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JP2006158358A - 苗移植機 - Google Patents

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JP2006158358A
JP2006158358A JP2004358870A JP2004358870A JP2006158358A JP 2006158358 A JP2006158358 A JP 2006158358A JP 2004358870 A JP2004358870 A JP 2004358870A JP 2004358870 A JP2004358870 A JP 2004358870A JP 2006158358 A JP2006158358 A JP 2006158358A
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seedling planting
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JP2004358870A
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Hideo Nakajima
英夫 中島
Tomohito Maekawa
智史 前川
Takayasu Sakagaito
貴保 坂垣内
Junko Shibaoka
純子 柴岡
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Yanmar Co Ltd
Yanmar Agribusiness Co Ltd
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Seirei Industry Co Ltd
Yanmar Co Ltd
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Abstract

【課題】穿孔体によるマルチフィルムへの穿孔作業を確実にし、作業効率を向上させることを目的とする。
【解決手段】苗植付爪9の上下往復動によって畝中に苗を移植する苗移植機において、苗植付爪9による苗植付け深さを検出する昇降センサとしてのセンサローラ15と、畝面に張設されたマルチフィルムに穿孔する穿孔体10と、畝中に移植された苗を覆土する覆土輪12とを備え、該センサローラ15は、穿孔体10の略近傍であって、覆土輪12との間に穿孔体10が位置するように取り付けられる。
【選択図】図9

Description

本発明は、苗移植機に関し、より詳細には、苗移植機に配設されたセンサローラ、穿孔体、及び覆土輪の取り付け構造に関する。
従来、苗植付爪による苗の植付け高さを検出する昇降センサとしてのセンサローラを備えた苗移植機が公知となっており、例えば特許文献1には、畝上面に接地して転動される覆土輪を昇降センサとした苗移植機が開示されている。この苗移植機においては、機体後端に配設された覆土輪が、リンク機構等を介して機体本体に配設される昇降バルブ等に連動連結され、畝形状に応じて昇降されると所定の植付け深さとなるように機体本体が昇降される。そして、覆土輪が昇降センサを兼ねるため、部品点数の軽減が図られている(特許文献1参照)。
また、機体に対して上下往復動する苗植付爪によって苗を畝中に移植する苗移植機において、苗植付爪を畝中に穿設させるために、畝の表面に張設されたマルチフィルムに穿孔する穿孔体を備えたものが公知である。例えば、特許文献2及び特許文献3には、苗植付爪の前部側に、苗植付爪の植付け動作直前に所定のタイミングで畝上に張設されたマルチフィルムに穿孔するマルチカッター等の穿孔体が配設された苗移植機が開示されている(特許文献2及び特許文献3参照)。
特開平5−236806号公報 実開平4−71411号公報 特開平11−253060号公報
ところで、穿孔体は、構造上、苗植付爪の前方位置であって略近傍に取り付けられる。そして、苗移植機において、畝上面のマルチフィルムが鎮圧輪や覆土輪などによって機体前後方向に押圧され、穿孔体がマルチフィルムに当接する際に、容易に穿孔できるように構成されている。
しかし、上記特許文献1乃至特許文献3に開示される苗移植機の構成によると、穿孔体及び苗植付爪よりも後方であって機体後端部に、昇降センサとしてのセンサローラ(覆土輪)が配設されるとともに、苗移植機の前端部に、別途畝上面を平滑に鎮圧する鎮圧輪が取り付けられ、センサローラと鎮圧輪とが大きく離間されていた。そのため、マルチフィルムを充分に畝上面に押圧できず、穿孔体が上動する際に、マルチフィルムが穿孔体に溶着して捲れ上がったり、穿孔位置がずれたりする場合があった。また、センサローラと穿孔体とが離間するため、凹凸のある畝上面での作業の場合に、センサローラによる植付け深さ制御に伴う機体の昇降と穿孔体の上下動とのタイミングや、穿孔体の下端の高さと畝上面の高さがずれる場合があり、孔開けができなかったり、穿孔体が土中に突っ込んで傷めたりする場合があった。
穿孔体によってマルチフィルムへ苗植付孔が正確に穿孔されない結果、苗植付孔の略中心に苗が移植されないと、移植された苗の生長がマルチフィルムによって妨害されたり、マルチフィルムからの反射光によって葉焼けしてしまったりする場合があった。また、マルチフィルムの切れ口が悪いと、苗と破片が風に煽られて接触して、苗を傷付けてしまう場合があった。例えば、キャベツやブロッコリーの場合は、苗茎が曲がっていても玉が上を向いて生長するため問題が少ないが、レタスの場合は、苗茎が略垂直方向に移植されないと変形玉となって商品価値が下がってしまうため、より正確に移植されることが好ましい。
そこで、本発明は、苗移植機に関し、前記従来の課題を解決するもので、穿孔体によるマルチフィルムへの穿孔作業を確実にし、作業効率を向上させることを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、苗植付爪の上下往復動によって畝中に苗を移植する苗移植機において、苗植付爪による苗植付け深さを検出する昇降センサとしてのセンサローラと、畝面に張設されたマルチフィルムに穿孔する穿孔体と、畝中に移植された苗を覆土する覆土輪とを備え、該センサローラは、穿孔体の略近傍であって、該センサローラと覆土輪との間に穿孔体が位置するように取り付けられるものである。
請求項2においては、前記穿孔体は、側面視において左右の走行輪の間に配設されるものである。
請求項3においては、前記センサローラ及び苗植付爪は、左右の走行輪の間に配設されるものである。
請求項4においては、前記センサローラは、鎮圧輪を兼ねるものである。
請求項5においては、前記センサローラは、昇降バルブと連動連結され、昇降バルブが切り換えられて昇降シリンダを切換制御する昇降シリンダ制御機構を構成するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に示す構成としたので、マルチフィルムを機体前後方向に確実に張設して、穿孔体が上動する際に、マルチフィルムが捲れ上がったり、穿孔位置がずれたりするのを防止でき、センサローラを穿孔体の略近傍に取り付けることで、穿孔体によってマルチフィルムが穿孔されずに畝中に苗を完全に移植できない場合等を防止し、作業効率を向上できる
請求項2に示す構成としたので、平滑にされた畝上面で、走行輪によって機体左右方向に張設され、かつ、センサローラ及び覆土輪によって機体前後方向に張設されたマルチフィルムに、より確実に穿孔できるため、苗植付孔の略中心に苗を移植でき、苗の植付けが不完全なために苗の生長が妨害されたり、葉焼けしたりするのを防止できる。また、マルチフィルムの切り口が滑らかとなり、苗を傷付けることがない。
請求項3に示す構成としたので、平滑にされたマルチフィルムに対して穿孔と植付けとを連動して行うことができるため、作業効率をさらに向上できる。
請求項4に示す構成としたので、覆土輪との間でマルチフィルムを鎮圧機能によって確実に押圧するとともに、畝上面(マルチフィルム)を押圧して平滑にできるため、穿孔体によって確実に穿孔できる。
請求項5に示す構成としたので、昇降センサの検出動作を昇降バルブに直接伝えるように構成することで、伝達ロスを少なくして、苗植付爪によって植付ける苗の深さを均一にする昇降調節を機能的に行わせ、植付け深さ制御を安定させて値付け機能を向上させることができる。
次に、発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る苗移植機の全体的な構成を示した左側面図、図2は同じく図1の後面図、図3はエンジン出力部の左側面図、図4は昇降リンク機構の右側面図、図5は昇降シリンダ制御機構を示した右側面図、図6は植付伝動ケース後端の斜視図、図7は植付爪駆動機構の右側面図、図8は穿孔体駆動機構の左側面図、図9は走行輪、センサローラ、穿孔体、及び覆土輪の配置構成を示した左側面図、図10は作業状態の苗移植機を示した左側面図、図11は同じく図10の正面図である。
なお、本実施例に係る苗移植機として、複数のポットを縦横に配列した苗トレイ18から苗を取り出して、これを圃場に植え付け可能に構成した野菜移植機について説明するが、移植機に限定されるものではなく、播種機等にも適用することができる。また、本実施例に係る苗移植機は、ネギ苗、レタスや白菜等を連続して苗の植え付けることができるように構成されている。
<全体構成>
図1及び図2に示すように、本実施例に係る苗移植機は、機体前後方向に前車体フレーム1が施設され、該前車体フレーム1にエンジン2が搭載され、該前車体フレーム1の後側に後車体フレーム3が連設されている。後車体フレーム3下側に走行伝動ケース4が配設され、該走行伝動ケース4には、アクスルケース6を介して左右の走行輪5が上下揺動可能に支持されている。また、前車体フレーム1には、走行輪5の揺動操作と連動して上下揺動可能に構成される左右の前輪11が装設されている。エンジン2の上方を覆うようにボンネット16が配設され、該ボンネット16の両側には、略左右対称に上下段の予備苗台17・17・・・が配設されている
後車体フレーム3の後方には、ハンドルフレーム8が突出して配設され、ハンドルフレーム8には、側面視において前低後高となるように配設された苗載台7が装設されている。左右の走行輪5間であって前記走行伝動ケース4の後方には、苗植付爪9が上下摺動可能に装設され、苗植付爪9の前方位置には、穿孔体10が上下往復動可能に取り付けられ、苗植付爪9の後方位置には、覆土輪12が上下摺動可能に支持されている。ハンドルフレーム8の後側には、操向ハンドル14が形成され、該操向ハンドル14には、左側に走行変速レバー20が、右側に主クラッチレバー21が、同じく右側に昇降レバー22が設けられている。
図3に示すように、後車体フレーム3の後側上面には、苗取伝動ケース27が載置されている。エンジン2の回転駆動は、後車体フレーム3下面の走行伝動ケース4にベルト28によって伝動され、この走行伝動ケース4から苗取伝動ケース27にベルト29によって伝動される。苗取伝動ケース27には、図示せぬリンク機構等を介して苗取出爪13が上下方向に長い楕円軌道を描くように駆動して、苗載台7に載置された苗トレイ18から1株のポット形苗を取り出し可能に構成されている(図10参照)。
後車体フレーム3の後方であって走行伝動ケース4の後端部には、植付伝動ケース23が接続されている。この植付伝動ケース23には、苗植付爪駆動機構24及び穿孔体駆動機構25がそれぞれ形成され、苗植付爪9及び穿孔体10がそれぞれ上下動可能に構成される。詳細は、後述する(図6乃至図8参照)。
このように、本実施例に係る苗移植機は、エンジン2によって左右の走行輪5が駆動されるとともに、苗植付爪9と、穿孔体10と、苗取出爪13とがそれぞれ上下往復駆動されるように構成され、苗載台7に載置された苗トレイ18の苗を連続的に植付けることができるようにしている。すなわち、苗取出爪13によって取り出された苗は、苗取出爪13から苗取出爪13の下方に位置する苗植付爪9に放出供給され、穿孔体10によって畝上面のマルチフィルムに穿孔された移植孔を介して略一定間隔で植え付けられる。
図3及び図4に示すように、エンジン2の下方であって前車体フレーム1の下面に図示せぬ昇降シリンダが配設され、昇降シリンダは、左右のアクスルケース6を揺動させて左右の走行輪5及び前輪11を昇降させる。機体前方左側に、機体水平制御用のローリングシリンダ50が配設され、ローリングシリンダ50は、前車体フレーム1の左右方向に施設されたローリング支点軸51に固設された揺動アーム51aに接続され、揺動アーム51aが揺動されることによって、ローリング支点軸51が連動して回転される。ローリング支点軸51の両端部には、連結アーム51bがそれぞれ固設され、連結アーム51bは、走行輪連結リンク機構52aを介してアクスルケース6の回動軸53と連動連結されている。
アクスルケース6の回動軸53は、前輪連結リンク機構52bを介して前輪11と連動連結され、この連結リンク機構52a・52bによって前輪11が走行輪5の揺動と連動して同一方向に揺動されるように構成されている。そして、ローリングシリンダ50のピストンロッドが伸縮されることによって、ローリング支点軸51が回転され、左右の前輪11及び走行輪5が上下逆方向に上下動されて、機体の左右傾斜角度を修正する水平制御が行われる。
図3乃至図5に示すように、後車体フレーム3の前側上面であって、前記苗取伝動ケース27の前方に昇降ポンプ26が載置され、この昇降ポンプ26は、エンジン2からの回転駆動がベルト30を介して伝動される。昇降ポンプ26には昇降バルブ31が設けられ、昇降バルブ31には切換アーム32が設けられ、切換ロッド34及び中継リンク(図略)などを介して切換アーム32に昇降レバー22が連結されている。昇降バルブ31が昇降レバー22によって切り換えられることで、昇降シリンダが作動されて、走行輪5及び前輪11が昇降される。このように、前車体フレーム1及び後車体フレーム3など本機の対地高さを変化させて、本機に対して走行輪5及び前輪11を下降させて枕地旋回又は路上走行の姿勢とし、一方で、本機に対して走行輪5及び前輪11を上昇させて植付け姿勢に切り換えられるように構成されている。
<センサローラ15>
図4及び図5に示すように、左右の走行輪5の間であって苗植付爪9及び穿孔体10よりも機体前側であって、かつ、機体前後方向の略中央近傍に鎮圧機能を有する鎮圧輪としてのセンサローラ15が上下揺動自在に配置され、このセンサローラ15は、機体の走行中に畝上に接地しながら移動される。本実施例では、このセンサローラ15は、苗植付爪9による植付け深さを検出する昇降センサとして用いられており、昇降バルブ31と連動連結され、昇降バルブ31が切り換えられて前記昇降シリンダを切換制御する昇降シリンダ制御機構を構成している。
具体的には、走行伝動ケース4の下側位置に支持された支軸39に、支持プレート42が回動自在に支持され、支持プレート42にセンサローラ15が揺動自在に取り付けられる。センサローラ15は、苗植付爪9及び穿孔体10の前方位置に取り付けられ、かつ、機体前後方向の略中央近傍に配設される。支持アーム44は、支点軸43を揺動中心として上下揺動自在に支持プレート42に取り付けられ、他端部がワイヤ46を介して植深切換レバー40に連動連結して構成されている。また、センサローラ15は、支持アーム44の他端部と支持プレート42との間に介設された弾性部材47によって上方に付勢されており、植深切換レバー40の操作によって設定範囲で上下方向に揺動されて位置決めされ、畝表面を平坦に鎮圧するとともに、畝高さを検知可能としている。
支持プレート42には、植深フレーム48が機体前方に向けて延設され、植深フレーム48に長さ調節自在な植深アーム45の一端側が連結され、植深アーム45の他端側が昇降バルブ31の切換アーム32に連結されている。センサローラ15が昇降して支持プレート42が揺動すると、植深フレーム48を介して切換アーム32が作動される。このように構成することによって、苗植付爪9によって苗を植付けているとき、畝上の凹凸に合わせて本機に対してセンサローラ15が昇降することにより、支持プレート42、植深フレーム48及び植深アーム45を介して切換アーム32が切り換えられ、昇降バルブ31を介して昇降シリンダが自動的に制御され、本機を昇降させて苗植付爪9の苗の植付け深さを略一定に保つ自動制御が行われる。
このように、本実施例に係る苗移植機は、苗の植付け深さを調節する昇降バルブ31と、苗植付爪9の苗植付け深さを検出する昇降センサとしてのセンサローラ15とが構成されており、特に、センサローラ15が、昇降バルブ31と連動連結され、昇降バルブ31が切り換えられて昇降シリンダを切換制御する昇降シリンダ制御機構を構成することによって、センサローラ15の検出動作を昇降バルブ31に直接伝えることができ、伝達ロスを少なくして検出不感帯を縮小することができる。また、苗の植付け深さを均一にする昇降調節を機能的に行わせることができ、さらに、センサローラ15の検出不感帯の付近での制御動作を安定させてハンチング等の不具合をなくすことができ、植付け深さ制御を安定させて植付け機能を向上させることができる。
本実施例における苗移植機においては、センサローラ15が鎮圧輪を兼ねるように構成されるため、畝上面(マルチフィルム)を押圧して平滑にでき、穿孔体10によって切れ口のきれいな植付孔を穿孔でき、都合がよい。なお、センサローラ15の他に、別途、鎮圧輪を設けるように構成してもよい。かかる場合には、センサローラ15は、畝上面に常時接して転動するように構成され、鎮圧機能を有さず、単に苗植付爪9による苗植付け深さを検出する昇降センサとしての機能を有するように構成されればよい。センサローラ15が、畝上面を鎮圧する鎮圧機能を有する鎮圧輪を兼ねることで、苗植付機を構成する部品点数を低減できる。
<覆土輪12>
図1及び図5に示すように、走行伝動ケース4の下面側にはパイプ軸36が固定され、パイプ軸36に配設された支点板体37に覆土輪フレーム38が支軸39を介して回転自在に軸支され、覆土輪フレーム38の中途部であって苗載台7の略下方位置に覆土輪12が取り付けられている。覆土輪フレーム38は、後側が操向ハンドル14の植深切換レバー40に伸縮機構41を介して連結され、苗の植付け深さ調節範囲が切換自在とされている。覆土輪フレーム38は、覆土輪12を略一定の接地圧で接地させるように、支軸39回りに植深切換レバー40の設定範囲で回転可能に軸支されている。この覆土輪12によって、苗植付爪9が開孔して苗を植付けた跡を鎮圧して、苗の覆土が行われる。
<苗植付爪9及び穿孔体10>
図6乃至図8に示すように、植付伝動ケース23は、走行伝動ケース4の後端部に接続され、植付伝動ケース23に形成された苗植付爪駆動機構24及び穿孔体駆動機構25を介して苗植付爪9及び穿孔体10がそれぞれ上下動可能に配設されている。エンジン2の回転駆動は、走行伝動ケース4を介して植付伝動ケース23に伝達されて、植付伝動ケース23の左右両側に形成される苗植付爪駆動機構24及び穿孔体駆動機構25に伝達されて、苗植付爪9及び穿孔体10を上下方向の往復動として出力される。
図6及び図7に示すように、苗植付爪駆動機構24は、植付伝動ケース23の後方右側にロータリケース55、クランクアーム56、及び植付アーム57を介して、植付アーム57の先端部に苗植付爪9が取り付けられている。植付伝動ケース23との枢軸を回転中心としてロータリケース55が回転され、クランクアーム56を上下揺動させながら昇降ガイドレール58に沿って植付アーム57が上下摺動されて、苗植付爪9が、縦長の楕円形状の植付起動で上下動される。この苗植付爪9は、苗植付爪を前後方向に二分割して前後開閉自在に構成されており、ロータリケース55の一回転中において、上昇したときに苗取出爪13から苗を受取り、下降したときに半割りの各苗植付爪9が前後に開閉されて、畝に苗植付孔を開口させるとともに、苗植付爪9中の苗を苗植付孔に落下させる。
図6及び図8に示すように、穿孔体駆動機構25は、植付伝動ケース23の後方左側の固定取付板59に基端を支持される上下一対の平行リンク60・60と、平行リンク60を介して固定取付板59に上下動自在に取り付けられる取付板61と、植付伝動ケース23からの出力軸23a上に取り付けられるカム62と、上側の平行リンク60の前後略中央近傍に取り付けられて、カム62の周面形状に沿って摺接される回転子63と、取付板61に支持部材69を介して取り付けられる穿孔体10等とで構成されている。
カム62は、植付伝動ケース23からの駆動によって所定方向に回転駆動される。カム62の円周面に前記回転子63が摺接している状態では、平行リンク60は、畝上面と略平行となるように上方に揺動されて静止され、穿孔体10は、上動されて畝上面から離間される。カム62が回転されて、カム62の切欠部62aに回転子63が係合されると、平行リンク60は、自重によって下方に揺動され、穿孔体10は、下動されて畝上面のマルチフィルムに接触される。なお、穿孔体10は、平行リンク60にばね等の弾性部材を配設して、下方に若しくは上方のいずれかに付勢されるように構成してもよい。
穿孔体10は、下端部に焼切部10aが形成され、焼切部10aは、機体前方のボンネット16の左外側であって、エンジン2の前端よりも後方かつアクスルケース6よりも前方に配設される発電機64に接続されている(図1及び図3参照)。この発電機64は、エンジン2の動力がプーリ65及び図示せぬベルトを介して伝達されて駆動され、通常は、カバー66によって覆われている。この焼切部10aのON/OFFは、ハンドルフレーム8に橋設された操作プレート67に形成されたスイッチ68によって操作される(図2参照)。焼切部10aは、スイッチ68がONとされると発熱し、マルチフィルムとの当接部においてこれを融解させて移植孔を穿孔する。また、スイッチ68の側方にスイッチランプ70が配設され、スイッチ68がONされてから作業状態となるまではスイッチランプ70が点滅し、準備が完了するとスイッチランプ70が点燈する。スイッチ68及びスイッチランプ70をハンドルフレーム8に配設することで、機体を操向しながら焼切部10aのON/OFFを容易に行うことができ、作業性が向上される。
このようにして、穿孔体10は、縦長の楕円形状の軌跡で苗植付爪9の移植動作に連動して上下往復動されて、畝に被覆されたマルチフィルムに移植孔を穿孔するように構成される。そして、この移植孔を介して苗植付爪9が畝中に穿設して、苗の植付けが行われるのである。苗植付爪9及び穿孔体10は、上下往復動を間欠的に連続駆動され、穿孔体10が下動してマルチフィルムに穿孔した後、苗植付爪9が下動されて苗の植付けが行われるように連動されている。
<走行輪5、センサローラ15、穿孔体10、及び覆土輪12の配置構成>
図5及び図9に示すように、本実施例に係る苗移植機は、苗植付爪9による苗植付け深さを検出する昇降センサとしてのセンサローラ15と、畝面に張設されたマルチフィルムに穿孔する穿孔体10と、畝中に移植された苗を覆土する覆土輪12とがそれぞれ、畝上面のマルチフィルム表面に常時当接するか、若しくは上下動して当接可能に構成されており、機体前後方向において、センサローラ15と覆土輪12との間に穿孔体10が位置するように、センサローラ15、苗植付爪9、及び覆土輪12の順に略直線上に取り付けられる。そして、側面視において左右の走行輪5の間に穿孔体10が配設され、走行輪5、センサローラ15、苗植付爪9、及び覆土輪12の配置構成によって、穿孔体10が、畝上面のマルチフィルムに確実に穿孔できるように構成されている。
左右の走行輪5は、上述のように、後車体フレーム3下側の走行伝動ケース4に上下揺動可能に支持されたアクスルケース6を介して取り付けられており、側面視において、機体前後方向の略中央近傍に位置するように構成されている。本実施例では、特に、植付作業時においては、アクスルケース6が上方に回動され、かかる状態で、左右の走行輪5の間に、機体前方から順に、センサローラ15、穿孔体10、及び苗植付爪9が配置されている。
穿孔体10は、苗植付爪9による苗の植付けを行う前段階として、マルチフィルムに移植孔を穿孔するものであって、苗植付爪9の前方位置であって直近傍に取り付けられる。すなわち、穿孔体10の取り付け位置は、苗植付爪9の取り付け位置によって決定される。通常、苗植付爪9は、左右の走行輪5の間であって、側面視において前車体フレーム1及び後車体フレーム3に配設されるエンジン2や苗載台7等の位置により、機体前後方向の略中央よりも後方に取り付けられる。したがって、穿孔体10は、この苗植付爪9よりも前方位置であって、機体前後方向の略中央に取り付けられる。
覆土輪12は、苗植付爪9による苗の植付けを行った後段階として、移植された苗を覆土するものであって、苗植付爪9の後方位置に配設される。覆土輪12も、苗植付爪9の取り付け位置によるが、苗植付爪9の後方位置であれば、その離間は問わない。ただし、後述するように、センサローラ15との距離が短くなるように位置に取り付けられるのが好ましい。
そして、センサローラ15は、苗植付爪9による苗植付け深さを検出する昇降センサであって、作業時において、左右の走行輪5の間であって、側面視においてセンサローラ15は走行輪5と重複するように配置され、苗植付爪9及穿孔体10の前方位置かつ穿孔体10の略近傍に取り付けられる。
図10及び図11に示すように、苗の移植作業が行われる際には、走行輪5、センサローラ15、穿孔体10、及び覆土輪12の取り付け構造において、センサローラ15及び覆土輪12はマルチフィルムに常時当接され、機体前後方向においてマルチフィルムが畝上面に押圧されるとともに、走行輪5によって機体左右方向においてマルチフィルムが畝上面に押圧される。そして、所定間隔を空けて穿孔体10が間欠的に上下動され、マルチフィルムに移植孔が穿孔される。前進する苗移植機の下方のマルチフィルムは、センサローラ15及び覆土輪12によって機体前後方向に、走行輪5によって機体左右方向に張設され、穿孔体10によって張設されたマルチフィルム間に移植孔が穿孔されるのである。
本実施例では、センサローラ15は、穿孔体10と近接する位置に取り付けられて、センサローラ15と覆土輪12との間に穿孔体10が配設されるように構成されている。センサローラ15が、苗植付爪9の前方位置に取り付けられた穿孔体10の略近傍に取り付けられるということは、換言すると、走行輪5、苗植付爪9、穿孔体10、及びセンサローラ15が機体前後方向の略中央近傍に集中して取り付けられるということである。
以上のような構成とすることで、センサローラ15と覆土輪12との離間を、少なくとも、機体前端及び機体後端にそれぞれ取り付けられた苗移植機よりも短くすることができる。上述のように、センサローラ15及び覆土輪12はマルチフィルムを押圧する部材を構成しており、機体前後方向においてこれらの部材の離間が短いと、それだけ、穿孔体10による穿孔位置に苗植付爪9が挿入される位置のずれを小さくすることができ、穿孔体10による穿孔位置近傍のマルチフィルムを充分に畝上面に押圧して機体前後方向に強く張設できる。そのため、穿孔体10が上動する際に、マルチフィルムが捲れ上がったり、穿孔位置がずれたりするのを防止でき、穿孔体10による穿孔作業を確実に行うことができる。
また、昇降センサとしてのセンサローラ15と穿孔体10とを近接して取り付けることで、センサローラ15が畝上面の凹凸に連動して上下昇降され、昇降バルブ31が切換操作されて植付け深さが制御された後に、穿孔体10が直ちに下動して移植孔を穿孔できる。したがって、昇降センサの検出誤差によって、植付け深さ制御に伴う機体の昇降と穿孔体10の上下動とのタイミングや、穿孔体の下端の高さと畝上面の高さがずれて、穿孔体10によってマルチフィルムが穿孔されずに畝中に苗を完全に移植できない場合等を少なくして、作業効率を向上できる。
穿孔体10の配置構成として、左右の走行輪5とセンサローラ15と覆土輪12とで畝上面に押圧されたマルチフィルムに上下動を繰り返して穿孔するように構成される。そして、平滑にされた畝上面では、マルチフィルムの左右両側は走行輪5によって機体左右方向に張設され、かつ、センサローラ15及び覆土輪12によって機体前後方向に張設されるので、確実に穿孔できる。そのため、苗植付孔の略中心に苗を移植でき、苗の植付けが不完全なために苗の生長が妨害されたり、曲がって成長したり、穿孔した孔の中心からずれて移植された場合にはマルチフィルムからの反射により葉焼けしたりするのを防止できる。また、苗植付孔の切り口が滑らかとなり、苗を傷付けることがない。特に、センサローラ15と穿孔体10と苗植付爪9とを、左右の走行輪5の間に配置することで、平滑にされたマルチフィルムに対して苗植付孔の穿孔と苗の移植とを連動して行うことができるため、作業効率をさらに向上できる。
さらにまた、昇降センサとしてのセンサローラ15が、鎮圧輪を兼ねることによって、鎮圧輪としての鎮圧機能によって、畝上面のマルチフィルムをより確実に押圧することができ、マルチフィルムが捲れ上がったり、穿孔位置がずれたりすることをより確実に防止できる。
本発明に係る苗移植機の全体的な構成を示した左側面図。 同じく図1の後面図。 エンジン出力部の左側面図。 昇降リンク機構の右側面図。 昇降シリンダ制御機構を示した右側面図。 植付伝動ケース後端の斜視図。 植付爪駆動機構の右側面図。 穿孔体駆動機構の左側面図。 走行輪、センサローラ、穿孔体、及び覆土輪の配置構成を示した左側面図。 作業状態の苗移植機を示した左側面図。 同じく図10の正面図。
符号の説明
9 苗植付爪
10 穿孔体
12 覆土輪
15 センサローラ

Claims (5)

  1. 苗植付爪の上下往復動によって畝中に苗を移植する苗移植機において、苗植付爪による苗植付け深さを検出する昇降センサとしてのセンサローラと、畝面に張設されたマルチフィルムに穿孔する穿孔体と、畝中に移植された苗を覆土する覆土輪とを備え、該センサローラは、穿孔体の略近傍であって、該センサローラと覆土輪との間に穿孔体が位置するように取り付けられることを特徴とする苗移植機。
  2. 前記穿孔体は、左右の走行輪の間に配設されることを特徴とする請求項1に記載の苗移植機。
  3. 前記センサローラ及び苗植付爪は、左右の走行輪の間に配設されることを特徴とする請求項2に記載の苗移植機。
  4. 前記センサローラは、鎮圧輪を兼ねることを特徴とする請求項1に記載の苗移植機。
  5. 前記センサローラは、昇降バルブと連動連結され、昇降バルブが切り換えられて昇降シリンダを切換制御する昇降シリンダ制御機構を構成することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の苗移植機。
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