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JP2006174562A - 車両駆動装置 - Google Patents

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JP2006174562A JP2004361478A JP2004361478A JP2006174562A JP 2006174562 A JP2006174562 A JP 2006174562A JP 2004361478 A JP2004361478 A JP 2004361478A JP 2004361478 A JP2004361478 A JP 2004361478A JP 2006174562 A JP2006174562 A JP 2006174562A
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Abstract

【課題】 電気自動車またはハイブリッド電気自動車に用いられる電動機の回転部を効率よく冷却することができる小型の車両駆動装置を提供する。
【解決手段】 車両駆動装置は、電動機101と、電動機101の外部に設置され、電動機の潤滑油を冷却水によって冷却する潤滑油冷却手段102と、冷却水を冷却する冷却水冷却手段103と電動機101および潤滑油冷却手段102との間で冷却水配管106,106a,106b,107,107a,107bを介して冷却水を循環させる冷却水循環手段と、潤滑油冷却手段102と電動機101との間で潤滑油配管108,109を介して潤滑油を循環させる潤滑油循環手段とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気自動車やハイブリッド電気自動車などの車両駆動装置に関するものであり、特に車両を駆動する電動機の回転部の冷却技術に関するものである。
電動機によって駆動される電気自動車および内燃機関と電動機とを組み合わせて駆動されるハイブリッド電気自動車は、排気ガスによる大気汚染を防ぐ公害防止の面から注目されている。
これらの車両を駆動するための車両駆動装置においては、内燃機関を冷却する冷却水系統と電動機の回転部を潤滑する潤滑油系統とは、それぞれ独立した系統で構成されており、冷却水系統および潤滑油系統は、それぞれ外気との熱交換で冷却されている(例えば、特許文献1)。
また、これとは別に、冷却水系統と潤滑油系統とを電動機内で一体化し、潤滑油を冷却水によって冷却している車両駆動装置もある(例えば、特許文献2)。
特開2004−100956号公報(第6頁〜第8頁、図2) 特開平9−46974号公報(第3頁〜第4頁、図1)
近年、ハイブリッド電気自動車においては、適用範囲が乗用車からバス、トラックなどの大型車両に進みつつある。これに伴い、車両を駆動する電動機の出力も大型化が求められている。電動機の出力を大型化する場合、効率の観点からその発熱量も増大するので、電動機、特にその軸受、ギアなどの回転部を適切に冷却する必要がある。
また、車両の走行距離を延長するためには、車重を軽くし消費電力を低減することが不可欠である。そのため、効率のよい冷却を可能とする小型の車両駆動装置が必要となる。
しかしながら、潤滑油のみで電動機を冷却する場合には、水を用いた場合と比べて熱交換効率が悪く、電動機を十分に冷却できない。また、熱交換効率を高くするためには、熱交換の面積を増やすなどの措置が必要となり、電動機を含んだ車両駆動装置が大型になるという問題がある。さらに、潤滑油を外気との熱交換で冷却する場合には、水との熱交換で冷却する場合に比べて熱交換効率が悪いので、高速回転時、高負荷時などの発熱量が増大したときに、潤滑油を十分に冷却できない。
一方、電動機内において潤滑油を冷却水によって冷却する場合には、電動機のケースからの熱伝導および電動機内の空気の対流による熱伝達などの影響を受け、潤滑油を十分に冷却することができない。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、電気自動車またはハイブリッド電気自動車に用いられる電動機の回転部を効率よく冷却することができる小型の車両駆動装置を提供する。
この発明に係る車両駆動装置は、冷却水によって電動機を冷却するとともに、この冷却水を用いて電動機の外部で電動機の潤滑油も冷却するものである。
また、この発明に係る車両駆動装置は、冷却水によって電動機および内燃機関を冷却するとともに、この冷却水を用いて電動機の外部で電動機の潤滑油も冷却するものである。
この発明によれば、電動機の回転部を効率よく冷却することができる小型の車両駆動装置を提供できる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による電気自動車の車両駆動装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、車両を駆動する電動機101と潤滑油冷却手段であるオイルクーラ102とは、冷却水配管106a,106b,107a,107bを介して、並列に接続されている。電動機101およびオイルクーラ102は、冷却水配管106,107を介して、冷却水冷却手段であるラジエータ103と接続されている。冷却水配管106の途中、ラジエータ103の下流であって、かつ電動機101およびオイルクーラ102の上流であるところに、電動機101およびオイルクーラ102とラジエータ102との間で冷却水を循環させる冷却水循環ポンプ104が配置されている。冷却水配管106aの途中、オイルクーラ102の上流には、冷却水流量調製バルブ110aが設置されており、冷却水配管106bの途中、電動機101の上流には、冷却水流量調製バルブ110bが設置されている。冷却水配管106,106a,106b,107,107a,107b、冷却水循環ポンプ104および冷却水流量調整バルブ110a,110bは、冷却水循環手段を構成している。
また、電動機101とオイルクーラ102とは、潤滑油配管108,109を介しても接続されている。潤滑油配管108の途中、オイルクーラ102の下流であって、電動機101の上流には、電動機101とオイルクーラ102との間で潤滑油を循環させる潤滑油循環ポンプ105が配置されている。潤滑油配管108,109および潤滑油循環ポンプ105は、潤滑油循環手段を構成している。
このように構成された車両駆動装置の冷却水および潤滑油の流れについて説明する。図中矢印は、冷却水または潤滑油の流れる方向を示している。
ラジエータ103で冷却された冷却水は、冷却水循環ポンプ104によって冷却水配管106に供給され、分岐点121で二方に分流される。分流された一方の冷却水は、冷却水配管106aを通って、オイルクーラ102に供給され、他方の冷却水は、冷却水配管106bを通って、電動機101に供給される。
電動機101に供給された冷却水は、電動機101の内部を通って加熱され、冷却水配管107b,107を通って、ラジエータ103に回収される。また、オイルクーラ102に供給された冷却水は、潤滑油との熱交換によって加熱され、冷却水配管107aを通った後、合流点122において電動機101で加熱された冷却水と合流し、冷却水配管107を通って、ラジエータ103に回収される。ラジエータ103に回収された冷却水は、外気との熱交換によって、冷却される。
電動機101に供給される冷却水の流量とオイルクーラ102に供給される冷却水の流量とは、冷却水流量調製バルブ110a,110bによって調整される。
オイルクーラ102で冷却された潤滑油は、潤滑油循環ポンプ105によって潤滑油配管108を通って、電動機101に供給され、電動機101の内部で加熱される。加熱された潤滑油は、潤滑油配管109を通って、オイルクーラ102に回収され、再び冷却水によって冷却される。オイルクーラ102は、フィン・チューブ式の熱交換器など潤滑油と冷却水とが熱交換できるものであればよく、特に構造は問わない。
図2(a)は、この発明の実施の形態1による電動機101の上面図であり、図2(b)は、電動機101のA−A断面図である。ロータ軸14は、反負荷側軸受15および負荷側軸受16を介して、ケース11に回転自由に設置されている。ロータ軸14にロータ13が固定されており、ロータ13の外周であって、ステータ収容室25dの内壁にステータ12が固定されている。ロータ軸14の片端は、第一ギア17aおよび第二ギア17bを介して、出力軸18と接続されている。出力軸18は、出力軸軸受19を介して、ケース11に回転自由に設置されている。また、出力軸18は、図示していない駆動輪システムに接続されている。
ケース11の内部、ステータ12の外周には、螺旋状に冷却水経路24が設けられており、冷却水経路24の一方の端は冷却水配管106bと、冷却水経路24のもう一方の端は冷却水配管107bと接続されている。
ラジエータ103で冷却された冷却水は、冷却水配管106bを通って冷却水経路24に供給され、冷却水配管107bから回収される。冷却水は、冷却水経路24を流れる間に、ケース11を介した熱伝導によってステータ12を冷却するとともに、ロータ軸14およびケース11などを介した熱伝導によってロータ13も冷却する。
また、ケース11の内部には、反負荷側軸受15、負荷側軸受16および出力軸軸受19のそれぞれに潤滑油を供給するための潤滑油供給経路21a,21b,21cが設けられている。潤滑油供給経路21a,21b,21cのそれぞれの片端は、それぞれ潤滑油配管108と接続されている。潤滑油供給経路21aのもう一方の端は出力軸軸受19を収容した出力軸軸受収容室25aに、潤滑油供給経路21bのもう一方の端は負荷側軸受16を収容した負荷側軸受収容室25cに、潤滑油供給経路21cのもう一方の端は反負荷側軸受15を収容した反負荷側軸受収容室25eに接続されている。
さらに、ケース11の内部には、第一ギア17aおよび第二ギア17bを収容したギア列収容室25b、ステータ12を収容したステータ収容室25dおよび反負荷側軸受15を収容した反負荷側軸受収容室25eのそれぞれから潤滑油を回収するための潤滑油回収経路22a,22b,22cが設けられている。潤滑油回収経路22a,22b,22cの片端は、それぞれオイルパン23に接続されている。オイルパン23は、潤滑油配管109に接続されている。
オイルクーラ102で冷却された潤滑油は、潤滑油配管108から、実線の矢印で示すように潤滑油供給経路21a,21b,21cのそれぞれに分流される。潤滑油供給経路21aに分流された潤滑油は、出力軸軸受19および出力軸18に供給され、これらを潤滑するとともに冷却する。また、潤滑油供給経路21bに分流された潤滑油は、負荷側軸受16、ロータ軸14、第一ギア17a、第二ギア17bに供給され、これらを潤滑するとともに冷却する。さらに、潤滑油供給経路21cに分流された潤滑油は、反負荷側軸受15およびロータ軸14に供給され、これらを潤滑するとともに冷却する。潤滑油供給経路21b,21cに分流された潤滑油は、ロータ軸14を介してロータ13も冷却する。
このように構成された車両駆動装置では、電動機101のロータ軸14、反負荷軸受15、負荷側軸受16、出力軸軸受19、出力軸18および第一ギア17a、第二ギア17bなどの回転部を潤滑する潤滑油を電動機101の外部に設置したオイルクーラ102で冷却するので、電動機101内の熱伝導の影響を受けることなく潤滑油を冷却することができ、電動機101の回転部を効率よく冷却することができる。
また、オイルクーラ102では、水を用いて潤滑油を冷却しているので、空気を用いて潤滑油を冷却する場合に比べて熱交換効率がよく、潤滑油を十分冷却することができ、電動機101の回転部を効率よく冷却することができる。
さらに、潤滑油に比べて熱交換効率の高い水によって電動機101を冷却しており、熱交換面積を小さくすることができるので、電動機を小型化することができる。また、オイルクーラ102では、空気に比べて熱交換効率の高い水によって潤滑油を冷却しており、熱交換面積を小さくすることができるので、オイルクーラ102を小型化することができる。このため、車両駆動装置全体を小型化することが可能となる。
また、電動機101およびオイルクーラ102とラジエータ103との間で冷却水を循環させる冷却水循環手段は、一系統で構成されているので、電動機101とラジエータ103との間の冷却水循環手段およびオイルクーラ102とラジエータ103との間の冷却水循環手段をそれぞれ別系統で構成する場合よりも冷却水循環ポンプおよび冷却水配管の数量を削減することができ、製造コストを低減することができる。
この実施の形態1では、冷却水循環手段は、冷却水配管106,106a,106b,107,107a,107b、冷却水循環ポンプ104および冷却水流量調製バルブ110a,110bから構成されるが、電動機101およびオイルクーラ102とラジエータ103との間で冷却水を循環することができればよく、必ずしもこれら全てが必要なわけではない。
また、この実施の形態1では、冷却水循環ポンプ104は、冷却水配管106の途中、ラジエータ103の下流であって、かつ電動機101およびオイルクーラ102の上流であるところに配置されているが、ラジエータ102と電動機101およびオイルクーラ102との間で冷却水を循環することができれば、冷却水配管106,106a,106b,107,107a,107bの途中のどこに配置してもよい。
さらに、図1には示していないが、冷却水流量調製バルブ110a,110bを制御する制御部を設けて、電動機101から出てきた潤滑油の温度およびステータ12などの電動機101の温度に基づいて電動機101およびオイルクーラ102のそれぞれに供給される冷却水の流量を制御してもよい。これらの温度に基づいて電動機101およびオイルクーラ102それぞれに供給される冷却水の流量を制御することによって、電動機101の高速回転時においても潤滑油を適正に冷却することができ、電動機の回転部を効率よく冷却することができる。
この実施の形態1では、潤滑油循環手段は、潤滑油配管108,109および潤滑油循環ポンプ105から構成されるが、電動機101とオイルクーラ102との間で潤滑油を循環することができればよく、必ずしもこれら全てが必要なわけではない。
また、この実施の形態1では、潤滑油循環ポンプ105は、潤滑油配管108の途中に配置されているが、電動機101とオイルクーラ102との間で潤滑油を循環することができれば、潤滑油配管108または潤滑油配管109の途中のどこに配置してもよい。
この実施の形態1では、冷却水配管を介して、電動機101とオイルクーラ102とを並列に接続する場合について示した。図3は、この発明の実施の形態1による冷却水配管を介して、電動機101とオイルクーラ102とを直列に接続する場合の車両駆動装置の構成を示すブロック図である。
図3に示す車両駆動装置の構成は、電動機101およびオイルクーラ102とラジエータ103との間で冷却水を冷却水循環ポンプ104によって循環させる点においては、図1に示す車両駆動装置の構成と同様である。しかしながら、図1に示す車両駆動装置では、オイルクーラ102と電動機101とが、冷却水配管106a,106b,107a,107bを介して並列に接続されているのに対して、図3に示す車両駆動装置では、オイルクーラ102と電動機101とが、冷却水配管106bを介して直列に接続されている点で異なっている。
図3に示すように、ラジエータ103で冷却された冷却水は、冷却水循環ポンプ104によって冷却水配管106を通って、オイルクーラ102に供給される。オイルクーラ102で加熱された冷却水は、冷却水配管106bを通って電動機101に供給される。電動機101で加熱された冷却水は、冷却水配管107を通ってラジエータ103に回収され、再び外気との熱交換によって冷却される。
このように、オイルクーラ102と電動機101とを冷却水配管106bを介して直列に接続することによって、冷却水配管の継手の数量を削減することができ、製造コストを低減することができる。
また、電動機101とオイルクーラ102とを冷却水配管106bを介して直列に接続する場合には、図3に示すように、オイルクーラ102をラジエータ103の下流であって、電動機101の上流に配置した方がよい。オイルクーラ102をラジエータ103の下流であって、電動機101の上流に配置した場合、電動機101の下流に配置した場合よりも低温の冷却水をオイルクーラ102に供給することができるので、潤滑油を十分に冷却することができ、電動機101の回転部を効率よく冷却することができる。
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2によるハイブリッド電気自動車の車両駆動装置の構成を示すブロック図である。図中、実施の形態1と同一の構成には、同一の符号を付している。
図1に示す実施の形態1による車両駆動装置の構成では、冷却水配管106a,106b,107a,107bを介して、電動機101とオイルクーラ102とが並列に接続されており、オイルクーラ102および電動機101とラジエータ103との間で冷却水を循環させている。図4に示すこの実施の形態2による車両駆動装置の構成は、電動機101およびオイルクーラ102に加えて、冷却水配管106c,107cを介して内燃機関であるエンジン111も電動機101およびオイルクーラ102と並列に接続し、オイルクーラ102、電動機101およびエンジン111とラジエータ103との間で冷却水を循環させている点において、図1に示す車両駆動装置の構成と異なっている。その他の構成は、図1に示す車両駆動装置および図2に示す電動機101の構成と同様である。図4に示す車両駆動装置の構成をさらに詳しく説明する。
オイルクーラ102、電動機101およびエンジン111は、分岐点121と合流点122との間において冷却水配管106a,106b,106c,107a,107b,107cを介して、並列に接続されている。また、オイルクーラ102、電動機101およびエンジン111は、分岐点121に接続されている冷却水配管106を介して、さらに合流点122に接続されている冷却水配管107を介して、それぞれラジエータ103と接続されている。冷却水配管106の途中、ラジエータ103の下流であって、かつオイルクーラ102、電動機101およびエンジン111の上流であるところに、オイルクーラ102、電動機101およびエンジン111とラジエータ103との間で冷却水を循環させる冷却水循環ポンプ104が配置されている。冷却水配管106aの途中には、冷却水流量調製バルブ110aが設置されており、冷却水配管106bの途中には、冷却水流量調製バルブ110bが設置されており、冷却水配管106cの途中には、冷却水流量調製バルブ110cが設置されている。
このように構成された車両駆動装置の冷却水および潤滑油の流れについて説明する。図中矢印は、冷却水または潤滑油の流れる方向を示している。
ラジエータ103で冷却された冷却水は、冷却水循環ポンプ104によって冷却水配管106に供給され、分岐点121で三方に分流される。分流された一方の冷却水は、冷却水配管106aを通って、オイルクーラ102に供給され、もう一方の冷却水は、冷却水配管106bを通って、電動機101に供給され、残りの冷却水は、冷却水配管106cを通って、エンジン111に供給される。エンジン111に供給された冷却水は、エンジン111が発する熱で加熱され、冷却水配管107cを通った後、合流点122において電動機101およびオイルクーラ102のそれぞれで加熱された冷却水と合流し、冷却水配管107を通ってラジエータ103に回収される。ラジエータ103に回収された冷却水は、外気との熱交換によって、冷却される。
電動機101、オイルクーラ102およびエンジン111のそれぞれに供給される冷却水の流量は、冷却水流量調製バルブ110a,110b,110cによって調整される。
このように構成された車両駆動装置では、電動機101のロータ軸14、反負荷側軸受15、負荷側軸受16、出力側軸受19、出力軸18および第一ギア17a、第二ギア17bなどの回転部を潤滑する潤滑油を電動機101の外部に設置したオイルクーラ102で冷却するので、電動機101内の熱伝導の影響を受けることなく潤滑油を冷却することができ、電動機101の回転部を効率よく冷却することができる。
また、オイルクーラ102では、水を用いて潤滑油を冷却しているので、空気を用いて潤滑油を冷却する場合に比べて熱交換効率がよく、潤滑油を十分冷却することができ、電動機101の回転部を効率よく冷却することができる。
さらに、潤滑油に比べて熱交換効率の高い水によって電動機101を冷却しており、熱交換面積を小さくすることができるので、電動機を小型化することができる。また、オイルクーラ102では、空気に比べて熱交換効率の高い水によって潤滑油を冷却しており、熱交換面積を小さくすることができるので、オイルクーラ102を小型化することができる。このため、車両駆動装置全体を小型化することが可能となる。
また、オイルクーラ102、電動機101およびエンジン111とラジエータ103との間で冷却水を循環させる冷却水循環手段は、一系統で構成されているので、オイルクーラ102とラジエータ103との間の冷却水循環手段、電動機101とラジエータ103との間の冷却水循環手段およびエンジン111とラジエータ103との間の冷却水循環手段をそれぞれ別系統で構成する場合よりも冷却水循環ポンプおよび冷却水配管の数量を削減することができ、製造コストを低減することができる。
この実施の形態2では、冷却水循環手段は、冷却水配管106,106a,106b,106c,107,107a,107b,107c、冷却水循環ポンプ104および冷却水流量調製バルブ110a,110b,110cから構成されるが、オイルクーラ102、電動機101およびエンジン111とラジエータ103との間で冷却水を循環することができればよく、必ずしもこれら全てが必要なわけではない。
また、この実施の形態2では、冷却水循環ポンプ104は、冷却水配管106の途中、ラジエータ103の下流であって、かつオイルクーラ102、電動機101およびエンジン111との上流であるところに配置されているが、ラジエータ103とオイルクーラ102、電動機101およびエンジン111との間で冷却水を循環することができれば、冷却水配管106,106a,106b,106c,107,107a,107b,107cの途中のどこに配置してもよい。
さらに、図4には示していないが、冷却水流量調製バルブ110a,110b,110cを制御する制御部を設けて、電動機101およびエンジン111の回転数に基づいてオイルクーラ102、電動機101およびエンジン111それぞれに供給される冷却水の流量を制御してもよい。制御部が電動機101およびエンジン111の回転数に基づいてオイルクーラ102、電動機101およびエンジン111それぞれに供給される冷却水の流量を制御することによって、電動機101の高速回転時においても潤滑油を適正に冷却することができ、電動機の回転部を効率よく冷却することができる。
また、電動機101およびエンジン111の回転数ではなく、電動機101から出てきた潤滑油の温度、ステータ12などの電動機101の温度およびエンジン111の温度に基づいて電動機101、オイルクーラ102およびエンジン111それぞれに供給される冷却水の流量を制御してもよい。これらの温度に基づいて電動機101、オイルクーラ102およびエンジン111それぞれに供給される冷却水の流量を制御する場合も、電動機101の高速回転時において潤滑油を適正に冷却することができ、電動機の回転部を効率よく冷却することができる。
図4に示すこの実施の形態2では、冷却水配管を介して、オイルクーラ102、電動機101およびエンジン111を並列に接続する場合について示した。図5は、この発明の実施の形態2による冷却水配管を介して、オイルクーラ102、電動機101およびエンジン111を直列に接続する場合の車両駆動装置の構成を示すブロック図である。
図5に示す車両駆動装置の構成は、オイルクーラ102、電動機101およびエンジン111とラジエータ103との間で冷却水を冷却水循環ポンプ104によって循環させる点においては、図4に示す車両駆動装置の構成と同様である。しかしながら、図4に示す車両駆動装置では、オイルクーラ102、電動機101およびエンジン111が、冷却水配管106a,106b,106c,107a,107b,107cを介して並列に接続されているのに対して、図5に示す車両駆動装置では、オイルクーラ102、電動機101およびエンジン111が、冷却水配管106b,106cを介して直列に接続されている点で異なっている。
図5に示すように、ラジエータ103で冷却された冷却水は、冷却水循環ポンプ104によって冷却水配管106を通って、オイルクーラ102に供給される。オイルクーラ102で加熱された冷却水は、冷却水配管106bを通って電動機101に供給された後、冷却水配管106cを通ってエンジン111に供給される。オイルクーラ102、電動機101およびエンジン111で加熱された冷却水は、冷却水配管107を通ってラジエータ103に回収され、再び外気との熱交換によって冷却される。
このように、冷却水配管106b,106cを介してオイルクーラ102、電動機101およびエンジン111を直列に接続することによって、冷却水配管の継手を減らすことができ、製造コストを安くすることができる。
また、図5に示すように、冷却水配管106b,106cを介して、オイルクーラ102、電動機101およびエンジン111を直列に接続する場合には、オイルクーラ102をラジエータ103の下流であって、電動機101およびエンジン111の上流に配置した方がよい。オイルクーラ102をラジエータ103の下流であって、電動機101およびエンジン111の上流に配置した場合、電動機101またはエンジン111の下流に配置した場合によりも低温の冷却水をオイルクーラ102に供給することができるので、潤滑油を十分に冷却することができ、電動機101の回転部を効率よく冷却することができる。
さらに、図5に示すように、冷却水配管を介して、オイルクーラ102、電動機101およびエンジン111を直列に接続する場合には、電動機101をラジエータ103の下流であって、エンジン111の上流に配置した方がよい。電動機101をラジエータ103の下流であって、エンジン111の上流に配置した場合、エンジン111の下流に配置した場合によりも低温の冷却水を電動機101に供給することができるので、電動機101を効率よく冷却することができる。
実施の形態3.
図6(a)は、この発明の実施の形態3による電動機101の上面図であり、図6(b)は、電動機101のB−B断面図である。また、図7に、ロータ軸14のC−C断面図を示す。図6および図7に示すこの発明の実施の形態3による電動機101は、図2に示した電動機に代わって、実施の形態1に示した電気自動車の車両駆動装置または実施の形態2に示したハイブリッド電気自動車の車両駆動装置に用いられる。図中、実施の形態1および実施の形態2と同一の構成には、同一の符号を付している。
図6および図7に示す電動機101は、ロータ軸14の中心に円形の中空部31が設けられている点およびこの中空部に潤滑油を供給する潤滑油供給経路21dが設けられている点が図2に示す電動機101と異なっている。その他の構成は、図2に示す電動機101と同様である。図6および図7に示す電動機101の構成をさらに詳しく説明する。
図6および図7に示すように、円形の中空部31は、ロータ軸14の中心を貫通しており、潤滑油が流れる潤滑油経路となっている。このロータ軸14の中空部31に潤滑油を供給するための潤滑油供給経路21dがケース11の内部に設けられており、潤滑油供給経路21dの一方の端は潤滑油配管108と接続されている。潤滑油供給経路21dのもう一方の端は、ロータ軸14の中空部31に挿入されているが、ロータ軸14に潤滑油を供給する潤滑油経路21dの外径は中空部31の直径に比べて小さく、潤滑油経路21dは、ロータ軸14が回転している場合にも潤滑油経路21dとロータ軸14とが接触しないように構成されている。
オイルクーラ102で冷却された潤滑油は、潤滑油配管108から、実線の矢印で示すように潤滑油供給経路21a,21b,21c,21dのそれぞれに分流される。潤滑油供給経路21dに分流された潤滑油は、潤滑油経路であるロータ軸14の中空部31を通って第一ギア17a、第二ギア17bおよび出力軸18に供給されるので、これらを潤滑するとともにロータ軸14、第一ギア17a、第二ギア17bおよび出力軸18を冷却する。
このような構成によれば、ロータ軸14の中空部31に潤滑油を供給するので、ロータ軸14を介して、反負荷側軸受15、負荷側軸受16および第一ギア17aなどの回転部を効率よく冷却することができる。また、ロータ軸14を介して、ロータ13から発せられる熱を吸収し、回転部の温度上昇を抑制することができる。
この実施の形態3では、中空部31の軸方向と直角な断面の形状を円形としたが、ロータ軸14の内壁に凹凸を設けてもよい。ロータ軸14の内壁に凹凸を設けることによって、ロータ軸14と潤滑油との接触面積が増加するので、ロータ軸14から潤滑油への熱伝達が促進され、電動機101の回転部を効率よく冷却することができる。
実施の形態4.
図8(a)は、この発明の実施の形態4による電動機101の断面図であり、図8(b)は、電動機101のD−D断面図である。また、図9は、ロータ軸14のE−E断面図である。図8および図9に示すこの発明の実施の形態4による電動機101は、図2に示した電動機に代わって、実施の形態1に示した電気自動車の車両駆動装置または実施の形態2に示したハイブリッド電気自動車の車両駆動装置に用いられる。図中、実施の形態1から実施の形態3と同一の構成には、同一の符号を付している。
図8に示す電動機101は、ロータ軸14の中空部31からギア列収容室25b、負荷側軸受収容室25cおよび反負荷側軸受収容室25eのそれぞれに向けて潤滑油吐出孔32a,32b,32cが設けられている点が図6および図7に示す電動機101と異なっている。その他の構成は、図6および図7に示す電動機101と同様である。図8および図9に示す電動機101の構成をさらに詳しく説明する。
図8および図9に示すように、ロータ軸14の中空部31から負荷側軸受収容室25cに向けて放射状に潤滑油吐出孔32bがロータ軸14の周方向に4箇所設けられている。同様に、ロータ軸14の中空部31からギア列収容室25bに向けて放射状に潤滑油吐出孔32aが、ロータ軸14の中空部31から反負荷側軸受収容室25eに向けて放射状に潤滑油吐出孔32cがロータ軸14の周方向にそれぞれ4箇所設けられている。
また、図8および図9に示すようにこの実施の形態4に示す電動機101では、潤滑油吐出孔32b,32cから負荷側軸受16および反負荷側軸受15に潤滑油を供給するので、図6に示した負荷側軸受16に潤滑油を供給する潤滑油供給経路21bおよび反負荷側軸受15に潤滑油を供給する潤滑油供給経路21cは設けられていない。
オイルクーラ102で冷却された潤滑油は、潤滑油配管108から、実線の矢印で示すように潤滑油供給経路21a,21dに分流される。潤滑油供給経路21dに分流された潤滑油は、潤滑油経路であるロータ軸14の中空部31を通って、第一ギア17a、第二ギア17bおよび出力軸18に供給され、これらを潤滑するとともに冷却する。また、ロータ軸14の中空部31を流れる潤滑油は、ロータ軸14の回転によって潤滑油経路である潤滑油吐出孔32a,32b,32cからギア列収容室25b、負荷側軸受収容室25c、反負荷側軸受収容室25eそれぞれにも供給される。ギア列収容室25b、負荷側軸受収容室25c、反負荷側軸受収容室25eに供給された潤滑油は、第一ギア17a、負荷側軸受16、反負荷側軸受15のそれぞれに供給され、これらを潤滑するとともに冷却する。
このような構成によれば、電動機101の回転部を効率よく冷却することができる。また、ロータ軸14の内部に潤滑油経路である中空部31および潤滑油吐出孔32a,32b,32cを設けたので、潤滑油供給経路21b,21cを設置する必要がなく、製造コストを安くすることができる。
この実施の形態4では、潤滑油吐出孔32a,32b,32cをそれぞれロータ軸14の周方向に4つずつ設けたが、中空部31からギア列収容室25b、負荷側軸受収容室25c、反負荷側軸受収容室25eのそれぞれに潤滑油を供給できればよく、周方向に設置する潤滑油吐出孔32a,32b,32cの数はいくつでもよい。
この発明の実施の形態1による電気自動車の車両駆動装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による電動機の上面図および断面図である。 この発明の実施の形態1による電気自動車の車両駆動装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2によるハイブリッド電気自動車の車両駆動装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2によるハイブリッド電気自動車の車両駆動装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3による電動機の上面図および断面図である。 この発明の実施の形態3によるロータ軸の断面図である。 この発明の実施の形態4による電動機の上面図および断面図である。 この発明の実施の形態4によるロータ軸の断面図である。
符号の説明
11 ケース、 12 ステータ、 13 ロータ、 14 ロータ軸、 15 反負荷側軸受、 16 負荷側軸受、 17a 第一ギア、 17b 第二ギア、 18 出力軸、 19 出力軸軸受、 21a,21b,21c 潤滑油供給経路、 22a,22b,22c 潤滑油回収経路、 23 オイルパン、 24 冷却水経路、 25a 出力軸軸受収容室、 25b ギア列収容室、 25c 負荷側軸受収容室、25d ステータ収容室、 25e 反負荷側軸受収容室、 31 中空部、 32a,32b,32c 潤滑油吐出孔、 101 電動機、 102 オイルクーラ、 103 ラジエータ、 104 冷却水循環ポンプ、 105 潤滑油循環ポンプ、 106,106a,106b,106c,107,107a,107b,107c 冷却水配管、 108,109 潤滑油配管、 110a,110b,110c 冷却水流量調整バルブ、 111 エンジン、 121 分岐点、 122 合流点。

Claims (8)

  1. 電動機と、
    前記電動機の外部に設置され、前記電動機の潤滑油を冷却水によって冷却する潤滑油冷却手段と、
    前記冷却水を冷却する冷却水冷却手段と前記電動機および前記潤滑油冷却手段との間で冷却水配管を介して前記冷却水を循環させる冷却水循環手段と、
    前記潤滑油冷却手段と前記電動機との間で潤滑油配管を介して前記潤滑油を循環させる潤滑油循環手段とを備えたことを特徴とする車両駆動装置。
  2. 電動機と、
    前記電動機の外部に設置され、前記電動機の潤滑油を冷却水によって冷却する潤滑油冷却手段と、
    前記冷却水を冷却する冷却水冷却手段と前記潤滑油冷却手段、前記電動機および内燃機関との間で冷却水配管を介して前記冷却水を循環させる冷却水循環手段と、
    前記潤滑油冷却手段と前記電動機との間で潤滑油配管を介して前記潤滑油を循環させる潤滑油循環手段とを備えたことを特徴とする車両駆動装置。
  3. 潤滑油冷却手段は、冷却水配管を介して電動機と直列であって、前記電動機の上流側に設置されたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の車両駆動装置。
  4. 電動機のロータ軸の内部に潤滑油を流す潤滑油経路を有することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の車両駆動装置。
  5. 電動機のロータ軸に、前記ロータ軸の内部の潤滑油経路から軸受収容室またはギア列収容室に潤滑油を供給する潤滑油吐出孔を有することを特徴とする請求項4記載の車両駆動装置。
  6. 電動機と、
    前記電動機の外部に設置され、前記電動機の潤滑油を冷却水によって冷却する潤滑油冷却手段と、
    前記冷却水を冷却する冷却水冷却手段と、
    前記冷却水冷却手段と前記電動機および前記潤滑油冷却手段との間で冷却水配管を介して前記冷却水を循環させる冷却水循環手段と、
    前記潤滑油を前記潤滑油冷却手段と前記電動機との間で潤滑油配管を介して循環させる潤滑油循環手段とを備えたことを特徴とする車両駆動装置。
  7. 電動機と、
    内燃機関と、
    前記電動機の外部に設置され、前記電動機の潤滑油を冷却水によって冷却する潤滑油冷却手段と、
    前記冷却水を冷却する冷却水冷却手段と、
    前記冷却水冷却手段と前記潤滑油冷却手段、前記電動機および前記内燃機関との間で冷却水配管を介して前記冷却水を循環させる冷却水循環手段と、
    前記潤滑油を前記潤滑油冷却手段と前記電動機との間で潤滑油配管を介して循環させる潤滑油循環手段とを備えたことを特徴とする車両駆動装置。
  8. 潤滑油冷却手段、電動機および内燃機関は、冷却水配管を介して並列に接続されており、
    冷却水循環手段は、潤滑油冷却手段、電動機および内燃機関のそれぞれに供給する冷却水の流量を電動機の回転数および内燃機関の回転数に基づいて制御することを特徴とする請求項7記載の車両駆動装置。
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