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JP2006170520A - 空調給湯システム - Google Patents

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JP2006170520A
JP2006170520A JP2004363262A JP2004363262A JP2006170520A JP 2006170520 A JP2006170520 A JP 2006170520A JP 2004363262 A JP2004363262 A JP 2004363262A JP 2004363262 A JP2004363262 A JP 2004363262A JP 2006170520 A JP2006170520 A JP 2006170520A
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山口  広一
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Abstract

【課題】本発明は、給湯と床暖房および床冷房の切換えを可能とし、かつ床冷房時は、居室内の結露を防止するとともに、居室下部に冷気が滞留するのを防止し、快適性の向上化を得る空調給湯システムを提供する。
【解決手段】第1の循環回路7は、貯湯槽1、第1の循環ポンプ8、吸熱側熱交換器9、利用側熱交換器10を連通し、冷凍サイクル装置12は、吸熱側熱交換器と熱交換する主熱交換器部13を備えてヒートポンプ式の冷凍サイクル構成部品を連通し、床冷暖房装置18は、利用側熱交換器と熱交換する冷温水熱交換器部19、第2の循環ポンプ20、居室Rの床Yに埋設される冷温水回路21を連通し、デシカントユニット23は、吸着ロータ26を備え、外気に含まれる水分を除去したうえで居室内に供給し、第2の循環回路35は、貯湯槽、第3の循環ポンプ36、デシカントユニット内の加熱部37、居室の床に埋設される温水回路38を連通してなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、給湯および床暖房とともに、床冷房を可能とした空調給湯システムに関する。
近年、深夜電力を利用して、CO2冷媒の超臨界状態の特性を利用した給湯ヒートポンプシステムが開発されている。この種のシステムによれば、COP(成績係数)が3以上あり、都市ガスを用いた、いわゆる瞬間給湯システムより高効率であるので、高い注目度を浴びている。
そして、特に、マンションと呼ばれる大規模集合住宅を中心して普及し、かつ一般的な個人住宅においても多用される傾向にあるガスによる床暖房に対抗して、貯湯槽をより大型化し、貯湯槽内の湯を利用した給湯床暖房システムが提供されるようになった。
たとえば、[特許文献1]には、出湯と床暖房とを同時に行う場合に、出湯によって貯湯槽の上層部の高温の湯が使用されてしまい、床暖房のために利用できなくなる不具合を除去し、貯湯タンク内のほぼ全量の湯を床暖房または給湯に有効に使い切ることができるとともに、ヒートポンプによる効率の良い加熱方式を実現できる貯湯式給湯床暖房システムが開示されている。
特開2003−294251号公報
このように、いずれの給湯床暖房システム技術においても、給湯と暖房(床暖房)は可能であるが、冷房運転への切換えは全く不可能となっている。そのために、別途、空気調和機(ヒートポンプ式エアコン)を設置して冷房運転を行っていて、暖房運転に対しては二重投資と同様となり、経済性の点から必ずしも有利であるとは言えない。
たとえば、居室の床に、床暖房のための温水循環回路を設けるとともに、冷水を導いて床冷房を行うための冷水循環回路を設けて、これら回路相互を切換え操作することにより、床面を加熱しもしくは冷却することは可能である。
しかしながら、単に床面を冷却するだけであると、当然ながら冷気が居室の下部に滞留して、居住人の足腰を集中的に冷やし不快感をともなってしまう。そして、冷却にともなう除湿作用によって床面に結露が生じ、床面が濡れて滑り易くなるなどの不具合が考えられる。
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、給湯と床暖房および床冷房の切換えを可能とし、かつ床冷房時は、居室内の結露を防止するとともに、居室下部に冷気が滞留するのを防止し、快適性の向上化を得る空調給湯システムを提供しようとするものである。
上記目的を達成するため本発明の空調給湯システムは、第1の循環回路と、冷凍サイクル装置と、床冷暖房手段と、デシカントユニットおよび第2の循環回路とから構成されていて、
上記第1の循環回路は、温水を貯溜する貯湯槽、第1の循環ポンプ、吸熱側熱交換器、利用側熱交換器をループ状の配管を介して連通してなり、上記冷凍サイクル装置は、吸熱側熱交換器と熱交換する主熱交換器部を備え冷媒管を介してヒートポンプ式の冷凍サイクル構成部品を連通してなり、上記床冷暖房手段は、利用側熱交換器と熱交換する冷温水熱交換器部、第2の循環ポンプ、居室の床に埋設される冷温水回路をループ状の配管を介して連通してなり、上記デシカントユニットは、水分吸着手段を備えて外気に含まれる水分を除去したうえで居室内に供給し、上記第2の循環回路は、貯湯槽、第3の循環ポンプ、水分吸着手段加熱用の加熱部、居室の床に埋設される温水回路をループ状の配管を介して連通してなる。
本発明によれば、給湯と床暖房および床冷房の切換えを可能として使用範囲の拡大化を図るとともに、床冷房時における快適性の向上化を得るという効果を奏する。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は空調給湯システムの構成図である。
図中1は、貯湯槽である。この貯湯槽の底部には、図示しない給水源に連通され、中途部に開閉弁2を備えた給水管3が接続される。上記貯湯槽1の上端面には、たとえば厨房設備や洗面所あるいは風呂場などに延出され、先端に給湯水栓4が設けられる給湯管5が接続される。
上記貯湯槽1の底部と上端面にループ状に延出される配管6が接続され、このループ状配管6によって第1の循環回路7が構成される。第1の循環回路7には、貯湯槽1の近傍部位に配置される第1の循環ポンプ8と、後述する吸熱側熱交換器9と、利用側熱交換器10および開閉弁Aが順に設けられる。
上記貯湯槽1の下部側面にバイパス管11の一端部が接続されていて、バイパス管11の他端部は上記利用側熱交換器10と開閉弁Aとの間の配管6に分岐接続される。そして、バイパス管11には開閉弁Bが設けられている。
上記吸熱側熱交換器9には、ヒートポンプ式の冷凍サイクル装置12を構成する主熱交換器部13が収容される。上記冷凍サイクル装置12は、圧縮機14と、四方切換え弁15と、上記主熱交換器部13と、減圧装置である電子膨張弁16および補助熱交換器部17が冷媒管18を介して連通されてなる。
すなわち、上記主熱交換器部13は、一般的なヒートポンプ式冷凍サイクルを構成する空気調和機において室外熱交換器に相当し、上記補助熱交換器部17は同空気調和機において室内熱交換器に相当する。そして、主熱交換器部13に導かれる冷媒と、上記貯湯槽1から第1の循環ポンプ8を介して吸熱側熱交換器9に導かれる温水とが熱交換されるようになっている。
上記利用側熱交換器10には、床冷暖房装置(床冷暖房手段)18を構成する冷温水熱交換器部19が収容される。上記床冷暖房装置18は、上記冷温水熱交換器部19と、第2の循環ポンプ20と、居室Rの床Yに後述するようにして埋設される熱交換パイプからなる冷温水回路21とを、ループ状の配管22を介して連通してなる。したがって、上記冷温水熱交換器部19に導かれる冷温水と、上記第1の循環回路7の利用側熱交換器10に導かれる冷温水とが熱交換されるようになっている。
上記居室Rの近傍部位に、デシカントユニット23が配置される。デシカントユニット23は、両側端面が閉塞された円筒体からなる筐体24を備え、この筐体24内は仕切り板25によって軸方向に沿い上下部に仕切られている。筐体24内には吸着ロータ(水分吸着手段)26と熱交換器部27が所定の間隔を存して、かつ仕切り板25を分断する状態で、筐体24断面を閉塞するよう設けられる。
上記吸着ロータ26は、筐体24の軸方向長さに沿い所定の厚さ寸法で、かつ筐体24断面に合致する円盤状をなし、内部空間にはシリカゲル、ゼオライト、アルミナなどの吸着剤が、たとえばハニカム状に成形した状態で充填される。したがって、吸着ロータ26の軸方向に沿う左右両側部に対して通気性が保持される。
上記吸着ロータ26は、中心軸を回転軸として軸受け部に支持され、上記回転軸には駆動源を備えた駆動機構(いずれも図示しない)が連結されていて、たとえば所定時間毎に180°回転駆動されるようになっている。また、吸着ロータ26は連続的に、低速度で回転駆動するようにしてもよい。
上記熱交換器部27は、筐体24の軸方向長さに沿い所定の厚さ寸法で、筐体24断面に合致する円盤状をなし、枠内に多数枚のフィンが収容されてなる。これらフィンは、互いに筐体24の軸方向に沿って空隙を存するように向きを揃えられていて、筐体24の軸方向に沿う左右両側部に対して通気性が保持される。
上記筐体24の一側端部において、仕切り板25によって仕切られる下部側空間cに連通するよう外気導入管28が接続され、上部側空間部dに連通するよう排気管29が接続される。さらに、筐体24の他側端部において、下部側空間cに連通するよう外気案内管30が接続され、この外気案内管30は居室R内へ延出される。上部側空間dに連通するよう排気導通管31が接続され、この排気導通管31も居室R内へ延出される。
外気案内管30の中途部と、排気管29の中途部には、小型のエアーポンプ(図示しない)が設けられている。外気案内管30に設けられるエアーポンプを駆動することによって外気導入管28から外気を導入し、筐体24の仕切り板25で仕切られる下部側空間cを介して外気案内管30から居室R内へ導くことができる。排気管29に設けられるエアーポンプを駆動することによって、居室R内の空気を排気導通管31から取出し、上部側空間dを介して排気管29から室外へ排出することができる。
図に破線で示すように、上記外気導入管28と居室Rとを連通管32で連通し、さらに、上記排気導通管31の中途部と室外とを連通管33で連通するようにしてもよい。
一方、貯湯槽1の側面上部と側面下部にループ状に形成される配管34が接続され、このループ状配管34によって第2の循環回路35が構成されている。第2の循環回路35には、上記貯湯槽1と、第3の循環ポンプ36と、上記デシカントユニット23に設けられる加熱部37と、上記居室Rの床Yに埋設される温水回路38が順に設けられる。
なお説明すると、第2の循環回路35を構成する配管34は、貯湯槽1から第3の循環ポンプ36を介してデシカントユニット23に延出され、筐体24内の仕切り板25によって仕切られる上部側空間dで、しかも吸着ロータ26と熱交換器部27との間に挿入され、略U字状に屈曲形成される。この筐体24内における略U字状配管部分を、上記加熱部37と呼ぶ。
図2は、居室Rの床Yに埋設される冷温水回路21および温水回路38の構成図である。上述したように、冷温水回路21は床冷暖房装置18を構成し、温水回路38は第2の循環回路35を構成するものである。
上記冷温水回路21は、居室Rの一側部と他側部に集合管40が設けられ、上記配管22が接続される。これら集合管40には、ここでは3本の熱交換パイプ41が接続され、それぞれ互いに並行に延出されて、集合管40相互間においてジグザグ状に屈曲形成される。
一方、上記第2の循環回路35を構成する2本の配管34が、居室Rの側面部に沿って並行して引き回されている。上記温水回路38は、これら2本の配管34の中途部および先端部に接続される略U字状に屈曲形成される熱交換パイプ42であり、上記冷温水回路21を構成する熱交換パイプ41のジグザグ状相互間に介在される。
つぎに、このようにして構成される空調給湯システムにおける作用について説明する。
はじめに、図3から貯湯運転を説明する。
開閉弁2を開放して給水源から貯湯槽1内に水を充満させておく。深夜電力の開始とともに冷凍サイクル装置12の圧縮機14と第1の循環ポンプ8に通電する。開閉弁Aは開放し、開閉弁Bは閉成する。なお、第2の循環ポンプ20と第3の循環ポンプ36には通電しない。
圧縮機14が駆動されることにより冷凍サイクル運転が開始され、圧縮機14で圧縮された高温高圧の冷媒ガスが四方切換え弁15を介して主熱交換器部13に導かれ、凝縮して凝縮熱を放出する。
同時に、第1の循環ポンプ8の駆動にともなって、貯湯槽1内の下部から低温の温水が導出され、第1の循環ポンプ8を介して吸熱側熱交換器9に導かれる。この吸熱側熱交換器9において、低温の温水は冷凍サイクル装置12の主熱交換器部13から放出される冷媒の凝縮熱を吸熱して温度上昇し、吸熱側熱交換器9から導出される。
冷凍サイクル装置12において、主熱交換器部13で凝縮液化した冷媒は電子膨張弁16に導かれて減圧膨張し、補助熱交換器部17で蒸発して、四方切換え弁15を介して圧縮機14に吸込まれ、上述の冷凍サイクルを循環する。吸熱側熱交換器9で温度上昇した温水は利用側熱交換器10に導かれるが、床冷暖房装置18の熱交換器部19には熱交換水が循環していないので、何らの熱交換も行われずそのまま流通して貯湯槽1上部に導入される。
このようにして、貯湯槽1下部側の低温の温水が第1の循環回路7を循環し、その途中、吸熱側熱交換器9において冷凍サイクル装置12から吸熱して温度上昇する。深夜電力の利用時間が切れるまでには、貯湯槽1内の温水は所定温度まで上昇し、その時点で圧縮機14と第1の循環ポンプ8に対する通電を遮断して、冷凍サイクル装置12の冷凍サイクル運転および第1の循環回路7の温水循環作用を停止する。
したがって、深夜電力の利用時間が切れて、再び開始されるまでの間は、給湯水栓4を開放して給湯するのに何らの支障もない。
つぎに、図4から床暖房運転を説明する。
このときは、上述の貯湯運転が行われたうえで冷凍サイクル装置12の駆動を停止し、かつ第1の循環ポンプ8と、第2の循環ポンプ20および第3の循環ポンプ36に通電して駆動を開始する。したがって、第1の循環回路7と、床冷暖房装置18および第2の循環回路35に温水が循環する。開閉弁Aは閉成し、開閉弁Bは開放する。
第1の循環回路7においては、貯湯槽1の下部から高温の温水が導出され、第1の循環ポンプ8を介して吸熱側熱交換器9に導かれるが、冷凍サイクル装置12は冷凍サイクル運転が行われていないので、高温の温水は主熱交換器部13と熱交換することなく、そのまま通過して利用側熱交換器10に導かれる。
高温の温水は利用側熱交換器10で床冷暖房装置18を構成する冷温水熱交換器部19と熱交換する。冷温水熱交換器部19に循環する温水は温度上昇して居室Rの床Yに埋設される冷温水回路21に沿って導かれ、このとき床Yを加熱して居室Rの暖房作用をなす。
利用側熱交換器10において床冷暖房装置18の冷温水熱交換器部19と熱交換して温度低下した温水は、開閉弁Bとバイパス管11を介して貯湯槽1下部へ導かれ、貯溜されている高温の湯と混合して温度上昇する。第1の循環ポンプ8の駆動が継続されているので、再び貯湯槽1底部から高温の温水が第1の循環回路7を循環し、利用側熱交換器10において床冷暖房装置18の冷温水熱交換器部19への放熱を継続する。
床冷暖房装置18においては、冷温水回路21を構成する集合管40から熱交換パイプ41に分流され、床面Yに対しジグザグ状に流動しながら温熱を放出して床暖房をなす。そして、一旦、他方の集合管40に合流して導出され、再び冷温水熱交換部19で利用側熱交換器10から吸熱し、温度上昇して冷温水回路21で放熱を継続する。
再び図4に示すように、第3の循環ポンプ36の駆動にともなって貯湯槽1内上部に貯溜される高温の温水が導出され、第2の循環回路35を循環する。すなわち、高温の温水は貯湯槽1から、デシカントユニット23内に設けられる加熱部37に導かれる。外気案内管30と排気管29に設けられるエアーポンプは停止しているので筐体24内に気流が生じておらず、したがって加熱部37ではほとんど放熱されない。
結局、貯湯槽1から第2の循環回路35に導かれる高温の温水は、貯湯槽1から導出された際の温度を保持して、高温のまま居室Rの床Yに設けられる温水回路38に導かれて放熱する。したがって、先に説明した冷温水回路21からの放熱に加えて、温水回路38からも放熱して居室Rを効率よく床暖房する。
温水回路38で放熱して温度低下した温水は貯湯槽1に導入され、高温の温水と混合して温度上昇する。第3の循環ポンプ36の運転が継続しているので、居室Rの床Yに設けられる温水回路38には引き続いて貯湯槽1から高温の温水が導かれて放熱し、床暖房作用をなす。
なお、床暖房運転にともなう放熱で貯湯槽1内の温水温度が所定値以下に低下したことを検知したときは、直ちに冷凍サイクル装置12の駆動を再開する。貯湯槽1内の温水温度は常に所定値を保持されるので、床暖房運転時に、給湯水栓4を開放して給湯するのに何らの支障もない。
つぎに、図5から床冷房運転について説明する。
床冷房運転を行う夏季の間は、冷凍サイクル装置12に対する作動時間等を制御して、貯湯槽1の上部にある温水は所定温度に上昇するよう加熱するけれども、貯湯槽1下部の温水は低温の状態で冷凍サイクル運転を終了する。したがって、給湯水栓4を開放して給湯するのには何らの支障もない。
床冷房運転が設定されると、第1の循環ポンプ8と、第2の循環ポンプ20および第3の循環ポンプ36に通電して駆動を開始する。また、開閉弁Aは閉成され、開閉弁Bは開放される。デシカントユニット23に設けられる2台のエアーポンプは駆動を開始する。冷凍サイクル装置12においては、四方切換え弁15が貯湯運転時もしくは床暖房運転時とは切換えされたうえで、圧縮機14が駆動を開始する。
第1の循環回路7において、貯湯槽1の下部から低温の温水が導出され、第1の循環ポンプ8を介して吸熱側熱交換器9に導かれる。圧縮機14を駆動して冷凍サイクル運転を行うことで主熱交換器部13において冷媒が蒸発し、吸熱側熱交換器9を導通する低温の温水から蒸発潜熱を奪う。低温の温水は主熱交換器部13によって冷却され、冷水に変る。
冷水が利用側熱交換器10に導かれて床冷暖房装置18の冷温水熱交換器部19と熱交換し、第2の循環ポンプ20の駆動にともなって熱交換器部19に循環する熱交換水を温度低下させ冷水となす。冷水は、居室Rの床Yに埋設される冷温水回路21に導かれ、床Yを冷却して居室Rの冷房作用をなす。
利用側熱交換器10で冷温水熱交換器部19と熱交換して温度上昇した冷水は、開閉弁Bとバイパス管11を介して貯湯槽1下部に導入され、再び第1の循環回路7を循環する。一方、第3の循環ポンプ36が駆動されて、貯湯槽1上部の高温の温水が第2の循環回路35に導出され、デシカントユニット23の筐体24内に設けられる加熱部37に導かれる。ここで後述するように放熱したあと、居室Rの床Yに設けられる温水回路38に導かれて床面Yを加温する。
すなわち、貯湯槽1から導出された状態で温水は約90℃あるが、デシカントユニット23の加熱部37で放熱することにより約40℃に温度低下する。既に冷温水回路21に冷水が導かれて床面Yを冷却し床冷房が行われているうえに、温水回路38に低温の温水を導くことにより床面Yを低温状態で加温する。
すると、床冷房にともなって床面Yに発生していた結露が蒸発し、湿気となって微弱な上昇気流に変る。すなわち、床面Yは冷却されているけれども乾燥化され除湿状態となって、居住人においては不快な冷えがなくなり、快適床冷房が得られる。
デシカントユニット23におけるエアーポンプの駆動にともない、外気が外気導入管28を介して筐体24内の仕切り板25で仕切られた下部側空間cに導入される。吸着ロータ26を導通して外気に含まれる水分が除去され、乾燥化して熱交換器部27を導通し熱交換した後、外気案内管30を介して居室R内に導かれる。
居室Rには乾燥した新鮮外気が導入され、上述したように温水回路38の作用によって蒸発した湿気をさらに乾燥化する。また、居室Rの低温空気の一部は排気導通管31から排出され、筐体24内の仕切り板25で仕切られた上部側空間dに導入される。排出された居室空気は熱交換器部27を流通し、この熱交換器部27を介して下部側空間cに流通する高温の外気と熱交換する。
居室R内は少なくとも床冷房作用により冷却されていて、外気よりも温度が低い。下部側空間cを導通する高温の外気は、熱交換器部27で熱交換して冷却され、外気案内管30から居室R内に導入されるので、外気の導入にともなう温度上昇を最小限に抑制できる。
上部側空間dを導通する低温の居室空気は、熱交換器部27で熱交換して加熱されたあと、第2の循環回路35を構成する加熱部37に接触してさらに温度上昇する。そして、吸着ロータ26を流通して、ここに充填される吸着剤を加熱する。吸着ロータ26に充填される吸着剤は、仕切り板25の下部側空間cにおいて外気導入管28から導かれる外気から水分を吸着している。
しかも、吸着ロータ26は所定時間毎に180°回転するので、吸着剤が上部側空間dに位置したところで、加熱部37で加熱された居室空気によって加熱される。したがって、吸着剤に含まれていた水分が蒸発し、吸着剤の吸着特性が復帰する。吸着剤から蒸発した水分は上部側空間dから排気管29を介して室外へ排出される。
なお、上記貯湯槽1は、もともと冬季に床暖房と給湯が可能な量が貯えられるだけの大きさ(容量)に形成されているため、床冷房運転を行う夏季においては、全貯湯する必要もなければ湯切れの心配もない。
図に破線で示すように、外気導入管28と居室Rとを連通する連通管32を設けたから、居室R内の低温空気の一部が導出されて、外気導入管28に導かれる高温の外気と混合したうえで下部側空間cに導かれる。したがって、新鮮外気はより低温化した状態になって、ついには居室Rに導かれるので、居室Rに対する熱的負担が軽減されるとともに、除湿効果が高まる。
排気導通管31の中途部に連通管33を接続したから、排気導通管31から排出される低温の居室R空気に高温の外気が混入されたうえで上部側空間dを導通する。このことにより、吸着ロータ26に導かれる空気の熱量がさらに増大して、吸着剤に対する乾燥効果を確実なものとする。
上記空調給湯システムにおいては、上記冷凍サイクル装置12に用いられる冷媒として、炭化水素(HC)系冷媒を用いることを特徴の一つとしている。すなわち、貯湯槽1の大きさ(容量)が床暖房を可能とするよう設定されているため、そもそもCO2の90℃貯湯は不要である。ここでの冷凍サイクル装置12としては、冷媒として自然冷媒である炭化水素系冷媒(たとえば、プロパン)を用いることで、より低い動作圧で貯湯(85℃)が可能である。
なお、炭化水素系冷媒は強燃性であるが、本発明における空調給湯システムは水を媒体にした2次ループ型のシステム構成であるために、危険度に対する事柄が一切存在せず、安全な運転が確保される。
また、本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。
本発明の実施の形態に係る、空調給湯システムの概略の構成図。 同実施の形態に係る、居室の床に形成される冷温水回路と温水回路の構成図。 同実施の形態に係る、貯湯運転時の作用を説明する図。 同実施の形態に係る、床暖房運転時の作用を説明する図。 同実施の形態に係る、床冷房運転時の作用を説明する図。
符号の説明
1…貯湯槽、8…第1の循環ポンプ、9…吸熱側熱交換器、10…利用側熱交換器、7…第1の循環回路、13…主熱交換器部、12…冷凍サイクル装置、19…冷温水熱交換器部、20…第2の循環ポンプ、R…居室、Y…床、21…冷温水回路、18…床冷暖房装置(床冷暖房手段)、26…吸着ロータ(水分吸着手段)、23…デシカントユニット、36…第3の循環ポンプ、37…加熱部、38…温水回路、35…第2の循環回路。

Claims (2)

  1. 温水を貯溜する貯湯槽と、第1の循環ポンプと、吸熱側熱交換器と、利用側熱交換器とをループ状の配管を介して連通してなる第1の循環回路と、
    この第1の循環回路の上記吸熱側熱交換器と熱交換する主熱交換器部を備え、冷媒管を介してヒートポンプ式の冷凍サイクル構成部品を連通してなる冷凍サイクル装置と、
    上記第1の循環回路の上記利用側熱交換器と熱交換する冷温水熱交換器部と、第2の循環ポンプと、居室の床に埋設される冷温水回路とをループ状の配管を介して連通してなる床冷暖房手段と、
    水分を除去する水分吸着手段を備え、外気に含まれる水分を除去したうえで居室内に供給するデシカントユニットと、
    上記貯湯槽と、第3の循環ポンプと、上記デシカントユニットに設けられ上記水分吸着手段加熱用の加熱部と、上記居室の床に埋設される温水回路とをループ状の配管を介して連通する第2の循環回路と
    を具備することを特徴とする空調給湯システム。
  2. 上記冷凍サイクル装置に用いられる冷媒は、炭化水素系冷媒であることを特徴とする請求項1記載の空調給湯システム。
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