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JP2006179346A - 燃料電池発電システム及びその運転方法 - Google Patents

燃料電池発電システム及びその運転方法 Download PDF

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JP2006179346A JP2004372158A JP2004372158A JP2006179346A JP 2006179346 A JP2006179346 A JP 2006179346A JP 2004372158 A JP2004372158 A JP 2004372158A JP 2004372158 A JP2004372158 A JP 2004372158A JP 2006179346 A JP2006179346 A JP 2006179346A
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圭司 藤川
Setsuo Omoto
節男 大本
Masami Kondo
正實 近藤
Hiroshi Kajitani
寛士 梶谷
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Abstract

【課題】燃料電池を起動する際のエネルギー損失を少なくして、エネルギー有効利用率の高い燃料電池発電システム及びその運転方法を提供する。
【解決手段】燃料電池11の燃料極11−1に燃料ガス12を供給すると共に、燃料電池11の空気極11−2に空気13を供給して発電する燃料電池発電システムにおいて、燃料ガス12を燃焼する燃焼部21と、燃焼部21からの高温排ガス22で燃料電池11の冷却部11−3を冷却する冷媒23を熱交換する第1熱交換器24と、燃料電池11の冷却部11−3の入口側冷媒温度T1を計測する入口側の温度計測器25−1とを具備する
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池を起動する際のエネルギー損失を少なくして、エネルギー有効利用率の高い燃料電池発電システム及びその運転方法に関する。
固体高分子型燃料電池(以後、PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)と呼ぶ。)は、電解質に固体高分子のイオン交換膜を使用するものであり、流体となる燃料ガスである水素(又は水素含有ガス)及び酸化ガスである酸素(又は酸素含有ガス)を、それぞれ燃料極(アノード)、空気極(カソード)に供給して、固体高分子のイオン交換膜中を水素イオンが移動することで、電気化学(電池)反応を起して発電をするものである。通常は、PEFCに水素及び酸素を供給するため、様々な工夫を行っている。
このような燃料電池を有する燃料電池発電システムは、家庭等における分散電源などとして注目されている。また、燃料ガスとして水素以外の都市ガスやLPGを用いる場合には、燃料改質器を用いて例えば水蒸気改質方法により水素リッチな改質された燃料ガスに変えて、燃料電池に供給するようにしている。そして、燃料電池では、前記改質された燃料ガスと酸化ガスである空気とを電気化学的に反応させて発電するようにしている。
このような燃料電池においては、その発電初期の起動方法として以下のような提案がある。
改質器を有する燃料電池システムの起動において、所定の質の改質ガスが得られるまでは、熱エネルギーを得るガスバーナで改質ガスを燃焼させ、所定の質になったら燃料電池の燃料極に流し、前記ガスバーナで燃焼させつつ、徐々に電気負荷を増大させている。そして、燃料電池の作動温度がほぼ安定したら、燃料極の排出ガスを改質器バーナにリサイクルさせる起動方法が開示されている。また、前記安定状態に達したら、燃料極からの排出ガスの流れを改質器バーナ側に切り替える機構が開示されている(特許文献1)。
また、他の提案においては、改質器を有し、改質器の排ガスと改質器温度が安定するまでの改質ガスを燃焼させるプロセスガスバーナの排ガスの熱を貯湯タンクに蓄える温水(A)として回収する熱交換器を有する燃料電池発電装置の起動時において、前記プロセスガスバーナに炭化水素系燃料ガスを、単独、または改質器温度が安定するまでの改質ガスとともに燃焼させ、その燃焼排ガスの熱を前記貯湯タンクに蓄える温水(A)として回収し、その温水を燃料電池を冷却するための循環水(B)タンクと熱交換させることで、前記燃料電池の循環水タンクの水(B)を昇温して、昇温した循環水を燃料電池に循環して燃料電池を加熱する装置が提案されている(特許文献2)。
特許第3530458号公報 特許第3561706号公報
しかしながら、特許文献1の提案では、システムの起動に際しては、先ず燃料の改質を開始した後、改質ガスが安定してから発電を開始しているが、電力負荷を徐々に増大させているので、発電を開始してから定常発電までには所定の時間を要し、発電開始と定常発電とが一致せず、瞬時に電力負荷をすることができない、という問題がある。
また、特許文献2の提案では、燃焼排ガスの熱エネルギーを、一端、貯湯タンクの循環水(A)によって回収し、ついで、循環水(A)の熱エネルギーを燃料電池を冷却する循環水(B)に与えるという2つの熱交換プロセスを踏んでおり、各々の熱交換器での熱変換効率の損失があるばかりか、貯湯タンクの容量次第では、なかなか燃料電池の循環水(B)に熱が伝わらず、起動時間が長くなる、という問題がある。
更に、貯湯タンクを設置しないシステムでは、前記循環水(A)が使用できないため、循環水(B)を加熱することができない、という問題がある。
また、特許文献2の提案では、起動時間が幾分短縮されるものの、余分に炭化水素系燃料を消費するため、起動操作にかかる全エネルギー量としては相殺され、依然、起動時のエネルギー損失を少なくすることができない、という問題がある。
本発明は、前記問題に鑑み、燃料電池を起動する際のエネルギー損失を少なくして、エネルギー有効利用率の高い燃料電池発電システム及びその運転方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、燃料電池の燃料極に燃料ガスを供給すると共に、燃料電池の空気極に空気を供給して発電する燃料電池発電システムにおいて、燃料ガスを燃焼する燃焼部と、燃焼部からの高温排ガスで燃料電池の冷却部を冷却する冷媒を熱交換する第1熱交換器と、燃料電池の冷却部の入口側冷媒温度を計測する入口側温度計測器とを具備することを特徴とする燃料電池発電システムにある。
第2の発明は、第1の発明において、
前記冷媒の冷却ラインに放熱部を有することを特徴とする燃料電池発電システムにある。
第3の発明は、第1又は2の発明において、冷却部の出口側温度を計測する温度計測器を有することを特徴とする燃料電池発電システムにある。
第4の発明は、第2の発明において、前記冷却ラインが放熱部の熱交換媒体のラインとは独立していることを特徴とする燃料電池発電システムにある。
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、前記供給ガスが水素含有ガスであることを特徴とする燃料電池発電システムにある。
第6の発明は、第5の発明において、原燃料を改質して水素含有ガスを生成する燃料改質器を有することを特徴とする燃料電池発電システムにある。
第7の発明は、第2の発明において、前記放熱部の代わりに、熱交換媒体を熱交換する第2熱交換器を有することを特徴とする燃料電池発電システムにある。
第8の発明は、第1乃至7のいずれか一つの発明において、前記燃焼部と前記第1熱交換器とを一体化した複合燃焼器を用いることを特徴とする燃料電池発電システムにある。
第9の発明は、第1乃至8のいずれか一つの発明において、前記燃料電池が固体高分子型燃料電池(PEFC)であることを特徴とする燃料電池発電システムにある。
第10の発明は、燃料ガスを燃料極に供給して電気出力を得る固体高分子型燃料電池を備えた燃料電池発電方法において、燃料電池にて電気出力を発生させる前に、常温の燃料ガスを燃焼させる燃焼部にて前記燃料ガスを燃焼させ、前記燃焼部の下流設けた第1の熱交換器に燃料電池の冷却加熱を行なわせる燃料電池の循環冷媒を流通させ、前記燃焼器で得られた高温排ガスから熱回収することで、前記燃料電池の循環冷媒を速やかに昇温させ、燃料電池を加熱することを特徴とする燃料電池の運転方法にある。
第11の発明は、第10の発明において、前記第1の熱交換器と燃料電池を連絡する循環冷媒の冷却ラインの途中に、熱交換媒体を供給して熱交換する第2の熱交換器を設け、熱交換媒体の流量を変化させることにより燃料電池へ流入する循環冷媒の温度を所定の温度に制御することを特徴とする燃料電池の運転方法にある。
第12の発明は、第10又は11の発明において、前記燃料電池の燃料極へ前記燃料ガスを供給するための管路に流路を切替える切替弁を設け、前記燃料電池にて電気出力を発生させる前は、前記切替弁を前記燃焼部へ供給する管路側に切り替え、前記燃料ガスを前記燃焼部で燃焼させることを特徴とする燃料電池の運転方法にある。
第13の発明は、第10乃至12のいずれか一つの発明において、前記冷却ラインの燃料電池入口部付近又は燃料電池出口部付近の少なくとも一方に温度計測器を設け、前記温度計測器の指示値が目標温度となるように、前記第2熱交換器に流す熱交換媒体の流量を変化させることを特徴とする燃料電池の運転方法にある。
第14の発明は、第10乃至13のいずれか一つの発明において、前記冷却ラインの燃料電池入口部付近又は燃料電池出口部付近の少なくとも一方に設けた温度計測器の指示値が目標温度に到達したら、前記燃料電池の燃料極へ前記燃料ガスを供給するための管路に設けられた切替弁により燃料極側に燃料流路を切替え、前記燃料ガスを燃料極に供給した後、燃料極から排出される燃料排出ガスを燃焼部で燃焼することを特徴とする燃料電池の運転方法にある。
第15の発明は、第10の発明において、制御装置により燃料電池の健全度を確認した後、電気負荷と接続し、取出し電流値を所定の値まで引き上げ、定常発電状態に到達させることを特徴とする燃料電池の運転方法にある。
第16の発明は、第10の発明において、燃料電池発電システム内にて燃料ガスを燃料改質器により水素含有ガスとする際に、制御装置により燃料電池の健全度を確認した後、電気負荷と接続し、取出し電流値を所定の値まで引き上げると同時に、燃料極から排出される燃料排出ガスを改質器バーナで燃焼させつつ、定常発電状態に到達させることを特徴とする燃料電池の運転方法にある。
本発明によれば、水素含有ガスを燃料ガスとして発電する発電システムを起動する際に、燃料電池を速やかに安定出力状態が得られる温度へ移行させ、燃料電池を起動する際のエネルギー損失を少なくして、エネルギー有効利用率の高いものとすることができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態及び実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態及び実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
本発明による実施形態1に係る燃料電池の発電システムについて、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態1に係る燃料電池の発電システムを示す概念図である。
図1に示すように、本実施形態に係る燃料電池の発電システムは、燃料電池11の燃料極11−1に燃料ガス12を供給すると共に、燃料電池11の空気極11−2に空気13を供給して発電する燃料電池発電システムにおいて、燃料ガス12を燃焼する燃焼部21と、燃焼部21からの高温排ガス22で燃料電池11の冷却部11−3を冷却する冷媒23を熱交換する第1熱交換器24と、燃料電池11の冷却部11−3の入口側冷媒温度T1を計測する入口側の温度計測器25−1とを具備するものである。なお、図1中、符号L1は冷却ライン、L2は排出ライン、L3〜L4は管路を、33−1、33−2はポンプを各々図示する。
前記構成のシステムにおいて、燃料電池にて電気出力を発生させる際に、常温の燃料ガス12を燃焼させる燃焼部21にて前記燃料ガス12を燃焼させ、前記燃焼部21の下流に設けた第1熱交換器24に燃料電池の冷却加熱を行なわせる燃料電池の冷媒23を流通させ、前記燃焼部21で得られた高温排ガス22から熱回収することで、前記燃料電池11の冷媒23を速やかに昇温させることができ、燃料電池11の加熱に寄与することとなる。これにより、発電初期におけるエネルギーを有効活用することができる。ここで、燃焼部21としては、通常の燃焼器以外に、触媒燃焼により燃料ガス12を常温にて燃焼させるようにしてもよい。前記燃焼触媒としては、例えば白金系モノリス触媒を例示することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
前記冷却部11−3の入口側冷媒温度T1を入口側温度計測器25−1で計測するのは、燃料電池の健全性を維持するためであり、所定の設定温度に達した場合には、制御装置(CPU)にて制御し、熱交換媒体(例えば水又は空気)の供給量を増大させて、所定温度に維持するようにしている。
また、前記燃料電池11の冷却部11−3の出口側温度を計測する温度計測器28−2を有するようにしてもよい。
これは、出口側の温度を計測することでより精度のよい制御を可能としている。すなわち、燃料電池に供給する冷媒23の温度が設定温度より高い場合でも、発電初期には出口側温度が低下する場合があり、出口側温度が所定の温度となるまでは、第1熱交換器24で熱交換された冷媒を放熱部26にて冷却することを抑制することができる。
また、前記燃料電池11の空気極11-2に供給する空気は、図示しない加湿装置により適度に加湿された空気とするのが好ましい。
ここで、発電初期においては、燃料ガス12は管路L3と管路L4とを切替える切替弁V1により、管路L4側に切替え、燃焼部21で全て燃焼するようにしている。そして、冷媒23を高温排ガス22で加熱し、燃料電池11の温度が所定の作動となった際に、切替弁V1を切替え、管路L3側に燃料ガス12を供給することで、燃料極11−1に燃料を供給して発電に供するようにしている。
前記燃料ガス12は、水素ガス以外に水素含有ガス(例えば化学工場からガス導管を通して送られる副生水素ガスや大型の集中燃料改質器等で製造され、ガス導管を通して送られる改質ガス等の水素含有ガスを含む。)であり、好ましくは適度に加湿された水素含有ガスとするのがよい。
また、水素含有ガス以外には、燃料改質器28により原燃料29を改質して用いるようにしている。ここで、前記改質ガスの原燃料29としては、例えば天然ガス(都市ガス:例えば13A)、LPG、石炭ガスなどの気体燃料、又は、アルコール(例えばメタノール等)、ジメチルエーテル、灯油、軽油、ナフサなどの液体燃料を挙げることができる。
前記原燃料29改質は、主として、改質器本体28−1の改質触媒(図示せず)における水蒸気改質反応によって行われる。即ち、原燃料29と水蒸気とを混合して改質触媒層に流通させ、改質器バーナ28−2を用いて、例えば700〜800℃の温度で水蒸気改質反応(都市ガスを用いる場合にはCH4+H2O→CO+3H2)を起こさせることにより行われる。前記改質触媒としては、例えばRu/Al23等を例示することができるが、これに限定されるものではない。また、改質された燃料ガス12は必要に応じてCO変成触媒部とPROX触媒部とを通過させるようにしてもよい。
また、前記冷媒23の冷却ラインL1には、例えば水又は空気等を熱交換媒体27とする放熱部26が設けられており、燃料電池発電における発熱の際に放熱するようにしている。
また、冷却ラインL1は閉鎖ラインとすることが好ましい。これは、燃料電池で用いる冷媒である水はイオン濃度が低いものを用いており、閉鎖ラインとしない場合には、外部から供給する水のイオンを除去するために膨大な設備を必要として発電コストが割高となるのを防止している。なお、前記冷却ラインL1は必要に応じて、運転中あるいは停止中に、図示しない水処理装置を介して外部から水道水を補給する操作を行なうようにしてもよい。
図1のシステムにおいて、燃料電池発電の起動時に、切替弁V1を切替えて、管路L4に燃料ガス12を流し、燃料電池にて電気出力を発生させる前に、前記燃料ガス12を燃焼部21にて燃焼させ、高温排ガス22を得る。そして、前記燃焼部21下流に配した第1熱交換器24に燃料電池の冷媒23を流通させ、前記高温排ガスと熱交換させることで、燃料電池循環水を速やかに60℃以上に昇温させることができる。そして、昇温が完了した後、切替弁V1を管路L3に切替え、燃料電池11の燃料極11−1に燃料ガス12を流し、これにより、燃料電池負荷を瞬時にかけることができる。
[実施形態2]
本発明による実施形態2に係る燃料電池の発電システムについて、図面を参照して説明する。
図2は、実施形態2に係る燃料電池の発電システムを示す概念図である。なお、前述した実施形態1のシステムの構成部材と同一の部材については、同一の符号を付してその説明は省略する。
図2に示すように、本実施形態に係る燃料電池の発電システムは、図1に示すシステムの前記放熱部26の代わりに、熱交換媒体27を積極的に熱交換するための第2熱交換器31を設けるようにしたものである。
本実施形態では、この第2熱交換器31で熱交換された熱交換媒体27はポンプ33−2を介して循環され、貯湯槽32において蓄熱するようにしている。なお、この循環ラインL12は燃料電池11の冷却部11−3の冷却ラインL1とは独立な循環ラインとしている。これは、前記貯湯槽32は、常温の水道水を供給しており、燃料電池で生成したお湯を出湯する目的で使用するためであり、通常、図示しない給水ラインと排水ラインとを更に、具備しており、それらにより外部とのやり取りを行うようにしている。
また、本実施形態では、燃焼部21と第1熱交換器24とを分けたものとしているが、実施形態1のように、燃焼部21と第1熱交換器24とを一体化した複合燃焼器としてもよい。
前記燃焼部21の下流に配した第1熱交換器24と燃料電池11をつなぐ前記燃料電池の冷却ラインL1の途中に、熱交換媒体(例えば冷水)27を通水する第2熱交換器31を配し、冷水流量を変化させることにより燃料電池11へ流入する冷媒23の温度を所定の温度に制御するようにして、さらに熱効率の高い燃料電池発電に寄与するようにしてもよい。
このように、本発明の燃料電池発電システムによれば、発電システムを起動する際に、固体高分子型燃料電池を速やかに安定出力状態が得られる温度へ移行させ、燃料電池を起動する際のエネルギー損失を少なくして、エネルギー有効利用率の高い燃料電池発電を提供することができる。
以下、本発明の発電方法にかかる好適な実施例について図3乃至6を参照しつつ説明する。
図3にかかる燃料電池発電システムは、実施形態1及び2を基本構造とする燃料電池の発電システムであり、同一構成部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
ここで、図3は燃料電池発電システムの全体図である。また、図4は改質器を起動し、改質器が安定して冷媒の昇温が完了するまでの概略図である。図5は改質器が安定した後、発電前までの概略図である。図6発電開始時の概略図である。
ここで、図3に示すように、燃料改質器28と切替弁V1との間に、ドレイン分離機能付熱交換器41を設けており、冷却ラインL1から切替弁V3を管路L5切替えることでドレイン分離機能付熱交換器41を経由して冷却部11−3に冷媒を供給するようにしている。また、切替弁V3の切替えで管路L6に流路を切替えるバイパスラインも有している。なお、本実施例では冷媒23として冷却水を用いている。
先ず、改質器起動から改質器安定及び電池冷却水の昇温完了までの工程(工程A)について、図4を参照しつつ工程A―1)〜工程A―7)の説明を行う。
A―1)改質器バーナ28−2に原燃料29及び空気13を供給し、燃焼熱で改質器本体(触媒)28−1を昇温する。
A―2)その後、原燃料29(及び水)を燃料改質器28に供給し、改質された燃料ガス12を生成させる。
A―3)改質された燃料ガス12の組成が安定するまでは、管路L10を出た燃料ガス12は、ドレイン分離機能付熱交換器41を通過し、切替弁V1にて管路L4(燃焼部21側)に流し、燃焼部21に供給した空気13とともに燃焼処理する。
A―4)前記燃焼部21を出た高温排ガス22は、第1熱交換器24にて抜熱され、排出ラインL2より系外に排気される。
A―5)前記A―2)工程と同時に、冷媒23を冷却ラインL1内で循環させるポンプ33−1を作動させ、燃料電池11の冷却水循環系である冷却部11−3に冷媒23である水を循環させる。この水は、管路L5に流し、ドレイン分離機能付熱交換器41にて改質された燃料ガス12の顕熱及び凝縮熱を取り込み、さらに冷却部11−3を通過した後には、第1熱交換器24にて燃焼部21の高温排ガス22から熱回収することにより、加熱される。
この循環水が燃料電池11の冷却部11−3を通過する際に、発電初期においては、燃料電池11を昇温する。
A―6)燃料電池11は、図示しない高分子膜の劣化を防止するために90℃以下(好ましくは80℃以下)で使用する必要がある。そのため、前記A−5)の昇温工程にて燃料電池11の温度が90℃以上に上昇するのを防止するため、冷却ラインL1の冷却部11−3の入口部に設置した温度計測器25−1が90℃以下の所定の温度となるように、冷却ラインL1中に設置した第2熱交換器31に流す熱交換媒体27の流量を制御するようにしている。
A―7)また、燃料電池11は熱容量をもつため、冷却ラインL1の冷却部11−3の出口部に設置した温度計測器25−2の昇温状態を見て、燃料電池11の昇温完了を判断する。
次に、燃料電池11の昇温の判断を確認した後、燃料電池発電前までの工程(工程B)について、図5を参照しつつ工程B―1)〜工程B―6)の説明を行う。
B―1)改質された燃料ガス12の組成が安定し、燃料電池11が所定の温度までの昇温を完了したら、切替弁V1を燃料電池側の管路L3に切替え、燃料ガス12を燃料電池11の燃料極11−1に流す。
B―2)ここで、燃料電池11はまだ電気負荷との接続を切った状態としているため、燃料電池内では燃料ガス12中の水素は消費されない。
B―3)この為、前記燃料電池11の燃料極11−1を通過した燃料ガス12は、切替弁V4にて管路L8(燃焼部21側)に流し、燃焼部21に供給した空気13とともに燃焼処理する。
B―4)燃焼部21を出た高温排ガス22は、第1熱交換器24にて冷媒23にて抜熱され、排出ラインL2より系外に排気される。
B―5)このとき、燃料電池11の冷却ラインL1の冷媒23は循環させた状態のままとし、ドレイン分離機能付熱交換器41及び第1熱交換器24にて熱回収されるが、冷却ラインL1の冷却部11−3の入口部に設置した入口側の温度計測器25−1が80℃以下の所定の温度となるように冷却ラインL1中に設置した第2熱交換器31に流す熱交換媒体27の流量を制御するようにしている。
B―6)前記B―1)の工程とほぼ同時に燃料電池11の空気極11−2に空気13を流し、燃料電池の電圧値により燃料電池11の健全度を確認し、発電準備状態とする。電池の健全度は、燃料電池の電圧値が所定の電圧に達していることで確認することができる。
最後に、発電開始時の工程(工程C)について、図6を参照しつつ工程C―1)〜工程C―5)の説明を行う。
C―1)燃料電池11が発電準備状態となったことを確認後、原料供給量に応じて取得可能な負荷の範囲内で、任意の電気負荷を瞬時に接続し、発電を開始する。
C―2)発電開始と同時に、燃料電池11の燃料極11−1から排出される未反応水素ガスを含む排出ガス12aは、切替え弁V4にて管路L9(改質器バーナ28−2側)に流し、燃料改質器28の熱源として利用する。なお、このとき改質器バーナ28−2へ直接供給していた原燃料29の供給量は、燃料電池11での水素消費量(電力負荷)に応じて低下させるようにしている。
C―3)前記C―2)の操作により、燃焼部21には可燃性の燃料ガス12が供給されなくなるため、燃焼部21への空気13の供給を停止する。その結果、燃焼部21の高温排ガス22の熱を燃焼部21の下流に配置した第1熱交換器24で回収できなくなるため、第1熱交換器24側へ流していた冷媒23を切替弁V2により第1熱交換器24のバイパス側の管路L11へ切り替える。これにより、第1熱交換器24が通過することによる放熱によるエネルギーロスを低減することにしている。
C―4)燃料電池11では、その発電と同時に熱が発生するため、燃料電池11内部の冷却部11−3に循環する冷媒23である循環水により抜熱する。
C―5)発電時も起動時と同様に、冷却水の冷却ラインL1の冷却部11−3の入口部に設置した温度計測器25−1が90℃以下の所定の温度となるように冷却ラインL1中に設置した第2熱交換器31に流す熱交換媒体27の流量を制御するようにしている。
このように、本実施例によれば、燃料ガス12として水素含有ガスを用いて固体高分子型燃料電池を備えた燃料電池の発電システムを起動する際の起動時に、燃料電池にて電気出力を発生させる前に、常温の可燃ガスを燃焼させることができる燃焼部21を設けて高温排ガス22を発生させ、その燃焼部21の下流に設けた第1熱交換器24にて、燃料電池11の循環する冷媒23を流通させ、前記高温排ガス22と熱交換させることで、燃料電池11の循環水を速やかに60℃以上に昇温するようにしている。
これにより、燃料電池を速やかに安定出力状態が得られる温度へ移行させ、燃料電池を起動する際のエネルギー損失を少なくして、エネルギー有効利用率の高い固体高分子型燃料電池発電システム及びその運転方法を提供することができる。
更に、前記燃焼部21の下流に配した第1熱交換器24と燃料電池11をつなぐ前記冷却ラインL1の途中に、冷媒23を通す第2熱交換器31を配し、冷水流量を変化させることにより、燃料電池11へ流入する冷媒23の温度を所定の温度に制御することができる。
この結果、図10−1に示すように、改質器での原燃料の改質の開始と共に、燃料電池温度が上昇し、昇温終了の際には、瞬時に定常発電を開始することができる。これに対し、従来技術の場合では、図10−2に示すように、原燃料の改質を先ず行い、その後、改質ガスが安定した後に、発電を開始することになるが、未だ燃料電池温度は、定常発電を行うものではなく、その後、定常発電温度に到達することで、ようやく定常発電することとなり、エネルギー効率が悪いものとなる。
次に、他の実施例として、燃料ガス12として、改質ガスを用いない場合(水素含有ガスを供給する場合)について説明する。
図7にかかる燃料電池発電システムは、実施形態1及び2を基本構造とする燃料電池の発電システムであり、同一構成部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
ここで、図7は燃料電池発電システムの全体図である。また、図8は改質器を起動し、改質器が安定して冷媒の昇温が完了するまでの概略図である。図9は発電開始時の概略図である。
先ず、燃料電池起動から冷媒の昇温が完了するまでの工程(工程D)について、図8を参照しつつ工程D―1)〜工程D―5)の説明を行う。
D―1)管路L10から供給された燃料ガス12は、ドレイン分離機能付熱交換器41で熱交換され、切替弁V1にて管路L4(燃焼部21側)に送られ、燃焼部21に供給した空気13とともに燃焼される。
D―2)前記燃焼部21を出た高温排ガス22は第1熱交換器24にて冷媒23に抜熱され、排出ラインL2より系外に排気される。
D―3)前記工程D−1)と同時に、ポンプ33−1を作動させ、燃料電池11の冷却ラインL1に冷媒23である水を循環させる。前記ポンプ33−1を出た冷媒23は、切替弁V3にてドレイン分離機能付熱交換器41のバイパスラインである管路L6経由で燃料電池11の冷却部11−3を通過後、切替弁V2にて熱第1交換器24に送られ、燃焼部21の高温排ガス22により加熱される。この循環冷媒23が燃料電池11の冷却部11−3を通過する際に燃料電池11を昇温する。
D―4)燃料電池11は、高分子膜の劣化を防止するために90℃以下(好ましくは80℃以下)で使用する必要がある。そのため、前述したD−3)の昇温工程にて燃料電池11の温度が90℃以上に上昇するのを防止するため、冷却ラインL1冷却部11−3の入口部に設置した温度計測器25−1が90℃以下の所定の温度となるように、冷却ラインL1に設置した第2熱交換器31に流す熱交換媒体27の流量をコントロールする。
D―5)燃料電池11は熱容量をもつため、冷却ラインL1の燃料電池冷却部11−3の出口部に設置した温度計測器25−2の昇温状態を見て、燃料電池11の昇温完了を判断する。
次に、改質器が無い場合における発電開始時の工程(工程E)について、図9を参照しつつ工程E―1)〜工程E―4)の説明を行う。
E―1)燃料電池11が所定の温度までの昇温を完了したら、冷却ラインL1の切替弁V3を切替えて、ドレイン分離機能付熱交換器41を経由するようし、冷媒23を管路L5に流す。これにより導入される燃料ガス12の予熱及び調湿を行うことが出来る。
E―2)その後、燃料ガス12の切替弁V1を燃料電池11側の管路L3に切り替え、燃料ガス12を燃料電池11の燃料極11−1に流す。
E―3)前記工程E−2)とほぼ同時に燃料電池11の空気極11−2に空気13を流し、燃料電池の電圧値により燃料電池の健全度を確認し、発電準備状態となる。
E―4)その後、燃料ガス12のガス供給量に応じて取得可能な負荷の範囲内で、任意の電気負荷を瞬時に接続し、発電を開始する。
このように、燃料電池の運転起動時に、燃料電池にて電気出力を発生させる前に、常温の燃料ガス12を燃焼させ、高温排ガス22を得ると共に、その燃焼部21の下流に設けた第1熱交換器24において燃料電池の冷媒23を流通させ、前記高温排ガス22と熱交換させることで、燃料電池の循環水を速やかに昇温するようにしている。
以上のように、本発明にかかる燃料電池発電システムは、水素含有ガスを燃料として発電する固体高分子型燃料電池を備えた発電システムに適用することで、固体高分子型燃料電池を速やかに安定出力状態が得られる温度へ移行させ、燃料電池を起動する際のエネルギー損失を少なくして、エネルギー有効利用率の高い発電システムを提供できる。
実施形態1に係る燃料電池の発電システムを示す概念図である。 実施形態2に係る燃料電池の発電システムを示す概念図である。 実施例1に係る燃料電池発電システムの全体図である。 実施例1の改質器を起動し、改質器が安定して冷媒の昇温が完了するまでの概略図である。 実施例1の改質器が安定した後、発電前までの概略図である。 実施例1の発電開始時の概略図である。 実施例2に係る燃料電池発電システムの全体図である。 実施例2の改質器を起動し、改質器が安定して冷媒の昇温が完了するまでの概略図である。 実施例2の発電開始時の概略図である。 実施例1の燃料電池発電起動における効果を示す図である。 従来技術の燃料電池発電起動における効果を示す図である。
符号の説明
11 燃料電池
11−1 燃料極
11−2 空気極
11−3 冷却部
12 燃料ガス
13 空気
21 燃焼部
22 高温排ガス
24 第1熱交換器
31 第2熱交換器
25−1、25−2 温度計測器
L1 冷却ライン
L2 排出ライン
L12 循環ライン
L3〜L11 管路
33−1、33−2 ポンプ

Claims (16)

  1. 燃料電池の燃料極に燃料ガスを供給すると共に、燃料電池の空気極に空気を供給して発電する燃料電池発電システムにおいて、
    燃料ガスを燃焼する燃焼部と、
    燃焼部からの高温排ガスで燃料電池の冷却部を冷却する冷媒を熱交換する第1熱交換器と、
    燃料電池の冷却部の入口側冷媒温度を計測する入口側温度計測器とを具備することを特徴とする燃料電池発電システム。
  2. 請求項1において、
    前記冷媒の冷却ラインに放熱部を有することを特徴とする燃料電池発電システム。
  3. 請求項1又は2において、
    冷却部の出口側温度を計測する温度計測器を有することを特徴とする燃料電池発電システム。
  4. 請求項2において、
    前記冷却ラインが放熱部の熱交換媒体のラインとは独立していることを特徴とする燃料電池発電システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
    前記燃料ガスが水素含有ガスであることを特徴とする燃料電池発電システム。
  6. 請求項5において、
    原燃料を改質して水素含有ガスを生成する燃料改質器を有することを特徴とする燃料電池発電システム。
  7. 請求項2において、
    前記放熱部の代わりに、熱交換媒体を熱交換する第2熱交換器を有することを特徴とする燃料電池発電システム。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一つにおいて、
    前記燃焼部と前記第1熱交換器とを一体化した複合燃焼器を用いることを特徴とする燃料電池発電システム。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一つにおいて、
    前記燃料電池が固体高分子型燃料電池(PEFC)であることを特徴とする燃料電池発電システム。
  10. 燃料ガスを燃料極に供給して電気出力を得る固体高分子型燃料電池を備えた燃料電池発電方法において、
    燃料電池にて電気出力を発生させる前に、常温の燃料ガスを燃焼させる燃焼部にて前記燃料ガスを燃焼させ、前記燃焼部の下流に設けた第1の熱交換器に燃料電池の冷却加熱を行なわせる燃料電池の循環冷媒を流通させ、前記燃焼器で得られた高温排ガスから熱回収することで、前記燃料電池の循環冷媒を速やかに昇温させ、燃料電池を加熱することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  11. 請求項10において、
    前記第1の熱交換器と燃料電池を連絡する循環冷媒の冷却ラインの途中に、熱交換媒体を供給して熱交換する第2の熱交換器を設け、熱交換媒体の流量を変化させることにより燃料電池へ流入する循環冷媒の温度を所定の温度に制御することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  12. 請求項10又は11において、
    前記燃料電池の燃料極へ前記燃料ガスを供給するための管路に流路を切替える切替弁を設け、前記燃料電池にて電気出力を発生させる前は、前記切替弁を前記燃焼部へ供給する管路側に切り替え、前記燃料ガスを前記燃焼部で燃焼させることを特徴とする燃料電池の運転方法。
  13. 請求項10乃至12のいずれか一つにおいて、
    前記冷却ラインの燃料電池入口部付近又は燃料電池出口部付近の少なくとも一方に温度計測器を設け、前記温度計測器の指示値が目標温度となるように、前記第2熱交換器に流す熱交換媒体の流量を変化させることを特徴とする燃料電池の運転方法。
  14. 請求項10乃至13のいずれか一つにおいて、
    前記冷却ラインの燃料電池入口部付近又は燃料電池出口部付近の少なくとも一方に設けた温度計測器の指示値が目標温度に到達したら、前記燃料電池の燃料極へ前記燃料ガスを供給するための管路に設けられた切替弁により燃料極側に燃料流路を切替え、前記燃料ガスを燃料極に供給した後、燃料極から排出される燃料排出ガスを燃焼部で燃焼することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  15. 請求項10において、
    制御装置により燃料電池の健全度を確認した後、電気負荷と接続し、取出し電流値を所定の値まで引き上げ、定常発電状態に到達させることを特徴とする燃料電池の運転方法。
  16. 請求項10において、
    燃料電池発電システム内にて燃料ガスを燃料改質器により水素含有ガスとする際に、
    制御装置により燃料電池の健全度を確認した後、電気負荷と接続し、取出し電流値を所定の値まで引き上げると同時に、燃料極から排出される燃料排出ガスを改質器バーナで燃焼させつつ、定常発電状態に到達させることを特徴とする燃料電池の運転方法。
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