JP2006096720A - アンサ−メタロセン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
アンサ−メタロセン誘導体は、例えば、オレフィン重合体を得るために用いられるが、オレフィン重合体の立体規則性重合はラセミ体のアンサ−メタロセン誘導体によって実現される。ラセミ体のアンサ−メタロセン誘導体は、メソ体のアンサ−メタロセン誘導体よりもより高い立体規則性を発現し得るため、製造されたアンサ−メタロセン誘導体から、ラセミ体を選択的に単離精製することが要求される。得られたアンサ−メタロセン誘導体からメソ体を単離精製しない場合には、オレフィンの重合工程において触媒性能が低下するという問題がある。
下記一般式(2)で示される化合物と、
チタン、ジルコニウム又はハフニウム原子と複合体を形成し得るエーテル類又はアミン類と、チタン、ジルコニウム又はハフニウムのハロゲン化物との複合体
とを反応させる工程を含むことを特徴とする、製造方法。
本発明のアンサ−メタロセン誘導体の製造方法は、下記一般式(1)で示される、アンサ−メタロセン誘導体の製造方法であって、
下記一般式(2)で示される化合物と、
チタン、ジルコニウム又はハフニウム原子と複合体を形成し得るエーテル類又はアミン類と、チタン、ジルコニウム又はハフニウムのハロゲン化物との複合体
とを反応させる工程を含むことを特徴とする。
R3、R4、R5及びR6の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル機、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基、塩素原子、フッ素原子、臭素原子等が挙げられる。また、R3、R4、R5及びR6としては、互いに結合しあって脂肪族環又は芳香族環を形成してもよい。
下記一般式(2)で示される化合物と、
チタン、ジルコニウム又はハフニウム原子と複合体を形成し得るエーテル類又はアミン類と、チタン、ジルコニウム又はハフニウムのハロゲン化物の複合体(以下、単に「複合体」ともいう)とを反応させる。
R3、R4、R5及びR6の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル機、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基、塩素原子、フッ素原子、臭素原子等が挙げられる。また、R3、R4、R5及びR6としては、互いに結合しあって脂肪族環又は芳香族環を形成してもよい。Aの具体例としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。上記の中でも、リチウムが好ましい。
また、本発明において用いられる、チタン、ジルコニウム又はハフニウム原子と複合体を形成し得るアミン類としては、第一級、第二級又は第三級アミンが挙げられ、例えば、第一級アミンとしてジアミノビナフチル(DABN)、ジフェニルエチレンジアミン(DPEN )、シクロヘキサン−1,2−ジアミン等が挙げられ、第三級アミンとして、第一級アミンのN,N’−テトラメチル化物等が挙げられる。
反応の際の、上記一般式(2)で示される化合物の溶媒中の濃度は0.1〜1M程度が好ましい。また、上記複合体の使用量は、上記一般式(2)で示される化合物に対し、0.1〜1倍量程度であることが好ましい。なお、上記複合体は、エーテル類又はアミン類とチタン、ジルコニウム又はハフニウムのハロゲン化物とを添加する場合、それぞれが、上記量になるように添加すればよい。
本発明においては、上記一般式(2)で示される化合物の溶液に、上記複合体を滴下して反応を行なうことができる。反応時の温度は−20〜25℃程度が好ましく、−20〜0℃程度が更に好ましい。また、反応は撹拌しながら行ってもよく、この場合の撹拌速度は60rpm〜1000rpm程度が好ましい。
得られた反応生成物(一般式(1)で示されるアンサ−メタロセン誘導体)は、ろ過、カラムクロマトグラフィー、再結晶等の精製方法により精製することができる。
実施例1
エチレン−ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライドの製造
アルゴン雰囲気下で、20mlのシュレンクフラスコ中に10mlの乾燥テトラヒドロフラン(THF)を加え、THFに1,2−ビス(3−インデニル)エタン(208mg、0.8ミリモル)を溶解した。フラスコ中の溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(1.4M、ヘキサン中、1.15ml、1.6ミリモル)を加えた。混合物を徐々に室温まで加温し、一晩撹拌した。
1HNMR( 300MHz, benzene): 6.32(d, J= 3Hz, 2H), 5.23 (d, J=3Hz, 2H), 3.14-3.07 (m, 4H), 2.41(t, J=6.3Hz, 2H), 2,39-2.29 (m, 2H), 2.14-2.06 (m, 4H), 1.92-1.81(m, 4H), 1.32-1.27(m, 4H).
また、得られた化合物について、ビフェノキシド又はビナフトキシド等へ誘導化し、CD−HPLC分析を行った。分析の結果、ラセミ体/メソ体の比率は、ラセミ体が全体の95%以上であった。CD−HPLC分析の条件は以下の通りである。
使用機器:JASCO(株)製
使用カラム:キラルセルOD−H(25×0.46(id)cm(ダイセル化学工業(株)製)
溶媒:ヘキサン/酢酸エチル(85/15(v/v))
流速:1.0ml/分
温度:25℃
検出:UV 254nm、CD250nm
ヒドロベンゾインジメチルエーテルに代え、ビフェノールジメチルエーテル(193mg、0.9ミリモル)を用いた以外は、実施例1と同様に操作を行い、エチレン−ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドを得た。収率は10%であり、得られた化合物について、実施例1と同様にCD−HPLC分析を行った結果、ラセミ体/メソ体の比率は、ラセミ体が全体の95%以上であった。
TiCl4に代え、TiCl3(136mg)を用いた以外は、実施例2と同様に操作を行い、エチレン−ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドを得た。収率は46%であり、得られた化合物について、実施例1と同様にCD−HPLC分析を行った結果、得られた化合物は全てラセミ体であった。
ヒドロベンゾインジメチルエーテルを用いなかった以外は、実施例1と同様に操作を行い、エチレン−ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドを得た。収率は22%であり、得られた化合物について、実施例1と同様にCD−HPLC分析を行った結果、ラセミ体/メソ体の比率は、1/2〜10(モル比)であった。
ヒドロベンゾインジメチルエーテルに代え、テトラヒドロフラン(10ml)を用いた以外は、実施例1と同様に操作を行い、エチレン−ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドを得た。収率は42%であり、得られた化合物について、実施例1と同様にCD−HPLC分析を行った結果、ラセミ体メソ体の比率は、80/20(モル比)であった。
ヒドロベンゾインジメチルエーテルに代え、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン(10ml)を用いた以外は、実施例1と同様に操作を行い、エチレン−ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドを得た。収率は31%であり、得られた化合物について、実施例1と同様にCD−HPLC分析を行った結果、ラセミ体/メソ体の比率は、77/23(モル比)であった。
ヒドロベンゾインジメチルエーテルに代え、(S)−ビナフトールジメチルエーテル)(283mg、0.9ミリモル)を用い、TiCl4に代え、TiCl3(136mg)を用いた以外は、実施例1と同様に操作を行い、エチレン−ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドを得た。収率は52%であり、得られた化合物について、実施例1と同様にCD−HPLC分析を行った結果、43%e.e.で(S,S)体が得られた。
ヒドロベンゾインジメチルエーテルに代え、(R)−ビナフトールジメチルエーテル(283mg、0.9ミリモル)を用い、TiCl4に代え、ZrCr4(205mg)を用いた以外は、実施例1と同様に操作を行い、エチレン−ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドを得た。収率は38%であり、得られた化合物について、実施例1と同様にCD−HPLC分析を行った結果、エナンチオ過剰率が95%であった。また、得られた化合物は、(R,R)−エチレン−ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドであった。
ヒドロベンゾインジメチルエーテルに代え、(S)−ビナフトールジメチルエーテル(283mg、0.9ミリモル)を用い、TiCl4に代え、ZrCr4(205mg)を用いた以外は、実施例1と同様に操作を行い、エチレン−ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドを得た。収率は39%であり、得られた化合物について、実施例1と同様にCD−HPLC分析を行った結果、エナンチオ過剰率が96%であった。また、得られた化合物は、(S,S)−エチレン−ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドであった。
ヒドロベンゾインジメチルエーテルに代え、(S)−ビナフトールジベンジルエーテル(428mg、0.9ミリモル)を用い、TiCl4に代え、ZrCr4(205 mg)を用いた以外は、実施例1と同様に操作を行い、エチレン−ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドを得た。収率は27%であり、得られた化合物について、実施例1と同様にCD−HPLC分析を行った結果、エナンチオ過剰率が78%であった。また、得られた化合物は、(S,S)−エチレン−ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドであった。
Claims (6)
- 下記一般式(1)で示される、アンサ−メタロセン誘導体の製造方法であって、
下記一般式(2)で示される化合物と、
チタン、ジルコニウム又はハフニウム原子と複合体を形成し得るエーテル類又はアミン類と、チタン、ジルコニウム又はハフニウムのハロゲン化物との複合体
とを反応させる工程を含むことを特徴とする、前記製造方法。
- 上記エーテル類が、ビフェノール誘導体、又はビナフトール誘導体である、請求項1に記載の製造方法。
- Mがチタン又はジルコニウムであり、R1及びR2が塩素原子であり、R5及びR6が互いに結合してベンゼン環を形成している、請求項5に記載の光学活性アンサ−メタロセン誘導体。
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JP2004287215A JP2006096720A (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | アンサ−メタロセン誘導体の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06340684A (ja) * | 1990-11-12 | 1994-12-13 | Hoechst Ag | 2−置換インデニル誘導体のリガンドを含有するメタロセン、その製造方法およびその使用方法 |
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2004
- 2004-09-30 JP JP2004287215A patent/JP2006096720A/ja active Pending
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