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JP2006114844A - 有機el素子材料の選択方法、有機el素子の製造方法及び有機el素子 - Google Patents

有機el素子材料の選択方法、有機el素子の製造方法及び有機el素子 Download PDF

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JP2006114844A
JP2006114844A JP2004303319A JP2004303319A JP2006114844A JP 2006114844 A JP2006114844 A JP 2006114844A JP 2004303319 A JP2004303319 A JP 2004303319A JP 2004303319 A JP2004303319 A JP 2004303319A JP 2006114844 A JP2006114844 A JP 2006114844A
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Tetsuji Fujita
徹司 藤田
Tetsuji Inoue
鉄司 井上
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TDK Corp
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Abstract

【課題】 実用に十分な発光特性を有する有機EL素子を十分効率的に得るための有機EL素子材料の選択方法を提供する。
【解決手段】 上記課題を解決する本発明の有機EL素子材料の選択方法は、有機EL素子の発光層に含有される所定のホスト材料と併用するドーパント材料を、同じ主骨格を有する2種以上のドーパント材料のなかから選択する、有機EL素子材料の選択方法であって、ホスト材料の分子量に対する、ドーパント材料各々の分子量の比と、ホスト材料及びドーパント材料を含有する発光層を備える有機EL素子の発光効率との相関に基づいて決定するドーパント決定工程を有するものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機EL(Electroluminescence;電界発光)素子材料の選択方法、有機EL素子の製造方法及び有機EL素子に関するものである。
有機ELディスプレイ等に用いられる有機EL素子は、例えば、蛍光性有機化合物や燐光性有機化合物等の発光性有機化合物を含む発光層を、ホール注入電極(陽極)及び電子注入電極(陰極)で挟んだ構成を有するものであり、この発光性有機化合物に上記電極から電界を印加することにより励起・発光させる素子である。このような有機EL素子は、無機EL素子と比較して、輝度や発光効率(量子収率)等の素子特性において優れており、現在実用化の段階を迎えつつある。
この有機EL素子の発光原理は、おおむね以下の通りと考えられている。すなわち、まず、ホール注入電極から発光層に注入されたホール(正孔)と電子注入電極から発光層に注入された電子とが、その発光層において再結合することにより、蛍光性有機化合物等の励起子が生成する。次いで、その励起子が失活する際に、エネルギーが光(蛍光、燐光)成分として放出されることにより発光すると考えられている。
有機EL素子の発光層は、大別して、1種類の発光性有機化合物を単独で含有するものと、成膜性に優れた発光性有機化合物(以下、「ホスト材料」という。)に発光能力が比較的高い発光性有機化合物(以下、「ドーパント材料」という。)をドープさせて含有するもの(例えば、非特許文献1参照)とがある。これらのうち後者の発光層は、有機EL素子の発光効率を向上させることができ、しかも多様な発光性有機化合物を使用することができるので、近年、特に注目されているものであり、多くのホスト材料及びドーパント材料が提案されている(例えば特許文献1参照)。
このような有機EL素子は、実用に際し、十分に駆動電圧を低下させる必要がある。そのため、この駆動電圧の十分な低下を達成すべく、その発光層又はキャリア輸送層において、ホスト材料の分子が存在する領域(以下、「ホスト領域」という。)のキャリア(ホール及び電子)の注入性及び移動度を一層改善させることが要求されてきた。かかる要求に対応するため、さらには発光層のアモルファス性の改善を成し遂げるため、従来、より大きな分子量を有する有機化合物をホスト材料に用いる傾向にあった。
例えば、特許文献2は高発光効率で発光させることができ、安定に駆動させることができる有機電界発光素子の提供を意図して、電子輸送層が分子量400以上のホスト材料と、分子量400未満のドーパント材料とを含有し、ドーパント材料の電子移動度がホスト材料の電子移動度よりも高い有機EL素子が提案されている。
一方、有機EL素子の発光層に用いるホスト材料及びドーパント材料の組合せを決定する際には、実際にそれらの材料の複数の組合せを用いて有機EL素子を作製し、発光特性(発光効率、駆動寿命、駆動電圧、色度等)を測定することにより、どの組合せが実用的なものであるか、を判断していた。
特開2003−26616号公報 特開2002−100479号公報 シー・ダブリュー・タン(C. W. Tang)ら,ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Journal of Applied Physics),アメリカン・インスティチュート・オブ・フィジックス(American Institute of Physics),1989年、第65巻,p.3610
しかしながら、本発明者らは、上記特許文献2に記載の従来の有機EL素子について詳細に検討を行ったところ、このような従来の有機EL素子は、まだ実用化に十分な発光特性を有しないことを見出した。
例えば、特許文献2で提案された有機EL素子は、駆動電圧を低下させることはできても、印加した電流に対する発光効率も低下してしまうということを、本発明者らは見出した。発光効率が低下すると、同程度の輝度を得るためには素子に注入する電流量を増加させなければならず、結果として有機EL素子を駆動させるのに必要な消費電力は増加してしまう。したがって、特許文献2に記載の有機EL素子は実用化に十分な発光特性を有しているとはいえないことが明らかになった。
また、発光層に用いる可能性のあるホスト材料及びドーパント材料の組合せの全てについて、有機EL素子を作製して発光特性を測定することは、非効率的であり、迅速な材料開発を阻害するだけではなく、有機EL素子を用いた各種製品の製品化に遅れを生じさせる結果となる。
そこで、本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、実用に十分な発光特性を有する有機EL素子を十分効率的に得るための有機EL素子材料の選択方法、その選択方法を用いた有機EL素子の製造方法、及び実用に十分な発光特性、特に実用に十分な発光効率を有する有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、有機EL素子の発光特性が、発光層に用いられるホスト材料及びドーパント材料の両材料の分子量の相関性に影響を受けることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の有機EL素子材料の選択方法は、有機EL素子の発光層に含有される所定のホスト材料と併用するドーパント材料を、同じ主骨格を有する2種以上のドーパント材料のなかから選択する、有機EL素子材料の選択方法であって、上記ホスト材料の分子量に対する、上記ドーパント材料各々の分子量の比と、それらホスト材料及びドーパント材料を含有する発光層を備える有機EL素子の発光効率との相関に基づいて決定するドーパント決定工程を有することを特徴とする。ここで、「同じ主骨格を有する2種以上のドーパント材料」とは、それぞれのドーパント材料の分子中に共通の骨格を有する2種以上のドーパント材料であって、その共通の骨格を分子の末端ではなく、分子の中心付近に有するものをいう。
このような有機EL素子材料の選択方法は、膨大にあるホスト材料及びドーパント材料の組合せのうち一部の組合せについて、分子量という既知の情報と、その一部の組合せを用いた有機EL素子試料の発光特性との相関を利用する。したがって、実際に有機EL素子試料を作製していないホスト材料及びドーパント材料の組合せについても、それらの材料の分子量は既知であるので、上記相関に照らし合わせることで、その組合せを用いた有機EL素子の発光特性を容易に予測することができる。その結果、膨大にあるホスト材料及びドーパント材料の組合せの全てについて、有機EL素子試料を作製し、その発光特性を測定する必要がなくなるので、十分効率的に、所望の発光特性を有する有機EL素子を得ることができる。
本発明の有機EL素子材料の選択方法は、特に、主骨格が同じドーパント材料に係る相関を利用する。同じ主骨格を有するドーパント材料は、有機EL素子の発光に寄与するπ電子雲の広がりが、分子量に依存していると推定される。したがって、同じ主骨格を有するドーパント材料の分子量と、有機EL素子の発光特性との相関の信頼性は極めて高いものと考えられる。よって、本発明の有機EL素子材料の選択方法を用いて得られる有機EL素子は、十分に優れた発光特性を有すると推測される。
この有機EL素子材料の選択方法は、ドーパント決定工程において、下記式(A)で表される条件を満たすように、ホスト材料と併用するドーパント材料を決定すると好ましい。
(DMW/HMW)≧α …(A)
上記式(A)中、HMW、DMWは、それぞれホスト材料、ドーパント材料の分子量を示し、αは特定の値を示す。αは実験的に求められる特定の値であり、ドーパント材料の上記主骨格の種類により異なるものである。このαは、例えば、DMW/HMWの増加に伴う発光効率の増加傾向がほとんど認められなくなるような、DMW/HMWの値であってもよい。あるいは、発光効率が一定値以上になるDMW/HMWの値であってもよい。
DMW/HMWが特定値であるα以上になるように,ホスト材料及びドーパント材料の組合せを選択、決定することにより、その組合せを一義的に選び出せることとなるので、一層効率的に実用に適したホスト材料及びドーパント材料の組合せを決定することができる。
本発明の有機EL素子材料の選択方法は、上記αが1であると好ましい。
このような有機EL素子材料の選択方法を用いることにより得られる有機EL素子は、発光効率が一層優れたものとなることが、本発明者らの実験により確認された。その要因は、現在のところ詳細には明らかにされていないが、本発明者らは以下のように考えている。ただし、要因はこれらに限定されない。
従来、有機EL素子を開発する際に選択・合成されていた発光層用の材料は、その層の熱的特性及び駆動寿命をより優れたものにしようとする見地等から、その分子量を大きくする傾向にあった。この傾向は、発光層の主成分であるホスト材料を選択等する際に特に顕著であった。ホスト材料の分子量を大きくすると、ドーパント材料の分子量は相対的に小さくなり、質量基準で発光層におけるそれらの材料の含有割合を管理すると、分子の数(モル数)としては、ドーパント材料の分子(以下、「ドーパント分子」という。)の数が相対的に多くなる。
しかしながら、発光層においてドーパント分子の数が多くなると、本来キャリアのトラップサイトとして機能すべきドーパント分子がホッピングサイトになってしまい、そこでキャリアを効率的にトラップできなくなるため、ドーパント分子におけるキャリアの再結合確率が低下してしまうと考えられる。また、発光層におけるドーパント分子の数が多くなると、いわゆる濃度消光によりそのドーパント分子が発光し難くなるとも考えられる。その結果、このような発光層を備えた有機EL素子の発光効率は低くなると推定される。
一方、上述の本発明の有機EL素子材料の選択方法を用いて得られる有機EL素子は、ドーパント分子の数が相対的に少なくなるため、上述のホッピングサイトとして機能したり、あるいは濃度消光が発生したりすることは少ない傾向にあると考えられる。その結果、その有機EL素子は、一層優れた発光効率を有すると推定される。
また、このような有機EL素子は、上述したキャリアの再結合確率が従来のものに比べて高くなっているため、再結合に関与しなかったキャリアに起因する有機EL素子の劣化がより抑制され、その駆動寿命が向上する傾向にある。
本発明の有機EL素子材料の選択方法は、有機EL素子の発光層に含有される所定のドーパント材料と併用するホスト材料を、同じ主骨格を有する2種以上のドーパント材料のなかから選択する、有機EL素子材料の選択方法であって、上記ドーパント材料の分子量に対する、上記ホスト材料各々の分子量の比と、それらドーパント材料及びホスト材料を含有する発光層を備える有機EL素子の発光効率との相関に基づいて決定するホスト決定工程を有することを特徴とする。
この有機EL素子材料の選択方法は、上述のものと同様の要因が考えられ、それにより、実用に十分な発光特性を有する有機EL素子を十分効率的に得ることができる。
上記有機EL素子材料の選択方法は、ホスト決定工程において、下記式(B)で表される条件を満たすように、ドーパント材料と併用するホスト材料を決定すると好ましい。
(HMW/DMW)≦β …(B)
上記式(B)中、DMW、HMWは、それぞれドーパント材料、ホスト材料の分子量を示し、βは特定の値を示す。βは実験的に求められる特定の値であり、ホスト材料の上記主骨格の種類により異なるものである。このβは、例えば、HMW/DMWの減少に伴う発光効率の減少傾向がほとんど認められなくなるような、HMW/DMWの値であってもよい。あるいは、発光効率が一定値以下になるHMW/DMWの値であってもよい。
HMW/DMWが特定値であるβ以下になるように,ドーパント材料及びホスト材料の組合せを選択、決定することにより、その組合せを一義的に選び出せることとなるので、一層効率的に実用に適したドーパント材料及びホスト材料の組合せを決定することができる。
また上述の有機EL素子材料の選択方法において、ホスト材料がアントラセン誘導体であると好ましい。ここで、「アントラセン誘導体」には、アントラセン骨格を複数有するアントラセン多量体も含むものとする。アントラセン誘導体は、ホスト材料として用いられる化合物のなかでも比較的キャリア輸送性に優れたものである。したがって、ホスト材料にアントラセン誘導体を用いることにより得られる有機EL素子は、一層発光効率にすぐれたものとなる。
さらに、本発明の有機EL素子材料の選択方法において、ドーパント材料が、ナフタセン誘導体、ベンゾフルオランテン誘導体、ジインデノペリレン誘導体及びペリレン誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物であると好ましい。これらの化合物は、ドーパント材料として用いられる化合物のなかでも比較的キャリアのトラップ性に優れたものであるため。したがって、ドーパント材料にこれらの化合物を用いることにより得られる有機EL素子は、一層発光効率及び駆動寿命に優れたものとなる。
本発明の有機EL素子の製造方法は、上述の有機EL素子材料の選択方法により、発光層に用いられるホスト材料及びドーパント材料を決定する工程を含むことを特徴とする。かかる本発明の有機EL素子の製造方法は、上述の有機EL素子材料の選択方法を用いているので、十分実用に適した発光特性を有する有機EL素子を作製することが可能となる。
本発明の有機EL素子は、互いに対向して配置されている電極間に備えられる発光層がホスト材料及びドーパント材料を含有し、そのホスト材料の分子量に対するドーパント材料の分子量の比が1以上であることを特徴とする。
この本発明の有機EL素子は、発光効率が一層優れたものとなることが、本発明者らの実験により確認された。その要因は、現在のところ詳細には明らかにされていないが、本発明者らは以下のように考えている。ただし、要因はこれらに限定されない。
従来、有機EL素子の発光層に用いられる材料は、その層の熱的特性及び駆動寿命をより優れたものにしようとする見地等から、その分子量を大きくする傾向にあった。この傾向は、発光層の主成分であるホスト材料において特に顕著であった。HMWを大きくすると、DMWは相対的に小さくなり、質量基準で発光層におけるそれらの材料の含有割合を調整すると、分子の数(モル数)としては、ドーパント材料の分子(以下、「ドーパント分子」という。)の数が相対的に多くなる。
しかしながら、発光層においてドーパント分子の数が多くなると、本来キャリアのトラップサイトとして機能すべきドーパント分子がホッピングサイトになってしまい、そこでキャリアを効率的にトラップできなくなるため、ドーパント分子におけるキャリアの再結合確率が低下すると推定される。また、発光層中のドーパント分子の数が増えると、いわゆる濃度消光によりそのドーパント分子の発光が弱くなるとも考えられる。その結果、このような発光層を備えた有機EL素子の発光効率は実用に十分なものではないと推測される。
一方、本発明の有機EL素子は、発光層におけるDMW/HMWを1以上とすることにより、ドーパント分子の数が従来のものよりも相対的に少なくなるため、上述のホッピングサイトとして機能したり、あるいは濃度消光が発生したりすることは少ない傾向にあると考えられる。その結果、本発明の有機EL素子は、一層優れた発光効率を有すると推定される。
また、本発明の有機EL素子は、上述したキャリアの再結合確率が従来のものに比べて高くなっているため、再結合に関与しなかったキャリアに起因する有機EL素子の劣化がより抑制され、その駆動寿命が向上する傾向にある。
本発明の有機EL素子は、ホスト材料及び/又はドーパント材料が炭化水素化合物であると好ましい。炭化水素化合物は、発光層に用いられ得るその他の化合物と比較して、発光過程に起因する材料の劣化が抑制される傾向にあるため、その駆動寿命が延びる傾向にある。
また、本発明の有機EL素子において、上記ホスト材料がアントラセン誘導体であること、発光効率が一層向上する傾向にあるので、より好ましい。
さらに、本発明の有機EL素子において、上記ドーパント材料がナフタセン誘導体、ベンゾフルオランテン誘導体、ジインデノペリレン誘導体及びペリレン誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物であると、発光効率がより優れたものとなる傾向にあるので好ましい。なお、本明細書における「ベンゾフルオランテン誘導体」はジインデノペリレン誘導体を含まないものとし、「ペリレン誘導体」はジインデノペリレン誘導体を含まないものとする。
本発明の有機EL素子において、上述のホスト材料の分子量が500〜1500であると、発光特性の向上及び成膜性の向上の観点から、好ましい。
同様の観点から、本発明の有機EL素子において、ドーパント材料の分子量が500〜1500であると好ましい
本発明によれば、実用に十分な発光特性を有する有機EL素子を十分効率的に得るための有機EL素子材料の選択方法、その選択方法を用いた有機EL素子の製造方法、及び実用に十分な発光特性、特に実用に十分な発光効率を有する有機EL素子を提供することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
まず、本発明の好適な実施形態に係る有機EL素子材料の選択方法について説明する。
本実施形態の有機EL素子材料の選択方法は、有機EL素子の発光層に含有されるホスト材料と併用するドーパント材料を、上記ホスト材料の分子量(HMW)と、同じ主骨格を有する2種以上のドーパント材料の分子量(DMW)と、それらの材料を含有した発光層を備える有機EL素子材料との相関に基づいて決定するドーパント決定工程を有するものである。
この有機EL素子材料の選択方法においては、まず、発光層に用いるホスト材料を選択、決定する。そのホスト材料として選択される有機化合物は、従来有機EL素子の発光層にホスト材料として含有されているものであれば、特に限定されないが、その分子量が500〜1500であると好ましい。HMWが500未満であると、発光層の成膜性及びアモルファス性に劣る傾向にあり、また、キャリアの注入性や輸送性が低下する傾向にあるので、得られる有機EL素子の発光特性が低下する傾向にある。一方、HMWが1500を越えると、蒸着法、スパッタ法等の乾式成膜法では成膜できなくなる傾向ある。
さらに、発光層に用いるホスト材料として、炭化水素化合物を採用すると好ましい。ホスト材料は発光層においてキャリアを輸送する役割を有しているが、その際、ホスト材料は酸化還元反応を繰り返している。炭化水素化合物は、その他のホスト材料に用いられる化合物と比較して、酸化還元反応を繰り返しても材料が劣化し難い傾向にあるので、炭化水素化合物を発光層のホスト材料に用いた有機EL素子は、駆動寿命を始めとする各発光特性に優れた傾向ある。このような観点から、発光層に用いるホスト材料として、多環芳香族化合物を採用するとより好ましい
また、ホスト材料として、アントラセン誘導体を選択すると更に好ましい。アントラセン誘導体をホスト材料として発光層に含有した有機EL素子は、発光効率や駆動寿命に優れる傾向にある。同様の観点から、このアントラセン誘導体としては、アントラセン多量体が特に好ましく、下記式(1)〜(12)に表されるものが極めて好ましい。
Figure 2006114844
Figure 2006114844
Figure 2006114844
これらのアントラセン誘導体を始めとするホスト材料は、市販のものを用いてもよく、合成してもよい。ホスト材料の合成方法としては、特開2004−2351号公報、特開平8−12600号公報に記載された方法又はそれに準じた方法を用いることができる。
次に、そのホスト材料とともに発光層に含有させるドーパント材料として用いる化合物の主骨格を選択、決定する。この際、劣化し難い傾向にあることから、ドーパント材料として用いる化合物が炭化水素化合物であるような主骨格を選択すると好ましく、多環芳香族化合物を選択するとより好ましい。さらに、この主骨格を、ナフタセン誘導体の主骨格である下記式(13)で表される主骨格、ベンゾフルオランテン誘導体の主骨格である下記式(14)で表される主骨格、ジインデノペリレン誘導体の主骨格である下記式(15)で表される主骨格、及びペリレン誘導体の主骨格である下記式(15A)の中から選択すると更に好ましい。これらの主骨格を有する化合物は、各発光特性、特に発光効率に優れる傾向にある。
Figure 2006114844
これらの化合物を始めとするドーパント材料は、市販のものを用いてもよく、合成してもよい。ドーパント材料の合成方法としては、特開2003−104916号公報、特開2003−26616号公報、特開2000−268964号公報、特開2000−26337号公報、特開2000−26334号公報に記載された方法又はそれに準じた方法を用いることができる。
続いて、同じ主骨格を有する複数のドーパント材料について、ホスト材料との分子量の相関性を調べる。例えば、ホスト材料の分子量(HMW)に対する各ドーパント材料の分子量(DMW)の比(DMW/HMW)を算出する。
それとともに、分子量の比を算出したホスト材料及びドーパント材料を発光層の構成材料に用いて、後述する有機EL素子と同様の構成を備える有機EL素子試料を作製する。次いで、得られた有機EL素子試料の発光効率(輝度)、駆動寿命(輝度半減寿命)、駆動電圧などの発光特性を測定する。そして、上述のDMW/HMWを横軸に取り、発光特性の値を縦軸に取って、DMW/HMWと発光特性との相関性を調べる。
これにより、発光層に用いるホスト材料及びドーパント材料の組合せを、分子量の観点から、どのように選択すれば、最適な発光特性を示す有機EL素子を作製することができる、についての情報を得ることが可能となる。
こうして得られた相関に基づいて、発光層に含有される上記ホスト材料と併用するドーパント材料を選択、決定する(ドーパント決定工程)。この際ドーパント材料として選択される化合物は、分子量の相関性を調べた際に用いられたドーパント材料と同じ主骨格を有するものであれば、そのドーパント材料と異なる化合物であってもよい。すなわち、上記有機EL素子試料にドーパント材料として含有される化合物であってもよく、そのドーパント材料として含有されていない化合物であってもよい。これにより、膨大にあるホスト材料とドーパント材料との組合せの全てについて、それらを含有した有機EL素子を作製することなく、必要に応じて最適な組合せを選択することができる。
また、得られる相関性によって、ドーパント材料の選択基準は必要に応じて変化してもよい。例えば、DMW/HMWに対して、有機EL素子試料の発光効率が単純増加となる傾向にある場合、より高い発光効率の有機EL素子を得るために、なるべく高いDMW/HMWを有するようにドーパント材料を選択してもよい。あるいは、一定以上の発光効率が得られればよい観点、及び他の発光特性や成膜性等の因子をも考慮する観点から、下記式(A)を満足するようにドーパント材料を選択してもよい。
(DMW/HMW)≧α …(A)
ここで、式(A)中、αは、実験的に求められる特定の値を示し、例えば上述のような手法により特定される値である。
また、DMW/HMWに対して、有機EL素子の発光効率が図6に示すような傾向にある場合、DMW/HMWがr付近又はそれ以上になるようなドーパント材料を選択、決定すると好ましい。このような基準で発光層に用いるドーパント材料を選択、決定することにより、発光効率に優れた有機EL素子を、より効率的かつ確実に得ることができる傾向にある。
ドーパント決定工程においてドーパント材料として用いる化合物を選択する際には、ホスト材料と同様の観点から、分子量500〜1500である化合物の中から選択すると好ましい。さらに、一層優れた発光効率及び駆動寿命を有する有機EL素子をより有効に得る観点から、上記ドーパント材料が、上記式(13)〜(15)及び(15A)の主骨格を有する、ナフタセン誘導体、ベンゾフルオランテン誘導体、ジインデノペリレン誘導体及びペリレン誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物であると好ましく、上記誘導体の多量体からなる群より選ばれる1種以上の化合物であるとより好ましい。
このような主骨格を有する化合物としては、例えば、下記式(16)〜(29)で表されるナフタセン誘導体、下記式(30)〜(36)で表されるベンゾフルオランテン誘導体、下記式(37)〜(44)で表されるジインデノペリレン誘導体及び下記式(44A)、(44B)、(44C)及び(44D)で表されるペリレン誘導体などが挙げられる。
Figure 2006114844
Figure 2006114844
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本発明の好適な実施形態に係る有機EL素子の製造方法は、上述した有機EL素子材料の選択方法において選択された発光層のホスト材料及びドーパント材料を用いて発光層を形成する以外は、従来の有機EL素子の製造方法と同様にして行われるものである。したがって、本実施形態の有機EL素子の製造方法は、例えば以下のようにして行われる。
まず、用意した基板上にスパッタ法、蒸着法若しくは塗布法などの方法によりホール注入電極を形成する。次いで、ホール注入電極上に、スパッタ法、蒸着法若しくは塗布法などを用いて無機ホール注入層を形成する。続いて、発光層をスパッタ法、蒸着法若しくは塗布法などを用いて無機ホール注入層上に形成する。そして、発光層上に蒸着法、スパッタ法若しくは塗布法などの方法により無機電子注入層を形成し、さらにその上に、真空蒸着法、EB法若しくはスパッタ法などを用いて電子注入電極を形成することにより、本実施形態の有機EL素子(5層型有機EL素子)を得る。
次に、本発明の好適な実施形態に係る有機EL素子について説明する。
図1は、本発明に係る有機EL素子の第1実施形態(単層型有機EL)を示す模式断面図である。図1に示す有機EL素子100は、互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、発光層10が挟持された構造を有している。
図2は、本発明に係る有機EL素子の第2実施形態(2層型有機EL)を示す模式断面図である。図2に示す有機EL素子200は、図1における有機EL素子100の第1の電極1と発光層10の間にホール輸送層11を設けた構造を有している。
図3は、本発明に係る有機EL素子の第3実施形態(3層型有機EL)を示す模式断面図である。図3に示す有機EL素子300は、図2における有機EL素子200の第2の電極2と発光層10の間に電子輸送層12を設けた構造を有している。
図4は、本発明に係る有機EL素子の第4実施形態(4層型有機EL)を示す模式断面
図である。図4に示す有機EL素子400は、互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、ホール注入層14、ホール輸送層11、発光層10及び電子注入層13が挟持された構造を有している。ホール注入層14、ホール輸送層11、発光層10及び電子注入層13はいずれも有機層であり、第1の電極1側からこの順に積層されている。なお、電子注入層13は無機層(金属層、金属化合物層等)とすることもできる(以下同様)。
図5は、本発明に係る有機EL素子の第5実施形態(5層型有機EL)を示す模式断面図である。図5に示す有機EL素子500は、図4における有機EL素子400の電子注入層13と発光層10の間に電子輸送層12を設けた構造を有している。
さらに、図示していないが、発光層として異なる構成材料(材料の種類、材料の含有割合)を含有する発光層を複数積層して設けてもよい。
なお、第1〜第5実施形態において第1の電極1は基板4上に形成されている。
上記実施形態においては、第1の電極1及び第2の電極2がそれぞれホール注入電極(陽極)及び電子注入電極(陰極)として機能し、電源Pによる電界の印加により、第1実施形態においては発光層10(第2〜3実施形態ではホール輸送層11、第4〜5実施形態ではホール注入層14)に対して、第1の電極1からホール(正孔)が注入されるとともに、発光層10(第2実施形態においても発光層10、第3実施形態では電子輸送層12、第4〜5実施形態では電子注入層13)に対して、第2の電極2から電子が注入され、これらの再結合に基づいて発光層中の有機EL素子用化合物が発光する。
また、発光層、ホール輸送層、電子輸送層、ホール注入層及び電子注入層の好適な厚さは、いずれも0.1〜100nmである。
(基板)
基板4としては、ガラス、石英等の非晶質基板、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InP等の結晶基板、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pd、SUS等の金属基板、ポリオレフィン、PETなどの樹脂基板を用いることができる。また、結晶質又は非晶質のセラミック、金属、有機物等の薄膜を所定基板上に形成したものを用いてもよい。
基板4の側を光取出し側とする場合には、基板4としてガラスや石英等、若しくはポリオレフィン、PET等樹脂の透明基板を用いることが好ましく、特に、安価なガラスや樹脂の透明基板を用いることが好ましい。透明基板には、発色光の調整のために、色フィルター膜や蛍光物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜等を設けてもよい。
(第1の電極)
第1の電極1はホール注入電極(陽極)として機能する。そのため、第1の電極1の材料としては、従来の有機EL素子が備えているものであれば、特に限定されることなく用いられるが、その第1の電極1に隣接する層に効率よく且つ均一に電界を印可できる材料が好ましい。
また、基板4の側を光取り出し側とする場合、有機EL素子の発光波長領域である波長400〜700nmにおける透過率、特にRGB各色の波長における第1の電極1の透過率は、50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。第1の電極1の透過率が50%未満であると、発光層10からの発光が減衰されて画像表示に必要な輝度が得られにくくなる。
光透過率の比較的高い第1の電極1は、各種酸化物で構成される透明導電膜を用いて構成することができる。かかる材料としては、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)等が好ましく、中でも、ITOは、面内の比抵抗が均一な薄膜を容易に得ることができる点で特に好ましい。
第1の電極1の膜厚は、上述の光透過率を考慮して決定することが好ましい。例えば酸化物透明導電膜を用いる場合、その膜厚は、好ましくは10〜500nm、より好ましくは30〜300nmであることが好ましい。第1の電極1の膜厚が500nmを超えると、光透過率が不充分となると共に、基板4からの第1の電極1の剥離が発生する場合がある。また、膜厚の減少に伴い光透過性は向上するが、膜厚が10nm未満の場合、抵抗率が大きくなり有機EL素子の駆動電圧を上昇させる傾向にある。
(第2の電極)
第2の電極2は電子注入電極(陰極)として機能する。第2の電極2の材料としては、従来の有機EL素子が備えているものであれば、特に限定されることなく用いられるが、金属材料、有機金属錯体又は金属化合物等が挙げられ、有機発光層10へ効率的且つ確実に電子を注入できるように、仕事関数が比較的低い材料を用いると好ましく、また透明であってもよい。
第2の電極2を構成する金属材料の具体例としては、Li、Na、K若しくはCs等のアルカリ金属、Mg、Ca、Sr若しくはBa等のアルカリ土類金属、又はAl(アルミニウム)が挙げられる。また、La、Ce、Sn、Zn若しくはZr等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属と特性が近い金属を用いることもできる。さらには、上記金属材料の酸化物又はハロゲン化物を用いることもできる。さらに、上記材料を含む混合物又は合金であってもよく、これらを複数積層してもよい。
第2の電極2の膜厚は、電子を均一に注入できる程度であればよく、0.1nm以上とすればよい。
なお、第2の電極2上には補助電極を設けてもよい。これにより、発光層10等への電子注入効率を向上させることができ、また、発光層10や電子注入層13への水分又は有機溶媒の侵入を防止することができる。補助電極の材料としては、仕事関数及び電荷注入能力に関する制限がないため、一般的な金属を用いることができるが、導電率が高く取り扱いが容易な金属を用いることが好ましい。また、特に第2の電極2が有機材料を含む場合には、有機材料の種類や密着性等に応じて適宜選択することが好ましい。
補助電極に用いられる材料としては、Al、Ag、In、Ti、Cu、Au、Mo、W、Pt、Pd、Ni等が挙げられるが、中でもAl及びAg等の低抵抗の金属を用いると電子注入効率を更に高めることができる。また、TiN等の金属化合物を用いることにより一層高い封止性を得ることができる。これらの材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。また、2種以上の金属を用いる場合は合金として用いてもよい。このような補助電極は、例えば、真空蒸着法等によって形成可能である。
(発光層)
発光層10には、上述した有機EL素子材料の選択方法により選択、決定されたホスト材料及びドーパント材料が用いられる。このような発光層10を備える有機EL素子は、実用化に適した十分に優れた発光特性を示す。
そのようなホスト材料及びドーパント材料の組合せとしては、DMW/HMWが1以上となるようなホスト材料及びドーパント材料の組合せであると好ましい。このような組合せの材料を含有した発光層10を備えた有機EL素子は、一層発光効率に優れる傾向にある。より具体的には、その組合せを(ホスト材料−ドーパント材料)と表すと、(上記式(1)で表された化合物(「化合物(1)」という。以下同様。)−化合物(18))、(化合物(4)−化合物(20))、(化合物(6)−化合物(21))、(化合物(1)−化合物(28))、(化合物(6)−化合物(36))などが挙げられる。
上記ホスト材料及びドーパント材料の発光層10における質量比は、それぞれの材料として選択される化合物の種類によって異なるが、(ホスト材料:ドーパント材料)で1:1〜1:4であると好ましく、1:1〜1:3であるとより好ましく、1:1〜1:2であると更に好ましい。ホスト材料の質量比が上述のものよりも小さくなると、ドーパント材料の分子がホッピングサイトとして機能し、その分子が効率的にキャリアをトラップできなくなる傾向にあるため、キャリアの再結合確率が低下し、有機EL素子の発光効率が低減する傾向にある。また、ホスト材料の質量比が上述のものよりも大きくなると、キャリアのトラップサイトとして機能すべきドーパント材料の分子が過剰に少なくなるため、発光効率が低下する傾向にある。
また、発光層10は、構成材料の種類又は構成材料の含有割合が異なる複数の発光層からなるものであってもよい。この場合、複数の発光層のうち少なくとも一層が上述のホスト材料及びドーパント材料の組合せを含有する発光層であればよい。その他の発光層において、構成材料としては、電子とホールとの再結合により励起子が生成し、その励起子がエネルギーを放出して基底状態に戻る際に発光するような有機化合物であれば、特に限定されることなく用いることができる。
具体的には、例えば、アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体、イリジウム錯体若しくは希土類金属錯体等の有機金属錯体化合物、アントラセン、ナフタセン、ベンゾフルオランテン、ナフトフルオランテン、スチリルアミン若しくはテトラアリールジアミン又はこれらの誘導体、ペリレン、ジインデノペリレン、キナクリドン、クマリン、DCM若しくはDCJTBなどの低分子有機化合物、あるいは、ポリアセチレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体若しくはポリチオフェン誘導体等のπ共役系ポリマー、又は、ポリビニル化合物、ポリスチレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアクリレート誘導体若しくはポリメタクリレート誘導体等の非π共役系の側鎖型ポリマー若しくは主鎖型ポリマー等に色素を含有させたものなどの高分子有機化合物などを挙げることができる。
ホスト材料としては、上述した化合物のうち、1,10−フェナントロリン誘導体、有機金属錯体化合物、ナフタレン、アントラセン、ナフタセン、ペリレン、ジインデノペリレン、ベンゾフルオランテン若しくはナフトフルオランテンなどの芳香族炭化水素化合物及びそれらの誘導体、さらにはスチリルアミン若しくはテトラアリールジアミン誘導体などが好ましい。ドーパント材料としては、上述した化合物のうち、有機金属錯体化合物、ナフタレン、アントラセン、ナフタセン、ペリレン、ジインデノペリレン、ベンゾフルオランテン、ナフトフルオランテンなどの芳香族炭化水素化合物及びそれらの誘導体、さらにはスチリルアミン又はテトラアリールジアミン誘導体、あるいはキナクリドン、クマリン、DCM及びそれらの誘導体が好ましい。
発光層は、必要に応じて、少なくとも1種以上のホール輸送性化合物と少なくとも1種以上の電子輸送性化合物との混合層としてもよく、この混合層中にドーパントを含有させてもよい。混合層では、キャリアのホッピング伝導パスが生成し、各キャリアは極性的に優勢な物質中を移動するので、逆方向のキャリア注入は起こり難くなると考えられる。これにより、発光層を構成する有機材料が損傷を受け難くなるので、有機EL素子の駆動寿命が延びるという利点がある。
混合層に用いるホール輸送性化合物及び電子輸送性化合物としては、1,10−フェナントロリン誘導体、有機金属錯体化合物、アントラセン、ナフタセン、ベンゾフルオランテン、ナフトフルオランテンなどの芳香族炭化水素化合物またはこれらの誘導体を用いると好ましい。ホール輸送性化合物としては、強い蛍光を有するアミン誘導体を用いても好ましく、そのようなアミン誘導体としては、例えば、トリフェニルジアミン誘導体、スチリルアミン誘導体又は芳香族縮合環を有するアミン誘導体が挙げられる。
この場合のホール輸送性化合物と電子輸送性化合物との好ましい混合比は、それぞれのキャリア移動度及びキャリア濃度により異なるが、一般的には、ホール輸送性化合物と電子輸送性化合物との混合比(質量比)が、1:99〜99:1であると好ましく、10:90〜90:10であるとより好ましく、20:80〜80:20程度であると更に好ましい。
(ホール輸送層)
ホール輸送層には、低分子材料、高分子材料のいずれのホール輸送性材料も使用可能である。ホール輸送性低分子材料としては、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などが挙げられる。また、ホール輸送性高分子材料としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(Pani/PSS)などが挙げられる。これらのホール輸送性材料は、1種を単独で用いて
もよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(電子輸送層)
電子輸送層には、低分子材料、高分子材料のいずれの電子輸送材料も使用可能である。電子輸送性低分子材料としては、例えば、キノリノール、ベンゾキノリノールなどを配位子にもつアルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン及びその誘導体、フルオレン及びその誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、フェナントロリン及びその誘導体、並びにこれらの化合物を配位子とする金属錯体などが挙げられる。また、電子輸送性高分子材料としては、ポリキノキサリン、ポリキノリンなどが挙げられる。
上述した電子輸送層の構成材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(ホール注入層)
ホール注入層の材料は、従来の有機EL素子のホール注入層に用いられているものであれば特に限定されることはなく、アリールアミン、フタロシアニン、ポリアニリン/有機酸、ポリチオフェン/ポリマー酸などの有機化合物材料、又は、ゲルマニウム若しくはシリコン等の金属若しくは半金属の酸化物などを用いることができる。これらのホール注入性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ホール輸送層とホール注入層とを共に設ける場合、ホール注入電極側からイオン化ポテンシャルの小さい化合物の層の順に積層することが好ましい。またホール注入電極表面には薄膜性の良好な化合物を用いることが好ましい。このような積層順とすることによって、駆動電圧が低下し、電流リークの発生やダークスポットの発生・成長を防ぐことができる傾向にある。また、素子化する場合、蒸着を用いているので1〜10nm程度の薄い膜も、均一かつピンホールフリーとすることができるため、ホール注入層にイオン化ポテンシャルが小さく、可視部に吸収をもつような化合物を用いても、発光色の色調変化や再吸収による効率の低下を防ぐことができる。ホール注入輸送層は、発光層等と同様に上記の化合物を蒸着することにより形成することができる。
電子注入層にはリチウム等のアルカリ金属、フッ化リチウム、酸化リチウム等を用いることができる。
また、電子注入層及び電子輸送層を両方設ける場合、電子注入電極側から電子親和力の値の大きい化合物の順に積層することが好ましい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の有機EL素子材料の選択方法の別の実施形態において、まず、発光層のドーパント材料として用いる化合物を選択、決定してもよい。この場合、次に、そのドーパント材料とともに発光層に含有させるホスト材料の主骨格を選択、決定する。続いて、同じ主骨格を有する複数のホスト材料について、ドーパント材料との分子量の相関性を調べればよい。これによっても、発光層に用いるホスト材料及びドーパント材料の組合せを、分子量の観点から、どのように選択すれば、最適な発光特性を示す有機EL素子を作製することができる、についての情報を得ることが可能となる。
こうして得られた相関に基づいて、発光層に含有される上記ドーパント材料と併用するホスト材料を選択、決定する(ホスト決定工程)。この際ホスト材料として選択される化合物は、分子量の相関性を調べた際に作製した有機EL素子試料の発光層のドーパント材料として用いたものと同じ主骨格を有するものであればよい。したがって、上記有機EL素子試料にホスト材料として含有される化合物であってもよく、そのホスト材料として含有されていない化合物であってもよい。これにより、膨大にあるホスト材料とドーパント材料との組合せの全てについて、それらを含有した有機EL素子を作製することなく、必要に応じて最適な組合せを選択することができる。
なお、この有機EL素子材料の選択方法における好適な(好ましい)態様は、上述の、まず発光層のホスト材料として用いる化合物を選択、決定する場合と同様である。
さらに、発光層に含有されるホスト材料及びドーパント材料の組合せを選択する際に、それらの材料の分子量の相関性を調べることに加えて/代えて、それらの材料(化合物)のπ共役電子雲の広がり、ドーパント材料(化合物)の分子間距離、ドーパント材料(化合物)の電子密度などに基づいて、上記組合せを選択、決定してもよい。なお、π共役電子雲の広がり、ドーパント材料の分子間距離、ドーパント材料の電子密度については、従来公知の分子軌道計算法を用いて求めることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(有機EL素子の作製例1)
厚さ100nmのITO透明電極(ホール注入電極)を有するガラス基板を、中性洗剤、純水を用いて超音波洗浄し、乾燥した。次いで、その透明電極の表面をUV/O洗浄した後、真空蒸着装置(VPC−410、真空機工株式会社、商品名)の基板ホルダーに固定して、1×10−4Pa以下まで減圧した。次に、減圧状態を保ったまま、下記式(45)で表される化合物を蒸着速度0.2nm/秒で100nmの厚さに蒸着し、ホール注入層とした。
Figure 2006114844
続いて、下記式(46)で表される化合物(「化合物(46)」という。以下同様。)を蒸着速度0.2nm/秒で30nmの厚さに蒸着し、ホール輸送層とした。
Figure 2006114844
さらに、減圧状態を保ったまま、ホスト材料としての化合物(1)と、ドーパント材料としての化合物(16)とを、50:1の質量比で、全体の蒸着速度0.2nm/秒として40nmの厚さに蒸着し、発光層とした。化合物(1)の分子量(HMW)は506であり、化合物(16)の分子量(DMW)は380であるので、その分子量の比(DMW/HMW)は0.75であった。
次に、減圧状態を保ったまま、化合物(47)を蒸着速度0.2nm/秒で20nmの厚さに蒸着し、電子輸送層とした。
Figure 2006114844
次いで、LiFを蒸着速度0.01nm/秒で0.3nmの厚さに蒸着して電子注入電極とし、さらに保護電極としてAlを150nm蒸着することにより、作製例1の4層型有機EL素子を得た。
この作製例1の有機EL素子に直流電圧を印加して電流を流したところ発光し、10mA/cmでの駆動電圧、輝度及び色度座標は、表1に示すとおりであった。
Figure 2006114844
(有機EL素子の作製例2〜6)
ドーパント材料としての化合物(16)に代えて、ドーパント材料としての化合物(17)〜(21)を用いた以外は、作製例1と同様にして作製例2〜6の有機EL素子を得た。それらの分子量に関する情報及び各発光特性の測定結果を表1に示す。また、作製例1〜6の有機EL素子について、DMW/HMW(X軸)と輝度(Y軸)との相関を示すグラフを図7に示す。
(有機EL素子の作製例7〜12)
ホスト材料としての化合物(1)に代えて、ホスト材料としての化合物(4)を用いた以外は、作製例1〜6と同様にして作製例7〜12の有機EL素子を得た。それらの分子量に関する情報及び各発光特性の測定結果を表2に示す。また、作製例7〜12の有機EL素子について、DMW/HMW(X軸)と輝度(Y軸)との相関を示すグラフを図8に示す。
Figure 2006114844
(有機EL素子の作製例13〜18)
ホスト材料としての化合物(1)に代えて、ホスト材料としての化合物(6)を用いた以外は、作製例1〜6と同様にして作製例13〜18の有機EL素子を得た。それらの分子量に関する情報及び各発光特性の測定結果を表3に示す。また、作製例13〜18の有機EL素子について、DMW/HMW(X軸)と輝度(Y軸)との相関を示すグラフを図9に示す。
Figure 2006114844
(有機EL素子の作製例19〜24)
ホスト材料としての化合物(1)に代えて、ホスト材料としての化合物(9)を用いた以外は、作製例1〜6と同様にして作製例19〜24の有機EL素子を得た。それらの分子量に関する情報及び各発光特性の測定結果を表4に示す。また、作製例19〜24の有機EL素子について、DMW/HMW(X軸)と輝度(Y軸)との相関を示すグラフを図10に示す。
Figure 2006114844
(有機EL素子の作製例25〜28)
ドーパント材料としての化合物(16)に代えて、ドーパント材料としての化合物(22)〜(25)を用いた以外は、作製例1と同様にして作製例25〜28の有機EL素子を得た。それらの分子量に関する情報及び各発光特性の測定結果を表5に示す。また、作製例25〜28の有機EL素子について、DMW/HMW(X軸)と輝度(Y軸)との相関を示すグラフを図11に示す。
Figure 2006114844
(有機EL素子の作製例29〜32)
ドーパント材料としての化合物(16)に代えて、ドーパント材料としての化合物(22)〜(25)を用いた以外は、作製例7と同様にして作製例29〜32の有機EL素子を得た。それらの分子量に関する情報及び各発光特性の測定結果を表6に示す。また、作製例29〜32の有機EL素子について、DMW/HMW(X軸)と輝度(Y軸)との相関を示すグラフを図12に示す。
Figure 2006114844
(有機EL素子の作製例33〜36)
ドーパント材料としての化合物(16)に代えて、ドーパント材料としての化合物(22)〜(25)を用いた以外は、作製例13と同様にして作製例33〜36の有機EL素子を得た。それらの分子量に関する情報及び各発光特性を表7に示す。また、作製例33〜36の有機EL素子について、DMW/HMW(X軸)と輝度(Y軸)との相関を示すグラフを図13に示す。
Figure 2006114844
(有機EL素子の作製例37〜40)
ドーパント材料としての化合物(16)に代えて、ドーパント材料としての化合物(22)〜(25)を用いた以外は、作製例19と同様にして作製例37〜40の有機EL素子を得た。それらの分子量に関する情報及び各発光特性を表8に示す。また、作製例37〜40の有機EL素子について、DMW/HMW(X軸)と輝度(Y軸)との相関を示すグラフを図14に示す。
Figure 2006114844
(有機EL素子の作製例41〜47)
ドーパント材料としての化合物(16)に代えて、ドーパント材料としての化合物(30)〜(36)を用いた以外は、作製例1と同様にして作製例41〜47の有機EL素子を得た。それらの分子量に関する情報及び各発光特性を表9に示す。また、作製例41〜47の有機EL素子について、DMW/HMW(X軸)と輝度(Y軸)との相関を示すグラフを図15に示す。
Figure 2006114844
(有機EL素子の作製例48〜54)
ドーパント材料としての化合物(16)に代えて、ドーパント材料としての化合物(30)〜(36)を用いた以外は、作製例7と同様にして作製例48〜54の有機EL素子を得た。それらの分子量に関する情報及び各発光特性を表10に示す。また、作製例48〜54の有機EL素子について、DMW/HMW(X軸)と輝度(Y軸)との相関を示すグラフを図16に示す。
Figure 2006114844
(有機EL素子の作製例55〜61)
ドーパント材料としての化合物(16)に代えて、ドーパント材料としての化合物(30)〜(36)を用いた以外は、作製例13と同様にして作製例55〜61の有機EL素子を得た。それらの分子量に関する情報及び各発光特性を表11に示す。また、作製例55〜61の有機EL素子について、DMW/HMW(X軸)と輝度(Y軸)との相関を示すグラフを図17に示す。
Figure 2006114844
(有機EL素子の作製例62〜68)
ドーパント材料としての化合物(16)に代えて、ドーパント材料としての化合物(30)〜(36)を用いた以外は、作製例19と同様にして作製例62〜68の有機EL素子を得た。それらの分子量に関する情報及び各発光特性を表12に示す。また、作製例62〜68の有機EL素子について、DMW/HMW(X軸)と輝度(Y軸)との相関を示すグラフを図18に示す。
Figure 2006114844
(有機EL素子の作製例69〜75)
ホスト材料としての化合物(1)に代えて、ホスト材料としての化合物(18)を用い、ドーパント材料としての化合物(16)に代えて、ドーパント材料としての化合物(37)、(38)、(39)〜(43)を用いた以外は、作製例1と同様にして作製例69〜75の有機EL素子を得た。それらの分子量に関する情報及び各発光特性を表13に示す。また、作製例69〜75の有機EL素子について、DMW/HMW(X軸)と輝度(Y軸)との相関を示すグラフを図19に示す。
Figure 2006114844
(有機EL素子の作製例76〜82)
ホスト材料としての化合物(48)に代えて、ホスト材料としての化合物(24)を用いた以外は、作製例69〜75と同様にして作製例76〜82の有機EL素子を得た。それらの分子量に関する情報及び各発光特性を表14に示す。また、作製例76〜82の有機EL素子について、DMW/HMW(X軸)と輝度(Y軸)との相関を示すグラフを図20に示す。
Figure 2006114844
第1実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 第2実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 第3実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 第4実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 第5実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 DMW/HMWと有機EL素子の発光効率(輝度)との相関の一例を模式的に示すグラフである。 本発明の実施例に係るDMW/HMWと有機EL素子の輝度との相関を示すグラフである。 本発明の実施例に係るDMW/HMWと有機EL素子の輝度との相関を示すグラフである。 本発明の実施例に係るDMW/HMWと有機EL素子の輝度との相関を示すグラフである。 本発明の実施例に係るDMW/HMWと有機EL素子の輝度との相関を示すグラフである。 本発明の実施例に係るDMW/HMWと有機EL素子の輝度との相関を示すグラフである。 本発明の実施例に係るDMW/HMWと有機EL素子の輝度との相関を示すグラフである。 本発明の実施例に係るDMW/HMWと有機EL素子の輝度との相関を示すグラフである。 本発明の実施例に係るDMW/HMWと有機EL素子の輝度との相関を示すグラフである。 本発明の実施例に係るDMW/HMWと有機EL素子の輝度との相関を示すグラフである。 本発明の実施例に係るDMW/HMWと有機EL素子の輝度との相関を示すグラフである。 本発明の実施例に係るDMW/HMWと有機EL素子の輝度との相関を示すグラフである。 本発明の実施例に係るDMW/HMWと有機EL素子の輝度との相関を示すグラフである。 本発明の実施例に係るDMW/HMWと有機EL素子の輝度との相関を示すグラフである。 本発明の実施例に係るDMW/HMWと有機EL素子の輝度との相関を示すグラフである。
符号の説明
1…第1の電極、2…第2の電極、4…基板、10…発光層、11…ホール輸送層、13…電子注入層、14…ホール注入層、100…第1実施形態に係る有機EL素子、200…第2実施形態に係る有機EL素子、300…第3実施形態に係る有機EL素子、400…第4実施形態に係る有機EL素子、500…第5実施形態に係る有機EL素子、P…電源。

Claims (14)

  1. 有機EL素子の発光層に含有される所定のホスト材料と併用するドーパント材料を、同じ主骨格を有する2種以上のドーパント材料のなかから選択する、有機EL素子材料の選択方法であって、
    前記ホスト材料の分子量に対する、前記ドーパント材料各々の分子量の比と、
    前記ホスト材料及び前記ドーパント材料を含有する発光層を備える有機EL素子の発光効率と、
    の相関に基づいて決定するドーパント決定工程を有することを特徴とする有機EL素子材料の選択方法。
  2. 前記ドーパント決定工程において、下記式(A)で表される条件を満たすように、前記ホスト材料と併用する前記ドーパント材料を決定することを特徴とする請求項1記載の有機EL素子材料の選択方法。
    (DMW/HMW)≧α …(A)
    (式中、HMW、DMWは、それぞれ前記ホスト材料、前記ドーパント材料の分子量を示し、αは特定の値を示す。)
  3. 前記式(A)において、αが1であることを特徴とする請求項2記載の有機EL素子材料の選択方法。
  4. 有機EL素子の発光層に含有される所定のドーパント材料と併用するホスト材料を、同じ主骨格を有する2種以上のドーパント材料のなかから選択する、有機EL素子材料の選択方法であって、
    前記ドーパント材料の分子量に対する、前記ホスト材料各々の分子量の比と、
    前記ドーパント材料及び前記ホスト材料を含有する発光層を備える有機EL素子の発光効率と、
    の相関に基づいて決定するホスト決定工程を有することを特徴とする有機EL素子材料の選択方法。
  5. 前記ホスト決定工程において、下記式(B)で表される条件を満たすように、前記ドーパント材料と併用する前記ホスト材料を決定することを特徴とする請求項4記載の有機EL素子材料の選択方法。
    (HMW/DMW)≦β …(B)
    (式中、DMW、HMWは、それぞれ前記ドーパント材料、前記ホスト材料の分子量を示し、βは特定の値を示す。)
  6. 前記ホスト材料がアントラセン誘導体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機EL素子材料の選択方法。
  7. 前記ドーパント材料が、ナフタセン誘導体、ベンゾフルオランテン誘導体、ジインデノペリレン誘導体及びペリレン誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機EL素子材料の選択方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機EL素子材料の選択方法により、発光層に用いられるホスト材料及びドーパント材料を決定する工程を含むことを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  9. 互いに対向して配置されている電極間に備えられる発光層がホスト材料及びドーパント材料を含有し、前記ホスト材料の分子量に対する前記ドーパント材料の分子量の比が1以上であることを特徴とする有機EL素子。
  10. 前記ホスト材料及び/又は前記ドーパント材料が炭化水素化合物であることを特徴とする請求項9記載の有機EL素子。
  11. 前記ホスト材料がアントラセン誘導体であることを特徴とする請求項9又は10に記載の有機EL素子。
  12. 前記ドーパント材料がナフタセン誘導体、ベンゾフルオランテン誘導体及びジインデノペリレン誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  13. 前記ホスト材料の分子量が500〜1500であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  14. 前記ドーパント材料の分子量が500〜1500であることを特徴とする請求項9〜13のいずれか一項に記載の有機EL素子。
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