JP2006096666A - 選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全な食品素材由来である選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤、及び、これを含有することを特徴とする肥満、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、痛風などの生活習慣病の予防及び/又は改善剤を提供する。
【解決手段】本発明により、水、水溶性有機溶媒、又はその混合溶媒により抽出して得られる山椒抽出物を有効成分とする選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤が提供される。本発明の選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤は、肥満、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、痛風などの生活習慣病の予防及び/又は改善剤として有用である。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明により、水、水溶性有機溶媒、又はその混合溶媒により抽出して得られる山椒抽出物を有効成分とする選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤が提供される。本発明の選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤は、肥満、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、痛風などの生活習慣病の予防及び/又は改善剤として有用である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤、及び、これを含有することを特徴とする肥満、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、痛風などの生活習慣病の予防及び/又は改善剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
過食、栄養過多、運動不足などにより、肥満人口は増加の一途を辿っている。肥満者、特に内臓脂肪が蓄積した内臓脂肪型肥満の肥満者では、糖尿病、高脂血症、高血圧症、痛風などの生活習慣病を合併しており、大きな社会問題である。また、肥満者がその体重を5〜10%減少させると、合併している生活習慣病の症状が軽減又は改善することから、肥満の予防及び/又は改善は生活習慣病の予防及び/又は改善につながる。
【0003】
アドレナリン受容体は、交感神経から遊離されるアドレナリンやノルアドレナリンなどのカテコールアミン作動薬と結合する受容体であり、カテコールアミン作動薬に対する感受性によりα受容体とβ受容体の2種類に分けられる。すなわち、αアドレナリン受容体はノルアドレナリン≧アドレナリン>ドーパミン>イソプロテレノールの順に感受性を示し、βアドレナリン受容体はイソプロテレノール>アドレナリン≧ノルアドレナリン>ドーパミンの順に感受性を示す。
【0004】
βアドレナリン受容体には、β1、β2、β3受容体があり、近年β4受容体の存在も示唆されている。それぞれの受容体に対するアゴニスト(作動薬)の作用として、β1アドレナリン受容体アゴニストは心拍数増加作用、β2アドレナリン受容体アゴニストは気管支平滑筋弛緩作用、β3アドレナリン受容体アゴニストは熱産生の活性化作用及び脂肪分解の促進作用があることが知られている。このことから、交感神経を活性化してカテコールアミン作動薬の分泌を促進させるもの、又は、非選択的なβアドレナリン受容体アゴニストは、β1やβ2作用による副作用が懸念され、肥満などの生活習慣病の予防及び/又は改善には適していない。従って、肥満などの生活習慣病の予防及び/又は改善には、選択的β3アドレナリン受容体アゴニストが有効である。
【0005】
β3アドレナリン受容体アゴニストは、1984年に初めて発見され、動物実験において熱産生や脂肪分解による抗肥満作用、抗糖尿病作用が認められた。しかし、これらの作用はヒトにおいては微弱であった。この効果差の原因が、1989年になり、マウスやラットなどの齧歯類とヒトのβ3アドレナリン受容体の化学構造上の種差であることが明確になった。(非特許文献1及び2を参照)
これらのことから、β1やβ2よりもβ3アドレナリン受容体に対して選択性が高く、且つ、ヒトのβ3アドレナリン受容体に対して選択性が高いアゴニスト、すなわち選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニストが、肥満、糖尿病などの生活習慣病の予防及び/又は改善に有効であり、その開発が望まれている。
【0006】
最近、選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニストとして幾つかの化合物が知られており(非特許文献1を参照)、臨床試験において抗肥満薬又は抗糖尿病薬としての効果が確認されてきている。しかし、天然の食品素材由来である選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニストは未だ知られていない。
【0007】
一方、天然の食品素材由来である脂肪分解促進剤として、ミカン科の植物が知られており、用いられるミカン科植物としてはCitrus属、Fortunella属、Zanthoxylum属、Evodia属などが挙げられている(特許文献1を参照)。ウンシュウミカン(Citrus unshiu Marcov)の果皮を乾燥させたものである陳皮の抽出物を痩身用化粧料として使用することも開示されている(特許文献2及び3を参照)。しかし、これらの実施例では脂肪分解促進効果をラット脂肪組織を用いて確認しており、ヒトにおいて有効であるかどうか不明である。
【0008】
また、他の脂肪分解促進剤に、補助的にミカン科植物抽出物を脂肪分解促進剤として配合することも知られている(特許文献4〜7を参照)。
【0009】
山椒は、ミカン科サンショウ属(Zanthoxylum)の植物であり、香辛料や生薬の一つとして利用されている。特許文献1には、脂肪分解促進作用を有するものとしてサンショウ属としては唯一、サンショウ(Zanthoxylum piperitum D.C.)を挙げているが、その成熟果実は脂肪分解促進の効果が小さいため、未成熟な果実を用いるか、果皮や葉を用いることが好ましい、と示されている。
【0010】
また、エボジアミン類の化合物を有効成分とする脂質代謝改善剤もしくは抗肥満剤が開示されており、エボジアミン類の化合物を含有する植物としてミカン科のゴシュユ属(Evodia)、イヌザンショウ属(Fagara)、サンショウ属(Zanthoxylum)及びアラリオプシス属(Araliopsis)が挙げられている(特許文献8を参照)。さらにサンショウ属として、Zanthoxylum rhetsa、Z. budrunga、Z. flavum、Z. limnella、Z. integrifoliolum が例示されている。その実施例には、ゴシュユ(Evodia rutaecarpa)、ハザレア(Fagara rhetza)、ザントキシラム・レツァ(Zanthoxylum rhetsa)のエタノール抽出物(乾燥抽出物)中のエボジアミン含有率はそれぞれ1.13%、2.94%、0.014%(w/w)であることが示されており、それらの効果をマウス又はラットで確認している。このことから、サンショウ属植物のエタノール抽出物は、ゴシュユ属やイヌザンショウ属植物に比べエボジアミン含量が非常に少なく、実用的ではない。また、ヒトにおいて有効であるかどうか不明である。
【0011】
さらに、山椒をリパーゼ阻害剤として使用することが開示されている(特許文献9を参照)。しかし、リパーゼ阻害剤は、生体内での脂質の消化吸収を担うリパーゼの活性を阻害するものであり、熱産生の活性化や脂肪分解の促進による抗肥満作用を示すとは考えられない。
【0012】
以上のことより、香辛料や食品素材として利用されている山椒が、選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト作用を有していること、並びに、ヒトにおいて肥満、糖尿病などの生活習慣病の予防及び/又は改善に有効であることは、知られていない。
【0013】
【特許文献1】 特開平8−81382
【特許文献2】 特開平9−241127
【特許文献3】 特開平9−295932
【特許文献4】 特開平11−269079
【特許文献5】 特開2000−63227
【特許文献6】 特開2000−63259
【特許文献7】 特開2000−63260
【特許文献8】 WO97/47209
【特許文献9】 特開2002−179586
【非特許文献1】 高倉康人、吉田俊秀,日本薬理学雑誌, 118, 315〜320, 2001
【非特許文献2】 C. Weyer, et al., Diabetes & Metabolism, 25, 11〜21, 1999
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、安全な食品素材由来である選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤、及び、これを含有することを特徴とする肥満、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、痛風などの生活習慣病の予防及び/又は改善剤を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、山椒を水、水溶性有機溶媒、又はその混合溶媒により抽出して得られる抽出物である山椒抽出物が選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、山椒抽出物を有効成分とする選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤に関する。また、本発明は、前記選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤を含有することを特徴とする肥満、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、痛風などの生活習慣病の予防及び/又は改善剤に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤は、山椒抽出物を有効成分とするものであり、抽出物そのものでもよいし、それに公知の担体や助剤、飲食物材料、薬剤学的に許容される他の製剤素材などを添加した組成物でもよい。また、本発明の選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤は、ヒトβ3アドレナリン受容体に対して選択的にアゴニスト作用を示すことから、肥満をはじめ、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、痛風などの生活習慣病の予防及び/又は改善剤として使用できる。
【0017】
ここで、肥満及び肥満症は日本肥満学会の肥満症診断基準に従う。すなわち、肥満は、BMI(Body Mass Index:体格指数:体重(kg)/身長(m)2)が25以上、と定義される。肥満症は、肥満であって、且つ、肥満による健康障害又は内臓脂肪型肥満である、と定義される。内臓脂肪型肥満の判定は、ウエスト(臍周り径)が男性で85cm以上、女性で90cm以上、又は、腹部CT検査による内臓脂肪面積が100cm2以上である。また、肥満による健康障害とは、1)2型糖尿病・耐糖能障害、2)脂質代謝異常、3)高血圧、4)高尿酸血症・痛風、5)冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)、6)脳梗塞(脳血栓・一過性脳虚血発作)、7)睡眠時無呼吸症候群・Pickwick症候群、8)脂肪肝、9)整形外科的疾患(変形性関節症・腰椎症)、10)月経異常、からなる群より選ばれる少なくとも1つである。
【0018】
山椒は、ミカン科のサンショウ属(Zanthoxylum)の植物であり、多数の品種が存在する。本発明に使用する山椒は、一般に香辛料や生薬として利用されている品種が好ましく、例えば、サンショウ(Zanthoxylum piperitum D.C.)、アサクラザンショウ(Z. piperitum D.C. forma inerme Makino)、カホクザンショウ(Z. bungeanum Maxim.:花椒、紅花椒)、イヌザンショウ(Z. schinifolium Sieb. Et Zucc.:青椒、青花椒)、アメリカザンショウ(Z. americanum Mill.)などが挙げられる。また、本発明に使用する山椒の部位は、一般に香辛料や生薬として利用されている部位、例えば、果実、果皮、種子などが好ましい。
【0019】
本発明に使用する山椒抽出物は、上記山椒から溶媒抽出などによって得ることができるが、溶媒抽出に限定されず、水蒸気蒸留などによっても得ることができる。また、当該抽出物は、飲食品や医薬品として不適当な不純物を含有しない限り、抽出液のまま、又は粗抽出物あるいは半精製抽出物として本発明に使用できる。
【0020】
溶媒抽出を行う場合は、例えば、上記山椒の原形、粉砕したもの又は粉末を、普通1〜20倍量の下記抽出溶媒に浸し、撹拌及び/又は放置により抽出し、濾過又は遠心分離などにより抽出液を得ることができる。次いで、得られた抽出液から、濃縮及び/又は凍結乾燥などにより溶媒を除去し、当該抽出物を得ることができる。抽出溶媒は、水、水溶性有機溶媒、又はその混合溶媒が好ましい。さらに、水溶性有機溶媒としては、炭素数1〜3の低級アルコール又はアセトンが好ましく、残留溶媒の安全性の点からはエタノールがより好ましい。抽出温度は、特に限定されず、一般に−20〜100℃、普通1〜80℃、好ましくは20〜60℃で好適に実施できる。抽出時間は、特に限定されず、普通0.1時間〜1ヶ月、好ましくは0.5時間〜7日間で好適に実施できる。
【0021】
本発明に使用する山椒抽出物のヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト作用の評価法は、特に限定されず、例えば、ヒトβ3アドレナリン受容体を発現している細胞を用いることにより評価できる。すなわちin vitro実験系にて、CHO(チャイニーズ・ハムスター卵巣由来の培養細胞)などの動物細胞にヒトβ3アドレナリン受容体を安定的に発現させ、その細胞に当該抽出物を添加し、細胞内サイクリックAMP濃度の上昇を測定することにより評価できる(A. A. Konkar, et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 291, 875〜883, 1999;T. Kiso, et al., Biol. Pharm. Bull., 22, 1073〜1078, 1999)。また、上記ヒトβ3アドレナリン受容体を安定的に発現している細胞に、CRE−LUCレポーター遺伝子をトランスフェクションした後、当該抽出物を添加し、ルシフェラーゼ活性を測定することにより評価できる(W. Zheng, et al., J. Med. Chem., 42, 2287〜2294, 1999;S. S. Vansal & D. R. Feller, Biochem. Pharmacol., 58, 807〜810, 1999)。なお、CRE−LUCはサイクリックAMPレスポンス・エレメント(CRE)にルシフェラーゼ(LUC)遺伝子を結合したレポーター遺伝子であり、細胞内サイクリックAMP濃度の上昇によりルシフェラーゼが発現する。
【0022】
さらに、上記の実験系において、ヒトβ3アドレナリン受容体の代わりに、ヒトβ1又はβ2アドレナリン受容体を発現している細胞を用いれば、β1、β2、β3での差を比較でき、その選択性を評価できる。
【0023】
本発明において、選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤とは、ヒトβ3アドレナリン受容体に対して選択的にアゴニスト作用を示し、ヒトβ1及びβ2アドレナリン受容体への作用は弱い若しくは無いものをいう。
【0024】
本発明の選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤を含有することを特徴とする肥満、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、痛風などの生活習慣病の予防及び/又は改善剤(以下、本発明予防改善剤と称する)は、飲食用及び医薬用として利用することができ、その形態は限定されず、例えば、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)、健康食品、栄養補助食品などの飲食品、あるいはOTCなど容易に入手可能な医薬品又は医薬部外品などとして利用できる。
【0025】
飲食品として用いる場合は、そのまま直接摂取することができ、また、公知の担体や助剤などの添加剤を使用して、カプセル剤、錠剤、顆粒剤など服用し易い形態に成型して摂取することができる。これらの成型剤における本発明予防改善剤の含有量は、好ましくは0.1〜100重量%、より好ましくは10〜90重量%である。さらに、飲食物材料に混合して、チューインガム、チョコレート、キャンディー、ゼリー、ビスケット、クラッカーなどの菓子類;アイスクリーム、氷菓などの冷菓類;茶、清涼飲料、栄養ドリンク、美容ドリンクなどの飲料;うどん、中華麺、スパゲティー、即席麺などの麺類;蒲鉾、竹輪、半片などの練り製品;ドレッシング、マヨネーズ、ソースなどの調味料;マーガリン、バター、サラダ油などの油脂類;パン、ハム、スープ、レトルト食品、冷凍食品など、すべての飲食物に使用することができる。飲食用として本発明予防改善剤を摂取する場合、その摂取量は当該抽出物として成人一人一日当たり、好ましくは0.01〜1000mg/kg体重、より好ましくは0.1〜100mg/kg体重である。
【0026】
医薬品として用いる場合は、その剤形は特に限定されず、例えば、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、注射剤、坐剤、貼付剤などが挙げられる。製剤化においては、薬剤学的に許容される他の製剤素材、例えば、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、酸化防止剤、着色剤、凝集防止剤、吸収促進剤、溶解補助剤、安定化剤などを適宜添加して調製することができる。これら製剤の投与量としては、当該抽出物換算で成人一人一日当たり、好ましくは0.01〜1000mg/kg体重、より好ましくは0.1〜100mg/kg体重を1回ないし数回に分けて投与する。
【0027】
医薬部外品として用いる場合は、必要に応じて他の添加剤などを添加して、例えば、軟膏、リニメント剤、エアゾール剤、クリーム、石鹸、洗顔料、全身洗浄料、化粧水、ローション、入浴剤などに使用することができ、局所的に用いることができる。
【0028】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
山椒の粉末(山椒末ST:株式会社カネカサンスパイス)2gをエタノール10mlにて抽出(室温、暗所、1週間放置)し、濾過、濃縮乾固を行い、山椒抽出物345mgを得た。
【0029】
(比較例1)
エタノールの代わりに酢酸エチルを用いる以外は実施例1と同様にして、山椒抽出物202mgを得た。
【0030】
(比較例2)
山椒の粉末の代わりに陳皮の粉末(株式会社カネカサンスパイス)を用いる以外は実施例1と同様にして、陳皮抽出物250mgを得た。
【0031】
(実施例2)
ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト活性
CHO−K1細胞(チャイニーズ・ハムスター卵巣由来の培養細胞)に、ヒトβ3アドレナリン受容体遺伝子の発現用プラスミドをリポフェクトアミンTM2000(Invitrogen社)を用いてトランスフェクションし、ヒトβ3アドレナリン受容体を発現している細胞(以下、β3/CHO細胞と称す)を取得した。測定群にはβ3/CHO細胞を用い、対照群にはCHO−K1細胞を用いて、下記の方法にてサンプルのヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト活性を測定した。
第1日目: β3/CHO細胞(測定群)又はCHO−K1細胞(対照群)を96穴培養プレートに3×104cells/wellとなるように植え込み、37℃、5%CO2条件下で約24時間培養した。培地には、5%FBS(ウシ胎児血清)を含むMD培地を用いた。なお、MD培地は、MCDB302(SIGMA社)5.5g/L、DMEM(GIBCO社)4.75g/L、L−グルタミン(和光純薬工業)0.3g/L、重炭酸ナトリウム(GIBCO社)1.27g/Lの組成で調製した。
第2日目: 細胞にpCRE−luc(STRATAGENE社)をリポフェクトアミンTM2000(Invitrogen社)を用いてトランスフェクションした。その6時間後、新たな培地に交換し、一晩培養した。なお、pCRE−lucはサイクリックAMPレスポンス・エレメント(CRE)にルシフェラーゼ遺伝子を結合したレポーター・プラスミドである。
第3日目: サンプルを含む培地に交換し、6時間培養した。サンプルはジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解したものを、培地に1/1000容量添加した。無処置対照にはDMSOを、陽性対照には選択的β3アドレナリン受容体アゴニストであるBRL37344(TOCRIS社)を用いた。細胞をCa,Mg含有リン酸緩衝生理食塩水(PBS+)で洗浄した後、ルックライトTM(Packard社)を添加し、トップカウントTMマイクロプレートシンチレーション/ルミネッセンスカウンター(Packard社)にてルシフェラーゼの発光強度を測定した。無処置対照のルシフェラーゼ発光強度に対する比をとり、サンプルのルシフェラーゼ比活性とした。
【0032】
実施例1、比較例1及び2で得た抽出物それぞれについて測定した結果を表1に示す。
陽性対照のBRL37344では、β3/CHO細胞(測定群)において有意にルシフェラーゼ比活性の上昇が認められたが、CHO−K1細胞(対照群)においてルシフェラーゼ比活性は変化しなかった。つまり、BRL37344は、ヒトβ3アドレナリン受容体を介して細胞内サイクリックAMP濃度を上昇させルシフェラーゼを発現させていることから、BRL37344のヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト作用が確認された。
実施例1のエタノール抽出による山椒抽出物は、陽性対照のBRL37344と同様に、ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト作用が認められた。しかし、比較例1の酢酸エチル抽出による山椒抽出物には、ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト作用が認められなかった。一方、比較例2の陳皮エタノール抽出物には、ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト作用が認められた。
【0033】
【表1】
(実施例3)
ヒトβ1、β2、β3アドレナリン受容体への結合活性
ヒトβ1、β2、β3アドレナリン受容体それぞれに対する結合活性は、RI標識リガンドに対する結合阻害実験(MDS Pharma Services社:アッセイNo. 204010, 204110, 204200)により評価した。実施例1及び比較例2で得た抽出物それぞれについて測定した結果を表2に示す。
実施例1の山椒抽出物は、ヒトβ1及びβ2アドレナリン受容体にはほとんど結合阻害が認められず、ヒトβ3アドレナリン受容体に対してのみ結合阻害が認められたことから、ヒトβ3アドレナリン受容体に対して選択的に結合することが示された。つまり、実施例1の山椒抽出物はヒトβ3アドレナリン受容体に対して選択的にアゴニスト作用を示すことが判明した。
一方、比較例2の陳皮抽出物は、ヒトβ2及びβ3アドレナリン受容体に対して結合阻害が認められたことから、ヒトβ1アドレナリン受容体にはほとんど結合しないが、ヒトβ2及びβ3アドレナリン受容体に同程度結合することが示された。つまり、比較例2の陳皮抽出物は選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニストではないことが示唆された。
【0034】
【表2】
(実施例4)
山椒の粉末(山椒末ST:株式会社カネカサンスパイス)5gをそれぞれ25mlのエタノール(99.5%)、70%エタノール、35%エタノール、17.5%エタノール、水にて抽出(室温、暗所、1週間放置)した。濾過後、濃縮乾固及び/又は凍結乾燥を行い、それぞれ0.75g、1.14g、1.04g、0.75g、0.71gの抽出物を得た。
これらの抽出物のヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト活性を、実施例2の方法にて測定した。その結果を表3に示す。
抽出溶媒が、エタノール、含水エタノール、水のいずれであっても、得られた山椒抽出物にはヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト活性が認められた。
【0035】
【表3】
(実施例5)
実施例4と同様にして得た山椒抽出物を40重量部、カルボキシメチルセルロース・ナトリウムを30重量部、結晶セルロースを20重量部、ビタミンCを10重量部の組成で混合、粉砕し、ゼラチン製カプセルに充填して、山椒抽出物を含有する飲食用カプセル剤を調製した。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、安全な食品素材由来である選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤、及び、これを含有することを特徴とする肥満、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、痛風などの生活習慣病の予防及び/又は改善剤を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤、及び、これを含有することを特徴とする肥満、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、痛風などの生活習慣病の予防及び/又は改善剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
過食、栄養過多、運動不足などにより、肥満人口は増加の一途を辿っている。肥満者、特に内臓脂肪が蓄積した内臓脂肪型肥満の肥満者では、糖尿病、高脂血症、高血圧症、痛風などの生活習慣病を合併しており、大きな社会問題である。また、肥満者がその体重を5〜10%減少させると、合併している生活習慣病の症状が軽減又は改善することから、肥満の予防及び/又は改善は生活習慣病の予防及び/又は改善につながる。
【0003】
アドレナリン受容体は、交感神経から遊離されるアドレナリンやノルアドレナリンなどのカテコールアミン作動薬と結合する受容体であり、カテコールアミン作動薬に対する感受性によりα受容体とβ受容体の2種類に分けられる。すなわち、αアドレナリン受容体はノルアドレナリン≧アドレナリン>ドーパミン>イソプロテレノールの順に感受性を示し、βアドレナリン受容体はイソプロテレノール>アドレナリン≧ノルアドレナリン>ドーパミンの順に感受性を示す。
【0004】
βアドレナリン受容体には、β1、β2、β3受容体があり、近年β4受容体の存在も示唆されている。それぞれの受容体に対するアゴニスト(作動薬)の作用として、β1アドレナリン受容体アゴニストは心拍数増加作用、β2アドレナリン受容体アゴニストは気管支平滑筋弛緩作用、β3アドレナリン受容体アゴニストは熱産生の活性化作用及び脂肪分解の促進作用があることが知られている。このことから、交感神経を活性化してカテコールアミン作動薬の分泌を促進させるもの、又は、非選択的なβアドレナリン受容体アゴニストは、β1やβ2作用による副作用が懸念され、肥満などの生活習慣病の予防及び/又は改善には適していない。従って、肥満などの生活習慣病の予防及び/又は改善には、選択的β3アドレナリン受容体アゴニストが有効である。
【0005】
β3アドレナリン受容体アゴニストは、1984年に初めて発見され、動物実験において熱産生や脂肪分解による抗肥満作用、抗糖尿病作用が認められた。しかし、これらの作用はヒトにおいては微弱であった。この効果差の原因が、1989年になり、マウスやラットなどの齧歯類とヒトのβ3アドレナリン受容体の化学構造上の種差であることが明確になった。(非特許文献1及び2を参照)
これらのことから、β1やβ2よりもβ3アドレナリン受容体に対して選択性が高く、且つ、ヒトのβ3アドレナリン受容体に対して選択性が高いアゴニスト、すなわち選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニストが、肥満、糖尿病などの生活習慣病の予防及び/又は改善に有効であり、その開発が望まれている。
【0006】
最近、選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニストとして幾つかの化合物が知られており(非特許文献1を参照)、臨床試験において抗肥満薬又は抗糖尿病薬としての効果が確認されてきている。しかし、天然の食品素材由来である選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニストは未だ知られていない。
【0007】
一方、天然の食品素材由来である脂肪分解促進剤として、ミカン科の植物が知られており、用いられるミカン科植物としてはCitrus属、Fortunella属、Zanthoxylum属、Evodia属などが挙げられている(特許文献1を参照)。ウンシュウミカン(Citrus unshiu Marcov)の果皮を乾燥させたものである陳皮の抽出物を痩身用化粧料として使用することも開示されている(特許文献2及び3を参照)。しかし、これらの実施例では脂肪分解促進効果をラット脂肪組織を用いて確認しており、ヒトにおいて有効であるかどうか不明である。
【0008】
また、他の脂肪分解促進剤に、補助的にミカン科植物抽出物を脂肪分解促進剤として配合することも知られている(特許文献4〜7を参照)。
【0009】
山椒は、ミカン科サンショウ属(Zanthoxylum)の植物であり、香辛料や生薬の一つとして利用されている。特許文献1には、脂肪分解促進作用を有するものとしてサンショウ属としては唯一、サンショウ(Zanthoxylum piperitum D.C.)を挙げているが、その成熟果実は脂肪分解促進の効果が小さいため、未成熟な果実を用いるか、果皮や葉を用いることが好ましい、と示されている。
【0010】
また、エボジアミン類の化合物を有効成分とする脂質代謝改善剤もしくは抗肥満剤が開示されており、エボジアミン類の化合物を含有する植物としてミカン科のゴシュユ属(Evodia)、イヌザンショウ属(Fagara)、サンショウ属(Zanthoxylum)及びアラリオプシス属(Araliopsis)が挙げられている(特許文献8を参照)。さらにサンショウ属として、Zanthoxylum rhetsa、Z. budrunga、Z. flavum、Z. limnella、Z. integrifoliolum が例示されている。その実施例には、ゴシュユ(Evodia rutaecarpa)、ハザレア(Fagara rhetza)、ザントキシラム・レツァ(Zanthoxylum rhetsa)のエタノール抽出物(乾燥抽出物)中のエボジアミン含有率はそれぞれ1.13%、2.94%、0.014%(w/w)であることが示されており、それらの効果をマウス又はラットで確認している。このことから、サンショウ属植物のエタノール抽出物は、ゴシュユ属やイヌザンショウ属植物に比べエボジアミン含量が非常に少なく、実用的ではない。また、ヒトにおいて有効であるかどうか不明である。
【0011】
さらに、山椒をリパーゼ阻害剤として使用することが開示されている(特許文献9を参照)。しかし、リパーゼ阻害剤は、生体内での脂質の消化吸収を担うリパーゼの活性を阻害するものであり、熱産生の活性化や脂肪分解の促進による抗肥満作用を示すとは考えられない。
【0012】
以上のことより、香辛料や食品素材として利用されている山椒が、選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト作用を有していること、並びに、ヒトにおいて肥満、糖尿病などの生活習慣病の予防及び/又は改善に有効であることは、知られていない。
【0013】
【特許文献1】 特開平8−81382
【特許文献2】 特開平9−241127
【特許文献3】 特開平9−295932
【特許文献4】 特開平11−269079
【特許文献5】 特開2000−63227
【特許文献6】 特開2000−63259
【特許文献7】 特開2000−63260
【特許文献8】 WO97/47209
【特許文献9】 特開2002−179586
【非特許文献1】 高倉康人、吉田俊秀,日本薬理学雑誌, 118, 315〜320, 2001
【非特許文献2】 C. Weyer, et al., Diabetes & Metabolism, 25, 11〜21, 1999
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、安全な食品素材由来である選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤、及び、これを含有することを特徴とする肥満、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、痛風などの生活習慣病の予防及び/又は改善剤を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、山椒を水、水溶性有機溶媒、又はその混合溶媒により抽出して得られる抽出物である山椒抽出物が選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、山椒抽出物を有効成分とする選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤に関する。また、本発明は、前記選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤を含有することを特徴とする肥満、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、痛風などの生活習慣病の予防及び/又は改善剤に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤は、山椒抽出物を有効成分とするものであり、抽出物そのものでもよいし、それに公知の担体や助剤、飲食物材料、薬剤学的に許容される他の製剤素材などを添加した組成物でもよい。また、本発明の選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤は、ヒトβ3アドレナリン受容体に対して選択的にアゴニスト作用を示すことから、肥満をはじめ、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、痛風などの生活習慣病の予防及び/又は改善剤として使用できる。
【0017】
ここで、肥満及び肥満症は日本肥満学会の肥満症診断基準に従う。すなわち、肥満は、BMI(Body Mass Index:体格指数:体重(kg)/身長(m)2)が25以上、と定義される。肥満症は、肥満であって、且つ、肥満による健康障害又は内臓脂肪型肥満である、と定義される。内臓脂肪型肥満の判定は、ウエスト(臍周り径)が男性で85cm以上、女性で90cm以上、又は、腹部CT検査による内臓脂肪面積が100cm2以上である。また、肥満による健康障害とは、1)2型糖尿病・耐糖能障害、2)脂質代謝異常、3)高血圧、4)高尿酸血症・痛風、5)冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)、6)脳梗塞(脳血栓・一過性脳虚血発作)、7)睡眠時無呼吸症候群・Pickwick症候群、8)脂肪肝、9)整形外科的疾患(変形性関節症・腰椎症)、10)月経異常、からなる群より選ばれる少なくとも1つである。
【0018】
山椒は、ミカン科のサンショウ属(Zanthoxylum)の植物であり、多数の品種が存在する。本発明に使用する山椒は、一般に香辛料や生薬として利用されている品種が好ましく、例えば、サンショウ(Zanthoxylum piperitum D.C.)、アサクラザンショウ(Z. piperitum D.C. forma inerme Makino)、カホクザンショウ(Z. bungeanum Maxim.:花椒、紅花椒)、イヌザンショウ(Z. schinifolium Sieb. Et Zucc.:青椒、青花椒)、アメリカザンショウ(Z. americanum Mill.)などが挙げられる。また、本発明に使用する山椒の部位は、一般に香辛料や生薬として利用されている部位、例えば、果実、果皮、種子などが好ましい。
【0019】
本発明に使用する山椒抽出物は、上記山椒から溶媒抽出などによって得ることができるが、溶媒抽出に限定されず、水蒸気蒸留などによっても得ることができる。また、当該抽出物は、飲食品や医薬品として不適当な不純物を含有しない限り、抽出液のまま、又は粗抽出物あるいは半精製抽出物として本発明に使用できる。
【0020】
溶媒抽出を行う場合は、例えば、上記山椒の原形、粉砕したもの又は粉末を、普通1〜20倍量の下記抽出溶媒に浸し、撹拌及び/又は放置により抽出し、濾過又は遠心分離などにより抽出液を得ることができる。次いで、得られた抽出液から、濃縮及び/又は凍結乾燥などにより溶媒を除去し、当該抽出物を得ることができる。抽出溶媒は、水、水溶性有機溶媒、又はその混合溶媒が好ましい。さらに、水溶性有機溶媒としては、炭素数1〜3の低級アルコール又はアセトンが好ましく、残留溶媒の安全性の点からはエタノールがより好ましい。抽出温度は、特に限定されず、一般に−20〜100℃、普通1〜80℃、好ましくは20〜60℃で好適に実施できる。抽出時間は、特に限定されず、普通0.1時間〜1ヶ月、好ましくは0.5時間〜7日間で好適に実施できる。
【0021】
本発明に使用する山椒抽出物のヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト作用の評価法は、特に限定されず、例えば、ヒトβ3アドレナリン受容体を発現している細胞を用いることにより評価できる。すなわちin vitro実験系にて、CHO(チャイニーズ・ハムスター卵巣由来の培養細胞)などの動物細胞にヒトβ3アドレナリン受容体を安定的に発現させ、その細胞に当該抽出物を添加し、細胞内サイクリックAMP濃度の上昇を測定することにより評価できる(A. A. Konkar, et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 291, 875〜883, 1999;T. Kiso, et al., Biol. Pharm. Bull., 22, 1073〜1078, 1999)。また、上記ヒトβ3アドレナリン受容体を安定的に発現している細胞に、CRE−LUCレポーター遺伝子をトランスフェクションした後、当該抽出物を添加し、ルシフェラーゼ活性を測定することにより評価できる(W. Zheng, et al., J. Med. Chem., 42, 2287〜2294, 1999;S. S. Vansal & D. R. Feller, Biochem. Pharmacol., 58, 807〜810, 1999)。なお、CRE−LUCはサイクリックAMPレスポンス・エレメント(CRE)にルシフェラーゼ(LUC)遺伝子を結合したレポーター遺伝子であり、細胞内サイクリックAMP濃度の上昇によりルシフェラーゼが発現する。
【0022】
さらに、上記の実験系において、ヒトβ3アドレナリン受容体の代わりに、ヒトβ1又はβ2アドレナリン受容体を発現している細胞を用いれば、β1、β2、β3での差を比較でき、その選択性を評価できる。
【0023】
本発明において、選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤とは、ヒトβ3アドレナリン受容体に対して選択的にアゴニスト作用を示し、ヒトβ1及びβ2アドレナリン受容体への作用は弱い若しくは無いものをいう。
【0024】
本発明の選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤を含有することを特徴とする肥満、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、痛風などの生活習慣病の予防及び/又は改善剤(以下、本発明予防改善剤と称する)は、飲食用及び医薬用として利用することができ、その形態は限定されず、例えば、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)、健康食品、栄養補助食品などの飲食品、あるいはOTCなど容易に入手可能な医薬品又は医薬部外品などとして利用できる。
【0025】
飲食品として用いる場合は、そのまま直接摂取することができ、また、公知の担体や助剤などの添加剤を使用して、カプセル剤、錠剤、顆粒剤など服用し易い形態に成型して摂取することができる。これらの成型剤における本発明予防改善剤の含有量は、好ましくは0.1〜100重量%、より好ましくは10〜90重量%である。さらに、飲食物材料に混合して、チューインガム、チョコレート、キャンディー、ゼリー、ビスケット、クラッカーなどの菓子類;アイスクリーム、氷菓などの冷菓類;茶、清涼飲料、栄養ドリンク、美容ドリンクなどの飲料;うどん、中華麺、スパゲティー、即席麺などの麺類;蒲鉾、竹輪、半片などの練り製品;ドレッシング、マヨネーズ、ソースなどの調味料;マーガリン、バター、サラダ油などの油脂類;パン、ハム、スープ、レトルト食品、冷凍食品など、すべての飲食物に使用することができる。飲食用として本発明予防改善剤を摂取する場合、その摂取量は当該抽出物として成人一人一日当たり、好ましくは0.01〜1000mg/kg体重、より好ましくは0.1〜100mg/kg体重である。
【0026】
医薬品として用いる場合は、その剤形は特に限定されず、例えば、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、注射剤、坐剤、貼付剤などが挙げられる。製剤化においては、薬剤学的に許容される他の製剤素材、例えば、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、酸化防止剤、着色剤、凝集防止剤、吸収促進剤、溶解補助剤、安定化剤などを適宜添加して調製することができる。これら製剤の投与量としては、当該抽出物換算で成人一人一日当たり、好ましくは0.01〜1000mg/kg体重、より好ましくは0.1〜100mg/kg体重を1回ないし数回に分けて投与する。
【0027】
医薬部外品として用いる場合は、必要に応じて他の添加剤などを添加して、例えば、軟膏、リニメント剤、エアゾール剤、クリーム、石鹸、洗顔料、全身洗浄料、化粧水、ローション、入浴剤などに使用することができ、局所的に用いることができる。
【0028】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
山椒の粉末(山椒末ST:株式会社カネカサンスパイス)2gをエタノール10mlにて抽出(室温、暗所、1週間放置)し、濾過、濃縮乾固を行い、山椒抽出物345mgを得た。
【0029】
(比較例1)
エタノールの代わりに酢酸エチルを用いる以外は実施例1と同様にして、山椒抽出物202mgを得た。
【0030】
(比較例2)
山椒の粉末の代わりに陳皮の粉末(株式会社カネカサンスパイス)を用いる以外は実施例1と同様にして、陳皮抽出物250mgを得た。
【0031】
(実施例2)
ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト活性
CHO−K1細胞(チャイニーズ・ハムスター卵巣由来の培養細胞)に、ヒトβ3アドレナリン受容体遺伝子の発現用プラスミドをリポフェクトアミンTM2000(Invitrogen社)を用いてトランスフェクションし、ヒトβ3アドレナリン受容体を発現している細胞(以下、β3/CHO細胞と称す)を取得した。測定群にはβ3/CHO細胞を用い、対照群にはCHO−K1細胞を用いて、下記の方法にてサンプルのヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト活性を測定した。
第1日目: β3/CHO細胞(測定群)又はCHO−K1細胞(対照群)を96穴培養プレートに3×104cells/wellとなるように植え込み、37℃、5%CO2条件下で約24時間培養した。培地には、5%FBS(ウシ胎児血清)を含むMD培地を用いた。なお、MD培地は、MCDB302(SIGMA社)5.5g/L、DMEM(GIBCO社)4.75g/L、L−グルタミン(和光純薬工業)0.3g/L、重炭酸ナトリウム(GIBCO社)1.27g/Lの組成で調製した。
第2日目: 細胞にpCRE−luc(STRATAGENE社)をリポフェクトアミンTM2000(Invitrogen社)を用いてトランスフェクションした。その6時間後、新たな培地に交換し、一晩培養した。なお、pCRE−lucはサイクリックAMPレスポンス・エレメント(CRE)にルシフェラーゼ遺伝子を結合したレポーター・プラスミドである。
第3日目: サンプルを含む培地に交換し、6時間培養した。サンプルはジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解したものを、培地に1/1000容量添加した。無処置対照にはDMSOを、陽性対照には選択的β3アドレナリン受容体アゴニストであるBRL37344(TOCRIS社)を用いた。細胞をCa,Mg含有リン酸緩衝生理食塩水(PBS+)で洗浄した後、ルックライトTM(Packard社)を添加し、トップカウントTMマイクロプレートシンチレーション/ルミネッセンスカウンター(Packard社)にてルシフェラーゼの発光強度を測定した。無処置対照のルシフェラーゼ発光強度に対する比をとり、サンプルのルシフェラーゼ比活性とした。
【0032】
実施例1、比較例1及び2で得た抽出物それぞれについて測定した結果を表1に示す。
陽性対照のBRL37344では、β3/CHO細胞(測定群)において有意にルシフェラーゼ比活性の上昇が認められたが、CHO−K1細胞(対照群)においてルシフェラーゼ比活性は変化しなかった。つまり、BRL37344は、ヒトβ3アドレナリン受容体を介して細胞内サイクリックAMP濃度を上昇させルシフェラーゼを発現させていることから、BRL37344のヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト作用が確認された。
実施例1のエタノール抽出による山椒抽出物は、陽性対照のBRL37344と同様に、ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト作用が認められた。しかし、比較例1の酢酸エチル抽出による山椒抽出物には、ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト作用が認められなかった。一方、比較例2の陳皮エタノール抽出物には、ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト作用が認められた。
【0033】
【表1】
(実施例3)
ヒトβ1、β2、β3アドレナリン受容体への結合活性
ヒトβ1、β2、β3アドレナリン受容体それぞれに対する結合活性は、RI標識リガンドに対する結合阻害実験(MDS Pharma Services社:アッセイNo. 204010, 204110, 204200)により評価した。実施例1及び比較例2で得た抽出物それぞれについて測定した結果を表2に示す。
実施例1の山椒抽出物は、ヒトβ1及びβ2アドレナリン受容体にはほとんど結合阻害が認められず、ヒトβ3アドレナリン受容体に対してのみ結合阻害が認められたことから、ヒトβ3アドレナリン受容体に対して選択的に結合することが示された。つまり、実施例1の山椒抽出物はヒトβ3アドレナリン受容体に対して選択的にアゴニスト作用を示すことが判明した。
一方、比較例2の陳皮抽出物は、ヒトβ2及びβ3アドレナリン受容体に対して結合阻害が認められたことから、ヒトβ1アドレナリン受容体にはほとんど結合しないが、ヒトβ2及びβ3アドレナリン受容体に同程度結合することが示された。つまり、比較例2の陳皮抽出物は選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニストではないことが示唆された。
【0034】
【表2】
(実施例4)
山椒の粉末(山椒末ST:株式会社カネカサンスパイス)5gをそれぞれ25mlのエタノール(99.5%)、70%エタノール、35%エタノール、17.5%エタノール、水にて抽出(室温、暗所、1週間放置)した。濾過後、濃縮乾固及び/又は凍結乾燥を行い、それぞれ0.75g、1.14g、1.04g、0.75g、0.71gの抽出物を得た。
これらの抽出物のヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト活性を、実施例2の方法にて測定した。その結果を表3に示す。
抽出溶媒が、エタノール、含水エタノール、水のいずれであっても、得られた山椒抽出物にはヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト活性が認められた。
【0035】
【表3】
(実施例5)
実施例4と同様にして得た山椒抽出物を40重量部、カルボキシメチルセルロース・ナトリウムを30重量部、結晶セルロースを20重量部、ビタミンCを10重量部の組成で混合、粉砕し、ゼラチン製カプセルに充填して、山椒抽出物を含有する飲食用カプセル剤を調製した。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、安全な食品素材由来である選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤、及び、これを含有することを特徴とする肥満、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、痛風などの生活習慣病の予防及び/又は改善剤を得ることができる。
Claims (7)
- 山椒抽出物を有効成分とする選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤。
- 山椒抽出物が山椒を水、水溶性有機溶媒、又はその混合溶媒のいずれかの抽出溶媒により抽出して得られる抽出物である、請求項1記載の選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤。
- 水溶性有機溶媒が炭素数1〜3の低級アルコール又はアセトンである、請求項2記載の選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤。
- 水溶性有機溶媒がエタノールである、請求項2記載の選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤を含有することを特徴とする、生活習慣病の予防及び/又は改善剤。
- 生活習慣病が肥満、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、痛風からなる群より選ばれる少なくとも1つの疾患である、請求項5記載の生活習慣病の予防及び/又は改善剤。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の選択的ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤を含有することを特徴とする、高体脂肪率、高血糖、高インスリン血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、高血圧、高尿酸血症からなる群より選ばれる少なくとも1つの症状の予防及び/又は改善剤。
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