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JP2006194108A - ドライサンプ式潤滑装置を備える内燃機関 - Google Patents

ドライサンプ式潤滑装置を備える内燃機関 Download PDF

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JP2006194108A JP2005004522A JP2005004522A JP2006194108A JP 2006194108 A JP2006194108 A JP 2006194108A JP 2005004522 A JP2005004522 A JP 2005004522A JP 2005004522 A JP2005004522 A JP 2005004522A JP 2006194108 A JP2006194108 A JP 2006194108A
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Abstract

【課題】スカベンジングポンプの吸引によりクランク室が減圧状態になることを利用して、戻り油路を通じてのクランク室への潤滑油の戻りを促進させる。
【解決手段】内燃機関Eのドライサンプ式潤滑装置は、フィードポンプ32とスカベンジングポンプ34と動弁室20内の潤滑油および気体を動弁室20の外部に流出させる流出通路とを備える。該流出通路は、動弁室20とクランク室10とを連通させる唯一の連通路である戻り油路44のみで構成され、動弁室20内の潤滑油と、ブリーザ通路52を通じて動弁室20に導かれたブローバイガスを含む息抜き用気体とは、戻り油路44のみを通じてクランク室10に導かれる。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィードポンプにより供給されて内燃機関の各潤滑箇所を潤滑した後の潤滑油を回収するスカベンジングポンプを備えるドライサンプ式潤滑装置を備える内燃機関に関する。
この種の内燃機関として、例えば特許文献1に開示されたドライサンプ式エンジンでは、オイルタンクに貯留した潤滑油は、給油ポンプによりエンジン本体に圧送されて、潤滑系各部を潤滑した後、オイルパンに落下する。そして、オイルパンに集まった潤滑油は、ピストンとシリンダとの間からクランク室に漏れたブローバイガスと共に排出ポンプにより吸引されてオイルタンクに送られる。また、排出ポンプの吸引力によりクランク室が減圧されることで、新気通路を通じて吸気管からシリンダヘッド内に新気が導入され、さらにシリンダヘッド内からクランク室に流入する。そして、ブローバイガスは、オイルタンク内で気液分離された後、還流通路を通じて吸気管に還流する。
特開平8−240113号公報
通常、シリンダヘッド内の潤滑系各部に供給された潤滑油は、シリンダヘッド内とクランク室とを連通させる戻り油路を通じてクランク室に戻る。また、前記従来技術のように、シリンダヘッド内に導入された新気は、シリンダヘッド内とクランク室を連通させるブリーザ通路を通じてクランク室に流入する。
そして、ドライサンプ式エンジンにおいては、排出ポンプの吸引でクランク室が減圧することにより、ブリーザ通路を通じての新気のクランク室への流入が促進される一方で、戻り油路を流れる潤滑油については、潤滑油が液体であることから戻り油路の壁面を伝わってクランク室に流入する割合が多いため、クランク室への潤滑油の戻りの促進に対するクランク室の減圧による寄与の度合いは小さかった。このため、シリンダヘッド内からクランク室への潤滑油の戻りが不十分な場合には、潤滑油の必要量を増加させなければならなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1,2記載の発明は、スカベンジングポンプの吸引によりクランク室が減圧状態になることを利用して、戻り油路を通じてのクランク室への潤滑油の戻りを促進させることを目的とする。そして、請求項2記載の発明は、さらに、スカベンジングポンプから吐出された潤滑油に対する気液分離を促進することを目的とする。
請求項1記載の発明は、吸気弁および排気弁を開閉する動弁装置が収容される動弁室およびピストンにより回転駆動されるクランク軸が収容されるクランク室が設けられる内燃機関であって、潤滑箇所にオイルタンク内の潤滑油を圧送するフィードポンプと、前記クランク室内の潤滑油を回収して前記オイルタンクに排出するスカベンジングポンプと、前記動弁室内の潤滑油および気体を前記動弁室の外部に流出させる流出通路とを備えるドライサンプ式潤滑装置を備える内燃機関において、前記流出通路は、前記動弁室と前記クランク室とを連通させる唯一の連通路である戻り油路のみで構成され、前記動弁室内の潤滑油と、前記クランク室以外からブリーザ通路を通じて前記動弁室に導かれた息抜き用気体は、前記戻り油路のみを通じて前記クランク室に導かれる内燃機関である。
これによれば、動弁室内の潤滑油は、動弁室内の潤滑油および気体を動弁室の外部に流出させる唯一の通路である戻り油路を通じてクランク室に導かれる。同時に、スカベンジングポンプの吸引によりクランク室が減圧状態となることにより、動弁室内の潤滑油および息抜き用気体をクランク室に吸引する吸引力が、唯一の通路である戻り油路に集中することで増大するので、戻り油路を通じての潤滑油の噴き返しが抑制され、さらに動弁室内の息抜き用気体も戻り油路を通じてクランク室に導かれることで、動弁室内では、戻り油路に向かう息抜き用気体が潤滑油を戻り油路に誘引し、さらに戻り油路では、戻り油路を流れる息抜き用気体がクランク室に向かう潤滑油の流れを促進する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関において、前記潤滑装置は、前記スカベンジングポンプからの潤滑油に混入しているブローバイガスを分離する気液分離器と、前記オイルクーラとを備え、前記スカベンジングポンプから吐出された潤滑油が前記オイルクーラにより冷却される前に前記気液分離器に導かれるものである。
これによれば、オイルクーラにより冷却される前の高温の潤滑油からブローバイガスが分離されるので、ブローバイガスが効率よく分離される。
請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、スカベンジングポンプの吸引によりクランク室が減圧状態になることを利用して、吸引力の増大により潤滑油の噴き上げが抑制され、さらに戻り油路を流れる息抜き用気体により、戻り油路を通じてのクランク室への潤滑油の戻りを促進させることができるので、潤滑油の戻り量を増加させることができて、潤滑油の必要量を減少させることができる。しかも、動弁室内の潤滑油を動弁室の外部に流出させるために別のポンプを設ける必要もないので、部品点数およびコストが削減される。
請求項2記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、スカベンジングポンプから吐出された潤滑油に対する気液分離が促進され、ブローバイガスの混入による潤滑油の劣化が防止または抑制される。
以下、本発明の実施形態を図1,図2を参照して説明する。
図1,図2を参照すると、本発明が適用された内燃機関Eは、OHC型のV型6気筒4ストローク内燃機関であり、クランク軸8が車幅方向を指向する横置き配置で車両に搭載される。水冷式の内燃機関Eは、クランク軸8の回転中心線方向から見てV字状に配列されるシリンダ列を有するシリンダブロック1と、シリンダブロック1の一端部に結合されるオイルパン2と、シリンダブロック1の他端部に結合される1対のシリンダヘッド3a,3bと、1対のシリンダヘッド3a,3bにそれぞれ結合される1対のヘッドカバー4a,4bとから構成される機関本体を備える。
Vバンクを構成する第1バンクとしての前バンクBaおよび第2バンクとしての後バンクBbは、それぞれ、第1シリンダ列を構成する3つのシリンダ1a(図にはそのうちの1つが示されている。)および第2シリンダ列を構成する3つのシリンダ1b(図にはそのうちの1つが示されている。)を主体として構成される。そして、前バンクBaは、シリンダ1aのほかに、シリンダヘッド3aおよびヘッドカバー4aを備え、後バンクBbは、シリンダ1bのほかに、シリンダヘッド3bおよびヘッドカバー4bを備え、両バンクBa,Bbの間にはバンク空間5が形成される。
図2を参照すると、各シリンダ1a,1bのシリンダ孔に摺動可能に嵌合して往復運動するピストン6は、コンロッド7を介してクランク軸8に連結される。該クランク軸8は、シリンダブロック1のスカート部1cおよびオイルパン2により構成されるクランクケース9により形成されるクランク室10に収容されて、該クランクケース9に設けられる軸受部に回転可能に支持される。
各シリンダヘッド3a,3bには、シリンダ1a,1b毎に、シリンダ軸線方向で前記シリンダ孔と対向する燃焼室11と、燃焼室11に開口する吸気ポート12と、燃焼室11に開口する排気ポート13とが形成され、さらに、吸気ポート12を開閉する吸気弁14と、排気ポート13を開閉する排気弁15と、燃焼室11に臨む点火栓(図示されず)とが設けられる。
吸気弁14および排気弁15は、バンクBa,Bb毎に、シリンダヘッド3a,3bとヘッドカバー4a,4bとにより形成される動弁室20に収容される動弁装置21により開閉される。動弁装置21は、シリンダヘッド3a,3bに回転可能に支持されてクランク軸8により回転駆動されるカム軸22と、カム軸22に設けられて複数のカムフォロアとしてのロッカアーム24を介してそれぞれ吸気弁14および排気弁15を開閉する複数の動弁カム23とを備える。
図1を併せて参照すると、内燃機関Eは、吸入空気を各吸気ポート12に導く吸気通路26を形成する吸気装置25と、吸入空気に燃料を供給して混合気を形成する混合気形成手段としての燃料噴射弁27と、各燃焼室11から排気ポート13を経た排気ガスを内燃機関Eの外部に導く排気通路を形成する排気装置28とを備える。
吸気装置25は、エアクリーナ25aと、スロットル弁25bと、スロットル弁25bにより計量された吸入空気を各シリンダ1a,1bに分配する1対の吸気マニホルド25c,25dとを備える。各バンクBa,Bbに対してバンク空間5側に配置される1対の吸気マニホルド25c,25dは、吸気通路26が吸気ポート12と連通するようにシリンダヘッド3a,3bに結合される。また、排気装置28は1対の排気マニホルド28c,28dを備える。各バンクBa,Bbに対してバンク空間5とは反対側に配置される両排気マニホルド28c,28dは、前記排気通路が排気ポート13と連通するようにシリンダヘッド3a,3bにそれぞれ結合される。
そして、吸気通路26を通じて吸入された吸入空気は、燃料噴射弁27からの燃料と混合して燃焼室11に流入し、燃焼室11で前記点火栓により点火されて燃焼し、発生する燃焼ガスの圧力により駆動されて往復運動するピストン6が、コンロッド7を介してクランク軸8を回転駆動する。燃焼ガスは排気ガスとして排気通路を通じて内燃機関Eの外部に放出される。
図1を参照して、内燃機関Eに備えられる潤滑装置について説明する。潤滑油を循環させて該内燃機関Eの各潤滑箇所(以下、単に「潤滑箇所」という。)に潤滑油を供給する前記潤滑装置は、ドライサンプ式潤滑装置により構成され、潤滑油が貯留するオイルタンク31と、前記機関本体に設けられた主油路43を通じて各潤滑箇所に供給するためにオイルタンク31から汲み上げた潤滑油を圧送するフィードポンプ32と、フィードポンプ32から吐出された潤滑油を清浄にするオイルフィルタ33と、クランクケース9の下部を構成すると共に各潤滑箇所を潤滑した後の潤滑油が集合する油溜め部としてのオイルパン2と、クランク室10内でオイルパン2に貯留した潤滑油を回収してオイルタンク31に排出するスカベンジングポンプ34と、スカベンジングポンプ34から吐出された潤滑油が導かれる気液分離器35と、スカベンジングポンプ34から吐出された潤滑油を冷却するオイルクーラ36と、主油路43や戻り油路44をはじめとする各油路とを備える。
フィードポンプ32と共にクランク軸8の動力により駆動されるスカベンジングポンプ34は、フィードポンプ32よりもポンプ容量が大きく、潤滑油と共にクランク室10内のブローバイガスおよび空気を吸入するため、スカベンジングポンプ34の吸引によりクランク室10は減圧状態となる。そして、スカベンジングポンプ34から吐出された潤滑油をオイルタンク31に導く回収油路45に設けられる気液分離器35では、回収油路45において気液分離器35の下流に設けられるオイルクーラ36により冷却される前に、スカベンジングポンプ34から吐出された潤滑油に混入しているブローバイガスおよび空気を含む気体が分離される。
オイルタンク31は、主オイルタンク31aと、主オイルタンク31aよりも容積が小さい副オイルタンク31bとから構成される。主オイルタンク31aには、スカベンジングポンプ34から吐出されて気液分離器35およびオイルクーラ36を経た潤滑油に混入しているブローバイガスおよび空気を分離する気液分離器37が設けられる。主オイルタンク31aに内蔵される気液分離器37は、オイルクーラ36により冷却される前の高温の潤滑油が導かれる高温側の気液分離器35に対してオイルクーラ36により冷却された低温の潤滑油が導かれる低温側の気液分離器37である。なお、両気液分離器35,37は、多数の邪魔板を有する型式もの、または遠心力を利用した型式のものなど、周知の気液分離器から構成される。
副オイルタンク31b内にはオイルストレーナ38が配置され、オイルストレーナ38により異物が除去された潤滑油は、チェック弁39が設けられた吸入油路41を通ってフィードポンプ32に吸入される。
フィードポンプ32から吐出されて吐出油路42に設けられたオイルフィルタ33を通過した潤滑油は、シリンダブロック1に設けられた主油路43に供給され、主油路43の潤滑油が、クランク軸8、ピストン6および動弁装置21などの各潤滑箇所に、多数の油路を通じて導かれる。そして、各潤滑箇所を潤滑した後の潤滑油はオイルパン2に集合する。
図2を併せて参照すると、シリンダヘッド3a,3bにより形成される動弁室20内で、動弁装置21をはじめとする各潤滑箇所を潤滑した後の潤滑油は、バンクBa,Bb毎に、シリンダヘッド3a,3bとスカート部1cに至るシリンダブロック1とに跨って設けられた通路からなる単数または複数の、この実施形態では複数の戻り油路44を通じてクランク室10内に戻り、オイルパン2に集合する。
各バンクBa,Bbにおいて、各戻り油路44は、動弁室20とクランク室10とを連通させる唯一の連通路であり、動弁装置21の潤滑などのために動弁室20に供給された潤滑油、すなわち動弁室20内の潤滑油と、動弁室20内に存在する気体とを、実質的に動弁室20の外部に流出させる唯一の流出通路を構成する。そして、動弁室20には、動弁室20の一部として、シリンダヘッド3a,3bにより形成され、動弁室20内の潤滑油が集合すると共に戻り油路44の入口が開口する油集合部20aが設けられる。そのために、油集合部20aは、動弁室20の最も低い位置に形成され、あるいは動弁室20の底壁を構成するシリンダヘッド3a,3bのアッパーデッキ3a1,3b1を、潤滑油が流れて油集合部20aに集まりやすいように窪ませる、または傾斜させる等の形状とすることが可能である。
スカベンジングポンプ34から吐出されて、気液分離器35で気体が除かれた潤滑油は、オイルクーラ36で冷却された後、気液分離器37に導かれて、潤滑油に混入しているブローバイガスおよび空気がさらに分離される。そして、ブローバイガスおよび空気が分離された潤滑油が主オイルタンク31aに貯留し、その後フィードポンプ32に吸引される。
引き続き図1を参照して、内燃機関Eに備えられて、シリンダ1a,1bとピストン6と間から漏出するブローバイガスを吸気通路26に還流させるブローバイガス還元装置について説明する。該ブローバイガス還元装置は、息抜き用気体を動弁室20に導く導入系統と、動弁室20内の前記息抜き用気体をクランク室10に導く戻り油路44と、スカベンジングポンプ34により潤滑油と共に吸入されたクランク室10内のブローバイガスをクランク室10に導く回収系統と、クランク室10のブローバイガスを吸気通路26に導く還流系統とを備える。
前記導入系統は、吸気通路26におけるスロットル弁25bよりも上流の部分26aと主オイルタンク31aとを連通させて、吸入空気である新気をタンク内空間31a1に導く新気通路51と、主オイルタンク31aと各バンクBa,Bbの動弁室20とを連通させて、タンク内空間31a1のブローバイガスおよび空気を各動弁室20に導くブリーザ通路52と、主オイルタンク31aとから構成される。したがって、動弁室20には、新気と両気液分離器35,37により分離されたブローバイガスおよび空気とが、前記息抜き用気体としてクランク室10以外からブリーザ通路52を通じて導かれる。
戻り油路44は、スカベンジングポンプ34の吸引により減圧状態になるクランク室10に動弁室20から前記息抜き用気体(ブローバイガスおよび空気)を導く。このとき、動弁室20に導かれたブローバイガスおよび空気は、戻り油路44のみを通じてクランク室10に導かれる。
前記回収系統は、気液分離器35と主オイルタンク31aとを連通させて、気液分離器35により分離されたブローバイガスおよび空気をタンク内空間31a1に導く回収通路53とから構成される。したがって、回収通路53は前記導入系統に連通する。
前記還流系統は、クランク室10と吸気通路26においてスロットル弁25bよりも下流の部分であって各吸気マニホルド25c,25dにより形成される部分26c,26dとを連通させて、クランク室10のブローバイガスおよび空気を該部分26c,26dに導く還流通路54と、還流通路54に設けられて内燃機関の負荷(例えば、吸気通路26の負圧)などの機関運転状態に応じてブローバイガスおよび空気の還流量を制御する制御弁としてのPCVバルブ55とから構成される。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
前記潤滑装置では、内燃機関Eが運転されてフィードポンプ32およびスカベンジングポンプ34が駆動されると、フィードポンプ32から吐出された潤滑油が内燃機関Eの各潤滑箇所に供給され、各潤滑箇所を潤滑した後の潤滑油がクランク室10内でオイルパン2に集合する。オイルパン2から吸入されてスカベンジングポンプ34から吐出された潤滑油は、気液分離器35によりブローバイガスおよび空気が分離され、さらにオイルクーラ36で冷却された後、気液分離器37によりブローバイガスおよび空気がさらに分離される。そして、主オイルタンク31aには、ブローバイガスおよび空気が分離された後の潤滑油が貯留し、該潤滑油がフィードポンプ32に吸入される。一方、前記ブローバイガス還元装置では、気液分離器35で分離されたブローバイガスおよび空気が、新気通路51からの新気と共に動弁室20に導かれ、さらに戻り油路44を通じて減圧状態にあるクランク室10に導かれる。クランク室10内のブローバイガスは、PCVバルブ55が開弁したときに吸気通路26に導かれ、さらに燃焼室11に流入して燃焼する。
このとき、動弁室20内の潤滑油とブローバイガスおよび空気とを動弁室20の外部に流出させる前記流出通路は、動弁室20とクランク室10とを連通させる唯一の連通路である戻り油路44のみで構成され、動弁室20内の潤滑油と動弁室20に導かれたブローバイガスおよび空気は、戻り油路44のみを通じてクランク室10に導かれる。
これにより、動弁室20内の潤滑油は、動弁室20内の潤滑油、ブローバイガスおよび空気を動弁室20の外部に流出させる唯一の通路である戻り油路44を通じてクランク室10に導かれる。同時に、スカベンジングポンプ34の吸引によりクランク室10が減圧状態となることにより、動弁室20内の潤滑油、ブローバイガスおよび空気をクランク室10に吸引する吸引力が、唯一の通路である戻り油路44に集中することで高められるので、戻り油路44を通じての潤滑油の噴き返しが抑制され、さらに動弁室20内のブローバイガスおよび空気も戻り油路44を通じてクランク室10に導かれることで、動弁室20内では、戻り油路44に向かうブローバイガスおよび空気が潤滑油を戻り油路44に誘引し、さらに戻り油路44では、戻り油路44を流れるブローバイガスおよび空気がクランク室10に向かう潤滑油の流れを促進する。
この結果、スカベンジングポンプ34の吸引によりクランク室10が減圧状態になることを利用して、吸引力の増大により潤滑油の噴き上げが抑制され、さらに戻り油路44を流れるブローバイガスおよび空気により、戻り油路44を通じてのクランク室10への潤滑油の戻りを促進させることができるので、潤滑油の戻り量を増加させることができて、潤滑油の必要量を減少させることができる。しかも、動弁室20内の潤滑油を動弁室20の外部に流出させるために別のポンプを設ける必要もないので、部品点数およびコストが削減される。さらに、該別のポンプがクランク軸8の動力により駆動される場合に生じる動力損失がないので、燃費が改善される。
スカベンジングポンプ34から吐出された潤滑油がオイルクーラ36により冷却される前に気液分離器35に導かれることにより、オイルクーラ36により冷却される前の高温の潤滑油からブローバイガスが分離されるので、ブローバイガスが効率よく分離される。この結果、スカベンジングポンプ34から吐出された潤滑油に対する気液分離が促進され、ブローバイガスの混入による潤滑油の劣化が防止または抑制される。
さしかも、高温側の気液分離器35および低温側の気液分離器37により気液分離が行われるので、スカベンジングポンプ34から吐出された潤滑油からブローバイガスおよび空気の分離が一層効率よく行われる。
また、戻り油路44には、新気のほかに両気液分離器35,37で分離されたブローバイガスおよび空気が流入することから、新気のみが戻り油路44を流れる場合に比べて、両気液分離器35,37で分離されたブローバイガスおよび空気の分、流量が多い息抜き用気体が流れるので、潤滑油の戻りが一層促進される。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
内燃機関は、V型以外の多気筒内燃機関であってもよく、また単気筒内燃機関であってもよい。また、各動弁室20とクランク室10とが1つの戻り油路44により連通されてもよい。
前記導入系統は、動弁室20に直接連通する新気通路51のみにより構成されてもよく、このとき前記回収系統は、ブリーザ通路52と回収通路53と主オイルタンク31aとから構成される。さらにこの場合、ブリーザ通路52はクランク室10に直接連通していてもよく、また回収通路53は、動弁室20またはクランク室10に直接連通していてもよい。
戻り油路44は、前記機関本体に形成されることなく、導管により形成されてもよい。
内燃機関は、前記実施形態では車両に使用されるものであったが、鉛直方向を指向するクランク軸を備える船外機などの船舶推進装置に使用されるものであってもよく、さらに他の機械に使用されるものであってもよい。
本発明の実施形態を示し、本発明が適用された内燃機関の模式図である。 図1の内燃機関の機関本体の、一部を断面で示す要部拡大図である。
符号の説明
1…シリンダブロック、2…オイルパン、3a,3b…シリンダヘッド、4a,4b…ヘッドカバー、5…バンク空間、6…ピストン、7…コンロッド、8…クランク軸、9…クランクケース、10…クランク室、11…燃焼室、12…吸気ポート、13…排気ポート、14…吸気弁、15…排気弁、20…動弁室、20a…油集合部、21…動弁装置、22…カム軸、23…動弁カム、24…ロッカアーム、25…吸気装置、26…吸気通路、27…燃料噴射弁、28…排気装置、31…オイルタンク、32…フィードポンプ、33…オイルフィルタ、34…スカベンジングポンプ、35…気液分離器、36…オイルクーラ、37…気液分離器、38…オイルストレーナ、39…チェック弁、41…吸入油路、42…吐出油路、43…主油路、44…戻り油路、51…新気通路、52…ブリーザ通路、53…回収通路、54…還流通路、55…PCVバルブ、
E…内燃機関、Ba,Bb…バンク。

Claims (2)

  1. 吸気弁および排気弁を開閉する動弁装置が収容される動弁室およびピストンにより回転駆動されるクランク軸が収容されるクランク室が設けられる内燃機関であって、潤滑箇所にオイルタンク内の潤滑油を圧送するフィードポンプと、前記クランク室内の潤滑油を回収して前記オイルタンクに排出するスカベンジングポンプと、前記動弁室内の潤滑油および気体を前記動弁室の外部に流出させる流出通路とを備えるドライサンプ式潤滑装置を備える内燃機関において、
    前記流出通路は、前記動弁室と前記クランク室とを連通させる唯一の連通路である戻り油路のみで構成され、前記動弁室内の潤滑油と、前記クランク室以外からブリーザ通路を通じて前記動弁室に導かれた息抜き用気体は、前記戻り油路のみを通じて前記クランク室に導かれることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記潤滑装置は、前記スカベンジングポンプからの潤滑油に混入しているブローバイガスを分離する気液分離器と、前記オイルクーラとを備え、前記スカベンジングポンプから吐出された潤滑油が前記オイルクーラにより冷却される前に前記気液分離器に導かれることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。

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