パターンが選択されたときに、暗転表示手段により暗転画像を表示した後、キャラクタ表示手段により複数種類のキャラクタのいずれかを視認可能な態様に表示し、キャラクタ表示手段により表示された複数種類のキャラクタのいずれかに対応した第2のリーチ演出パターンに従って、リーチ演出表示手段によりリーチ演出が表示されることにより、スポットライト予告表示パターンが暗転画像の表示ならではの演出であり、また、暗転画像が表示された後に図柄表示装置に表示されるキャラクタの種類により複数の図柄の表示態様が特典付与の結果となる信頼度が異なる第2のリーチ演出パターンに従ったリーチ演出が表示されることから、暗転画像が表示された後も図柄表示装置に表示される予告演出に注目させることができる。従って、スポットライト予告表示パターンに従った予告演出により遊技が単調となることがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、キャラクタ表示手段により複数種類のキャラクタのいずれかが表示されたときに、第1のリーチ演出パターンよりも信頼度の高い第2のリーチ演出パターンに従ったリーチ演出の表示が確定することにより、予告演出の段階から複数の図柄の表示態様が特典付与の結果となる期待感をもつことができる。
また、前記リーチ演出表示手段は、前記暗転表示手段により前記暗転画像を表示した後、前記予告演出表示手段により前記予告演出が表示されない場合には、前記リーチ演出とは異なる特別なリーチ演出(例えば、役物リーチ演出)が表示される(例えば、変動番号32,33の変動表示パターンに基づいて役物リーチ演出を表示領域42に表示する)ことを特徴とする。
上記のように実施形態から把握できる実施発明においては、暗転表示手段により暗転画像を表示した後、予告演出表示手段により予告演出が表示されない場合には、リーチ演出表示手段によりリーチ演出とは異なる特別なリーチ演出が表示されることにより、暗転画像が表示された後に予告演出が表示されないことで複数の図柄の表示態様が特典付与の結果となる期待感が一旦は低下するが、特別リーチ演出が表示されることで再度、向上させることができ、遊技の興趣にメリハリを与えることができる。また、特別なリーチ演出が表示される可能性があることを認識している遊技者にとっては、例え予告演出が表示されなくとも、特別なリーチ演出が行われるのではないかという期待感をもって、暗転画像が表示された後も図柄表示装置に表示される演出に注目させることができる。従って、特別のリーチ演出により遊技が単調となることがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。