JP2006140245A - アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】通電により磁束作用面が形成されるプランジャ7の周面P1、P2と対向する第1、第2のヨーク部5、6の対向面Y1、Y2のうち、少なくとも一方の磁気抵抗を円周方向で不均一化し可動子径方向に作用する磁力の合力を径方向一端E1側へ偏らせて作用させる。
【選択図】図1
Description
また、プランジャ57と第1、第2のヨーク部54、55との位置関係によっては、磁気抵抗が急激に変化し易く、励磁コイル53への通電時に推力が一気に高まることがあるため一定の推力でストローク量を制御できる範囲が限られ制御性が良くないという課題もあった。
励磁コイルと、励磁コイルの一端側に設けられる第1のヨーク部と他端側に設けられる第2のヨーク部とで励磁コイルの周囲を覆う固定子と、励磁コイルの中心部に軸線方向に往復動可能に設けられる可動子とを備え、励磁コイルへの通電により第1、第2のヨーク部と可動子との間で磁気回路が形成されて可動子に磁力が作用するアクチュエータにおいて、通電により磁束作用面が形成される可動子の周面と第1、第2のヨーク部が各々対向する対向面のうち、少なくとも一方の磁気抵抗を円周方向で不均一化し可動子径方向に作用する磁力の合力を径方向一端側へ偏らせて作用させることを特徴とする。
具体的には、通電により磁束作用面が形成される可動子の周面と各々対向する第1、第2のヨーク部の対向面のうち、少なくとも一方の対向面積が当該可動子の径方向一端側から他端側に向かって漸進減少する形状であることを特徴とする。
より具体的には、磁束作用面となる可動子の周面に、当該可動子の周面と各々対向する第1、第2のヨーク部のうち少なくとも一方との対向面積が可動子径方向一端側から他端側に向かって漸進減少する傾き形状を有する溝又は段付き形状を有する切欠き部が形成されていることを特徴とする。
或いは、磁束作用面となる第1、第2のヨーク部のうち少なくとも一方に、可動子径方向一端側から他端側に向かって対向面積が漸進減少する傾き形状又は段付き形状を有することを特徴とする。
また、通電により磁束作用面が形成される可動子の周面と第1、第2のヨーク部の対向面のうち一方又は双方が可動子の径方向一端側から他端側に向かって対向面積が漸進減少する形状になっているので、通電により可動子と第1、第2のヨーク部との間で磁気抵抗の小さい径方向一端側から吸引が強まり、可動子が固定子側へ吸引されるにしたがって径方向他端側へ向かって徐々に対向面積が大きくなって吸引力が強まるので、一定の推力が長いストロークにわたって得られる。よって、推力差によって可動子の可動範囲の変動が少なく、一定の推力が得られる可動子の可動範囲が拡大するので、可動子の実可動範囲における制御性が向上する。
図1を参照して、リニアソレノイドの概略構成について説明する。
先ず、固定子1の構成について説明する。励磁コイル2はボビン3に巻き付けられている。ボビン3の巻芯部に設けられた軸孔には、非磁性材料よりなる案内筒(ガイドパイプ)4が嵌め込まれている。励磁コイル2は一端側に設けられる蓋状の第1のヨーク部5と他端側に設けられるカップ状の第2のヨーク部6とで周囲が覆われている。第1ヨーク部5及び第2ヨーク部6は磁性材料により構成されており、励磁コイル2へ通電により発生する固定子1の磁束通路を形成する。
次に、リニアソレノイドの他例について図2を参照して説明する。リニアソレノイドの概略構成は、図1と同様であるので同一部材には同一番号を付して説明を援用する。以下、異なる構成を中心に説明する。
図2において、プランジャ7の一端側周面P1には均一な幅及び深さで周溝又は段付面(本実施例では凹溝10)が形成されており、径方向に磁束作用面が形成されるようになっている。また、プランジャ7の他端側周面P2は均一な円筒面に形成されている。プランジャ7の一端側周面P1に対向する第1のヨーク部5の対向面Y1に、当該周面P1との対向面積が径方向一端側H1から径方向他端側H2に向かって漸進減少する傾き形状(又は段付形状)が形成されている。即ち、図2において、第1のヨーク部5の対向面Y1には、径方向一端側H1から他端側H2に向かって磁気抵抗が増大する傾き(又は段)を有する傾斜面(又は段付面)11が形成されている。
また、通電直後にプランジャ7と第1、第2のヨーク部5、6との間で磁気抵抗の小さい径方向一端側H1で吸引力が強まり、プランジャ7が固定子1側へ引き込まれるにしたがって径方向他端側H2へ向かって徐々に対向面積が大きくなって吸引力Fが強まるので、一定の推力が長いストロークにわたって得られる(図4グラフB参照)。よって、推力差によってプランジャ7の可動範囲の変動が少なく、一定の推力が得られるプランジャ7の可動範囲が拡大するので、プランジャ7の実可動範囲における制御性が向上する。
次にリニアソレノイドの他例について図5及び図6を参照して説明する。リニアソレノイドの概略構成は、第1実施例(図1)と同様であるので同一部材には同一番号を付して説明を援用する。以下、異なる構成を中心に説明する。
図6において、プランジャ7の少なくとも一端側の周面に周溝若しくは段付面(本実施例では凹溝18)が形成されており、径方向に磁束作用面が形成されるようになっている。図5において、本実施例は通電により磁束作用面が形成されるプランジャ7の周面に、面取りされた部分(断面D形状に形成された面;Dカット面13)が形成されている。このDカット面13によりプランジャ7の周面と第1のヨーク部5及び第2のヨーク部6が各々対向する対向面の磁気抵抗を円周方向で不均一化するようになっている。
次にリニアソレノイドの他例について図7及び図8を参照して説明する。リニアソレノイドの概略構成は、第1実施例(図1)と同様であるので同一部材には同一番号を付して説明を援用する。以下、異なる構成を中心に説明する。
図8において、プランジャ7の少なくとも一端側の周面に周溝若しくは段付面(本実施例では凹溝18)が形成されており、径方向に磁束作用面が形成されるようになっている。図7において、本実施例はプランジャ7の軸方向上下端面に穴14、15が各々形成されている。図8において穴14、15はプランジャ7の径方向で矢印H2側に偏って形成されている。この穴14、15により通電によりプランジャ7内を通過する磁束通路に部分的に偏りが生じる。このため、プランジャ7の周面と第1のヨーク部5及び第2のヨーク部6が各々対向する対向面の磁気抵抗を円周方向で不均一化するようになっている。尚、穴14、15の穴径や周方向及び径方向で特定される穴位置は必ずしも一致していなくても良い。また、穴は少なくともプランジャ7の軸方向一端面に形成されていれば良く、貫通孔であっても有底穴のいずれであっても良い。
次にリニアソレノイドの他例について図9及び図10を参照して説明する。リニアソレノイドの概略構成は、第1実施例(図1)と同様であるので同一部材には同一番号を付して説明を援用する。以下、異なる構成を中心に説明する。
図10において、プランジャ7の少なくとも一端側の周面に周溝若しくは段付面(本実施例では凹溝18)が形成されており、径方向に磁束作用面が形成されるようになっている。図9において、本実施例は磁束作用面となるプランジャ7の周面と対向する第1のヨーク部5の対向面Y1に周方向に切欠き部16が形成されている。この切欠き部16によりプランジャ7の周面と第1のヨーク部5及び第2のヨーク部6が各々対向する対向面の磁気抵抗を円周方向で不均一化するようになっている。尚、切欠き部16は第2のヨーク部6の対向面Y6に形成されていても良く、第1、第2のヨーク部5、6の対向面Y1、Y2の双方に形成されていても良い。
次にリニアソレノイドの他例について図11及び図12を参照して説明する。リニアソレノイドの概略構成は、第1実施例(図1)と同様であるので同一部材には同一番号を付して説明を援用する。以下、異なる構成を中心に説明する。
図12において、プランジャ7の少なくとも一端側の周面に周溝若しくは段付面(本実施例では凹溝18)が形成されており、径方向に磁束作用面が形成されるようになっている。図11において、本実施例はプランジャ7の中心部に設けられる出力軸連結用の軸孔17を偏芯した位置に設けられている。図12において軸孔17はプランジャ7の径方向で矢印H2側に偏って形成されている。この軸孔17の偏芯により通電によりプランジャ7内を通過する磁束通路に部分的に偏りが生じる。このため、プランジャ7の周面と第1のヨーク部5及び第2のヨーク部6が各々対向する対向面の磁気抵抗を円周方向で不均一化するようになっている。
Y1、Y2 対向面
1 固定子
2 励磁コイル
3 ボビン
4 ガイドパイプ
5 第1のヨーク部
6 第2のヨーク部
7 プランジャ
8、10、18 凹溝
8a、9a、11、12 傾斜面(段付面)
9、16 切欠き部
13 Dカット面
14、15 穴
17 軸孔
Claims (4)
- 励磁コイルと、励磁コイルの一端側に設けられる第1のヨーク部と他端側に設けられる第2のヨーク部とで励磁コイルの周囲を覆う固定子と、励磁コイルの中心部に軸線方向に往復動可能に設けられる可動子とを備え、励磁コイルへの通電により第1、第2のヨーク部と可動子との間で磁気回路が形成されて可動子に磁力が作用するアクチュエータにおいて、
通電により磁束作用面が形成される可動子の周面と第1、第2のヨーク部が各々対向する対向面のうち、少なくとも一方の磁気抵抗を円周方向で不均一化し可動子径方向に作用する磁力の合力を径方向一端側へ偏らせて作用させることを特徴とするアクチュエータ。 - 通電により磁束作用面が形成される可動子の周面と各々対向する第1、第2のヨーク部の対向面のうち、少なくとも一方の対向面積が当該可動子の径方向一端側から他端側に向かって漸進減少する形状であることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
- 磁束作用面となる可動子の周面に、当該可動子の周面と各々対向する第1、第2のヨーク部のうち少なくとも一方との対向面積が可動子径方向一端側から他端側に向かって漸進減少する傾き形状を有する溝又は段付き形状を有する切欠き部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
- 磁束作用面となる第1、第2のヨーク部のうち少なくとも一方に、可動子径方向一端側から他端側に向かって対向面積が漸進減少する傾き形状又は段付き形状を有することを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
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