JP2006145705A - 災害予測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】住民の災害に対する意識を高め、実際に災害が発生したときには周囲の災害状況及び最寄りの避難場所等の情報を容易に得ることができるようにする。
【解決手段】例えば図2に示すように、各地域ごとに、地形の性質や建物の築年数等に基づいて算出される各災害に対する強さを示す災害予測データを揃える。この災害予測データは、各市区町村や研究機関などで調査したデータをそのまま用いてもよい。ユーザーから地震の震度等の情報が指示された場合は、位置検出器1により検出された現在地の周辺地域に対応する災害予測データを用いて、その地域の災害を予測し、その結果を画面に表示する(図7参照)。またこの際に、最寄りの避難所等の情報も表示する。この災害予測装置100を車両に搭載することにより、ユーザーは普段の運転の際に災害予測をすることができ、かつ、災害にみまわれたときであっても、容易に避難所等の情報を得ることができる。
【選択図】図7
【解決手段】例えば図2に示すように、各地域ごとに、地形の性質や建物の築年数等に基づいて算出される各災害に対する強さを示す災害予測データを揃える。この災害予測データは、各市区町村や研究機関などで調査したデータをそのまま用いてもよい。ユーザーから地震の震度等の情報が指示された場合は、位置検出器1により検出された現在地の周辺地域に対応する災害予測データを用いて、その地域の災害を予測し、その結果を画面に表示する(図7参照)。またこの際に、最寄りの避難所等の情報も表示する。この災害予測装置100を車両に搭載することにより、ユーザーは普段の運転の際に災害予測をすることができ、かつ、災害にみまわれたときであっても、容易に避難所等の情報を得ることができる。
【選択図】図7
Description
本発明は、車両に搭載され、地震、大雨等による災害を予測する装置に関する。
地震や大雨等による災害にみまわれた場合、家屋の崩壊、浸水、停電等により外部からの情報が遮断されたり、また、住民は、パニックに陥ってしまい迅速・適切に行動できない状況が想定される。このようなことから、多くの市区町村では、災害時の避難所や病院及びそこに行くまでの経路等の災害時に必要とされる情報が示されている防災マップを作成して誰でも参照できるようにしたり、また、災害に関する各種講習会を開くなどして災害時の被害を最小限に食い止めるための予防措置を行っている。
一方、緊急事態の発生を報知する技術に関して、特許文献1の緊急情報報知システムがある。このシステムは、自動車を運転しているときに走行地点の付近で、例えば事故、火事といった緊急事態が発生した場合に、自動車に搭載されたナビゲーション装置は、この緊急情報を外部の所定のセンタから受信し、運転者に報知する。さらに、自動車の進行方向にこの緊急事態が発生した場所がある場合には、この場所を回避する迂回経路を自動で設定することができる。この特許文献1のシステムを用いれば、災害が発生した場合には、住民は、自動車に乗って浸水や陥没等している道路を回避して避難することも可能となる。
特開2002−288787号公報
上述したように、多くの市区町村では、災害の予防措置を行っているにもかかわらず、災害に対する認識の甘さ等から事前に情報を熟知している人は依然として少ない。したがって、災害が発生してから慌てて必要な情報を得ようとしても家屋の倒壊等により得られないことが予想される。
またこのとき、特許文献1のシステムを用いて危険場所を回避しつつ避難しようとしても、事前に避難所等の情報を得ていなければ、どこに行けばよいのかわからないことが起こりうる。また、特許文献1のシステムでは、自動車に乗っていることが前提となっているが、実際問題、災害時には交通自体がマヒしていることも考えられ、このシステムが機能しないことも予想される。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、実際に災害が発生したときには容易に避難場所等の情報を得ることができる、地震等による災害を予測する災害予測装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1の災害予測装置は、車両の現在地を検出する現在地検出手段と、自然現象に関する情報を取得する取得手段と、所定の地図範囲ごとに、災害の被りやすさを示す災害予測データが対応付けられている地図データを記憶する記憶手段と、前記現在地検出手段が検出する車両の現在地周辺の前記地図データを前記記憶手段から読み出し、前記災害予測データと前記取得手段により取得した自然現象に関する情報とに基づいて、当該自然現象が起きたときの当該地図データに対応する地形の災害を予測する予測手段と、前記予測手段が予測した災害情報を報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
このように、請求項1の災害予測装置では、例えば、震度(地震)や雨量(大雨)等の自然現象に関する情報を取得したときには、車両周辺のその自然現象による災害を予測し報知する。この自然現象に関する情報に関する情報の取得方法としては、例えば、使用者自らが入力するようにしたり、あるいは、実際に地震等が発生したときには、震度情報等を外部からデジタルデータとして受信し取得してもよい。また、このときに用いる地図データは、所定の地図範囲ごとに、各災害(浸水、家屋崩壊等)に対する強さを示すデータと対応付けられている。このデータは、各地域の地盤の強さや、家屋の築年数、近くに川があるかなど、の情報に基づいて定める。なお、例えば市区町村や研究機関等で収集したデータをそのまま用いてもよい。これらデータを用いることにより、例えば、ある道路沿いでは築年数が古い家が多く建っているので、震度5以上ではその道路は家屋崩壊により通行することができなくなる、等の災害予測をすることができる。
また、この災害予測装置は、自動車に搭載されるものであるので、自動車に乗ったときに、興味本位、遊び感覚で気軽に予測することができる。すなわち、普段それほど災害に対する意識が強くない人でも、この災害予測装置がする予測により、自分が住んでいる付近の危険度などを認識することができる。これにより、災害に対する意識の向上を図ることができる。
また、実際に災害にみまわれたときには、家屋の崩壊、停電等の事態が発生したとしても、駐車場にとめてある自動車は無事であることが多く、燃料やバッテリ不足に陥っていない限り、エンジンがかかり電源も供給できるので、この災害予測装置を用いることができる。この場合、付近の被害状況が予測されるので、住民は、被害が大きい場所を回避するなどして、避難所等に行くことができる。
請求項2の災害予測装置は、前記報知手段は、前記現在地検出手段が検出する現在地の前記災害の予測結果を報知することを特徴とする。この報知としては、例えば、音声又は画面表示によって、「この付近は、浸水するおそれがあります」、や「この付近は、家屋が崩壊するおそれがあります」等の報知をする。これにより、あらかじめ自動車が駐車している場所の危険度を認識することができるとともに、特に、実際に災害にみまわれたときには、現在地の危険度を把握することができるので、速やかに避難等することができる。
請求項3の災害予測装置は、災害時に関係する施設の情報を記憶する施設情報記憶手段と、前記予測手段が前記記憶手段から読み出した地図データに対応する地形の災害を予測したときに、当該地図データに対応する地形内に位置する前記災害時に関係する施設情報を前記施設情報記憶手段から読み出して報知する施設情報報知手段とを備えることを特徴とする。
住民によっては、災害に対する認識に甘さから、災害時にどこに避難してよいのか、又は災害時に応対してくれる病院はどこにあるのかなど、認識していない人もいることが予想される。このようなことを鑑みて、請求項3の災害予測装置では、避難所等の災害時に関係する施設情報を報知する。この施設情報としては、例えば、施設の名称や場所及び収容人数、又は病院であるならば医療機器の充実度等が挙げられる。これにより、あらかじめ避難所等の情報を把握することができるので、災害時に慌てふためくこともなく、迅速に避難等することができる。また、実際に災害にみまわれたときに、仮に避難所等の情報を把握していなくても、この災害予測装置を用いることにより、容易にこれら情報を得ることができる。
また、付近に複数の避難所等の施設がある場合には、あらかじめこれらすべての施設の情報を把握しておくことは困難であるが、この災害予測装置を用いれば、災害時に状況に応じた施設情報を把握することができる。
また、請求項4の災害予測装置は、前記記憶手段が記憶する地図データは、道路を示す道路データを含み、前記施設情報報知手段が報知する施設を目的地として設定する設定手段と、前記道路データを用いて、前記現在地検出手段が検出する車両の現在地から前記設定手段により設定された施設に至る経路を探索するものであって、前記予測手段が予測した災害に関わる道路を回避して前記車両とは別の移動手段で当該施設に至る最短経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段が探索した経路に関する情報を報知する経路報知手段とを備えることを特徴とする。
このように、請求項4の災害予測装置では、車両以外の移動手段で避難所等の施設に至る最短経路を探索する。これは、災害時には、信号機が故障したり、道路が水没等したりして、車両では思うように移動できないことが予想されることから、車両以外の移動手段で避難所等の施設に行くことができるようにしたものである。車両以外の移動手段としては、例えば、徒歩や自転車等の二輪車などがある。この場合、車両では道幅が狭くて通ることができない道路も経路探索の対象とすることができる。
これにより、あらかじめ安全に避難所等の施設に行く最短経路を認識することができるので、災害時には迅速にその避難所等の施設に行くことができる。また、実際に災害にみまわれたときには、ラジオ等で得た震度情報等をこの災害予測装置に入力して経路探索を行うことにより、その被害状況に対応した避難経路が提供されるので、住民は安全かつ迅速に避難所等の施設に行くことができる。
また、付近に複数の避難所等の施設がある場合には、あらかじめこれらすべての経路を把握しておくことは困難であるが、この災害予測装置を用いれば、災害時に状況に応じた施設を目的地として設定することにより、この施設に行く経路をあらかじめ把握していなくても行くことができる。
請求項5の災害予測装置は、前記経路探索手段が探索する経路は、歩行者を対象とした経路であることを特徴とする。災害が起きた場合に、避難所等に行く移動手段としては、自転車等の二輪車などもあるが、それらは、台数に限りがある。すなわち、請求項5の災害予測装置では、一般的に徒歩で避難することを鑑みて、歩行者を対象とした経路が探索される。この場合、二輪車などが通ることができない、一方通行の道路なども経路探索の対象とすることができる。これにより、災害時に、住民は、安全かつ迅速に避難所等の施設に徒歩で行くことができる。
請求項6の災害予測装置は、前記経路報知手段は、前記経路探索手段が探索した経路を通行して前記施設に行く際の注意事項を報知することを特徴とする。この報知する注意事項としては、例えば、「高い建物やブロック塀のそばは避け、裸足、長靴は厳禁。紐運動靴をはきましょう。」や、「歩ける深さの目安は膝ぐらいまで。水深が腰まである場合は高所で救助を待ちましょう。」等の報知を行う。また、免許証や貯金通帳等の避難するときに携帯したほうがよい貴重品を報知しても良い。これにより、実際に災害が発生して避難所等に行く場合に、この注意事項の報知は、心の動揺を抑えるため、また適切に行動をするために特に有効である。
請求項7の災害予測装置は、前記予測手段は、前記車両が停車しているときに限り、前記災害の予測を行うことを特徴とする。この災害予測装置は、車両に搭載されるものであるが、あくまで、災害の意識を高め、災害時に住民が適切かつ安全に行動できるようにすることを目的とする装置のため、車両を動かすことは直接的には必要としない。したがって、車両停車時のみに作動するようにしても十分目的を達成できる。
請求項8の災害予測装置は、前記災害予測装置は、前記車両を所定の目的地に誘導する車載ナビゲーション装置であることを特徴とする。車載ナビゲーション装置は、通常車両の現在地を検出する機能を有し、また地図データを表示する表示機能等も備えているため、これら機能を用いることにより、上記災害予測装置を構成することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態における災害予測装置100の全体構成を示すブロック図である。同図に示すように災害予測装置100は、位置検出器1、地図データ入力器6、操作スイッチ群7、外部メモリ9、表示装置10、音声出力装置11、リモコンセンサ12、リモコン13、及びこれらと接続する制御回路8から構成される。以下各構成部品について説明する。
制御回路8は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインが備えられている。ROMには、制御回路8が実行するためのプログラムが書き込まれており、このプログラムに従ってCPU等が各種演算処理を実行する。なお、このプログラムは、外部メモリ9を介して外部から取得することもできる。本実施形態では、特に、地震における震度等の自然現象情報が指示されたときに、現在地周辺におけるその自然現象が起きたときの災害を予測する処理を行い、その結果を画面上に表示する処理を行う。また、このとき、周辺の避難所等の施設情報も表示し、その中の施設が目的地として設定された場合には、その施設に到達する経路を、自身が予測した災害に関わる危険な道路を回避するように探索して報知する。詳細については、フローチャートを用いて後述する。
位置検出器1は、いずれも周知の地磁気センサ2、ジャイロスコープ3、距離センサ4、及び衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機5を有している。これらは、各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、各センサの精度によっては位置検出器1を上述した一部で構成してもよく、更に、図示しないステアリングの回転センサ、各転動輪の車速センサ等を用いてもよい。
地図データ入力器6は、道路データ、描画データ、災害予測データ、避難所データ等を含む地図データを入力するための装置である。地図データを記憶する記憶媒体としては、CD−ROMやDVD−ROM等の再生専用の記憶媒体の他、メモリカードやハードディスク等の書き込み可能な記憶媒体を用いることもできる。ここで、道路データ、描画データ、災害予測データ及び避難所データについてそれぞれ説明する。
道路データは、リンクデータとノードデータによって構成される。このリンクとは、地図上の各道路を交差・分岐・合流する点等の複数のノードにて分割し、それぞれのノード間をリンクとして規定したものであり、各リンクを接続することにより道路が構成される。リンクデータは、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端及び終端ノード座標(緯度・経度)、道路名称、道路種別等の各データから構成される。
さらに、ノードデータは、地図上の各道路が交差、合流、分岐するノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称、ノードに接続するリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、交差点種類等の各データから構成される。
そして後述するように、避難所等の施設を目的地として設定されたときには、現在地からその施設に到達する歩行者を対象とした経路を探索するために、上記各リンク及びノードごとに通過しやすさを示す通過コストが算出する。この通過コストは、通過しやすさを示すものであり、各リンク及び各ノードの特性に応じて算出する。本実施形態では、歩行者を対象とした経路を探索するので、リンクの通過コストであれば単純に各リンクのリンク長から通過コストを算出し、ノードの通過コストであれば、そのノードに対応する地点が交差点であるか否か、また交差点であるならば信号機の有無等に基づいて通過コストを算出する。すなわち、リンクの通過コストであれば、リンク長が大きくなるほど通過コストも大きくなり、ノードの通過コストであれば、例えば、対応する地点に信号機があるならば、その信号の待ち時間を考慮して通過コストが加算される。このようにして各リンク及び各ノードの通過コストを算出した後、現在地から避難所等の施設に至る任意の経路に対して、制御回路8が予測する家屋崩壊等による危険な道路を回避しつつ、各経路を構成する各リンク及び各ノードの通過コストの加算値が最小となる経路がダイクストラ法などの経路探索アルゴリズムを用いて探索される。
描画データは、地図を画面表示するためのデータであり、川や山などの地形、施設、道路、及び道路の名称等の表示文字等の情報から構成されている。
災害予測データは、地震等の自然現象によってどれくらいの害を被るかを予測するための基となるデータであり、例えば、図2に示すように各地域ごとに各災害に対する強さ(弱さ)を数値化したものである。ここで、図2に示す数値は、小さくなるほどその災害を受けやすいことを示すものである。例えば、各建物の築年数や種類(木造、鉄筋など)、さらに、その地域の地盤の強さ等に基づいて、その地域の家屋崩壊に対する危険度をデータ化する。すなわち、築年数が古くて木造の建物が多く建っている地域に対しては、家屋崩壊の危険度が高くなる。また、浸水に対する危険度は、例えば、その地域に河川があるか、または過去の大雨による浸水被害に基づいてデータ化する。同様に、地盤沈下や土砂災害に対しても、それら災害に関係するデータに基づいて、各地域ごとに危険度をデータ化していく。なお、これら災害に関係する各データについては、多くの市区町村や研究機関によって、調査されているので、そのデータをそのまま用いても良い。すなわち、例えば、研究機関によって、「その地域については、震度5以上の地震が起きたときはほとんどの家屋が崩壊する」、と予測されている場合には、「その地域」と「震度5以上で家屋崩壊」とをリンクできるようにデータ化する。
なお、図2に示す災害以外についても危険度をデータ化してもよい。また、データを収集できるのであれば、図2に示す地域をさらに細分化して、データ化してもよい。
避難所データは、災害が発生したときに、住民が避難する避難所に関する種々の情報から構成されており、例えば、その避難所の名称、住所、電話番号、収容人数等を示す情報から構成されている。また、避難所以外に、病院や薬局等、災害時に関係する施設のデータを含めてもよい。本実施形態では、災害を予測した際に、併せてこの避難所情報を報知する。
操作スイッチ群7は、例えば、後述する表示装置10と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、後述する災害を予測する際に、地震や大雨等の自然現象の種類、また震度や雨量等はこの操作スイッチ群7を介して入力する。
表示装置10は、例えば液晶ディスプレイによって構成され、災害を予測する際には、表示装置10の画面に、位置検出器1により検出された車両の現在位置に対応する自車位置マークと、地図データ入力器6より入力された地図データの描画データによって生成される車両周辺の道路地図を表示する。そして、制御回路8が行う災害の予測結果は、この道路地図に重ねて表示される。さらに、この際、周辺の避難所情報も表示される。また、避難所等の施設を目的地として設定された場合には、現在地からその施設に至る探索経路もこの表示装置10の画面に表示される。
音声出力装置11は、例えばスピーカで構成され、種々の情報を音声で報知する装置である。例えば、災害を予測して、避難所までの経路を探索したときには、その避難所に行くときの注意事項(例えば「荷物は最小限にとどめましょう」)を、この音声出力装置11により報知する。
リモコン13は、例えば各種機能を備えた多機能リモコンであり、リモコンセンサ12を介して、災害予測装置100に各種データを入力したり、または動作を指示する。なお、この指示に関しては、操作スイッチ群7によって行ってもよい。
以下、本発明の特徴である、地震等の自然現象が起きたときの災害を予測する処理(制御回路8が行う処理)を図3のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS10において、車両が停車されているか否かを判定する。これは、制御回路8に、シフトポジションを検出するセンサ(図示せず)を接続し、シフトポジションがパーキング(P)になっているか否かによって判定する。ここで、シフトポジションがパーキングになっていないときは、車両が停車されていないと判定して、以降の処理は行わない。このように、車両が停車していないときには災害予測処理を行わないこととしているのは、この災害予測は、住民の災害に対する意識を高め、災害にみまわれたときに、住民が速やかに避難所等に避難できるようにすることを目的としており、車両が動くことを必要としないからである。
一方、シフトポジションがパーキング(P)になっているときは、車両が停車していると判定し、処理をステップS20へ進める。
ステップS20では、位置検出器1を用いて、車両の現在地を算出する。そして、ステップS30において、現在地周辺の地図データを、地図データ入力器6から取得する。なお、本発明は、災害時に住民が速やかに避難所等に避難できるようにすることを目的としているので、このとき取得する地図データの範囲としては、人間が徒歩で動くことができる範囲(例えば、現在地から1kmの範囲)とする。
ステップS40では、地震や大雨等の自然現象をユーザーに指示させる処理を行う。具体的には、図4のフローチャートに従って処理を行う。以下、この処理を説明する。
先ず、ステップS41において、ユーザーの選択操作により、どの自然現象が指示されたかを判定する。例えば、表示装置10の画面に、「自然現象を選択してください。」等の表示をして、同時に選択すべき自然現象も表示する。そして、表示された自然現象のいずれかをユーザーがタッチして、そのタッチされた自然現象が選択されたと判定する。本実施形態では、自然現象の種類としては、「地震」と「大雨」としている。なお、この種類に関しては、上述した災害予測データとの兼ね合いで、他の自然現象も選択できるようにしてもよい。
このステップS41において、ユーザーは地震を選択したと判定したときは、ステップS42へ処理を進める。ステップS42では、震度を指示する処理を行う。これも、ステップS41と同様に、表示装置10の画面に、震度の種類を表示して、ユーザーのタッチ操作によって、いずれかの震度が指示される。また、実際に地震が起きたときに、外部から震度情報が得られないときのために、図5に示すように、各震度に相当する現象の説明も表示する。これにより、ユーザーは、外部から震度情報が得られないときであっても、周囲の現象から震度を指示することができる。
ステップS43では、地震の揺れ時間を指示する処理を行う。これは、表示装置10の画面に0から9の数字を表示して、これら数字をユーザーがタッチ操作することによって、揺れ時間を指示するようにする。なお、リモコン13操作によって、この揺れ時間を指示できるようにしてもよい。
一方、ステップS41において、「大雨」が指示されたと判定したときは、ステップS44へ処理を進める。ステップS44では、雨量を指示する処理を行う。これは、表示装置10の画面に、例えば、図6に示すように、複数の雨量の範囲を表示して、これらをユーザーのタッチ操作によって指示する。また、実際に大雨が降ったときに、外部から雨量の情報がえられないときのために、図6に示すように、各雨量に相当する現象の説明も表示する。これにより、ユーザーは、外部から雨量の情報が得られないときであっても、周囲の現象から、雨量を指示することができる。
その後、ステップS45において、雨が降り続けた時間を指示する処理を行う。これもステップS43と同様に、ユーザーのタッチ操作によって、その時間が指示される。
以上のように、自然現象の種類及び規模が指示された後、ステップS50において、その指示された自然現象による災害を予測する処理を行う。これは、ステップS30にて読み出した地図データの中の災害予測データに基づいて予測する。例えば、現在地がA市のA町で、ステップS40にて指示された自然現象の情報が震度5の地震とする。この場合、図2に示すデータを用いて説明すると、家屋崩壊の予測データにおいて、例えば、A町の2丁目の地域についてはその値が「2」となっているので、「家屋が崩壊する」と予測し、3丁目の地域についてはその値が「5」となっているので、「家屋は崩壊しない」というように、指示された震度と予測データに応じた予測を行う。同様にして、他の災害についても予測する。
そして、この予測結果は、ステップS60において、例えば図7に示すように、表示装置10の画面に周辺地図に重ねて表示する。また、この際に、ステップS70において、現在地の危険度を報知する。これは、例えば、現在地が浸水する可能性が高いときには、表示装置10や音声出力装置11を用いて、「この場所は、浸水する可能性があります」等の報知を行う。これにより、ユーザーは、現在地が危険であることが認識することができ、実際に災害にみまわれたときには、被害が大きくなるまえに避難することができる。
さらに、ステップS80において、例えば図7に示すように、最寄りの避難所や病院等の施設を表示する。また、このとき、各施設について、避難所の名称や収容人数または医療機器の充実度等の詳細データを表示してもよい。これにより、ユーザーは、現在地周辺の避難所の場所等の情報を把握することができ、実際に災害が起きたときには、速やかにその避難所等の施設に避難することができる。
その後、ステップS90において、ステップS80にて報知した施設の中から、目的地として選択された施設があるか否か、また目的地として選択された場合には、どの施設が選択されたかを判定する処理を行う。これは、例えば、「経路探索を行う施設を選択して下さい」等を表示装置10や音声出力装置11を用いて報知し、その後ユーザーが画面の地図上に表示されている施設のいずれかをタッチし、そのタッチされた施設が目的地として選択されたと判定する。ここで、いずれも選択されなかったときは、このまま処理を終了する。一方、いずれかの施設が選択されたと判定したときは、ステップS100へ処理を進める。
ステップS100では、現在地からステップS90にて選択された施設に到達する経路であって、ステップS50において予測した災害地域を回避して当該施設に徒歩で到達する経路を探索する処理を行う。具体的には、ステップS30にて読み出した道路データを構成する各リンクデータ及び各ノードデータの通過コストを算出する。ここで算出する通過コストは、上述したように、歩行者を対象とした通過コストを算出する。そして、通過コストを算出した後、現在地から避難所等の施設に至る任意の経路に対して、ステップS50において予測した災害地域を回避しつつ、各経路を構成する各リンク及び各ノードの通過コストの加算値が最小となる経路をダイクストラ法などの経路探索アルゴリズムを用いて探索する。その後、ステップS110において、この探索経路を表示装置11の画面に表示する(図7の矢印で示す経路)。また、この際に、到着時間を表示してもよい。これにより、ユーザーは、所望の施設に安全に行く経路を把握することができ、実際に災害にみまわれたときには、速やかに行動することができる。
また、ステップS120において、その避難所等に行くときの注意事項を表示装置10や音声出力装置11を用いて報知する。ここで報知する注意事項としては、例えば、「家族で避難場所や離れた場合の連絡場所を確認しあいましょう。」や「障害者や高齢者は背負って避難しましょう。」などがあり、また、貯金通帳や免許証など避難する際に携帯したほうがよい貴重品等を報知してもよい。これにより、実際に災害にみまわれたときにも、慌てることがなく適切に行動をすることができる。
以上説明したように、本実施形態における災害予測装置100では、地震等の自然現象が起きたときの、現在地周辺の災害を予測することができ、この災害予測装置100は車両に搭載されるものであるため、ユーザーは普段のドライブの際に気軽に予測することができる。これにより、災害に対する意識の向上を図ることができる。また、実際に災害にみまわれた場合に、家屋崩壊等により外部から避難所等の情報が得られない場合であっても、この災害予測装置100を用いれば、車両のバッテリ等が破壊されていない限り、避難所等の必要な情報を得ることができる。したがって、速やかに避難等の行動を起こすことができる。
さらに、最寄りの避難所等の施設を目的地として設定した場合には、予測した災害地域の道路を回避するように、その施設に到達する経路を探索し、報知する。これにより、ユーザーは、実際に災害にみまわれたときには、徒歩で安全に避難することができる。
(変形例)
上述した実施形態では、ステップS40において、図4に示すように、ユーザーの選択操作によって、地震等の自然現象を指示している。このような指示方法とともに、実際に地震等が発生した場合には、その震度情報等を外部から受信し、その情報に基づいて指示してもよい。これを実現するためには、外部送信される地震等の自然現象に関する情報を受信する受信装置を災害予測装置100に接続する必要がある。これにより、実際に災害にみまわれたときには、ユーザーが地震の震度等の情報を把握していなくても、正確な情報を指示することができる。
上述した実施形態では、ステップS40において、図4に示すように、ユーザーの選択操作によって、地震等の自然現象を指示している。このような指示方法とともに、実際に地震等が発生した場合には、その震度情報等を外部から受信し、その情報に基づいて指示してもよい。これを実現するためには、外部送信される地震等の自然現象に関する情報を受信する受信装置を災害予測装置100に接続する必要がある。これにより、実際に災害にみまわれたときには、ユーザーが地震の震度等の情報を把握していなくても、正確な情報を指示することができる。
100 災害予測装置
1 位置検出器
2 地磁気センサ
3 ジャイロスコープ
4 距離センサ
5 GPS受信機
6 地図データ入力器
7 操作スイッチ群
8 制御回路
9 外部メモリ
10 表示装置
11 音声出力装置
12 リモコンセンサ
13 リモコン
1 位置検出器
2 地磁気センサ
3 ジャイロスコープ
4 距離センサ
5 GPS受信機
6 地図データ入力器
7 操作スイッチ群
8 制御回路
9 外部メモリ
10 表示装置
11 音声出力装置
12 リモコンセンサ
13 リモコン
Claims (8)
- 車両の現在地を検出する現在地検出手段と、
自然現象に関する情報を取得する取得手段と、
所定の地図範囲ごとに、災害の被りやすさを示す災害予測データが対応付けられている地図データを記憶する記憶手段と、
前記現在地検出手段が検出する車両の現在地周辺の前記地図データを前記記憶手段から読み出し、前記災害予測データと前記取得手段により取得した自然現象に関する情報とに基づいて、当該自然現象が起きたときの当該地図データに対応する地形の災害を予測する予測手段と、
前記予測手段が予測した災害情報を報知する報知手段とを備えることを特徴とする車両に搭載される災害予測装置。 - 前記報知手段は、前記現在地検出手段が検出する現在地の前記災害の予測結果を報知することを特徴とする請求項1に記載の災害予測装置。
- 災害時に関係する施設の情報を記憶する施設情報記憶手段と、
前記予測手段が前記記憶手段から読み出した地図データに対応する地形の災害を予測したときに、当該地図データに対応する地形内に位置する前記災害時に関係する施設情報を前記施設情報記憶手段から読み出して報知する施設情報報知手段とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の災害予測装置。 - 前記記憶手段が記憶する地図データは、道路を示す道路データを含み、
前記施設情報報知手段が報知する施設を目的地として設定する設定手段と、
前記道路データを用いて、前記現在地検出手段が検出する車両の現在地から前記設定手段により設定された施設に至る経路を探索するものであって、前記予測手段が予測した災害に関わる道路を回避して前記車両とは別の移動手段で当該施設に至る最短経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段が探索した経路に関する情報を報知する経路報知手段とを備えることを特徴とする請求項3に記載の災害予測装置。 - 前記経路探索手段が探索する経路は、歩行者を対象とした経路であることを特徴とする請求項4に記載の災害予測装置。
- 前記経路報知手段は、前記経路探索手段が探索した経路を通行して前記施設に行く際の注意事項を報知することを特徴とする請求項4又は5に記載の災害予測装置。
- 前記予測手段は、前記車両が停車しているときに限り、前記災害の予測を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の災害予測装置。
- 前記災害予測装置は、前記車両を所定の目的地に誘導する車載ナビゲーション装置であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の災害予測装置。
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