JP2006017147A - 車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基準クラッチ伝達トルクBase-Trq、クリープクラッチトルク比Kおよび容量係数τに基づいて目標エンジン回転数Target-Neを算出し(S11〜S14)、この目標エンジン回転数Target-Neに達するよう現在のエンジン回転数Neを制御する(S15〜16)。
【選択図】 図3
Description
また特許文献2に記載の装置では、走行抵抗の増加に伴ってクリープトルクが増加するため、走行抵抗が増加する前のクリープトルクと容量制御トルクとの切り替え点が変化し、クラッチ締結時間の増加による耐久性の低下、発進性能の悪化が発生するおそれがある。なお、特許文献2についても発進若しくは再締結などについては記載されておらず、走行性能の低下やクラッチの耐久性の低下が生じるおそれがある。
図1は、本発明に係る車両制御装置1を示すシステム構成図である。図2は、トランスミッションコントロールユニット(以下「TCU」と称する)30と、エンジンコントロールユニット(以下「ECU」と称する)40とによる制御を示すブロック図である。
エンジン2には、エンジン2からの動力をダンパ3および発進クラッチ4(湿式多板クラッチ)を介して無段変速機5に伝達するエンジン動力伝達軸6が接続されている。
ここで、車両制御装置1には、エンジン2の運転状態を検出するため各種センサが配設されている。例えば図に示すように、エンジン2には、エンジン回転数Neに応じた信号を出力するクランク角センサ16が設けている。そして、無段変速機5のプライマリプーリー7には、この回転数Nt(タービン回転数)に応じた信号を出力するプライマリプーリー回転数センサ17を配設している。その他にも、アクセル開度APOに応じた信号を出力するアクセル開度センサ18、車両前後方向の路面の勾配(%)に応じた信号を出力する勾配検出センサ19、車速VSPに応じた信号を出力する車速センサ20、ブレーキペダルの踏み込みを検出するON・OFF式のブレーキスイッチ21などが配設されている。
図に示す通り、TCU30には、プライマリプーリー回転数センサ17および勾配検出センサ19からの信号が入力される一方、ECU40からエンジン回転数Neおよび車速VSPが入力される。これらの入力に基づいてTCU30は、ECU40にクリープクラッチトルク比および容量係数を出力すると共に、発進クラッチ4のクラッチ締結圧を制御する。
TCU30は、乗算部31、容量係数算出部32、発進クラッチトルク算出部33、第1クリープクラッチトルク算出部34、締結トルク選択部35、第2クリープクラッチトルク算出部36および除算部37から構成されている。
容量係数算出部32は、プライマリ回転数Ntとエンジン回転数Neとから算出した速度比(Nt/Ne)から、容量係数算出テーブルを用いて発進クラッチ4の容量係数τを算出する。容量係数算出テーブルは、図示の通り、速度比が所定値になるまでは容量係数τが一定であり、所定値を越えると低下する。
第1クリープクラッチトルク算出部34は、現在の走行抵抗である路面の勾配抵抗と、車速VSPとからクリープクラッチトルク算出テーブルを参照し、現在のクリープクラッチトルクGR-CrpTrqを算出する。クリープクラッチトルク算出テーブルは、勾配の度合によりクリープ走行に必要なトルクを示しているため、勾配が大きいほどクリープクラッチトルクGR-CrpTrqが大きくなることを示している。クリープクラッチトルクGR-CrpTrqは、締結トルク選択部35に入力される。
第2クリープクラッチトルク算出部36は、走行抵抗が無い状態(ここでは勾配抵抗が勾配0%である状態)での車両発進時、すなわち平坦路でのクリープ発進時における車速VSPに応じてクリープクラッチトルク算出テーブルを参照し、クリープクラッチトルクCrpTrqを算出する。
ECU40は、基準クラッチ伝達トルク算出部41、乗算部42、除算部43、平方根算出部44、エンジン回転数フィードバック制御部(エンジン回転数F/B制御部)45および目標エンジントルク選択部46から構成されている。
乗算部42は、基準クラッチ伝達トルクBase-Trqにクリープクラッチトルク比Kを乗算する(Base-Trq×K)。
平方根算出部44は、基準クラッチ伝達トルク算出部41、乗算部42および除算部43にて求めた値の平方根を算出する((Base-Trq×K/τ)^0.5)。
前述の基準クラッチ伝達トルク算出部41、乗算部42、除算部43および平方根算出部44により求めた値が目標エンジン回転数Target-Ne(=(Base-Trq×K/τ)^0.5)となる。乗算部42、除算部43および平方根算出部44が目標エンジン回転数補正手段に相当し、これにより走行抵抗に基づいて目標エンジン回転数Target-Neを補正する。これにより、基準クラッチ伝達トルクBase-Trqを補正する。
目標エンジントルク選択部46は、目標エンジントルクTarget-TrqとリミットエンジントルクLimit-Trqとを比較し、小さい方のトルクを最終目標エンジントルクとして出力する。なお、リミットエンジントルクLimit-Trqは、エンジンによって所定の値が決定されている。
次に、上述の構成における車両発進時(クラッチ再締結によるクリープ走行時を含む)の制御について図3を用いて説明する。
ステップ2では、勾配を検出する。勾配の検出には、勾配検出センサ19を用いる。
ステップ3では、ブレーキ操作の有無を判定する。この判定は、ブレーキスイッチ21のON・OFFの状態により行う。ブレーキOFFであればステップ4へ進む。一方、ブレーキONであればステップ1へ戻る。
ステップ5では、プライマリ回転数Ntからエンジン回転数Neを除算することで速度比を算出する(速度比=Nt/Ne)。
ステップ7では、勾配に基づいたクリープクラッチトルクGR-CrpTrqを算出する。この処理は、第1クリープクラッチトルク算出部34により行う。
ステップ8では、容量係数τとエンジン回転数Neの2乗値とから発進クラッチトルクTcを算出する(Tc=τ×Ne2)。この処理は、発進クラッチトルク算出部33により行う。
ステップ10では、指令クラッチ締結トルクに従って、クラッチ締結圧を制御する。これはTCU30がクラッチ締結圧を制御することにより行う。
ステップ11では、勾配0%(平坦な路面)におけるクリープクラッチトルクCrpTrqを算出する。この処理は、第2クリープクラッチトルク算出部36により行う。
ステップ13では、アクセル開度APOと車速VSPとから基準クラッチ伝達トルクBase-Trqを算出する。この処理は、基準クラッチ伝達トルク算出部41により行う。
ステップ16では、目標エンジントルクTarget-Trqを実現するため電制スロットル弁25の開度制御(PID制御)を行い、補正後の目標エンジン回転数Target-Neに達するようにエンジン回転数Neを制御する。
車両が平坦路に停車した状態から発進をする場合には、図4(ロ)に示す通り、指令クラッチトルクが勾配0%におけるクリープクラッチトルクCrpTrqを上回ることが必要となる。指令クラッチトルクがクリープクラッチトルクCrpTrqとなるまでに要する時間はt1で示されている。
ここで、車両が勾配路にある状態、すなわち車両が坂道に停車した状態から登坂発進をする場合には、勾配抵抗に応じたクリープクラッチトルクGR-CrpTrqが必要となる。これは勾配路では、クリープ力の確保が必要なためである。勾配0%の場合では、クリープクラッチトルクCrpTrqがGR-CrpTrqに達するまでに要する時間はt2で示されている。t1からt2までの時間差はΔtで示されている。
従って、平坦路に比べてΔtの間は応答が無くなり、ドライバーにとっては発進レスポンスが低下したと感じられる。これを解決し、平坦路並みの発進レスポンスを確保するためには、発進クラッチ4の指令クラッチ締結トルクの立ち上がりを平坦路より素早く行う必要がある。
図4(ロ)に示す通り、目標エンジン回転数Target-Neの補正がある場合には、勾配路クリープクラッチトルクGR-CrpTrqに達するまでに要する時間はt1で示されている。すなわち、坂道発進におけるトルクの立ち上がり時間が、平坦路発進におけるトルクの立ち上がり時間よりも短くなっており、発進レスポンスが向上している。
ここで、勾配路クリープクラッチトルクGR-CrpTrqは、勾配0%におけるクリープクラッチトルクCrpTrqと勾配抵抗Rsとの和(GR-CrpTrq=CrpTrq+Rs)として算出可能である。そして勾配抵抗Rsは、車重W、傾斜角(勾配)θ、タイヤ動半径r、ギア比ixおよびファイナルギア比ifとすると、Rs=Wsinθ×r/ix×ifという式で表せる。このため、走行抵抗が変化しても短時間で指令クラッチ締結トルクを上昇でき、発進クラッチ4の発熱および摩耗が抑制され、クラッチ4の耐久性を向上させることができる。
本実施形態によれば、発進クラッチ4を有する車両制御装置において、車両発進時に、走行抵抗に基づいて目標エンジン回転数Target-Neを補正する目標エンジン回転数補正手段(ステップ14)と、補正後の目標エンジン回転数Target-Neに達するようエンジン回転数Neを制御するエンジン回転数制御手段(ステップ15,16)と、を有する。このため、車両発進時に走行抵抗が変化しても、これに応じたエンジン回転数Neの制御を行うことができ、走行性能およびクラッチ耐久性を向上することができる。
また本実施形態によれば、走行抵抗は、勾配抵抗である。このため、登坂発進においてエンジン回転数Neを素早く立ち上げるように制御でき、発進レスポンスの低下を防止することができる。
Claims (6)
- 発進クラッチを有する車両制御装置において、
車両発進時に、走行抵抗に基づいて目標エンジン回転数を補正する目標エンジン回転数補正手段と、
前記補正後の目標エンジン回転数に達するようエンジン回転数を制御するエンジン回転数制御手段と、
を有することを特徴とする車両制御装置。 - 車両発進時に、走行抵抗に基づいてクリープクラッチトルクを算出する第1クリープクラッチトルク算出手段を有し、
前記目標エンジン回転数補正手段は、前記クリープクラッチトルクに基づいて目標エンジン回転数を補正することを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。 - 車両発進時に、走行抵抗が無い状態でのクリープクラッチトルクを算出する第2クリープクラッチトルク算出手段と、
前記走行抵抗に基づいて算出したクリープクラッチトルクと前記走行抵抗がない状態でのクリープクラッチトルクとの比を算出するクリープクラッチトルク比算出手段と、を有し、
前記目標エンジン回転数補正手段は、前記クリープクラッチトルク比に基づいて目標エンジン回転数を補正することを特徴とする請求項2記載の車両制御装置。 - 前記目標エンジン回転数補正手段は、運転状態に基づいて算出するクラッチ伝達トルクと、前記発進クラッチの容量係数とから、目標エンジン回転数を算出する際に、前記クラッチ伝達トルクを、前記クリープクラッチトルク比によって補正することを特徴とする請求項3記載の車両制御装置。
- 前記クラッチ伝達トルクの基準となる基準クラッチ伝達トルクは、アクセル開度と車速とに応じて算出することを特徴とする請求項4記載の車両制御装置。
- 前記走行抵抗は、勾配抵抗であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の車両制御装置。
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2004
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