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JP2006071868A - 液晶表示装置および電子機器 - Google Patents

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JP2006071868A JP2004253937A JP2004253937A JP2006071868A JP 2006071868 A JP2006071868 A JP 2006071868A JP 2004253937 A JP2004253937 A JP 2004253937A JP 2004253937 A JP2004253937 A JP 2004253937A JP 2006071868 A JP2006071868 A JP 2006071868A
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Abstract

【課題】 ディスクリネーションの発生を防止することが可能な液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 素子基板25とカラーフィルタ基板10との間に液晶層50を挟持してなり、その液晶層50は、選択電圧印加時において水平配向する液晶分子51で構成され、素子基板25およびカラーフィルタ基板10の液晶層50側には、非選択電圧印加時において液晶分子51を垂直配向させる配向膜23,33が形成され、その配向膜23,33には、隣接する画素電極31,31間に設けられたデータ線11と平行にラビング処理が施されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、液晶表示装置および電子機器に関するものである。
一対の基板の間に液晶層が挟持された液晶表示装置の一種として、反射モードと透過モードとを兼ね備えた半透過反射型の液晶表示装置が知られている。このような半透過反射型の液晶表示装置として、例えばアルミニウム等の金属膜に光透過用の窓部を形成した反射膜を光源側基板の内面に備え、この反射膜を半透過反射板として機能させるものが提案されている。反射モードでは、観察者側基板から入射した外光が、液晶層を通過した後に光源側基板の内側の反射膜で反射され、再び液晶層を通過して観察者側基板から出射されて表示に寄与する。一方、透過モードでは、光源側基板から入射した光源光が、反射膜の窓部から液晶層を通過した後、観察者側基板から観察者側に出射されて表示に寄与する。したがって、反射膜の形成領域のうち、窓部が形成された領域が透過表示領域、その他の領域が反射表示領域となっている。
ところが、従来の半透過反射型の液晶表示装置には、透過表示での視角が狭いという課題があった。これは、視差が生じないよう液晶セルの内面に半透過反射板を設けている関係で、観察者側に備えた1枚の偏光板だけで反射表示を行わなければならないという制約があり、光学設計の自由度が小さいためである。そこで、この課題を解決するために、地崎らは、非特許文献1において垂直配向液晶を用いる新しい液晶表示装置を提案し、特許文献1においてこれを開示した。その特徴は、以下の3つである。
(1)誘電率異方性が負の液晶を基板に垂直に配向させ、選択電圧印加によってこれを倒す「VA(Vertical Alignment)モード」を採用している点。
(2)透過表示領域と反射表示領域との液晶層厚(セルギャップ)が異なる「マルチギャップ構造」を採用している点。
(3)透過表示領域を正八角形とし、この領域内で液晶が放射状に倒れるように、観察者側基板上の透過表示領域の中央に突起を設けている点。すなわち、「配向分割構造」を採用している点。
半透過反射型の液晶表示装置において、上述したマルチギャップ構造を具備させることは非常に有効である。なぜなら、透過表示領域では入射光が液晶層を1回しか透過しないが、反射表示領域では入射光が液晶層を2回透過するため、透過表示領域と反射表示領域とのリタデーション(位相差)に差異が生じるからである。そこで、マルチギャップ構造によってリタデーションを調節することにより、透過表示領域と反射表示領域との光透過率が均一化され、表示品質に優れた液晶表示装置が得られる。
また、配向分割構造を採用しない場合には、選択電圧印加により液晶分子はランダムな方向に傾倒し、異なる液晶配向領域の境界に不連続線(ディスクリネーション)が現れて残像等の原因になる。また、異なる液晶配向領域は異なる視角特性を有するため、斜め方向から見た場合にざらざらとしたシミ状のムラとして見えることになる。これに対して、配向分割構造を採用することにより、選択電圧印加時に液晶分子を全方向に配向させることが可能になる。したがって、視野角が広く表示品質に優れた液晶表示装置が得られる。
特開2002−350853号公報 "Development of transflective LCD for high contrast and wide viewing angle by using homeotropic alignment", M.Jisaki et al., Asia Display/IDW'01, p.133-136(2001)
上述したマルチギャップ構造では、透過表示領域と反射表示領域との間に液晶層厚調整層の傾斜領域が形成される。この傾斜領域上に配置された液晶分子は、非選択電圧印加時には傾斜領域と垂直に配向し、選択電圧印加により反射表示領域から透過表示領域に向かって傾倒する。これにより、傾斜領域における液晶分子が配向制御されるようになっている。
しかしながら、上述した傾斜領域における配向制御はそれほど強力なものではない。傾斜領域と突起との距離が一定以上に離れると、選択電圧印加時に液晶分子が無秩序な方向に傾倒し、異なる液晶配向領域の境界にディスクリネーションが現れ、これが残像等の原因になる。また、異なる液晶配向領域は異なる視角特性を有するため、斜め方向から液晶表示装置を見たときに、ざらざらとしたしみ状のむらとして見えるという問題も生じる。
一方、隣接する画素電極の形成領域の間には、走査線やデータ線等の配線が形成されている。そして、液晶層に対する選択電圧印加時に、隣接する画素電極が同程度の電位となった場合には、両者間に配置された液晶分子が上記配線に沿って傾倒する。この場合、液晶分子の傾倒方向として、配線の上流方向または下流方向の2種類が存在するが、どちらの方向に傾倒する確率も等しい。したがって、異なる配向領域の境界部(ディスクリネーション)は、配線上のランダムな位置に発生する。なお、このディスクリネーション自体は、配線やブラックマトリクスに隠れてしまうため、表示品質上の問題は生じない。しかしながら、画素電極を構成するサブドット上の液晶分子が、このディスクリネーションに引きずられて偏向するので、ざらざらとしたしみ状のむらとして見えるという問題が生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、ディスクリネーションの発生を防止し、ひいては開口率を向上させることが可能な、液晶表示装置の提供を目的とする。
また、表示品質に優れた電子機器の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の液晶表示装置は、一対の基板の間に液晶層を挟持してなり、前記基板と前記液晶層との間には、前記液晶層に電圧を印加する画素電極が形成され、前記液晶層は、選択電圧印加時において電界方向と略垂直に配向する誘電率異方性が負の液晶分子で構成され、前記基板の前記液晶層側には、非選択電圧印加時において前記液晶分子を前記基板の垂直方向から一定方向に傾斜配向させる配向規制手段が形成された液晶表示装置であって、前記一定方向は、隣接する前記画素電極の形成領域の間に設けられた配線と平行な方向であることを特徴とする。
この構成によれば、非選択電圧印加時における液晶分子は、配線と平行な一定方向に傾斜配向しているので、選択電圧印加により、配線の上流方向または下流方向のいずれか一定方向に傾倒する。したがって、配線上にディスクリネーションが発生しない。これに伴って、画素電極上の液晶分子の偏向を防止することが可能になり、表示むらの発生を阻止することができる。
なお、前記配線は、前記画素電極の長手方向に沿って設けられたものであることが望ましい。
この構成によれば、画素電極の長手方向に沿った配線上におけるディスクリネーションの発生を防止することができるので、画素電極の長手方向と配線との間に広い隙間を確保する必要がない。加えて、前記配線に近接する画素電極の端辺を長くすることが可能になり、画素電極のサブドットへの分割数を少なくすることができる。よって、画素電極に多数のスリットを形成する必要がない。これらにより、開口率を向上させることができる。
また、前記画素電極の形成領域には、透過表示領域と反射表示領域とが設けられ、前記透過表示領域のみに、選択電圧印加時における前記液晶分子の傾倒方向を複数に分割する配向分割手段が設けられていることが望ましい。
この構成によれば、透過表示領域に配置された液晶分子は、選択電圧印加により、配向分割手段によって分割配向される。これに対して、反射表示領域に配置された液晶分子は、配向規制手段によって一定方向に整列配向される。なお、反射表示領域はリタデーションの自己補償性を有するので、液晶表示装置の視野角を確保することは可能である。これにより、反射表示領域に配向分割手段を設けていないので、開口率を向上させることができる。
また、本発明の他の液晶表示装置は、一対の基板の間に液晶層を挟持してなり、前記基板と前記液晶層との間には、前記液晶層に電圧を印加する画素電極が形成され、前記液晶層は、選択電圧印加時において電界方向と略垂直に配向する誘電率異方性が負の液晶分子で構成され、前記基板の前記液晶層側には、非選択電圧印加時において前記液晶分子を前記基板の垂直方向から一定方向に傾斜配向させる配向規制手段が形成された液晶表示装置であって、前記画素電極の形成領域には、透過表示領域と反射表示領域とが設けられ、前記一対の基板のうち少なくともいずれかの基板と前記液晶層との間には、前記反射表示領域における前記液晶層の厚さを前記透過表示領域における前記液晶層の厚さよりも小さくするための液晶層厚調整層が設けられ、前記反射表示領域と前記透過表示領域との間には、前記液晶層厚調整層の傾斜領域が形成され、前記配向規制手段は、非選択電圧印加時において、前記傾斜領域に配置された前記液晶分子を、前記傾斜領域の垂直方向から前記透過表示領域の方向に傾斜配向させるように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、傾斜領域に配置された前記液晶分子は、選択電圧印加により、反射表示領域から透過表示領域に向かって傾倒する。したがって、傾斜領域におけるディスクリネーションの発生を防止することができる。
なお、前記透過表示領域のみに、選択電圧印加時における前記液晶分子の傾倒方向を複数に分割する配向分割手段が設けられていることが望ましい。
この構成によれば、傾斜領域におけるディスクリネーションの発生を防止することができるので、傾斜領域に沿って画素電極にスリットを設ける必要がない。したがって、開口率を向上させることができる。
なお、前記配向規制手段は、ラビング処理された配向膜であることが望ましい。
この構成によれば、配向規制手段を簡単かつ安価に形成することができる。
一方、本発明の電子機器は、上述した液晶表示装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、ディスクリネーションの発生がなく開口率の高い液晶表示装置を備えているので、表示品質に優れた電子機器を提供することができる。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。なお本明細書では、液晶表示装置の各構成部材における液晶層側を内側と呼び、その反対側を外側と呼ぶことにする。また、「非選択電圧印加時」および「選択電圧印加時」とは、それぞれ「液晶層への印加電圧が液晶のしきい値電圧近傍である時」および「液晶層への印加電圧が液晶のしきい値電圧に比べて十分高い時」を意味しているものとする。
[第1実施形態]
最初に、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置につき、図1ないし図5を用いて説明する。図3に示す第1実施形態の液晶表示装置は、透過型の液晶表示装置であって、素子基板25とカラーフィルタ基板(以下「CF基板」という。)10との間に液晶層50を挟持してなり、素子基板25と液晶層50との間には、液晶層50に電圧を印加する画素電極31が形成され、液晶層50は、選択電圧印加時において電界方向と略垂直に配向する誘電率異方性が負の液晶分子で構成され、素子基板25およびCF基板10の液晶層50側には、非選択電圧印加時において前記液晶分子を各基板10,25の垂直方向から一定方向に傾斜配向させる配向規制手段が形成されているものである。
(等価回路)
図1は、TFD素子を用いた液晶表示装置の等価回路図である。この液晶表示装置100には、走査信号駆動回路110により駆動される複数の走査線9と、データ信号駆動回路120により駆動される複数のデータ線11とが、格子状に配置されている。その各走査線9と各データ線11との交点付近には、それぞれTFD素子13および液晶表示要素(液晶層)50が配置されている。そして、その各TFD素子13および各液晶層50は、各走査線9と各データ線11との間に直列接続されている。
(平面構造)
図2は、TFD素子を用いた液晶表示装置の表示領域を示す部分斜視図である。本実施形態の液晶表示装置100は、相互に対向する素子基板25とCF基板10とを主体として構成されており、前記両基板10,25の間には図示略の液晶層が挟持されている。
素子基板25は、ガラスやプラスチック、石英等の透光性材料からなる基板本体25Aを備えている。また、基板本体25Aの内側(図示下側)には、複数のデータ線11がストライプ状に設けられている。さらに、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電材料からなる平面視略矩形状の複数の画素電極31が、マトリクス状に配列形成されている。
そして、各画素電極31はTFD素子13を介して前記データ線11と接続されている。
このTFD素子13は、基板表面に形成されたTaを主成分とする第1導電膜と、その第1導電膜の表面に形成されたTa2O3を主成分とする絶縁膜と、その絶縁膜の表面に形成されたCrを主成分とする第2導電膜とによって構成されている(いわゆるMIM構造)。そして、第1導電膜がデータ線11に接続され、第2導電膜が画素電極31に接続されている。これによりTFD素子13は、画素電極31への通電を制御するスイッチング素子として機能するようになっている。
一方、CF基板10は、ガラスやプラスチック、石英等の透光性材料からなる基板本体10Aを備えている。また、基板本体10Aの内側(図示上側)には、カラーフィルタ層(以下「CF層」という。)22と、複数の対向電極9とが形成されている。CF層22は、平面視略矩形状のカラーフィルタ22R,22G,22Bが周期的に配列された構成となっている。各カラーフィルタ22R,22G,22Bは、前記素子基板25の画素電極31に対応して形成されている。そのカラーフィルタ22R,22G,22Bを覆うように、対向電極9が形成されている。対向電極9は、ITO等の透明導電材料によって略帯状に形成され、前記素子基板25のデータ線11と交差する方向に延在し、走査線として機能するようになっている。なお、画素電極31の形成領域により1ドットが構成され、カラーフィルタ22R,22G,22Bを備えた3ドットにより1画素が構成されている。
(断面構造)
図3は、第1実施形態に係る液晶表示装置の説明図であり、図3(a)は素子基板の平面図であり、図3(b)は図2のA−A線に沿う側面断面図である。なお図3(b)では、理解を容易にするため、素子基板25におけるTFD素子および各種配線の記載を省略している。なお、素子基板25の内側に形成された配向膜33の構造と、CF基板10の内側に形成された配向膜23の構造については、後に詳述する。
図3(b)に示すように、素子基板25およびCF基板10の間に、誘電異方性が負の液晶材料からなる液晶層50が挟持されている。この液晶材料は、液晶分子51により概念的に示すように、非選択電圧印加時には配向膜に対して略垂直に配向し、選択電圧印加時には配向膜に対して略平行に(すなわち、電界方向と略垂直に)配向するものである。なお、素子基板25およびCF基板10の周縁部に塗布されたシール材(不図示)により、素子基板25およびCF基板10が相互に接着されるとともに、素子基板25およびCF基板10とシール材とによって形成される空間に液晶層50が封入されている。また液晶層50の厚さ(セルギャップ)は、CF基板10から立設したフォトスペーサ(不図示)を素子基板25に当接させることによって規制されている。
一方、素子基板25の外面には位相差板36及び偏光板37が設けられ、CF基板10の外面にも位相差板26及び偏光板27が設けられている。この偏光板27,37は、特定方向に振動する直線偏光のみを透過させる機能を有する。また位相差板26,36には、可視光の波長に対して略1/4波長の位相差を持つλ/4板が採用されている。なお、偏光板27,37の透過軸と位相差板26,36の遅相軸とが約45°をなすように配置されて、偏光板27,37および位相差板26,36により各々円偏光板が構成されている。この円偏光板により、直線偏光を円偏光に変換し、円偏光を直線偏光に変換しうるようになっている。また、偏光板27の透過軸および偏光板37の透過軸は直交するように配置され、位相差板26の遅相軸および位相差板36の遅相軸も直交するように配置されている。
本実施形態では、偏光板27,37+λ/4位相差板26,36により円偏光板を構成したが、これに代えて偏光板+λ/2板+λ/4板により広帯域円偏光板を構成すれば、黒表示をより無彩色にすることができる。また、偏光板+λ/2板+λ/4板+負のCプレート(膜厚方向に光軸を有する位相差板)の構成とすれば、液晶表示装置の広視角化を図ることができる。
さらに、CF基板10の外面側にあたる液晶セルの外側には、光源、リフレクタ、導光板などを有するバックライト(照明手段)60が設置されている。
そして、図3に示す透過型の液晶表示装置では、次のようにして画像表示が行われる。バックライト60からCF基板10に入射した光は、偏光板27および位相差板26を透過して円偏光に変換され、液晶層50に入射する。非選択電圧印加時において、垂直配向している液晶分子には屈折率異方性がないので、入射光は円偏光を保持したまま液晶層50を透過する。さらに円偏光は、位相差板36を透過する過程で、偏光板37の透過軸と直交する直線偏光に変換される。そして、この直線偏光は偏光板37を透過しないので、本実施形態の液晶表示装置では、非選択電圧印加時において黒表示が行われる(ノーマリーブラックモード)。
また、液晶層50に選択電圧を印加すると、液晶分子が基板と略平行に(電界方向と略垂直に)再配向して、屈折率異方性を具備する。そのため、液晶層50に入射した円偏光は、液晶層50を透過する過程で楕円偏光に変換される。この入射光が位相差板36を透過しても、偏光板37の透過軸と直交する直線偏光には変換されず、その全部または一部が偏光板37を透過する。したがって、本実施形態の液晶表示装置では、選択電圧印加時において白表示が行われる。なお、液晶層50に印加する電圧を調整することにより、階調表示を行うことも可能である。
(配向分割手段)
なお、図3(a)に示す画素電極31には、その長辺から中央に向かって伸びる複数のスリット45が形成されている。これにより、1つの画素電極31は、長手方向に沿って複数(図3(a)では3個)のサブドット41に分割されている。各サブドット41は、円形や正多角形(図3(a)では正八角形)等に形成され、相互に導通接続されている。そして、端部に配置されたサブドット41が、TFD素子13を介して、データ線11に接続されている。
この画素電極31と対向電極との間に選択電圧を印加すると、サブドット41の周辺におけるスリット45の形成部では、斜め電界が生じる。すると、非選択電圧印加時に垂直配向していた液晶分子が、サブドット41の周辺部から中心部に向かって傾倒する。このように、サブドット41およびスリット45は配向分割手段として機能し、液晶分子は全方向に配向分割される。これにより、液晶分子のダイレクタを複数作り出すことが可能になり、視野角の広い液晶表示装置を提供することができる。
また、図3(b)に示すように、対向電極9の表面には、樹脂等の電気絶縁性材料からなる突起18が形成されている。突起18は、素子基板25に形成されたサブドットの中心に対応する対向電極9上の位置に形成されている。
非選択電圧印加時の液晶分子は、突起18の表面に対して垂直配向(すなわち、素子基板25の表面に対してチルト配向)している。この状態で、画素電極31と対向電極9との間に選択電圧を印加すると、チルト配向および斜め電界の影響により、液晶分子は突起18を中心としてサブドットの周辺部に向かって傾倒する。すなわち、突起18も配向分割手段として機能する。これにより、図3(a)に示すサブドット41およびスリット45とともに、液晶分子のダイレクタを複数作り出すことが可能になり、視野角の広い液晶表示装置を提供することができる。なお配向分割手段として、突起18の代わりに、対向電極に開口部を形成してもよい。
(配向規制手段)
図3(b)に示すように、素子基板25の内側には、非選択電圧印加時における液晶分子の配向規制手段として、配向膜33が形成されている。なお、CF基板10の内側に形成された配向膜23も、素子基板25の内側に形成された配向膜33と同様であるから、以下には、配向膜33の場合を例にして説明する。
配向膜33は、非選択電圧印加時における液晶分子を素子基板25に対して略垂直配向させるものであり、ポリイミド等で構成されている。配向膜33の表面には、ラビング処理が施されている。ラビング処理は、フェルトや木綿などのラビング布をローラに巻きつけ、このローラを回転させて配向膜33の表面を所定方向に擦ることによって行うことができる。
本実施形態では、素子基板におけるデータ線と平行にラビング処理が施されている。具体的には、素子基板25の配向膜33に対して、図3(a)に矢印12で示す方向にラビング処理が施されている。これにより、非選択電圧印加時における液晶分子は、図3(b)に示す素子基板25の垂直方向からデータ線11の延在方向に向かって傾斜配向することになり、例えば配向膜33の表面に対して89°のプレチルトが与えられる。なお、素子基板25の配向膜33に対して矢印12で示す方向にラビング処理が施されている場合に、図3(b)に示すCF基板10の配向膜23には、上記矢印とは正反対の方向(反平行)にラビング処理を施すことが望ましい。これにより、液晶層50を構成するほとんど全ての液晶分子を、非選択電圧印加時において同じ方向に傾倒させることができる。なお、素子基板25の配向膜33のみ、あるいはCF基板10の配向膜23のみに、上述したラビング処理を施してもよい。
図4はサブドットおよびデータ線上における液晶分子の配向状態の説明図であり、図4(a)は本実施形態の配向膜を採用して液晶を傾斜配向させた場合であり、図4(b)は従来の配向膜を採用して液晶を垂直配向させた場合である。
図4(b)に示すように、選択電圧印加時において隣接する画素電極31が同程度の電位となった場合に、両者間のデータ線11上に配置された液晶分子52は、そのデータ線11に沿って傾倒する。その際、配線の上流方向に傾倒する液晶分子群52aと、下流方向に傾倒する液晶分子群52bとが、同じ確率で発生する。したがって、異なる配向領域の境界部であるディスクリネーション52cは、データ線11上のランダムな位置に発生する。なお、このディスクリネーション52c自体は、配線やブラックマトリクスに隠れてしまうため、表示品質上の問題は生じない。しかしながら、画素電極31を構成するサブドット41上の液晶分子51が、このディスクリネーション52cに引きずられて偏向するため、ざらざらとしたしみ状のむらとして見えるという問題が生じる。
これに対して、図4(a)に示すように、本実施形態の配向膜は、データ線11と平行な矢印12の方向にラビング処理が施されている。そのため、非選択電圧印加時における液晶分子52は、配向膜の垂直方向からラビング方向とは反対方向に傾斜配向している。そして、選択電圧を印加すると、データ線11上の全ての液晶分子52は、非選択電圧印加時に傾斜配向していた方向、すなわちデータ線11の上流方向または下流方向のいずれか一方向のみに傾倒する。なお、ラビング処理によるプレチルトはわずかであるから、サブドット41上の液晶分子は、突起やスリット等の配向分割手段に従って傾倒する。
このように、データ線11上に異なる配向領域が発生しないので、データ線11上にディスクリネーションが発生しない。これに伴って、サブドット41上の液晶分子51の偏向を防止することが可能になり、表示むらの発生を阻止することができる。
なお、図4(b)に示す従来の液晶表示装置では、ディスクリネーション52cの発生位置を制御することができなかった。そこで、サブドット41上の液晶分子51がディスクリネーション52cに引きずられて偏向するのを防止するため、サブドット41とデータ線11との間に広い隙間を確保していた。加えて、データ線11に近接するサブドット41の端辺を短くするため、画素電極31を多数のサブドット41に分割すべく、画素電極31に多数のスリットを形成していた。その結果、画素電極31の面積で示される開口率が低下し、表示が暗くなるという問題があった。
図5は、第1実施形態の液晶表示装置の変形例における画素電極の平面図である。本実施形態では、データ線11上におけるディスクリネーションの発生を防止することができるので、サブドット41とデータ線11との間に広い隙間を確保する必要がない。加えて、データ線11に近接するサブドット41の端辺を長くすることが可能になり、画素電極31のサブドット41への分割数を少なくすることができる。図5の変形例では、画素電極31を2個のサブドット41に分割している。その際、画素電極31に多数のスリット45を形成する必要がない。これらにより、開口率を向上させることができる。なお、図5の変形例では、サブドット41の中央部に相当するCF基板上に十字型の突起18を設けて、サブドット41内に液晶分子のダイレクタを複数作り出している。
なお本実施形態では、スイッチング素子として薄膜ダイオード(Thin Film Diode、以下「TFD」という)素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示装置を例にして説明したが、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)素子等の他のスイッチング素子を用いることも可能である。また本実施形態の液晶表示装置では、観察者側に素子基板を配置し光源側にCF基板を配置したが、これとは逆に光源側に素子基板を配置し観察者側にCF基板を配置することも可能である。また本実施形態の液晶表示装置では、素子基板側にデータ線を配置しCF基板側に走査線を配置したが、これとは逆に素子基板側に走査線を配置しCF基板側にデータ線を配置してもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る液晶表示装置につき、図6および図7を用いて説明する。
図6は第2実施形態の液晶表示装置の説明図であり、図6(a)は素子基板の平面図であり、図6(b)は図6(a)のC−C線における側面断面図である。図6に示す第2実施形態の液晶表示装置は、半透過反射型の液晶表示装置であり、画素電極の形成領域(ドット領域)に透過表示領域Tと反射表示領域Rとが設けられ、少なくとも反射表示領域Rに液晶層厚調整層21が設けられている点で、透過型の液晶表示装置である第1実施形態と相違する。そして、第2実施形態の液晶表示装置は、透過表示領域Tのみに開口部19やスリット45等の配向分割手段が設けられ、反射表示領域Rには配向分割手段が設けられていない点で、ドット領域全体に配向分割手段が設けられている第1実施形態と相違する。なお、第1実施形態と同様の構成となる部分については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図6(b)に示すように、CF基板10の内側におけるドット領域の一方端部には、表面に凹凸を有する樹脂層20aが形成されている。この樹脂層20aは、樹脂レジストをパターニングし、その表面にもう一層の樹脂を塗布することで得られる。また、パターニングした樹脂レジストに熱処理を加えて、形状を調整することによっても得ることができる。その樹脂層20aの表面には、アルミニウムや銀等の反射率の高い金属膜等からなる反射膜20が形成されている。この反射膜20の形成領域と画素電極31の形成領域とのオーバーラップ部分が反射表示領域Rとなり、反射膜20の非形成領域と画素電極31の形成領域とのオーバーラップ部分が透過表示領域Tとなっている。
その反射膜20の表面には、CF層22を挟んで、液晶層厚調整層21が形成されている。この液晶層厚調整層21は、アクリル樹脂等の電気絶縁性材料からなり、その厚さは例えば0.5〜2.5μm程度とされている。これにより、反射表示領域Rにおける液晶層50の層厚が、透過表示領域Tにおける液晶層50の層厚の半分程度に設定されて、マルチギャップ構造が実現されている。なお、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界部には、液晶層厚調整層21の傾斜領域が形成されている。そして、その液晶層厚調整層21の表面からCF層22の表面にかけて、対向電極9が形成されている。
半透過反射型の液晶表示装置では、反射表示領域Rへの入射光は液晶層50を2回透過するが、透過表示領域Tへの入射光は液晶層50を1回しか透過しない。この場合、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの間で液晶層50のリタデーション(位相差値)が異なると、光透過率に差異を生じて均一な画像表示が得られないことになる。しかしながら、液晶層厚調整層21を設けることにより、反射表示領域Rにおいてリタデーションを調整することが可能となっている。したがって、反射表示領域Rおよび透過表示領域Tにおいて均一な画像表示を得ることができる。
一方、図6(a)に示すように、素子基板の内側に形成された画素電極31は、複数のサブドットに分割されている。具体的には、第1サブドット41が反射表示領域Rに配置され、第2サブドット42および第3サブドット43が透過表示領域Tに配置されて、相互に導通接続されている。
そのうち、透過表示領域に配置された第2サブドット42および第3サブドット43は、円形や正多角形(図6(a)では正八角形)等に形成されている。これらサブドットの周縁部のスリット45は、後述するように液晶分子の配向分割手段として機能する。これに対して、反射表示領域Rに配置された第1サブドット41は、矩形に形成されて最大限に面積が確保されているが、その周辺部のスリットは配向分割手段としての機能が小さくなっている。
一方、透過表示領域Tに配置された第2サブドット42および第3サブドット43の中央部に相当する対向電極上の位置には、開口部19が形成されている。この開口部19は、後述するように液晶分子の配向分割手段として機能する。なお、開口部19の代わりに第1実施形態と同様の突起を設けてもよい。これに対して、反射表示領域Rの対向電極には、開口部や突起等の配向分割手段が設けられていない。
また、図6(b)に示すように、素子基板25の内側には配向膜33が形成され、CF基板10の内側には配向膜23が形成されている。また、素子基板25の配向膜33には、図6(a)に示すデータ線11と平行な矢印12の方向にラビング処理が施されている。また、図6(b)に示すCF基板10の配向膜23には、配向膜33と正反対の方向にラビング処理が施されている。これにより、非選択電圧印加時における液晶分子は、各基板の垂直方向からデータ線の延在方向に向かって傾斜配向するようになっている。すなわち、配向膜23および配向膜33は、非選択電圧印加時における液晶分子の配向規制手段として機能する。
もっとも、ラビング処理によるプレチルトはわずかであるから、突起やスリット等の配向分割手段に比べて配向規制力が小さい。そのため、図6(a)に示す透過表示領域Tに配置された第2サブドット42および第3サブドット43上の液晶分子に選択電圧を印加すると、配向分割手段に従って開口部19を中心として放射状に傾倒する。これに対して、反射表示領域Rには配向分割手段が設けられていないので、反射表示領域Rに形成された第1サブドット41上の液晶分子に選択電圧を印加すると、配向規制手段に従ってデータ線11と平行に一様に傾倒する。
図7は液晶分子を一様に傾倒させた場合の視角特性の説明図であり、図7(a)は透過表示の場合であり、図7(b)は反射表示の場合である。まず、図7(a)に示すように液晶分子51を一様に傾倒させて透過表示を行う場合には、液晶分子51の傾倒方向と入射光91,92の入射角度との関係でリタデーションが異なることになる。これにより、液晶表示装置の視野角が狭くなる。一方、図7(b)に示すように液晶分子51を一様に傾倒させて反射表示を行う場合には、入射光93および反射光94のリタデーションが異なるが、その総和は平均化されて入射角度によらずほぼ一定となる(自己補償性)。したがって、液晶表示装置の視野角が広くなる。このように、反射表示領域においては、液晶分子を一様に傾倒させた場合でも、液晶表示装置の視野角を確保することが可能である。
これにより、図6(a)に示す反射表示領域Rには、配向分割手段を設ける必要がないので、画素電極31の第1サブドット41を矩形とし、対向電極にも開口部を形成せずに、電極面積を確保することができる。したがって、開口率を向上させることができる。
なお本実施形態では、スイッチング素子として薄膜ダイオード(Thin Film Diode、以下「TFD」という)素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示装置を例にして説明したが、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)素子等の他のスイッチング素子を用いることも可能である。また本実施形態の液晶表示装置では、観察者側に素子基板を配置し光源側にCF基板を配置したが、これとは逆に光源側に素子基板を配置し観察者側にCF基板を配置することも可能である。また本実施形態の液晶表示装置では、素子基板側にデータ線を配置しCF基板側に走査線を配置したが、これとは逆に素子基板側に走査線を配置しCF基板側にデータ線を配置してもよい。また本実施形態の液晶表示装置では、CF基板側に液晶層厚調整層を設けたが、素子基板側に設けてもよいし、両方の基板に設けてもよい。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る液晶表示装置につき、図8ないし図10を用いて説明する。
図9に示す第2実施形態の液晶表示装置は、半透過反射型の液晶表示装置であり、スイッチング素子としてTFT素子30を採用している点で、TFD素子を採用している第1実施形態と相違している。そして、第2実施形態の液晶表示装置は、液晶層厚調整層21の傾斜領域21aに相当する画素電極31上の位置にスリットが設けられていない点で、スリット46(図6(a)参照)が設けられている第2実施形態と相違している。なお、第1実施形態および第2実施形態と同様の構成となる部分については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
(等価回路)
図8は、TFT素子を用いた液晶表示装置の等価回路図である。液晶表示装置の画像表示領域には、データ線6aおよびゲート線3aが格子状に配置され、両者の交点付近には、画像表示単位であるドットが配置されている。そして、マトリクス状に配置された複数のドットには、それぞれ画素電極31が形成されている。その画素電極31の側方には、当該画素電極31への通電制御を行うためのスイッチング素子であるTFT素子30が形成されている。このTFT素子30のソースには、データ線6aが電気的に接続されている。各データ線6aには画像信号S1、S2、‥、Snが供給される。なお画像信号S1、S2、‥、Snは、各データ線6aに対してこの順に線順次で供給してもよく、相隣接する複数のデータ線6aに対してグループ毎に供給してもよい。
また、TFT素子30のゲートには、ゲート線(走査線)3aが電気的に接続されている。ゲート線3aには、所定のタイミングでパルス的に走査信号G1、G2、‥、Gnが供給される。なお走査信号G1、G2、‥、Gnは、各ゲート線3aに対してこの順に線順次で印加する。また、TFT素子30のドレインには、画素電極31が電気的に接続されている。そして、ゲート線3aから供給された走査信号G1、G2、‥、Gnにより、スイッチング素子であるTFT素子30を一定期間だけオン状態にすると、データ線6aから供給された画像信号S1、S2、‥、Snが、各画素の液晶に所定のタイミングで書き込まれるようになっている。
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、‥、Snは、画素電極31と後述する共通電極との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画像信号S1、S2、‥、Snがリークするのを防止するため、画素電極31と容量線3bとの間に蓄積容量17が形成され、液晶容量と並列に配置されている。そして、上記のように液晶に電圧信号が印加されると、印加された電圧レベルにより液晶分子の配向状態が変化する。これにより、液晶に入射した光が変調されて階調表示が可能となっている。
(平面構造、断面構造)
図9は第3実施形態の液晶表示装置の説明図であり、図9(a)は素子基板の平面図であり、図9(b)は図9(a)のE−E線における側面断面図である。
上述したように、TFT素子30を採用する場合には、画素電極31と容量線(不図示)との間に蓄積容量を形成する必要がある。そこで、画素電極31を光源側基板に配置するとともに、容量線をその外側に配置すれば、容量線による開口率の低下を回避することができる。したがって、図9(b)に示すように、本実施形態では素子基板25が光源側(下側)に配置され、CF基板10が観察者側(上側)に配置されている。
素子基板25では、反射膜20の表面に液晶層厚調整層21が形成されている。なお、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界部には、液晶層厚調整層21の傾斜領域21aが形成されている。そして、素子基板25の内側には、画素電極31が形成されている。
図9(a)に示すように、画素電極31は複数のサブドットに分割されている。具体的には、第1サブドット41が反射表示領域Rから透過表示領域Tにかけて連続形成され、第2サブドット42が透過表示領域Tの端部に形成されて、相互に導通接続されている。そして、第1サブドット41は、TFT素子30を介して、ゲート線3aおよびデータ線6aに接続されている。
そのうち、透過表示領域に配置された第2サブドット42は、円形や正多角形(図9(a)では正八角形)等に形成されている。第2サブドット42の周縁部のスリット45は、後述するように液晶分子の配向分割手段として機能する。これに対して、第1サブドット41は、矩形の四隅のうち透過表示領域T側の二隅を面取りした形状となっている。そして、この透過表示領域T側の二隅を構成するスリット45のみが、後述するように液晶分子の配向分割手段として機能する。
一方、透過表示領域Tに配置された第1サブドット41および第2サブドット42の中央部に相当する対向電極上の位置には、開口部19が形成されている。この開口部19は、後述するように液晶分子の配向分割手段として機能する。なお、開口部19の代わりに第1実施形態と同様の突起を設けてもよい。これに対して、反射表示領域Rの対向電極には、開口部や突起等の配向分割手段が設けられていない。
そして、図9(b)に示すように、素子基板25の内側には配向膜33が形成され、CF基板10の内側には配向膜23が形成されている。また、素子基板25の配向膜33には、図9(a)に示すデータ線6aと平行な矢印12の方向にラビング処理が施されている。さらに、図9(b)に示すCF基板10の配向膜23には、配向膜33と正反対の方向にラビング処理が施されている。これにより、非選択電圧印加時における液晶分子は、素子基板25の表面から垂直方向に伸び、その先端が反射表示領域Rから透過表示領域Tに向かって倒れるように傾斜配向する。すなわち、配向膜23および配向膜33は、非選択電圧印加時における液晶分子の配向規制手段として機能する。
図10は、第3実施形態の液晶表示装置の選択電圧印加時における配向状態の説明図である。本実施形態の液晶表示装置において、透過表示領域Tにはスリット45や開口部19等の配向分割手段が設けられている。この配向分割手段の配向規制力は、上述した配向規制手段の配向規制力に比べて大きい。そこで、選択電圧を印加すると、透過表示領域Tにおける第1サブドット41上の液晶分子は、配向分割手段に従って開口部19を中心として放射状に再配向する。一方、反射表示領域Rには配向分割手段が設けられていない。そこで、選択電圧を印加すると、反射表示領域Rにおける第1サブドット41上の液晶分子は、配向規制手段である配向膜により与えられたプレチルトに従って一様に傾倒する。なお、液晶分子が一様に配向した場合でも、反射表示領域Rにおいて広視野角を確保することができるのは、第2実施形態と同様である。
また、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界部に形成された液晶層厚調整層の傾斜領域21aでも、非選択電圧印加時の液晶分子は、傾斜領域21aの表面から垂直方向に伸び、その先端が反射表示領域Rから透過表示領域Tに向かって倒れるように傾斜配向している。そのため、選択電圧印加時の液晶分子は、その先端が反射表示領域Rから透過表示領域Tに向かって倒れるように再配向する。これにより、第1サブドット41上の液晶分子51は、反射表示領域Rから透過表示領域Tにかけて連続的につながるので、ざらざらとしたしみ状のむらや残像といった液晶配向に起因する表示不良が発生しない。
ところで、従来の液晶表示装置では、非選択電圧印加時には液晶分子が液晶層厚調整層の傾斜領域21aに対して垂直に配向し、選択電圧印加時には液晶分子の先端が反射表示領域Rから透過表示領域Tに向かって倒れるように再配向していた。ただし、傾斜領域21aでは、非選択電圧印加時の液晶分子のチルト方向と、選択電圧印加時の電界方向とが略一致しているため、上記の再配向力は弱いものであった。そのため、傾斜領域21aにディスクリネーションが発生するおそれがあった。そこで、傾斜領域21aにおける液晶分子の配向を制御するため、傾斜領域21aに沿って画素電極31にスリットを設けていた。
これに対して、本実施形態の液晶表示装置では、配向膜によりプレチルトが与えられているため、選択電圧印加時における液晶分子は、その先端が反射表示領域Rから透過表示領域Tに向かって倒れるように再配向しやすくなっている。したがって、傾斜領域21aにおけるディスクリネーションの発生を防止することができる。
これに伴って、傾斜領域21aに沿って画素電極31にスリットを設ける必要がなくなるので、反射表示領域Rから透過表示領域Tにかけて画素電極31を連続形成することが可能になり、電極面積を確保することができる。したがって、開口率を向上させることができる。
なお本実施形態では、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示装置を例にして説明したが、薄膜ダイオード(Thin Film Diode、以下「TFD」という)素子等の他のスイッチング素子を用いることも可能である。また本実施形態の液晶表示装置では、素子基板側に液晶層厚調整層を設けたが、CF基板側に設けてもよいし、両方の基板に設けてもよい。
[電子機器]
図11は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。図11に示す携帯電話1300は、本発明の表示装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。
上記各実施の形態の表示装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器においても、明るく、高コントラストであり、かつ広視野角の表示が可能になっている。
なお、本発明の技術範囲は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、各実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
TFD素子を用いた液晶表示装置の等価回路図である。 TFD素子を用いた液晶表示装置の表示領域を示す部分斜視図である。 第1実施形態の液晶表示装置の説明図である。 サブドットおよびデータ線上における液晶分子の配向状態の説明図である。 第1実施形態の液晶表示装置の変形例の説明図である。 第2実施形態の液晶表示装置の説明図である。 液晶分子を一様に傾倒させた場合の視角特性の説明図である。 TFT素子を用いた液晶表示装置の等価回路図である。 第3実施形態の液晶表示装置の説明図である。 選択電圧印加時における配向状態の説明図である。 携帯電話の斜視図である。
符号の説明
10‥カラーフィルタ基板 11‥データ線 23‥配向膜 25‥素子基板 31‥画素電極 33‥配向膜 50‥液晶層 51‥液晶分子

Claims (7)

  1. 一対の基板の間に液晶層を挟持してなり、
    前記基板と前記液晶層との間には、前記液晶層に電圧を印加する画素電極が形成され、
    前記液晶層は、選択電圧印加時において電界方向と略垂直に配向する誘電率異方性が負の液晶分子で構成され、
    前記基板の前記液晶層側には、非選択電圧印加時において前記液晶分子を前記基板の垂直方向から一定方向に傾斜配向させる配向規制手段が形成された液晶表示装置であって、
    前記一定方向は、隣接する前記画素電極の形成領域の間に設けられた配線と平行な方向であることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記配線は、前記画素電極の長手方向に沿って設けられたものであることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記画素電極の形成領域には、透過表示領域と反射表示領域とが設けられ、
    前記透過表示領域のみに、選択電圧印加時における前記液晶分子の傾倒方向を複数に分割する配向分割手段が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 一対の基板の間に液晶層を挟持してなり、
    前記基板と前記液晶層との間には、前記液晶層に電圧を印加する画素電極が形成され、
    前記液晶層は、選択電圧印加時において電界方向と略垂直に配向する誘電率異方性が負の液晶分子で構成され、
    前記基板の前記液晶層側には、非選択電圧印加時において前記液晶分子を前記基板の垂直方向から一定方向に傾斜配向させる配向規制手段が形成された液晶表示装置であって、
    前記画素電極の形成領域には、透過表示領域と反射表示領域とが設けられ、
    前記一対の基板のうち少なくともいずれかの基板と前記液晶層との間には、前記反射表示領域における前記液晶層の厚さを前記透過表示領域における前記液晶層の厚さよりも小さくするための液晶層厚調整層が設けられ、
    前記反射表示領域と前記透過表示領域との間には、前記液晶層厚調整層の傾斜領域が形成され、
    前記配向規制手段は、非選択電圧印加時において、前記傾斜領域に配置された前記液晶分子を、前記傾斜領域の垂直方向から前記透過表示領域の方向に傾斜配向させるように構成されていることを特徴とする液晶表示装置。
  5. 前記透過表示領域のみに、選択電圧印加時における前記液晶分子の傾倒方向を複数に分割する配向分割手段が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置。
  6. 前記配向規制手段は、ラビング処理された配向膜であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の液晶表示装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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