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JP2006144615A - ストローク特性可変エンジン - Google Patents

ストローク特性可変エンジン Download PDF

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JP2006144615A JP2004334108A JP2004334108A JP2006144615A JP 2006144615 A JP2006144615 A JP 2006144615A JP 2004334108 A JP2004334108 A JP 2004334108A JP 2004334108 A JP2004334108 A JP 2004334108A JP 2006144615 A JP2006144615 A JP 2006144615A
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宏一 江戸
Koichi Ikoma
浩一 生駒
Akinori Maezuru
昭徳 前鶴
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Abstract

【課題】十分な振動抑制作用の実現とエンジンの大型化の抑制とを高いレベルで両立し得るストローク特性可変エンジンを提供する。
【解決手段】多リンク型圧縮比可変機構を備えるストローク特性可変エンジンにおいて、各リンクの揺動に起因して発生する振動を低減するための一対のバランサシャフトをクランクシャフトと平行に延設すると共に、ストロークを可変制御するためのエキセントリックシャフトの回動中心を、ピストンの摺動軸線に直交し且つエキセントリックシャフトに近い側のバランサシャフトの中心が通る平面に対してピストンの摺動方向について偏倚させるものとした。
【選択図】図5

Description

本発明は、ストローク特性可変エンジンに関し、特に、ストローク特性可変機構の運動に起因する2次振動成分を低減するためのバランサシャフトを設けた上で、クランクケースの大型化を抑制可能なように構成されたストローク特性可変エンジンに関するものである。
ピストンとクランク軸との間に複数のリンクを連結し、1つのリンクのエンジン本体に対する連結端を移動させることにより、ピストンストロークを変化させるようにしたストローク特性可変エンジンが、例えば特許文献1、2等に提案されている。
他方、レシプロエンジンには、ピストン及びコネクティングロッドの運動に起因する1次と2次との振動成分が含まれる加振力が作用するが、回転2次振動は、クランクシャフトに一体的に設けたカウンタウェイトや気筒配列だけでは低減し難いので、上記のような多リンク型レシプロエンジンにおいて、リンク長やリンク位置(リンクジオメトリ)を最適化することによって振動を低減しようとしたものが、特許文献3に提案されている。
特開平9−228858号公報 特開2004−150353号公報 特開2001−227367号公報
しかし実際には、圧縮比或いはピストンストロークの可変量や、可変機構を構成するリンク等の可動範囲、可変機構の構成部材に作用する応力、及びエンジン全体の寸法などの設計要件を満たした上で2次振動成分を十分に低減し得る可変機構の構成を、限られたクランクケースの容積内で実現することは困難である。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消すべく案出されたものであり、その主な目的は、十分な振動抑制作用の実現とエンジンの大型化の抑制とを高いレベルで両立し得るストローク特性可変エンジンを提供することにある。
このような課題を解決するため、ピストン3に連結される第1リンク4と、該第1リンクとクランクシャフト6とを連結する第2リンク5と、一端が第1リンクまたは第2リンクに連結され他端がエキセントリックシャフト13を介してエンジン本体(クランクケース7)に移動可能に支持される第3リンク12とを備えるストローク特性可変エンジンにおいて、本発明の請求項1は、前記各リンクの揺動に起因して発生する振動を低減するための一対のバランサシャフト22a・22bをクランクシャフトと平行に延設すると共に、エキセントリックシャフトの回動中心(静止軸心13b)を、エキセントリックシャフトに近い側のバランサシャフト22bの中心が通り且つピストンの摺動軸線に直交する平面に対してピストンの摺動方向について偏倚させたことを特徴とするものとした。このようにすれば、ピストンの摺動軸線に直交する平面上においてバランサシャフトの外周面が最も外側に寄る位置を避けた位置にエキセントリックシャフトを配設することができる。
また請求項2は、前記各リンクの揺動に起因して発生する振動を低減するための一対のバランサシャフトを、クランクシャフトと平行に延設した上で動力伝達手段(ドリブンギア25、ドライブギア26)を介してクランクシャフトに連結すると共に、前記動力伝達手段を、クランクシャフトの軸方向について第3リンクとずらして配設するものとした。
また請求項3は、前記各リンクの揺動に起因して発生する振動を低減するための一対のバランサシャフトを、クランクシャフトと平行に延設した上で連動手段(連動ギア24a・24b)を介して連結すると共に、前記連動手段を、クランクシャフトの軸方向について第3リンクとずらして配設するものとした。
さらに請求項4は、前記各リンクの揺動に起因して発生する振動を低減するための一対のバランサシャフトを、クランクシャフトと平行に延設した上でケーシング(23a・23b)に収容すると共に、前記ケーシングに凹部を形成し且つ該凹部を第3リンクと対向させてケーシングをクランクケース内に配設するものとした。
このような本発明の請求項1によれば、バランサシャフトとエキセントリックシャフトとを互いに近接配置し得るので、多リンク型ストローク特性可変機構に振動低減装置を組み合わせた上でのエンジンのクランクケースの大型化を回避する上に多大な効果を奏することができる。
また請求項2によれば、クランクシャフトの回転力をバランサシャフトに伝達するための動力伝達手段と第3リンクとの干渉を避けることができるので、バランサシャフトと第3リンクとをより一層接近させることができ、エンジンの大型化を抑制し得る。
また請求項3によれば、両バランサシャフトの連動手段と第3リンクとの干渉を避けることができるので、バランサシャフトと第3リンクとをより一層接近させることができ、エンジンの大型化を抑制し得る。
さらに請求項4によれば、バランサシャフトを収容したケーシングと第3リンクとをより一層接近させることができ、エンジンの大型化を抑制し得る。
以下に添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されたストローク特性可変エンジンの概略構成図である。このエンジン1のシリンダ2に摺合したピストン3は、第1リンク4及び第2リンク5の2つのリンクを介してクランクシャフト6に連結されている。
クランクシャフト6は、基本的に通常の定ストロークエンジンと同様の構成であり、クランクケース7に支持されたクランクジャーナル8(クランクシャフトの回転中心)から偏心したクランクピン9により、シーソー式に揺動する第2リンク5の中間部を支持している。そして第2リンク5の一端5aに、ピストンピン10に小端部4aが連結された第1リンク4の大端部4bが連結されている。
第2リンク5の他端5bには、通常のエンジンにおけるピストンとクランクシャフトとを連結するコネクティングロッドと同一構成の第3リンク12の小端部12aがピン結合されている。そして第3リンク12の大端部12bは、クランクケース7に回動自在に支持されたエキセントリックシャフト13の偏心部13aに、2つ割の軸受け14をもって連結されている。
より詳しく言うと、第1リンク4の大端部4bは、図5に示すように、第2リンク5の一端5aに形成された二股部に、クランクシャフト6の軸方向の両側から挟持されている。また第3リンク12の小端部12aは、図6に示すように、第2リンク5の他端5bに形成された二股部に、クランクシャフト6の軸方向の両側から挟持されている。従って、第1リンク4並びに第3リンク12は、クランクシャフト6の軸線に直交する概ね同一の仮想平面上で運動するようになっている。
エキセントリックシャフト13は、クランクケース7の外方へ突出した軸端に設けられたストローク特性可変制御アクチュエータ(図示せず)により、エンジン1の運転状態に応じてその回動角が連続的に制御され、且つ任意の角度で保持されるようになっている。
このエンジン1によると、エキセントリックシャフト13を回動させることにより、第3リンク12の大端部12bの位置が、図1、2に示した位置と図3、4に示した位置との間で変化し、クランクシャフト6の回転に伴う第2リンク5の揺動角度が変化する。この第2リンク5の揺動角度の変化に応じてシリンダ2内でのピストン3のストローク範囲、即ち、ピストン3の上死点位置及び下死点位置が、図2に符号Aで示す範囲と図4に符号Bで示す範囲との間で連続的に変化することとなる。これにより、圧縮比及び排気量の少なくともいずれか一方を連続的に変化させるストローク特性可変機能がもたらされる。
このエンジン1のクランクケース7の下方には、上記したリンク機構の作動に起因して発生する回転2次振動を相殺するための振動低減装置が設けられている。
振動低減装置21は、第3リンク12の大端部12bを連結するためにクランクケース8に支持されてクランクケース8内に延在するエキセントリックシャフト13と隣合う位置に配設されている。
振動低減装置21は、一対のバランサシャフト22a・22bと、これらバランサシャフト22a・22bを支持、受容する2つ割のアッパケーシング23a及びロワケーシング23bとを備えている。一対のバランサシャフト22a・22b同士は、各バランサシャフト22a・22bに一体的に設けられた同一径の連動ギア24a・24b同士の噛合(連動手段)で互いに連結されると共に、一方のバランサシャフト24bに設けられたドリブンギア25がクランクシャフト6に設けられたドライブギヤ26と噛合しており(動力伝達手段)、クランクシャフト6の駆動力が伝達されて各バランサシャフト22a・22bがクランクシャフト6の2倍の回転速度で互いに逆方向に回転するようになっている。なお、クランクシャフト6とバランサシャフト22a・22bとの間の動力伝達手段として、チェーン/スプロケット機構を用いても良い。
ドライブギヤ26の直径は、クランクシャフト6の回転軌跡円の直径として最大となるカウンタウェイト11の回転軌跡円の直径と等しくされており、クランクシャフト6の回転力をバランサシャフト22bに伝達するためのギア機構の配置に格別な制約を受けずに済んでいる。また一対のバランサシャフト22a・22bを連動させる連動ギア24a・24bは、図5、6における右から1番目のピストン3と2番目のピストン3との間のクランクジャーナル8に対応する軸方向位置に設けられている。クランクジャーナル8には固定した軸受けが設けられるので、一対のバランサシャフト22a・22bを連動させる連動ギア24a・24bを、他の可動体との位置関係に何ら考慮を払わずに配設することができる。
より詳しく言うと、一方のバランサシャフト22bにクランクシャフト6の回転力を伝達するためのドライブギア26は、図5、6における右から2番目のピストン3を支持するクランクピン9に対応する一対のクランクアーム11aの一方(右側)に一体的に設けられている。そしてこれに噛合するドリブンギア25は、エキセントリックシャフト13に隣接したバランサシャフト22bに一体的に結合されている。これらドライブギア26並びにドリブンギア25は、第1リンク4並びに第3リンク12が共に運動する仮想平面と平行し、且つクランクシャフト6の軸方向について適宜な間隔を置いてこの仮想平面と離間した別の同一仮想平面上に置かれている。また、連動ギア24a・24bは、ドリブンギア25と軸方向について近接配置されており、これらも第1リンク4並びに第3リンク12が共に運動する仮想平面と平行し、且つクランクシャフト6の軸方向について適宜な間隔を置いてこの仮想平面と離間した別の同一仮想平面上に置かれている。
これにより、クランクシャフト6上にて最も直径の大きいドライブギア26、バランサシャフト22b上にて最も直径の大きいドリブンギア25、並びにドリブンギア25に近接配置された連動ギア24a・24bと第3リンク12の大端部12bとが相互干渉せずに運動し得るので、振動低減装置21と第3リンク12とをより一層接近配置することができることとなり、エンジンの大型化を回避することができる。
各バランサシャフト22a・22bの外周部には、リンク機構の運動で発生するアンバランス量と釣り合わせるための所定の位相及び所定の慣性質量のバランサウェイト27a・27bが設けられている。両バランサウェート27a・27bは、右から2番目のピストンと3番目のピストンとの間、つまり本実施例においては4気筒エンジンのシリンダ列方向の中間位置に配設されている。
さらに振動低減装置21は、第3リンク12がピストン3の軸線に対してシリンダ列に直交する向きの一方へ偏倚した位置に配設されているのに対し、ピストン3の略直下に配設されている。
またエキセントリックシャフト13の静止軸心13bは、振動低減装置21のアッパハウジング22aの上端面よりも下方に位置しており、しかもエキセントリックシャフト13の偏心部13aの移動範囲は、アッパハウジング22aの側壁と対向する位置に定められている。
より詳しく言うと、エキセントリックシャフト13は、クランクシャフト6と相似形をなしており、その静止軸心13bは、エキセントリックシャフト13に近い側のバランサシャフト22bの中心が通り且つピストンの摺動軸線に直交する平面に対し、ピストンの摺動方向について、ややクランクシャフト6側(上方)へ偏倚した位置に配置されている。これにより、ピストンの摺動軸線に直交する平面上においてバランサシャフト22bの外周面が最も外側に寄る位置を避けた位置にエキセントリックシャフト13を配設することができるので、クランクケース7の大型化を招かずに済む。
ロワケーシング23bは、図7に示すように、その底壁の軸方向両端面が第1、第4気筒の各第3リンク12から外れた位置に配置されると共に、その底壁の一側縁に形成された凹部31に第2気筒の第3リンク12が対向し、その底壁の軸方向左端側のコーナーの切除部32に第3気筒の第3リンクが対向するように配置されている。これにより、振動低減装置21と各第3リンク12とをより一層近接配置することができるので、クランクケース7の大型化を招かずに済む。
このようなレイアウトにより、多リンク型ストローク特性可変機構に振動低減装置を組み合わせた上でのエンジンのクランクケースの大型化を回避している。
以上、詳述した通り、本発明は、複数のリンクのジオメトリを変化させてピストンストロークを変化させ、これによって圧縮比および排気量の少なくともいずれか一方を変更可能なエンジンに等しく適用可能であり、例えば、第1リンクにおける第2リンクとの連結部近傍に第3リンクの一端を連結した形式のエンジンにも適用可能である。
本発明が適用されたエンジンの高圧縮比状態でのピストン上死点位置を示す縦断面図である。 本発明が適用されたエンジンの高圧縮比状態でのピストン下死点位置を示す縦断面図である。 本発明が適用されたエンジンの低圧縮比状態でのピストン上死点位置を示す縦断面図である。 本発明が適用されたエンジンの低圧縮比状態でのピストン下死点位置を示す縦断面図である。 本発明が適用されたエンジンの内部機構の右側面図である。 本発明が適用されたエンジンの内部機構の底面図である。 本発明が適用されたエンジンのバランサハウジングを含む内部機構の底面図である。
符号の説明
1 エンジン
3 ピストン
4 第1リンク
5 第2リンク
6 クランクシャフト
7 クランクケース
11a クランクシャフトのクランクアーム
12 第3リンク
13 エキセントリックシャフト
13b 静止軸心(エキセントリックシャフトの回動中心)
21 振動低減装置
22a・22b バランサシャフト
24a・24b 連動ギア
25 ドリブンギア
26 ドライブギア
31 凹部
32 切除部

Claims (4)

  1. ピストンに連結される第1リンクと、該第1リンクとクランクシャフトとを連結する第2リンクと、一端が前記第1リンクまたは前記第2リンクに連結され他端がエキセントリックシャフトを介してエンジン本体に移動可能に支持される第3リンクとを備えるストローク特性可変エンジンであって、
    前記各リンクの揺動に起因して発生する振動を低減するための一対のバランサシャフトを前記クランクシャフトと平行に延設すると共に、
    前記エキセントリックシャフトの回動中心を、前記エキセントリックシャフトに近い側の前記バランサシャフトの中心が通り且つ前記ピストンの摺動軸線に直交する平面に対して前記ピストンの摺動方向について偏倚させたことを特徴とするストローク特性可変エンジン。
  2. ピストンに連結される第1リンクと、該第1リンクとクランクシャフトとを連結する第2リンクと、一端が前記第1リンクまたは前記第2リンクに連結され他端がエキセントリックシャフトを介してエンジン本体に移動可能に支持される第3リンクとを備えるストローク特性可変エンジンであって、
    前記各リンクの揺動に起因して発生する振動を低減するための一対のバランサシャフトを、前記クランクシャフトと平行に延設した上で動力伝達手段を介して前記クランクシャフトに連結すると共に、
    前記動力伝達手段を、前記クランクシャフトの軸方向について前記第3リンクとずらして配設したことを特徴とするストローク特性可変エンジン。
  3. ピストンに連結される第1リンクと、該第1リンクとクランクシャフトとを連結する第2リンクと、一端が前記第1リンクまたは前記第2リンクに連結され他端がエキセントリックシャフトを介してエンジン本体に移動可能に支持される第3リンクとを備えるストローク特性可変エンジンであって、
    前記各リンクの揺動に起因して発生する振動を低減するための一対のバランサシャフトを、前記クランクシャフトと平行に延設した上で連動手段を介して連結すると共に、
    前記連動手段を、前記クランクシャフトの軸方向について前記第3リンクとずらして配設したことを特徴とするストローク特性可変エンジン。
  4. ピストンに連結される第1リンクと、該第1リンクとクランクシャフトとを連結する第2リンクと、一端が前記第1リンクまたは前記第2リンクに連結され他端がエキセントリックシャフトを介してエンジン本体に移動可能に支持される第3リンクとを備えるストローク特性可変エンジンであって、
    前記各リンクの揺動に起因して発生する振動を低減するための一対のバランサシャフトを、前記クランクシャフトと平行に延設した上でケーシングに収容すると共に、
    前記ケーシングに凹部を形成し且つ該凹部を前記第3リンクと対向させて前記ケーシングをクランクケース内に配設したことを特徴とするストローク特性可変エンジン。
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