JP2006113073A - パターン欠陥検査装置及びパターン欠陥検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体回路パターン形成工程において、レビュー装置による目視再検査を省略して、検出したパターン欠陥の詳細な解析を迅速化する。
【解決手段】高速のパターン欠陥検査装置に、欠陥の検出に同期して欠陥の画像的特徴量を計算する手段と、計算された特徴量によって欠陥をクラスタに分類する手段とを付加する。
【選択図】図1
【解決手段】高速のパターン欠陥検査装置に、欠陥の検出に同期して欠陥の画像的特徴量を計算する手段と、計算された特徴量によって欠陥をクラスタに分類する手段とを付加する。
【選択図】図1
Description
本発明は、繰り返しパターンを含む部分が所定ピッチにて配列された被検査物の欠陥を抽出する装置に係わり、特にウェハ上に集積された半導体回路パターンの外観検査に好適なパターン欠陥検査装置に関する。
半導体集積回路(例えばLSIなど)の製造に於いては、回路パターンを形成する各工程毎に形成パターンの欠陥を抽出し、その欠陥の発生原因を取り除くことが、最終製品である半導体集積回路の良品歩留まりを向上させるために重要である。
従来、半導体回路パターンの欠陥を自動抽出するためには、例えば本発明と同一発明者らによる特開昭59−192943号公報(以下、特許文献1という)に記載されたような欠陥検査装置が既に実用化されている。このような欠陥検査装置の原理はおよそ次の通りである。まず、等速移動台上に被検査物である半導体ウェハを固定し、被検査物を等速で移動しながら移動に直交する方向にラインセンサで被検査物の表面を走査してその映像信号を入力する。この様にすると、通常半導体ウェハ上には同一パターンが一定ピッチで繰り返されているので、入力信号には同じ波形の信号が繰り返し現れる。従って、この入力信号と繰り返しピッチ分だけ遅らされた入力信号とを比較することによって、信号差の大きい部分として欠陥部分を抽出することができる。
この原理に従ったパターン欠陥検査装置は人間に比べて超高速に欠陥を抽出することが出来るので、必須の評価装置として既に多くの半導体集積回路の生産ラインで実用化されている。しかし、欠陥検査装置から出力される欠陥情報は欠陥座標が主であるため、欠陥の生起原因を究明するためには、欠陥検査装置から出力される欠陥座標データのリストを基に、さらにレビュー装置と呼ばれる別の装置で、一つ一つの抽出欠陥を目視再検査する必要があった。
従来技術では、ユーザが本当に欲しい欠陥データを得るためには、欠陥検査装置からの欠陥座標データリストを基に、レビュー装置による目視再検査を行わなければならなかった。そのため、欠陥発生原因究明には欠陥検査装置の処理時間の他に膨大な時間と労力が必要となるという問題があった。更に、目視による再検査が多くの時間を必要とするため、パターン欠陥検査装置で抽出した全ての欠陥を目視再検査することが出来ず、ランダムに選択された欠陥だけの再検査で全体の欠陥発生状況を推定しなければならなかった。そのために、生起確率の低い重要な欠陥の情報を見逃してしまうという問題があった。
本発明の目的は、半導体回路パターン形成工程において、レビュー装置による目視再検査を省略して、検出したパターン欠陥の詳細な解析を迅速化することである。
そのため本発明では、高速のパターン欠陥検査装置に、欠陥の検出に同期して欠陥の画像的特徴量を計算する手段と、計算された特徴量によって欠陥をクラスタに分類する手段とを付加する構成とした。
この様にすれば、パターン欠陥検査装置だけで欠陥解析が出来るので、簡単な欠陥解析であればレビュー装置による目視検査を省略して原因究明が可能になる。さらに、欠陥検査装置による分類を考慮してレビュー装置による再検査欠陥を選択するようにすれば、特異な欠陥を見落とすこともなくなり、全体としての欠陥発生原因の究明作業が大幅に迅速化し、前述の課題が解決できる。
本発明によれば、半導体回路パターン形成工程において、レビュー装置による目視再検査を省略して、検出したパターン欠陥の詳細な解析を迅速化できるという効果を得ることができる。
ラスタ走査方式で高速かつ連続的に入力される画像データ列から、画像データ中に含まれる個々の図形の特徴量を画像データ入力とほぼ同時に計算する処理は、本発明と同一の発明者らによる特開昭63−217479号公報に記載されており、既に公知の技術である。この技術を適用すれば、パターン欠陥検査装置は欠陥検出速度を低下させることなく、欠陥の画像的特徴量を計算する事が出来る。また、画像に含まれる欠陥の画像的特徴量を基に欠陥をクラスタに分類する技術はいわゆるクラスタリング技術であり、当該技術分野では様々なアルゴリズムが知られている。したがって、本発明の対象とするパターン欠陥検査装置は公知の技術の組み合わせによって容易に実現することが出来る。本発明はこの装置において、欠陥抽出の方法に特徴をもつものである。
欠陥のクラスタへの分類方法に関しては、欠陥領域の各特徴量をそれぞれの座標軸に割り当てた特徴空間を考え、各欠陥データをその中の一点として表したときの密集状態から自動的にクラスタ分類する方法を選択することもできるし、予め先見情報として特徴空間内の欠陥のクラスタ毎の生起分布を計測しておき、その先見情報によって既知の欠陥クラスタに欠陥を分類することもできる。前者は新規の半導体パターン形成プロセスを評価するために有効であり、後者は定常的に同一プロセスを検査するために有効である。
欠陥を分類するための特徴量としては、形状を表すものとして寸法,面積,周囲長が有効であり、欠陥の種類や発生領域を示すものとして欠陥及び対応正常領域の濃淡値が有効である。通常、領域の平均的な濃淡値は濃淡値の総和を計算し、その結果を面積の計算値で割り算することで求める。さらにまた、欠陥領域と正常領域の濃淡値の差の絶対値の総和や2乗値の総和は欠陥程度の判定に有効と考えられる。
前述の撮像装置は、被検査物の表面を細く絞った電子線あるいは光ビームで一次元的に走査し、その結果として得られる電子流強度あるいは光強度の変化を映像信号として入力するものでも良いし、被検査物に電子線あるいは照明光を照射し、それによって生じる電子線像あるいは光学像をアレイセンサ上に投影し、アレイセンサを電子的に走査することによって映像信号を入力するものであっても良い。いずれの場合でも被検査物の表面パターンを一次元的に走査して映像信号を得ることには変わりはない。
欠陥の特徴量計算に用いられる画像の濃淡値は、通常は前述の映像信号を変換したディジタル画像信号であるが、欠陥検出に用いられるディジタル画像信号とは違った画像信号を使うこともできる。例えば、入力画像信号を空間的に平滑化やエッジ強調処理して得た濃淡値でも良い。さらに撮像手段が複数の映像信号を同時に入力できるパターン欠陥検査装置であれば、欠陥部抽出に用いられる映像信号とは異なる映像信号を用いることもできる。例えば、二次電子信号と反射電子信号とを別の映像信号として得られる電子顕微鏡装置を撮像装置として用いる場合には一方を欠陥部抽出に使い、他方を欠陥特徴量計算に用いることもできる。また、光の検査装置のように色情報が使用可能なものであれば、各色成分あるいはその線形結合を特徴量計算のための濃淡画像データとして使用することもできる。この様に多様な濃淡画像データから分類のための特徴量を計算するようにすれば、欠陥分類の精度の更に向上したパターン欠陥検査装置を提供することが出来る。
なお、本発明の発明者らによる公知文献「オートマチック・ウェハ・インスペクション・システム・ユージング・パイプラインド・イメージ・プロセッシング・テクニック」,アイ・イー・イー・イー・トランザクション・ピー・エー・エム・アイ,第10巻,第1号,1988年1月(“An Automatic Wafer Inspection System Using Pipelined Image Processing Techniques”,IEEE Trans. PAMI,Vol.10, NO.1, January 1988) には、欠陥領域の面積,寸法、さらに設計パターンを基にした欠陥特徴量計算と、それを用いた欠陥分類の考え方が示されている。しかし、この分類は、個々の欠陥の致命性を判断して欠陥検査装置としての信頼性を高めるための手段であって、欠陥の生起原因を追求するための手段としては不十分であった。本発明では、そのため新たに、欠陥パターン部および対応する正常パターン部の濃淡情報に基づく画像的特徴量を欠陥領域の抽出とほぼ同時に計算する手段、さらに計算された特徴量を基に、検出された欠陥を特徴空間内でのクラスタに自動分類する手段,クラスタ分類された欠陥を表示する手段を持たせて、欠陥生起原因究明を迅速化できるようにしたものである。
図1は本発明の第一の実施例を示し、パターン欠陥検査装置を構成する各機器の構成図である。本実施例は被検査物を電子線で走査して映像信号を得る場合の例である。本実施例では被検査物1は具体的には半導体ウェハである。この被検査物1は移動可能な試料台2上に置かれ、被検査物1の表面パターンが細く絞った電子線4によって試料台2の移動方向と交差した方向に繰り返し走査される。電子線の走査によって発生した電子流は半導体センサD1に検知され、半導体ウェハ表面パターンの映像信号として高速AD変換器6に入力される。この様にすると、被検査物が等速で移動しているので、映像信号は一定幅で無限に長いラスタ走査画像信号として入力されることになる。
図2は電子線の走査による画像入力を説明する半導体ウェハ表面パターンの斜視図である。被検査物が半導体ウェハパターンの場合、ウェハ上には図2のP1,P2,P3のように同じパターンが繰り返されて配置されているので、ウェハを一定速度で移動しながら電子線4で繰り返し走査すると、繰り返しピッチ毎に同じパターンの映像信号がセンサ
D1に検知される。従って、図1に示すようにAD変換器6によってディジタル信号に変換された映像信号を一旦遅れ回路7を通した後に1繰り返しピッチ分の遅れ回路8を通すようにすると、遅れ回路7の出力信号S1と遅れ回路8の出力信号S2とは1ピッチずれた同一パターンの映像信号ということになる。従って、欠陥検出回路9によって出力信号S1と出力信号S2を精密に比較すれば、その濃淡差の大きさから欠陥領域を「1」とする欠陥画像信号S3を生成することが出来る。これらの処理は、全て映像信号の入力と同期して画素単位にパイプライン方式で実行される。従って、欠陥画像は入力画像からほぼ一定時間だけ対応位置の遅れたラスタ走査画像として出力される。
D1に検知される。従って、図1に示すようにAD変換器6によってディジタル信号に変換された映像信号を一旦遅れ回路7を通した後に1繰り返しピッチ分の遅れ回路8を通すようにすると、遅れ回路7の出力信号S1と遅れ回路8の出力信号S2とは1ピッチずれた同一パターンの映像信号ということになる。従って、欠陥検出回路9によって出力信号S1と出力信号S2を精密に比較すれば、その濃淡差の大きさから欠陥領域を「1」とする欠陥画像信号S3を生成することが出来る。これらの処理は、全て映像信号の入力と同期して画素単位にパイプライン方式で実行される。従って、欠陥画像は入力画像からほぼ一定時間だけ対応位置の遅れたラスタ走査画像として出力される。
この時欠陥領域を正確に検出するためには出力信号S1と出力信号S2の位置関係を精密に調整することが必要であり、そのために位置ずれ回路10が用いられる。位置ずれ回路10は内部に遅れ回路8に相当する遅延回路を持ち、予め出力信号S1と出力信号S2の位置ずれを検出し、遅れ回路8の遅れ量を最適に調整する回路である。また、前述の遅れ回路7は位置ずれ回路10が位置ずれ量を検出してから遅れ回路8を調整するまでの時間遅れを補正するために設けられたものである。これらの欠陥抽出原理については、既に前述の公知例である特開昭59−192943号公報、及び、公知文献「オートマチック・ウェハ・インスペクション・システム・ユージング・パイプラインド・イメージ・プロセッシング・テクニック」,アイ・イー・イー・イー・トランザクション・ピー・エー・エム・アイ,第10巻,第1号,1988年1月(“An Automatic Wafer Inspection System
Using Pipelined Image Processing Techniques”,IEEE Trans. PAMI, Vol.10, NO.1, January 1988) に詳しく述べられている。欠陥抽出回路9としては、濃淡値の変動や位置ずれ回路10によって検出された1画素以下のずれ量、さらにパターンの微細な形状変動を補償するための付加的演算,検出された欠陥画像の欠陥像の整形,雑音パターンの除去など、現実には多くの処理が入れられるが、ここでは本発明をわかりやすくするために省略している。
Using Pipelined Image Processing Techniques”,IEEE Trans. PAMI, Vol.10, NO.1, January 1988) に詳しく述べられている。欠陥抽出回路9としては、濃淡値の変動や位置ずれ回路10によって検出された1画素以下のずれ量、さらにパターンの微細な形状変動を補償するための付加的演算,検出された欠陥画像の欠陥像の整形,雑音パターンの除去など、現実には多くの処理が入れられるが、ここでは本発明をわかりやすくするために省略している。
図3は、この原理に従った欠陥検出の方法を説明する入力画像信号を画像として表した斜視図である。図3(a)は無限に長いラスタ走査画像として入力される入力画像信号
25とそれに重畳する欠陥部27を示している。図3(b)は図3(a)のような入力画像信号25から出力される欠陥画像信号26を示している。入力画像中に欠陥部27があると、やや遅れて検出欠陥像28が出力されるが、繰り返しピッチ遅れた時点で入力欠陥像が参照画像を示す出力信号S2として使われるために、再び擬似の欠陥検出像29が得られる。この2つの欠陥は単独では真偽が判別できないが、真の欠陥はパターンを形成する製造装置の構成から繰り返しピッチ離れたところに必ずペアで検出されるので、最終的な検出欠陥リストから一定の規則で擬似欠陥を除去すると、真の欠陥だけを得ることができる。
25とそれに重畳する欠陥部27を示している。図3(b)は図3(a)のような入力画像信号25から出力される欠陥画像信号26を示している。入力画像中に欠陥部27があると、やや遅れて検出欠陥像28が出力されるが、繰り返しピッチ遅れた時点で入力欠陥像が参照画像を示す出力信号S2として使われるために、再び擬似の欠陥検出像29が得られる。この2つの欠陥は単独では真偽が判別できないが、真の欠陥はパターンを形成する製造装置の構成から繰り返しピッチ離れたところに必ずペアで検出されるので、最終的な検出欠陥リストから一定の規則で擬似欠陥を除去すると、真の欠陥だけを得ることができる。
図4はラインセンサによる画像入力方法を説明する半導体ウェハ表面パターンの斜視図である。このようなパターン欠陥検査は、もちろん電子線や光を一次元方向に走査することだけではなく、図4のように被検査物の像を光学レンズ21を用いてラインセンサ22上に投影し、ラインセンサ22で像を検出してもよい。
図1に示した欠陥検出回路9の出力である欠陥画像信号S3は特徴量計算回路11に入力され、欠陥画像S3から個々の欠陥の位置,寸法,面積が実時間で計算される。本発明に於いては、さらに、これらの特徴に加えて各欠陥領域ごとの入力画像濃度を示す出力信号S1,参照画像濃度を示す出力信号S2,差分絶対値画像濃度を示す出力信号S4が欠陥検出とは異なるセンサから入力され、遅れ調整回路15を通って時間調整された映像信号の濃度,設計パターン生成回路16から出力される設計パターン濃度などの総和値を欠陥特徴量として計算する機能を特徴量計算回路11に持たせた。
この特徴量計算回路11は、一定の画素クロックに従ってラスタ走査的に入力される欠陥画像データを基に、欠陥画像が現れるたびに欠陥画像の入力に同期して実時間で欠陥特徴量を計算するものであり、その内容については既に前述した公知例である特開昭63−
217479号公報に記載されているとおりである。
217479号公報に記載されているとおりである。
計算された特徴量は、計算が完結するごとに結果メモリ12に格納され、1単位の領域の検査が終了する毎に制御計算機13に読み込まれる。制御計算機13は、パターン欠陥検査装置全体を制御する計算機であり、試料台制御回路3によって試料台の動作を制御し、タイミング発生回路14によって全体の検査処理実行タイミングを制御し、また設計パターン生成回路16へのパターンデータ格納などを行い、検査装置としての機能を実現する。また、画像認識回路18は、計算機からの制御により内部の画像メモリに被検査物上の特定パターンの位置の画像データを入力し、予め記憶された基準パターンとなるテンプレートパターンとの相関演算などによって、特定パターンの画像上での位置を精密に計測するものである。特定パターンの存在すべき位置と実際に計測された位置とのずれ量は、試料台2の位置座標と被検査物上の特定パターンの位置座標から計算され、制御計算機
13に入力される。
13に入力される。
タイミング発生回路14は制御計算機13からの情報と試料台2の位置を制御する試料台制御回路3からの試料台2の位置情報に基づき、電子線偏向制御回路5で偏向する電子線4の偏向位置,偏向タイミング、さらにはAD変換器6,設計パターン生成回路16の信号入力のタイミングなどを制御するものである。実際にはタイミング発生回路14から他の回路ブロックへもタイミング信号を送出しているが、本発明の実施例の説明に際して詳細説明は不要なので省略した。制御計算機13に取り込まれた欠陥特徴量データは、制御計算機のソフトウェアによって分類処理され、分類結果が表示装置17に表示される。
次に、特徴量計算回路11の計算方法について説明する。ただし、この方法については前述の特開昭63−217479号公報に詳しいので、ここではその考え方のみを説明する。図5は欠陥特徴量を抽出するための画像を示すもので、図5(a)は入力画像、図5(b)は入力画像をライン毎に単純化した説明図である。
この方法はまず、図5(a)の左側に示すような入力画像を簡単な巡回形フィルタによって処理し、2値図形に含まれる穴や下に向かって凹んだ部分を潰した右側の制御画像を作成する。この様な変形を施すと制御画像の中の図形形状は単純化され、全ての図形はラスタ走査の連続する2つのラインの画像データだけに注目すると、図5(b)に示す4通りの形状しか現れないようになる。すなわち、注目するある一つのラインをJラインと定義すると、初めて図形の一部が現れるHEAD,J−1ラインで図形が終了したTAIL,J−1ラインの図形がそのままJラインにつながっているBODY−1,J−1ライン上の複数の図形がJライン上で一つの図形に結合するBODY−2の4通りの形式が考えられる。ここでJ−1ライン上の一つの図形がJライン上では複数の図形に分岐するものが考えられるが、前述の変形を行った制御画像においてはこのようなものは全く存在しなくなる。
特徴量の計算はこの制御画像の上でラスタ走査順に順次実行される。ラスタ走査の連続する2ライン分の接続状況を監視し、図5(b)に示したHEADがあればJライン上の部分画像の部分特徴量をJラインの中間特徴量として記憶し、TAILであればJ−1ラインの中間特徴量として記憶されていたものを外部に欠陥特徴量として出力する。BODY−1であれば、J−1ラインの中間特徴量を読み出してJライン上の部分特徴量を合成して再びJラインの中間特徴量として記憶する。さらに、BODY−2であればJ−1ライン上の対応図形の中間特徴量を合成すると共にJライン上の部分特徴量とも合成し、再びJラインの中間特徴量として記憶する。この処理を各ラインの入力と同期して行えば、画像データの入力に同期した欠陥特徴量計算がほぼ同時に可能になる。なお、Jラインの中間特徴量が記憶された後では1ライン前のJ−1ラインの中間特徴量は記憶している必要がなくなるので、J−1ライン用の記憶回路は次のJ+1ラインの中間特徴量の記憶場所として使うことが出来る。従って、2ライン分の記憶場所を持たせればどのようにライン本数が多くても、記憶場所を増やすことなく全ての欠陥の特徴量が計算可能である。
図6は特徴量計算回路の構成図であり、特徴量計算回路11におけるより詳細な実施例を示す。欠陥画像信号S3は制御画像生成回路31によって処理され、制御画像信号S21が生成される。制御信号生成回路32はその制御画像信号S21を処理して特徴量計算のための制御信号S22を生成する。特徴量計算回路33a,33b,33c,33d,
33e,33fはその制御信号によって制御され、それぞれの入力画像データに応じた欠陥の特徴量を計算する。
33e,33fはその制御信号によって制御され、それぞれの入力画像データに応じた欠陥の特徴量を計算する。
図1の特徴量計算回路11には入力として6本の信号が入力されているが、図6では欠陥画像信号S3以外の出力信号を出力信号S11,S12,S13で代表させて記述してある。欠陥画像信号S3からは特徴量計算回路33a,33b,33cによって欠陥座標値とX寸法,Y寸法,面積が計算され、出力信号S11,S12,S13の信号からは特徴量計算回路33d,33e,33fに於いてそれぞれの画像濃淡値の欠陥画像信号S3上での総和値が計算される。出力信号S11,S12,S13は図1の特徴量計算回路11の入力の一つにそれぞれ対応したものであるが、それらの信号を空間微分などのフィルタ処理したものを用いることもできる。これらの特徴量計算は欠陥領域の走査と同期して実行されるため、同一欠陥像に関する特徴量は全て同じタイミングで出力される。致命欠陥判定回路34は、寸法,面積を判定して致命欠陥と思われるものだけを結果メモリ12に他の特徴量と共に出力する。ウェハのパターン欠陥検査においては、通常致命性を持たない微小な疑似欠陥が多く検出されるので、この致命欠陥判定回路34は結果メモリ12を容易にオーバフローさせないと言う意味で重要である。
濃淡値の総和となる特徴量はそれぞれ制御計算機に取り込まれた後に面積値で割り算されて扱いやすい平均濃度値に変換される。最終的に計算機で整理された欠陥特徴量は図7のように欠陥データリストとして記憶される。図7は欠陥特徴量リストの例であり、特徴量の本発明の第一の実施例として、X座標,Y座標,X寸法,Y寸法,面積,周長,欠陥濃淡,良品濃淡,良品微分濃淡,差分濃淡,設計データを示している。このうち、欠陥濃淡とは欠陥領域内部の入力画像濃度を示す出力信号S1の濃淡値の総和を計算して面積で割ったもの、良品濃淡とは参照画像濃度を示す出力信号S2の濃淡値の総和を面積で割ったもの、良品微分濃淡は入力画像濃度を示す出力信号S1を微分し絶対値を計算して得た濃淡画像の総和を面積で割ったもの、差分濃淡は出力信号S1と出力信号S2を精密に比較したときの差分値の絶対値を計算した画像の濃度を示す出力信号S4の総和を面積で割ったもの、設計データは特定のパターンの内部を1とするように設計パターン生成回路
16で生成された2値画像の欠陥内部での総和を面積で割ったものをそれぞれ示している。欠陥領域内部での濃淡画像の値を総和する処理は一般に「体積」計算と呼ばれている処理であり、体積計算を含むここで述べる全ての特徴量計算処理は前述の特開昭63−217479号公報に記載された実施例と同じ方法である。
16で生成された2値画像の欠陥内部での総和を面積で割ったものをそれぞれ示している。欠陥領域内部での濃淡画像の値を総和する処理は一般に「体積」計算と呼ばれている処理であり、体積計算を含むここで述べる全ての特徴量計算処理は前述の特開昭63−217479号公報に記載された実施例と同じ方法である。
ここで、設計パターンとして使用するデータは、被検査物上のパターンを形成するときに使用したパターンデータから自動的に作成されたものでもよいし、被検査物の撮像データを基にグラフィックソフトウェアを用いて対話的に作成したものでもよいし、被検査物の撮像画像データの濃淡値を閾値処理するなどして得たものであってもよい。
図8は、抽出された欠陥の画像の例を示したものである。図8において、(a)は欠陥を含む入力画像、(b)は比較される参照画像、(c)は欠陥像の例である。図8(a)の入力画像には回路パターン51の他に入力欠陥パターン52,53,54が存在している。参照画像中の回路パターン55の内部と外部とで画像濃淡値が異なる場合には、抽出欠陥領域に対応する正常領域の濃度である良品濃度を特徴量とすれば、内部欠陥57と外部欠陥58とを識別することが可能になる。また、抽出欠陥領域に対応する正常領域の微分濃度である良品微分濃度を特徴量とすれば、境界部の欠陥56と内部欠陥57,外部欠陥58とを識別することも可能である。このように、抽出欠陥について前述の多種の特徴量を計算して用いれば、多様な欠陥のクラスタ分類が可能になる。
図9は特徴空間における欠陥分布の説明図であって、得られた欠陥を各特徴量を座標軸とした特徴空間上にプロットしたものである。図9(a)は良品濃度と欠陥濃度を二次元座標軸としたものである。この様にすると暗いパターン上の明るい欠陥、明るいパターン上の暗い欠陥が明らかにクラスタC1,C2を構成することになる。また、図9(b)は良品微分濃度と欠陥寸法を二次元座標軸としたもので、この様にすると明暗変化のあるパターン境界上の欠陥とそうでない欠陥とをクラスタC4,C3として分離することが出来る。図には示していないが、設計データという特徴量を使えば設計パターンとして指定した領域の内部と外部の欠陥がクラスタとして分離できることになる。
したがって、検出欠陥をその特徴量によってクラスタ分類すれば、レビュー装置による目視再検査を行うことなく、欠陥の生起原因をある程度まで解析することが可能になる。図10は欠陥のクラスタ分類の方法を示すフローチャートである。クラスタ分類は、予め分類したい各クラスタの生起確率分布が既知の場合には、図10(a)のように分類クラスタ毎の生起分布関数を入力し、各欠陥について最も生起確率の高いクラスに分類することで実施可能になる。各クラスタの生起状態が全く未知の場合には、例えば図10(b)のように特徴空間における生起欠陥の密集状態からクラスタを自動的に推定することが出来る。この手順はおよそ次の通りである。
(1)任意の欠陥の間の特徴空間上の距離を予め計算しておく。
(2)初期状態として全ての欠陥がそれぞれ一つのクラスタを構成しているものとする。
(3)閾値を初期設定し、クラスタ間の距離がある閾値よりも小さい場合にはそのクラスタを一つのクラスタに併合する。ただし、クラスタ間の距離とは、最も近い構成要素である欠陥間の距離とする。
(4)閾値を少し大きくする。
(5)閾値が予め決められた上限をこえるかクラスタ数が予め決められた下限値よりも小さければ終了。さもなければ(3)を繰り返す。
(1)任意の欠陥の間の特徴空間上の距離を予め計算しておく。
(2)初期状態として全ての欠陥がそれぞれ一つのクラスタを構成しているものとする。
(3)閾値を初期設定し、クラスタ間の距離がある閾値よりも小さい場合にはそのクラスタを一つのクラスタに併合する。ただし、クラスタ間の距離とは、最も近い構成要素である欠陥間の距離とする。
(4)閾値を少し大きくする。
(5)閾値が予め決められた上限をこえるかクラスタ数が予め決められた下限値よりも小さければ終了。さもなければ(3)を繰り返す。
この様な処理を行えば、欠陥生起分布が未知であっても、クラスタ分類が可能になる。図11は分類された各欠陥を、ウェハ単位、及びチップ単位でクラスタ別に表示した画像例である。
異なるクラスタに分類された欠陥は、互いに異なる生起原因によって発生した可能性が高いので、各クラスタ別に一定の割合で目視再検査を行うようにすれば、生起確率の少ない欠陥も見落としなく再検査する事が出来る。特に、半導体パターン検査の場合には、同一種類の欠陥が極端に多く発生することがあるので、この様な機能は極めて有効である。さらに、自動的にクラスタ分類した場合であっても各クラスタ毎に生起分布関数を算出し、次回以降の同じ検査にその分布関数に基づいたクラスタ分類を行うようにすれば、単に欠陥数だけの管理を行う場合に比べて、同じ工程の時間的な品質変化をより詳細に把握することが出来る。
図12に欠陥を作り込んだ生起確率分布計測用ウェハを用いた時の画像例を示す。分類すべきクラスタごとの生起確率分布関数を求める方法としては、図12のように予め考えられる欠陥を故意に作り込んだテストウェハを用いて自動検査させ、既知の領域で切り分けられた各クラスタの欠陥毎に検出欠陥の生起確率分布関数を計算するようにしてもよい。このようにすれば、煩わしい目視再検査を省略し、作り込まれた欠陥に類似した欠陥への自動分類が実現できる。
図13は本発明の第二の実施例を示し、図1中の主要部をネットワークを介して構成した構成図である。図13に於いて、41aはパターンを検査して欠陥特徴量を計算する欠陥検出部であり、43は欠陥特徴量から欠陥分類と表示を行う欠陥分類表示部である。この実施例の場合、この二つの部分はローカルエリアネットワークによって結合されており、必要に応じて欠陥データリストが欠陥検出部41aから欠陥分類表示部43へ転送されるようになっている。通常、欠陥検出部はクリーンルーム内に置く必要があるが、この様に分類表示部を分離すると、分類表示部は別の管理室に置くことが出来るので、さらに使い勝手が向上できる。更に、別のパターン欠陥検査装置の欠陥検出部41bを複数結合して同一の分類表示部で処理させることもできる。また、レビュー装置44を同一のネットワークに結合するようにすれば、クラスタ毎に選択された目視検査候補を分類表示部から直接レビュー装置44に送ることもできて、更に欠陥原因究明の作業が迅速化できる。
以上の実施例により以下の効果を得ることができる。
(1)欠陥検査とほぼ同時に欠陥分類と結果表示が可能。したがって、新たにレビュー装置による目視再検査が必要なくなり、外観欠陥検査による不良原因究明の作業が迅速化する。
(2)レビュー装置による目視再検査を行う場合であっても、欠陥のクラスタ分類結果に基づいた再検査候補決定が出来るので、生起頻度の少ない致命欠陥を見逃すことが少なくなる。
(3)クラスタ毎の欠陥発生頻度を無人で監視することが可能になり、半導体パターン形成工程の品質変動をきめ細かく監視することが出来る。
(1)欠陥検査とほぼ同時に欠陥分類と結果表示が可能。したがって、新たにレビュー装置による目視再検査が必要なくなり、外観欠陥検査による不良原因究明の作業が迅速化する。
(2)レビュー装置による目視再検査を行う場合であっても、欠陥のクラスタ分類結果に基づいた再検査候補決定が出来るので、生起頻度の少ない致命欠陥を見逃すことが少なくなる。
(3)クラスタ毎の欠陥発生頻度を無人で監視することが可能になり、半導体パターン形成工程の品質変動をきめ細かく監視することが出来る。
1…被検査物、2…試料台、3…試料台制御回路、4…電子線、5…電子線偏向制御回路、6…AD変換器、7,8…遅れ回路、9…欠陥検出回路、10…位置ずれ回路、11,33a,33b,33c,33d,33e,33f…特徴量計算回路、12…結果メモリ、13…制御計算機、14…タイミング発生回路、15…遅れ調整回路、16…設計パターン生成回路、17…表示装置、18…画像認識回路、21…光学レンズ、22…ラインセンサ、25…入力画像信号、26…欠陥画像信号、27…欠陥部、28…検出欠陥像、29…欠陥検出像、31…制御画像生成回路、32…制御信号生成回路、34…致命欠陥判定回路、41a,41b…欠陥検出部、42…ネットワーク、43…欠陥分類表示部、44…レビュー装置、51…回路パターン、52,53,54…入力欠陥パターン、
55…回路パターン、56…欠陥、57…内部欠陥、58…外部欠陥。
55…回路パターン、56…欠陥、57…内部欠陥、58…外部欠陥。
Claims (6)
- 繰り返しパターンを含む部分が所定ピッチで配列された被検査物のパターンを検査するパターン欠陥検査装置において、
前記被検査物を電子線,光ビーム,照明光の少なくとも一つで一次元方向に走査して得られる映像信号を入力する撮像手段と、
前記撮像手段で得られた前記映像信号から前記欠陥領域の欠陥画像と前記欠陥領域と同じパターンを有する正常領域の参照画像とを比較して欠陥を抽出する欠陥抽出手段と、
前記欠陥領域の抽出とほぼ同時に前記欠陥の画像の濃淡値を演算するとともに、前記欠陥領域に対応する前記正常領域の微分濃度である良品微分濃度を特徴量として演算する特徴量演算手段と、
前記特徴量に基づいて前記欠陥をクラスタ分類する分類手段と、
前記クラスタ分類した結果を表示する表示手段と
を備えたことを特徴とするパターン欠陥検査装置。 - 請求項1の記載において、
予め想定される欠陥を作り込んだ標準試料を検査して得られた欠陥分類毎の欠陥の画像の濃淡値の分布から、該分類毎の生起確率分布関数を予め計算して記憶する記憶手段と、
前記生起確率分布関数を用いて前記被検査物と同一製造工程の異なる被検査物から抽出された欠陥を分類することを特徴とするパターン欠陥検査方法。 - 繰り返しパターンを含む部分が所定ピッチで配列された被検査物のパターンを検査するパターン欠陥検査装置において、
欠陥を含む欠陥領域の欠陥画像と前記欠陥領域と同じパターンを有する正常領域の参照画像とを比較して前記被検査物のパターンの欠陥を検出する欠陥検出手段と、
前記欠陥検出手段で検出された前記欠陥の画像の濃淡値を演算するとともに、前記欠陥領域に対応する前記正常領域の微分濃度である良品微分濃度を特徴量として演算する特徴量演算手段とを備え、
該特徴量演算手段は通信回線で接続された前記欠陥の種類を分類し表示する欠陥分類手段へ前記欠陥の前記特徴量を送信することを特徴とするパターン欠陥検査装置。 - 請求項3の記載において、
予め想定される欠陥を作り込んだ標準試料を検査して得られた欠陥分類毎の欠陥の画像の濃淡値の分布から、該分類毎の生起確率分布関数を予め計算して記憶する記憶手段と、
前記生起確率分布関数を用いて前記被検査物と同一製造工程の異なる被検査物から抽出された欠陥を分類することを特徴とするパターン欠陥検査装置。 - 繰り返しパターンを含む部分が所定ピッチで配列された被検査物のパターンを検査するパターン欠陥検査方法において、
欠陥を含む欠陥領域の欠陥画像と前記欠陥領域と同じパターンを有する正常領域の参照画像とを比較して前記被検査物のパターンの欠陥を検出し、
前記欠陥検出手段で検出された前記欠陥の画像の濃淡値を演算するとともに、前記欠陥領域に対応する前記正常領域の微分濃度である良品微分濃度を特徴量として演算し、
前記欠陥の種類を分類し表示することを特徴とするパターン欠陥検査方法。 - 請求項5の記載において、
予め想定される欠陥を作り込んだ標準試料を検査して得られた欠陥分類毎の欠陥の画像の濃淡値の分布から、該分類毎の生起確率分布関数を予め計算して記憶し、
前記生起確率分布関数を用いて前記被検査物と同一製造工程の異なる被検査物から抽出された欠陥を分類することを特徴とするパターン欠陥検査方法。
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-
2005
- 2005-10-24 JP JP2005307961A patent/JP2006113073A/ja active Pending
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