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JP2006080681A - 位置検出システムおよび位置検出方法 - Google Patents

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JP2006080681A JP2004260225A JP2004260225A JP2006080681A JP 2006080681 A JP2006080681 A JP 2006080681A JP 2004260225 A JP2004260225 A JP 2004260225A JP 2004260225 A JP2004260225 A JP 2004260225A JP 2006080681 A JP2006080681 A JP 2006080681A
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博人 須田
Shinzo Okubo
信三 大久保
Sukeyuki Furusawa
祐之 古沢
Nobuo Nakajima
信生 中嶋
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Abstract

【課題】CDMAの電波を用いて移動局の位置検出を行うことができる位置検出システムおよび位置検出方法を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の基地局との間でCDMA方式により通信を行う移動通信システムにおける移動局の位置を検出する位置検出システムであって、複数の基地局は、互いに異なる周波数で電波を送信し、基地局間の同期をとる局間同期手段と、移動局が受信した電波から、伝搬遅延量を測定する遅延量測定手段と、伝搬遅延量に基づいて、移動局の位置を検出する位置検出手段とを備えることにより達成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、符号分割多元接続方式を用いた位置検出システムおよび位置検出方法に関する。
移動通信では、非常時用あるいは新サービス提供の手段として、位置情報の必要性が高まっている。位置情報は、GPS(Global Positioning System)を用いたり、CDMA(Code Division Multiple Access)の遅延プロファイルを用いたりして得ることができる。
例えば、パイロット信号の移動局への到着時間を示すパイロットチャネル信号情報を受信し、このパイロットチャネル信号情報および複数の基地局の位置を示す基地局情報に基づいて、一組の位置誤差コスト関数を最小化することによって、移動局の位置を推定する測位システムがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−180186号公報
しかしながら、上述した背景技術には以下の問題がある。
GPSによる位置検出は、屋内では使用できない問題がある。
また、CDMAの遅延プロファイルを用いた位置検出は、屋内でも使用可能であるが、もともと位置検出が目的ではないために位置検出の精度が悪い上、遠近問題から位置を検出できるエリアが限られる問題がある。この遠近問題に関して、ある基地局が電波を出しているときは他の基地局は電波を出さないようにし、時分割で電波の送信を制御する方法もあるが、現行のシステムを改造せねばならず、周波数利用効率も損なわれる問題がある。また、この方法は、局間が非同期であるシステムには適用できない問題がある。
また、マルチパスの影響で、特に都市内において、100m〜200mの誤差が生じる場合があり、用途によっては利用できない問題がある。
そこで、本発明の目的は、CDMAの電波を用いて、あまり基地局を改造することなく、検出精度を改善し、移動局の位置検出を行うことができる位置検出システムおよび位置検出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の位置検出システムは、複数の基地局との間でCDMA方式により通信を行う移動通信システムにおける移動局の位置を検出する位置検出システムであって、複数の基地局は、互いに異なる周波数で電波を送信し、基地局間の同期をとる局間同期手段と、移動局が受信した電波から、伝搬遅延量を測定する遅延量測定手段と、伝搬遅延量に基づいて、移動局の位置を検出する位置検出手段とを備える。
このように構成することにより、移動局は複数の基地局からの信号を受信でき、受信した信号から位置を検出することができる。
また、本発明の他の位置検出システムは、複数の基地局との間でCDMA方式により通信を行う移動通信システムにおける移動局の位置を検出する位置検出システムであって、複数の基地局は、互いに異なる周波数で電波を送信し、電波の伝搬遅延量から、基地局間の電波の送信タイミング差を計算する送信タイミング差計算手段と、移動局が受信した電波の伝搬遅延量を測定する遅延量測定手段と、送信タイミング差および伝搬遅延量に基づいて、移動局の位置を検出する位置検出手段とを備える。
このように構成することにより、基地局が非同期の場合においても、基地局間の電波の送信タイミング差を計算することができ、送信タイミング差および伝搬遅延量に基づいて、移動局の位置を検出することができる。
また、本発明の他の位置検出システムは、複数の基地局との間でCDMA方式により通信を行う移動通信システムにおける移動局の位置を検出する位置検出システムであって、複数の基地局は、互いに異なる周波数で電波を送信し、各基地局と移動局との間を往復する電波の伝搬遅延量を測定する遅延量測定手段と、伝搬遅延量から各基地局と移動局との絶対距離を求め、移動局の位置を検出する位置検出手段とを備える。
このように構成することにより、基地局が非同期の場合においても、各基地局と移動局との間を往復する電波の伝搬遅延量を測定することができ、移動局の位置を検出することができる。
また、本発明の他の位置検出システムは、複数の基地局との間でCDMA方式により通信を行う移動通信システムにおける移動局の位置を検出する位置検出システムであって、基地局は、セルを複数のセクタに角度分割し、セクタ毎に異なる拡散コードを用いて通信を行い、移動局が受信した電波から、拡散コード毎の受信レベルを測定する受信レベル測定手段と、拡散コード毎の受信レベルに基づいて、移動局の方位を検出する方位検出手段と、方位に基づき、移動局の位置を検出する位置検出手段とを備える。
このように構成することにより、移動局が受信した電波から、拡散コード毎の受信レベルを測定でき、移動機の基地局に対する方位を求めることができる。
また、本発明の位置検出方法は、複数の基地局との間でCDMA方式により通信を行う移動通信システムにおける移動局の位置を検出する位置検出方法であって、同期した複数の基地局が、互いに異なる周波数で電波を送信するステップと、移動局が、電波を受信するステップと、移動局が受信した電波から、伝搬遅延量を測定するステップと、伝搬遅延量に基づいて、移動局の位置を検出するステップとを有する。
このようにすることにより、移動局は複数の基地局から受信した電波から位置を検出することができる。
また、本発明の他の位置検出方法は、複数の基地局との間でCDMA方式により通信を行う移動通信システムにおける移動局の位置を検出する位置検出方法であって、複数の基地局が、互いに異なる周波数で電波を送信するステップと、電波の伝搬遅延量から、基地局間の電波の送信タイミング差を計算するステップと、移動局が電波を受信するステップと、移動局が受信した電波の伝搬遅延量を測定するステップと、送信タイミング差および伝搬遅延量に基づいて、移動局の位置を検出するステップとを有する。
このようにすることにより、基地局が非同期の場合においても、基地局間の電波の送信タイミング差および伝搬遅延量に基づいて、移動局の位置を検出することができる。
また、本発明の位置検出方法は、複数の基地局との間でCDMA方式により通信を行う移動通信システムにおける移動局の位置を検出する位置検出方法であって、複数の基地局が、互いに異なる周波数で電波を送信するステップと、各基地局と移動局との間を往復する電波の伝搬遅延量を測定するステップと、伝搬遅延量から各基地局と移動局との絶対距離を求め、移動局の位置を検出するステップとを有する。
このようにすることにより、基地局が非同期の場合においても、各基地局と移動局との間を往復する電波の伝搬遅延量から、移動局の位置を検出することができる。
また、本発明の他の位置検出方法は、複数の基地局との間でCDMA方式により通信を行う移動通信システムにおける移動局の位置を検出する位置検出システムであって、基地局が、セルを角度分割したセクタ毎に異なる拡散コードを用いて電波を送信するステップと、移動局が電波を受信するステップと、移動局が受信した電波から、拡散コード毎の受信レベルを測定するステップと、拡散コード毎の受信レベルに基づいて、移動局の方位を検出するステップと、方位に基づき、移動局の位置を検出するステップとを有する。
このようにすることにより、移動局が受信した電波から、拡散コード毎の受信レベルを測定し、移動機の基地局に対する方位を求めることができる。
本発明の実施例によれば、CDMAの電波を用いて移動局の位置検出を行うことができる位置検出システムおよび位置検出方法を実現できる。
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
本発明の第1の実施例にかかる移動通信システムについて、図1を参照して説明する。
本実施例にかかる移動通信システムは、移動局100と、複数の基地局とを備える。各基地局は異なる周波数で電波を送信する。例えば、各基地局は異なる電気通信事業者に属し、第1の電気通信事業者に属する第1の基地局110と、第2の電気通信事業者に属する第2の基地局120と、第3の電気通信事業者に属する第3の基地局130とを備える。
移動局100は、アンテナを介して、各基地局から異なる周波数で送信される電波を受信する受信機101と、受信機101と接続され、各基地局から到来した電波の相対的な遅延を測定する遅延時間測定部102と、遅延時間測定部102と接続され、測定された相対遅延から移動局100の位置を検出する位置検出部103と、位置検出部103と接続され、各基地局の位置を記憶する基地局位置データベース104とを備える。
第1の基地局110は、アンテナを備え、周波数Fの電波を送信する送信機111と、送信機111と接続され、各基地局間で時間同期を行う局間同期装置112とを備える。例えば、局間同期装置112としてGPSを備えるようにしてもよい。なお、図1において、各基地局内の上り信号の受信系は、その記載を省略する。第2の基地局120および第3の基地局130については、第1の基地局110と同様の構成であり、第2の基地局120が周波数Fの電波を送信し、第3の基地局130が周波数Fの電波を送信する。
CDMAでは、基地局間で同一周波数を用い、お互いに異なった拡散符号で拡散され、電波が送信される。このため、移動局が自基地局に近づく程、自基地局から送信された電波の受信レベルが相対的に高まって、干渉により他の基地局から送信された信号を受信できなくなる。
確かな品質で受信できるのはほとんどの場所で自基地局からの電波のみであり、基地局間の境界領域でのみ複数の基地局からの電波を受信することができる。したがって、複数の基地局からの距離を伝搬遅延で求めて、3点測量の原理で位置を特定することは困難である。
その対策として、上述したように各移動局からの電波を時分割で送信するようにして、お互いの干渉を避ける方法があるが、現行のシステムを改造しなければならず、周波数利用効率も損なわれてしまう。
以上の問題を解決する手段として、本実施例では、複数の電気通信事業者に属する各基地局から送信される電波を用いる。異なる電気通信事業者は異なる周波数で電波を通信しているため、移動局100は、送信された電波をお互いに干渉なく同時に受信することができる。例えば、3電気通信事業者がCDMA方式の移動通信システムを同一エリアで運用し、第1の基地局110、第2の基地局120および第3の基地局130は、周波数がF、FおよびFの電波を送信する場合、移動局100は、受信周波数を切替えることにより、第1の基地局110、第2の基地局120および第3の基地局130から送信される電波を受信できる。各基地局は、局間同期装置112、122および132、例えばGPSにより同期している。このため、移動局100は、受信した各基地局から送信された電波から、各基地局までの距離を求め、この距離から3角法により移動局100の位置を検出することができる。
例えば、移動局100は、3基の基地局から送信された電波の相対遅延を測定し、この相対遅延をもとに、各基地局からの距離を算出し、自移動局100の位置を検出する。例えば、移動局100は、各基地局を中心に算出した距離を半径とし円を描き、これら3つの円の交点を自移動局100の位置とする。3つの円が交わらない場合には、3つの円の重なった領域の中心を自移動局100の位置としてもよい。
同一電気通信事業者内では、送信波と受信波とが同一の周波数となるため、送受間干渉により、他の同一電気通信事業者に属する基地局からの送信波を受信することができない。しかし、本実施例では、異なる電気通信事業者に属する基地局から送信される電波を利用するため、異なる周波数の電波を利用でき、他の基地局の送信波を受信することができる。
実際に、基地局の制御信号を移動局が受信して、遅延プロファイルを求めた結果について、図2を参照して説明する。
図2(a)に示すように、基地局から送信された制御信号を移動局で受信し、その受信信号の基準点に対する遅延プロファイルを、遅延プロファイル測定装置を用いて求めた。その結果、図2(b)に示すように、基準点と移動局それぞれの位置に設置されたアンテナ出力を示す2つのパルスが観測された。2つのパルスの時間差から、基準点と移動局との相対距離を求めることができる。本実施例においては、3基の基地局から送信された電波の相対遅延から、各基地局からの相対距離を算出することができる。
本実施例においては、各基地局がGPSにより同期を取る場合について説明したが、他の基地局から送信される電波を受信し、同期信号を検出することにより局間同期を確立するようにしてもよい。例えば、ある基地局をマスター局、他の基地局をスレーブ局に設定し、スレーブ局はマスター局が送信する電波からクロックを検出して、自スレーブ局のクロックを決め、チップ単位で同期を計るようにしてもよい。
この場合においても、同一電気通信事業者内では、同一周波数の電波が送信されるため、スレーブ局においてマスター局の電波を検出することは、不可能であるが、異なる複数の電気通信事業者の基地局から送信される電波を利用することにより、スレーブ局はマスター局のクロックを検出することができる。このようにすることにより、GPSが使えない場合においても、移動局の位置を求めることができる。
次に、本発明の第2の実施例について、図3を参照して説明する。
本実施例にかかる移動通信システムは、各基地局が局間同期を実施しない場合に、移動局100の位置を検出する。
本実施例にかかる移動通信システムは、上述した実施例と同様に、移動局100と、複数の基地局とを備える。各基地局は異なる周波数で電波を送信する。例えば、各基地局は異なる電気通信事業者に属し、第1の電気通信事業者に属する第1の基地局110と、第2の電気通信事業者に属する第2の基地局120と、第3の電気通信事業者に属する第3の基地局130とを備える。
移動局100は、図1を参照して説明した移動局に受信機101および位置検出部103と接続され、基地局間の送信タイミング差の情報を抽出する基地局間送信タイミング差情報抽出部105を備える。
第1の基地局110は、アンテナを備え、周波数Fで電波を送信する送信機111と、アンテナを備え、異なる周波数、例えば周波数F、FおよびFの電波を受信する受信機113と、受信機113と接続され、受信機113が受信した電波の遅延時間を測定する遅延時間測定部114と、各基地局の位置を記憶する基地局位置データベース116と、遅延時間測定部114、送信機111および基地局位置データベース116と接続され、基地局間の送信タイミング差、すなわち各基地局、例えば第1の基地局110、第2の基地局120および第3の基地局130から送信される電波のクロックずれを計算する基地局間送信タイミング差計算部115とを備える。
第2の基地局120は、アンテナを備え、周波数Fで電波を送信する送信機121を備える。第3の基地局130は、アンテナを備え、周波数Fで電波を送信する送信機131を備える。
第1の基地局110の受信機113は、第1の基地局110、第2の基地局120および第3の基地局130から送信された周波数F、FおよびFの電波を受信する。遅延時間測定部114は、受信機113により受信された周波数F、FおよびFの電波の遅延時間を測定し、基地局間送信タイミング差計算部115に入力する。
基地局間送信タイミング差計算部115は、入力された遅延時間と基地局位置データベース116に記憶された各基地局の位置とから、各基地局から送信される電波の送信タイミングの差を計算し、その結果を送信機111に入力する。送信機111は、入力された基地局間送信タイミング差を移動局100に送信する。
移動局100では、受信機101により基地局間送信タイミング差が受信されると、基地局間送信タイミング差情報抽出部105は、基地局間送信タイミング差の情報を抽出し、位置検出部103に入力する。
一方、第1の基地局110、第2の基地局120および第3の基地局130により送信された電波は、受信機101においても受信され、遅延時間測定部102において、各基地局から到来した電波の相対的な遅延が測定され、その結果は位置検出部103に入力される。位置検出部103は、基地局間送信タイミング差、相対遅延および基地局位置データベースに記憶された各基地局の位置の情報に基づいて、各基地局と移動局との距離を求め、この距離から、例えば3角法により移動局100の位置を検出する。
本実施例では、第1の基地局110に、送信機111、受信機113、遅延時間測定部114、基地局間送信タイミング差計算部115および基地局位置データベース116を備える場合について説明したが、第2の基地局120に備えるようにしてもよいし、第3の基地局130に備えるようにしてもよい。
また、基地局に備えることができない場合には、送信機111、受信機113、遅延時間測定部114、基地局間送信タイミング差計算部115および基地局位置データベース116を備える装置を、モニタ局として新たに備えるようにしてもよい。
次に、本発明の第3の実施例にかかる移動通信システムについて、図4を参照して説明する。
本実施例にかかる移動通信システムは、各基地局と移動局100との間を往復する電波の時間遅延を測定し、各基地局と移動局100との絶対距離を求めることにより、移動局の位置を検出する。
本実施例にかかる移動通信システムは、上述した実施例と同様に、移動局100と、複数の基地局とを備える。各基地局は異なる周波数で電波を送信する。例えば、各基地局は異なる電気通信事業者に属し、第1の電気通信事業者に属する第1の基地局110と、第2の電気通信事業者に属する第2の基地局120と、第3の電気通信事業者に属する第3の基地局130とを備える。
移動局100は、アンテナと、アンテナと接続された送受分波器107と、送受分波器107と接続された送信機106および受信機101と、送信機106および受信機101と接続された遅延時間測定部102と、遅延時間測定部102と接続された位置検出部103と、位置検出部103と接続された基地局位置データベース104とを備える。
第1の基地局110は、周波数Fで電波を送信する送信機111と、送信機111と接続され、アンテナを備え、送受信号を合成する送受分波器117と、送受分波器117および送信機111と接続され、周波数F´の電波を受信する受信機113とを備える。第2の基地局120および第3の基地局130は、第1の基地局110と同様の構成であり、第2の基地局120が周波数F、F´の電波を送受信し、第3の基地局130が周波数F、F´の電波を送受信する。
移動局100の送信機106は、電波を第1の基地局110に送信するとともに、送信した旨の情報を遅延時間測定部102に入力する。移動局100が送信した電波は、第1の基地局110の受信機113に受信される。送信機111は、入力された信号の応答信号を移動局100に送信する。移動局100の受信機101は、第1の基地局110から送信された電波を受信すると、その受信信号を遅延時間測定部102に入力する。遅延時間測定部102は、移動局100と第1の基地局110との間を往復する電波の伝搬遅延時間の測定を行い、その結果を位置検出部103に入力する。
移動局100は、第2の基地局120および第3の基地局130に対しても、第1の基地局110と同様に伝搬遅延時間の測定を行う。
位置検出部103は、伝搬遅延時間から、自移動局100と各基地局との間の距離を求め、この距離から、例えば3角法により移動局100の位置を検出する。
このようにすることにより、基地局間の同期を確立することなく、各基地局から送信される異なる周波数の電波を利用して移動局100の位置を検出することができる。
本実施例においては、位置検出を行う機能、すなわち、伝搬遅延測定を行う遅延時間測定部102および位置検出部103を移動局100に備える場合について説明したが、各基地局に備えるようにしてもよい。この場合、各基地局において、伝搬遅延測定が行われ、その結果に基づいて基地局と移動局100との距離が求められ、その結果が移動局100に送信される。移動局100は、各基地局と移動局100との距離に基づいて位置検出を行う。このようにすることにより、移動局100を小型化することができる。
また、上述した実施例においては、3基の基地局と移動局100との間の伝搬遅延時間から、各基地局と移動局100との距離を求め、求めた距離に基づいて、移動局100の位置を求める場合について説明したが、2基の基地局と移動局100との間の伝搬遅延時間から、移動局100の位置を求めるようにしてもよい。
この場合、移動局100の位置として2ヶ所の候補が得られた場合、この測定以前に求められた移動局の位置情報に近いほうを現在の移動局の位置とし、それ以外の位置情報を棄却する。このようにすることにより、2基の基地局からの情報だけでも、移動局の位置の推定ができるため、推定可能な場所率や平均推定精度を向上させることができる。
次に、本発明の第4の実施例にかかる移動通信システムについて説明する。
本実施例にかかる移動通信システムは、第1から第3の実施例において説明した移動通信システムの機能を組み合わせたものである。
本実施例にかかる移動局の動作について、図5を参照して説明する。
ここでは、既に、例えば3基の基地局を用いて移動局の位置の推定がされ、所定時間経過後に、新たに移動局の位置を推定する場合について説明する。
移動局は、3基の基地局からの距離測定が可能であるか否かの判断を行う(ステップS502)、3基の基地局からの距離測定が可能である場合(ステップS502:YES)、3点測量の原理で移動局の位置推定を行う(ステップS504)。
一方、3基の基地局からの距離測定が可能でない場合(ステップS502:NO)、2基の基地局からの距離測定が可能であるか否かの判断を行う(ステップS506)。2基の基地局からの距離測定が可能である場合(ステップS506:YES)、2基の基地局において、各基地局の位置を中心、基地局と移動局との距離を半径として円を形成したときの交点を求め(ステップS508)、前回の推定位置に近い交点を移動局の推定位置とする(ステップS510)。
一方、2基の基地局からの距離測定が可能ではない場合(ステップS506:NO)、終了する。
次の測定でも、2基の基地局からの距離しか求められない場合には同様の動作を繰り返す。3基の基地局からの距離が求められる場合に、初期の推定方法、すなわち3点測量の原理での位置推定方法を行う。1基の基地局からの測定のみ可能である場合、または全く距離測定ができなかったときは、位置推定を省略して、初期の段階、すなわちステップS502に戻る。
次に、本発明の第5実施例にかかる移動通信システムについて、図6を参照して説明する。
本実施例にかかる移動通信システムは、1基の基地局にアクセスすることにより、移動局100の方位の検出を行い、検出した方位を用いて位置検出を行う。
山間地や電波の届きにくい場所では、3基の基地局にアクセスすることが困難な場合がある。その対策として方位検出を提案する。一般に基地局アンテナはセクタ構成を採用しており、方向によって異なる拡散コードで送信する。したがって、拡散コード間の受信レベルを比較することにより、移動局の方位を検出することができる。方位が分かれば、1基あるいは2基の基地局で移動局の位置を特定することができる。
本実施例にかかる移動通信システムは、上述した実施例と同様に、移動局100と、複数の基地局とを備える。各基地局は異なる周波数で電波を送信する。例えば、各基地局は異なる電気通信事業者に属し、第1の電気通信事業者に属する第1の基地局110と、第2の電気通信事業者に属する第2の基地局120と、第3の電気通信事業者に属する第3の基地局130とを備える。
移動局100は、アンテナと、アンテナと接続された受信機101と、受信機101と接続された各コードの受信レベル検出器108と、各コードの受信レベル検出器108と接続された位置検出部103と、位置検出部103と接続された基地局位置データベース104とを備える。
各基地局は、複数の指向性アンテナと、各指向性アンテナと接続された複数の送信機とを備える。例えば、6セクタの場合には、6本の指向性アンテナと、各指向性アンテナと接続された6基の送信機とを備える。本実施例においては、移動局100は、各基地局の6本のアンテナから送信される電波のうち3本のアンテナから送信される電波を受信できる場合について説明する。したがって、図6には、3本の指向性アンテナと、各指向性アンテナと接続された3基の送信機を示す。
第1の基地局110は、拡散コード1(以下、コードと略記)で拡散し、周波数Fで送信する送信機111と、コード2で拡散し、周波数Fで送信する送信機111と、コード3で拡散し、周波数Fで送信する送信機111とを備える。
第2の基地局120は、コード1で拡散し、周波数Fで送信する送信機121と、コード2で拡散し、周波数Fで送信する送信機121と、コード3で拡散し、周波数Fで送信する送信機121とを備える。
第3の基地局130は、コード1で拡散し、周波数Fで送信する送信機131と、コード2で拡散し、周波数Fで送信する送信機131と、コード3で拡散し、周波数Fで送信する送信機131とを備える。
例として、移動局100と第1の基地局110とがアクセスすることにより位置検出を行う場合について、図7を参照して説明する。
図7は、基地局あるいは、送信アンテナの送信特性を上から見た図である。セルは6セクタに分割され、セクタ毎に備えられたアンテナからは異なるコードで拡散された電波が送信される。例えば、図7(a)に示すように、セクタ1からはコード1で拡散された電波、セクタ2からはコード2で拡散された電波、セクタ3からはコード3で拡散された電波が送信される。
移動局100の受信機101は、第1の基地局110から送信された電波を受信し、受信信号を各コードの受信レベル検出器108に入力する。各コードの受信レベル検出器108は、電波の受信レベルをコード毎に検出する。例えば、図7(a)に示すように、移動局100は、セクタ2の領域内に在圏し、セクタ2に対応する送信機からの電波とともに、セクタ1に対応する送信機からの電波およびセクタ3に対応する送信機からの電波を受信する。
各送信機から送信される電波の受信レベルは、図7(b)に示すように、セクタ2に対応する送信機からの電波が最も高く、続いて、セクタ1に対応する送信機からの電波の受信レベル、セクタ3に対応する送信機からの電波の受信レベルとなる。これら3基の送信機から送信された電波の受信レベルから移動局100の第1の基地局110に対する方位を求めることができる。
同様に、第2の基地局120にアクセスすることにより第2の基地局120に対する移動局100の方位を求める。
位置検出部103は、基地局位置データベース104に記憶されている各基地局の位置情報と、各基地局に対する移動局100の方位の情報から移動局100の位置を求める。例えば、各基地局から求められた方向に引いた線の交点を移動局100の位置と推定する。
このようにすることにより、基地局間を同期させることなく、2基の基地局で移動局の位置を検出することができる。
実際に、6セクタから送信される電波の受信レベルを測定した結果について、図8を参照して説明する。
図8(a)に示すように、基地局から各セクタ方向に、コード番号、1264、1280、1296、1312、1328および1344で拡散された電波を送信し、1〜6の計測ポイントで受信レベルの測定を行った。
各計測ポイントでは、各コードに対する受信レベルを求めた。結果を図8(b)に示す。
計測ポイント1では、コードが1344の受信レベルが高く、他のコードの受信レベルは低くほぼ同様の値である。計測ポイント2では、コードが1328の受信レベルが高く、他のコードの受信レベルは低くほぼ同様の値である。計測ポイント3では、コードが1312の受信レベルが高く、これに続いて、1296、1328が高い。計測ポイント4では、コードが1296の受信レベルが高く、他のコードの受信レベルは低くほぼ同様の値である。計測ポイント5では、コードが1280の受信レベルが高く、他のコードの受信レベルは低くほぼ同様の値である。計測ポイント6では、コードが1264の受信レベルが高く、これに続いて、1280が高い。
このように、各コードの相対受信レベルを求めることにより、移動局の基地局に対する方向を求めることができる。
本実施例においては、3セクタに対応する送信機から送信された電波から移動局の方位を求める場合について説明したが、1セクタの受信レベルから方位を求めるようにしてもよい。この場合、±30度の精度で移動局の方位を検出できる。
次に、本発明の第6の実施例にかかる移動通信システムについて、図9を参照して説明する。
本実施例にかかる移動通信システムは、各基地局からの伝搬遅延および移動局の方位情報から移動局の位置を求める。
本実施例にかかる移動局100は、図4を参照して説明した移動局に、受信機101および位置検出部103に接続された各コードの受信レベル検出器108を備える。
第1の基地局110は、コード1で拡散し、周波数Fで送信する送信機111と、送信機111と接続された受信機113と、送信機111および受信機113と接続された送受分波器117と、コード2で拡散し、周波数Fで送信する送信機111と、送信機111と接続された受信機113と、送信機111および受信機113と接続された送受分波器117と、コード3で拡散し、周波数Fで送信する送信機111と、送信機111と接続された受信機113と、送信機111および受信機113と接続された送受分波器117とを備える。第2の基地局120および第3の基地局130は、第1の基地局と同様の構成である。
移動局100と第1の基地局110とがアクセスすることにより位置検出を行う場合について説明する。移動局100の受信機101は、第1の基地局110から送信された電波を受信し、受信信号を各コードの受信レベル検出器108に入力する。各コードの受信レベル検出器108は、電波の受信レベルをコード毎に検出し、検出した受信レベルに基づいて、移動局100の第1の基地局110に対する方位を求める。
また、遅延時間測定部102において、第1の基地局110と移動局100との間を往復する電波の時間遅延を測定し、第1の基地局110と移動局100との絶対距離を求める。位置検出部103は、求められた方位と距離から移動局100の位置を求める。
上述したように、各基地局からの遅延情報、または方位情報のみで位置を求めることができるが、これら全ての情報を用いることにより、より正確な値を得ることができる。
本実施例では、各基地局からの遅延情報および方位情報を用いて、移動局の位置を検出する場合について説明したが、この場合、信頼度を高めるために、各情報の信頼性に比例した重みをつけるようにしてもよい。
例えば、移動局100の位置を推定する場合に用いる推定式として、式(1)および式(2)を用いる。
東経の推定値X=X×W+X×W (1)
北緯の推定値Y=Y×W+Y×W (2)
ここで、Xは遅延から推定した位置の東経値、Yは遅延から推定した位置の北緯値、Xは方位から推定した位置の東経値、Yは方位から推定した位置の北緯値である。また、Wは遅延による推定の重み、Wは方位による推定の重みであり、W+W=1である。
このように、全ての情報を用い、各情報の信頼性に比例した重みをつけることにより正確な値を得ることができる。
次に、本発明の第7の実施例にかかる移動通信システムについて、図10を参照して説明する。
都市内の伝搬特性はマルチパスの影響で極めて複雑であり、測定誤差は避け得ない。しかし伝搬環境はほぼ不変なので測定結果は常に再現する。そこで、当該エリアであらかじめ測定された各基地局からの伝搬遅延情報を多次元データベースとして伝搬遅延等情報データベース109に記憶し、位置検出時の測定データとデータベースとの相関の強さをもとに位置を最尤推定する。
本実施例にかかる移動通信システムは、上述した実施例と同様に、移動局100と、複数の基地局とを備える。各基地局は異なる周波数で電波を送信する。例えば、各基地局は異なる電気通信事業者に属し、第1の電気通信事業者に属する第1の基地局110と、第2の電気通信事業者に属する第2の基地局120と、第3の電気通信事業者に属する第3の基地局130とを備える。
移動局100は、各基地局から異なる周波数、例えば、周波数F、FおよびFで送信される電波を、アンテナを介して受信する受信機101と、受信機101と接続され、各基地局から到来した電波の相対的な遅延を測定する遅延時間測定部102と、遅延時間測定部102と接続され、測定された相対遅延から移動局100の位置を検出する位置検出部103と、位置検出部103と接続され、伝搬遅延情報を記録する伝搬遅延等情報データベース109とを備える。
第1の基地局110は、周波数Fで電波を送信する送信機111を備える。
第2の基地局120および第3の基地局130は、第1の基地局110と同様の構成であり、第2の基地局120および第3の基地局130は周波数FおよびFで電波を送信する。
位置検出時の測定データとデータベースとの相関の強さはユークリッド距離によって評価する。この場合、データベースにある基地局からの遅延値と測定によって求めた遅延値の差を「距離」とみなし、各基地局からの「距離」の2乗の和の平方根がユークリッド距離となる。
例えば、移動局100は、図11に示すような各基地局からの遅延量データベースを備え、この遅延量データベースからユークリッド距離を算出する。例えば、東経が10列目、北緯が5行目のユークリッド距離は、式(3)のように表される。
ユークリッド距離=√((DA-2)2+(DB-3.4)2+(DC-1)2) (3)
ここで、DAは基地局Aからの遅延量、DBは基地局Bからの遅延量、DCは基地局Cからの遅延量である。
式(3)を用いて、ユークリッド距離を算出し、ユークリッド距離データを求める。求めたユークリッド距離データからユークリッド距離が最小となる位置に対応する緯度および経度が推定位置となる。
測定植がデータベース値と一致していれば「距離」は0となるため、ユークリッド距離も0となり、データベースで対応する地点が求める地点となる。通常は測定誤差等により「距離」が0となることは稀であり、ユークリッド距離が最も小さい地点を推定地点とする。
最尤推定では、全く異なった場所でもユークリッド距離が最小となる場合が確率的に存在する。測定誤差の出かたによっては、異なった地点を選んでしまう可能性もある。そこで、過去の推定位置と比較し、時間的に移動不可能である位置が推定された場合は、棄却して直近の過去の位置を適用する。
また、遅延量を求める場合に、図12(a)に示すように、過去の移動量を外挿してピークを選択するようにしてもよい。また、図12(b)に示すように他の2基の基地局から求めた位置情報を用いて最適なピークを選択するようにしてもよい。
また、伝搬遅延推定では、マルチパスによって誤差が生じる。そこで、求めた遅延プロファイルから、マルチパスの少ない場合は推定値の尤度が高いとし、マルチパスが多く観測された場合は推定値の尤度が低いと判定して、上述した推定式における重み付けを調整するようにしてもよい。
また、正しい伝搬遅延値を得るには、遅延プロファイルから先行波を検出することが重要である。その際に、過去の位置と移動速度・方向ならびに他の基地局からの遅延時間の変化を参考にして予想される遅延時間を推定し、その位置の近傍のピークを推定遅延時間とするようにしてもよい。
また、位置を判断するためにデータベースを予め準備しておくことが必要である。全てのエリアのデータを移動局に蓄えておくことは不可能である。そこで移動局の存在率の高いエリアは、移動局がデータを記憶しておき、データのないエリアでは基地局から必要に応じてデータをダウンロードする。地物の変化によりデータを更改する必要がある場合も同様である。
また、データベースへのデータの蓄積および更新を行うためには、測定車を用意して常時測定する方法が最も一般的であるが経済的でない。その代わりに、一般のGPSを搭載した携帯電話を利用して、通常使用時にGPSによる位置、伝搬遅延、方位、受信レベル等のデータを基地局に報知させ、ネットワークでそれらの情報の蓄積ならびにアップデートを行うようにしてもよい。
次に、本発明の第8の実施例にかかる移動通信システムについて、図13を参照して説明する。
本実施例にかかる移動通信システムは、最尤推定のデータとして、到来方向をも加えたものである。
本実施例にかかる移動通信システムは、図9を参照して説明した基地局と、図9を参照して説明した移動局において、基地局位置データベースの代わりに伝搬遅延等情報データベース109を備える。
伝搬遅延等情報データベースは、遅延量および到来方向に関するデータベースである。
このように構成することにより、多くの情報を用いて位置推定を行うことができるため、位置推定精度を高めることができる。ただし、推定方位は推定誤差が大きいので、確からしさに比例した重み付けをする。例えば、移動局100の位置を推定する場合に用いる推定式として、式(1)および式(2)を用いる。
次に、本発明の第9の実施例にかかる移動通信システムについて、図14を参照して説明する。
本実施例にかかる移動通信システムは、最尤推定のデータとして、受信電力をも加えたものである。
本実施例にかかる移動通信システムは、図10を参照して説明した基地局と、図10を参照して説明した移動局に、受信機101および位置検出部103と接続された受信電力検出部140を備える。
受信電力検出部140は、各基地局からの電波の受信レベルを測定し、伝搬損失を求める。
伝搬遅延等情報データベース109は、遅延量および伝搬損失に関するデータベースである。
このように構成することにより、多くの情報を用いて位置推定を行うことができるため、位置推定精度を高めることができる。ただし、受信レベルは推定誤差が大きいので、確からしさに比例した重み付けをする。例えば、移動局100の位置を推定する場合に用いる推定式として、式(4)および式(5)を用いる。
東経の推定値X=X×W+X×W+X×W (4)
北緯の推定値Y=Y×W+Y×W+Y×W (5)
ここで、Xは遅延から推定した位置の東経値、Yは遅延から推定した位置の北緯値、Xは方位から推定した位置の東経値、Yは方位から推定した位置の北緯値、Xは伝搬損失から推定した位置の東経値、Yは伝搬損失から推定した位置の北緯値である。また、Wは遅延による推定の重み、Wは方位による推定の重み、Wは伝搬損失による推定の重みであり、W+W+W=1である。
次に、本発明の第10の実施例にかかる移動通信システムについて説明する。
本実施例にかかる移動通信システムは、第1から第9の実施例において説明した移動通信システムの機能を組み合わせたものである。
本実施例にかかる移動局の動作について、図15を参照して説明する。
ここでは、既に、例えば3基の基地局を用いて移動局の位置の推定がされ、所定時間経過後に、新たに移動局の位置を推定する場合について説明する。
移動局は、当該エリアのデータベースが存在するか否かを判断する(ステップS1502)。当該エリアのデータベースが存在する場合(ステップS1502:YES)、最尤推定により移動局の位置を求める(ステップ1504)。
一方、当該エリアのデータベースが存在しない場合(ステップS1502:NO)、移動局は、3基の基地局からの距離測定が可能であるか否かの判断を行う(ステップS1506)、3基の基地局からの距離測定が可能である場合(ステップS1506:YES)、3点測量の原理で移動局の位置推定を行う(ステップS1508)。
一方、3基の基地局からの距離測定が可能でない場合(ステップS1506:NO)、2基の基地局からの距離測定が可能であるか否かの判断を行う(ステップS1510)。2基の基地局からの距離測定が可能である場合(ステップS1510:YES)、2基の基地局において、各基地局の位置を中心に基地局と移動局との距離を半径として円を形成したときの交点を求め(ステップS1512)、前回の推定位置に近い交点を移動局の推定位置とする(ステップS1514)。
一方、2基の基地局からの距離測定が可能ではない場合(ステップS1510:NO)、1基の基地局からの距離と、この基地局に対する移動局の方位から移動局の位置を推定する(ステップS1516)。
次に、本発明の第11の実施例にかかる移動通信システムについて説明する。
本実施例にかかる移動通信システムは、マルチパスにより伝搬遅延推定誤差が生じる対策として、基地局に受信専用のアダプティブアレーアンテナを設置する。アダプティブアレーアンテナは放射ビームの向きを電子的に制御することができる。放射ビームを当該移動局に向けることにより、マルチパスが減って、より正確な推定距離を得る。
ただし、放射ビームを移動局に向けるには、移動局の位置を予め求める必要がある。そこで当該移動局の位置は直ぐ前の測定で推定された位置と仮定して、その仮定された位置の方向に受信専用アレーアンテナの放射ビームを向けるようにする。
このようにすることにより、位置推定精度を向上させることができる。
以上説明したように、本実施例によれば、携帯電話の電波を用いて高精度に移動局の位置を求めることができる。その結果、GPSを適用できない屋内を含めたヒューマンナビゲーションが初めて可能になると共に、よりマイクロセル化した移動通信システムにおいて重要となる、移動局の位置情報の精度を改善させることができる。
本発明にかかる位置検出システムおよび位置検出方法は、符号分割多元接続方式を用いた移動通信システムに適用できる。
本発明の一実施例にかかる移動通信システムの機能ブロック図である。 遅延プロファイルの測定結果を示す説明図である。 本発明の一実施例にかかる移動通信システムの機能ブロック図である。 本発明の一実施例にかかる移動通信システムの機能ブロック図である。 本発明の一実施例にかかる移動通信システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施例にかかる移動通信システムの機能ブロック図である。 移動局におけるセクタ毎の受信レベルを示す説明図である。 移動局におけるセクタ毎の受信レベルの測定結果を示す説明図である。 本発明の一実施例にかかる移動通信システムの機能ブロック図である。 本発明の一実施例にかかる移動通信システムの機能ブロック図である。 本発明の一実施例にかかる移動局における最尤推定におけるデータベースを示す説明図である。 過去の情報から遅延プロファイル中の最適なピークを選ぶ方法を示す説明図である。 本発明の一実施例にかかる移動通信システムの機能ブロック図である。 本発明の一実施例にかかる移動通信システムの機能ブロック図である。 本発明の一実施例にかかる移動通信システムの動作を示すフローチャートである。
符号の説明
100 移動局
110、120、130 基地局

Claims (10)

  1. 複数の基地局との間でCDMA方式により通信を行う移動通信システムにおける移動局の位置を検出する位置検出システムであって:
    前記複数の基地局は、互いに異なる周波数で電波を送信し、
    基地局間の同期をとる局間同期手段;
    前記移動局が受信した電波から、伝搬遅延量を測定する遅延量測定手段;
    前記伝搬遅延量に基づいて、前記移動局の位置を検出する位置検出手段;
    を備えることを特徴とする位置検出システム。
  2. 複数の基地局との間でCDMA方式により通信を行う移動通信システムにおける移動局の位置を検出する位置検出システムであって:
    前記複数の基地局は、互いに異なる周波数で電波を送信し、
    前記電波の伝搬遅延量から、基地局間の前記電波の送信タイミング差を計算する送信タイミング差計算手段;
    前記移動局が受信した前記電波の伝搬遅延量を測定する遅延量測定手段;
    前記送信タイミング差および前記伝搬遅延量に基づいて、前記移動局の位置を検出する位置検出手段;
    を備えることを特徴とする位置検出システム。
  3. 複数の基地局との間でCDMA方式により通信を行う移動通信システムにおける移動局の位置を検出する位置検出システムであって:
    前記複数の基地局は、互いに異なる周波数で電波を送信し、
    各基地局と移動局との間を往復する電波の伝搬遅延量を測定する遅延量測定手段;
    前記伝搬遅延量から前記各基地局と前記移動局との絶対距離を求め、前記移動局の位置を検出する位置検出手段;
    を備えることを特徴とする位置検出システム。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の位置検出システムにおいて:
    移動局の位置に対応する各基地局からの伝搬遅延量情報を記録する伝搬遅延量情報記憶手段;
    を備え、
    前記位置検出手段は、測定した伝搬遅延量と前記伝搬遅延量情報とのユークリッド距離を求め、前記ユークリッド距離から最尤推定により移動局の距離を検出することを特徴とする位置検出システム。
  5. 複数の基地局との間でCDMA方式により通信を行う移動通信システムにおける移動局の位置を検出する位置検出システムであって:
    基地局は、セルを複数のセクタに角度分割し、セクタ毎に異なる拡散コードを用いて通信を行い、
    移動局が受信した電波から、拡散コード毎の受信レベルを測定する受信レベル測定手段;
    前記拡散コード毎の受信レベルに基づいて、前記移動局の方位を検出する方位検出手段;
    前記方位に基づき、前記移動局の位置を検出する位置検出手段;
    を備えることを特徴とする位置検出システム。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の位置検出システムにおいて:
    前記移動局の位置に対応する各基地局からの方位情報を記録する方位情報記録手段;
    を備え、
    前記位置検出手段は、前記方位情報に基づいて、移動局の位置を検出することを特徴とする位置検出システム。
  7. 複数の基地局との間でCDMA方式により通信を行う移動通信システムにおける移動局の位置を検出する位置検出方法であって:
    同期した複数の基地局が、互いに異なる周波数で電波を送信するステップ;
    前記移動局が、前記電波を受信するステップ;
    前記移動局が受信した電波から、伝搬遅延量を測定するステップ;
    前記伝搬遅延量に基づいて、前記移動局の位置を検出するステップ;
    を有することを特徴とする位置検出方法。
  8. 複数の基地局との間でCDMA方式により通信を行う移動通信システムにおける移動局の位置を検出する位置検出方法であって:
    複数の基地局が、互いに異なる周波数で電波を送信するステップ;
    前記電波の伝搬遅延量から、基地局間の前記電波の送信タイミング差を計算するステップ;
    前記移動局が前記電波を受信するステップ;
    前記移動局が受信した前記電波の伝搬遅延量を測定するステップ;
    前記送信タイミング差および前記伝搬遅延量に基づいて、前記移動局の位置を検出するステップ;
    を有することを特徴とする位置検出方法。
  9. 複数の基地局との間でCDMA方式により通信を行う移動通信システムにおける移動局の位置を検出する位置検出方法であって:
    複数の基地局が、互いに異なる周波数で電波を送信するステップ;
    各基地局と移動局との間を往復する電波の伝搬遅延量を測定するステップ;
    前記伝搬遅延量から前記各基地局と前記移動局との絶対距離を求め、前記移動局の位置を検出するステップ;
    を有することを特徴とする位置検出方法。
  10. 複数の基地局との間でCDMA方式により通信を行う移動通信システムにおける移動局の位置を検出する位置検出システムであって:
    基地局が、セルを角度分割したセクタ毎に異なる拡散コードを用いて電波を送信するステップ;
    移動局が前記電波を受信するステップ;
    移動局が受信した電波から、拡散コード毎の受信レベルを測定するステップ;
    前記拡散コード毎の受信レベルに基づいて、前記移動局の方位を検出するステップ;
    前記方位に基づき、前記移動局の位置を検出するステップ;
    を有することを特徴とする位置検出方法。
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