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JP2006143795A - 液状樹脂組成物、それを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents

液状樹脂組成物、それを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 液状樹脂組成物を用いて半導体チップ、特に回路面に突起電極を有する半導体チップを封止する半導体装置の製造方法において、特にリフロー条件での接続、封止工程に対しても良好なはんだ接続性が得られる液状樹脂組成物を用いて信頼性の高い半導体装置を得る。
【解決手段】 25℃で液状であり、1分子中にエポキシ基を2個以上含むエポキシ樹脂(A)、及びフラックス活性を有し25℃で固形であり、融点の異なる少なくとも2種類以上の硬化剤(B)を含んでなる液状樹脂組成物であり、2種類以上の硬化剤(B)の融点の、最も高い融点と最も低い融点の差が10℃以上であることが好ましい。また、回路面にはんだ突起電極が形成された半導体チップと回路基板とを、前記の液状樹脂組成物を介してはんだの融点以上に加熱し、該突起電極と回路基板とを電気的に接合し、樹脂を硬化させて製造する半導体装置の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、フラックス活性を有する液状樹脂組成物とそれを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置に関するものである。
近年半導体パッケージの軽薄短小化の技術革新は目覚しいものがあり、さまざまなパッケージ構造が提唱され、製品化されている。従来のリードフレーム接合に代わり、はんだのような突起電極により、回路基板(マザーボード)に接合するエリア実装方式は特に重要である。
その中で半導体チップの回路面に直接突起電極が具備されたフリップチップはパッケージを最小化できる方法のひとつである。フリップチップ実装は、はんだ電極の場合、はんだ電極の表面の酸化膜を除去するためにフラックスで処理した後リフロー、部分加熱法(パルスヒート法)等の方法で接合する。その為はんだ電極、回路基板等の周囲にフラックスが残存し、不純物として問題となるためフラックスを除去する洗浄を行った後液状封止を行う。その理由としては、直接回路基板(マザーボード)に突起電極で接合するため、温度サイクル試験のような信頼性試験を行うと、チップと回路板の線膨張係数の差により電極接合部の電気的不良が発生するためである。
該パッケージの封止は、半導体チップの一辺または複数面に液状封止樹脂を塗布し毛細管現象を利用して樹脂を回路板とチップの間隙に流れ込ませる。しかしこの方法はフラックス処理、洗浄を行うため工程が長くなりかつ洗浄廃液の処理問題等環境管理を厳しくしなければならない。更に液状封止を毛細管現象で行うため封止時間が長くなり、生産性に問題があった。
そこで直接回路基板に樹脂を塗布し、はんだ電極を持ったチップをその上から搭載しリフロー法または部分加熱法を用いてはんだ接合と樹脂封止を同時に行う方法が考案された(以下ノーフロー工法と称する。特許文献1、2参照)。この場合、はんだを回路基板に接合させるために、熱硬化性樹脂、硬化剤からなる樹脂組成物にフラックス作用を有する成分を添加することが特徴である。
更に、該接続封止方法に好適な樹脂組成物の検討も行なわれている(特許文献3〜5参照)。
これまでの信頼性、実績から該工法に関する検討は錫−鉛はんだ(融点183℃)に対して検討が行なわれていた。更に、環境問題から検討が始まった鉛フリーはんだへの検討に移項しつつある。
しかし、鉛フリーはんだは一般に表面酸化膜が強固であり、それを除去し接合させるためには高いフラックス活性を有する材料にする必要があった。本用途に用いられる樹脂組成物は主としてエポキシ樹脂とカルボン酸類が含まれ、その中のカルボン酸はフラックス活性を有し、更に鉛フリーはんだ用途に対しては高いフラックス活性が必要となる。このフラックス活性は同時にエポキシ樹脂との反応性が高くなること意味し、はんだが溶融し接合する前に樹脂層が急激に増粘するため、その接合が妨害される恐れがあった。
特にこの問題はリフロー接続において顕著になることが判明した。ここでリフロー接続とは、従来の半導体パッケージ、電子部品等をマザーボードにはんだ接続するために用いられている工法である。その工程は、はんだ電極が具備された素子のはんだ部分又ははんだ接続に対応する基板側にフラックス活性物質を塗布しはんだ電極と基板側パッドを位置決めした後、仮固定したパッケージを無過重状態にて図1で示されるような温度プロファイルを有するオーブン中にコンベア方式等で送致し、フラックス活性物質によりはんだ表面の酸化膜を除去しはんだを接合させる。ここでフラックス活性物質とは一般にロジンが知られており、そのフラックス活性を発現させるために図1のようなプロファイルが必要となっている。
電子部品等をマザーボードに実装する場合は、すべての実装をノーフロー工法にすればその工法に応じたプロファイルを指定することはできるが一部の実装は上記従来法に基づいて行われる場合が多い。その場合、実装はすべての部品を一括して実装するほうがコストの面で好ましいため、ノーフロー工法に用いる樹脂組成物も図1のようなプロファイルでも確実に実装できる保障が必要である。しかし図1で示された温度プロファイルに樹脂がさらされた場合、温度が150℃近辺に達するとエポキシ樹脂とカルボン酸の反応が始まることによる増粘によりはんだの接合不良がおきることがあった。一方、部分加熱法は前記仮固定したパッケージを圧力を加えながら素子または基板を部分的に加熱し実装する方法のため、反応による増粘に影響されずに実装することが可能である。しかし、多くの電子部品のマザーボード一括実装には事実上適用することは不可能である。
米国特許5,128,746号公報 米国公開2003/0080437号公報 特開2000−072083号公報 特開2002−293883号公報 特許3446731号公報
本発明の課題は、液状樹脂組成物を用いて半導体チップ、特に回路面に突起電極を有する半導体チップを封止する半導体装置の製造方法において、特にリフロー条件での接続、封止工程に対しても良好なはんだ接続性が得られる液状樹脂組成物を用いて信頼性の高い半導体装置を得ることである。
本発明者らは前述の解決法に関し鋭意検討を行い、樹脂組成物を融点の異なり、フラックス活性を有する硬化剤を併用することにより、リフロー条件でも高い接続信頼性が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の目的は、以下の(1)〜(5)に記載の本発明により達成できる。
(1) 25℃で液状であり、1分子中にエポキシ基を2個以上含むエポキシ樹脂(A)、及びフラックス活性を有し25℃で固形であり、融点の異なる少なくとも2種類以上の硬化剤(B)を含んでなることを特徴とする液状樹脂組成物。
(2) 2種類以上の硬化剤(B)の融点の、最も高い融点と最も低い融点の差が10℃以上である(1)項記載の液状樹脂組成物。
(3) 回路面にはんだ突起電極が形成された半導体チップと回路基板とを、(1)又は(2)項に記載の液状樹脂組成物を介してはんだの融点以上に加熱し、該突起電極と回路基板とを電気的に接合し、樹脂を硬化させて製造することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(4) 液状樹脂組成物の硬化及びはんだの接合をリフローにより行うことを特徴とする(3)項記載の半導体装置の製造方法。
(5) (3)又は(4)項に記載の製造方法により製造された半導体装置。
本発明に従うと、リフロー条件での半導体チップの接合に際しても、フラックス活性が高く接続信頼性に優れ、最終的に信頼性の高い半導体装置を提供することができ、また半導体装置の組立工程を簡略化できる。
本発明に用いるエポキシ樹脂は25℃で液状であり、平均エポキシ基が2以上であれば、使用することができる。その例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ、o−アリルビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、1,6−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、臭素型クレゾールノボラック型エポキシ、ビスフェノールDジグリシジルエーテル型エポキシ,1,6ナフタレンジオールのグリシジルエーテル、アミノフェノール類のトリグリシジルエーテル、等がある。これらは単独又は混合して用いても差し支えない。更にフェノールノボラック型エポキシ樹脂、固体のエポキシ樹脂を液状のエポキシ樹脂に溶解、又は分散しても構わない。また、信頼性の優れた液状封止樹脂組成物を得るために、エポキシ樹脂のNa+、Cl-等のイオン性不純物はできるだけ少ないものが好ましい。
次に本発明に用いられるフラックス活性を有し、25℃で固形である硬化剤の例としてはカルボン酸,フェノール化合物、アミン等がある。本発明で使用される場合、1分子に複数個のエポキシ基と反応しうる官能基が存在することが必要である。その例としてはジカルボン酸類、トリカルボン酸類またはその酸無水物、テトラカルボン酸類または部分酸無水物、フェノール酸類、有機ヒドラジド類等が挙げられる。カルボン酸を含まないフェノール化合物を使用する場合は、一般にフラックス活性が低いため補完としてカルボン酸類を加えることが好ましい。また、脂肪族カルボン酸を用いる場合は、硬化物の耐湿性低下を招くおそれがあるため、芳香族系硬化剤を併用することが好ましい。
フラックス活性の有無はASTM−B−545に準拠したはんだ濡れ広がり試験法により、個々の材料の活性力を見積もることができる。
これらの硬化剤を複数使用することが本発明では必須となる。更にはそれらの各融点が異なりかつ最も高い融点と最も低い融点の差が10℃以上であるものを用いることが好ましい。硬化剤を1種類に限定すると反応がある温度で急激になるため組成物の粘度の増粘が激しくなり、接続性に支障をきたす。特に低融点の硬化剤を用いた場合顕著である。
また、融点の高い硬化剤を1種類で用いると反応が遅いため接続性には有利だがボイドが生じる恐れがある。また、融点差を最大10℃以上に限定する理由は、融点差をつけることによりエポキシ樹脂との反応を段階的に行わせることにより急激な増粘及びフラックス活性の低下を起こさせないようにすることにより、図1の様な従来のリフロープロファイルに対しても優れたはんだ接続性を示すことが可能となるためである。
また、これらの硬化剤は何れも吸湿し易くボイドの原因となるため用いる際は前もって乾燥を行うほうが好ましい。
本発明ではフラックス活性を示さないか、非常に低い硬化剤であっても硬化物の物性、パッケージ信頼性を向上できるものであれば添加することができる。
本発明の液状樹脂組成物は、液状エポキシ樹脂と硬化剤の反応を促進するために硬化促進剤を添加することができる。その例としては一般的にエポキシ樹脂の硬化促進剤として用いられるものであり、イミダゾール類、リン化合物、ジアザ化合物、第三級アミン等を挙げることができる。
本発明では硬化物性を調節するため無機フィラーを添加することができる。その例としては、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、窒化アルミ等が挙げられる。用途によりこれらを複数混合してもよいが、純度、信頼性、コストの点でシリカが好ましい。その添加量は特に制限がないが、封止用樹脂組成物としての特性(耐湿性、作業性等)を保つためエポキシ樹脂組成物の80重量%以下であることが好ましい。より好ましくは50%以下である。上限値を超えると、接合の際、絶縁性のフィラーが半導体素子のはんだ電極と回路板電極との接合を妨げるからである。
また本発明に無機フィラーを用いる場合、無機フィラーの形状は球状であることが好ましい。いわゆる破砕フィラーの場合はその鋭利な面により半導体素子表面の回路を破壊する恐れがあるからである。また、無機フィラーの粒径は平均粒径で6μm以下、最大粒径で30μm以下が好ましい。この範囲を超えるとはんだ接合時にフィラーにより妨げられ、接続不良を起こす可能性がある。
本発明の液状樹脂組成物は、前記液状エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機フィラー以外に、必要に応じて反応性希釈材、顔料、染料、レベリング剤、消泡剤、カップリング材等の添加剤を混合し、真空脱泡することにより製造することができる。これらの添加剤は何れもボイドの要因になってはならないため、耐熱性、揮発性、基材への濡れ性等確認の上添加することが好ましい。
接続する場合の温度プロファイルは図1のような系だけに限定はされない。例えば図1のように一定温度の時間を維持せず、最大温度まで昇温させるプロファイルを適用することができる。またリフロー以外でも先に述べた部分加熱法も適用することができる。
本発明を実施例及び比較例で説明する。
<実施例1>
(A)成分としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(当量165)100重量部、硬化剤としてフラックス活性を有する2,5−ジヒドロキシ安息香酸 (融点200℃) 20重量部、同様にフラックス活性を有する2,4−ジエチルグルタル酸(融点77℃) 15重量部、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール0.5重量部を秤量し3本ロールにて分散混練し、真空下脱泡処理をしてエポキシ樹脂組成物を得た。次に、得られたエポキシ樹脂組成物を回路基板に塗布し、上部よりフリップチップボンダーを用いて位置決めを行いながらパッケージ実装を行った。その際、フリップチップは約50℃に加温させておいた。用いたパッケージとしては、回路基板電極部に融点139℃のSn−Ag−Bi系はんだ(予備はんだ)が具備された基板と、融点221℃のSn−Agはんだが具備されたフリップチップを接続するもの(タイプA)と、回路基板電極部に融点217℃のSn−Ag−Cuはんだ(予備はんだ)が具備された基板と、融点221℃のSn−Agはんだが具備されたフリップチップを接続する(タイプB)の2タイプを用意した。次に各々のパッケージを図1で示された標準型表面実装用プロファイル(ピークトップ235℃)を用いてはんだを溶融、接続を行った。後硬化として150℃、90分にて封止材であるエポキシ樹脂組成物を硬化させ、下記の接続性試験、ボイド観察を行った。
使用した半導体チップ
バンプ数:400(100バンプ/1ブロック)
バンプ高さ:80μm
チップサイズ:10mm角
パッシベーション:ポリイミド
チップ厚み:500μm
使用した基板:BT基板(接続パッド:金メッキ表面+予備はんだ)
(1)接続性試験
接続性はデイジーチェーンでつながった四つのブロック単位でテスターを用いて導通性を確認した。すなわちあるブロックにおいては一つでも接続不良が出た場合は導通しないため、接続性は不良導通ブロック数/総ブロック数(=4×5)でカウントした。
(2)ボイド観察
封止樹脂を硬化させた後、超音波探傷装置(SAT)を用いてボイドを観察した。(各水準n=5) 近接するバンプをまたぐ程度の大きさのボイドが発生した場合、一箇所でも生じたパッケージを不良とした。
<実施例2>
実施例1において、2,4−ジエチルグルタル酸15重量部を、2,4−グルタル酸(融点97℃)15重量部に変えた以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、各種試験を行った。
<実施例3>
実施例1において2,5−ジヒドロキシ安息香酸20重量部を、フェノールフタリン40重量部(融点225℃)に代えた以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、各種試験を行った。
<実施例4>
実施例1において、2,4−ジエチルグルタル酸15重量部を,アゼライン酸(融点107℃)15重量部に代えた以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調整し、各種試験を行った。
<実施例5>
実施例1において、2,4−ジエチルグルタル酸15重量部をセバシン酸(融点134℃)15重量部に代えた以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調整し、各種試験を行った。
<比較例1>
実施例1において硬化剤として2,5−ジヒドロキシ安息香酸のみを40重量部用いた以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し各種試験を行った。
<比較例2>
実施例1において2,4−ジエチルグルタル酸の代わりに、フタル酸(融点191℃)20重量部用いた以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、各種試験を行った。
<比較例3>
実施例1において、硬化剤を2,4−ジエチルグルタル酸のみを硬化剤として40重量部とした以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、各種試験を行なった。
実施例1〜5、比較例1〜3の評価結果を表1に示す。
Figure 2006143795
実施例1−5はいずれも良好な接続性、ボイド性であったが、比較例1は1種類の硬化剤(高融点タイプ)を用いたため接続性は比較的良好であったがボイドが発生した。
比較例2は融点の差が10℃以下の2種類の硬化剤で高融点の硬化剤の組み合わせにより、接続性の低下、ボイドの発生が見られた。比較例3は低融点硬化剤使用(1種類)のため、初期から反応が開始してしまい接続性が大きく低下した。
本発明の実施例で用いた標準型表面実装用プロファイル(ピークトップ235℃)を示す。

Claims (5)

  1. 25℃で液状であり、1分子中にエポキシ基を2個以上含むエポキシ樹脂(A)、及びフラックス活性を有し25℃で固形であり、融点の異なる少なくとも2種類以上の硬化剤(B)を含んでなることを特徴とする液状樹脂組成物。
  2. 2種類以上の硬化剤(B)の融点の、最も高い融点と最も低い融点の差が10℃以上である請求項1記載の液状樹脂組成物。
  3. 回路面にはんだ突起電極が形成された半導体チップと回路基板とを、請求項1又は2に記載の液状樹脂組成物を介してはんだの融点以上に加熱し、該突起電極と回路基板とを電気的に接合し、樹脂を硬化させて製造することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 液状樹脂組成物の硬化及びはんだの接合をリフローにより行うことを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
  5. 請求項3又は4に記載の製造方法により製造された半導体装置。
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