JP2006021192A - バイオガスの製造方法及びそれに用いられる装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】動物由来の排出物などの有機性廃棄物を効率的にメタン醗酵し、生成する消化液を殆ど系外に放出することなく、高収率でバイオガスを得ることができるバイオガスの製造方法及びそれに用いられるコンパクトな装置を提供。
【解決手段】有機性廃棄物原料とメタン菌群を含むバクテリア接種液とを互いに接触させて、メタン発酵に供するための有機酸を生成させ、その後、固液分離によって有機酸を含む抽出液と残渣とを得る抽出工程と、得られた抽出液中の有機酸を発酵槽内でメタン菌群によりメタン醗酵させて、バイオガスと消化液とを得るメタン発酵工程と、得られたバイオガスを浄化するガス精製工程を含むバイオガスの製造方法であって、前記メタン醗酵工程にて得られる消化液を、抽出工程においてメタン菌群を含むバクテリア接種液として繰り返し循環利用することにより、抽出液中の有機酸の含有量が1〜20重量%となるようにする方法によって提供。
【選択図】図1
【解決手段】有機性廃棄物原料とメタン菌群を含むバクテリア接種液とを互いに接触させて、メタン発酵に供するための有機酸を生成させ、その後、固液分離によって有機酸を含む抽出液と残渣とを得る抽出工程と、得られた抽出液中の有機酸を発酵槽内でメタン菌群によりメタン醗酵させて、バイオガスと消化液とを得るメタン発酵工程と、得られたバイオガスを浄化するガス精製工程を含むバイオガスの製造方法であって、前記メタン醗酵工程にて得られる消化液を、抽出工程においてメタン菌群を含むバクテリア接種液として繰り返し循環利用することにより、抽出液中の有機酸の含有量が1〜20重量%となるようにする方法によって提供。
【選択図】図1
Description
本発明は、バイオガスの製造方法及びそれに用いられる装置に関し、さらに詳しくは、動物由来の排出物などの有機性廃棄物を効率的にメタン醗酵し、生成する消化液を殆ど系外に放出することなく、高収率でバイオガスを得ることができるバイオガスの製造方法及びそれに用いられるコンパクトな装置に関する。
バイオガス、特に動物由来又は植物由来の排出物を原料とするバイオガスは、メタンが約60%、炭酸ガスが約40%の組成である。こうしたバイオガスは、これら有機性廃棄物を酸生成菌が分解することによって、様々な構造をもつ有機化合物から酢酸、プロピオン酸、酪酸などの低級飽和脂肪酸(有機酸)が発生し、その後メタン菌が活発に活動して、メタン発酵が起こり生成される。
このメタン醗酵法は、メタン醗酵槽内のメタン菌を含むバクテリア接種液中に原料を投入して、温度を35〜40℃または50〜55℃で約30日保持することによりバイオガスを得るものであり、バイオガスと共に多量の消化液が生成するとされている。
そして、このような方法として、家畜糞尿を一体処理でき、短時間に十分な消化処理することを目的とした嫌気性消化処理方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法は、家畜糞尿を固液分離せず、そのまま高温で改質処理し、生物学的に可溶化し、中水温でメタン発酵する方法であるが、これにより得られる消化液中には固形分が存在するため、固形分を分離回収し、固形分をコンポスト(堆肥)化し、残った消化液を活性汚泥法などで処理している。
消化液の一部は、肥料として樹木や野菜などに利用することもできるが、近年になって、環境問題がクローズアップされる中で、大都市近郊などでは消化液を液肥として利用する農地も減少し、消化液を廃水処理して下水または河川に放流せざるを得なくなってきており、このためには多大な廃液処理コストが必要とされるという問題がある。
一方、動物由来の排出物を原料とするバイオガスを、ガスエンジンや固体高分子燃料電池などで利用することが検討され、本出願人は、バイオガスに含まれる硫化水素を光合成菌によって実質的に除去することを提案している(特許文献2参照)。これにより、硫化水素をppb台まで低減できるようになったが、系内に消化液中の固形分を濃縮し分離するためのクラリファイヤや濾過器を設ける必要があり、装置が大掛かりなものになるという問題があった。
このような状況下、消化液を廃水処理するためのコストを削減でき、しかも消化液中の固形分を濃縮し分離するために特別な装置を設ける必要がなく、装置全体をコンパクトなものとすることができるバイオガス製造方法の出現が切望されていた。
特開平10−235317号公報(特許請求の範囲)
特開2004−43555号公報
本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、動物由来の排出物などの有機性廃棄物を効率的にメタン醗酵し、生成する消化液を殆ど系外に放出することなく、高収率でバイオガスを得ることができるバイオガスの製造方法及びそれに用いられるコンパクトな装置を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、有機性廃棄物原料に対して、メタン菌群を含むバクテリア接種液を接触させて有機酸を生成させ、有機酸の量が特定量となったところで抽出して、メタン醗酵槽に供給してメタン醗酵することにより、メタン発生効率を高めることができ、その結果、余剰になる消化液の発生量を大幅に低減できるとともに、装置全体をコンパクトにできることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、有機性廃棄物原料とメタン菌群を含むバクテリア接種液とを互いに接触させて、メタン発酵に供するための有機酸を生成させ、その後、固液分離によって有機酸を含む抽出液と残渣とを得る抽出工程と、得られた抽出液中の有機酸を発酵槽内でメタン菌群によりメタン醗酵させて、バイオガスと消化液とを得るメタン発酵工程と、得られたバイオガスを浄化するガス精製工程を含むバイオガスの製造方法であって、前記メタン醗酵工程にて得られる消化液を、抽出工程においてメタン菌群を含むバクテリア接種液として繰り返し循環利用することにより、抽出液中の有機酸の含有量が1〜20重量%となるようにすることを特徴とするバイオガスの製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、有機性廃棄物原料が、動物由来の排泄物、食物残渣、水産業廃棄物、農産物廃棄物、又は森林からの廃棄物のうちの少なくとも一種であることを特徴とするバイオガスの製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1または第2の発明において、有機性廃棄物原料中に無機多孔体を添加することを特徴とするバイオガスの製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、前記無機多孔体が炭であることを特徴とするバイオガスの製造方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、抽出工程において、バクテリア接種液中のメタン菌群とバクテリアとが、共に動物由来の排泄物中に含まれるものであることを特徴とするバイオガスの製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、抽出工程において、バクテリア接種液中のメタン菌群の含有量を1ml中に1012個以上とすることを特徴とするバイオガスの製造方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1の発明において、抽出工程において、バクテリア接種液の量が、有機性廃棄物原料との容量比で0.2〜10倍となるようにすることを特徴とするバイオガスの製造方法が提供される。
さらに、本発明の第8の発明によれば、第1の発明において、メタン発酵工程において、発酵槽内の温度を10〜45℃とすることを特徴とするバイオガスの製造方法が提供される。
一方、本発明の第9の発明によれば、第1〜8のいずれかの発明の方法に用いられ、有機性廃棄物原料とメタン菌群を含むバクテリア接種液とを互いに接触させて、メタン発酵に供するための有機酸と残渣を得るための抽出槽と、抽出槽内に設置され、有機酸を含む抽出液を残渣から分離するための抽出手段と、分離された抽出液中の有機酸を抽出液中のメタン菌群によりメタン醗酵させてバイオガスと消化液とを得るためのメタン発酵槽と、得られたバイオガスを浄化するためのガス精製手段とを有するバイオガスの製造装置であって、前記抽出槽が、濾材を介して上下二段とされ、その上段に有機性廃棄物原料の入り口と、メタン菌群を含むバクテリア接種液を散布する散布管とを有し、一方、前記抽出手段が、得られた抽出液を真空吸引し残渣から分離するための吸引機構を備えることを特徴とするバイオガスの製造装置が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、有機性廃棄物原料中に無機多孔体を添加することを特徴とする請求項9に記載のバイオガスの製造装置が提供される。
さらに、本発明の第11の発明によれば、前記無機多孔体が炭であることを特徴とする請求項10に記載のバイオガスの製造装置が提供される。
また、本発明の第12の発明によれば、第9の発明において、前記抽出槽が、濾材を介して上下二段とされ、その上段に有機性廃棄物原料の入り口と、メタン菌群を含むバクテリア接種液を散布する散布管とを有し、一方、前記吸引機構が、吸引ポンプまたは真空ポンプとレシーバータンクとを有するとともに、レシーバータンクの吸引側が前記抽出槽の下段と結合されていることを特徴とするバイオガスの製造装置が提供される。
また、本発明の第13の発明によれば、第9の発明において、前記メタン発酵槽が、所望温度に調整可能な恒温槽であることを特徴とするバイオガスの製造装置が提供される。
さらに、本発明の第14の発明によれば、第9の発明において、ガス精製手段が、脱硫装置であることを特徴とするバイオガスの製造装置が提供される。
本発明によれば、生物化学的反応によって効率的にメタンを製造することができ、しかも過剰となったメタン菌群やバクテリアは、抽出槽内で発生する残渣と共に濾別されて払い出されるため、系外に払い出される抽出液は、通常運転状態においてはほとんど無視できるものとなる。
また、メタン発酵後の消化液中に生成する固形物も、該消化液を抽出槽に繰り返すため、残渣と一緒に系外に払い出される。この結果、系内に消化液中の固形分を濃縮し分離するためのクラリファイヤや濾過器を設ける必要がないため、装置がコンパクトになる。加えて、有機性廃棄物原料より持ち込まれる過剰の水以外は、系内で循環使用するため、大きな廃水処理施設は必要とされない。
さらに、有機性廃棄物原料に無機多孔体を添加した場合には、バクテリアやメタン菌群の活性が促進され、有機性廃棄物原料が効率的に分解され、メタン発酵も効率的に行われる。特に無機多孔体として炭を使用した場合は、残渣がそのまま肥料として使用できるので望ましい。
なお、本発明の方法で用いるメタン菌群やバクテリアは、元々家畜由来の廃棄物中に存在するものをそのまま利用するため、新たな菌の培養、接種等の煩雑さがなくなるという利点もある。
また、メタン発酵後の消化液中に生成する固形物も、該消化液を抽出槽に繰り返すため、残渣と一緒に系外に払い出される。この結果、系内に消化液中の固形分を濃縮し分離するためのクラリファイヤや濾過器を設ける必要がないため、装置がコンパクトになる。加えて、有機性廃棄物原料より持ち込まれる過剰の水以外は、系内で循環使用するため、大きな廃水処理施設は必要とされない。
さらに、有機性廃棄物原料に無機多孔体を添加した場合には、バクテリアやメタン菌群の活性が促進され、有機性廃棄物原料が効率的に分解され、メタン発酵も効率的に行われる。特に無機多孔体として炭を使用した場合は、残渣がそのまま肥料として使用できるので望ましい。
なお、本発明の方法で用いるメタン菌群やバクテリアは、元々家畜由来の廃棄物中に存在するものをそのまま利用するため、新たな菌の培養、接種等の煩雑さがなくなるという利点もある。
1.バイオガスの製造方法
本発明のバイオガスの製造方法は、(1)有機性廃棄物原料とメタン菌群を含むバクテリア接種液とを接触させて有機酸を得た後、(2)この有機酸を原料固形物から分離して抽出液を得る工程と、(3)該有機酸を用いてメタン発酵してバイオガスと消化液とを得るメタン発酵工程と、(4)得られたバイオガスを浄化する精製工程を含み、前記メタン発酵工程で得られる消化液を抽出工程でバクテリア接種液(抽出液)として繰り返し使用する方法である。本発明によりバイオガスを製造する方法を図1にフローシートとして示した。
本発明のバイオガスの製造方法は、(1)有機性廃棄物原料とメタン菌群を含むバクテリア接種液とを接触させて有機酸を得た後、(2)この有機酸を原料固形物から分離して抽出液を得る工程と、(3)該有機酸を用いてメタン発酵してバイオガスと消化液とを得るメタン発酵工程と、(4)得られたバイオガスを浄化する精製工程を含み、前記メタン発酵工程で得られる消化液を抽出工程でバクテリア接種液(抽出液)として繰り返し使用する方法である。本発明によりバイオガスを製造する方法を図1にフローシートとして示した。
(1)有機性廃棄物原料のバクテリアによる分解(有機酸の生成)
本発明で原料とされる有機性廃棄物は、動物由来の排泄物、食物残渣(生ゴミ)、水産業廃棄物(帆立貝やイカの内臓など)、農産物廃棄物(キャベツ、大根などの規格外品)、森林からの廃棄物(伐採された樹木、枝葉、チップなど)等である。
本発明で原料とされる有機性廃棄物は、動物由来の排泄物、食物残渣(生ゴミ)、水産業廃棄物(帆立貝やイカの内臓など)、農産物廃棄物(キャベツ、大根などの規格外品)、森林からの廃棄物(伐採された樹木、枝葉、チップなど)等である。
こうした原料の中でも牛、ブタ、鶏の糞尿など動物由来の排泄物が好ましい。これらの排泄物中には本発明で使用する好気性菌であるバクテリアと嫌気性菌であるメタン菌群とが含まれているからである。
さらに、本発明においては、有機性廃棄物原料中に無機多孔体を添加することが好ましい。無機多孔体の添加によって、無機多孔体が可溶化菌、酸生成菌、メタン生成菌等の嫌気性細菌の担体として機能し、無機多孔体の細孔に、微生物群を安定に保持すると共にその増殖を促進するため槽内の菌体数が増大する、および無機多孔体の吸着作用によって、メタン生成菌にとって阻害物質であるアンモニア等が吸着され、液中のアンモニア濃度を下げてメタン発酵活性を向上させる、などといった優れた作用効果を得ることができるだけでなく、有機性廃棄物原料のバクテリアによる分解が促進され、メタン発酵活性が向上し、効率的なメタン発酵を行うことが可能となる。
また、無機多孔体が脱臭剤として機能することで臭気を低減することができる。
さらに、本発明において、炭等の無機多孔体を添加することによって、有機性廃棄物原料自体が凝集することなく分散されて、メタン菌との接触の機会が飛躍的に増大する効果も有する。
また、無機多孔体が脱臭剤として機能することで臭気を低減することができる。
さらに、本発明において、炭等の無機多孔体を添加することによって、有機性廃棄物原料自体が凝集することなく分散されて、メタン菌との接触の機会が飛躍的に増大する効果も有する。
本発明において使用する無機多孔体としては、非生物分解性で、細孔が発達し、微生物の担体として機能すると共に、メタン生成菌の阻害物質であるアンモニアの吸着性能に優れたものであれば良い。その最も好適なものとしては、以下の理由から炭化物、特に炭が挙げられるが、炭に限らず、ゼオライト等の各種の無機多孔体を用いることもできる。
本発明において、無機多孔体として最適な炭は、微細な空隙を多数有しており、その表面積は膨大である。このため、微生物の担体として有効であり、その膨大な空隙に微生物が付着し増殖する。そのため、有機性廃棄物原料のバクテリアによる分解が促進され、有機酸の精製が効率的に行われ、上記原料の体積も効率的に減量される。
更に、炭は豊富なミネラルを含有しており、これが菌体に好影響を与える。しかも、炭は過剰なイオンを吸着し、周囲での濃度が低くなると、これを溶脱するという性質を有する。このため、炭は、メタン生成菌にとって阻害物質であるアンモニアを効率的に吸着することから、メタン発酵層の液中のアンモニア濃度が適当に調節されるので、炭に付着していない菌群に対しては、活性低下を防止してメタン発酵活性の向上を図ることができる。
また、炭の内部は電子が豊富に存在する還元状態で、これは特にメタン生成菌の活性増大に有効である。そして、活性、即ち代謝・増殖能を増したメタン生成菌やバクテリアが炭内部に吸着されたVFA(揮発性有機酸)を積極的に消費することでメタンガス生産量が向上するという効果も奏される。また、その脱臭性で臭気低減にも有効である。
さらに、無機多孔体として炭を使用した場合は、残渣を、例えば好気性発酵処理をすると、そのまま肥料として使用することができるので好適である。
更に、炭は豊富なミネラルを含有しており、これが菌体に好影響を与える。しかも、炭は過剰なイオンを吸着し、周囲での濃度が低くなると、これを溶脱するという性質を有する。このため、炭は、メタン生成菌にとって阻害物質であるアンモニアを効率的に吸着することから、メタン発酵層の液中のアンモニア濃度が適当に調節されるので、炭に付着していない菌群に対しては、活性低下を防止してメタン発酵活性の向上を図ることができる。
また、炭の内部は電子が豊富に存在する還元状態で、これは特にメタン生成菌の活性増大に有効である。そして、活性、即ち代謝・増殖能を増したメタン生成菌やバクテリアが炭内部に吸着されたVFA(揮発性有機酸)を積極的に消費することでメタンガス生産量が向上するという効果も奏される。また、その脱臭性で臭気低減にも有効である。
さらに、無機多孔体として炭を使用した場合は、残渣を、例えば好気性発酵処理をすると、そのまま肥料として使用することができるので好適である。
なお、炭としては直径2〜10mm程度の粒状炭が好ましく、その原料には特に制限はない。例えば、残渣を原料として、炭化装置を用いて製造された炭を用いても良い。
無機多孔体は、有機性廃棄物原料に対して2〜50重量%(対湿重量)、好ましくは5〜15重量%、特に好ましくは6〜10重量%添加する。このような割合で無機多孔体を有機性廃棄物原料に混合することにより、効率的なメタン発酵を行うことができる。また、添加の際に、有機性廃棄物原料と無機多孔体とを、ミキサーなどによって、よく混合しておくことが好ましい。
図1において、有機廃棄物原料としての家畜糞尿が第一抽出槽、第二抽出槽、第三抽出槽からなる各抽出槽の上段に装入される。これは抽出槽を三基並列で使用する場合である。抽出槽としては、その内部が濾材を介して上下二段に分かれたものを例示することができる。
この工程では、例えば二基の抽出槽を常時稼働し、一基を抽出残渣の堆肥舎への払い出しと家畜糞尿の受け入れに当てる。抽出工程の連続化を図ってもよいし、三基を一度に稼働するバッチ操業としてもよい。このように抽出槽を三基並列で使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、一基或いは二基にしてもよい。
抽出槽に装入された家畜糞尿の上部より、後述するメタン発酵工程で得られる消化液が抽出液として供給される。抽出液は、メタン菌群やバクテリアを含む動物由来の排泄物中に含まれるものをそのまま使用できる。抽出液の供給量は、有機性廃棄物原料に対して、容量比で0.2〜10倍量、特に0.3〜8倍量とすることが好ましい。
0.2〜10倍量の範囲を外れると、得られる抽出液中の有機酸濃度を好ましい範囲である1〜20重量%に維持することが難しくなる。なお、有機酸濃度の測定法としては、既に一般的となっている多くの方法が適用可能であるが、簡便なことから高速液体クロマトグラフィー法によることが好ましい。
0.2〜10倍量の範囲を外れると、得られる抽出液中の有機酸濃度を好ましい範囲である1〜20重量%に維持することが難しくなる。なお、有機酸濃度の測定法としては、既に一般的となっている多くの方法が適用可能であるが、簡便なことから高速液体クロマトグラフィー法によることが好ましい。
なお、供給される抽出液中には、嫌気性菌であるメタン菌群と酸生成菌であるバクテリアが含まれていなければならない。メタン菌群としては、例えば Methansaeta concilii(メタンサエタ コンシリー), Melhanobrevi−bacter spno(メタノブレビ−バクター スプノ)等が挙げられ、一方、酸生成菌であるバクテリアとしては、例えば、Clostridium bifermentaus(クロストリジウム ビファーメンタス)等が含まれていることが好ましい。その含有量は、いずれも特に限定されないが多いほど好ましく、例えば1ml中に1012個以上であることが好ましい。
抽出槽での反応は、好気性菌であるバクテリアが有機物を分解して有機酸を発生させる反応であり、室温範囲であれば反応を維持できるため、特に積極的に抽出槽の温度制御をする必要はない。抽出液中のメタン菌群やバクテリアの含有量は、この反応を円滑化するために前記範囲を下回らないように管理することが望ましい。
抽出槽として、その内部が濾材を介して上下二段となったものを使用すれば、好気性菌であるバクテリアが上段の有機物を分解して発生する有機酸が、前記抽出液に溶解した状態で濾材上に溜まってくる。濾材の種類によっては、有機酸の一部が濾材を通過するが、通常はその大半が濾材の上に滞留した状態にある。
(2)有機酸を含む抽出液を得る工程
そこで、抽出槽の下段を真空吸引して、槽内を減圧状態とすることにより、有機酸を含む抽出液を濾材で隔てられた上段より下段に移行させる操作、すなわち吸引濾過することにより抽出液を効率的に得ることができる。
そこで、抽出槽の下段を真空吸引して、槽内を減圧状態とすることにより、有機酸を含む抽出液を濾材で隔てられた上段より下段に移行させる操作、すなわち吸引濾過することにより抽出液を効率的に得ることができる。
各抽出槽の下段は、真空吸引槽の吸引側ノズルと配管で結合されており、真空吸引槽の吐出側ノズルと結合された図示していない真空ポンプ(吸引ポンプ)により、抽出液が抽出槽下段から真空吸引槽に吸引され、ここで溜められる。真空ポンプ(吸引ポンプ)の吐出側は、脱臭槽と結合されており、抽出液とともに吸引された気体は、脱臭槽にて処理された後、大気中に放出される。
抽出槽がこうした構造をとるため、増殖過多となり発生したメタン菌群やバクテリアの余剰汚泥(メタン菌グラニュール)は、抽出残渣とともに濾別されて系外(堆肥舎)に排出されることになる。
(3)メタン発酵工程
次いで、真空吸収槽に溜められた抽出液は、メタン発酵槽に移送され、メタン発酵菌によってバイオガスに分解される。
次いで、真空吸収槽に溜められた抽出液は、メタン発酵槽に移送され、メタン発酵菌によってバイオガスに分解される。
この際、メタン発酵槽に供給される抽出液中の有機酸の濃度は、1〜20重量%、さらには2〜18重量%とすることが好ましく、特に好ましくは5〜15重量%とされる。有機酸の濃度が1重量%未満では、得られるバイオガスの量が少なくなり好ましくない。また、20重量%を超えると、働くべきメタン菌への有機物負荷が過剰となるために、活動が抑制されてバイオガスの発生が激減する。
移送された抽出液中の有機酸は、嫌気性雰囲気下でメタン発酵によりバイオガスに分解される。嫌気性雰囲気下におかれたメタン発酵槽では、抽出液中の有機酸がメタン発酵菌によって分解され、メタンを主成分とするバイオガスが発生する。この際、副生成物として硫化水素等も生成される。
メタン発酵時の温度は、10〜45℃、好ましくは15〜40℃とする。10℃未満では反応が進まず、45℃を超えるとメタン菌群の活動が低下する。メタン発酵は発熱反応である。従って、メタン発酵槽の温度をこの範囲に維持するためにジャケット付きの反応槽を用い、保温あるいは冷却可能とすることが望ましい。
メタン醗酵を効率よく進めるためには、発酵槽内の液のpH値を4.5〜9.5、好ましくは5〜9とするが、発酵槽内の液のpHは、通常この範囲にあるので特に問題はない。仮にpH調整が必要であれば、炭酸カルシウムやリン酸などで調節すれば良い。
また、メタン発酵槽から払い出される液は、一般に消化液と称されるが、この消化液中には好気性菌であるバクテリア、嫌気性菌であるメタン菌群、未分解の有機酸が含まれる。そのため消化液は、各抽出槽に抽出液として移送され、繰り返して使用される。
(4)バイオガスを浄化する精製工程
メタン発酵槽では、メタンを主成分とするバイオガスが発生するが、副生成物として硫化水素等も生成される。そのため、メタン発酵工程で得られたバイオガスは、脱硫槽に移送され、爾後の燃料として使用する際の障害物である硫化水素等の硫黄分を除去する。
メタン発酵槽では、メタンを主成分とするバイオガスが発生するが、副生成物として硫化水素等も生成される。そのため、メタン発酵工程で得られたバイオガスは、脱硫槽に移送され、爾後の燃料として使用する際の障害物である硫化水素等の硫黄分を除去する。
脱硫槽における脱硫方法は、公知の方法を採用でき特に限定されない。例えば、前記特許文献2に記載されたバイオ脱硫を採用することができる。この方法によれば、脱硫槽に移された消化液には、光合成菌培養液を接種し、10〜45℃程度の温度で5〜15日間培養することで容易に脱硫することができる。
なお、硫黄分が除去されたバイオガスは、ガスパック等に貯蔵され、バイオガス発電機で発電し電力として利用される。バイオガスは、ボイラーなどの燃料、あるいは燃料電池の燃料としても用いることができる。
2.バイオガスの製造装置
本発明のバイオガスの製造装置は、有機性廃棄物原料とメタン菌群を含むバクテリア接種液を互いに接触させて、有機酸を生成させるための抽出槽と、この有機酸を含む抽出液を残渣と分離するために抽出手段と、分離された抽出液中の前記有機酸を抽出液中のメタン菌群によりメタン醗酵させてバイオガスと消化液とを得るためのメタン発酵槽と、得られたバイオガスを浄化するためのガス精製手段とを有している。
本発明のバイオガスの製造装置は、有機性廃棄物原料とメタン菌群を含むバクテリア接種液を互いに接触させて、有機酸を生成させるための抽出槽と、この有機酸を含む抽出液を残渣と分離するために抽出手段と、分離された抽出液中の前記有機酸を抽出液中のメタン菌群によりメタン醗酵させてバイオガスと消化液とを得るためのメタン発酵槽と、得られたバイオガスを浄化するためのガス精製手段とを有している。
そして、前記抽出槽は、濾材を介して上下二段とされ、その上段に有機性廃棄物原料の入り口と、メタン菌群を含むバクテリア接種液を散布する散布管とを有しており、前記抽出手段は、得られた抽出液を真空吸引し残渣から分離するための吸引機構を備えている。
なお、有機性廃棄物原料中には、無機多孔体を添加することができる。無機多孔体については、前述と同様である。
なお、有機性廃棄物原料中には、無機多孔体を添加することができる。無機多孔体については、前述と同様である。
本発明の装置を図2により詳しく説明する。抽出槽1、2、3は、濾材10を介して上下二段に分割され、その上段に有機性廃棄物原料の入り口と、メタン菌群を含むバクテリア接種液を散布する散布管11を有している。
濾材としては、木炭、活性炭、多孔質ガラス、ゼオライト、アタパルジャイト、モンモリロナイト、バーミキュライト、パーライトなどの無機物質、ポリオレフィン、ナイロン、ポリスチレンなどの有機樹脂などの粒子や成形体などを用いることができる。これら無機物質や表面を粗雑化した有機樹脂を用いれば、表面の細孔にバクテリア接種液が入りこみ、生成する有機酸の量を増加することが可能となる。
粒子などの大きさは制限されないが、小さすぎると抽出操作時に、下流に流出してしまう恐れがある。そのため、前記無機物質にセメントなどのバインダーを適量混ぜて固定することができる。また、粒子の形状も制限されず、充填塔などで採用されている円筒状、波板状、鞍状など公知の形状でよい。
また、濾材は、有機酸を含む抽出液を残渣から容易に分離できなければならない。そのため、抽出槽に濾材層を形成した後、表面を平坦にするとともに、最上面に濾布を被せることが望ましい。濾布の材質は通常、強度のある繊維を用いた織物とされるが、耐食性を有するものであれば金属系の材料でも良い。こうすれば、濾材の交換が必要になっても容易に対処することができる。
各抽出槽上段の上部には、抽出液の散布管11と排気用ノズルがそれぞれ設けられる。各散布管11は、バルブを介して抽出液供給配管13と結合される。そして、排気用ノズルは、バルブを介して排気用配管12と結合される。排気用配管12は、真空ポンプ15を介してバイオ脱臭槽8に結合される。
また、各抽出槽1〜3の下段には、廃液ノズルがそれぞれ設けられ、各ノズルからバルブを介してレシーバータンク4に繋がる配管16に結合される。レシーバータンク4は、液排出ポンプ(図示せず)に結合され、液排出ポンプにより抽出槽下部から抽出液をレシーバータンク4に抜き出すことができる。レシーバータンク4の容量は、抽出された有機酸の全てを収容できる大きさでなければならない。容量が小さいと、ガス空間を確保できず、装置の運転に支障をきたすことになる。
メタン発酵槽5は、レシーバータンク4より抽出液を受け入れるが、反応温度の低下や、過上昇を防ぐため昇温、あるいは冷却できるジャケット方式が好ましい。加熱器6は、槽内の液温が低い場合に稼動させる。そして、メタン発酵槽5は、下抜きでメタン発酵後の消化液を抜き出し、前記抽出液供給管13に抽出液として供給する構造となっている。
このように本発明の装置は、クローズドシステムであり、消化液は実質的に系内で全量が使用される。ただし、性能が低下した消化液は、系外に抜き出し、抽出槽に新たな原料を投入してリフレッシュされた消化液を再生産することができる。
メタン発酵槽5で生成したバイオガスは、バイオ脱硫槽7に移送される。なお、レシーバータンク4内では部分的にメタン発酵が進行するため、気相部にはバイオガスがわずかながら含まれる。そのため、前記排気ポンプにレシーバータンク4内の気体と共に吸引し、バイオ脱硫槽7へ移送できるように構成される。本発明の装置は、前記の方法により、バッチで運転しても良く、連続で運転しても良い。
次に、実施例を用いて本発明をさらに説明するが、本発明は、これら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
図2に示すような本発明の装置を試作し、抽出槽の1基に鶏糞を投入し、その上部からメタン菌液として乳牛の糞尿消化液を散布し、バクテリア発酵により有機酸を生成させた。消化液の量、抽出槽内の温度などを制御して、有機酸濃度が異なる抽出液を得た。これらの抽出液中の有機酸濃度を表1に示す。
次に、これらの抽出液をメタン発酵槽に移し、35〜37℃の嫌気性雰囲気下で放置し、メタン醗酵を行わせた。そして、発生したバイオガスの量とバイオガス中のメタン濃度とを求めた。これらの結果より、原料1tあたりのメタン発生量(m3/t)と、抽出液からのメタン発生量(m3/m3)とを求め、表1に併せて示した。
図2に示すような本発明の装置を試作し、抽出槽の1基に鶏糞を投入し、その上部からメタン菌液として乳牛の糞尿消化液を散布し、バクテリア発酵により有機酸を生成させた。消化液の量、抽出槽内の温度などを制御して、有機酸濃度が異なる抽出液を得た。これらの抽出液中の有機酸濃度を表1に示す。
次に、これらの抽出液をメタン発酵槽に移し、35〜37℃の嫌気性雰囲気下で放置し、メタン醗酵を行わせた。そして、発生したバイオガスの量とバイオガス中のメタン濃度とを求めた。これらの結果より、原料1tあたりのメタン発生量(m3/t)と、抽出液からのメタン発生量(m3/m3)とを求め、表1に併せて示した。
表1より、抽出液中の有機酸濃度が0.2重量%では、メタンを含むバイオガスの量が非常に少なく、また、抽出液中の有機酸濃度が20.0重量%では、メタン菌が不活性となりバイオガスの発生量が急速に衰えてゆき、さらに、有機酸濃度が67.0重量%になると完全にバイオガスが発生しなくなることがわかった。
(実施例2)
図2に記載した本発明のバイオガスの製造装置を用いて、バッチ運転を行った。乳牛の糞尿を処理して、メタン発酵済みの消化液を調製し、メタン菌群を含むバクテリア接種液とした。この消化液中には、メタン菌群が1012個/mlと、酸生成菌であるバクテリア菌が1012個/ml含まれていた。この消化液をメタン発酵槽5に10m3入れた。次に、抽出槽1、2、3に鶏糞を、それぞれ1m3投入した。
次に、真空ポンプ15を運転し、各抽出槽内の気体を、バイオ脱臭槽7を経て大気中に放出するようにした。
また、メタン発酵槽5の底抜きポンプを運転し、各抽出槽に10l/minの割合で消化液を散布した。
その後、液排出ポンプを運転して、抽出槽下部より抽出液をレシーバータンク4に吸引し、レシーバータンク4の底抜きポンプにより抽出液をメタン発酵槽5に繰り返し循環した。
上記運転を60min続けてから、散布を停止し、抽出槽内の抽出液を全量メタン発酵槽5に移行させた。この結果、鶏糞に対して散布した抽出液量は、容量比で10:6となった。また、この抽出液中の有機物量を高速液体クロマトグラフィー法により測定したところ10重量%であった。
次に、発酵槽5内の温度を35〜37℃に維持し、吸引ガス中にメタンが検出されなくなるまで放置した。得られたバイオガスは、脱硫槽7にて硫化水素を除去した後、バイオガスの量とバイオガス中のメタン濃度とを求めた。これらの結果より、原料1tあたりのメタン発生量(m3/t)と、抽出液からのメタン発生量(m3/m3)とを求めたところ、それぞれ29m3/t、2.4m3/m3となった。
図2に記載した本発明のバイオガスの製造装置を用いて、バッチ運転を行った。乳牛の糞尿を処理して、メタン発酵済みの消化液を調製し、メタン菌群を含むバクテリア接種液とした。この消化液中には、メタン菌群が1012個/mlと、酸生成菌であるバクテリア菌が1012個/ml含まれていた。この消化液をメタン発酵槽5に10m3入れた。次に、抽出槽1、2、3に鶏糞を、それぞれ1m3投入した。
次に、真空ポンプ15を運転し、各抽出槽内の気体を、バイオ脱臭槽7を経て大気中に放出するようにした。
また、メタン発酵槽5の底抜きポンプを運転し、各抽出槽に10l/minの割合で消化液を散布した。
その後、液排出ポンプを運転して、抽出槽下部より抽出液をレシーバータンク4に吸引し、レシーバータンク4の底抜きポンプにより抽出液をメタン発酵槽5に繰り返し循環した。
上記運転を60min続けてから、散布を停止し、抽出槽内の抽出液を全量メタン発酵槽5に移行させた。この結果、鶏糞に対して散布した抽出液量は、容量比で10:6となった。また、この抽出液中の有機物量を高速液体クロマトグラフィー法により測定したところ10重量%であった。
次に、発酵槽5内の温度を35〜37℃に維持し、吸引ガス中にメタンが検出されなくなるまで放置した。得られたバイオガスは、脱硫槽7にて硫化水素を除去した後、バイオガスの量とバイオガス中のメタン濃度とを求めた。これらの結果より、原料1tあたりのメタン発生量(m3/t)と、抽出液からのメタン発生量(m3/m3)とを求めたところ、それぞれ29m3/t、2.4m3/m3となった。
(実施例3)
生ゴミ(野菜を中心にしたもの)に木炭を混合するに当たり、生ゴミ400Lと木炭400Lを、ミキサーによって混合したもの1m3を抽出槽1、2、3にそれぞれ投入した以外は、実施例2と同様にしてバッチ運転を行った。生ゴミと木炭の混合割合は、生ゴミ1に対して木炭1であった。
バッチ運転の結果、原料1tあたりのメタン発生量(m3/t)と、抽出液からのメタン発生量(m3/m3)とを求めたところ、それぞれ163m3/t、30m3/m3となり、木炭によってメタン発酵が促進されたことがわかった。
また、残渣を取り出し、30日間毎日1回撹拌し、好気性発酵したところ、そのまま肥料として好適に使用できるものであることがわかった。
生ゴミ(野菜を中心にしたもの)に木炭を混合するに当たり、生ゴミ400Lと木炭400Lを、ミキサーによって混合したもの1m3を抽出槽1、2、3にそれぞれ投入した以外は、実施例2と同様にしてバッチ運転を行った。生ゴミと木炭の混合割合は、生ゴミ1に対して木炭1であった。
バッチ運転の結果、原料1tあたりのメタン発生量(m3/t)と、抽出液からのメタン発生量(m3/m3)とを求めたところ、それぞれ163m3/t、30m3/m3となり、木炭によってメタン発酵が促進されたことがわかった。
また、残渣を取り出し、30日間毎日1回撹拌し、好気性発酵したところ、そのまま肥料として好適に使用できるものであることがわかった。
(比較例1)
抽出液中の有機酸濃度が0.5重量%となる条件とした以外は、実施例1と同様にして実験を行った。その結果、原料1tあたりのメタン発生量は、75m3/tとなり、抽出液からのメタン発生量は、0.4m3/m3となった。
抽出液中の有機酸濃度が0.5重量%となる条件とした以外は、実施例1と同様にして実験を行った。その結果、原料1tあたりのメタン発生量は、75m3/tとなり、抽出液からのメタン発生量は、0.4m3/m3となった。
1、2、3 抽出槽
4 レシーバータンク
5 メタン発酵槽
6 加熱器
7 脱硫槽
15 真空ポンプ
4 レシーバータンク
5 メタン発酵槽
6 加熱器
7 脱硫槽
15 真空ポンプ
Claims (14)
- 有機性廃棄物原料とメタン菌群を含むバクテリア接種液とを互いに接触させて、メタン発酵に供するための有機酸を生成させ、その後、固液分離によって有機酸を含む抽出液と残渣とを得る抽出工程と、得られた抽出液中の有機酸を発酵槽内でメタン菌群によりメタン醗酵させて、バイオガスと消化液とを得るメタン発酵工程と、得られたバイオガスを浄化するガス精製工程を含むバイオガスの製造方法であって、
前記メタン醗酵工程にて得られる消化液を、抽出工程においてメタン菌群を含むバクテリア接種液として繰り返し循環利用することにより、抽出液中の有機酸の含有量が1〜20重量%となるようにすることを特徴とするバイオガスの製造方法。 - 有機性廃棄物原料が、動物由来の排泄物、食物残渣、水産業廃棄物、農産物廃棄物、又は森林からの廃棄物のうちの少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載のバイオガスの製造方法。
- 有機性廃棄物原料中に無機多孔体を添加することを特徴とする請求項1または2に記載のバイオガスの製造方法。
- 前記無機多孔体が炭であることを特徴とする請求項3に記載のバイオガスの製造方法。
- 抽出工程において、バクテリア接種液中のメタン菌群とバクテリアとが、共に動物由来の排泄物中に含まれるものであることを特徴とする請求項1に記載のバイオガスの製造方法。
- 抽出工程において、バクテリア接種液中のメタン菌群の含有量を1ml中に1012個以上とすることを特徴とする請求項1に記載のバイオガスの製造方法。
- 抽出工程において、バクテリア接種液の量が、有機性廃棄物原料との容量比で0.2〜10倍となるようにすることを特徴とする請求項1に記載のバイオガスの製造方法。
- メタン発酵工程において、発酵槽内の温度を10〜45℃とすることを特徴とする請求項1に記載のバイオガスの製造方法。
- 有機性廃棄物原料とメタン菌群を含むバクテリア接種液とを互いに接触させて、メタン発酵に供するための有機酸と残渣を得るための抽出槽と、抽出槽内に設置され、有機酸を含む抽出液を残渣から分離するための抽出手段と、分離された抽出液中の有機酸を抽出液中のメタン菌群によりメタン醗酵させてバイオガスと消化液とを得るためのメタン発酵槽と、得られたバイオガスを浄化するためのガス精製手段とを有するバイオガスの製造装置であって、
前記抽出槽が、濾材を介して上下二段とされ、その上段に有機性廃棄物原料の入り口と、メタン菌群を含むバクテリア接種液を散布する散布管とを有し、一方、前記抽出手段が、得られた抽出液を真空吸引し残渣から分離するための吸引機構を備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法に用いられるバイオガスの製造装置。 - 有機性廃棄物原料中に無機多孔体を添加することを特徴とする請求項9に記載のバイオガスの製造装置。
- 前記無機多孔体が炭であることを特徴とする請求項10に記載のバイオガスの製造装置。
- 前記吸引機構が、吸引ポンプまたは真空ポンプとレシーバータンクとを有するとともに、レシーバータンクの吸引側が前記抽出槽の下段と結合されていることを特徴とする請求項9に記載のバイオガスの製造装置。
- 前記メタン発酵槽が、所望温度に調整可能な恒温槽であることを特徴とする請求項9に記載のバイオガスの製造装置。
- ガス精製手段が、脱硫装置であることを特徴とする請求項9に記載のバイオガスの製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005162304A JP2006021192A (ja) | 2004-06-08 | 2005-06-02 | バイオガスの製造方法及びそれに用いられる装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103402929A (zh) * | 2011-02-11 | 2013-11-20 | 韩国投透化工有限公司 | 利用家畜粪尿的高浓度沼气产生及发酵的残留物的环保处理系统 |
JP2019181399A (ja) * | 2018-04-16 | 2019-10-24 | アグリ・コア株式会社 | メタン発酵後の消化液の処理方法、メタン発酵後の消化液の処理装置、およびメタン発酵システム |
-
2005
- 2005-06-02 JP JP2005162304A patent/JP2006021192A/ja active Pending
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JP2019181399A (ja) * | 2018-04-16 | 2019-10-24 | アグリ・コア株式会社 | メタン発酵後の消化液の処理方法、メタン発酵後の消化液の処理装置、およびメタン発酵システム |
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