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JP2006078090A - 冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 冷媒の漏出を確実に検出して利用者や管理者等に警告可能な冷凍装置を提供する。
【解決手段】 冷凍装置は、圧縮機8、凝縮器12、膨張弁16及び蒸発器18がこの順序で介挿された冷媒循環流路6を備える。循環経路6は、凝縮器12から膨張弁16までの液冷媒の液流域及び蒸発器18から圧縮機8までの主としてガス冷媒のガス流域を有する。そして、冷凍装置は、前記液流域におけるガス冷媒の存在を検知する検出器24を備え、この検出器24は、ガス冷媒を検知したときに、冷媒漏れを表示する警告灯30を点灯させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷凍回路に関し、より詳しくは、地球温暖化係数の小さい可燃性冷媒の使用に好適した車両用空調システムの冷凍回路に関する。
近年、地球環境に配慮した空調システムの開発が進められており、この空調システムは地球温暖化係数の小さい冷媒を用いた冷凍回路を備えている。具体的には、この種の冷媒としては、R152a等の新代替フロンガス又はプロパン等のHCガスがあげられる。
これらのガスは可燃性を有することから、この種の空調システム、とりわけ車両用空調システムは、その安全性を確保するべく、漏出した冷媒を検知するガスセンサを備えている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−104221号公報
しかしながら、ガスセンサを用いた場合、万一冷媒が漏出したとしても、ガスセンサの近傍でガス濃度が高くならなければ、冷媒の漏出を検知することは不可能であり、冷媒の漏出を見逃す虞がある。
本発明は、上記した問題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、冷媒の漏出を確実に検知して利用者や管理者等に警告可能な冷凍装置を提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明の冷凍装置は、圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器がこの順序で介挿され、前記凝縮器から前記膨張弁までの液冷媒の液流域及び前記蒸発器から前記圧縮機までの主としてガス冷媒のガス流域を有する冷媒循環流路と、前記液流域に配置された検出器を有し、前記液流域におけるガス冷媒の存在を検知する検出手段と、前記検出手段がガス冷媒を検知したときに、この検知結果を出力する警告手段とを備えることを特徴としている(請求項1)。具体的には、前記検出器は、自己発熱型のサーミスタ(請求項3)、又は一対の発光素子及び受光素子からなる(請求項4)。そして、前記警告手段は警告灯を含む(請求項5)。
上記した構成によれば、冷媒循環流路中、液冷媒が流れるべき液流域中にガス冷媒が存在し、この存在が検出器により検知されたとき、検出手段は冷媒循環流路に冷媒の漏出が発生していると判定する。即ち、冷媒循環流路のいずれの箇所から冷媒が漏出すれば、冷媒循環流路中の冷媒量が低下し、液流域にガス冷媒の発生を招くことから、液流域でのガス冷媒の有無は、冷媒の漏出の有無を表す指標となる。それ故、検出手段はその検知器を介して冷媒の漏出を検知することになるので、警告手段は検出手段での検知結果に基づき、冷凍装置の利用者や管理者等に対して冷媒の漏出を確実に警告する。
好適な態様として、前記液流域にレシーバが更に介挿され、前記レシーバよりも下流に前記検出器が配置される(請求項2)。この場合、冷凍装置が正常に作動しているときには、レシーバよりも下流の液流域にガス冷媒は存在しない。しかしながら、冷媒の漏出時には液流域にもガス冷媒が発生するので、検出器が冷媒漏出を誤検出することはない。
好適な態様として、前記冷媒は可燃性冷媒からなる(請求項6)。可燃性冷媒は、一般に、地球温暖化係数が小さく地球環境に優しいからである。
好適な態様として、車両のエンジンルームから車室に亘り前記冷媒循環流路が配置されている(請求項7)。万一冷媒が漏出し、それに気付かずに車両を運転した場合、エンジン等が熱源となって発火する虞があるが、上記した構成によれば、乗員に対して冷媒漏出が確実に警告されるので、乗員の安全が確保される。
以上説明したように、請求項1〜7の冷凍装置によれば、検出手段によって冷媒漏出を確実に検知することができる。このため、可燃性冷媒を用いた冷凍装置を車両用空調システムに適用したとしても乗員の安全性が確保される(請求項6及び請求項7)。
図1は、車両用空調システムに適用した一実施例の冷凍装置の概略構成を示している。
冷凍装置は、車両のエンジンルーム2からダッシュパネル3を介して車室4に亘って延び、冷媒としてのR152aが充填された循環流路6を備えている。エンジンルーム2内の循環流路6には圧縮機8が介挿され、この圧縮機8はエンジン10の駆動力によって作動される。圧縮機8は、循環流路6から低圧のガス冷媒を吸入して圧縮し、そして、高温高圧のガス冷媒を再び循環流路6に吐出する。つまり、圧縮機8は、冷媒を圧縮しながら冷媒の流動を生成する。
そして、循環流路6には、冷媒の流動方向でみて圧縮機8の下流側に、凝縮器12が介挿され、凝縮器12は車両前方からの風及びブロワファン(図示せず)の送風を受けて、その内部を流れる冷媒を空冷して凝縮させる。
また、循環流路6には凝縮器12の下流側にレシーバ14が介挿されており、レシーバ14は、凝縮器12から流入した高圧の液冷媒中に残存する不所望のガス冷媒を分離し、液冷媒のみを下流側に流出させる。
更に、循環流路6には、レシーバ14の下流側に、膨張弁16及び蒸発器18がこの順序で介挿され、蒸発器18は車室4内に配置されている。具体的には、車室4前方のインストルメントパネル20内には空調ユニットハウジング(図示せず)が配置され、この空調ユニットハウジング内に、空調システムの空調ユニットを構成する蒸発器18、ヒータコア及び送風ファン(図示せず)が一緒に収容されている。レシーバ14からの高圧の液冷媒は、膨張弁16を通じて蒸発器18に供給され、蒸発器18内にて気化して低温低圧のガス冷媒となる。蒸発器18の下流側は、圧縮機8に接続されており、ガス冷媒は圧縮機8に吸引される。膨張弁16は、その弁開度が蒸発器18の下流側における冷媒温度に応じて自動的に可変され、蒸発器18の下流側における冷媒の過熱度を調整する。
なお、循環流路6において、圧縮機8、凝縮器12、レシーバ14、膨張弁16及び蒸発器18の間は管路22によって接続されている。
また、冷凍装置は、循環流路6からの冷媒漏れを検出するための検出器24として、レシーバ14と膨張弁16との間を接続する管路22に液密に取り付けられた自己発熱型のサーミスタ26を有し、サーミスタ26の発熱抵抗部は管路22内に突出している。サーミスタ26は、インストルメントパネル20内の制御回路28に電気的に接続されており、制御回路28は、サーミスタ26に電力を供給して所定の発熱量にて発熱させるとともに、サーミスタ26の電気抵抗を検出することができる。
また、制御回路28は、インストルメントパネル20に設けられた警告灯30にも電気的に接続されており、サーミスタ26の電気抵抗が所定の下限値よりも低下したとき、警告灯30に通電して点灯させる。
上記した構成の車両用空調システムにおいては、その通常の冷房動作時、冷媒が循環流路6内を循環することで車室4内が冷房される。より詳しくは、圧縮機8の作動中、圧縮機8により圧縮・吐出された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器12を通じて高圧の液冷媒となった後、レシーバ14を介して膨張弁16に送られる。膨張弁16は、蒸発器18出口での冷媒の過熱度が所定の値となるように、所定の弁開度にて液冷媒を蒸発器18内に噴出して気化させ、蒸発器18内で気化したガス冷媒は圧縮機8に吸引されて、再び、凝縮器12へと送られる。この冷媒の循環過程にて、前述した空調ユニットの送風ファンが作動すると、蒸発器18を通過して気化熱を奪われた冷風が車室4内に供給され、この冷風により車室4内が所望の設定温度に冷房される。
そして、上記した構成の車両用空調システムは、冷媒として地球温暖化係数の小さなR152aを用いており、地球環境に優しい。
また、上記した構成の車両用空調システムは、循環流路6のいずれの箇所から冷媒が漏出したとしても、警告灯30が点灯して乗員に冷媒漏れを確実に警告する。従って、万一、可燃性冷媒であるR152aが循環流路6から漏出したとしても、乗員は冷媒漏れに確実に気付いて対処可能なので、エンジン10等が熱源となって発火する事態を確実に回避でき、乗員の安全が確保される。
より詳しくは、上述した冷媒の循環過程では、正常時、循環流路6のうち凝縮器12から膨張弁18に亘る部分は、高圧の液冷媒が流れる液流域を形成する。この液流域を流れる冷媒の状態は、図3に2点鎖線で示したモリエール線図上、点Aで示され、点Aは飽和液線よりも左側の過冷却液域内にある。また、循環流路6のうち蒸発器18から圧縮機8に亘る部分は、低圧のガス冷媒が流れるガス流域を形成する。
これに対し、循環流路6のいずれかの箇所から冷媒が漏出し、循環流路6内の冷媒量が減少すると、冷媒圧力が液流域で低下するとともにガス流域で上昇し、このときのモリエール線図は、図3に実線で示したようになる。そして、液流域を流れる冷媒の状態は同線図上の点Bで示され、点Bは、飽和液線と飽和蒸気線との間に存在する2相域内にある。従って、循環流路6内の冷媒量が減少すると、液冷媒が流れるべき循環流路6の液流域の冷媒中に、ガス冷媒が含まれるようになる。つまり、液流域内のガス冷媒の有無は、循環流路6からの冷媒漏れの有無の指標となる。
一方、循環流路6の液流域に取り付けられた検出器24、つまり自己発熱型のサーミスタ26にあっては、その発熱抵抗部が制御回路28から電力供給を受けて一定の発熱量にて発熱しながら、その周囲の冷媒により熱を奪われている。
ここで、表1は、温度25℃における、液相及び気相のR152aの熱伝導率を示している。
Figure 2006078090
表1に示したように、液相のR152aは気相のR152aに比べ約10倍近く大きな熱伝導率を有している。このため、循環流路6中の冷媒量が減少して液流域にガス冷媒が混在するようになると、サーミスタ26の発熱抵抗部から奪われる熱量が低下し、発熱抵抗部の温度が上昇する。この発熱抵抗部の温度上昇は、図4に模式的に示したように、サーミスタ26の電気抵抗低下をもたらす。つまり、サーミスタ26は、(過熱ガス域のガス冷媒によって発熱抵抗部から奪われる熱量)<(発熱抵抗部の発熱量)<(過冷却液域の液冷媒によって発熱抵抗部から奪われる熱量)となるようにB定数及びC定数が設定されている。
サーミスタ26の電気抵抗は、制御回路28によって測定及び監視され、制御回路28は、サーミスタ26の電気抵抗が所定の下限値よりも小さくなったとき、冷媒の状態が過冷却液域から2相域へ変化したと判定する。2相域へ変化したとの判定は、すなわち、液流域にガス冷媒が存在し、冷媒漏れが発生しているとの判定であり、制御回路28は、この冷媒漏れ発生の判定結果に基づき、警告灯30に通電して点灯させ、冷媒漏出を乗員に警告する。
本発明は上記した一実施に限定されることはなく、種々変形が可能である。
一実施例では、凝縮器12と膨張弁16との間にレシーバ14が介挿されていたが、レシーバ14に代えて、蒸発器18と圧縮機8との間にアキュムレータを介挿し、膨張弁18として固定絞りを用いてもよい。この場合、蒸発器18とアキュムレータとの間のガス流域には、主としてガス冷媒が流れるが、僅かながら液冷媒も流動することがある。ただし、凝縮器12で偶然凝縮しなかったガス冷媒が循環流路6の液流域を流れると、検出器24の誤作動に繋がり、冷媒漏れの検出精度が低下する。このため、一実施例の場合のように、レシーバ14の下流に検出器24を配置するのが好ましい。
一実施例では、冷媒としてR152aを用いたけれども、他のフロンガス(HFCガス)や、プロパンガス等のHCガスを用いてもよい。
一実施例では、乗員への警告手段として警告灯30を用いたが、警告灯30に代えて若しくは警告灯30と共に警告ブザーを用いてもよい。
一実施例では、循環流路6における液流域内のガス冷媒を検出する検出器24としてサーミスタ26を用いたが、図5に示したように、発光素子32と、発光素子32からの光を受光可能な受光素子34とからなる光学式の検出器24を用いてもよい。発光素子32及び受光素子34は、透明なガラス板36を介して管路22の両側に配置され、発光素子32から出射した光は、これらガラス板36及び管路22内の液冷媒を通過し、受光素子34へと入射する。光が液冷媒を通過する際、ガス冷媒の泡が液冷媒中に含まれていると泡で光が散乱され、受光素子への入射光強度が減衰する。そこで、制御回路28は、受光素子34への入射光強度の減衰を検出し、減衰が一定以上になると警告灯30を点灯させる。また、検出器24としてはマイクを用いることもでき、この場合、ガス冷媒の泡が膨張弁16から噴出する際に発生する異音をマイクで検出することで、液冷媒中のガス冷媒の存在が検知される。なお、検出器24として圧力センサを用いた場合、循環流路6内から冷媒が殆ど無くなるまで、循環流路6内の圧力低下は小さく、冷媒漏れを早期に検知することが困難である。このため、検出器24としては、一実施例のようにサーミスタ26を用いるのが好ましい。
最後に、本発明の冷凍装置は、車両用空調システムのみならず、ルームエアコン、冷蔵庫及び冷凍庫にも適用可能なのは言うまでもなく、その利用者や管理者等に冷媒漏れが確実に警告される。
車両用空調システムに適用した一実施例の冷凍装置の概略構成を示した図である。 図1の冷凍装置における検出器の断面図である。 図1の冷凍装置において、循環流路の液流域における冷媒漏出時のガス冷媒発生を説明するためのモリエール線図である。 図2のサーミスタにおける温度と電気抵抗の関係を示すグラフである。 図2の検出器の変形例を示した図である。
符号の説明
6 循環流路
8 圧縮機
12 凝縮器
16 膨張弁
18 蒸発器
24 検出器
30 警告灯

Claims (7)

  1. 圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器がこの順序で介挿され、前記凝縮器から前記膨張弁までの液冷媒の液流域及び前記蒸発器から前記圧縮機までの主としてガス冷媒のガス流域を有する冷媒循環流路と、
    前記液流域に配置された検出器を有し、前記液流域におけるガス冷媒の存在を検知する検出手段と、
    前記検出手段がガス冷媒を検知したときに、この検知結果を出力する警告手段と
    を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 前記液流域にレシーバが更に介挿され、
    前記レシーバよりも下流に前記検出器が配置されていることを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
  3. 前記検出器は、自己発熱型のサーミスタからなることを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍装置。
  4. 前記検出器は、一対の発光素子及び受光素子からなることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の冷凍装置。
  5. 前記警告手段は、警告灯を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の冷凍装置。
  6. 前記冷媒は可燃性冷媒からなることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の冷凍装置。
  7. 車両のエンジンルームから車室に亘り前記冷媒循環流路が配置されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の冷凍装置。
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