JP2006038478A - 被検体の良否判定方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 被検体の良否に関する判定誤差が少なく、微小な欠陥も検知・判定することができる良否判定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 上記目的を達成するための装置は、被検体を流体の噴流によって加振する加振手段と、前記加振手段によって加振された被検体の振動波形を検出する振動センサと、前記振動センサによって検出された振動波形からサンプル波形を切り出す波形切り出し手段と、前記波形切り出し手段によって切り出されたサンプル波形を基に被検体の振動に対する特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記特徴量算出手段によって算出された特徴量を被検体の良品サンプルの特徴量を入力して構築した境界学習型ニューラルネットワークに入力して前記被検体の特徴量と良品サンプルの特徴量との差異を求め、当該差異が閾値の範囲内であるかを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 上記目的を達成するための装置は、被検体を流体の噴流によって加振する加振手段と、前記加振手段によって加振された被検体の振動波形を検出する振動センサと、前記振動センサによって検出された振動波形からサンプル波形を切り出す波形切り出し手段と、前記波形切り出し手段によって切り出されたサンプル波形を基に被検体の振動に対する特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記特徴量算出手段によって算出された特徴量を被検体の良品サンプルの特徴量を入力して構築した境界学習型ニューラルネットワークに入力して前記被検体の特徴量と良品サンプルの特徴量との差異を求め、当該差異が閾値の範囲内であるかを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は被検体の良否判定方法および装置に係り、特に自動車のボディや電化製品の外装等のようにプレス加工によって生産される部品を被検体とする良否判定に好適な方法および装置に関する。
自動車のボディや、電化製品の外装等のように、プレス加工によって生産される製品は、加工段階や、加工形状に起因して応力が集中する箇所が存在する。このような箇所には、割れやくびれ等といった欠陥が生じやすい。従来、人手による目視検査が主流とされてきたが、検査員によって良否判定に差が生じること、人手に起因する検査ミス、騒音等が検査を行う際の環境に適していないこと等から、検査の自動化が求められてきている。
そこで、被検体の良否を判定する方法として特許文献1に示されるような検査方法が提案されている。
そこで、被検体の良否を判定する方法として特許文献1に示されるような検査方法が提案されている。
特許文献1に示されている検査方法は、次のようなものである。まず、被検体をインパルスハンマでハンマリングし、当該ハンマリングによって得られる被検体の振動波形を収集する。次に、収集した振動波形を取り出す。そして、取り出した振動波形を高速フーリエ変換処理することにより、被検体の周波数スペクトルを得る。次に、前述のようにして得た被検体の周波数スペクトルのピーク周波数と、事前に計測しておいた複数の良品における周波数スペクトルのピーク周波数とを比較し、前記被検体のピーク周波数が、良品のピーク周波数の分布内に存在するか否かに基づいて被検体の良否を判定する。
このような検査方法によれば、被検体の検査に人手を介することが無いため、判定基準を一定に保つことができる。また、検査工程が自動化することにより、いわゆるうっかりミスが無くなる。さらに、作業員が騒音環境の中で作業する必要も無くなる。
特開平9−171008号公報
特許文献1に示されている検査方法によれば、確かに検査に人手を介することなく検査を行うことができるようになる。しかし、被検体の形状や生産精度によっては、被検体にバラツキが生じることがある。このような場合、基準となる良品のピーク周波数毎の統計分布が複雑となり、判定誤差を生じる虞がある。また、高速フーリエ変換処理は、短い時間の現象や過渡現象の解析に適さないため、通常の欠陥と異なる欠陥が被検体に生じた場合に対応することができなくなる虞がある。また、インパルスハンマによるハンマリングでは、被検体を加振可能な範囲が限られてしまい、微小な傷の存在を発見する際に用いることができる高周波振動を励起させることが困難であると考えられる。さらに、インパルスハンマによるハンマリングは、被検体の形状、構造等によっては、被検体に二次的な欠陥を与える可能性がある。
本発明では上記課題を解決し、被検体の良否に関する判定誤差が少なく、予期せぬ欠陥にも良否の判定を下すことができ、被検体を検査するにあたって、二次的な欠陥を与えることが無い、良否判定方法および装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためには、被検体を振動させた際に発生する振動のうち、良品の振動波形と、それ以外の振動波形との違いを認識することができる判定手段が必要となると考えられる。また、被検体を加振する手段としては、被検体の材質や形状、強度等に応じて振動させる周波数帯域を変えることができ、被検体と加振手段との間に固体同士の接触が無いようにすることが好ましいと考えられる。
そこで、本発明に係る被検体の良否判定方法は、被検体が良品であるか否かを判定する方法であって、被検体の良品サンプルを流体の噴流によって加振し、前記加振による前記良品サンプルの振動を検知し、振動検知によって得られた良品サンプルの振動波形からサンプル波形を切り出し、当該サンプル波形を基に線形予測係数を算出し、前記線形予測係数を学習用の特徴量とし、前記良品サンプルの特徴量を複数用いて境界学習型ニューラルネットワークを構築し、当該境界学習型ニューラルネットワークに前記良品サンプルの特徴量と同様にして求めた良否判定の対象となる被検体の特徴量を入力し、前記境界学習型ニューラルネットワークの出力によって前記良否判定の対象となる被検体の特徴量と良品サンプルの特徴量との差異を、設定した範囲内の数値として得、当該数値が前記境界学習型ニューラルネットワークによって定められた閾値の範囲内の値であるか否かによって前記被検体の良否を判定することを特徴とする。
また、上記被検体の良否判定方法において、前記加振は被検体が20kHz以上の高周波帯域の振動を発生させるようになされると良い。
また、上記被検体の良否判定方法において、前記加振は被検体が20kHz以上の高周波帯域の振動を発生させるようになされると良い。
上記方法を実現するための、本発明に係る被検体の良否判定装置は、被検体が良品であるか否かを判定する装置であって、被検体を流体の噴流によって加振する加振手段と、前記加振手段によって加振された被検体の振動波形を検出する振動センサと、前記振動センサによって検出された振動波形からサンプル波形を切り出す波形切り出し手段と、前記波形切り出し手段によって切り出されたサンプル波形を基に被検体の振動に対する特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記特徴量算出手段によって算出された特徴量を被検体の良品サンプルの特徴量を入力して構築した境界学習型ニューラルネットワークに入力して前記被検体の特徴量と良品サンプルの特徴量との差異を求め、当該差異が閾値の範囲内であるかを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
また、上記被検体の良否判定装置において、前記加振手段は、流体を噴出するノズルを有し、前記被検体に20kHz以上の高周波領域の振動を与えるため、前記ノズルの口径、および流体の噴出速度を変更可能に構成されると良い。
さらに、前記振動センサは、1の被検体に対して複数設けるようにすると良い。
さらに、前記振動センサは、1の被検体に対して複数設けるようにすると良い。
上記のような方法および装置によれば、被検体が生じる振動の特徴量として線形予測係数を使用しているため、被検体の振動周波数に振幅の変化として表れない微小な欠陥でも特徴量の変化を捉えることができる。このため、検査精度の向上を図ることができる。また、境界学習型ニューラルネットワークを構築して良否判定の対象となる被検体の特徴量と、被検体の特徴量と良品サンプルの特徴量との差異を設定した範囲内の数値として出力し、当該数値を基に被検体の良否を判定しているため、良否判定の対象となる被検体を加振した際に生じる振動波形の特徴量と、良品を加振した際に生じる振動波形の特徴量との差がどの程度であるか明確となる。このため、被検体に予期せぬ欠陥が生じたとしてもそれを誤認することなく「不良」と判定することができる。さらに、被検体を加振する際に流体を用いる構成とすることにより、被検体をハンマリングする場合と異なり、被検体の加振箇所に集中応力が生じ、二次的欠陥が発生するといった虞が無い。また、加振手段のノズルの口径や、噴出速度(噴出圧力)等を変更することで20kHz以上の高周波領域で被検体を加振することができる。このため、振動に現れる微小な傷の兆候をも波形に表すことができる。ここで、特徴量として線形予測係数を使用するため、高周波領域の波形に現れる時間的に短い振動の変化をも捉えることができるため、検査精度が高い。
以下、本発明の被検体の良否判定方法および装置に係る実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明に係る一部の形態であって、本発明の被検体の良否判定方法および装置は、その主要部を変更しない限度において様々な形態を含むものとする。
まず、本発明に係る被検体の良否判定装置について図1を参照しつつ説明する。本実施形態に係る被検体の良否判定装置50は、被検体100(図2参照)を加振するための加振手段10と、前記加振手段10によって加新された被検体100の振動を計測する振動センサ20と、前記振動センサ20によって得られた振動波形における不要な周波数帯域の振動波形を除去し、SN比(Signal to Noise ratio)を高める濾波器30と、前記濾波機30によって濾波された波形を解析して被検体の良否を判定するコンピュータ40とを基本構成とする。
上記構成を基本とする被検体の良否判定装置50において、前記加振手段10は、流体の噴流によって被検体100を加振する構成とすると良い。流体としては、液体であっても気体であっても良いが、本実施形態では取扱いが容易な気体、例えば空気として説明する。加振手段10の構成としては、例えば図2に示すようなものであれば良い。すなわち、被検体100の近傍に備えられ、被検体100に対して圧縮空気を噴出するノズル11と、被検体100の加振時間や加振パターンに応じて前記ノズル11からの圧縮空気の噴出を電気的に制御するためのソレノイドバルブ12と、前記ノズル11に供給する加振用の圧縮空気を貯留するタンク13とを備える構成である。また、前記タンク13に貯留する圧縮空気の供給源14としては、加振手段10の一部として小型のコンプレッサを備えたり、工場等の大型コンプレッサから直接供給を受ける構成とすれば良い。上記構成の加振手段10において、ソレノイドバルブ12は、外部(例えば前記コンピュータ40)からの制御信号に応じて電磁的にバルブの開閉が成される。前記ノズル11への圧縮空気の提供は、前記制御信号に応じて、連続的または間欠的に成されるようにすれば良い。また、前記構成の加振手段10においては、前記ノズル11の口径や、被検体までの距離、若しくは圧縮空気の圧力・噴出速度等を変えることによって、加振の強さや被検体に与える振動の周波数を変えることができる。このため、微小な傷を発見し易い20kHz以上の高周波帯域まで、被検体100を振動させることが可能となる。
前記振動センサ20は、被検体100の検査箇所(割れやくびれといった欠陥が発生しやすいと予想される箇所)若しくは検査箇所近傍に備えるようにすれば良く、センサの種類としては、接触型,非接触型を問わない。また、実際に被検体100を検査する際には、被検体100の複数箇所に当該振動センサ20を備えるようにすることが望ましい。これにより、一度の加振検査で複数箇所の探傷を行うことができる。
次に前記コンピュータ40の構成についての詳細を説明する。コンピュータ40にはまず、前記濾波器30によって濾波されたアナログ信号を電気的な解析が可能なデジタル信号に変換するA/D変換手段41が備えられている。前記A/D変換手段41の出力側には、デジタル変換後の信号から、後述する特徴量を算出するための波形を切り出す波形切り出し手段42が接続されている。
前記波形切り出し手段42は、振動センサ20から入力される振動波形(信号)の中で、後述する特徴量を算出するための、ある時間帯域における波形を切り出すものである。この波形切り出しを行うことにより、特徴量を算出するための演算を簡単化することができる。
前記波形切り出し手段42の出力側には、フィルタ手段43が接続されている。当該フィルタ手段43は、割れ等の欠陥が存在する被検体100から発生する振動の周波数帯域の信号のみを通過させる構成とした濾波手段である。なお、前記フィルタ手段43は、デジタル変換後の信号を濾波する旨記載したが、前述した濾波器30のようにアナログフィルタとしてA/D変換手段41の入力側前段に接続するようにしても良い。
前記フィルタ手段43の出力側には、線形予測係数算出手段(特徴量算出手段)44が接続されている。線形予測係数算出手段44は、前記フィルタ手段43を通過した信号の特徴量である線形予測係数を算出するものであり、算出方法としては、最大エントロピー法に基づくものを挙げることができる。
ここで、線形予測係数とは、信号処理で用いられる特徴量の1つで、信号の周波数情報を圧縮した形で保存することができる特徴を持つ。例えば、ある時刻nにおける信号の計測値をS(n)とした場合、計測間隔(サンプリング間隔)ΔtとしてS(n)の予測値を求めるには数式1のような計算による。
ここで、pはS(n)以前の時刻におけるモデルの次数を示し、ε(n)は予測値の予測誤差を示す。このような数式1に用いられる係数aiが線形予測係数である。
上記数式1は、任意の時刻の信号はそれ以前の信号の荷重和として表すことができることを示しており、自己回帰モデルと呼ばれている。また、上記線形予測係数を基に被検体の加振によって得られる波形信号のパワースペクトルを算出することができる。このため、信号のパワースペクトルと線形予測係数とには対応関係があるといえる。よって、パワースペクトルに違いがみられれば線形予測係数に違いがみられ、線形予測係数を検出信号(振動波形)の特徴量として利用できる。また、通常は少数の線形予測係数でパワースペクトルが計算できるため、他の特徴量を用いる場合に比べ、特徴量の数は少なくて良い。通常、信号の特徴を識別するためには線形予測係数の個数は20個程度で自己診断が可能なレベルまでになるため、波形を基にした自己診断において有効な方法といえる。
前記最大エントロピー法により求めた線形予測係数には、モデルの次数pを変えても係数値は変化しない、線形予測係数を用いてスペクトルを計算する場合時間的に短いデータに対して高精度のスペクトルを得ることができる、といった特徴がある。
上述した線形予測係数の算出を行う線形予測係数算出手段44の出力側は、被検体の良否を判定する判定手段45に接続されている。この判定手段45は、被検体の良品サンプル(以下単に良品サンプルという)を加振した際に得られる振動波形から、前記線形予測係数算出手段44を経て算出される線形予測係数を学習用の特徴量として複数求め、この複数の良品サンプルから得られた特徴量の入力によって構築される境界学習型ニューラルネットワークである。前記境界学習型ニューラルネットワークは、良品の加振によって得られる振動波形の特徴量と、良否判定の対象となる被検体の加振によって得られる振動波形の特徴量とが、どの程度離れているかの差異を設定された範囲内(例えば0から1)の数値として出力することができる。すなわち、良品の特徴量を1と規定した場合、被検体が良品であれば1に近く、不良であれば0に近い判定結果(数値)が出力される。なお、被検体の良否の判定は、出力結果が前記境界学習型ニューラルネットワークの学習によって定められた境界(閾値)の範囲内であるか否かによる。すなわち、上記設定によれば、被検体の特徴量の判定結果として出力された数値から、前記閾値を引いた差分を求め、前記差分が正であれば良品、負であれば不良品と判定される。
境界学習型ニューラルネットワークによる被検体の良否判定方法については、入力ユニット群に複数の学習用入力パターンを入力するとともに、入力した学習用入力パターンに対応した出力ユニット群の出力パターンを予め定めた教師パターンと比較して両者の誤差を求め、この誤差に基づいて各ユニット群を構成しているユニットの閾値と、各ユニット群を連結している結合素子の重み係数(本実施形態では線形予測係数)とを補正する操作を繰り返して前記学習用入力パターンを学習させたのち、任意のパターンを前記入力ユニット群に入力して得られる前記出力ユニット群の出力パターンを、学習後の出力パターンと対比するパターンマッチング方法を基本とする。この方法において学習データから特徴量の平均値mと標準偏差σを算出し、学習データの一部または全部をm±aσ(aはある実数値)として規定したデータを境界データとする。このようにして作成した境界データを学習データに加えてニューラルネットワークの学習を行う。このような方法において、実数値aをどのように決めるかについては、正規分布の知識を参考にして求めればよい。これにより、望ましいパターン認識能力を持ったニューラルネットワークが構築される。また、本発明に利用する境界学習型ニューラルネットワークによれば、学習用データとして良品のデータのみを持ってすれば足りる。
次に、被検体の良否判定装置50の作用について説明する。図示しない被検体100に取り付けた前記振動センサ20により、前記加振手段10によって空気加振される被検体100の振動を計測する。図3および図4に振動センサ20の計測結果を示す。ここで、図3は被検体が良品である場合の振動波形を示し、図4は被検体100にひびや割れといった欠陥が生じている場合の振動波形を示す。図3および図4に示される波形では、被検体100の良否判定を行うにあたり、大きな違いを見ることができない。
上記のように検出された振動波形は濾波器30を通過してSN比を高められ、コンピュータ40内に入力され、A/D変換手段によってデジタル変換される。デジタル変換された信号は、特徴量を算出するための時間帯の信号を波形切り出し手段によって切り出され、フィルタ手段43に入力されて濾波される。
濾波された信号は、線形予測係数算出手段44に入力され、前述した線形予測係数が算出される。算出された線形予測係数を図5及び図6に示す。図5及び図6はいずれも図3および図4の波形の先頭から0.5秒経過した時点から1秒間における線形予測係数を示す。なお、図5は被検体が良品である場合の線形予測係数であり、図6は被検体が不良品である場合の線形予測係数である。図5および図6を比較すると、それぞれの線形予測係数に違いがあることがわかる。
そして前述のように算出された線形予測係数は判定手段45に入力され、境界学習型ニューラルネットワークで被検体100の特徴量(求めた線形予測係数)と、学習した良品の特徴量との差異が設定した範囲内の数値として算出される。図7に被検体100の良品と不良品とを判定した結果を示す。境界学習型ネットワークでは、良品の特徴量を1として、これに対して被検体の特徴量がどれだけ離れているかを判定し、0から1の間の値として出力する。特徴量が良品に近い場合は1に近い値が出力され、特徴量が良品とかけ離れている場合には0に近い値が出力される。このため、境界学習型ニューラルネットワークが出力する0から1までの値が、境界学習型ニューラルネットワークの構築によって定められた閾値よりも低い場合には不良と判定し、閾値よりも高い場合には良と判定することができる。
上記のようにして求められた判定結果は、コンピュータ40に備えられた制御表示手段46の図示しないモニタ等に出力される。
上記のようにして求められた判定結果は、コンピュータ40に備えられた制御表示手段46の図示しないモニタ等に出力される。
振動センサ20によって得られる振動の特徴量として線形予測係数を用いることにより次の効果が得られる。すなわち、線形予測係数は解析窓長内の時間情報を次数という少ない情報量に変えて波形の特徴を表現することができる。また、空気加振により可能とした被検体を高周波領域で加振した際の振動波形の時間的に短い変化も捉えることができる。このため他の検出方法、例えば元信号の最大振幅値を評価基準とする方法や、高速フーリエ変換により元信号の周波数スペクトルを算出してその特徴量とする方法とを比較すると、より微小な欠陥や予期せぬ欠陥の検出を行うことができる。また線形予測係数は計算を比較的速やかに行うことができる。また、線形予測係数を用いたニューラルネットワークの演算は、高速で行うことができるため、リアルタイムで被検体の良否判定を行うことができる。
さらに線形予測係数は信号の周波数スペクトルを反映しているため、図3や図4に示した振動波形には振幅の変化として確認できない微小なひびや割れといった欠陥を捉えることができ、被検体の良否判定の精度が向上する。
また境界学習型ニューラルネットワークの出力は0から1の値をとるため、出力値の大小に基づいて欠陥の程度を判定できる。
この他、被検体を加振する加振手段をノズルによる空気加振としたことにより、加振時に被検体を傷つける虞が無い。
この他、被検体を加振する加振手段をノズルによる空気加振としたことにより、加振時に被検体を傷つける虞が無い。
実施形態においては、加振手段をノズルからの噴流を利用したものである旨記載したが、本発明の被検体の良否判定方法は、ハンマリング等他の加振手段による加振についても利用することができる。
10………加振手段、11………ノズル、12………ソレノイドバルブ、13………タンク、14………圧縮空気の供給源、20………振動センサ、30………濾波器、40………コンピュータ、41………A/D変換手段、42………波形切り出し手段、43………フィルタ手段、44………線形予測係数算出手段、45………判定手段、46………制御表示手段、100………被検体。
Claims (5)
- 被検体が良品であるか否かを判定する方法であって、被検体の良品サンプルを流体の噴流によって加振し、前記加振による前記良品サンプルの振動を検知し、振動検知によって得られた良品サンプルの振動波形からサンプル波形を切り出し、当該サンプル波形を基に線形予測係数を算出し、前記線形予測係数を学習用の特徴量とし、前記良品サンプルの特徴量を複数用いて境界学習型ニューラルネットワークを構築し、当該境界学習型ニューラルネットワークに前記良品サンプルの特徴量と同様にして求めた良否判定の対象となる被検体の特徴量を入力し、前記境界学習型ニューラルネットワークの出力によって前記良否判定の対象となる被検体の特徴量と良品サンプルの特徴量との差異を、設定した範囲内の数値として得、当該数値が前記境界学習型ニューラルネットワークによって定められた閾値の範囲内の値であるか否かによって前記被検体の良否を判定することを特徴とする被検体の良否判定方法。
- 前記加振は被検体が20kHz以上の高周波帯域の振動を発生させるようになされることを特徴とする請求項1に記載の被検体の良否判定方法。
- 被検体が良品であるか否かを判定する装置であって、被検体を流体の噴流によって加振する加振手段と、前記加振手段によって加振された被検体の振動波形を検出する振動センサと、前記振動センサによって検出された振動波形からサンプル波形を切り出す波形切り出し手段と、前記波形切り出し手段によって切り出されたサンプル波形を基に被検体の振動に対する特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記特徴量算出手段によって算出された特徴量を被検体の良品サンプルの特徴量を入力して構築した境界学習型ニューラルネットワークに入力して前記被検体の特徴量と良品サンプルの特徴量との差異を求め、当該差異が閾値の範囲内であるかを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする被検体の良否判定装置。
- 前記加振手段は流体を噴出するノズルを有し、前記被検体に20kHz以上の高周波領域の振動を与えるため、前記ノズルの口径、および流体の噴出速度を変更可能に構成されることを特徴とする請求項3に記載の被検体の良否判定装置。
- 前記振動センサは、1の被検体に対して複数設けることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の被検体の良否判定装置。
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