以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態が詳細に説明される。以下の説明において、同一の構成要素は、同一、又は対応する符号によって参照される。同一の構成要素を相互に区別する必要がある場合には符号に添字が付せられ、この添字によって当該構成要素が区別されることに留意されたい。
1. 第1の実施形態
(1)液晶表示装置の全体構成
図3は、本発明の第1の実施形態における液晶表示装置10の構成を示す図である。表示装置10は、液晶表示パネル1と液晶ドライバ2とを備えている。液晶表示パネル1は、データ線11と、ゲート線12と、データ線11とゲート線12とが交差する位置に設けられた画素13とを備えている。データ線11は、入力端子16に接続されており、入力端子16を介して液晶ドライバ2からデータ信号を受け取る。ゲート線12は、画素13の行(ライン)を選択するための信号線である。画素13にデータ信号を書き込む場合、選択されたラインに対応するゲート線12が活性化される。各画素13は、TFT13aと、画素電極13bと、共通電極13cとから構成されている。画素電極13bと共通電極13cとの間には液晶が満たされており、画素電極13bと共通電極13cは液晶容量として機能する。共通電極13cの電位は、共通電位VCOMに維持されている。
液晶ドライバ2は、液晶表示パネル1の各画素13を駆動する集積回路である。液晶ドライバ2の出力端子3は、配線4を介して液晶表示パネル1の入力端子16に接続されている。データ信号は、液晶ドライバ2の出力端子3から配線4及び入力端子16を介して対応するデータ線11に供給され、これにより、選択されたラインに接続されている画素13が駆動される。
本発明の一つの特徴は、液晶ドライバ2が、液晶ドライバ2の接地電位を基準として正極性であるデータ信号と、当該接地電位を基準として負極性であるデータ信号とを、データ線11に出力可能に構成されている点にある。このような構成は、後に詳細に説明されるように、正極性データ信号を生成する駆動回路と、負極性データ信号を生成する駆動回路の両方に供給される電源電圧を低くすることを可能にし、液晶ドライバ2の消費電力を有効に低減させる。以下では、液晶ドライバ2の接地電位を基準として正極性であるデータ信号を、「正極性データ信号」といい、当該接地電位を基準として負極性であるデータ信号を、単に「負極性データ信号」という場合がある。
(2)液晶ドライバの構成
図4は、(液晶ドライバ2の接地電位を基準として正極性である)正極性データ信号と、(接地電位を基準として負極性である)負極性データ信号とを出力可能にするための、液晶ドライバ2の具体的な構成を示すブロック図である。
液晶ドライバ2は、極性切り替えスイッチ群21と、階調電位生成回路22と、正極側ドライバ部23と、負極側ドライバ部24と、極性切り替えスイッチ群25と、極性切り替えスイッチ制御回路26と、プリチャージスイッチタイミング生成回路27と、タイミングコントロール回路28と、アンプタイミング生成回路31とを備えている。
極性切り替えスイッチ群21は、画素13に供給されるべきデータ信号の極性に応じて、各画素13の画素データを正極側ドライバ部23又は負極側ドライバ部24に転送する回路である。極性切り替えスイッチ群21には、選択されたラインの画素13の階調を示す画素データが供給される。極性切り替えスイッチ群21は、供給された画素データのうち、正の極性のデータ信号で駆動されるべき画素の画素データを正極側駆動回路23に、負の極性のデータ信号で駆動されるべき画素の画素データを負極側駆動回路24に転送する。
階調電位生成回路22は、画素がとり得る全ての階調レベルに対応する階調電位を、正極側ドライバ部23と負極側ドライバ部24とに供給する回路である。階調電圧生成回路22は、正極性階調電位生成回路22aと、負極性階調電位生成回路22bとを備えている。正極性階調電位生成回路22aは、液晶ドライバ2の接地電位を基準として極性が正である階調電位を正極側ドライバ部23に供給する。一方、負極性階調電位生成回路22bは、液晶ドライバ2の接地電位を基準として、極性が負である階調電位を負極側ドライバ部24に供給する。正極性階調電位生成回路22aと、負極性階調電位生成回路22bとがそれぞれに出力する階調電位の数は、画素がとり得る階調レベルの数と同数である。画素がとり得る階調レベルの数が64である場合、正極性階調電位生成回路22aは、64種類の正極性の階調電位を正極側ドライバ部23に供給し、負極性階調電位生成回路22bは、64種類の負極性の階調電位を負極側ドライバ部24に供給する。
正極側ドライバ部23は、それに供給される画素データに応答して正極性データ信号を生成する回路系である。正極側ドライバ部23は、正極性階調電位生成回路22aから供給される正の階調電位を用いて、正極性データ信号を生成する。
詳細には、正極側ドライバ部23は、ラッチ回路23aと、レベルシフタ23bと、D/Aコンバータ23cと、正極側駆動回路23dと、プリチャージスイッチ回路23eとを備えている。ラッチ回路23aは、極性切り替えスイッチ群21から受け取った画素データをラッチしてレベルシフタ23bに出力する。レベルシフタ23bは、ラッチ回路23aの出力の電圧レベルをD/Aコンバータ23cの入力レベルに対応するように変換する。
D/Aコンバータ23cは、ラッチ回路23aからレベルシフタ23bを介して受け取った画素データに対してD/A変換を行い、画素データに対応する階調電位を出力する。より具体的には、D/Aコンバータ23cは、レベルシフタ23bから受け取った画素データに応答して正極性階調電位生成回路22aから供給される正の階調電位のうちの一を選択し、選択した階調電位を正極側駆動回路23dに供給する。
正極側駆動回路23dは、画素データに対応するデータ信号を出力するための回路である;正極側駆動回路23dは、D/Aコンバータ23cから供給された階調電位に対応する信号レベルを有する信号を、液晶ドライバ2の出力端子3に出力する。正極側駆動回路23dとしては、典型的にはオペアンプが使用される。正極側駆動回路23dが出力する信号が、データ線11に供給されるべき正極性データ信号である。
プリチャージスイッチ回路23eは、液晶表示パネル1のデータ線11を液晶ドライバ2の接地電位にプリチャージするための回路である。プリチャージスイッチ回路23eは、プリチャージスイッチタイミング生成回路27から送られるプリチャージ信号GND_SWが活性化されると、液晶表示パネル1のデータ線11を液晶ドライバ2の接地電位にプリチャージする。データ線11を液晶ドライバ2の接地電位にプリチャージすることは、正極側駆動回路23dに高い電圧(具体的には、正極性であるデータ信号の最大電位と、負極性であるデータ信号の最小電位との電位差)が印加されることを防ぐために重要である。
一方、負極側ドライバ部24は、それに供給される画素データに応答して負極性データ信号を生成する回路系である。負極側ドライバ部24は、負極性階調電位生成回路22bから供給される階調電位を用いて、負極性データ信号を生成する。負極側ドライバ部24の構成は、正極側ドライバ部23とほぼ同一であり、負極側ドライバ部24は、ラッチ回路24aと、レベルシフタ24bと、D/Aコンバータ24cと、負極側駆動回路24dと、プリチャージスイッチ回路24eとを備えている。主たる相違点は、D/Aコンバータ24cに負極性階調電位生成回路22bから負の階調電位が供給されること、及び負極側駆動回路24dが負極性のデータ信号を出力することである。
極性切り替えスイッチ群25は、正極側ドライバ部23及び負極側ドライバ部24の出力を、それらが生成するデータ信号の出力先のデータ線11に接続するための回路である。例えば、奇数番目のデータ線111、113・・・に正の極性のデータ信号を出力すべき場合には、対応する正極側ドライバ部23の出力が、奇数番目のデータ線111、113・・・に接続される。
極性切り替えスイッチ制御回路26は、極性切り替えスイッチ群21、25及び極性切り替えスイッチ群21の接続関係を指示する回路である;極性切り替えスイッチ制御回路26は、極性信号POLを極性切り替えスイッチ群21に供給することにより、画素データが所望の正極側ドライバ部23、負極側ドライバ部24に転送されるように、極性切り替えスイッチ群21の接続関係を切り替える。加えて、極性切り替えスイッチ制御回路26は、スイッチ制御信号DOT_SWを極性切り替えスイッチ群25に供給することにより、データ信号が所望のデータ線11に出力されるように、極性切り替えスイッチ群25の接続関係を切り替える。
プリチャージタイミング生成回路27は、プリチャージスイッチ回路23e、24eを制御するプリチャージ信号GND_SWを生成するための回路である。
アンプタイミング生成回路31は、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dの動作タイミングを制御するための回路であり、アンプ出力制御信号AMP_HIZを生成する。アンプ出力制御信号AMP_HIZが活性化されると、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dの出力はハイ・インピーダンス状態に設定される。アンプ出力制御信号AMP_HIZが活性化されていない場合、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dは、画素データに対応する信号レベルのデータ信号を出力する。
タイミングコントロール回路28は、極性切り替えスイッチ群21、正極側ドライバ部23、負極側ドライバ部24、及び極性切り替えスイッチ群25の動作タイミングを制御する回路である。具体的には、タイミングコントロール回路28は、ラッチ信号STBを出力してラッチ回路23a、23bが画素データをラッチするタイミングを制御する。加えて、タイミングコントロール回路28は、極性切り替えスイッチ回路26、プリチャージタイミング生成回路27、及びアンプタイミング生成回路31を制御して、極性信号POL、スイッチ制御信号DOT_SW、プリチャージ信号GND_SW、及びアンプ出力制御信号AMP_HIZが切り替えられるタイミングを調整する。
(3)データ信号を出力する系統の詳細な構成
図5は、正極側ドライバ部23の正極側駆動回路23d及びプリチャージスイッチ回路23e、負極側ドライバ部24の負極側駆動回路24d及びプリチャージスイッチ回路24e、並びに極性切り替えスイッチ群25の詳細を示す回路図である。図5には、液晶ドライバ2の2つの出力端子3:出力端子31、32に関連する部分のみが選択的に図示されているが、他の部分も同様の構成を有していることは、当業者には容易に理解されよう。
正極性駆動回路23dは、スイッチ23jとアンプ23kとを備えている。アンプ23kは、ボルテッジフォロアとして機能し、D/Aコンバータ23cから供給された階調電位に対応する信号レベルを有するデータ信号を生成する。アンプ23kには正極性の電源電圧VDD +が供給されており、アンプ23kは、電源電圧VDD +を用いて正極性のデータ信号を生成する。電源電圧VDD +は、典型的には5Vである。スイッチ23jは、アンプ23kの出力に接続されている。スイッチ23jは、アンプ出力制御信号AMP_HIZに応答してオンオフされる。アンプ出力制御信号AMP_HIZが活性化されると、スイッチ23jがターンオフし、正極性駆動回路23dの出力がハイ・インピーダンス状態に設定される。アンプ出力制御信号AMP_HIZが非活性化されると、スイッチ23jはターンオンし、正極性駆動回路23dは正極性のデータ信号を出力する。
同様に、負極性駆動回路24dは、スイッチ24jとアンプ24kとを備えている。アンプ24kは、ボルテッジフォロアとして機能し、D/Aコンバータ24cから供給された階調電位に対応する信号レベルを有するデータ信号を生成する。アンプ24kには負極性の電源電圧VDD −が供給されており、アンプ24kは、電源電圧VDD −を用いて負極性のデータ信号を生成する。電源電圧VDD −は、典型的には、−5Vである。スイッチ24jは、アンプ24kの出力に接続されている。スイッチ24jは、アンプ出力制御信号AMP_HIZに応答してオンオフされる。アンプ出力制御信号AMP_HIZが活性化されると、スイッチ24jがターンオフし、負極性駆動回路24dの出力がハイ・インピーダンス状態に設定される。アンプ出力制御信号AMP_HIZが非活性化されると、スイッチ23jはターンオンし、負極性駆動回路23dは負極性のデータ信号を出力する。
極性切り替えスイッチ群25は、スイッチ25a〜25dを含む。スイッチ25aは、出力端子31と正極側駆動回路23dの出力端子の間に介設され、スイッチ25bは、出力端子32と正極側駆動回路24dの出力端子の間に介設されている。一方、スイッチ25cは、出力端子31と負極側駆動回路24dの出力端子の間に介設され、スイッチ25dは、出力端子32と負極側駆動回路24dの出力端子の間に介設されている。スイッチ25a〜25dは、極性切り替えスイッチ制御回路26から送られるスイッチ制御信号DOT_SWに応答して、出力端子31、32と、正極側駆動回路23d及び負極側駆動回路24dとの接続関係を切り替える。詳細には、スイッチ制御信号DOT_SWが活性化されると、出力端子31、32は、それぞれ正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dに接続される。このような接続は、出力端子31、32からデータ線111、112に、それぞれ正極性データ信号、及び負極性データ信号を出力する場合に使用される。一方、スイッチ制御信号DOT_SWが非活性化されると、出力端子31、32は、それぞれ負極側駆動回路24d及び正極側駆動回路23dに接続される。このような接続は、出力端子31、32からデータ線111、112に、それぞれ負極性データ信号及び正極性データ信号を出力する場合に使用される。
プリチャージスイッチ回路23eは、正極側駆動回路23dの出力端子と接地端子23gとの間に介設されているスイッチ23fから構成されている。スイッチ23fは、プリチャージスイッチタイミング生成回路27から送られるプリチャージ信号GND_SWが活性化されるとターンオンする。同様に、プリチャージスイッチ回路24eは、負極側駆動回路24dの出力端子と接地端子24gとの間に介設されているスイッチ24fから構成されている。スイッチ24fは、プリチャージスイッチタイミング生成回路27から送られるプリチャージ信号GND_SWが活性化されるとターンオンする。スイッチ23f、24fがターンオンされると、極性切り替えスイッチ群25の接続関係に関わり無く、全てのデータ線11が液晶ドライバ2の接地電位にプリチャージされる。
(4)本実施形態の液晶表示装置の動作の概要
本実施の形態の液晶表示装置10の一つの特徴は、正極側ドライバ部23が、液晶ドライバ2の接地電位を基準として正極性である正極性データ信号を生成し、負極側ドライバ部24が、当該接地電位を基準として負極性である負極性データ信号を生成する点にある。このようなアーキテクチャは、液晶ドライバ2の消費電力を低減することを可能にする。なぜなら、このアーキテクチャは、正極性データ信号及び負極性データ信号を生成する正極側駆動回路23d及び負極側駆動回路24dのいずれにも、高い電源電圧、具体的には、液晶容量に印加され得る最大電圧の2倍以上の電源電圧を供給する必要性をなくすからである。
例えば、図6に示されているように、例えば、液晶ドライバ2の基準電源の電源電圧が3Vであり、共通電位が0Vであり、且つ、液晶容量に印加され得る最大の電圧が5Vであると仮定する。この場合、正極側駆動回路23dが出力するデータ信号の信号レベルは、0V〜5Vの範囲であるから、正極性駆動回路23dに供給すべき電源電圧VDD +は、5Vである。一方、負極側駆動回路24dが出力するデータ信号の信号レベルは、−5V〜0Vの範囲であるから、負極性駆動回路23dに供給すべき電源電圧VDD −は、−5Vである。このように、本実施の形態の液晶表示装置10は、正極性駆動回路23d、負極性駆動回路23dの両方に供給される電源電圧(の絶対値)を、液晶容量に印加され得る最大電圧と同程度まで低減させることが可能である;図1の公知の液晶ドライバでは、正極性ドライバ部103の駆動回路103dには、液晶容量に印加され得る最大電圧の2倍以上の電源電圧を供給する必要があることに留意されたい。正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dの消費電力は、概ね、それに供給される電源電圧に比例するから、高い電源電圧の供給を不要化することは、液晶ドライバ2の消費電力を低減するために有効である。
上述の動作では、共通電位VCOMは、液晶ドライバ2の接地電位、又は該接地電位に近い電位に選択される。ここで、共通電位VCOMが液晶ドライバ2の接地電位に一致する必要はないことに留意されるべきである。正極性データ信号の電位が共通電位VCOMよりも高く、負極性データ信号の電位が共通電位VCOMよりも低いという条件を満足する限り、共通電位VCOMは、液晶ドライバ2の接地電位と同一の電位に限られない。例えば、正極性データ信号がとり得る電位の範囲が1.0V〜5.0Vであり、負極性データ信号がとり得る電位の範囲が−5.0V〜−1.0Vである場合に、共通電位VCOMが−0.5Vであることが可能である。共通電位VCOMが液晶ドライバ2の接地電位と相違することは、むしろ、画素13に所望の階調を表示させるために都合が良い場合がある。具体的には、共通電位VCOMを負の電位に設定することにより、ゲート線12がプルダウンされたときに、ゲート線12と画素電極13bとの容量結合によって画素電極13bの電位が不所望に変動する影響をキャンセルすることができる。
液晶表示装置10のもう一つの特徴は、データ線11を液晶ドライバ2の接地電位にプリチャージする点にある。プリチャージは、プリチャージスイッチ回路23e、24eにより行われる。プリチャージは、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dを構成する素子に、高い電圧が印加されることを防止するために重要である。例えば、負極側駆動回路24dによって負の電位に駆動されているデータ線11が正極側駆動回路23dに接続されると、正極側駆動回路23dを構成する素子には、最大で、液晶容量に印加され得る最大の電圧の2倍の電圧が印加され得る。しかし、データ線11を正極側駆動回路23dに接続する前にデータ線11を接地電位にプリチャージすれば、正極側駆動回路23dを構成する素子には高い電圧が印加されない。負極側駆動回路24dについても同様である。
データ線11がプリチャージされる電位が液晶ドライバ2の接地電位であることは、プリチャージに必要な電力を低減するために重要である;共通電位VCOMが、液晶ドライバ2の接地電位に一致しない場合でも、データ線11がプリチャージされる電位は液晶ドライバ2の接地電位であることに留意されたい。図1の液晶表示装置のように、データ線を接地電位でない、ある電位(図1の構成では、液晶駆動電圧の1/2、又は共通電位VCOM)を有する電源ラインに電気的に接続することによって当該データ線をプリチャージする構成は、プリチャージの時に当該電源ラインに電流が流れ込み、又は当該電源ラインから電流が流れ出すことによって当該電源ラインの電位が変動することを防ぐ必要がある。このためには、電源ラインを該電位に維持するための回路に電力を供給する必要がある。一方、液晶表示パネル1のデータ線11を液晶ドライバ2の接地電位にプリチャージする本実施の形態の液晶表示装置10の構成は、プリチャージされる電位に電源ラインを維持するための電力が不要である。データ線11を接地電位にプリチャージする本実施の形態の構成は、電力消費を低減するために有効である。
(5)本実施形態の液晶表示装置の動作の具体例
図7は、本実施の形態の液晶表示装置10の好適な動作を示すタイミングチャートである。図7の動作では、ドット反転駆動、即ち、水平方向、及び垂直方向のいずれに隣接する画素13に供給されるデータ信号の極性が反対であるような反転駆動)が行われる。ドット反転駆動では、各データ線11に供給されるデータ信号の極性は、水平期間ごとに反転されることに留意されたい。
第m水平期間が開始されると、選択ラインの画素の画素データが、極性切り替えスイッチ群21に供給される。加えて、極性信号POL及びスイッチ信号DOT_SWが切り替えられ、これにより、極性切り替えスイッチ群21、25の接続関係が、第m水平期間においてデータ線11に供給されるデータ信号の極性に対応するように切り替えられる。更に、ラッチ信号STBが活性化され、画素データが、正極側ドライバ部23、負極側ドライバ部24のラッチ回路23a、24aに取り込まれる。
第m水平期間の開始時には、更に、プリチャージ信号GND_SWが活性化される。これにより、プリチャージスイッチ回路23e、24eのスイッチ23f、24fがターンオンされ、全てのデータ11が液晶ドライバ2の接地電位にプリチャージされる。既述のように、データ線11が液晶ドライバ2の接地電位にプリチャージされることは、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dを構成する素子に大きな電圧が印加されることを防ぐために重要である。
プリチャージが完了した後、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dが活性化される。活性化されると、正極側駆動回路23d及び負極側駆動回路24dは、各データ線11を画素データに対応する信号レベルに駆動する。加えて、選択されたラインのゲート線12が活性化され、選択されたラインの画素13の液晶容量に駆動電圧が書き込まれる。図7の動作では、データ線111は、第m水平期間において液晶ドライバ2の接地電位に対して正極性である電位に駆動される。
第m水平期間に続く第m+1水平期間では、第m+1水平期間における各データ線11の極性が、第m水平期間における極性と反対になるようにデータ線11が駆動される。具体的には、第m+1水平期間の開始時に極性信号POL及びスイッチ信号DOT_SWが反転される。データ線11に供給されるデータ信号の極性が反転されることに伴い、データ11が液晶ドライバ2の接地電位にプリチャージされ、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dを構成する素子に大きな電圧が印加されることを防止される。
図7の動作では、各水平期間の開始時にプリチャージ信号GND_SWが活性化されてデータ線11がプリチャージされているが、データ線11に供給されるデータ信号の極性が反転されない場合には、データ線11はプリチャージされる必要はない。データ線11に供給されるデータ信号の極性が反転されない場合にデータ線11がプリチャージされないことは、むしろ、余計な電力消費の発生を低減するために有効である。
例えば、図8に示されているように、2H反転駆動、即ち、垂直方向に2画素の周期で画素13に供給されるデータ信号の極性が反転される反転駆動では、2水平期間の周期でデータ線11に供給されるデータ信号の極性が反転される。従って、各水平期間の開始時にデータ線11はプリチャージされる必要はない。例えば図8の動作では、データ線111には、第m水平期間及び第m+1水平期間において、いずれも正の極性のデータ信号が供給される。この場合、第m+1水平期間の開始時にはプリチャージは行われない。一方、第m+1水平期間に続く第m+2水平期間では、データ線11に供給されるデータ信号の極性が反転される。第m+2水平期間の開始時にはデータ線11がプリチャージされ、これにより、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dを構成する素子に大きな電圧が印加されることを防止される。
図9に示されているように、V方向反転駆動、即ち、一のフレーム期間において同一のデータ線11に接続されている画素13に印加されるデータ信号の極性が同じであるような反転駆動でも同様である。V方向反転駆動では、一のフレーム期間の途中でデータ線11に供給されるデータ信号の極性が反転されることはない。従って、V方向反転駆動が行われる場合、あるフレーム期間の先頭の水平期間においてプリチャージが行われた後は、当該フレーム期間の残りの水平期間ではプリチャージは行われない。次のフレーム期間の先頭の水平期間ではデータ信号の極性が反転されるため、当該先頭の水平期間の開始時にプリチャージが行われる。
2. 第2の実施形態
(1) 本実施形態における液晶表示装置の構成
図10Aは、本発明の第2の実施形態の液晶表示装置10Aの構成を示すブロック図である。本実施形態の液晶表示装置10Aの基本的な構成は、第1の実施形態の液晶表示装置10と同様である;図10Bに示されているように、液晶ドライバの正極側ドライバ部23は、液晶ドライバの接地電位を基準として正極性である正極性データ信号を生成するように構成され、負極側ドライバ部24は、当該接地電位を基準として負極性である負極性データ信号を生成するように構成される。このようなアーキテクチャが、液晶ドライバ2の消費電力の低減に有効であることは、既述されているとおりである。
大きな相違点は、第2の実施形態では、時分割駆動が採用されることにある。時分割駆動とは、複数のデータ線を逐次に選択することによって画素にデータ信号の書き込みを時分割的に行う駆動方法である。かかる時分割駆動は、データ信号を出力する駆動回路の数を減少でき、更に、液晶ドライバと液晶表示パネルとを接続する配線の数を減少できるという利点から、液晶表示装置に広く採用される技術の一つである。
時分割駆動の採用に伴い、液晶表示パネル及び液晶ドライバの構成が、第1の実施形態から下記のように変更される;構成が変更されている本実施の形態の液晶表示パネル及び液晶ドライバは、以下では、液晶表示パネル1A、及び液晶ドライバ2Aと記述される。
本実施の形態では、同一のデータ線11に接続されている画素13は、同一の色に対応付けられる。具体的には、データ線111、114、・・・に接続されている画素13は、赤色(R)に対応付けられ、データ線112、115、・・・に接続されている画素13は、緑色(G)に対応付けられ、データ線113、116、・・・に接続されている画素13は、青色(B)に対応付けられる。赤に対応付けられている画素13は、赤色を表示するために使用され、緑に対応付けられている画素13は、緑色を表示するために使用され、青に対応付けられている画素13は、青色を表示するために使用される。以下では、画素13と色との対応関係を明らかにするために、赤、緑、青に対応付けられている画素13を、それぞれR画素13、G画素13、B画素13と記載することがある。
加えて、液晶表示パネル1Aには、複数のデータ線11に対して一つずつ入力端子16が設けられる。本実施の形態では、3本のデータ線11に対して1つの入力端子16が設けられている。例えば、データ線111〜113に対応して入力端子161が設けられ、データ線114〜116に対応して入力端子162が設けられている。
更に、データ線11と入力端子16との間には、3本のデータ線11のうちの所望のデータ線を選択して対応する入力端子16に接続するためのセレクタ17が設けられる。例えば、セレクタ171は、データ線111〜113のうちの所望のデータ線を入力端子161に接続し、セレクタ172は、データ線114〜116のうちの所望のデータ線を入力端子162に接続するように構成されている。セレクタ17は、液晶ドライバ2から供給される制御信号RSW、GSW、BSWに応答して、所望のデータ線11を対応する入力端子16に接続する。各セレクタ17は、図11に示されているように、3つのスイッチ:Rスイッチ18、Gスイッチ19、Bスイッチ20で構成されている。Rスイッチ18は、R画素13に接続されているデータ線11と入力端子16との間に介設されており、液晶ドライバ2Aから送られる制御信号RSWが活性化されるとターンオンする。同様に、Gスイッチ19は、G画素13に接続されているデータ線11と入力端子16との間に介設されており、液晶ドライバ2Aから送られる制御信号GSWが活性化されるとターンオンする。更に、Bスイッチ20は、B画素13に接続されているデータ線11と入力端子16との間に介設されており、液晶ドライバ2Aから送られる制御信号BSWが活性化されるとターンオンする。
図10に戻り、第2の実施形態の液晶ドライバ2Aは、下記の点で第1の実施形態の液晶ドライバ2と相違している:第1に、正極側ドライバ部23、負極側ドライバ部24は、複数のデータ線11に接続された画素13にデータ信号が供給可能であるように、その構成が変更されている。具体的には、正極側ドライバ部23、負極側ドライバ部24のラッチ回路23a、24aは、複数のデータ線11に対応する画素の画素データを保持できるように構成が変更される。更に、ラッチ回路23a、24aに保持されている画素データを選択するためのRGBセレクタ23h、24hが、正極側ドライバ部23、負極側ドライバ部24に、それぞれに設けられる。RGBセレクタ23h、24hは、セレクタ17によって選択されたデータ線11に対応する画素データを、レベルシフタ23b、24bを介してD/Aコンバータ23c、24cに供給する。
第2に、液晶ドライバ2Aには、RGBスイッチタイミング生成回路29と、RGBセレクタ制御回路30が追加的に設けられる。RGBスイッチタイミング生成回路29は、データ線11を選択するために使用される制御信号RSW、BSW、GSWを生成する回路である;RGBスイッチタイミング生成回路29は、所望のデータ線11が入力端子16に接続されるように、制御信号RSW、BSW、GSWを生成する。RGBセレクタ制御回路30は、RGBセレクタ23h、24hを制御する回路である;RGBセレクタ制御回路30は、制御信号をRGBセレクタ23h、24hに供給して、選択されたデータ線11に対応する画素データをRGBセレクタ23h、24hに選択させる。データ信号は、RGBセレクタ23h、24hによって選択された画素データに応答して生成される。
(2) 本実施形態の液晶表示装置の動作の概要
本実施の形態では、液晶表示パネル1Aの駆動に、時分割駆動とドット反転駆動が併用される。即ち、同一の入力端子16に接続されている3本のデータ線11を逐次に選択することによって、画素13にデータ信号の書き込みが時分割的に行われる。このとき、データ信号の書き込みは、垂直方向及び水平方向に隣接する画素13に書き込まれるデータ信号の極性が逆であるように行われる。ドット反転駆動では、隣接するデータ線11に生成される電位が逆であることに留意されたい。
データ線11が逐次に選択されることと関連して、本実施形態では、第1の実施形態とは異なる手順でプリチャージが行われる。第1に、データ線11のプリチャージは、図11に示されているように、Rスイッチ18、Gスイッチ19、Bスイッチ20の全てがターンオンされた状態で行われる;言い換えれば、全てのデータ線11が対応する入力端子16に接続された状態でプリチャージスイッチ回路23e、24eのスイッチ23g、24gがターンオンされる。これにより、全てのデータ線11が、同時に、液晶ドライバ2Aの接地電位にプリチャージされる。
全てのデータ線11が同時にプリチャージされることは、下記の理由からノイズの低減に有利である。ドット反転駆動では、隣接するデータ線11に生成される電位が逆であるから、1つの入力端子16に接続されているデータ線11のうちの2本のデータ線の電荷は、ほぼキャンセルされる。したがって、プリチャージスイッチ回路23e、23eのそれぞれに流れ込む電荷は、高々1本のデータ線11から流れ込む電荷に過ぎない。例えば、データ線111、113に正の電位が生成され、データ線112に負の電位が生成されている状態で、データ線111〜113のプリチャージが行われる場合、データ線111、113のうちの一方の電荷と、データ線112の電荷とが、ほぼ打ち消しあう。したがって、プリチャージスイッチ23eの接地端子23gに流れ込む電荷は、概ね、データ線111〜113の一本に蓄積されている電荷にすぎない。これは、液晶ドライバ2Aの接地電位の変動を抑制し、ノイズを有効に低減する。
第2の相違点は、データ線11のプリチャージとは別に、液晶表示パネル1Aの入力端子16(及び、それに接続されている配線4)のプリチャージが行われることである。これは、第2の実施形態では、データ線11が切り替えられる毎に入力端子16の電位が反転される必要があるからである。例えば、入力端子161を介してデータ線111に正極性データ信号が供給され、その後、データ線112に負極性データ信号が供給される場合を考える。データ線111に正極性データ信号が供給された後は、入力端子161には正の電位が残存している。入力端子161に正の電位が残存している状態で、入力端子161を負極性駆動回路24dに接続すると、負極性駆動回路24dを構成する素子に大きな電圧が印加されるおそれがある。したがって、入力端子161を負極性駆動回路24dに接続する前に、入力端子161を液晶ドライバ2Aの接地電位にプリチャージする必要がある。図12に示されているように、入力端子16のプリチャージは、Rスイッチ18、Gスイッチ19、Bスイッチ20の全てがターンオフされた状態で、プリチャージスイッチ回路23e、24eのスイッチ23g、24gをターンオンすることによって行われる。
全てのデータ線11を順次に駆動するために必要な周期を短縮するためには、入力端子16のプリチャージ時間は、データ線11のプリチャージ時間よりも短いことが好適である;ここで、入力端子16のプリチャージ時間とは、データ線11が入力端子16から電気的に切り離された状態で、入力端子16が液晶ドライバ2Aの接地端子23g、24gに接続され続ける時間をいい、データ線11のプリチャージ時間とは、データ線11が液晶ドライバ2Aの接地端子23g、24gに接続され続ける時間をいう。確かに、入力端子16のプリチャージ時間は、入力端子16を接地電位にプリチャージするのに充分な時間だけは必要であるが、入力端子16のプリチャージ時間が、データ線11のプリチャージ時間よりも短くされることは動作の上で問題にならない。なぜなら、液晶表示パネル1Aの入力端子16、及び、それに接続されている配線4の容量は、データ線11の容量と比較して極めて小さいからである。典型的には、各データ線11の容量が数十pFであるのに対し、液晶表示パネル1Aの入力端子16、及び、それに接続されている配線4の容量は合計で数pFである。入力端子16のプリチャージ時間が、データ線11のプリチャージ時間よりも短くされることは、むしろ、全てのデータ線11を順次に駆動するために必要な時間を短縮し、ひいては、許容される最小の水平期間を小さくできるため好適である。
(3) 本実施形態の液晶表示装置の動作の具体例
図13は、本実施形態の液晶表示装置10Aの好適な動作を示すタイミングチャートである。
第m水平期間が開始されると、選択ラインの画素の画素データが、極性切り替えスイッチ群21に供給される。加えて、極性信号POL及びスイッチ信号DOT_SWが切り替えられる。これにより、極性切り替えスイッチ群21の接続関係が、第m水平期間において各データ線11に供給されるデータ信号の極性に対応するように切り替えられ、極性切り替えスイッチ群25の接続関係が、第m水平期間においてR画素13に接続されているデータ線11に供給されるべきデータ信号の極性に対応するように切り替えられる。更に、ラッチ信号STBが活性化され、画素データが、正極側ドライバ部23、負極側ドライバ部24のラッチ回路23a、24aに取り込まれる。
第m水平期間の開始時には、更に、プリチャージ信号GND_SW、及び制御信号RSW、GSW、BSWの全てが活性化される。これにより、図11に示されているように、全てのセレクタ17のRスイッチ18、Gスイッチ19、Bスイッチ20、及びプリチャージスイッチ回路23e、24eのスイッチ23f、24fがターンオンされ、全てのデータ11が液晶ドライバ2の接地電位にプリチャージされる。既述のように、データ線11が液晶ドライバ2の接地電位にプリチャージされることは、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dを構成する素子に大きな電圧が印加されることを防ぐために重要である。
プリチャージが完了した後、R画素13に接続されているデータ線11にデータ信号が供給され、選択ラインのR画素13へのデータ信号の書き込みが行われる。詳細には、RGBセレクタ23h、24hにより、R画素13に対応する画素データが選択され、更に、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dは、選択された画素データに対応するデータ信号を生成する;正極側駆動回路23dが生成するデータ信号の極性は、液晶ドライバ2の接地電位に対して正であり、負極側駆動回路24dが生成するデータ信号の極性は、液晶ドライバ2の接地電位に対して負であることに留意されたい。更に、図13に示されているように、制御信号RSWが選択的に活性化され、R画素13に接続されているデータ線11が入力端子16に接続される;制御信号GSW、BSWは非活性化される。これにより、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dによって生成されたデータ信号が、R画素13に接続されているデータ線11に供給される。加えて、選択ラインに対応するゲート線12が活性化され、選択ラインのR画素13に所望のデータ信号が書き込まれる。
続いて、選択ラインのG画素13へのデータ信号の書き込みが行われる。選択ラインのG画素13へのデータ信号の書き込みは、まず、入力端子16のプリチャージで開始される。詳細には、制御信号RSW、GSW、BSWの全てが非活性化された状態で、プリチャージ信号GND_SWが活性化される。これにより、図12に示されているように、データ線11が入力端子16から切り離された状態で入力端子16が液晶ドライバ2Aの接地端子に接続され、入力端子16(及びそれに接続されている配線4)が、液晶ドライバ2Aの接地電位にプリチャージされる。このプリチャージでは、データ線11はプリチャージされないことに留意されたい。既述の通り、入力端子16のプリチャージ時間は、データ線11のプリチャージ時間よりも短い。
図13に示されているように、入力端子16のプリチャージの間に、極性信号POL及びスイッチ信号DOT_SWが切り替えられる。これにより、極性切り替えスイッチ群25の接続関係が、第m水平期間においてG画素13に接続されているデータ線11に供給されるべきデータ信号の極性に対応するように切り替えられる。
続いて、G画素13に接続されているデータ線11にデータ信号が供給される。詳細には、RGBセレクタ23h、24hにより、G画素13に対応する画素データが選択され、更に、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dは、選択された画素データに対応するデータ信号を生成する。更に、制御信号GSWが選択的に活性化され、G画素13に接続されているデータ線11が入力端子16に接続される。これにより、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dによって生成されたデータ信号が、G画素13に接続されているデータ線11に供給される。加えて、選択ラインに対応するゲート線12が活性化され、選択ラインのG画素13に所望のデータ信号が書き込まれる。
引き続き、選択ラインのB画素13へのデータ信号の書き込みが行われる。その手順は、RGBセレクタ23h、24hによってB画素13に対応する画素データが選択され、制御信号BSWが選択的に活性化される点を除いて、上述されたG画素13へのデータ信号の書き込みと同一である。
第m水平期間に続く他の水平期間でも、同様の手順でデータ信号の書き込みが行われる。
以上に説明されているように、第2の実施形態の液晶表示装置では、液晶ドライバが、該液晶ドライバの接地電位に対して正の極性を有するデータ信号を生成する正極性駆動回路と、該接地電位に対して負の極性を有するデータ信号を生成する負極性駆動回路とを含んで構成される。このようなアーキテクチャは、液晶ドライバの消費電力を有効に低減させる。
更に、液晶表示パネルのデータ線は、該液晶ドライバの接地電位にプリチャージされる。このようなアーキテクチャは、正極性駆動回路、負極性駆動回路を構成する素子に高電圧が印加されることを防ぐとともに、プリチャージに必要な電力を有効に低減させる。
なお、本実施形態において、入力端子16のプリチャージはデータ信号の書き込みが行われる毎に行われる必要はない。各水平期間の開始時にのみ、全てのデータ線11と入力端子16のプリチャージが行われることも可能である。各水平期間の開始時にのみプリチャージが行われる動作は、正極側駆動回路23dや極性切り換えスイッチ群25を構成する回路素子の許容耐圧が多少高くなるものの、全てのデータ線11を順次に駆動するために必要な周期を短縮するために有効である。
3. 第3の実施形態
図14は、本発明の第3の実施形態に係る液晶表示装置に搭載される液晶ドライバ2Bの構成を示す図である。第3の実施形態の液晶表示装置は、第1の実施形態の液晶表示装置10とほぼ同様の構成を有している;相違点は、第3の実施形態では、正極側ドライバ部23、負極側ドライバ部24のプリチャージスイッチ回路23e、24eに代えて、プリチャージダイオード回路41、42が使用される点である。
図15A、図15Bに示されているように、プリチャージダイオード回路41は、ダイオード素子43と、接地端子45とで構成されている。ダイオード素子43のカソードは、正極側駆動回路23dの出力に接続されたノードN1に接続され、アノードは接地端子45に接続される。同様に、プリチャージダイオード回路42は、ダイオード素子44と接地端子46とで構成される。ダイオード素子44のカソードは、接地端子46に接続され、アノードは、負極側駆動回路24dの出力に接続されたノードN2に接続される。
本実施形態の液晶表示装置の一つの特徴は、ダイオード素子43、44を介してデータ線11及び入力端子16のプリチャージが行われる点にある。ダイオード素子43、44をプリチャージに使用することの利点は、タイミング制御が容易になり、プリチャージに必要な時間を短縮することができる点にある。以下、ダイオード素子43、44の使用の利点を詳細に説明する。
図7を参照して、第1の実施形態では、プリチャージの際にはアンプ出力制御信号AMP_HIZとプリチャージ信号GND_SWが活性化される。図7には両者が同時に活性化されるように図示されているが、厳密には、アンプ出力制御信号AMP_HIZが先に活性化されてスイッチ23j、24jがターンオフされた後に、プリチャージ信号GND_SWが続いて活性化されなくてはならない。なぜなら、そうでなければアンプ23k、24kの出力端子に高電圧が印加され得るからである。更に、プリチャージの終了時には、プリチャージ信号GND_SWが非活性化された後に、アンプ出力制御信号AMP_HIZが非活性化されてスイッチ23j、24jがターンオンされる必要がある。そうでなければ、アンプ23k、24kの出力端子が電気的に接地端子23g、24gに接続されてしまう。このように、第1の実施形態の液晶表示装置では、アンプ出力制御信号AMP_HIZとプリチャージ信号GND_SWのタイミングを適切に制御することが必要になる。
しかし、アンプ出力制御信号AMP_HIZとプリチャージ信号GND_SWのタイミングを適切に制御するためには、プリチャージに必要な時間(即ち、アンプ出力制御信号AMP_HIZが活性化された後、非活性化されるまでの時間)を長くとる必要がある。プリチャージに必要な時間が長いことは、1水平期間を短くする必要がある場合、例えば、液晶パネル1のライン数が多い場合に特に問題である。
本実施形態の液晶表示装置は、ダイオード素子43、44をプリチャージに使用することによってプリチャージ信号GND_SWの生成を不要にする。このような構成は、タイミング制御を容易化し、プリチャージに必要な時間を有効に短縮する。以下、本実施形態の液晶表示装置の動作を詳細に説明する。
図16を参照して、初期状態では、極性信号POL及びスイッチ信号DOT_SWが非活性化されており、且つ、データ線111が負の電位に駆動され、データ線112が正の電位に駆動されていたとする。スイッチ信号DOT_SWが非活性化されていることに応答して、極性切り換えスイッチ群25は、正極性ドライバ部23の正極側駆動回路23dの出力をデータ線112に接続し、負極性ドライバ部24の負極側駆動回路24dの出力をデータ線111に接続している。
第m水平期間が開始されると、アンプ出力制御信号AMP_HIZが活性化される。これにより、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dのスイッチ23j、24jがターンオフされ、正極側駆動回路23dの出力がハイ・インピーダンス状態に設定される。
更に、選択ラインの画素の画素データが、極性切り替えスイッチ群21に供給される。加えて、極性信号POLが切り替えられる。極性信号POLが反転されることにより、極性切り替えスイッチ群21の接続関係が、第m水平期間においてデータ線11に供給されるデータ信号の極性に対応するように切り替えられる。更に、ラッチ信号STBが活性化され、画素データが、正極側ドライバ部23、負極側ドライバ部24のラッチ回路23a、24aに取り込まれる。
加えて、スイッチ信号DOT_SWが活性化されることにより、正極性ドライバ部23及び負極性ドライバ部24と、データ線111、112の間の接続関係が切り替えられる。具体的には、図15に示されているように、極性切り換えスイッチ群25は、データ線111を正極側ドライバ部23の正極側駆動回路23dの出力に接続し、データ線112を負極側ドライバ部24の負極側駆動回路24dの出力に接続する。
極性切り換えスイッチ群25の接続関係が切り替えられることにより、自動的に、データ線111、112がダイオード素子43、44を介してプリチャージされる。詳細には、第m水平期間の開始時にはデータ線111は負の電位を有しているから、極性切り換えスイッチ群25の接続関係の切り換えによってダイオード素子43は順方向にバイアスされる。従って、データ線111は、ダイオード素子43を介して接地端子45に電気的に接続されて、データ線111上の負の電荷がダイオード素子43を介して接地端子45に流れ込む。即ち、データ線111は、接地電位に、厳密に言えば、電位−φFにプリチャージされる。ここで、φFは、ダイオード素子43の順方向電圧である。
同様に、第m水平期間の開始時にはデータ線112は正の電位を有しているから、図15に示されているように、極性切り換えスイッチ群25の接続関係の切り換えによってデータ線112と接地端子46の間に接続されるダイオード素子44は順方向にバイアスされる。従って、データ線112がダイオード素子44を介して接地端子46に電気的に接続され、データ線112上の正の電荷がダイオード素子44を介して接地端子46に流れ込む。従って、図16に示されているように、データ線112は、接地電位に、厳密に言えば、電位+φFにプリチャージされる。ここで、φFは、ダイオード素子44の順方向電圧である。
既述のように、データ線11がダイオード素子43、44を介して自動的にプリチャージされることは、プリチャージに必要な時間を短縮するために有効である。
プリチャージが完了した後、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dが活性化される。具体的には、アンプ出力制御信号AMP_HIZが非活性化され、正極側駆動回路23d及び負極側駆動回路24dは、対応するデータ線11を画素データに対応する信号レベルに駆動し始める。加えて、選択されたラインのゲート線12が活性化され、選択されたラインの画素13の液晶容量に駆動電圧が書き込まれる。図16の動作では、データ線111は、第m水平期間において液晶ドライバ2の接地電位に対して正極性である電位に駆動され、データ線112は、接地電位に対して負極性である電位に駆動される。
第m水平期間に続く第m+1水平期間では、各データ線11の極性が第m水平期間における極性と反対になるようにデータ線11が駆動される点を除いて、同様の手順でデータ線11が駆動される。
具体的には、第m+1水平期間の開始時に極性信号POL及びスイッチ信号DOT_SWが反転され、更に、アンプ出力制御信号AMP_HIZが活性化される。これにより、図15Bに示されているように、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dの出力がハイ・インピーダンスに設定されると共に、データ線111がダイオード44のアノードに、データ線112がダイオード43のカソードに電気的に接続される。第m+1水平期間の開始時にはデータ線111は正の電位を有しており、データ線112は負の電位を有しているから、ダイオード43、44は順方向にバイアスされる。従って、データ線111は、ダイオード素子44を介して接地端子46に電気的に接続されて、データ線112がダイオード素子43を介して接地端子45に電気的に接続され、データ線111、112がプリチャージされる。プリチャージされている間のデータ線111、112の電位は、それぞれ、電位+φF、電位−φFである。
プリチャージが完了した後、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dが活性化される。具体的には、アンプ出力制御信号AMP_HIZが非活性化され、正極側駆動回路23d及び負極側駆動回路24dは、対応するデータ線11を画素データに対応する信号レベルに駆動し始める。加えて、選択されたラインのゲート線12が活性化され、選択されたラインの画素13の液晶容量に駆動電圧が書き込まれる。図16の動作では、データ線111は、第m+1水平期間において液晶ドライバ2の接地電位に対して負極性である電位に駆動され、データ線112は、接地電位に対して正極性である電位に駆動される。
第m水平期間に続く他の水平期間でも、同様の手順でデータ信号の書き込みが行われる。
以上に説明されているように、第3の実施形態では、データ線がダイオード素子を介して接地端子に接続されることによってデータ線がプリチャージされる。ダイオード素子の使用により、データ線のプリチャージが自動的に行われ、これにより、プリチャージの間の動作タイミングの制御が容易になる。これは、プリチャージに必要な時間を短縮するために有効である。
なお、本実施形態において「ダイオード素子」という用語は、一般的に使用されるpn接合ダイオードのみならず、ダイオードとして機能するトランジスタを含む意味で使用されていることに留意されたい。例えば、図17に示されているように、ダイオード素子43としては、ゲートとバックゲート(基板端子)との両方が接地されたNチャネルMOSトランジスタ43Aが使用されることが可能である。この場合、NチャネルMOSトランジスタ43Aのドレインが接地端子45に接続され、ソースが正極側駆動回路23dの出力に接続されたノードN1に接続される。NチャネルMOSトランジスタ43Aの基板とソース間の寄生ダイオードがプリチャージのためのダイオードとして機能する。また、ダイオード素子44としては、ゲートとバックゲート(基板端子)との両方が接地されたPチャネルMOSトランジスタ43Aが使用されることが可能である。この場合、PチャネルMOSトランジスタ43Aのドレインが接地端子46に接続され、ソースが負極側駆動回路24dの出力に接続されたノードN2に接続される。PチャネルMOSトランジスタ44Aのソースと基板の間の寄生ダイオードがプリチャージのためのダイオードとして機能する。
図17のNチャネルMOSトランジスタ43A、PチャネルMOSトランジスタ44Aは、必要がある場合には、ダイオードではなく、プリチャージのためのスイッチとして機能させることも可能である。具体的には、NチャネルMOSトランジスタ43Aのゲートを”High”レベルに、PチャネルMOSトランジスタ44Aのゲートを”Low”レベルに設定すれば、NチャネルMOSトランジスタ43A、PチャネルMOSトランジスタ44Aがターンオンし、NチャネルMOSトランジスタ43A、PチャネルMOSトランジスタ44Aは、データ線11を接地電位にプリチャージするスイッチとしても機能する。ここで、PチャネルMOSトランジスタ44Aのゲートが駆動される”Low”レベルは、負電位である必要があることに留意されたい。
このような動作は、データ線11を完全に接地電位にプリチャージするために有効である。NチャネルMOSトランジスタ43A、PチャネルMOSトランジスタ44Aがダイオードとして機能する場合には、上述のように、データ線11は、厳密には接地電位ではなく、電位±φFにプリチャージされる。NチャネルMOSトランジスタ43A、PチャネルMOSトランジスタ44Aをターンオンすることにより、必要な場合にデータ線11を完全に接地電位にプリチャージすることができる。
4. 第4の実施形態
図18は、本発明の第4の実施形態の液晶表示装置に使用される液晶ドライバ2Cの構成を示すブロック図である。本実施形態の液晶表示装置の基本的な構成は、第2の実施形態の液晶表示装置10とほぼ同様である;液晶ドライバ2Cの正極側ドライバ部23は、液晶ドライバ2の接地電位を基準として正極性である正極性データ信号を生成するように構成され、負極側ドライバ部24は、当該接地電位を基準として負極性である負極性データ信号を生成するように構成される。更に、第2の実施形態の液晶ドライバ2Aと同様に、本実施形態の液晶ドライバ2Cは時分割駆動に対応した構成を有している。
相違点は、正極側ドライバ部23、負極側ドライバ部24において、プリチャージスイッチ回路23e、24eの代わりにプリチャージダイオード回路51、52が使用される点である。ただし、本実施形態では、第3の実施形態のプリチャージダイオード回路41、42とは異なり、プリチャージダイオード回路51、52は、一対のプリチャージ信号GND_SWN、GND_SWPに応答して動作することに留意されたい。プリチャージ信号GND_SWN、GND_SWPは、プリチャージタイミング生成回路27によって生成される。
プリチャージ信号GND_SWN、GND_SWPは、信号レベルの範囲が相違していることに留意されたい。プリチャージ信号GND_SWNは、所定の正電位(例えば、+5V)が”High”レベルとして定義され、液晶ドライバ2Cの接地電位が”Low”レベルとして定義される。一方、プリチャージ信号GND_SWPは、液晶ドライバ2Cの接地電位が”High”レベルとして定義され、所定の負電位(例えば、−5V)が”Low”レベルとして定義される。
図19は、プリチャージダイオード回路51、52の構成を示す回路図である。プリチャージダイオード回路51は、NチャネルMOSトランジスタ53と接地端子55とを備えている。NチャネルMOSトランジスタ53は、そのドレインが接地端子55に接続され、ソースが正極側駆動回路23dの出力に接続されたノードN1に接続されている。NチャネルMOSトランジスタ53のバックゲート(基板端子)は接地される。NチャネルMOSトランジスタ53のゲートにはプリチャージ信号GND_SWNが供給される。
プリチャージダイオード回路51のNチャネルMOSトランジスタ53は、プリチャージ信号GND_SWNに応答してプリチャージを行うためのオンオフスイッチとして機能し、更に、自動的にプリチャージを行うためのダイオードとしても機能する。プリチャージ信号GND_SWNが”High”レベル(例えば、+5V)に設定されると、NチャネルMOSトランジスタ53がターンオンし、これにより、データ線11が接地電位にプリチャージされる。一方、プリチャージ信号GND_SWNが”Low”レベル(即ち、接地電位)に設定されると、ソースと基板の間の寄生ダイオードの存在により、NチャネルMOSトランジスタ53は、ダイオードとして機能する。即ち、ノードN1の電位が接地電位よりも低くなると、寄生ダイオードに順方向バイアスが印加され、接地端子55とノードN1とが電気的に接続される。これにより、データ線11が接地電位に、厳密には電位−φFにプリチャージされる。
同様に、プリチャージダイオード回路52は、PチャネルMOSトランジスタ54と接地端子56とを備えている。PチャネルMOSトランジスタ54は、そのドレインが接地端子56に接続され、ソースが負極側駆動回路24dの出力に接続されたノードN2に接続されている。NチャネルMOSトランジスタ53のバックゲート(基板端子)は接地される。PチャネルMOSトランジスタ54のゲートにはプリチャージ信号GND_SWPが供給される。
NチャネルMOSトランジスタ53と同様に、PチャネルMOSトランジスタ54は、プリチャージ信号GND_SWPに応答してプリチャージを行うためのオンオフスイッチとして機能し、更に、自動的にプリチャージを行うためのダイオードとしても機能する。プリチャージ信号GND_SWPが”High”レベル(例えば、+5V)に設定されると、PチャネルMOSトランジスタ54がターンオンし、これにより、データ線11が接地電位にプリチャージされる。一方、プリチャージ信号GND_SWPが”Low”レベル(即ち、接地電位)に設定されると、ソースと基板の間の寄生ダイオードの存在により、PチャネルMOSトランジスタ54は、ダイオードとして機能する。即ち、ノードN2の電位が接地電位よりも高くなると、寄生ダイオードに順方向バイアスが印加され、接地端子56とノードN2とが電気的に接続される。これにより、データ線11が接地電位に、厳密には電位+φFにプリチャージされる。
本実施形態の液晶表示装置が、NチャネルMOSトランジスタ53、PチャネルMOSトランジスタ54をオンオフスイッチとダイオードの両方として機能させるように構成されているのは、以下の技術的理由による。
NチャネルMOSトランジスタ53、PチャネルMOSトランジスタ54をダイオードとして機能させてデータ線11をプリチャージすることは、第3の実施形態で説明されているように、プリチャージを行う動作のタイミング制御を容易になるという利点がある。しかしながら、ダイオードを介するプリチャージでは、データ線11は完全には接地電位にはプリチャージされない;データ線11は、電位+φF、又は電位−φFにプリチャージされる。これは、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24d及び極性切り換えスイッチ群25を構成する回路素子に印加される電圧の低減には好ましくない。
逆に、NチャネルMOSトランジスタ53、PチャネルMOSトランジスタ54をプリチャージ信号GND_SWN、GND_SWPに応答するオンオフスイッチとして機能させてデータ線11をプリチャージすると、データ線11は、ほぼ完全に接地電位にプリチャージされる。しかしながら、NチャネルMOSトランジスタ53、PチャネルMOSトランジスタ54をオンオフスイッチとして機能させることは、プリチャージ動作の間の動作タイミングの制御には好適でない。
本実施形態の液晶表示装置は、オンオフスイッチとしての機能とダイオードとしての機能の利点の両方を有効に活用するものである。具体的には、各水平期間の開始時にデータ線11(及び入力端子16)をプリチャージする場合には、NチャネルMOSトランジスタ53及びPチャネルMOSトランジスタ54はオンオフスイッチとして機能する。一方、各水平期間の中間において入力端子16のみをプリチャージする場合には、NチャネルMOSトランジスタ53及びPチャネルMOSトランジスタ54がダイオードとして機能させる。第2の実施形態で説明されているように、入力端子16のみのプリチャージに必要な時間は、データ線11のプリチャージに必要な時間よりも短い。従って、入力端子16のみのプリチャージには、シビアな動作タイミングの制御が要求される。このため、入力端子16のみのプリチャージの際には、NチャネルMOSトランジスタ53及びPチャネルMOSトランジスタ54がダイオードとして機能するように動作される。一方、データ線11のプリチャージの際には、NチャネルMOSトランジスタ53及びPチャネルMOSトランジスタ54がオンオフスイッチとして機能するように動作され、データ線11及び入力端子16が実質的に完全に接地電位にプリチャージされる。以下、本実施形態の液晶表示装置の動作を詳細に説明する。
図20を参照して、初期状態では、極性信号POL及びスイッチ信号DOT_SWが非活性化されており、且つ、入力端子161が負の電位に駆動され、入力端子162が正の電位に駆動されていたとする。スイッチ信号DOT_SWが非活性化されていることに応答して、極性切り換えスイッチ群25は、正極性ドライバ部23の正極側駆動回路23dの出力を入力端子162に接続し、負極性ドライバ部24の負極側駆動回路24dの出力を入力端子161に接続している。
第m水平期間が開始されると、アンプ出力制御信号AMP_HIZが活性化される。これにより、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dのスイッチ23j、24jがターンオフされ、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dの出力がハイ・インピーダンス状態に設定される。
更に、選択ラインの画素の画素データが、極性切り替えスイッチ群21に供給される。加えて、極性信号POLが切り替えられる。極性信号POLが反転されることにより、極性切り替えスイッチ群21の接続関係が、第m水平期間においてデータ線11に供給されるデータ信号の極性に対応するように切り替えられる。更に、ラッチ信号STBが活性化され、画素データが、正極側ドライバ部23、負極側ドライバ部24のラッチ回路23a、24aに取り込まれる。
加えて、スイッチ信号DOT_SWが活性化されることにより、正極性ドライバ部23及び負極性ドライバ部24と、入力端子161、162の間の接続関係が切り替えられる。具体的には、図19に示されているように、極性切り換えスイッチ群25は、入力端子161を正極側ドライバ部23の正極側駆動回路23dの出力に接続し、入力端子162を負極側ドライバ部24の負極側駆動回路24dの出力に接続する。
更に、図20に示されているように、制御信号RSW、GSW、BSWの全てが活性化されると共に、プリチャージ信号GND_SWNが”High”レベルに、プリチャージ信号GND_SWPが”Low”レベルに駆動される。これにより、全てのセレクタ17のRスイッチ18、Gスイッチ19、Bスイッチ20、及びプリチャージダイオード回路51、52のNチャネルMOSトランジスタ53、PチャネルMOSトランジスタ54がターンオンされ、全てのデータ11が液晶ドライバ2の接地電位にプリチャージされる。既述のように、データ線11が液晶ドライバ2の接地電位にプリチャージされることは、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dを構成する素子に大きな電圧が印加されることを防ぐために重要である。
プリチャージが完了した後、R画素13に接続されているデータ線11にデータ信号が供給され、選択ラインのR画素13へのデータ信号の書き込みが行われる。詳細には、プリチャージ信号GND_SWNが”Low”レベルに、プリチャージ信号GND_SWPが”High”レベルに戻され、更に、RGBセレクタ23h、24hにより、R画素13に対応する画素データが選択される。正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dは、選択された画素データに対応するデータ信号を生成する;正極側駆動回路23dが生成するデータ信号の極性は、液晶ドライバ2の接地電位に対して正であり、負極側駆動回路24dが生成するデータ信号の極性は、液晶ドライバ2の接地電位に対して負であることに留意されたい。更に、制御信号RSWが選択的に活性化され、R画素13に接続されているデータ線11が入力端子16に接続される;制御信号GSW、BSWは非活性化される。これにより、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dによって生成されたデータ信号が、それぞれ、R画素13に接続されているデータ線111、114に供給される。加えて、選択ラインに対応するゲート線12が活性化され、選択ラインのR画素13に所望のデータ信号が書き込まれる。R画素13の駆動後には、入力端子161が正の電位に、入力端子162が負の電位に駆動されていることに留意されたい。
続いて、選択ラインのG画素13へのデータ信号の書き込みが行われる。選択ラインのG画素13へのデータ信号の書き込みは、まず、入力端子16のプリチャージで開始される。詳細には、制御信号RSW、GSW、BSWの全てが非活性化された状態で、極性信号POLとスイッチ信号DOT_SWが反転され、更に、アンプ出力制御信号AMP_HIZが活性化される。これにより、図21Aに示されているように、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dの出力がハイ・インピーダンスに設定され、更に、入力端子161がPチャネルMOSトランジスタ54のソースに、入力端子162がNチャネルMOSトランジスタ53のソースに電気的に接続される。この時点では入力端子161は正の電位を有しており、入力端子162は負の電位を有しているから、NチャネルMOSトランジスタ53、PチャネルMOSトランジスタ54の寄生トランジスタは、いずれも、順方向にバイアスされる。従って、入力端子161は、PチャネルMOSトランジスタ54を介して電気的に接地端子に接続され、入力端子162がNチャネルMOSトランジスタ53を介して電気的に接地端子に接続され、入力端子161、162がプリチャージされる。プリチャージされている間の入力端子161、162の電位は、図20に示されているように、それぞれ、電位+φF、電位−φFである。
続いて、G画素13に接続されているデータ線11にデータ信号が供給される。詳細には、RGBセレクタ23h、24hにより、G画素13に対応する画素データが選択され、更に、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dは、選択された画素データに対応するデータ信号を生成する。更に、制御信号GSWが選択的に活性化され、G画素13に接続されているデータ線11が入力端子16に接続される。これにより、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dによって生成されたデータ信号が、G画素13に接続されているデータ線11に供給される。加えて、選択ラインに対応するゲート線12が活性化され、選択ラインのG画素13に所望のデータ信号が書き込まれる。G画素13の駆動後には、入力端子161が負の電位に、入力端子162が正の電位に駆動されていることに留意されたい。
同様の手順により、選択ラインのB画素13へのデータ信号の書き込みが行われる。制御信号RSW、GSW、BSWの全てが非活性化された状態で、極性信号POLとスイッチ信号DOT_SWが反転され、更に、アンプ出力制御信号AMP_HIZが活性化される。これにより、図21Bに示されているように、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dの出力がハイ・インピーダンスに設定され、更に、入力端子161がNチャネルMOSトランジスタ53のソースに、入力端子162がPチャネルMOSトランジスタ54のソースに電気的に接続される。この時点では入力端子161は負の電位を有しており、入力端子162は正の電位を有しているから、NチャネルMOSトランジスタ53、PチャネルMOSトランジスタ54の寄生トランジスタは、いずれも、順方向にバイアスされる。従って、入力端子161は、NチャネルMOSトランジスタ53を介して電気的に接地され、入力端子162がPチャネルMOSトランジスタ54を介して電気的に接地され、入力端子161、162がプリチャージされる。プリチャージされている間の入力端子161、162の電位は、図20に示されているように、それぞれ、電位−φF、電位+φFである。
続いて、B画素13に接続されているデータ線11にデータ信号が供給される。詳細には、RGBセレクタ23h、24hにより、B画素13に対応する画素データが選択され、更に、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dは、選択された画素データに対応するデータ信号を生成する。更に、制御信号BSWが選択的に活性化され、B画素13に接続されているデータ線11が入力端子16に接続される。これにより、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dによって生成されたデータ信号が、B画素13に接続されているデータ線11に供給される。加えて、選択ラインに対応するゲート線12が活性化され、選択ラインのB画素13に所望のデータ信号が書き込まれる。
第m水平期間に続く他の水平期間でも、同様の手順でデータ信号の書き込みが行われる。
以上に説明されているように、第4の実施形態では、オンオフスイッチ、及びダイオードの両方として機能するNチャネルMOSトランジスタ、PチャネルMOSトランジスタが、プリチャージに使用される。各水平期間の開始時のデータ線11のプリチャージは、NチャネルMOSトランジスタ、PチャネルMOSトランジスタをオンオフスイッチとして機能させて行われる。これにより、データ線11は実質的に完全に接地電位にプリチャージされる。一方、入力端子16のプリチャージは、NチャネルMOSトランジスタ、PチャネルMOSトランジスタをダイオードとして機能させて行われる。これにより、入力端子16のプリチャージを短時間で行うことができる。
5. 第5の実施形態
図21は、本発明の第4の実施形態の液晶表示装置に使用される液晶ドライバ2Dの構成を示すブロック図である。本実施形態の液晶表示装置の基本的な構成は、第4の実施形態の液晶表示装置とほぼ同様である;液晶ドライバ2Dの正極側ドライバ部23は、液晶ドライバ2の接地電位を基準として正極性である正極性データ信号を生成するように構成され、負極側ドライバ部24は、当該接地電位を基準として負極性である負極性データ信号を生成するように構成される。更に、第4の実施形態の液晶ドライバ2Cと同様に、本実施形態の液晶ドライバ2Dは時分割駆動に対応した構成を有している。
相違点は、正極側ドライバ部23、負極側ドライバ部24において、プリチャージ信号によって制御されないプリチャージダイオード回路51A、52Aが使用される点である。これに伴い、プリチャージタイミング生成回路27も設けられない。
図22A、図22Bに示されているように、プリチャージダイオード回路51A、52Aは、いずれも、(オンオフスイッチではなく)ダイオード素子によってプリチャージを行う回路である。具体的には、プリチャージダイオード回路51Aは、ダイオード素子53Aと、接地端子55とで構成されている。ダイオード素子53Aのカソードは、正極側駆動回路23dの出力に接続されたノードN1に接続され、アノードは接地端子55に接続される。同様に、プリチャージダイオード回路52Aは、ダイオード素子54と接地端子56とで構成される。ダイオード素子54のカソードは、接地端子56に接続され、アノードは、負極側駆動回路24dの出力に接続されたノードN2に接続される。
本実施形態の液晶表示装置の一つの特徴は、データ線11及び入力端子のプリチャージを、いずれも、ダイオード素子53A、54Aを用いて行う点である。上述されているように、ダイオード素子53A、54Aをプリチャージに使用することの利点は、タイミング制御が容易になり、プリチャージに必要な時間を短縮することができる点にある。本実施形態においても、ダイオード素子53A、54Aとしては、一般的に使用されるpn接合ダイオードのみならず、ダイオードとして機能するトランジスタが使用され得ることに留意されたい。以下、第5の実施形態の液晶表示装置の動作を詳細に説明する。
図23を参照して、初期状態では、極性信号POL及びスイッチ信号DOT_SWが非活性化されており、且つ、入力端子161が負の電位に駆動され、入力端子162が正の電位に駆動されていたとする。スイッチ信号DOT_SWが非活性化されていることに応答して、極性切り換えスイッチ群25は、正極性ドライバ部23の正極側駆動回路23dの出力を入力端子162に接続し、負極性ドライバ部24の負極側駆動回路24dの出力を入力端子161に接続している。更に、奇数番目のデータ線111、113、・・・は、負の電位に駆動され、偶数番目のデータ線112、114、・・・は、正の電位に駆動されているとする。
第m水平期間が開始されると、アンプ出力制御信号AMP_HIZが活性化される。これにより、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dのスイッチ23j、24jがターンオフされ、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dの出力がハイ・インピーダンス状態に設定される。
更に、選択ラインの画素の画素データが、極性切り替えスイッチ群21に供給される。加えて、極性信号POLが切り替えられる。極性信号POLが反転されることにより、極性切り替えスイッチ群21の接続関係が、第m水平期間においてデータ線11に供給されるデータ信号の極性に対応するように切り替えられる。更に、ラッチ信号STBが活性化され、画素データが、正極側ドライバ部23、負極側ドライバ部24のラッチ回路23a、24aに取り込まれる。
更に、図20に示されているように、制御信号RSW、GSW、BSWの全てが活性化され、全てのセレクタ17のRスイッチ18、Gスイッチ19、及びBスイッチ20がターンオンされる。これにより、データ線111〜113は入力端子161に、データ線114〜116は入力端子162に接続される。入力端子161に接続されている3本のデータ線11のうち2本は負の電位に駆動され、1本が正の電位に駆動されているから、データ線111〜113が入力端子161に接続されることにより、入力端子161の電位は負になる。一方、入力端子162に接続されている3本のデータ線11のうち2本は正の電位に駆動され、1本が負の電位に駆動されているから、データ線114〜116が入力端子162に接続されることにより、入力端子162の電位は正になる。
加えて、スイッチ信号DOT_SWが活性化されることにより、正極性ドライバ部23及び負極性ドライバ部24と、入力端子161、162の間の接続関係が切り替えられる。具体的には、図22に示されているように、極性切り換えスイッチ群25は、入力端子161を正極側駆動回路23dの出力に接続し、入力端子162を負極側駆動回路24dの出力に接続する。即ち、入力端子161及びそれに接続されたデータ線11は、ダイオード53Aのカソードに接続され、入力端子162及びそれに接続されたデータ線11は、ダイオード54Aのアノードに接続される。
入力端子161は負の電位を有しており、入力端子162は正の電位を有しているから、ダイオード53A、54Aには、いずれも、順方向バイアスが印加される。従って、入力端子161及びそれに接続されているデータ線11は、ダイオード素子53Aを介して接地端子55に電気的に接続される。これにより、入力端子161及びそれに接続されているデータ線11は、接地電位に、より厳密には電位−φFにプリチャージされる。入力端子162及びそれに接続されているデータ線11は、ダイオード素子54Aを介して接地端子56に電気的に接続される。これにより、入力端子162及びそれに接続されているデータ線11は、接地電位に、より厳密には電位+φFにプリチャージされる。既述のように、データ線11が液晶ドライバ2の接地電位にプリチャージされることは、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dを構成する素子に大きな電圧が印加されることを防ぐために重要である。
プリチャージが完了した後、R画素13に接続されているデータ線11にデータ信号が供給され、選択ラインのR画素13へのデータ信号の書き込みが行われる。詳細には、RGBセレクタ23h、24hにより、R画素13に対応する画素データが選択される。正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dは、選択された画素データに対応するデータ信号を生成する;正極側駆動回路23dが生成するデータ信号の極性は、液晶ドライバ2の接地電位に対して正であり、負極側駆動回路24dが生成するデータ信号の極性は、液晶ドライバ2の接地電位に対して負であることに留意されたい。更に、制御信号RSWが選択的に活性化され、R画素13に接続されているデータ線11が入力端子16に接続される;制御信号GSW、BSWは非活性化される。これにより、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dによって生成されたデータ信号が、それぞれ、R画素13に接続されているデータ線111、114に供給される。加えて、選択ラインに対応するゲート線12が活性化され、選択ラインのR画素13に所望のデータ信号が書き込まれる。R画素13の駆動後には、入力端子161が正の電位に、入力端子162が負の電位に駆動されていることに留意されたい。
続いて、選択ラインのG画素13へのデータ信号の書き込みが行われる。選択ラインのG画素13へのデータ信号の書き込みは、まず、入力端子16のプリチャージで開始される。詳細には、制御信号RSW、GSW、BSWの全てが非活性化された状態で、極性信号POLとスイッチ信号DOT_SWが反転され、更に、アンプ出力制御信号AMP_HIZが活性化される。これにより、図24Aに示されているように、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dの出力がハイ・インピーダンスに設定され、更に、入力端子161がダイオード素子54Aのアノードに、入力端子162がダイオード素子53Aのカソードに電気的に接続される。この時点では入力端子161は正の電位を有しており、入力端子162は負の電位を有しているから、ダイオード素子53A、ダイオード素子54Aは、いずれも、順方向にバイアスされる。従って、入力端子161は、ダイオード素子54Aを介して電気的に接地端子56に接続され、入力端子162は、ダイオード素子53Aを介して電気的に接地端子に接続され、入力端子161、162がプリチャージされる。プリチャージされている間の入力端子161、162の電位は、図23に示されているように、それぞれ、電位+φF、電位−φFである。
続いて、G画素13に接続されているデータ線11にデータ信号が供給される。詳細には、RGBセレクタ23h、24hにより、G画素13に対応する画素データが選択され、更に、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dは、選択された画素データに対応するデータ信号を生成する。更に、制御信号GSWが選択的に活性化され、G画素13に接続されているデータ線11が入力端子16に接続される。これにより、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dによって生成されたデータ信号が、G画素13に接続されているデータ線11に供給される。加えて、選択ラインに対応するゲート線12が活性化され、選択ラインのG画素13に所望のデータ信号が書き込まれる。G画素13の駆動後には、入力端子161が負の電位に、入力端子162が正の電位に駆動されていることに留意されたい。
同様の手順により、選択ラインのB画素13へのデータ信号の書き込みが行われる。制御信号RSW、GSW、BSWの全てが非活性化された状態で、極性信号POLとスイッチ信号DOT_SWが反転され、更に、アンプ出力制御信号AMP_HIZが活性化される。これにより、図21Bに示されているように、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dの出力がハイ・インピーダンスに設定され、更に、入力端子161がダイオード素子53Aのカソードに、入力端子162がダイオード素子54Aのアノードに電気的に接続される。この時点では入力端子161は正の電位を有しており、入力端子162は負の電位を有しているから、ダイオード素子53A、53Bは、いずれも、順方向にバイアスされる。従って、入力端子161は、ダイオード素子53Aを介して電気的に接地され、入力端子162がダイオード素子54Aを介して電気的に接地され、入力端子161、162がプリチャージされる。プリチャージされている間の入力端子161、162の電位は、図26に示されているように、それぞれ、電位−φF、電位+φFである。
続いて、B画素13に接続されているデータ線11にデータ信号が供給される。詳細には、RGBセレクタ23h、24hにより、B画素13に対応する画素データが選択され、更に、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dは、選択された画素データに対応するデータ信号を生成する。更に、制御信号BSWが選択的に活性化され、B画素13に接続されているデータ線11が入力端子16に接続される。これにより、正極側駆動回路23d、負極側駆動回路24dによって生成されたデータ信号が、B画素13に接続されているデータ線11に供給される。加えて、選択ラインに対応するゲート線12が活性化され、選択ラインのB画素13に所望のデータ信号が書き込まれる。
第m水平期間に続く他の水平期間でも、同様の手順でデータ信号の書き込みが行われる。
以上に説明されているように、第5の実施形態では、データ線11及び入力端子16がダイオード素子を介して接地端子に接続されることによってプリチャージされる。ダイオード素子の使用により、データ線11及び入力端子16のプリチャージが自動的に行われ、これにより、プリチャージの間の動作タイミングの制御が容易になる。これは、プリチャージに必要な時間を短縮するために有効である。
6. まとめ
以上に説明されているように、上述の実施形態では、液晶ドライバが、該液晶ドライバの接地電位に対して正の極性を有するデータ信号を生成する正極性駆動回路と、該接地電位に対して負の極性を有するデータ信号を生成する負極性駆動回路とを含んで構成される。このようなアーキテクチャは、液晶ドライバの消費電力を有効に低減させる。
加えて、上述の実施形態では、液晶表示パネルのデータ線が、該液晶ドライバの接地電位にプリチャージされる。このようなアーキテクチャは、正極性駆動回路、負極性駆動回路を構成する素子に高電圧が印加されることを防ぐとともに、プリチャージに必要な電力を有効に低減させる。
なお、本発明の構成は、上述の実施形態に限定されて解釈されてはならない;本発明の実施形態には、様々な変更が可能である。例えば、第1及び第2実施形態において、プリチャージスイッチ回路23e、24eのスイッチ23f、24fは、正極性駆動回路23d、負極性駆動回路24dの出力端子ではなく、液晶ドライバ2(又は2A)の出力端子3に直接に接続されることも可能である。加えて、第2の実施形態において、データ線11を選択するセレクタ17は、液晶表示パネル1Aではなく、液晶ドライバ2Aに設けられることも可能である。セレクタ17が液晶ドライバ2Aに設けられることに伴う液晶表示パネル1A、液晶ドライバ2Aの構成の変更は、当業者には自明的であろう。
また、極性切り換えスイッチ群25は、液晶ドライバ2Aではなく、液晶表示パネル1Aに設けられることも可能である。及び極性切り換えスイッチ群25が液晶表示パネル1Aに設けられることに伴う液晶表示パネル1A、液晶ドライバ2Aの構成の変更は、当業者には自明的であろう。