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JP2006178694A - 道路標識画像構成線分候補の検出方法及び道路標識画像構成線分候補を検出可能なプログラム - Google Patents

道路標識画像構成線分候補の検出方法及び道路標識画像構成線分候補を検出可能なプログラム Download PDF

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JP2006178694A JP2004370310A JP2004370310A JP2006178694A JP 2006178694 A JP2006178694 A JP 2006178694A JP 2004370310 A JP2004370310 A JP 2004370310A JP 2004370310 A JP2004370310 A JP 2004370310A JP 2006178694 A JP2006178694 A JP 2006178694A
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road
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Mitsuharu Ohazama
光晴 大峡
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Hitachi Software Engineering Co Ltd
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Hitachi Software Engineering Co Ltd
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Abstract

【課題】 高架式道路標識画像を構成する線分の候補を高速に検出可能にする。
【解決手段】地表画像データから道路領域を検出し、当該道路領域のセンターライン上の一連の画素の各々について、当該画素から道路端が存在する領域まで達する、当該センターラインに垂直な方向に延在する垂直線分内の、明度が所定の閾値より高い明画素の数が、当該垂直線分が高架式道路標識画像を構成する線分を含むために必要な所定数以上であるか否かに依存して、当該垂直線分が前記道路標識画像を構成する線分の候補であるか否かを判別する。当該判別において、当該垂直線分の一部の画素群内の明画素数を計数し、残りの画素が全て明画素であると仮定して、当該垂直線分内の明画素数が前記所定数以上になる可能性があるか否かを判定し、その可能性がないと判定されば、当該垂直線分は上記候補ではないと判断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、人工衛星や航空機(以下、人工衛星等と呼ぶことがある)等の高所から地表を撮影して得られた画像データ(本明細書では地表画像データと呼ぶ)から、道路の少なくとも片側の領域の上空を通過するように設けられた高架式道路標識を表す道路標識画像を構成する線分の候補を検出するための、道路標識画像構成線分候補の検出方法及び道路標識画像構成線分候補を検出可能なプログラムに関する。
近年、地表画像データの利用が広まり、地表上の広大な領域に関する、いろいろな目的に使用できる情報が地表画像データから高速に得ることが可能になってきている。例えば、地図(例えば道路地図)の生成、都市部での土地の利用状況の把握、森林等における樹木の存在状態又は生育状態の監視という目的に利用されつつある。一方、カーナビゲーション装置が普及し、カーナビゲーション装置では車輛の現在位置を中心に含む地図情報を画面に標示するようになっている。衛星画像から生成された道路地図は、例えば、このようなカーナビゲーション装置に使用される。カーナビゲーション装置における車輛の現在位置の検出には、特定の人工衛星(GPS衛星)からの電波を受信して緯度経度情報を測定することにより現在位置を計測するGPS(Global Positioning System)装置が使用されている。
カーナビゲーション装置の画面に標示される道路地図には道路標識を示す情報(道路標識情報)が含まれている場合が多く、道路地図に含まれた道路標識情報はドライバーにとって走行の大きな補助になっている。道路標識情報を道路地図に含めて画面に表示すること以外に、ドライバーに走行地点の近傍の道路標識情報を画面又は音声で教えて、ドライバーが走行中に道路標識情報を取得するのを支援する工夫もいくつか提案されている。例えば特許文献1参照。
道路脇に設置された道路標識あるいは道路面に描画された道路標識等を表す道路標識情報の取得は、道路標識情報取得装置を搭載した自動車(本明細書では、単に道路標識情報収集車又は情報収集車と呼ぶことがある)により道路を走行させて周辺の空間をビデオカメラで撮影させ、かつ、走行中の情報収集車の位置をGPS装置を使用して同時に記録し、得られた動画像から道路標識が示す道路標識情報を得て、GPS装置から得られた位置情報とを対応付けて記録することが行われている。このような動画像から道路標識情報を取得するための技術の改良もいろいろ提案されいる。例えば特許文献2参照。
特開2001−034887号公報 特開2003−123197号公報
道路標識からの道路標識情報の取得は、上記のように自動車の走行中に取得可能であるが、道路標識が存在する道路を情報収集車を走行させて道路標識情報を取得するとしても、通常の道路では、道路標識が情報収集車の位置から全く見えないかあるいはその一部が見えないことが生じることがある。例えば、先行する車輛との車間距離が小さいとき、道路面に描画された道路標識の一部が先行車輛により遮断されて、後方の情報収集車から見えないことがある。同様に、先行車輛との車間距離が小さいとき、道路脇に設置された道路標識も、その道路標識の一部が先行車輛により遮断され、情報収集車から見えないことがある。
このような場合、情報収集車に搭載したビデオカメラから道路標識を撮影してもその一部が撮影されず、その結果、その道路標識を正しく認識できないことが生じる。このように、道路標識の存在位置を事前に知らないで、情報収集除法収集車を走行して道路標識を撮影する方法では、道路標識情報の取得に失敗する場合があり、そのため、情報収集車を同じ道路に沿って再度走行させて、同じ場所に近づいたときには、先行車輛との車間距離を大きくして、道路標識の全体が見えることを確認してその道路標識を撮影し、その撮影で得られた動画像から道路標識の情報の取得を行うというように、情報収集車を再度走行させるようにしている。
そこで本発明者は、道路標識の撮影の失敗による道路標識情報の取得の失敗を防止するには、道路標識の存在位置を事前に取得することが望ましいと考えた。すなわち、もし道路標識の存在位置が事前に分かっている場合には、情報収集車が道路標識に近づいたか否かを判断しながら情報収集車を走行させ、情報収集車が道路標識に近づいたときには、先行車輛との車間距離を十分長くし、走行速度も低下させるように情報収集車を走行させることが可能になると考えた。
しかし、道路標識の位置を事前に知るために、道路標識の存在位置を検出できる自動車を走行させると、情報収集車をいきなり走行させて道路標識情報を取得させる場合に比べて作業量は逆に増えてしまう。したがって、道路標識の存在位置を事前に別の簡単な方法で検出できることが望ましい。そのための一つの方法として本発明者は、地表を上空から撮影して得られた地表画像データから道路標識の設置位置を検出することを検討した。地表画像データとして現在利用できる地表画像には衛星画像と航空写真がある。衛星画像の解像度は低く、航空写真でも解像度を余り高くすると、一度に撮影できる範囲が狭くなり、解像度を余り高くできない。衛星画像は、どの地域に対しても利用可能であり、航空写真に比べて低価格で利用可能であるので、以下では地表画像として、衛星画像を用いる場合について説明するが、以下の説明は、地表画像として航空写真を利用する場合にも適用できる。
通常の市街地の道路では、道路幅が狭いうえに、道路脇に多くの道路標識が設置され、かつ、道路端の近傍に建築物が接近して存在する。したがって、市街地の道路標識の近傍に多くの物が存在する状況下では、道路標識の設置位置を解像度が低い衛星画像から検出することは必ずしも容易ではない。ところが、高速道路のように道路幅の大きな道路では、道路標識として道路の少なくとも片側の領域の上空を通過するように設けられた高架式道路標識が使用されていることが多い。このような道路標識は、道路を横断して設けられているので、道路に垂直に延在した線分を含んでいる。しかし、道路に垂直な方向に道路を横断している垂直線分が全て高架式道路標識を構成する線分とは限らない。しかし、このような道路に垂直に延びた線分の存在位置を検出することができれば、高架式道路標識の存在位置の候補を検出できたことになる。
また、高速道路では、当該高速道路と立体交差する道路の側壁に、当該高速道路に対する道路標識が設置されることがある。この場合には、そのように道路標識を設置された立体交差道路は高架式道路標識として使用されていることになる。同様に、高速道路を跨ぐ歩道橋の側壁にも、道路標識が設置されることがあり、道路標識が設置された歩道橋は、高架式道路標識としても使用されていることになる。したがって、以下では、これらの立体交差道路及び歩道橋も、高架式道路標識となる可能性を有する、高架式道路標識の候補として扱うことにする。
以上のように高架式道路標識の存在位置の候補の存在位置が検出できることは、高架式道路標識に関する道路標識情報を取得するうえで有益である。例えば、候補として検出された線分の周辺の画像のパターンをコンピュータで自動的に分析してそこに道路標識が設置されているか否かを判断させるようにすることも可能である。あるいは、検出された線分候補の近傍の画像を順次表示装置に拡大して表示させ、道路標識設置位置情報を生成しようとする者により、当該線分候補の近傍に現に高架式道路標識が設置されているか否かを目視により判定させるようにしてもよい。このようにして、候補として検出された垂直線分が道路標識を現に表すか否かを判定できた後では、情報収集車を高速道路に走行させて道路標識画像を撮影させて道路標識情報を取得するときに、現に道路標識があると判断された候補位置に情報収集車が接近したときに、先行の車輛との車間距離を充分に保ち、かつ、走行速度を低下させるなどして、その候補位置にある道路標識の撮影を確実なものとすることができる。候補として検出された垂直線分の中には道路標識画像を現に表す線分であるか否かを判定できないものが含まれている可能性もあるが、そのような線分候補は道路標識を表すと仮定して、現地で自動車を走行して道路標識が設置されているかを自動的に判断して設置されていれば撮影するような道路標識情報撮影装置を使用すればよい。
衛星画像の解像度が低いので、高架式道路標識画像を構成する垂直線分は1ないし3画素程度の幅しか有しない。したがって、道路存在領域から一画素幅の、高架式道路標識を構成する垂直線分を検出する必要がある。高速道路は非常に長いので、その全域からこのような幅の狭い線分を検出するには、コンピュータで自動的に検出するとしても処理時間が掛かる。したがって、その検出は、きるだけ短時間で実行できることが望ましい。
したがって、本発明の目的は、道路の上空を通過するように設けられた高架式道路標識画像を構成する線分の候補を高速に検出可能にする、道路標識画像構成線分候補の検出方法及び道路標識画像構成線分候補を検出可能なプログラムを提供することである。
上記の目的を解決するために、本発明に係る道路標識画像構成線分候補の検出方法は、地表を上空から撮影して得られた地表画像データから、道路の少なくとも片側の領域の上空を通過するように設けられた高架式道路標識を表す道路標識画像を構成する線分の候補を検出する、道路標識画像構成線分候補の検出方法であって、道路領域検出ステップと判別ステップと記憶ステップとを含むものである。道路領域検出ステップは、前記地表画像データからいずれかの道路が存在する道路領域を検出する。判別ステップは、当該道路領域のセンターライン上に当該道路の延在方向に沿って延在する一連の画素の各々について、当該画素を含み、当該センターラインから道路端が存在する領域まで達する、当該センターラインに垂直な方向に延在する、当該画素に対応する垂直線分のうち、明度が所定の閾値より高い画素の数が、当該対応する垂直線分が前記高架式道路標識を示す道路標識画像を構成する線分を含むために必要な所定の数以上であるか否かに依存して、当該対応する垂直線分が前記道路標識画像を構成する線分の候補であるか否かを判別する。記憶ステップは、当該対応する垂直線分が前記道路標識画像を構成する線分の候補であると判別されたとき、当該垂直線分の位置を表す位置情報を記憶する。
更に、前記判別ステップは、可能性判定ステップと早期判別ステップとを含み、可能性判定ステップは、前記対応する垂直線分に含まれた一部の画素群に含まれた明画素の数を計数し、残りの画素が全て明画素であると仮定した場合に当該垂直線分に含まれた明画素の総数が前記所定数に達する可能性があるか否かを判定し、当該判定結果に依存して当該対応する垂直線分が前記道路標識画像を構成する線分の候補となる可能性があるか否かを判定する。早期判別ステップは、前記可能性判定ステップによる判定の結果、前記対応する垂直線分が前記道路標識画像を構成する線分の候補となる可能性がないと判定されたとき、当該一部の画素群以外の残りの部分画素群内の明画素の数を計数しないで、当該対応する垂直線分は前記道路標識画像を構成する線分の候補でないと判別する。
本発明によれば、地表を上空から撮影して得られた地表画像データから、高速道路のような道路の少なくとも片側の領域の上空を通過するように設けられた高架式道路標識を表す道路標識画像を構成する線分の候補を高速に検出することが可能になる。特に、道路のセンターライン上の当該道路の延在方向に沿って延在する一連の画素の各々について、当該画素を含み、当該センターラインから道路端が存在する領域まで、当該センターラインに垂直な方向に延在する線分を、順序付けられた複数の部分画素列に区分し、当該複数の部分画素列のうち、最後の部分画素列以外の部分画素列のそれぞれについて、当該部分画素列までの全ての部分画素列に含まれた、明度が上記閾値より高い画素の総数に基づいて、当該対応する垂直線分が前記道路標識画像を構成する線分の候補となる可能性があるか否かを判定し、その可能性がないと判断したときに、後続の部分画素列に対する上記可能性の判定を省略するので、センターラインに垂直な線分が上記候補となるか否かの判断を高速化することができる。
以下、本発明に係る地表画像データから、高架式道路標識を表す道路標識画像を構成する線分の候補を検出する、道路標識画像構成線分候補の検出方法及び道路標識構成線分候補を検出可能なプログラムの一つの実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る画像の道路標識を認識可能な装置の一つの実施形態の概略ブロック図である。符号1は上記装置の一つの実施の形態の全体を指す。本装置1は、例えばパソコン又はワークステーションにより実現される処理装置10と、メインメモリとして使用されるRAM(ランダムアクセスメモリ)(図示せず)及び磁気ディスク記憶装置のような補助記憶装置(図示せず)とを含む記憶装置20と、入出力装置30とを備えている。入出力装置30は、キーボード及びマウス等のポインティングデバイスを含む入力装置31と、CRTディスプレイ装置等の表示装置32又はプリンタ33などの出力装置を備えている。入力装置31はパラメータの入力やコマンドの起動などに使われる。表示装置32又はプリンタ33は、ランドマーク検出対象とする画像あるいは当該画像から検出されたランドマークを示した画像の表示又は印字に使われる。記憶装置20内にデータが記憶されるときに、当該データが図示しないRAMと図示しない補助記憶装置のいずれに記憶されるかは、あらかじめ当該データ毎に決められている。
処理装置10には、道路標識構成線分候補を検出可能なプログラム40が組み込まれている。プログラム40は、道路領域検出部100と、2値化部200と、線分候補検出部300というモジュールを含む。線分候補検出部300は、更に、左垂直線分判別部350と右垂直線分判別部370というサブモジュールを含む。プログラム40は記憶装置20に記憶されて処理装置10により実行されるが、図1では分かりやすさのために、プログラム40を構成する上記複数のモジュールを処理装置10を示すブロック内に図示している。記憶装置20には、あらかじめ道路データ21と、地表画像データ22と記憶され、この道路データ21と、地表画像データ22をプログラム40により処理して、道路領域画像データ23と、2値化道路領域画像データ24と、線分候補位置データ25とが生成され、記憶装置20に格納される。プログラム40は、本発明に係る、道路標識画像構成線分候を検出可能なプログラムの一つの実施の形態を実現するものであり、上記装置1によりプログラム40を実行するときの装置1が一連の処理を実行する態様は、本発明に係る、道路標識画像構成線分候補の検出方法の一つの実施の形態を示す。
以下では断らない限り、地表画像データ22は、白黒の多値画像(グレイスケール画像)のデータであると仮定する。地表画像データ22の白黒の濃淡を明度と呼ぶ。しかし、本発明は、地表画像データ22がカラー画像データの場合にも適用できる。例えば、地表画像データ22が明度、色彩、色相のそれぞれに関するデータとを含んでいる場合には、その明度データを、本実施の形態で実行する以下の処理において地表画像データ22として使用すればよい。また、地表画像データ22が明度データを明示的に含んでいない場合には、地表画像データ22を明度データを含むカラーデータに変換して得られた明度データを、本実施の形態で実行する以下の処理において画像データとして使用すればよい。
本実施の形態では、道路標識を含む画像データの例として、例えば人工衛星や航空機等の高度飛翔体から地表を撮影して得られた地表画像データが使用される。ここで、地表画像データの解像度は最も高精度なもので数10cmのオーダであり、一方、高架式道路標識は通常数m程度の大きさである。したがって、多くの場合、地表画像の解像度は高架式道路標識を認識するのに臨界的な解像度である。
図1において、プログラム40は、起動されると、まず道路領域検出部100を実行する。プログラム40は、地表画像データから複数の道路のそれぞれについて以下に説明する処理を実行する。道路データ21は、地表画像データ22が表す地表に存在する道路の存在位置と範囲を示すデータである。道路領域画像データ23は、地表画像データ22が表す地表画像のうち道路が存在する領域内の複数の画素のそれぞれの画像値を、地表画像データ22内の当該画像値の格納位置に対応する記憶位置に格納して生成される画像データである。まず道路領域検出部100は、道路データ21と地表画像データ22とを記憶装置20から読み込み、道路データ21をもとに、地表画像データ22から道路データ21が示す複数の道路の各々に関して、地表画像データ22で表される地表画像のうち当該道路が存在する領域である道路領域の位置を計算し、当該道路領域に属する、地表画像データ22内のデータ部分を読み出し、道路領域画像データ23として記憶装置20に格納する。
図2は、道路の模式図である。道路データ21は、それぞれ一つの道路に対応して定められた道路ベクトルデータからなる。各道路は、その道路の中心線(センターライン)を近似する一連の順序付けられた折れ線と道路幅で表される。センターラインを構成する複数の折れ線をそれぞれセンターラインベクトルと呼ぶことにする。各道路の道路ベクトルデータは、当該道路を構成する複数のセンターラインベクトルのそれぞれに対して、当該センターラインを表すセンターラインベクトルデータと、各センターラインベクトルに対応して当該センターラインベクトルが属する道路区間における道路幅wを表す道路幅データとを含んでいる。各センターラインベクトルデータは、対応するセンターラインベクトルの始点と終点の座標を含む。図2の例では、複数のセンターラインベクトルで近似されたセンターラインCLと、当該センターラインCLの両側に設けられた道路端線E1又はE2との間に車道が存在し、各車道は、それぞれ車線境界線により二つの車線に区分されている。
図3(a)は、図2に示された道路に対する道路ベクトルの例を示す図である。図に示すように、センターラインCLは、3つのセンターラインベクトルCV1乃至CV3からなり、各センターラインベクトルCV1〜CV3はそれぞれ始点と終点の組(S1とG1、S2とG2、S3とG3)で指定される。各センターラインベクトルが存在する道路区間における道路幅はそれぞれw1〜w3となっている。ここでは、道路幅は、簡単化のための各センターラインベクトルの両端の間では一様であると仮定する。更に、道路の両側の車道の幅は、図では同じと仮定している。したがって、各センターラインに対する両側の道路端線E11とE21、E12とE22、E13とE23はいずれもセンターラインベクトルCV1、CV2、CV3に平行で、かつ、同じセンターラインベクトルに対する一組の道路端線(例えばE11とE21)はそのセンターラインベクトルから等距離にある。しかし、道路幅はセンターラインベクトル上の位置に応じて変化してもよく、左右の車道の道路幅が異なってもよい。
隣接する二つのセンターラインベクトル(例えばCV1、CV2)の接続点(例えばG1とS2)に対する道路端(E11)の終点(P)と道路端線E21の始点(Q)とは、それら二つのセンターラインベクトルの方向が変化しているために、一致しない。これらの二つの点は適当な線分(直線又は曲線)で結合されていると仮定する。本発明では、検出すべき高架式道路標識画像は、道路のセンターラインベクトルに対して垂直に延在するように設けられると仮定するので、センターラインベクトルの結合点(G1とS2)と、その点に対応する道路端線上の2点(PとQ)とで構成される結合領域には、検出すべき高架式道路標識画像は存在しないので、道路端線上の上記2点(PとQ)を接続する線分の形状は、本発明に関する限り問題とならない。したがって、以下では、この結合部の道路端線には特に言及しない。
図3(b)は、道路データ21の例を示す図である。道路データ21には、道路を識別するための道路識別情報211と、当該道路識別情報を有する道路内の複数のセンターラインベクトルをそれぞれ識別するためのセンターラインベクトル識別情報212と、各センターラインベクトルの始点と終点の座標の組213と、各センターラインベクトルの存在区間における道路幅214とを含む。
図1に戻り、道路領域検出部100は、道路データ21が示す複数の道路の各々に関して、当該道路を構成する複数のセンターラインベクトルのそれぞれに対して、それぞれのセンターラインベクトルとそれぞれの両側に位置する道路領域と、更に外側に位置する道路端線を含む部分道路領域を決定し、それらの複数の部分道路領域を連ねた領域を、当該道路に対する道路領域として決定し、地表画像データ22内の当該道路領域内のデータ部分を道路領域画像データ23内に記憶する。
以下に説明する2値化部200と線分候補検出部300は、道路領域検出部100により検出された道路領域に対して処理を行う。すなわち、地表画像データ22内の道路領域画像データ23に対してだけ処理を行う。このことにより、高架式道路標識画像の構成線分候補を検出するのに必要となる処理量を削減できる。道路領域を道路データ21に基づいて検出すると、道路領域以外の領域を道路領域であると誤認識することも回避できる。しかし、本発明は、道路データ21を使用しないで、地表画像データ22から道路領域、更にはセンターラインベクトル、道路端線を検出して、以下の処理に使用してもよい。
まず、2値化部200は、道路領域画像データ23の明度に対して適当な閾値を用いた2値化処理を行うことにより明るい画素(明画素)と暗い画素を区別する。高架式道路標識は一般に白又は白に近い明るい色であることが多い。また、道路はコンクリートやアスファルトで作られているため明度が低く、暗い色である。そのため道路と高架式道路標識は明度で区別できると期待される。明度の2値化処理にはモード法、判別分析法、Pタイル法、微分ヒストグラム法などの種々の周知技術を適用可能である。どの方法で2値化処理を行うのが適切であるかは対象画像によって異なるので、画像に合わせて適切な方法を選択すればよい。一般的には判別分析法を用いると明度の高い部分とそうでない部分を区分しやすい。本実施の形態でも判別分析法を使用した。2値化処理は、各センターラインベクトルに対する部分道路領域毎に閾値を決めて行うことが望ましいが、そうでなくて一つの道路に対する全てのセンターラインベクトルに対する全道路領域に対して共通の閾値を決めてもよい。2値化部200は、道路領域画像データ23に対して2値化処理を施して得られた2値化された道路領域画像データを、2値化道路領域画像データ24として記憶装置20に記憶する。
図4は、地表画像データ22が表す道路のうち、処理対象の道路の一つのセンターラインベクトルを含む部分道路領域を模式的に示す図である。図に示された部分道路領域には、センターラインベクトルCV1と両側の道路端線E11とE21との間の車道には、それぞれ二つの車線境界線で区切られた3車線があり、矩形T1、T2、‥は、走行中の自動車を示し、図からこれらの自動車の濃度が異なることが示されている。R1、R2は、本実施の形態で検出対象とする二つの高架式道路標識を示す。高架式道路標識R1は上側の車道を横断するように設けられていて、高架式道路標識R2は下側の車道を横断するように設けられている。図には示していないが、上下の車道を横断するように設けられた高架式道路標識でもよい。この最後の高架式道路標識の場合には、後に説明する処理により、上側の車道を横断する高架式道路標識と、その高架式道路標識と同じセンターラインベクトル上の同じ位置に設けられた、下側の車道を横断する高架式道路標識とが検出される。
図5は、図4に示された部分道路領域に対応する、2値化道路領域画像データ24により表される2値化部分道路領域画像を模式的に示す図である。高架式道路標識R1、R2がいずれも明画素群からなら画像として表示されている。センターラインベクトルCVと車線境界線と明るい自動車とやや明るい自動車も同様である。一方、路面は黒画素群で表されている。暗い自動車も黒画素群で表され、道路表面と区別できない状態にある。
図1に戻り、つぎに、プログラム40は、処理対象道路に対して線分候補検出部300を実行する。線分候補検出部300は、道路データ21に基づいて、処理中の道路の各センターラインベクトルに対して、2値化道路領域画像データ24から、高架式道路標識画像を構成する線分となる可能性がある高架式道路標識画像の構成線分候補を検出する。
図6は、線分候補検出部300の処理のフローチャートである。図7は、任意の道路の一つのセンターラインベクトルに関して線分候補検出部300で処理される左垂直線分Vlと右垂直線分Vrを説明するための図である。図7(a)において、センターラインベクトルCV、センターラインベクトルCV上の注目点M(Xm,Ym)からセンターラインベクトルCVに対して90°反時計回りに回転させた方向で、長さが道路幅の半分(w/2)の左垂直線分Vlと、注目点M(Xm,Ym)からセンターラインベクトルCVに対して90°時計回りに回転させた方向で、長さが道路幅の半分(w/2)の右垂直線分Vrを示している。センターラインベクトルCVは始点S(Xs,Ys)と終点G(Xg,Yg)を持つ。線分候補検出部300では、始点S(Xs,Ys)から終点G(Xg,Yg)まで注目点MをセンターラインベクトルCV上を1画素づつ移動させて、それぞれの注目点位置における左垂直線分Vl及び右垂直線分Vrが、高架式道路標識画像を構成する線分の候補であるか否かが所定の基準に基づいて判別され、左垂直線分Vl又は右垂直線分Vrの一方又は両方が候補であると判別されたとき、当該センターラインベクトルCVに対してあらかじめ付与された識別情報と、候補であると判別された左垂直線分Vl又は右垂直線分Vrに対する注目点Mの座標と、左垂直線分Vlと右垂直線分Vrのいずれであるか、すなわち候補であると判別された垂直線分が左右の道路領域のいずれを横断する線分であるかを識別するための道路領域識別情報、例えば文字「l」又は「r」の一方又はそれに対応して定めた「0」又は「1」との組が線分候補位置データ25(図1)として記憶装置20に記憶される。
図6において、線分候補検出部300は、まず道路データ21、2値化道路領域画像データ24を、記憶装置20内の図示しない補助記憶装置から処理装置10内の図示しないRAMに読み込み(ステップS301)、全ての道路に対する全てのセンターラインベクトルの処理が終了したとステップS302で判定されない限り、いずれかの道路を構成する複数のセンターラインベクトルの一つのセンターラインベクトルCVを選択する(ステップS303)。そのセンターラインベクトルCV上の全ての画素を処理したとステップS304で判定されない限り、その選択されたセンターラインベクトルCV上の一つの画素を注目点M(Xm, Ym)として選択する(ステップS305)。注目点Mには、最初にそのセンターラインベクトルCVの始点Sの画素が選択される。後にステップS305が繰り返し実行されるごとに、その始点Sに隣接するセンターラインベクトルCV上の画素が順次選択されるようになっている。
つぎに左垂直線分判別部350を起動する。左垂直線分判別部350では、後に説明するように、注目点Mを通過し道路端線に至る左垂直線分Vlについて、高架式道路標識画像を構成する線分の候補となりうるか否かが判定される。つぎに、右垂直線分Vrについて、右垂直線分判別部370を実行して、左垂直線分判別部350と同じく、注目点Mから道路端線に至る右垂直線分Vrが高架式道路標識画像を構成する線分の候補となりうるか否かが判定される。以上の処理をステップS304により選択された選択されたセンターラインベクトルCV上の全画素が処理したと判断されるまで繰り返す。ステップS304により全画素が選択されたと判断されたときには、処理はステップS302に移り、そこで全てのセンターラインベクトルが処理されたと判断されるまで、ステップS303において新たなセンターラインベクトルを選択し、ステップS304以降の処理を繰り返す。その後、ステップS302において全ての道路に属する全てのセンターラインベクトルを処理したと判断されたときに、線分候補検出部300は処理を終了し、図1において、プログラム40は処理を終了する。
図8は、線分候補検出部300で実行される左垂直線分判別部350の処理の概略フローチャートである。左垂直線分判別部350の処理の詳細を説明する前に、本実施の形態における、垂直線分が道路標識画像構成線分候補であるか否かの判別の原理を説明する。本実施の形態では、高架式道路標識画像は、道路のセンターラインの中心から車道を横断して道路端線まで直線状に延びていて、その全画素は明度が明るい画素からなる1本又は複数本の線分からなると仮定している。上記線分候補検出部300で検出された右垂直線分又は左垂直線分がそのような線分の候補であるためには、その線分を構成する画素の全てが明度が明るい画素であることが望ましいが、高架式道路標識の上部が、例えば汚れている場合には、上記線分を構成する全画素のうち一部の画素の明度が高くないことも起こり得る。したがって、2値化部200により2値化された後の上記線分の画素の一部の明度は「0」であることも起きる。しかし、線分全体として見れば、全画素に近い数の画素の明度が全て「1」であれば、その線分は、全画素が明度「1」の画素からなると推定することができる。そこで、本発明では、上記垂直線分を構成する全画素のうち明度が「1」である画素の総数Nw(以下、垂直線分内明画素数又は線分内明画素数と呼ぶことがある)が、その線分内の総画素数Ntと一定比率Rとの積Nt×R以上であれば、すなわち、下記式(1)が成立すれば、当該線分は道路標識画像構成線分候補であると判断するようにしている。
Nw≧Nt×R (1)
ここで、比率Rの値は、2値化道路領域画像データ24に対して実験によって決定すればよい。道路上には、自動車又は車線境界線等を示す明度が「1」であるパターンも存在するので、処理中の垂直線分がこれらのパターン上を通過している場合でも、その垂直線分が道路標識画像構成候補として誤検出されることがないように、上記比率Rを決定する必要がある。一般に、自動車や、車線境界線等を示す明度が「1」であるパターン上を処理中の垂直線分が通過している場合でも、その自動車を示すパターンあるいは車線境界線等を示すパターンの周囲には、明度が「0」である暗い画素が多く存在するので、垂直線分がそれらのパターンの上を通過している場合と道路標識画像上を通過している場合とでは、当該垂直線分に含まれる値が「1」の明画素の総数は大きく異なるので、これらの二つの場合を区別できるように上記比率Rを決定することが可能である。比率Rとして、例えば0.7あるいは0.8を使用することができる。
以下では、上記積を候補適格最小画素数と呼び、Ntrと記載することがある。このとき、式1は式2により置換することができる。
Nw≧Ntr (2)
式1又は式2が示す条件が満たされているか否かの判定のためには、線分内明画素数Nwを計数する必要がある。この計数に要する時間は、線分内明画素数Nwに依存する。本実施の形態では、式1又は式2による判定の前に、線分内明画素数Nwの計数を終了する前の段階でも、垂直線分が、道路標識画像構成線分候補である可能性がないと決定できる場合があることに注目して、線分内明画素数Nwを計数し終わる前に、その可能性の有無を判定する。すなわち、判断対象の垂直線分の一部の画素の数(部分画素数と呼ぶことがある)をNpとし、それらの画素のうちの明画素の数(部分明画素数と呼ぶことがある)をNpwとすると、当該線分内の残りの画素数(Nt−Np)の画素が全て明画素であると仮定したときに、当該線分が道路標識画像構成線分候補であるためには、式3が満たされなければならない。
Npw≧Ntr−(Nt−Np) (3)
逆に式4又は式5が満たされるときに、当該垂直線分は、道路標識画像構成線分候補である可能性がないことになる。ここで式5で定義されるNplの最小値を、候補不合格最小部分明画素数と呼ぶことがあり、単にNplと表す場合がある。
Npw<Ntr−(Nt−Np) (4)
Npw≦Npl=Ntr−(Nt−Np)−1 (5)
ここで、一例として、線分内総画素数Ntを24画素とする。道路幅は、画像の解像度を0.6(m)とすると、道路幅はおおよそ4×0.6=14.4(m)となる。比率Rを0.7と仮定すると、この仮定では、式1又は式2により、線分内明画素数Nwは、当該垂直線分が道路標識画像構成線分候補であるためには、Nw≧Ntr=24×0.7=16.8、すなわち、式6が満たされる必要がある。
Nw≧17 (6)
すなわち、候補適格最小画素数Ntrは17である。したがって、垂直線分が道路標識画像構成線分候補となるためには、画素数17以上の明画素がその垂直線分に含まれていなければならないことになる。
更に、式5より、候補不合格最小部分明画素数Nplは、式7のようになる。
Npl=Np−8 (7)
したがって、当該垂直線分が道路標識画像構成線分候補となる可能性がないのは、部分明画素数Npwと部分画素数Npとの関係が式8の場合である。
Npw≦Npl=Np−8 (8)
図9は、式8の関係を満たす、部分画素数Npと候補不合格最小部分明画素数Nplとを対比して示す図である。図において、例えば、部分画素数Npが8の場合、その部分画素群内の明画素数が0であれば、その部分画素群を含む垂直線分は、道路標識画像構成線分候補になる可能性がないことになる。同様に、例えば、部分画素数Npが16の場合、その部分画素群内の明画素数が8以下であれば、その部分画素群を含む垂直線分は、道路標識画像構成線分候補になる可能性がないことになる。更に、部分画素数Npが線分内総画素数の値24に等しい場合、その線分内の明画素数が16以下であれば、その垂直線分は、道路標識画像構成線分候補ではないことになる。したがって、処理対象の垂直線分が道路標識画像構成線分候補であるか否かを判定するために、垂直線分内の総明画素数を計数する前に、その垂直線分を順序付けられた複数の部分画素列に分割し、先頭の部分画素列に含まれた部分明画素数Npwを計数し、その部分明画素数Npwが、その部分画素数Npに対して図9に示す候補不合格最小部分明画素数Npl以下であるか否かを判定し、もしそうであれば、当該垂直線分は、道路標識画像構成線分候補ではないと判断することができる。したがって、この場合には、残りの(Nt−Np)の画素内の明画素数を計数してその計数値を反映して線分内明画素数Nwを計数し、その線分内明画素数Nwが式6に示される下限値17以上であるか否かを判定しなくても、当該垂直線分は、道路標識画像構成線分候補ではないと判断することができ、左垂直線分判別部350の処理をその時点で終了することができる。
もし垂直線分内の最初の部分画素列内の部分明画素数Npwが、その部分画素群の部分画素数に対して図9にて示される候補不合格最小部分明画素数Nplより大きい場合には、当該部分画素列だけでは道路標識画像構成線分候補になる可能性がないと判別できないので、次の部分画素列内の部分明画素数を計数し、上記第1の部分明画素数との合計により新たな部分明画素数Npwを計算し、その部分明画素数Npwに基づいて、図9により、当該垂直線分が道路標識画像構成線分候補である可能性が残るか否かを判定すればよい。この場合、その垂直線分が道路標識画像構成線分候補である可能性がないと判定されたときは、当該垂直線分に対する左垂直線分判別部350の処理をその時点で終了する。このように、処理対象の垂直線分が道路標識画像構成線分候補であるか否かの判定を、当該垂直線分を複数の部分画素群に区分し、判定対象の部分画素群を順次増やしていけば、道路標識画像構成線分候補でない垂直線分を早期に検出することができる。
以下、図8に基づいて、左垂直線分判別部350の処理の概略を説明する。以下の説明においても、上で仮定したように、線分内総画素数Ntを24画素とし、比率Rを0.7と仮定し、以上の仮定により図9の対比表が使用可能であるとする。また、以下では、処理対象の垂直画素列が24画素からなるので、この垂直線分を3つの部分画素列に分割する場合について説明する。したがって、各部分画素列は8画素からなることになる。なお、本発明は、他の分割数の場合にも適用できることは言うまでもない。
左垂直線分判別部350は、線分候補検出部300のステップS305(図6)において、センターラインベクトル上の一つの注目点の画素が選択された後に起動され、この注目点を含み、当該センターラインベクトルに垂直で当該センターラインベクトルの左側の道路領域の道路端線まで至る左垂直線分について、当該線分が道路標識画像構成線分候補であるか否かを判別する。そのために、左垂直線分判別部350は、図8において、まずステップS351において部分画素群番号nを1に設定する。つぎにステップS352において、当該左垂直線分の第n部分画素群内の、明度が「1」である画素の数である部分画素群明画素数Npwnを計数する。ステップS353で、部分画素群番号nが1であるか否かを判定し、今の仮定のように1である場合には、ステップS354において、部分明画素数Npwを上記部分画素群明画素数Npwnに等しくする。ステップS356において、部分画素群番号nが部分画素群数npに等しいか否かを判定し、今の仮定のようにn=1では、そうでないので、ステップS357において、処理中の左垂直線分が道路標識画像構成線分候補となる可能性があるか否かが判定される。具体的には、部分画素数Npは上記第1部分画素群の画素数8である。図9から、上記ステップS354で決定された部分明画素数Npwは、部分画素数Np=8に対する候補不合格最小部分明画素数Npl=0より大きいか否かにより、処理中の左垂直線分が道路標識画像構成線分候補となる可能性があるか否かが判定される。
その可能性がないと判定されたときには、左垂直線分判別部350は処理を終了する。その可能性があると判定されたときには、ステップS358において部分画素群番号nの値が1だけ増大されて値2に変更され、処理はステップS352に戻る。ステップS352では第n部分画素群内の明画素の数である部分画素群明画素数Npwnを計数する。その後ステップS353では、部分画素群番号nが1に等しいか否かが判定されるが、今の場合にはそうでないので、ステップS355において、第(n−1)部分画素群までの部分画素群に対して既にステップS355の先の実行時に計算された部分明画素数Npwに、ステップS352で新たに計数された部分画素群明画素数Npwnが加算され、新たに部分明画素数Npwを得る。ステップS356において、部分画素群番号nが部分画素群数npに等しいか否かを判定し、今の仮定のようにn=2では、そうでないので、ステップS357において、処理中の左垂直線分が道路標識画像構成線分候補となる可能性があるか否かが判定される。具体的には第2部分画素群までの部分画素群の部分画素数Npは今の場合は仮定により16に等しい。図9から、上記ステップS355で決定された部分明画素数Npwが、部分画素数Np=16に対する候補不合格最小部分明画素数Npl=8より大きいか否かにより、処理中の左垂直線分が道路標識画像構成線分候補となる可能性があるか否かが判定される。
その可能性がないと判定されたときには、左垂直線分判別部350は処理を終了する。その可能性があると判定されたときには、ステップS358において部分画素群番号nの値が1だけ増大されて値3に変更され、処理はステップS352に戻る。ステップS352では、第n部分画素群内の明画素の数である部分画素群明画素数Npwnを計数する。その後ステップS353では、部分画素群番号nが1に等しいか否かが判定されるが、今の場合には、そうでないので、ステップS355において、第(n−1)部分画素群までの部分画素群に対して既にステップS355で計算された部分明画素数Npwに、ステップS352で計数された部分画素群明画素数Npwnが加算され、新たに部分明画素数Npwを得る。ステップS356において、部分画素群番号nが部分画素群数npに等しいか否かを判定し、今の仮定のようにn=3では、そうであるので、ステップS359において、処理中の左垂直線分が道路標識画像構成線分候補か否かが判定される。具体的には第3部分画素群までの部分画素群の部分画素数Npは今の場合は仮定により24に等しい。図9から、上記ステップS355で決定された部分明画素数Npwは、部分画素数Np=24に対する候補不合格最小部分明画素数Npl=16より大きいか否かにより、処理中の左垂直線分が道路標識画像構成線分候補か否かが判定される。
ステップS359において候補でないと判定されたときには、左垂直線分判別部350は処理を終了し、処理は線分候補検出部300に戻る。候補であると判定されたときには、ステップS360において、処理中の垂直線分に関する線分候補位置データが、線分候補位置データ25の一部として記憶装置20(図1)に記憶される。その後、左垂直線分判別部350は処理を終了し、処理は線分候補検出部300に戻る。
図10は、線分候補位置データ25に記憶されるデータの例を示す。上記のようにステップS359において処理中の左垂直線分が道路標識画像構成線分候補であると判定された場合には、処理中の道路の識別情報251と、処理中のセンターラインベクトルの識別情報252と、注目点Mの座標253と、道路領域の左右区別情報254としての、左側道路領域を示す文字「l」又は対応する符号「0」とが格納される。
図6に戻り、線分候補検出部300は、つぎに右垂直線分判別部370を実行する。右垂直線分判別部370は、ステップS305で選択された注目点Mを通り、センターラインベクトルに垂直で道路右側領域の道路端線に延在する右垂直線分について、左垂直線分判別部350と全く同じようにして、その右垂直線分が道路標識画像構成線分候補であるか否かを判定し、候補であると判定したときに、その右垂直線分に関する線分候補位置データを、線分候補位置データ25の一部として記憶装置20(図1)に記憶する。右垂直線分判別部370により記憶される線分候補位置データは、図10における、道路領域の左右区別情報254として、右側道路領域を示す文字「r」又は対応する符号「1」とを含んでいる点でのみ異なる。図6に戻り、右垂直線分判別部370の処理が終了すると、ステップS304以降が繰り返され、その後ステップS302以降が繰り返される、以上の処理が、全ての道路の全てのセンターラインベクトル上の全ての画素について繰り返される。
図11は、人工衛星により地上を撮影して得られた実際の地表画像データで表される地表画像を示す図である。図11に示された道路は、図4に模式的に示されたように、片側3車線を有する道路で、左下から右上に直線的に伸びている。図11の中央付近に、二つの円でそれぞれ囲まれた二つの高架式道路標識がある。図12は、図11の地表画像に対して2値化部200により2値化処理を施して得られる2値化道路領域画像データ24が示す2値化道路領域画像である。図12において、二つの円が示すように、二つの道路標識画像のそれぞれに関して、当該道路標識画像を構成する、センターラインベクトルに垂直な線分として、センターラインベクトルから道路端までの範囲のほとんど全ての画素が明画素である線分があり、それらの線分が線分候補検出部300により道路標識画像構成線分候補として検出されることになる。
以上のように、本実施の形態では、広範囲にわたる道路標識画像を構成する線分の候補を地表画像から自動的に高速に検出することができる。特に、高架式道路標識は高速道路上の非常に大きな間隔で隔たって設置されている。したがった、センターライン上の多くの注目画素では、その画素を含む線分は道路標識画像を構成する線分の候補ではない。本発明において、そのような道路標識画像を構成する線分の候補ではないと早期に判別できるので、処理の高速化の効果が大きい。このように道路標識画像構成線分候補が検出された後は、その線分の周辺の画像のパターンを分析してそこに道路表記が設置されているか否かを自動的に判断させるようにすることも可能である。あるいは、検出された線分候補の近傍の画像を順次表示装置に拡大して表示させ、道路標識設置位置情報を生成しようとする者により、当該線分候補の近傍に現に高架式道路標識が設置されているか否かを目視により判定させるようにしてもよい。このようにして、候補として検出された垂直線分が道路標識を現に表すか否かを判定できた後では、情報収集車を高速道路に走行させて道路標識画像を撮影させて道路標識情報を取得するときに、現に道路標識があると判断された候補位置に、情報収集車が接近したときに、先行の車輛との車間距離を充分に保ち、かつ、走行速度を低下させるなどして、その候補位置にある道路標識の撮影を確実なものとすることができる。
以上の実施の形態では、一つのセンターラインベクトルに対する道路幅が24ビットである場合について具体的に説明した。一つのセンターラインベクトル内で道路幅が変化する場合もある。例えばセンターラインベクトルの始点と終点における道路幅が異なる場合がある。あるいは、道路の左側と右側とでは道路領域の幅が異なることがある。このように道路存在領域の幅が変化する場合にも、本発明は適用することができる。
そのためには以下のように処理すればよい。図6の線分候補検出部300の処理として、ステップS304と左垂直線分350の間で、各注目点毎に、左側の道路領域の道路幅wlを決定し、道路幅wlの長さの垂直線分に含まれる総画素数Ntを決定し、上記の実施の形態で用いた比率Rを用いて最終的に部分画素数Npと候補不合格最小部分明画素数Nplとの間の、式8に代わる関係式を決定し、その後垂直線分を適当な複数の部分画素列に分割する分割数nを決定し、その後左垂直線分350を実行すればよい。注目点における左側道路領域の道路幅wl(m)は、例えば、上記実施の形態で用いたセンターラインベクトルのセンターラインベクトルの始点と終点における道路幅を補間して決定する。その後、衛星画像の解像度をP(m/画素)として、当該センターラインベクトル上の注目点から道路端線までの道路幅の長さの垂直線分に含まれる総画素数Ntを、W/Pの値により決定する。この画素数Ntと式1により、センターラインベクトルに垂直な線分が道路標識画像構成線分の候補であるために必要な明画素の数Nwが満たすべき条件を決定する。同様に候補適格最小画素数Ntrを式2より決定する。その後、式5により候補不合格最小部分明画素数Nplと部分画素の画素数Npとの関係を決定して、式7に代わる式を決定する。その結果を利用して、センターラインベクトルに垂直な線分が道路標識画像構成線分の候補となる可能性がないための条件として、部分画素数Npと候補不合格最小部分明画素数Nplとの間の、式8に代わる関係式を決定する。この関係式を用いて図9と同様な部分画素数Npと候補不合格最小部分明画素数Nplとの対比表を決定することも可能である。
上記実施の形態では、垂直線分の総画素数Ntが24あるときに、この線分を3分割して、それぞれ8画素からなる3つの部分画素列を決定した。垂直線分の総画素数Ntが24と異なるときにも、垂直線分を適当な数の部分画素列に分割する方法を決定しておけば。例えば、実施の形態では、1つの部分画素列が8画素からなり、その長さは、衛星画像の解像度から4(m)である。図4の場合には、片側の道路領域には3車線存在している。したがって、上記実施の形態では、一つの部分画素列の画素数は8ビットであり、一つの車線の幅に対応している。したがって、垂直線分の総画素数Ntが24と異なるときでも、一つの部分画素列の画素数は8ビットとし、あるいは一つの車線の幅に対応するように定めることができる。
その後は、図6において、左垂直線分350を図8にしたがって実行し、その後、右垂直線分を判定するが、その判定の前に、右側道路領域の道路幅が左側道路領域と異なるときには、右垂直線分判別370を実行する前に、上に述べたように、右側道路領域の道路幅wを決定し、垂直線分の総画素数Ntを決定し、以下上に説明したように総画素数Ntを決定し、センターラインベクトルに垂直な線分が道路標識画像構成線分の候補となる可能性がないための条件として、部分画素数Npと候補不合格最小部分明画素数Nplとの間の、式8に代わる関係式を決定して、その後、右垂直線分判別370を同様に実行すればよい。
本発明に係る画像の道路標識を認識可能な装置の一つの実施形態の概略ブロック図である。 道路の模式図である。 (a)は、図2に示された道路に対する道路ベクトルの例を示す図である。(b)は、道路データの例を示す図である。 道路の一つのセンターラインベクトルを含む部分道路領域を模式的に示す図である。 図4に示された部分道路領域に対応する2値化部分道路領域画像を模式的に示す図である。 線分候補検出部の処理のフローチャートである。 一つのセンターラインベクトルに関して線分候補検出部で処理される左垂直線分と右垂直線分を説明するための図である。 線分候補検出部で実行される左垂直線分判別部の処理の概略フローチャートである。 部分画素数(Np)と候補不合格最小部分明画素数(Npl)とを対比して示す図である。 線分候補位置データの例を示す図である。 人工衛星により地上を撮影して得られた実際の地表画像データで表される地表画像を示す図である。 図11の地表画像に対して2値化部により2値化処理を施して得られる2値化道路領域データが示す2値化道路領域画像である。
符号の説明
CL…センターライン、CV…センターラインベクトル、E1、E11、E12、E13、E2、E21、E22、E23…道路端線、R1、R2…高架式道路標識、S1、S2、S3…センターラインベクトルの始点、G1、G2、G3…センターラインベクトルの終点、w1、w2、w3…道路幅。

Claims (2)

  1. 地表を上空から撮影して得られた地表画像データから、道路の少なくとも片側の領域の上空を通過するように設けられた高架式道路標識を表す道路標識画像を構成する線分の候補を検出する、道路標識画像構成線分候補の検出方法であって、
    前記地表画像データからいずれかの道路が存在する道路領域を検出する道路領域検出ステップと、
    当該道路領域のセンターライン上に当該道路の延在方向に沿って延在する一連の画素の各々について、当該画素を含み、当該センターラインから道路端が存在する領域まで達する、当該センターラインに垂直な方向に延在する、当該画素に対応する垂直線分のうち、明度が所定の閾値より高い明画素の数が、当該対応する垂直線分が前記高架式道路標識を示す道路標識画像を構成する線分を含むために必要な所定の数以上であるか否かに依存して、当該対応する垂直線分が前記道路標識画像を構成する線分の候補であるか否かを判別する判別ステップと、
    当該対応する垂直線分が前記道路標識画像を構成する線分の候補であると判別されたとき、当該垂直線分の位置を表す位置情報を記憶する記憶ステップと、
    を含み、
    前記判別ステップは、
    前記対応する垂直線分に含まれた一部の画素群に含まれた明画素の数を計数し、残りの画素が全て明画素であると仮定した場合に当該垂直線分に含まれた明画素の総数が前記所定数に達する可能性があるか否かを判定し、当該判定結果に依存して当該対応する垂直線分が前記道路標識画像を構成する線分の候補となる可能性があるか否かを判定する可能性判定ステップと、
    前記可能性判定ステップによる判定の結果、前記対応する垂直線分が前記道路標識画像を構成する線分の候補となる可能性がないと判定されたとき、当該一部の画素群以外の残りの部分画素群内の明画素の数を計数しないで、当該対応する垂直線分は前記道路標識画像を構成する線分の候補でないと判別する早期判別ステップと、を含む、
    ことを特徴とする道路標識画像構成線分候補の検出方法。
  2. 地表を上空から撮影して得られた地表画像データから道路の途中に位置し、当該道路の少なくとも片側の領域の上空を横断するように設けられた高架式道路標識を表す道路標識画像を構成する線分の候補を検出する、道路標識画像構成線分候補を検出可能なプログラムであって、
    前記地表画像データからいずれかの道路が存在する道路領域を検出する道路領域検出手段と、
    当該道路領域のセンターライン上に当該道路の延在方向に沿って延在する一連の画素の各々について、当該画素を含み、当該センターラインから道路端が存在する領域まで達する、当該センターラインに垂直な方向に延在する、当該画素に対応する垂直線分のうち、明度が所定の閾値より高い画素の数が、当該対応する垂直線分が前記高架式道路標識を示す道路標識画像を構成する線分を含むために必要な所定の数以上であるか否かに依存して、当該対応する垂直線分が前記道路標識画像を構成する線分の候補であるか否かを判別する判別手段と、
    当該対応する垂直線分が前記道路標識画像を構成する線分の候補であると判別されたとき、当該垂直線分の位置を表す位置情報を記憶する記憶手段、
    としてコンピュータを機能させ、
    前記判別手段は、
    前記対応する垂直線分に含まれた一部の画素群に含まれた明画素の数を計数し、残りの画素が全て明画素であると仮定した場合に当該垂直線分に含まれた明画素の総数が前記所定数に達する可能性があるか否かを判定し、当該判定結果に依存して当該対応する垂直線分が前記道路標識画像を構成する線分の候補となる可能性があるか否かを判定する可能性判定手段と、
    前記可能性判定手段による判定の結果、前記対応する垂直線分が前記道路標識画像を構成する線分の候補となる可能性がないと判定されたとき、当該一部の画素群以外の残りの部分画素群内の明画素の数を計数しないで、当該対応する垂直線分は前記道路標識画像を構成する線分の候補でないと判別する早期判別手段と、
    としてコンピュータを機能させる、
    ことを特徴とする道路標識画像構成線分候補を検出可能なプログラム。
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