JP2006169284A - 吸収体及び血液吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 カルボキシル基と不飽和結合とを有し、数平均分子量が500〜50,000のビニル重合体(A)と、(メタ)アクリル酸(B)及び必要に応じてこれに2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体又は(メタ)アクリル酸(B)の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物を併用した共重合体からなる吸収性樹脂を構成成分として含んでなる吸収体及びこの吸収体から構成される血液吸収性物品に関する。
【選択図】 なし
Description
それらの吸収体は、血液を含む液体を吸収させ保持させることにより、吸収容量を向上させると共に、吸収後の液戻りを防止することが求められている。
しかし、これらの従来からある吸収性樹脂は、吸水性や保水性、漏れ防止性等が不充分であり、特に吸収される液が血液等の場合には血液に含まれる成分により、吸水性樹脂の吸収特性が著しく低下するため、吸収体としての吸収特性が低いという欠点がある。
また、ポリアミノ酸又はその塩を含む吸水性樹脂からなる吸水性材料(例えば特許文献4参照)、それらを含む生理用ナプキン(例えば特許文献5参照)、血液吸収シート(例えば特許文献6参照)、ドリップ吸収剤(例えば特許文献7参照)が提案されている。しかし、これらのポリアミノ酸を用いて得られる吸収性樹脂は、吸血性に優れるものの、茶色系の色相を有するという問題があった。吸水性樹脂が利用される生理用品やおむつ等の医療、衛生分野は、ことさら清潔で衛生的であることが求められる分野であり、前記吸水性樹脂が茶色系の色相を呈するということは、清潔感が損なわれ不衛生な印象を与えることから致命的な欠陥といえ、当該分野の産業上の利用価値は著しく低いものとなる。
本発明の吸収体は、少なくともその一部に吸水性樹脂を含む吸収体である。
本発明における吸収性樹脂は、その一部又は全部が、カルボキシル基と不飽和結合とを有し、数平均分子量が500〜50,000のビニル重合体(A)と(メタ)アクリル酸(B)との共重合体からなるものである。
前記ビニル重合体(A)は、得られる吸収性樹脂の吸血性等の観点から、カルボキシル基を有するものである。これにより、得られる吸収性樹脂の吸血性や血液保持安定性を向上でき、血液を繰り返し吸収させた場合の吸血性の低下を抑制することができる。
また、ビニル重合体(A)は、水溶性のエチレン性不飽和単量体と反応する為の不飽和結合を有するものである。かかる不飽和結合は、得られる高吸収性樹脂からなる粒子同士の凝集を抑制する観点から、ビニル重合体1分子中に1〜3個存在することが好ましい。
前記ビニル重合体(A)は、例えばカルボキシル基を有するビニル重合体の水溶液と、エポキシ基及び不飽和結合を有する化合物とを混合攪拌することで製造することができる。この場合、40℃〜90℃で10分〜1時間反応させることが好ましい。
カルボキシル基を有するビニル重合体は、1種のビニル単量体を重合して得られるホモビニル重合体であっても、2種以上のビニル単量体を重合して得られるブロック共重合体又はランダム共重合体であっても良い。
前記カルボキシル基を有するビニル重合体は、例えば水溶媒中でラジカル重合開始剤の存在下、前記カルボキシル基を有するビニル単量体及び必要に応じて前記その他のビニル単量体をラジカル重合することで製造できる。
前記ビニル重合体は、そのカルボキシル基が塩基性化合物で中和されていても良い。かかる塩基性化合物として使用できるものは、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム等であり、なかでも水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを使用することが好ましい。
エポキシ基を2個以上有する化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリグリセリンジグリシジルエーテル等が挙げられ、なかでもエチレングリコールジグリシジルエーテルを使用することが好ましい。
イソシアネート基を2個以上有する化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
この中で、一般式(I)で表されるα−オレフィンスルホン酸塩を使用することが釜壁や攪拌羽根への重合物の付着を低減できる上で好ましい。
炭素原子数8〜30のアルケニル基としては、例えばヘキサデセニル基、テトラデセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、デセニル基、オクテニル基等が挙げられる。また、炭素原子数8〜24のヒドロキシアルキル基としては、例えばヒドロキシラウリル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシヘキサデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシオクタデシル基、ヒドロキシデシル基等が挙げられる。
一般式(I)中におけるMは、入手のし易さの観点から、アルカリ金属であるものが好ましい。
前記炭素原子数8〜24のヒドロキシアルキル基を有するα−オレフィンスルホン酸塩としてはヒドロキシアルカン(C8〜C24)スルホン酸塩が好ましく、例えばヒドロキシラウリルスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシオクチルスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシヘキサデシルスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシテトラデシルスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシオクタデシルスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシデシルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
これらα−オレフィンスルホン酸塩は、工業的にはα−オレフィンのスルホン化によって得られるので、通常入手できるのは前記アルケン(C8〜C30)モノスルホン酸塩とヒドロキシアルカン(C8〜C24)スルホン酸塩の混合物であり、本発明にこれら通常入手可能な混合物も好適に使用することができる。
まず界面活性剤、好ましくは非イオン性界面活性剤を含有する疎水性有機溶媒を、適度な重合反応温度である40〜150℃の範囲、好ましくは60〜90℃の範囲内に調整する。次いで、かかる疎水性有機溶媒中に、(メタ)アクリル酸、必要によりこれにその他の親水性基を有するビニル系単量体を併せて100重量部に対して2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体又は前記(メタ)アクリル酸の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物、ラジカル重合開始剤、必要に応じさらにアニオン性界面活性剤を含有する水溶液(以下「単量体水溶液」と省略する。)を逐次供給しながら撹拌する。これにより前記単量体を疎水性有機溶媒中に微分散することができ、油中水滴型の逆相懸濁重合する。
疎水性有機溶媒中に単量体水溶液を逐次供給した後、カルボキシル基と不飽和結合とを有し、500〜10000の重量平均分子量を有するビニル重合体(以下「ビニル重合体と省略する。」(A)を疎水性有機溶媒中に供給する。このときの供給方法は、一括添加でも、逐次供給であってもよい。
ビニル重合体(A)の水溶液を供給した後、60℃〜80℃で10分〜3時間攪拌を継続することで、膨潤したビーズ状の吸水性樹脂、疎水性有機溶媒及び界面活性剤を含有するスラリー状の混合物を得ることができる。前記スラリー状混合物から例えば共沸脱水法、加熱乾燥法等で吸水性樹脂を分離することができる。
加熱乾燥法としては、例えば、真空乾燥機、熱風乾燥機、気流乾燥機、流動層乾燥機、ドラムドライヤー等を用いる方法が挙げられる。乾燥温度は50℃以上であることが好ましく、60〜200℃の範囲内であることがより好ましく、70℃〜180℃の範囲内であることがさらに好ましい。かかる温度範囲内で乾燥させることで、熱による高吸水性樹脂の分解を防止し、その結果、吸収性の低下を防止できる。
吸収体の構造としては、高拡散で且つ透過性の高いシートで前記吸水性樹脂を挟持させたシート構造が例示される。ここで、高拡散で且つ透過性の高いシートとしては、有孔または無孔の紙、不織布が好適に用いられる。紙をシートとして用いる場合は、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、コウゾ、ミツマタを原料とする紙、及びこれらにレーヨン、ポリエチレン、コットン繊維を混抄したものであってよい。また、不織布の原料としては、綿、パルプ、羊毛等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、ビニロン、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル等の合成高分子から製造した合成繊維を挙げることができる。これら繊維は単独で用いてもよく、混合複合化してもよい。合成繊維を不織布の原料とする場合、用いる繊維としては異種ポリマーをブレンドした繊維、芯鞘構造とした繊維、あるいはバイメタル構造にした繊維であってもよい。また、繊維の断面も円型の通常の繊維以外に異型断面構造を有していてもよい。不織布の製造法は特に限定されず、従来公知の方法により製造したものであってよい。使用する繊維に応じてケミカルボンド法、ファイバーロック法、エアレイ法、ステッチボンド法、スパンボンド法、メルトブロー法、スパンレース法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、湿式法などの公知の技術がいずれも採用し得る。
本発明の血液吸収性物品は、生理用ナプキン、タンポン、手術用血液吸収シート、魚介類や食肉から出るドリップ吸収用シート、創傷部位の保護用パッド、創傷被覆剤、高機能性ガーゼ、止血剤、歯科用前掛け、ペット用シート、動物実験・解剖用血液・廃液吸収シート等として用いることができる。
内径95mmのシャーレ中に、後記実施例で得られた重合体粒子約1.0gを秤量し、馬脱繊血20gを加え1分間血液を吸収させた。1分後シャーレ内容物を5枚重ねした20cm径濾紙上に取り出し、上から5枚重ねした20cm径濾紙ではさむことにより余分な血液を濾紙に吸収させた。残りのゲル物の重さを秤量し、ゲル物の重さから最初の重合体粒子の重さ1.0gを差し引くことにより、重合体粒子1gが吸収した血液吸収量の測定を行った。
フラスコ内に馬脱繊維血50g秤量し、その中に4×4cmに裁断した吸収体を5分間漬けることにより血液を吸収させた。血液を吸収させた後、吸収体をピンセットでつまみ上げ、血液が垂れなくなるまで空中で保持した。吸収体の重さを測定し、血液吸液前のシートの重さを差し引くことにより、血液吸引量(g)を算出した。
攪拌器、滴下装置、還流装置、および窒素ガス導入管を備えた反応容器に、イオン交換水の187.7部を仕込み、窒素雰囲気下、93℃まで昇温した。
次いで、同温度で、アクリル酸の124.3部と、過硫酸ナトリウムの9.8部とイオン交換水の61.29部とからなる溶液とを、各々2時間に亘って滴下した。滴下終了後も、同温度に、6時間のあいだ保持した後、25℃まで降温した。ここに、水酸化ナトリウムの30%水溶液を加えて、樹脂固形分(以下、N.V.と略記する。)が35%で、ガードナー粘度(以下、VIS.と略記する。)がC−Dで、pHが2.61の、ポリアクリル酸樹脂を得た。次いで、攪拌器、滴下装置、還流装置、および空気導入管を備えた別の反応容器に、得られたポリアクリル酸樹脂100部を仕込み、空気雰囲気下、70℃まで昇温した。同温度で、メタクリル酸グリシジル(以下、GMAと略記する。)の2.4部を加えて、同温度に1時間の間保持した。反応後、水酸化ナトリウムの30%水溶液の24.4部を加えて、pHが5.07の、カルボキシル基と不飽和結合とを有するビニル重合体(a)の溶液を得た。分子量を東ソー株式会社製液体クロマトグラフCCPMにTSKGELカラムG5000PSXとG3000PSXの2本連結カラムを装着しリン酸緩衝液(pH=7.0)を媒体とし測定を行ったところ、数平均分子量が3,000であった。
攪拌器、滴下装置、還流装置、および窒素ガス導入管を備えた反応容器に、イオン交換水の187.7部を仕込み、窒素雰囲気下、93℃まで昇温した。
次いで、同温度で、アクリル酸の124.3部と、過硫酸ナトリウムの3.7部とイオン交換水の61.29部とからなる溶液とを、各々2時間に亘って滴下した。滴下終了後も、同温度に、6時間のあいだ保持した後、25℃まで降温した。ここに、水酸化ナトリウムの30%水溶液を加えて、N.V.が35%で、VIS.がH−Iで、pHが2.57の、ポリアクリル酸樹脂を得た。次いで、攪拌器、滴下装置、還流装置、および空気導入管を備えた別の反応容器に、上で得られたポリアクリル酸樹脂100部を仕込み、空気雰囲気下、70℃まで昇温した。同温度で、GMA0.9部を加えて、同温度に1時間の間保持した。反応後、水酸化ナトリウムの30%水溶液の24.4部を加えて、pHが5.02の、カルボキシル基と不飽和結合とを有するビニル重合体(b)の溶液を得た。分子量の測定を行ったところ、数平均分子量が8,000であった。
攪拌器、滴下装置、還流装置、および窒素ガス導入管を備えた反応容器に、イオン交換水の319.9部を仕込み、窒素雰囲気下、93℃まで昇温した。
次いで、同温度で、アクリル酸の65.1部とヒドロキシエチルアクリレートの195.2部、過硫酸ナトリウムの20.2部とイオン交換水の105部とからなる溶液とを、各々2時間に亘って滴下した。滴下終了後も、同温度に、6時間のあいだ保持した後、25℃まで降温した。ここに、水酸化ナトリウムの30%水溶液を加えて、N.V.が35%で、VIS.がHで、pHが2.61の、樹脂溶液を得た。次いで、攪拌器、滴下装置、還流装置、および空気導入管を備えた別の反応容器に、上で得られたポリアクリル酸樹脂80部を仕込み、空気雰囲気下、70℃まで昇温した。同温度で、GMA2.0部を加えて、同温度に1時間の間保持した。反応後、水酸化ナトリウムの30%水溶液の5.2部を加えて、pHが5.22の、カルボキシル基と不飽和結合とを有するビニル重合体(c)の溶液を得た。分子量の測定を行ったところ、数平均分子量が4,000であった。
攪拌装置、温度計、還流装置、窒素ガス吹き込み装置を装着した1Lの4ツ口フラスコに、無水マレイン酸96g、イオン交換水50gを加えた。次いで55℃に加温し無水マレイン酸を溶解させた後、一旦冷却して無水マレイン酸のスラリーを得た。再び系内を加温し、55℃になったところで、28%アンモニア水60.8gを添加した。その後、系内の温度を80℃に昇温した。3時間反応させた後、得られた水溶液を乾燥し反応中間体を得た。2Lのナスフラスコに反応中間体100gおよび85%燐酸10gを仕込み、エバポレーターを用い、オイルバス浴温中で、200℃で減圧の下、4時間反応させた。得られた生成物を水およびメタノールで数回洗浄することによりポリこはく酸イミドの粉末を得た。得られたポリこはく酸イミドをGPCで測定した結果、重量平均分子量は3000であった。
次いで、攪拌装置、温度計、還流装置、窒素ガス吹き込み装置を装着した別の反応器に、水酸化ナトリウム20.6gを溶解させた水溶液75gを加えた後、参考例1で得られたポリこはく酸イミドの粉末50gを添加することによりポリこはく酸イミドの水溶液を得た。次いで、温度を90℃に昇温した後、グリシジルメタクリレート5.0gを加え、1時間反応を行うことにより、メタクリロイル基を導入したポリアスパラギン酸の加水分解物を含有する水溶液を得た。
500mlの三角フラスコにアクリル酸30gを加え、外部より冷却しつつ水酸化リチウム・1水和物8.74gを溶解した水酸化リチウム水溶液81.5gを滴下してアクリル酸の50モル%を中和した。この液に、ラテムルPS(アルカンスルホン酸ナトリウム 花王株式会社製)1.89gを添加し溶解した。更に、この液にN,N’−メチレンビスアクリルアミド23.4mg、過硫酸アンモニウム0.05gを加えて溶解した。
これとは別に、攪拌装置、温度計、還流装置、窒素ガス吹き込み装置を装着した500mlの4ツ口フラスコに、シクロヘキサン164gを加え、これにレオドールTW−O106V(ポリオキシエチレンソルビトールモノオレート(EO;6モル付加体)(HLB=10.0)花王株式会社製)0.41gを添加して500rpmで撹拌しながら分散させた。次に、フラスコを窒素置換した後、75℃に昇温し、前記で調製したアクリル酸水溶液を60分間で滴下した。滴下後、先に得られたカルボキシル基含有ビニル重合体(a)8gを一括添加した。次いで70〜75℃で3時間保持した後、シクロヘキサンとの共沸によって生成した樹脂の含水率が10%になるまで脱水を行った。尚、攪拌は500rpmの回転数で一定して行った。反応終了後、デカンテーションでシクロヘキサン相を分離し、続いて得られた含水重合体粒子から70℃で3時間減圧乾燥しさらに180℃で1時間減圧乾燥することにより水を含水率が5%になるまで除去し、吸水性樹脂1を得た。
カルボキシル基含有ビニル重合体(a)を(b)に変更した以外は参考例5と同様の操作により吸水性樹脂2を得た。
《参考例7》吸水性樹脂3の製造方法
カルボキシル基含有ビニル重合体(a)を(c)に変更した以外は参考例5と同様の操作により吸水性樹脂3を得た。
《参考例8》吸水性樹脂4の製造方法
カルボキシル基含有ビニル重合体(a)をエチレン性不飽和基を有するポリアスパラギン酸に変更した以外は参考例1と同様の操作により褐色の吸水性樹脂4を得た。
500Lのデスカップにアクリル酸150gを加え、外部より冷却しつつ水酸化ナトリウム33.3gを溶解した水酸化ナトリウム水溶液341.5gを滴下してアクリル酸の50モル%を中和した。次いで、N,N’−メチレンビスアクリルアミド468mg、過硫酸アンモニウム620mg添加溶解させた。攪拌装置、温度計、還流装置、窒素ガス吹き込み装置を装着した2Lの4ツ口フラスコに、シクロヘキサン820gを加え、これにレオドールスーパーSP−S10(ソルビタンモノステアレート、花王株式会社製)3.75gを添加して350rpmで撹拌しながら分散させた。次に、フラスコ内を窒素置換した後、調製したアクリル酸水溶液を添加混合した。添加後フラスコを80℃のウオーターバス中で加熱することにより昇温したところ、70℃を超えた時点で発熱がおこった。65〜75℃で3時間保持した後、シクロヘキサンとの共沸によって生成した樹脂の含水率が10%になるまで脱水を行った。尚、攪拌は350rpmの回転数で一定して行った。反応終了後、デカンテーションでシクロヘキサン相を分離し、続いて得られた含水重合体粒子から減圧乾燥により水を含水率が5%になるまで除去し、吸水性樹脂5を得た。
参考例5〜7で得られた吸水性樹脂1、2、および3を目付15g/m2の紙シートに90g/m2の目付になるように均一に散布した。散布後霧吹きを用い吸水性樹脂を湿潤させた後、別の目付15g/m2の紙シートにより圧着させ、吸収体を得た。得られた吸収体を4cm×4cmに裁断し血液吸収量の測定を行った。吸収体は、表−1に示すように優れた血液吸収力を有することが判る。
《実施例4》
参考例5で得られた吸水性樹脂1を目付15g/m2の紙シートに35g/m2の目付になるように均一に散布した。散布後霧吹きを用い吸水性樹脂を湿潤させた後、別の目付15g/m2の紙シートにより圧着させることにより吸収体が得られた。得られた吸収体を4cm×4cmに裁断し血液吸収量の測定を行った。吸収体は、表−1に示すように優れた血液吸収力を有することが判る。
目付15g/m2の紙シート2枚を重ね、4cm×4cmに裁断し血液吸収量の測定を行った。
《比較例2》
参考例5、6および7で得られた吸水性樹脂の代わりに、参考例8で得られた吸水性樹脂4を用いた以外は実施例1〜3と同様の操作により吸収体を調製し、血液吸収量の測定を行った。本吸収体は血液吸収性には優れるものの、表面に樹脂の褐色が透けて見えた。
《比較例3》
参考例5、6および7で得られた吸水性樹脂の代わりに、参考例9で得られた吸水性樹脂5を用いた以外は実施例1〜2と同様の操作により吸収体を調製し、血液吸収量の測定を行った。
リードックッキングペーパー(ライオン株式会社製)を10cm×20cmに裁断し、3枚を重ね、ティッシュ2枚で夾み、5kg/cm2でプレスすることによりシートを作成した。作成したシートの2枚目と3枚目の間に吸水性樹脂1を180g/m2の目付になるように均一に散布することにより吸収体を作成した。吸収体上に10cm×20cm液透過性の多孔性ポリエチレンシートを重ね、下にポリエチレンシートを敷き、周りを接着することにより生理用ナプキンの作成を行った。中央部から馬脱繊血4gを添加し3分間吸収させた。5枚重ねした20cm径濾紙を血液吸収後の生理用ナプキン上にのせ、さらに同径の5kgのおもりを5分間のせた。5分後濾紙に血液の戻りがあるか観察を行ったところ、濾紙には血液の付着がなかった。
実施例1において吸水性樹脂1を用いた吸収体を不織布からなる液透過性シートとポリエチレンからなる液非透過性シートで夾み、周囲をシールすることによりドリップ吸収シートを作成した。本ドリップ吸収シートは優れた血液吸収性を示した。
Claims (4)
- カルボキシル基と不飽和結合とを有し、数平均分子量が500〜50,000のビニル重合体(A)と(メタ)アクリル酸(B)との共重合体からなる吸収性樹脂を構成成分として含んでなる吸収体。
- (メタ)アクリル酸(B)が、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体又は(メタ)アクリル酸(B)の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物を併用する請求項1記載の吸収体。
- 前記共重合体が、非イオン性界面活性剤を含む疎水性有機溶媒中に、(メタ)アクリル酸(B)とアニオン性界面活性剤とラジカル重合開始剤とを含有する水溶液を逐次供給して油中水滴型の逆相懸濁重合を行い、次いで前記ビニル重合体(A)を含有する水溶液を供給し油中水滴型の逆相懸濁重合を行い、得られる重合体スラリーを乾燥してなるものである請求項1又は2記載の吸収体。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収体と液透過性シートとから構成される血液吸収性物品。
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Legal Events
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A02 | Decision of refusal |
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