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JP2006121051A - 熱伝導性シート及びその製造方法 - Google Patents

熱伝導性シート及びその製造方法 Download PDF

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JP2006121051A JP2005262530A JP2005262530A JP2006121051A JP 2006121051 A JP2006121051 A JP 2006121051A JP 2005262530 A JP2005262530 A JP 2005262530A JP 2005262530 A JP2005262530 A JP 2005262530A JP 2006121051 A JP2006121051 A JP 2006121051A
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Abstract

【課題】モノマーやオリゴマー等の低分子量物質がブリートーアウトする恐れがないポリマー組成物を用いて、熱伝導性が高く寸法安定性が良好で、柔らかく、荷重特性もよく、割れも生じにくい熱伝導性シート及びその製造方法を提供する。
【解決手段】熱伝導性フィラーを配合したアクリル系重合体を主成分とする熱伝導性シートであって、前記シートの内層又は片面は無溶剤の粘着性弾性体層(1)であり、前記シートの上下面から選ばれる少なくとも一方の表層部には、硬化薄膜層(2)を一体化させている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発熱の大きな電子部品をヒートシンク・放熱器等の冷却部に実装する際に使用される熱伝導性シート及びその製造方法に関する。
従来、パワートランジスタやパワーモジュール等の大きな発熱を伴う電子部品(以下:発熱性電子部品)をヒートシンクや放熱器等に取り付ける際に、部品間に生じる間隙をなくし、発熱性電子部品で生じた熱を効率よくヒートシンクや放熱器等に伝達する為に使用される熱伝導性材料は、液状シリコーンに金属酸化物などを混合した放熱グリース、放熱コンパウンドやシリコーンゴムに金属酸化物を混合してシート状に成型した熱伝導性放熱部材が提案されている(下記特許文献1〜2)。
特開平9−207275号公報 特開平10−183110号公報
しかし、液状シリコーン樹脂やシリコーンゴムから成るグリース、コンパウンドや放熱シートは発熱性電子部品が作動することによって発性する熱によって放熱部材が加熱されると低分子シロキサンが揮発する、電子機器内部に充満した揮発低分子シリコーンによりいわゆるシリコーントラブルが発生しやすくなり最近は敬遠されている。そのため近年はシリコーン以外の素材で作られた放熱部材が多く使用される様になってきた。
本発明は前記の問題を解決するため、モノマーやオリゴマー等の低分子量物質がブリートーアウトする恐れがないポリマー組成物を用いて、熱伝導性が高く寸法安定性が良好で、柔らかく、荷重特性もよく割れも生じにくい熱伝導性シート及びその製造方法を提供する。
本発明の熱伝導性シートは、熱伝導性フィラーを配合したアクリル系重合体を主成分とする熱伝導性シートであって、前記シートの内層又は片面は無溶剤の粘着性の弾性体であり、前記シートの上下面から選ばれる少なくとも一方の表層部には、硬化薄膜層を一体化させたことを特徴とする。
本発明の熱伝導性シートの製造方法は、熱伝導性フィラーを配合したアクリル系重合体を主成分とする熱伝導性シートの製造方法であって、上側離型フィルム及び下側離型フィルムから選ばれる少なくとも一方のフィルムの表面には熱伝導性の硬化薄膜層用材料を均一に薄膜状に塗布した硬化薄膜材料層を形成し、一方のフィルムが前記硬化薄膜材料層を有する場合は、他方のフィルムは離型フィルムとし、前記上側フィルムと下側フィルムの間に、熱伝導性フィラーを配合したアクリル系重合体主成分のシート母材を供給し、所定の厚さのシートに成形し、その後、前記シートの表層部のみを硬化させた後に前記フィルムを剥ぎ取ることにより、内層又は片面は無溶剤の粘着性の弾性体であり、前記シートの上下面から選ばれる少なくとも一方の表層部には、硬化薄膜層を一体化させた熱伝導性シートを製造することを特徴とする。
本発明によれば、熱伝導性フィラーを配合したアクリル系重合体を主成分とする熱伝導性シートであって、前記シートの内層又は片面は無溶剤の粘着性の弾性体であり、前記シートの上下面から選ばれる少なくとも一方の表層部には、硬化薄膜層を一体化させたことにより、モノマーやオリゴマー等の低分子量物質がブリートーアウトする恐れがなく、熱伝導性が高く寸法安定性が良好で、柔らかく、荷重特性もよく割れも生じにくい熱伝導性シート及びその製造方法を提供できる。また、少なくとも片面表層部に硬化させた薄膜層を成形するあるいはシート状の補強材を埋設成形させることによって離型紙から製品を剥がしたときの伸びはかなり小さくなり取り扱い性がよくなる。さらに変性アクリレートとアクリルモノマーの比率あるいは、変性アクリレートとアクリルポリマーの比率を適正な比率にすると、シートを曲げたとき割れないシートになる。
本発明の熱伝導シートは、熱伝導性フィラーを配合したアクリル系重合体を主成分とする。ここで主成分とは、有機成分全体を100質量%としたとき、20質量%以上をいう。アクリル系重合体をベース樹脂とすることにより、モノマーやオリゴマー等の低分子量物質がブリートーアウトする恐れはない。これは、アクリル系重合体自体が有する性質である。
また、本発明の熱伝導性シートの内層又は片面は無溶剤の粘着性の弾性体である。ここで無溶剤とは、積極的に有機溶剤を加えないという意味である。空気中の水分を吸着する程度の水分は含んでいてもよい。これにより、電子部品等の発熱体に貼り付けたとき、厚さ方向に自由変形して発熱体に隙間無く貼り付けることができ、伝熱性が高く、放熱も高くできる。このシートの上下面から選ばれる少なくとも一方の表層部には、硬化薄膜層を一体化させている。これにより、内層又は片面はつきたてのお餅のように柔らかいが、表層は硬い薄膜層を有しているので、取り扱いやすいものとなる。
本発明の熱伝導性シートの製造方法は、いわゆる転写法により、柔らかいシート母材の表層に熱伝導性の硬化薄膜層用材料の薄膜を貼り付け、前記シートの表層のみを硬化させて本発明の熱伝導性シートを得る。すなわち、離型樹脂フィルム上に熱伝導性の硬化薄膜層用材料を均一に薄膜状に塗布し、前記塗布面に、熱伝導性フィラーを配合したアクリル系重合体主成分のシート母材を供給し、上から前記離型樹脂フィルム又は前記熱伝導性の硬化薄膜層用材料を均一に薄膜状に塗布した前記離型樹脂フィルムを被せて所定の厚さのシートに成形し、その後、前記シートの表層部のみを硬化させた後に前記フィルムを剥ぎ取ることにより製造する。
熱伝導性シートの片面又は両面に一体化した硬化薄膜層又は熱伝導性の硬化薄膜層のそれぞれの厚みは0.001mm〜0.50mmの範囲であることが好ましい、熱伝導性シート全体の厚みは0.10mm〜10mmであることが好ましい、さらに上下面の片面表層部付近にはシート状補強材を埋設させてあるが熱伝導性シートの厚みはシート状補強材の厚み以上であることが好ましい。
以下、各材料及び製造工程を説明する。
(1)熱伝導性フィラーを配合したアクリル系重合体主成分とする熱伝導性シート母材
熱伝導性シート母材の主成分であるアクリル系重合体としは、官能基としてのアクリル基、メタアクリル基が少なくとも2個以上あるオリゴマーあるいはポリマー単独で、官能基としてのアクリル基、メタアクリル基が少なくとも2個以上あるオリゴマーとモノマーの混合物、官能基としてのアクリル基、メタアクリル基が少なくとも2個以上あるポリマーとモノマーの混合物、官能基としてのアクリル基、メタアクリル基が少なくとも2個以上あるポリマー、オリゴマーとモノマーの混合物などが好適に用いられる。
熱伝導性シート母材はアクリル系重合体、100質量部に対して熱伝導性物質を50質量部〜3000質量部混合した配合物であって、好ましくは熱伝導性物質の充填量は500質量部〜2500質量部であることが好ましい。その場合の配合物の粘度は10000〜3000000cPの範囲であることが好ましい。
(2)熱伝導性フィラー
本発明の熱伝導性シート母材に配合する熱伝導性フィラーとしてはアルミニウム、銅、銀などの金属、アルミナ、マグネシア、シリカなどの金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素などから選ばれた1種又は2種以上の粉状、繊維状、針状、燐片状、球状などである。本発明においては金属酸化物が好適である。熱伝導性フィラーはそれらの材質によって選択された公知のシランカップリング剤で表面処理されていても良い。また、前記フィラーの大きさは、粒子の場合は平均粒子径0.2〜100μmが好ましく、他の形状のものも、概ねこれに順ずる範囲が好ましい。
(3)硬化薄膜層の材料
本発明の硬化薄膜層の材料は、アクリル基、メタアクリル基が少なくとも2個以上あるオリゴマーやポリマーとしてはウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートである、これらは通常市販されている単体あるいは二種類以上の混合物が適宜使用できる、薄膜硬化層用の材料は無溶剤であり、それらの粘度は50〜20000cPであることが好ましく、より好ましくは1000〜10000cPの範囲である。
(4)硬化薄膜層付きフィルム
硬化薄膜層の作成は、あらかじめ表面が離型処理された樹脂フィルム上に硬化薄膜層材料をナイフコーター法、バーコーター法、グラビアコーター法、多段ロールコーター法などで均一に薄膜塗布したフィルムを作成しておく。
(5)転写一体化
本発明では、硬化薄膜層の材料を均一に形成した面に、熱伝導性シート母材を充填し、母材を硬化させた後にフィルムを剥ぎ取り、熱伝導性シートの表面に硬化薄膜層材料を転写して一体化する方法が好ましい。成形方法としてはプレス成形、コーティング成形、カレンダー成形などがあるがコンパウンドの粘度の状況によりどの加工方法にするかは任意に選択できる。
(6)シート状補強材
シート状補強材は熱伝導性シートの内層に内包されるものであり、シートを補強し、著しい変形を抑制するものである、シート状補強材としては例えば、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の合成樹脂繊維を平織(Plain)、綾織(Twil)、朱子織り(Satin)、からみ織り(Leno)、摸紗織り(Mock Lene)などの織物にした織布または不織布である。それらの材質によって選択された公知のシランカップリング剤で表面処理されていても良い。本発明のシート状補強材は、熱伝導性シートの内層又は片面から露出しないように、内層又は片面に完全に内包されていることが好ましい。補強材が表面に露出すると、熱伝導性シートが凹凸になり、発熱性電子部品とヒートシンクや放熱器等の密着が充分でなく部品間に間隙を生じ、発熱性電子部品で生じた熱を効率よくヒートシンクや放熱器等に伝達することが困難になる。
(7)熱伝導性の硬化薄膜層の材料
本発明の好適な実施形態である熱伝導性の硬化薄膜層の材料はアクリル基、メタアクリル基が少なくとも2個以上あるオリゴマーや、ポリマーとしてはウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートがある。これらは通常市販されており、単体あるいは二種類以上の混合物が好適に使用できる。さらに硬化薄膜層に配合される熱伝導性物質はアルミニウム、銅、銀などの金属、アルミナ、マグネシア、シリカなどの金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素などから選ばれた1種又は2種以上の粉状、繊維状、針状、燐片状、球状などの物質である。本発明においては金属酸化物の粒子径は0.2〜8μmであることが好ましい。熱伝導性物質はそれぞれの材質によって選択された公知のシランカップリング剤で表面処理されていても良い。薄膜硬化層用の材料は無溶剤でありそれらの粘度は50〜20000cPであることが好ましく、より好ましくは1000〜10000cPの範囲である。
(8)熱伝導性の硬化薄膜層付きフィルム
熱伝導性の硬化薄膜層は、あらかじめ離型処理された樹脂フィルム上に熱伝導性の硬化薄膜層用材料をナイフコーター法、バーコーター法、グラビアコーター法、多段ロールコーター法などで均一に薄膜塗布したフィルムを作成しておく。次に熱伝導性の硬化薄膜層の材料を均一に形成した面に熱伝導性フィラーを配合したアクリル系重合体主成分のシート母材を充填し、配合物を硬化させた後に離型処理されたフィルムを剥ぎ取り熱伝導性シートの表面に熱伝導性の硬化薄膜層を転写して一体化する方法が好ましい。成形方法としてはプレス成形、コーティング成形、カレンダー成形などがあるがコンパウンドの粘度の状況によりどの加工方法にするかは任意に選択できる。いずれも硬化薄膜層を載せるフィルムはフッ素化合物、シリコーン化合物で表面処理されたポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムなどを使用するのが好ましい。
(9)離型フィルム
離型フィルムはフッ素化合物、シリコーン化合物で表面処理されたポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、フッ素フィルムなどを適宜選択して使用する。
(10)保護フィルム
熱伝導性シートの硬化薄膜層がないもう一方の面にはエンボス処理を施した保護フィルムなどでカバーされていることが好ましい。エンボス処理フィルムとは表面に凸凹を施したフィルムである。熱伝導性シートの粘着力の差により凸凹の密度を加減して適宜使用する。シップ薬表面に施されている様なシートの事である。材質は樹脂フィルムで有れば何でも良いがポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂性の厚みが30μmから80μm程度のフィルムが好ましい。表面の凸凹は120μm以上の差あることが好ましい。
図1Aは本発明に係る熱伝導性シートの一実施例を示す断面図である。図1Aに示すように、熱伝導性シートは、熱伝導性充填剤を配合したアクリル系重合体を主成分とする無溶剤の粘着性弾性体層1と、熱伝導性充填剤配合の硬化薄膜層2とで構成されている。すなわち、無溶剤の粘着性弾性体層1の片面表層部に薄膜硬化層2が形成されている。図1Bは無溶剤の粘着性弾性体層1の両面表層部に硬化薄膜層2を形成した例である。
図2Aは本発明に係る別の熱伝導性シートの一実施例を示す断面図である。図2Aに示すように、熱伝導性シートは熱伝導性充填剤配合したアクリル系重合体を主成分とする無溶剤の粘着性弾性体層1と、シート状の補強材3と、その表層の熱伝導性充填剤配合の硬化薄膜層2で構成されている。シート状の補強材3は無溶剤の粘着性弾性体層1に埋め込まれている。
図2Bは本発明に係るさらに別の熱伝導性シートの一実施例を示す断面図である。図2Bに示すように、熱伝導性シートは熱伝導性充填剤配合したアクリル系重合体を主成分とする無溶剤の粘着性の弾性体層1と、シート状の補強材3と、その表層の熱伝導性充填剤配合の硬化薄膜層2と、無溶剤の粘着性弾性体層1の裏面の硬化薄膜層2で構成されている。シート状の補強材3は、ポリエステル繊維、耐熱ナイロン繊維、アラミド繊維、綿繊維等からなる網目状構造体を用いるが、耐熱性面から考えてポリエステル繊維もしくは耐熱ナイロン繊維が好ましい。
[測定方法]
次に本発明の実施例及び比較例で測定した各試験の測定方法を説明する。
(1)伸び
この測定は、シートの横方向の伸び(変形度合い)を測定した。厚み0.5mmの試験シートから正確に切断機を使用し離型シート上でハーフカット(離型シートは切断せず、熱伝導性シートからなる試験シートのみを切断)して縦:25mm、横:25mmの方形状にする、次に離型シートから試験シートを指で剥がして取り出し、正確に採寸して試料シートの伸びとした。
(2)硬度
厚み3.0mmの試験シートを使用しJIS-K7312(熱硬化性ポリウレタンエラストマー成型物の物理試験方法)で測定した。
(3)荷重
ここでいう荷重とはシートを圧縮し、変形を起こしたときの圧縮力をいう。荷重を測定する目的は、硬化薄膜を含んだ時のシートの圧縮変形の程度を示すためである。荷重が高いほど変形しにくい特性を示す。測定は、厚み3.0mmの試験シートを縦:25mm、横:25mmの方形状に切断したのち、アルミ板(縦:27mm、横:27mm、高さ:3mm)のほぼ正確に中央に貼り合わせる。次にアイコーエンジニアリング(株)製 MODEL310N(圧縮荷重測定装置)に200Kgfのロードセルを取り付けた装置で5mm/分の速度で試験シートが50%になるまで圧縮しその荷重を測定した。
(4)シート全体の厚さ方向の熱抵抗値
熱抵抗値は厚み0.5mmの試験シートで測定した。熱抵抗値測定装置10は図3(上から見た平面図)及び図4(側断面図)に示すとおりであり、まず、所定の形状に打ち抜いたサンプル11を作成し、これをトランジスタ12と放熱器13(15は放熱フィン)との間に入れて取り付けた。取り付けはトルクドライバーを使用して、M3ねじ14を所定のトルク(5 kg−cm)で締め付けた。取り付けた後、トランジスタ12にDC10V、2A(20W)を印加し、3分後トランジスタ温度Toと放熱器温度Tfを所定の位置に取り付けた温度センサーにより測定した。次に、2点の温度より式によって算出した。トランジスタ:2SC2245(株)富士電機、放熱器:40CH104L−90−K(株)リョウサン製、温度センサー:2SC1−OHK300(株)チノー製、雰囲気温度湿度条件:25℃、60%RHとし、次の熱抵抗算出式によって求めた。
熱抵抗算出式 θ=(Tc−Tf)/PC
θ :熱抵抗値(℃/W)
Tc:トランジスタ温度(℃)
Tf:放熱器温度(℃)
PC:トランジスタ印加電力
(5)割れの有り無しの評価方法
直径4mmの金属棒に厚み0.5mmの試験シートを折り曲げる様に沿わせ試験シートが割れてしまうかどうかで判定した。
(6)粘着力
JIS−Z−0237(粘着テープ・粘着シート試験方法)で測定とした。
(7)取り外し性
この試験は、シートを圧縮変形した時の取り外し易さを測定した。厚み3.00mmの試験シートを縦:50mm、横:50mmの方形状に切断したのち、アルミ板(縦:55mm、横:55mm、高さ:3mm)のほぼ正確に中央に貼り合わせた。次にアイコーエンジニアリング(株)製MODEL310N(圧縮荷重測定装置)に200Kgfのロードセルを取り付けた装置で5mm/分の速度で試験シートが50%(1.50mm)になるまで圧縮し、荷重を開放したのちアルミ板が手で取り外せるかどうかで判定した。
次に実施例、比較例について説明する。
1.試験―1(実施例1〜4、比較例1)
(1)熱伝導性シート母材の作成
アクリルポリマー(JDX−P1020/製品名・ジョンソンポリマー社製)100質量部とアクリルモノマー(FA−511A/製品名・日立化成工業社製)20質量部に酸化アルミニウム(AS30/製品名・昭和電工社製)300質量部、鉄黒2質量部、加硫剤(t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサネート/化学品名・化薬アクゾ社製)1.0質量部をミキサーで混練りして熱伝導性シート母材を作成した。熱伝導率は0.8W/m-Kである。
(2)硬化薄膜層の作成
硬化薄膜層の材料としては、ウレタンアクリレート(アロニックスM−1200/製品名・東亞合成社製)をフッ素離型処理を施した厚み0.10mmのポリエステルフィルム上にコーティング機で厚み2μmに均一に薄膜塗布して、硬化薄膜層付きフィルムを作成した。以下このフィルムを「フィルム1」という。
(3)離型フィルム
離型フィルムはフッ素化合物で表面処理された厚み0.10mmのポリエステルフィルムを用いた。
(4)シート状補強材の作成
シート状補強材はポリエステル繊維メッシュ(C33 A2−100E11/製品名、厚み0.16mm、ユニチカグラスファイバー株式会社製)の表面に油脂、汚れなどが付着しないようにして所定の大きさに切断して作成した。
(実施例1)
前記フィルム1の上に熱伝導性シート母材を載せた後、上部に離型フィルムを載せ、サンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型し、厚み0.5mmと厚み3.0mmの片面に硬化薄膜層を一体化したシート(A1)を作成した。
(実施例2)
フィルム1の上にシート状補強材を置いた後に熱伝導性シート母材を載せた後、離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃X30分の加熱・加圧プレス成型し厚み0.5mmと厚み3.0mmのシート状補強材を内包し片面に硬化薄膜層を一体成形したシート(A2)を作成した。
(実施例3)
フィルム1の上に熱伝導性シート母材を載せた後フィルム1を載せ、サンドイッチ状態にし、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型し、厚み0.5mmと厚み3.0mmの両面に硬化薄膜層を一体成形したシート(A3)を作成した。
(実施例4)
フィルム1の上にシート状補強材を置いた後に熱伝導性シート母材を載せた後、フィルム1を載せサンドイッチ状態にし、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型し、厚み0.5mmと厚み3.0mmのシート状補強材を内包し両面に硬化薄膜層を一体成形したシート(A4)を作成した。
(比較例1)
離型フィルムの上に熱伝導性シート母材を載せた後、同一の離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型し、厚み0.5mmと厚み3.0mmのシート(B1)を作成した。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2006121051
表1から明らかなとおり、表面に硬化薄膜層が一体化成型されたシートは取り扱い性が良好であった。また、表面補強層を設けることによって離型紙からシートを剥がしたときの伸びはかなり小さくすることができた。さらに、変性アクリレートとアクリルモノマーあるいは変性アクリレートとアクリルポリマーを混合したもので薄膜硬化層を作成した場合、シートを剥がしたときの伸びほぼ0にできた。また、折り曲げたときシートは割れなかった。
比較例1と比べて実施例1〜5は離型紙からシートを剥がしたときの伸びはかなり小さくなり取り扱い性が良好であった。
2.試験―2(実施例5〜12・比較例2)
(1)熱伝導性シート母材の作成
試験―1と同様の方法で熱伝導性シート母材を作成した。
(2)硬化薄膜層を形成したフィルムの作成
表層部に一体化する硬化薄膜層の材質を変えて試験する為に以下のフィルム2からフィルム9を作成した
[フィルム2]ウレタンアクリレート(アロニックスM−1200/製品名・東亞合成株式会社製)をフッ素離型処理を施した厚み0.10mmのポリエステルフィルム上にコーティング機で厚み2μmに均一に薄膜塗布したフィルム2を作成した。
[フィルム3]エポキシアクリレート(8101/商品名・日本ユピカ株式会社製)をフッ素離型処理を施した厚み0.10mmのポリエステルフィルム上にコーティング機で厚み2μmに均一に薄膜塗布したフィルム3を作成した。
[フィルム4]ポリエステルアクリレート(M-8060/商品名・東亞合成株式会社製)をフッ素離型処理を施した厚み0.10mmのポリエステルフィルム上にコーティング機で厚み2μmに均一に薄膜塗布したフィルム4を作成した。
[フィルム5]ウレタンアクリレート(アロニックスM−1200/製品名・東亞合成株式会社製)80質量部とフェノキシアクリレート(大阪有機化学工業株式会社)20質量部を均一に混合した溶液をフッ素離型処理を施した厚み0.10mmのポリエステルフィルム上にコーティング機で厚み2μmに均一に薄膜塗布したフィルム5を作成した。
[フィルム6]エポキシアクリレート(8101/商品名・日本ユピカ株式会社製)80質量部とフェノキシアクリレート(大阪有機化学工業株式会社)20質量部を均一に混合した溶液をフッ素離型処理を施した厚み0.10mmのポリエステルフィルム上にコーティング機で厚み2μmに均一に薄膜塗布したフィルム6を作成した。
[フィルム7]ポリエステルアクリレート(M-8060/商品名・東亞合成株式会社製)80質量部とフェノキシアクリレート(大阪有機化学工業株式会社)20質量部を均一に混合した溶液をフッ素離型処理を施した厚み0.10mmのポリエステルフィルム上にコーティング機で厚み2μmに均一に薄膜塗布したフィルム7を作成した。
[フィルム8]アクリルポリマー(JDX−P1020/製品名・ジョンソンポリマー社製)80質量部とフェノキシアクリレート(大阪有機化学工業株式会社)20質量部を均一に混合した溶液をフッ素離型処理を施した厚み0.10mmのポリエステルフィルム上にコーティング機で厚み2μmに均一に薄膜塗布したフィルム8を作成した。
[フィルム9]アクリルポリマー(JDX−P1020/製品名・ジョンソンポリマー社製)80質量部とウレタンアクリレート(アロニックスM−1200/製品名・東亞合成株式会社製)20質量部を均一に混合した溶液をフッ素離型処理を施した厚み0.10mmのポリエステルフィルム上にコーティング機で厚み2μmに均一に薄膜塗布したフィルム9を作成した。
[離型フィルム]離型フィルムはフッ素化合物で表面処理された厚み0.10mmのポリエステルフィルムを用いた。
(実施例5)
フィルム2の上に熱伝導性シート母材を載せた後に上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmの片面に硬化薄膜層を一体化したシート(A5)を作成した。
(実施例6)
フィルム3の上に熱伝導性シート母材を載せた後に上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmの片面に硬化薄膜層を一体化したシート(A6)を作成した。
(実施例7)
フィルム4の上に熱伝導性シート母材を載せた後に上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmの片面に硬化薄膜層を一体化したシート(A7)を作成した。
(実施例8)
フィルム5の上に熱伝導性シート母材を載せた後に上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmの片面に硬化薄膜層を一体化したシート(A8)を作成した。
(実施例9)
フィルム6の上に熱伝導性シート母材を載せた後に上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmの片面に硬化薄膜層を一体化したシート(A9)を作成した。
(実施例10)
フィルム7の上に熱伝導性シート母材を載せた後に上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmの片面に硬化薄膜層を一体化したシート(A10)を作成した。
(実施例11)
フィルム8の上に熱伝導性シート母材を載せた後に上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmの片面に硬化薄膜層を一体化したシート(A11)を作成した。
(実施例12)
フィルム9の上に熱伝導性シート母材を載せた後に上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmの片面に硬化薄膜層を一体化したシート(A12)を作成した。
(比較例2)
離型フィルムの上に熱伝導性シート母材を載せた後に上部に同一の離型フィルムをのせサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型し厚み0.5mmと厚み3.0mmのシート(B2)を作成した。
以上の結果を表2に示す。
Figure 2006121051
表2から明らかなとおり、本発明の実施例品は、硬化薄膜層を一体化したことにより、離型フィルムから各実施例のシートを剥がした時のシートの伸びを小さくすることができた。これにより、シートの変形を防止することができた。
また、変性アクリレートとアクリルモノマー又はアクリルポリマーを混合(8:2)した材料により作られた硬化薄膜層を一体化したシートは、離型フィルムからシートを剥がした時の伸びがほぼ“0”であり、折り曲げてもシートは割れなかった。これにより、取り扱い性が良いことが確認できた。このなかでも実施例9〜12のサンプルNo.A9〜A12はシートを曲げたとき割れない特性が高かった。
また、実施例6〜実施例8のサンプルNo.A6〜A8は変性アクリレートのみで硬化薄膜層を形成した。変性アクリレートは分子中に官能基が多いため、硬化薄膜層の架橋密度が高くなり硬化薄膜層は割れやすくなるが、実施例9〜実施例12のサンプルNo.A9〜A12は変性アクリレートにアクリルモノマー又はアクリルゴムを添加して硬化薄膜層の架橋密度を下げたところ、硬化薄膜層に柔軟性が出て割れにくくなった。
比較例2のサンプルNo.B2は熱伝導性シート母材のみで試料を作成した例である。比較例2のサンプルNo.B2はシートが伸びて変形して好ましくはなかった。これに対して、実施例9〜実施例12のサンプルNo.A9〜A12のシートは、厚さ方向には変形するが、横方向には伸びず、形態安定性が良好であった。
3.試験―3(実施例13〜20・比較例3,4)
(1)熱伝導性シート母材の作成
試験―1と同様の方法で熱伝導性シート母材を作成した。
(2)熱伝導性の硬化薄膜層付きフィルム
表層部に一体化する熱伝導性の硬化薄膜層の材質を変えて試験する為に以下のフィルム11からフィルム14を作成した
[フィルム11]
ウレタンアクリレート(アロニックスM−1200/製品名・東亞合成株式会社製)100質量部に酸化アルミニウム(AL−43L/製品名・昭和電工株式会社製)200質量部、鉄黒2質量部、加硫剤(t−アルミペルオキシ−2−エチルヘキサネート/化学品名・化薬アクゾ株式会社製)1質量部をミキサーで充分混合した後、フッ素離型処理を施した厚み0.10mmのポリエステルフィルム上にコーティング機で厚み2μmに均一に薄膜塗布したフィルム11を作成した。
[フィルム12]
ポリエステルアクリレート(M-6100/商品名・東亜合成株式会社製)100質量部に酸化アルミニウム(AL−43L/製品名・昭和電工株式会社製)200質量部、鉄黒2質量部、加硫剤(t−アルミペルオキシ−2−エチルヘキサネート/化学品名・化薬アクゾ株式会社製)1質量部をミキサーで充分混合した後、フッ素離型処理を施した厚み0.10mmのポリエステルフィルム上にコーティング機で厚み2μmに均一に薄膜塗布したフィルム12を作成した。
[フィルム13]
アクリルポリマー(JDX−P1020/製品名・ジョンソンポリマー社製)30質量部とウレタンアクリレート(アロニックスM−1100/製品名・東亞合成株式会社製)70質量部に酸化アルミニウム(AL−43L/製品名・昭和電工株式会社製)200質量部、鉄黒2質量部、加硫剤(t−アルミペルオキシ−2−エチルヘキサネート/化学品名・化薬アクゾ株式会社製)1質量部をミキサーで充分混合した後、フッ素離型処理を施した厚み0.10mmのポリエステルフィルム上にコーティング機で厚み2μmに均一に薄膜塗布したフィルム13を作成した。
[フィルム14]
アクリルポリマー(JDX−P1020/製品名・ジョンソンポリマー社製)30質量部とポリエステルアクリレート(M-6100/商品名・東亜合成株式会社製)70質量部に酸化アルミニウム(AL−43L/製品名・昭和電工株式会社製)200質量部、鉄黒2質量部、加硫剤(t−アルミペルオキシ−2−エチルヘキサネート/化学品名・化薬アクゾ株式会社製)1質量部をミキサーで充分混合した後、フッ素離型処理を施した厚み0.10mmのポリエステルフィルム上にコーティング機で厚み2μmに均一に薄膜塗布したフィルム14を作成した。
[フィルム15]
フッ素化合物で表面処理された厚み0.10mmのポリエステルフィルムを用いた。
[シート状補強材の作成]
シート状補強材はポリエステル繊維メッシュ(C33 A2−100E11/製品名、厚み0.16mm、ユニチカグラスファイバー株式会社製)の表面に油脂、汚れなどが付着しないようにして所定の大きさに切断して作成した。
[離型フィルム]
離型フィルムはフッ素化合物で表面処理された厚み0.10mmのポリエステルフィルムを用いた。
(実施例13)
フィルム11の上にシート状補強材を置いた後に熱伝導性シート母材を載せ、さらに上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmの片面に熱伝導性の硬化薄膜層を一体化したシート(A13)を作成した。
(実施例14)
フィルム11の上に熱伝導性シート母材を載せた後に上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmの片面に熱伝導性の硬化薄膜層を一体化したシート(A14)を作成した。
(実施例15)
フィルム12の上にシート状補強材を置いた後に熱伝導性シート母材を載せ、さらに上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmの片面に熱伝導性の硬化薄膜層を一体化したシート(A15)を作成した。
(実施例16)
フィルム12の上に熱伝導性シート母材を載せた後に上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmの片面に熱伝導性の硬化薄膜層を一体化したシート(A16)を作成した。
(実施例17)
フィルム13の上にシート状補強材を置いた後に熱伝導性シート母材を載せ、さらに上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmの片面に熱伝導性の硬化薄膜層を一体化したシート(A17)を作成した。
(実施例18)
フィルム13の上に熱伝導性シート母材を載せた後に上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmの片面に熱伝導性の硬化薄膜層を一体化したシート(A18)を作成した。
(実施例19)
フィルム14の上にシート状補強材を置いた後に熱伝導性シート母材を載せ、さらに上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmの片面に熱伝導性の硬化薄膜層を一体化したシート(A19)を作成した。
(実施例20)
フィルム14の上に熱伝導性シート母材を載せた後に上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmの片面に熱伝導性の硬化薄膜層を一体化したシート(A20)を作成した。
(比較例3)
フィルム15の上にシート状補強材を置いた後に熱伝導性シート母材を載せ、さらに上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmのシート(B3)を作成した。
(比較例4)
フィルム15の上に熱伝導性シート母材を載せた後に上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmのシート(B4)を作成した。
(比較例5)
離型フィルムの上に後に熱伝導性シート母材を載せ、さらに上部に離型フィルムを載せサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmのシート(B5)を作成した。
(比較例6)
アクリルポリマー(JDX−P1020/製品名・ジョンソンポリマー社製)10質量部とエステルアクリレート(アロニックスM−8530/製品名・東亜合成化学工業社製)90質量部に、加硫剤(t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサネート/化学品名・化薬アクゾ社製)1.0質量部をミキサーで混練りして。離型フィルムでサンドイッチ状態にした後、120℃、30分の加熱・加圧プレス成型した後、上下のフィルムを剥ぎ取り厚み0.5mmと厚み3.0mmのシート(B6)を作成した。
以上の結果を表3−4に示す。
Figure 2006121051
Figure 2006121051
表3−4から明らかなとおり、実施例13〜20のサンプルNo.A13〜20は、硬化薄膜層を形成することにより粘着力をほぼ“0”にすることができた。これにより、発熱性電子部品と放熱器の間に挟みこんだ後でも簡単に相互を切り離すことが可能である。さらには硬化薄膜層に熱伝導性を付与することによって熱抵抗値(℃/W)がさらに良好になった。
図1Aは本発明に係る熱伝導性シートの一実施例を示す断面図であり、無溶剤の粘着性弾性体層の片面に硬化薄膜層を形成した例である。図1Bは同、両面に硬化薄膜層を形成した例である。 図2Aは本発明に係る別の熱伝導性シートの一実施例を示す断面図であり、無溶剤の粘着性弾性体層の表面内側にシート状の補強材が埋め込まれ、その表層に硬化薄膜層を形成した例である。図2Bは同、硬化薄膜層が両表面に形成されている例である。 図3は本発明の実施例と比較例における熱抵抗値測定方法を示す平面図である。 図4は同、側面断面図である。
符号の説明
1 無溶剤の粘着性弾性体層
2 硬化薄膜層
3 シート状補強材
10 熱抵抗値測定装置
11 サンプル
12 トランジスタ
13 放熱器
14 ねじ
15 放熱フィン
To トランジスタ温度
Tf 放熱器温度

Claims (10)

  1. 熱伝導性フィラーを配合したアクリル系重合体を主成分とする熱伝導性シートであって、
    前記シートの内層又は片面は無溶剤の粘着性の弾性体であり、
    前記シートの上下面から選ばれる少なくとも一方の表層部には、硬化薄膜層を一体化させたことを特徴とする熱伝導性シート。
  2. 前記熱伝導性シートの厚みは0.10〜10mmの範囲であり、前記薄膜硬化層の厚みは0.001〜0.50mmの範囲である請求項1に記載の熱伝導性シート。
  3. 前記内層又は片面を構成するシートの粘度は1×104〜3×106cPの範囲である請求項1又は2に記載の熱伝導性シート。
  4. 前記熱伝導性シートは、アクリル系重合体が100質量部に対して、熱伝導性フィラーが50〜3000質量部の範囲配合されている請求項1〜3のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  5. 前記熱伝導性シートの熱伝導率は0.5〜5.0W/m・Kであり、前記熱伝導性の硬化薄膜層の熱伝導率は0.20〜2.5W/m・Kである請求項1〜4のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  6. 前記熱伝導性フィラーを配合したアクリル系重合体主成分のシートの硬化後の硬度がASKER C硬度計で5〜95の範囲である請求項1〜5のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  7. 前記シートの上下面の片面表層部に、さらにシート状の補強材を埋設した請求項1〜6のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  8. 前記シート状補強材が表面より0mmを越え1.00mmの深さの範囲に埋設されており且つシートの厚みが0.10mm〜10.0mmである請求項7に記載の熱伝導性シート。
  9. 前記シート状補強材が、合成繊維及び天然繊維から選ばれる少なくても一つの繊維で成型された網目状構造体である請求項7又は8に記載の熱伝導性シート。
  10. 熱伝導性フィラーを配合したアクリル系重合体を主成分とする熱伝導性シートの製造方法であって、
    上側離型フィルム及び下側離型フィルムから選ばれる少なくとも一方のフィルムの表面には熱伝導性の硬化薄膜層用材料を均一に薄膜状に塗布した硬化薄膜材料層を形成し、
    一方のフィルムが前記硬化薄膜材料層を有する場合は、他方のフィルムは離型フィルムとし、
    前記上側フィルムと下側フィルムの間に、熱伝導性フィラーを配合したアクリル系重合体主成分のシート母材を供給し、所定の厚さのシートに成形し、
    その後、前記シートの表層部のみを硬化させた後に前記フィルムを剥ぎ取ることにより、
    内層又は片面は無溶剤の粘着性の弾性体であり、前記シートの上下面から選ばれる少なくとも一方の表層部には、硬化薄膜層を一体化させた熱伝導性シートを製造し、請求項1〜9のいずれかに記載の熱伝導性シートを製造することを特徴とする熱伝導性シートの製造方法。
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