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JP2006142588A - 画像形成装置 - Google Patents

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JP2006142588A
JP2006142588A JP2004333849A JP2004333849A JP2006142588A JP 2006142588 A JP2006142588 A JP 2006142588A JP 2004333849 A JP2004333849 A JP 2004333849A JP 2004333849 A JP2004333849 A JP 2004333849A JP 2006142588 A JP2006142588 A JP 2006142588A
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droplet
waveform
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ink
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JP2004333849A
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Shino Maekawa
紫野 前川
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】 高粘度記録液を使用した場合にはサテライト滴が不可避的に発生し、低粘度記録液を使用した場合にサテライト滴が発生しない駆動波形を用いても対応することができず、着弾位置ズレやミストが発生して画質が低下する。
【解決手段】 駆動波形は、基準電位Vrefから電圧Vaまで立ち下がる波形要素S1、波形要素S1に続いて電圧Vaを保持する波形要素S2、波形要素S2に続いて電圧Vaから基準電位Vrよりも高い電圧Vbまで立ち上がる波形要素S3、波形要素S3に続いて、液室の固有振動周期Tcに対してTc・1/2〜Tc・2/3の範囲内の保持時間Twの間、電圧Vbに保持する波形要素S4、波形要素S4に続いて電圧Vbから基準電位Vrefまで立ち下がる波形要素S5とを含んでいる。
【選択図】 図7

Description

本発明は画像形成装置に関し、特に記録液の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを備えた画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像形成装置として知られているインクジェット記録装置は、記録ヘッドから被記録媒体(以下、用紙というが材質を紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、また、記録媒体、記録紙などとも称されるものを含む。)に、記録液であるインクの液滴を吐出して記録(画像形成、印写、印字、印刷なども同義語として使用する。)を行うものであり、特に、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易である。
このような画像形成装置においては、高密度、高画質記録の要求に応えるために液滴の小滴化が必要となっていることから、特許文献1に記載されているように、液滴吐出ヘッドの圧力発生手段に対して第1駆動波形を印加して、ノズルから記録液が吐出しはじめてから切断されて滴化し飛翔するまでのタイミングで、圧力室(液室)を膨張させる第2駆動波形を印加することにより、サテライト滴を吐出させずに微小液滴を吐出させるようにしたインクジェット記録装置が知られている。
特開2001−260345号公報
ところで、最近の記録液、特にインクを用いる画像形成装置においては、普通紙への高品質印字を可能にするために、着色剤として有機顔料、カーボンブラック等を含む顔料系インクが使用されつつある。このような顔料系インクは、染料とは異なり水への溶解性がないため、通常は、顔料を分散剤とともに混合し、分散処理して水に安定分散させた状態の水性インクとして用いられる。そのため、顔料系インクは、染料系インクよりも総じて粘度が高くなる。
しかも、このような顔料系記録液は、環境温度によって粘度が大幅に変化し、常温(25℃)で8mPa・sの粘度であっても、低温環境下では例えば15mPa・s程度まで粘度が高くなるという現象が現れ、実験によると5mPa・s〜20mP・sの範囲内で変動する高粘度記録液となる。
そのため、このような顔料系インクの高粘度化に伴い、主滴を吐出した後の尾引きによって必然的にサテライト滴が発生し、サテライト滴の発生をなくすることはできないのが実情である。
ところが、従来の画像形成装置にあっては、このような顔料系インクの高粘度化に伴うサテライト滴の発生が不可避であるということが認識されていなかったため、染料系インクの場合と同様の駆動波形を用いることでサテライト滴の発生を抑えられる、あるいは、サテライト滴の大きさを主滴と同じにするというようなことができると考えられ、サテライト滴に発生によってサテライト滴の着弾位置が主滴とずれて画像品質が低下するという課題を生じている。
また、被記録媒体を静電搬送ベルトで搬送する構成を採用した画像形成装置にあっては、静電搬送ベルトの帯電によって記録ヘッドのノズル面に逆極性の電荷が発生し、サテライト滴が発生した場合には、主滴とサテライト滴との間に発生する尾引きによるミストが記録ヘッドのノズル面側に吸引されて付着し、ノズル面の汚れの頻度が高くなるという課題も生じている。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、不可避的に発生するサテライト滴による画像品質の低下を低減した画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、液滴吐出ヘッドから主滴を吐出させる第1波形要素と、吐出した主滴に伴うサテライト滴の滴速度を主滴を吐出させることなく高める第2の波形要素とを含む駆動波形を生成する手段を備えている構成とした。
ここで、第2波形要素は前記第1波形要素による主滴の吐出から液室の固有振動周期内に与えられることが好ましい。また、第1波形要素はノズルのメニスカスを液室側に引き込むように液室を膨張させる引き込み波形要素と、この引き込み波形要素によって膨張した液室を収縮させる加圧波形要素とを含むことが好ましい。さらに、第1波形要素は複数の主滴を吐出させて飛翔中に1つの液滴に合体させる複数の波形要素を含むことが好ましい。
また、サテライト滴は飛翔中に主滴に合体することが好ましい。さらに、第2波形要素は主滴吐出後の残留振動を抑える制振波形要素を含むことが好ましい。さらにまた、記録液の粘度が5mPa・s〜20mPa・sの範囲内であることが好ましい。
本発明に係る画像形成装置によれば、液滴吐出ヘッドから主滴を吐出させる第1波形要素と、吐出した主滴に伴うサテライト滴の滴速度を主滴を吐出させることなく高める第2の波形要素とを含む駆動波形を生成する手段を備えているので、サテライト滴の速度を高めて着弾位置上又は主滴飛翔中に主滴に合体させることができ、サテライト滴による画像品質の低下を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置を前方側から見た斜視説明図である。
このインクジェット記録装置は、装置本体1と、装置本体1に装着された用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。さらに、装置本体1の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、前面から装置本体1の前方側に突き出し、上面よりも低くなったインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部4を有し、このカートリッジ装填部4の上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部5としている。
このカートリッジ装填部14には、色の異なる記録液(インク)、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数の記録液カートリッジであるインクカートリッジ10k、10c、10m、10y(色を区別しないときは「インクカートリッジ10」という。)を、装置本体1の前面側から後方側に向って挿入して装填可能とし、このカートリッジ装填部4の前面側には、インクカートリッジ10を着脱するときに開く前カバー(カートリッジカバー)6を開閉可能に設けている。また、インクカートリッジ10k、10c、10m、10yは縦置き状態で横方向に並べて装填する構成としている。
この前カバー6は、全体が、この前カバー6を閉じた状態で、カートリッジ装填部4内に装填されている複数のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yを外部から視認することができる透明又は半透明の部材で形成されている。なお、インクカートリッジ10k、10c、10m、10yを外部から視認することができれば一部が透明又は半透明の部材で形成されている構成とすることもできる。
また、操作/表示部5には、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの装着位置(配置位置)に対応する配置位置で、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの残量がニアーエンド及びエンドになったことを表示するための各色の残量表示部11k、11c、11m、11y(色を区別しないときは「残量表示部11」という。)を配置している。さらに、この操作/表示部5には、電源ボタン12、用紙送り/印刷再開ボタン13、キャンセルボタン14も配置している。
次に、このインクジェット記録装置の機構部について図2及び図3を参照して説明する。なお、図2は同機構部の全体構成を説明する概略構成図、図3は同機構部の要部平面説明図である。
フレーム21を構成する左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材であるガイドロッド31とステー32とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによって図3で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ33には、前述したようにイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド34を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド34を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
この記録ヘッド34にはドライバICを搭載し、図示しない制御部との間でハーネス(フレキシブルプリントケーブル)22を介して接続している。
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34に各色のインクを供給するための各色のサブタンク35を搭載している。この各色のサブタンク35には各色のインク供給チューブ36を介して、前述したように、カートリッジ装填部4に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填4にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット24が設けられ、また、インク供給チューブ36は這い回しの途中でフレーム21を構成する後板21Cに係止部材25にて保持されている。
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。この搬送ベルト51は、例えば、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。
そして、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に所定の押圧力をかけている。なお、搬送ローラ52はアースローラの役目も担っており、搬送ベルト51の中抵抗層(裏層)と接触配置され接地している。
また、搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド34による印写領域に対応してガイド部材57を配置している。このガイド部材57は、上面が搬送ベルト51を支持する2つのローラ(搬送ローラ52とテンションローラ53)の接線よりも記録ヘッド35側に突出させることで搬送ベルト51の高精度な平面性を維持するようにしている。
この搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによって駆動ベルトを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図3のベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロ63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。ここで、排紙ローラ62と排紙コロ63との間から排紙トレイ3までの高さは排紙トレイ3にストックできる量を多くするためにある程度高くしている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
さらに、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構(サブシステム)81を配置している。この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするためのキャップ部材82と、ノズル面をワイピングするためのワイパーブレード83と、空吐出(画像記録に寄与しない液滴の吐出)を行なうときに吐出された液滴を受けるための空吐出受け84などを備えている。また、キャリッジ33の走査方向の他方側の非印字領域には、同様に、空吐出時の液滴を受けるための空吐出受け85を配置している。
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、図示しない制御回路によってACバイアス供給部から帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
次に、この画像形成装置における記録ヘッドを構成する液滴吐出ヘッドの一例について図4及び図5を参照して説明する。なお、図4は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図5は同ヘッドの液室短手方向(ノズルの並び方向)の断面説明図である。
この液滴吐出ヘッドは、例えば単結晶シリコン基板を異方性エッチングして形成した流路板101と、この流路板101の下面に接合した例えばニッケル電鋳で形成した振動板102と、流路板101の上面に接合したノズル板103とを接合して積層し、これらによって液滴(インク滴)を吐出するノズル104が連通する流路であるノズル連通路105及び液室106、液室106にインクを供給するための共通液室108に連通するインク供給口109などを形成している。
また、振動板102を変形させて液室106内のインクを加圧するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての2列(図4では1列のみ図示)の積層型圧電素子121と、この圧電素子121を接合固定するベース基板122とを備えている。なお、圧電素子121の間には支柱部123を設けている。この支柱部123は圧電素子部材を分割加工することで圧電素子121と同時に形成した部分であるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。
また、圧電素子121には図示しない駆動回路(駆動IC)に接続するためのFPCケーブル22を接続している。
そして、振動板102の周縁部をフレーム部材130に接合し、このフレーム部材130には、圧電素子121及びベース基板122などで構成されるアクチュエータユニットを収納する貫通部131及び共通液室108となる凹部、この共通液室108に外部からインクを供給するためのインク供給穴132を形成している。このフレーム部材130は、例えばエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
ここで、流路板101は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路105、液室106となる凹部や穴部を形成したものであるが、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできる。
振動板102は、ニッケルの金属プレートから形成したもので、例えばエレクトロフォーミング法(電鋳法)で作製しているが、この他、金属板や金属と樹脂板との接合部材などを用いることもできる。この振動板102に圧電素子121及び支柱部123を接着剤接合し、更にフレーム部材130を接着剤接合している。
ノズル板103は各液室106に対応して直径10〜30μmのノズル104を形成し、流路板101に接着剤接合している。このノズル板103は、金属部材からなるノズル形成部材の表面に所要の層を介して最表面に撥水層を形成したものである。
圧電素子121は、圧電材料151と内部電極152とを交互に積層した積層型圧電素子(ここではPZT)である。この圧電素子121の交互に異なる端面に引き出された各内部電極152には個別電極153及び共通電極154が接続されている。なお、この実施形態では、圧電素子121の圧電方向としてd33方向の変位を用いて液室106内インクを加圧する構成としているが、圧電素子121の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室106内インクを加圧する構成とすることもできる。また、1つの基板122に1列の圧電素子121が設けられる構造とすることもできる。
このように構成した液滴吐出ヘッドにおいては、例えば圧電素子121に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子121が収縮し、振動板102が下降して液室106の容積が膨張することで、液室106内にインクが流入し、その後圧電素子121に印加する電圧を上げて圧電素子121を積層方向に伸長させ、振動板102をノズル104方向に変形させて液室106の容積/体積を収縮させることにより、液室106内の記録液が加圧され、ノズル104から記録液の滴が吐出(噴射)される。
そして、圧電素子121に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板102が初期位置に復元し、液室106が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室108から液室106内に記録液が充填される。そこで、ノズル104のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図6を参照して説明する。なお、同図は同制御部の全体ブロック説明図である。
この制御部200は、装置全体の制御を司るCPU201と、CPU201が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM202と、画像データ等を一時格納するRAM203と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)204と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC205とを備えている。
また、この制御部200は、パーソナルコンピュータ等の画像処理装置(あるいはデータ処理装置)であるホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F206と、記録ヘッド34を駆動するための駆動波形を生成する駆動波形生成部207と、記録ヘッド34を駆動制御するヘッドドライバ208と、主走査モータ212を駆動するための主走査モータ駆動部211と、副走査モータ214を駆動するための副走査モータ駆動部213と、帯電ローラ56に対してACバイアス電圧を供給するACバイアス供給部215と、各種センサからの検知信号などを入力するためのI/O216などを備えている。
ここで、制御部200は、パーソナルコンピュータ等の画像処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト側からの画像データを含む印刷データ(印字データ)等をケーブル或いはネットを介してI/F206で受信する。
そして、CPU201は、I/F206に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC205にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行ってヘッドドライバ208に画像データを転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成は、例えばROM202にフォントデータを格納して行っても良いし、ホスト側のプリンタドライバで画像データをビットマップデータに展開してこの装置に転送するようにしても良い。
駆動波形生成部207は、駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器等で構成され、1の駆動パルス(駆動信号)又は複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形をヘッドドライバ208に対して出力する。
ヘッドドライバ208は、シリアルに入力される記録ヘッド34の1行分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)に基づいて駆動波形生成部207から与えられる駆動波形を構成する駆動パルスを選択的に記録ヘッド34の圧力発生手段(圧電素子121)に印加して記録ヘッド34を駆動する。
次に、この画像形成装置で使用しているインク(記録液、以下「本インク」という。)の一例について説明する。
本インクは、次の(1)ないし(10)で構成され、印字するための着色剤として、顔料を使用し、それを分解、分散させるための溶剤とを必須成分とし、更に、添加剤として、湿潤剤、界面活性剤、エマルジョン、防腐剤、pH調整剤とを使用する。湿潤剤1と湿潤剤2とを混合するのは各々湿潤剤の特徴を活かすためと、粘度調整が容易にできるためである。
(1) 顔料(自己分散性顔料)6wt%以上
(2) 湿潤剤1
(3) 湿潤剤2
(4) 溶性有機溶剤
(5) ニオンまたはノニオン系界面活性剤
(6) 炭素数8以上のポリオールまたはグリコールエーテル
(7) エマルジョン
(8) 防腐剤
(9) pH調整剤
(10) 純水
上記の各インク構成要素について、より具体的に説明する。
(1)の顔料に関しては、特にその種類を限定することなく、無機顔料、有機顔料を使用することができる。無機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
これらの顔料のうち、水と親和性の良いものが好ましく用いられる。顔料の粒径は、0.05μmから10μm以下が好ましく、さらに好ましくは1μm以下であり、最も好ましくは0.16μm以下である。
インク中の着色剤としての顔料の添加量は、6〜20wt%程度が好ましく、より好ましくは8〜12wt%程度である。
本インクにおいて好ましく用いられる顔料の具体例としては、以下のものが挙げられる。黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
また、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、408、109、110、117、120、138、153、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36等がある。
その他、顔料(例えばカーボン)の表面を樹脂等で処理し、水中に分散可能としたグラフト顔料や、顔料(例えばカーボン)の表面にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした加工顔料等が使用できる。
また、顔料をマイクロカプセルに包含させ、該顔料を水中に分散可能なものとしたものであっても良い。
本インクの好ましい態様によれば、ブラックインク用の顔料は、顔料を分散剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料分散液としてインクに添加されるのが好ましい。好ましい分散剤としては、従来公知の顔料分散液を調整するのに用いられる公知の分散液を使用することができる。
分散液としては、例えば以下のものが挙げられる。ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
本インクの好ましい態様によれば、これらの共重合体は重量平均分子量が3,000〜50,000であるのが好ましく、より好ましくは5,000〜30,000、最も好ましくは7,000〜15、000である。分散剤の添加量は、顔料を安定に分散させ、本発明の他の効果を失わせない範囲で適宣添加されて良い。分散剤としては1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、より好ましくは1:0.125〜1:3の範囲である。
着色剤に使用する顔料は、記録用インク全重量に対して6wt%〜20wt%含有し、0.05μm〜0.16μm以下の粒子径の粒子であり、分散剤により水中に分散されていて、分散剤が、分子量5,000から100,000の高分子分散剤である。水溶性有機溶剤が少なくとも1種類にピロリドン誘導体、特に、2−ピロリドンを使用すると画像品質が向上する。
(2)〜(4)の湿潤剤1、2と、水溶性有機溶剤に関しては、本インクの場合、インク中に水を液媒体として使用するものであるが、インクを所望の物性にし、インクの乾燥を防止するために、また、溶解安定性を向上するため等の目的で、例えば下記の水溶性有機溶剤が使用される。これら水溶性有機溶剤は複数混合して使用してもよい。
湿潤剤と水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類;プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等である。
これら有機溶媒の中でも、特にジエチレングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリコール200〜600、トリエチレングリコール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペトリオール、1,5−ペンタンジオール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。これらは溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる。
その他の湿潤剤としては、糖を含有してなるのが好ましい。糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースなどがあげられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式HOCH(CHOH)nCHOH(ここでn=2〜5の整数を表す。)で表される。)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などがあげられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
これら糖類の含有量は、インク組成物の0.1〜40wt%、好ましくは0.5〜30wt%の範囲が適当である。
(5)の界面活性剤に関しても、特に限定はされないが、アニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。 非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなどが挙げられる。前記界面活性剤は、単独または二種以上を混合して用いることができる。
本インクにおける表面張力は、紙への浸透性を示す指標であり、特に表面形成されて1秒以下の短い時間での動的表面張力を示し、飽和時間で測定される静的表面張力とは異なる。測定法としては特開昭63−31237号公報等に記載の従来公知の方法で1秒以下の動的な表面張力を測定できる方法であればいずれも使用できるが、ここでは、Wilhelmy式の吊り板式表面張力計を用いて測定した。表面張力の値は40mJ/m2以下が好ましく、より好ましくは35mJ/m2以下とすると優れた定着性と乾燥性が得られる。
(6)の炭素数8以上のポリオールまたはグリコールエーテルに関しては、25℃の水中において0.1〜4.5wt%未満の間の溶解度を有する部分的に水溶性のポリオール及びグリコールエーテルの少なくともいずれかを、記録用インク全重量に対して0.1〜10.0wt%添加することによって、該インクの熱素子への濡れ性が改良され、少量の添加量でも吐出安定性および周波数安定性が得られることが分かった。
(a)2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 溶解度:4.2%(20℃)
(b)2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 溶解度:2.0%(25℃)
25℃の水中において0.1〜4.5wt%未満の間の溶解度を有する浸透剤は、溶解度が低い代わりに浸透性が非常に高いという長所がある。したがって、25℃の水中において0.1〜4.5wt%未満の間の溶解度を有する浸透剤と他の溶剤との組み合わせや他の界面活性剤との組み合わせで非常に高浸透性のあるインクを作製することが可能となる。
(7)本インクには樹脂エマルジョンが添加されている方が好ましい。樹脂エマルジョンとは、連続相が水であり、分散相が次の様な樹脂成分であるエマルジョンを意味する。分散相の樹脂成分としてはアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などがあげられる。
本インクの好ましい態様によれば、この樹脂は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径はエマルジョンを形成する限り特に限定されないが、150nm程度以下が好ましく、より好ましくは5〜100nm程度である。
これらの樹脂エマルジョンは、樹脂粒子を、場合によって界面活性剤とともに水に混合することによって得ることができる。 例えば、アクリル系樹脂またはスチレン−アクリル系樹脂のエマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステルまたはスチレンと、(メタ)アクリル酸エステルと、場合により(メタ)アクリル酸エステルと、界面活性剤とを水に混合することによって得ることができる。樹脂成分と界面活性剤との混合の割合は、通常10:1〜5:1程度とするのが好ましい。界面活性剤の使用量が前記範囲に満たない場合、エマルジョンとなりにくく、また前記範囲を超える場合、インクの耐水性が低下する、または浸透性が悪化する傾向があるので好ましくない。
前記エマルジョンの分散相成分としての樹脂と水との割合は、樹脂100重量部に対して水60〜400重量部、好ましくは100〜200の範囲が適当である。 市販の樹脂エマルジョンとしては、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、などが挙げられる。
本インクは、樹脂エマルジョンを、その樹脂成分がインクの0.1〜40wt%となるよう含有するのが好ましく、より好ましくは1〜25wt%の範囲である。
樹脂エマルジョンは、増粘・凝集する性質を持ち、着色成分の浸透を抑制し、さらに記録材への定着を促進する効果を有する。また、樹脂エマルジョンの種類によっては記録材上で皮膜を形成し、印刷物の耐擦性をも向上させる効果を有する。
(8)〜(10)本インクには上記着色剤、溶媒、界面活性剤の他に従来より知られている添加剤を加えることができる。
例えば、防腐防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が使用できる。
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。その例として、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
次に、駆動波形生成部207で生成する記録ヘッド34の圧力発生手段である圧電素子121に対して与える駆動波形について図7以降をも参照して説明する。図7は本発明に係る駆動波形の一例を説明する説明図である。
この駆動波形は、基準電位Vrefから電圧Vaまで立ち下がる波形要素S1、波形要素S1に続いて電圧Vaを保持する波形要素S2、波形要素S2に続いて電圧Vaから基準電位Vrよりも高い電圧Vbまで立ち上がる波形要素S3、波形要素S3に続いて、液室の固有振動周期Tcに対してTc・1/2〜Tc・2/3の範囲内の保持時間Twの間、電圧Vbに保持する波形要素S4、波形要素S4に続いて電圧Vbから基準電位Vrefまで立ち下がる波形要素S5とを含んでいる。
この駆動波形においては、液滴吐出ヘッドから主滴を吐出させる第1波形要素は波形要素S1ないしS3で構成し、吐出した主滴に伴うサテライト滴の滴速度を主滴を吐出させることなく高める第2の波形要素は波形要素S4及びS5で構成して、この駆動波形を生成する手段は、前述したように駆動波形データを予め格納したROMなどの格納手段と、この駆動波形データをD/A変換する駆動波形生成部207によって構成している。
上述した駆動波形を記録ヘッド34の圧電素子121に与えると、波形要素S1で圧電素子121が収縮して振動板102が下降して液室106の容積が膨張し、波形要素S2で膨張状態に保持され、波形要素S3で圧電素子121が伸張して振動板102が基準位置よりも押し込まれて液室106の容積が収縮し、これによってノズル104から液滴(主滴)が吐出される。
そして、この主滴吐出後、波形要素S4で振動板102をその位置に保持することで液室容積を収縮状態に保持し、所要の保持時間Twが経過した後、波形要素S5により電圧Vbから基準電位Vrefに立ち下げて振動板102を基準位置に復元する。
ここで、主滴吐出後の駆動波形について、図8(a)に示すように主滴吐出後保持時間Twとした波形要素S4の後波形要素S5で基準電位Vrefに立ち下げる上記駆動波形、同図(b)に示すように主滴吐出後、保持時間Twより短い保持時間tw(例えばtw=固有振動周期Tc/5)の間保持する波形要素S6と、波形要素S6に続いて波形要素S7で電圧Vc(Vc>Vb)まで立ち上げた後保持し、その後基準電位Vrefまで立ち下げる波形要素S7とを含む駆動波形、同図(c)に示すように前記波形要素S6と、波形要素S6に続いて波形要素S5で基準電位Vrefまで立ち下げる駆動波形について、インクメニスカス速度との関係を評価し、この評価結果を図9に示している。
この図9から分かるように、図8(b)の駆動波形(図9(a)、(b)では一点鎖線で示す。)にあっては、保持時間tw後電圧を上げる、つまり、主滴吐出に伴ってメニスカスが液室の固有振動に応じて下がる方向に移動するのに対して振動板102を液室106側にさらに押し込むことで振動を抑制する(制振する)ので、液室の固有振動が抑制され、その結果メニスカス速度も遅くなる。この図8(b)の駆動波形を制振駆動波形という。
これに対して、図8(c)の駆動波形(図9(a)、(b)では破線で示す。)にあっては、保持時間tw後電圧を基準電位Vrefまで下げる、つまり、主滴吐出に伴ってメニスカスが液室の固有振動に応じて下がる方向に移動するときに振動板102を液室106容積が拡大する方向に下げるので、液室106の固有振動に液室容積の拡大が重畳されて振動が加振されるので、液室の固有振動による振れが大きくなり、その結果メニスカス速度が速くなる。その結果、主滴に後の固有振動によって圧力がノズル側に向うときに吐出されるサテライト滴がサテライトではなく主滴に近い滴体積の液滴として吐出されてしまうことになる。この図8(c)の駆動波形を加振駆動波形という。
これらに対して、図8(a)の本発明に係る駆動波形(図9(a)、(b)では実線で示す。)にあっては、保持時間Tw後電圧を基準電位Vrefまで下げる、つまり、主滴吐出に伴ってメニスカスが液室の固有振動に応じて下がる方向に移動するときに、保持時間twよりも時間を遅らせて振動板102を液室106容積が拡大する方向に下げるので、液室106の固有振動に液室容積の拡大が重畳されて振動が加振されるが、図8(c)の加振駆動波形よりは液室の固有振動による振れが小さくなり、その結果メニスカス速度が速くなるとともに、主滴に後の固有振動によって圧力がノズル側に向うときに吐出されるサテライト滴は主滴にならず、しかも、サテライト滴の滴速度は速くなる。この図7(a)の駆動波形を加制振駆動波形という。
次に、粘度の異なる(6.8mP・s、8mP・s、15mP・s)のインクについて、図8(a)の本発明に係る駆動波形(加制振駆動波形という)を用いて、滴量Mj1の大滴、滴量Mj2の中滴、滴量Mj3の小滴(Mj1>Mj2>Mj1)を吐出させたときの主滴Mdと尾引き(ミスト状インク)及びサテライト滴の状態を評価した結果を図10(a)に、同じく、図7(b)の駆動波形(制振駆動波形という)を用いて、滴量Mj1の大滴、滴量Mj2の中滴、滴量Mj3の小滴(Mj1>Mj2>Mj1)を吐出させたときの主滴Mdと尾引き(ミスト状インク)及びサテライト滴の状態を評価した結果を図10(b)に、それぞれ示している。
なお、粘度が異なるとはインクとしては同じでも環境温度によって粘度が変化する場合であり、物性の異なるインクを用いたという趣旨ではない。
この図10から分かるように、図8(b)の制振駆動波形を用いた場合には、特に大滴、中滴で、尾引きが長くなって多量のミスト状インクが生じているのに対し、図8(a)の本発明に係る加制振駆動波形を用いた場合にはサテライト滴の滴速度が高められているので、その分尾引きが短くなって、ミスト状インクの量も低減している。また、サテライト滴の滴速度が速くなることで主滴との着弾位置ズレも小さくなる。
このように、このように、液滴吐出ヘッドから主滴を吐出させる第1波形要素と、吐出した主滴に伴うサテライト滴の滴速度を主滴を吐出させることなく高める第2の波形要素とを含む駆動波形を生成する手段を備えることで、不可避的に生じるサテライト滴と主滴との着弾位置ズレが小さくなって画像品質が向上する。また、ミスト量が低減することによって、特に静電搬送を用いた場合に生じ易い記録ヘッドのノズル面の帯電によるミストの付着を低減することができる。
次に、粘度の異なる(6mP・s、8mP・s、20mP・s)インクについて、波形要素S4の保持時間TwをTc/3、2Tc/3、Tcとした場合と、Tcの間保持する波形要素を用いた場合の滴吐出状態の評価例を図11ないし図13に示している。
図11はインクの粘度が6mP・sである場合を示している。この図11からは、粘度が相対的に低い場合に保持時間TwをTc/3にすると、サテライト滴は飛翔中に主滴Mdに合体吸収されること、また、粘度が相対的に低いことでサテライト滴Sdの滴速度が速くなって主滴Mdとの距離が図12、図13の場合よりも短くなっていることが分かる。なお、実験によると、粘度が7mPa・s以下であれば、保持時間TwをTc/2以下にすると、サテライト滴を飛翔中に主滴に合体させることができることが判明した。これにより、サテライト滴と主滴との着弾位置ずれの問題は解消される。
図12はインクの粘度が8mP・sである場合を、図13はインクの粘度が20mP・sである場合をそれぞれ示している。これらの各図から分かるようにインクの粘度が高くなった場合でも、保持時間TwをTc/3〜2Tc/3の範囲内にすることによって、サテライト滴の滴速度が保持時間を固有振動周期Tcと同じにした場合よりも高くなり、主滴Mdとこの主滴Mdに続行するサテライト滴Sdとの間の距離が短くなっていることが分かる。
前述したように、保持時間TwをTc/3よりも短くした場合(図8(c)の駆動波形のようにtw=Tc/5にした場合)にはサテライト滴ではなく主滴に近い滴が吐出されるようになるので、サテライト滴の滴速度を高める波形要素S4及びS5としては、波形要素S4の保持時間TwをTc/3以上にすることが好ましい。また、保持時間Twは固有振動周期Tcと同じでもサテライト滴の滴速度を高めることはできるが、サテライト滴の滴速度を高めて着弾位置ズレやミストの低減に十分な効果を得るためには、波形要素S4の保持時間Twを2Tc/3以下にすることが好ましい。したがって、より好ましくは、波形要素S4の保持時間Twは、Tc/3〜2Tc/3の範囲内である。
次に、1つの滴を複数の駆動信号(駆動パルス)で複数の主滴を吐出させて飛翔中に合体させる場合の駆動波形について図14を参照して説明する。
この駆動波形は3つの駆動パルスP1、P2、P3を印加して3つの主滴を吐出させて飛翔中に合体させることで大きな滴を形成する例であり、駆動パルスP1、P2、P3はそれぞれ主滴を吐出させるために前述した波形要素S1、S2、S3と同様な波形要素S11、S21、S31(駆動パルスP1)、波形要素S12、S22、S32(駆動パルスP2)、波形要素S13、S23、S33(駆動パルスP3)を含み、最も後段の駆動パルスP3に前述した波形要素S4及び波形要素S5を加えた駆動波形としている。
このように複数の主滴を吐出させる駆動波形の場合には、最終段の駆動信号(駆動パルス)を、最終段の主滴を吐出させる波形要素にサテライト滴の滴速度を高める波形要素を加えた加制振駆動波形とすることで、前述したように着弾位置ズレやミストの低減を図ることができる。
なお、この図14の例では駆動パルスP1とP2との間、P2とP3との間ではそれぞれ基準電位Vrefに保持しているが、これに限るものではなく、前述した図8(b)に示す制振駆動波形や図8(c)に示す加振駆動波形とすることもできる。
例えば、図15は4個の駆動パルスP11ないしP14を含む駆動波形の例である。ここでは、小滴吐出用及び大滴吐出用の駆動パルスP11と、中滴吐出用及び大滴吐出用の駆動パルスP12と、大滴吐出時にだけ使用する駆動パルスP13、P14とを1駆動周期内で出力する駆動波形を構成し、吐出する滴の大きさに応じて使用する駆動パルスを選択するようにしている。
この場合、中滴吐出用及び大滴吐出用の駆動パルスP12については前述した加制振駆動波形とし、大滴吐出用の駆動パルスP13については前述した制振駆動波形とし、大滴吐出用の駆動パルスP14については前述した加制振駆動波形としている。
なお、上記実施形態ではプリンタ構成の画像形成装置を例にして説明したが、プリンタ/FAX/複写機を複合したマルチファンクションタイプの画像形成装置にも同様に適用することができる。また、インク以外の記録液、液体を使用する画像形成装置にも同様に適用することができる。
本発明に係る画像形成装置を前方側から見た斜視説明図である。 同じく機構部の概略構成図である。 同じく機構部の概略平面説明図である。 同画像形成装置の記録ヘッドを構成する液滴吐出ヘッドの一例を示す液室長手方向に沿う断面説明図である。 同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図である。 同画像形成装置の制御部の一例を示すブロック説明図である。 同画像形成装置で使用する本発明に係る駆動波形の説明図である。 本発明に係る駆動波形と比較例に係る駆動波形の説明図である。 図8の各駆動波形とインクメニスカス速度との関係の一例を示す説明図である。 図8(a)、(b)の駆動波形を使用した場合の吐出滴の状態の説明に供する説明図である。 図8(a)の駆動波形を用いて保持時間Twを変化させたときの吐出滴の状態の説明に供する説明図である。 図8(a)の駆動波形を用いて保持時間Twを変化させたときの吐出滴の状態の他の例の説明に供する説明図である。 図8(a)の駆動波形を用いて保持時間Twを変化させたときの吐出滴の状態の更に他の例の説明に供する説明図である。 本発明の係る駆動波形の他の例を示す説明図である。 本発明の係る駆動波形の更に他の例を示す説明図である。
符号の説明
1…装置本体
2…給紙トレイ
3…排紙トレイ
33…キャリッジ
34…記録ヘッド
35…サブタンク
51…搬送ベルト
207…駆動波形生成部

Claims (7)

  1. 記録液の液滴を吐出するノズルが連通する液室内に前記液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段を備えた液滴吐出ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動する駆動波形を与える手段とを備えた画像形成装置において、前記液滴吐出ヘッドから主滴を吐出させる第1波形要素と、前記吐出した主滴に伴うサテライト滴の滴速度を、主滴を吐出させることなく高める第2の波形要素とを含む駆動波形を生成する手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記第2波形要素は前記第1波形要素による主滴の吐出から前記液室の固有振動周期内に与えられることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記第1波形要素はノズルのメニスカスを液室側に引き込むように前記液室を膨張させる引き込み波形要素と、この引き込み波形要素によって膨張した前記液室を収縮させる加圧波形要素とを含むことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第1波形要素は複数の主滴を吐出させて飛翔中に1つの液滴に合体させる複数の波形要素を含むことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記サテライト滴は飛翔中に主滴に合体することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第2波形要素は主滴吐出後の残留振動を抑える制振波形要素を含むことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記記録液の粘度が5mPa・s〜20mPa・sの範囲内であることを特徴とする画像形成装置。
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