JP2006071856A - 電子写真感光体及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(式中、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表わし、Rb、Rcは炭素数1〜6のアルキル基を表わし、複数の場合は異なっても良い。s、tは0〜3の整数を表わす。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、
本発明は以下の基本的思想に基くものである。即ち、本発明の感光体は、表面層に、
の少なくともいずれかで表わされ電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを用いており、これにより3次元の網目構造が発達し、架橋密度が非常に高い高硬度架橋表面層が得られ、高い耐摩耗性が達成される。さらに一般式(A)又は(B)で表わされるラジカル重合性モノマーは分子構造中に非極性基であるアルキル基を有しており、結果として極性溶剤(アルコールや水等)や酸、アルカリに強い耐性を示す。したがって架橋表面層における硬化物の吸湿性を抑制することが可能となり吸湿による変形や電気特性の低下が抑えられる。つまり一般式(A)又は(B)で表わされるラジカル重合性モノマーを用いることで高温高湿や低温低湿といったものに代表される極性基に由来すると考えられる環境変動に対する余裕度が大幅に改善される。
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーの少なくとも1つは、一般式(A)又は(B)で表わされ、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基のラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)、(アロニックスM−309、東亜合成製)、(ビスコート#295、大阪有機化学製)、(ライトアクリレートTMP−A、共栄社化学製)、(NKエステルA−TMPT、新中村化学製)、(KS−TMPTA、化薬サートマー製)、(Laromer TMPTA、BASF製)、(TMPTA−N、ダイセルUCB製)、(ブレンマーATT、日本油脂製)、(ニューフロンティアTMPT、第一工業製薬製)、(フォトマー4006、サンノプコ製)
(カヤラッドTHE−330、日本化薬製)
(SR−415、化薬サートマー製)、(SR−454、化薬サートマー製)、(SR−499、化薬サートマー製)、(SR−502、化薬サートマー製)、(SR−9035、化薬サートマー製)、(ニューフロンティアTMP−3、第一工業製薬製)、(ニューフロンティアTMP−15、第一工業製薬製)、(ライトアクリレートTMP−30EO−A、共栄社化学製)、(ライトアクリレートTMP−6EO−3A、共栄社化学製)、(LUMICURE ETA−300、大日本インキ化学製)、(アロニックスM−350、東亞合成製)、(アロニックスM−360、東亞合成製)、(ビスコート#360、大阪有機化学製)、(フォトマー4149、サンノプコ製)、(Laromer LR8863、BASF製)、(EB−160、ダイセルUCB製)、(ダイヤビームUK−4153、三菱レイヨン製)
(SR−492、化薬サートマー製)、(フォトマー4072、サンノプコ製)、(アロニックスM−310、東亞合成製)、(アロニックスM−320、東亞合成製)、(ニューフロンティアTMP−3P、第一工業製薬製)、(ニューフロンティアTMP−2P、第一工業製薬製)
(NKエステルTMPT、新中村化学製)、(アクリルエステルTMP、三菱レイヨン製)、ライトエステルTMP、共栄社化学製)、(ブレンマーPTT、日本油脂製)、(SR−350、化薬サートマー製)、(ニューフロンティアNFバイソマーTMPTMA、第一工業製薬製)、(LUMICURE TMM−300、大日本インキ化学製)、、(TMPTMA、ダイセルUCB製)
(カヤラッドTPA−320、日本化薬製)、(カヤラッドTPA−330、日本化薬製)
これらのラジカル重合性官能基の中では特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。また、電荷輸送性構造としてはトリアリールアミン構造が効果が高い。さらに、下記一般式(1)又は(2)の構造で示される化合物を用いた場合、感度、残留電位等の電気的特性が良好に持続される。
前記一般式(1)、(2)において、R1の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘプチロキシ基、ヘキシロキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。
置換若しくは未置換のAr3、Ar4はアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
また、前記Ar3、Ar4で表わされるアリール基は例えば以下に示すような置換基を有してもよい。
(2)アルキル基、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR2)であり、R2は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基又はアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)
(式中、R3及びR4は各々独立に水素原子、前記(2)で定義したアルキル基、又はアリール基を表わし、アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらはC1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。R3及びR4は共同で環を形成してもよい)で表わされる基が挙げられ、具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等が挙げられる。
前記X(=X1、X2)は単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
ビニレン基は、
(式中、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表わし、Rb、Rcは炭素数1〜6のアルキル基を表わし、複数の場合は異なっても良く、s、tは0〜3の整数を表わし、Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、
熱重合開始剤としては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルベルオキサイド、t−ブチルヒドロベルオキサイド、クメンヒドロベルオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸などのアゾ系開始剤が挙げられる。
これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100重量部に対し、0.5〜40重量部、好ましくは1〜20重量部である。
本発明に用いられる電子写真感光体を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体上に、電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する感光層が設けられた単層構造の感光体である。架橋表面層が感光層全体の場合を示したのが図1−Aであり、架橋表面層が感光層の表面部分である場合を示したのが図1−Bである。
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状若しくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
次に感光層について説明する。感光層は積層構造でも単層構造でもよい。
積層構造の場合には、感光層は電荷発生機能を有する電荷発生層と電荷輸送機能を有する電荷輸送層とから構成される。また、単層構造の場合には、感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。
以下、積層構造の感光層及び単層構造の感光層のそれぞれについて述べる。
(1)電荷発生層について
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
電荷発生層に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
電荷輸送層は電荷輸送機能を有する層で、本発明の電荷輸送性構造を有する架橋表面層は電荷輸送層として有用に用いられる。架橋表面層が電荷輸送層の全体である場合、前述の架橋表面層作製方法に記載したように電荷発生層上に本発明のラジカル重合性組成物(一般式(A)で示される電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーおよび電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物;以下同じ)を含有する塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋表面層が形成される。このとき、架橋表面層の膜厚は、10〜30μm、好ましくは10〜25μmである。10μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、30μmより厚いと硬化時の体積収縮により下層との剥離が生じやすくなる。
電荷輸送層の下層部分に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層の下層部分の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。
単層構造の感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層で、本発明の電荷輸送性構造を有する架橋表面層は電荷発生機能を有する電荷発生物質を含有させることにより、単層構造の感光層として有用に用いられる。上記の電荷発生層のキャスティング形成方法に記載したように、電荷発生物質をラジカル重合性組成物を含有する塗工液と共に分散し、導電性支持体上に塗布、必要に応じて乾燥後、外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋表面層が形成される。なお、電荷発生物質はあらかじめ溶媒と共に分散した液を本架橋表面層用塗工液に加えてもよい。このとき、架橋表面層の膜厚は、10〜30μm、好ましくは10〜25μmである。10μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、30μmより厚いと硬化時の体積収縮により導電性基体又は下引き層との剥離が生じやすくなる。
本発明の感光体においては、架橋表面層が感光層の表面部分となる場合、架橋表面層と下層感光層との間に中間層を設けることが可能である。この中間層はラジカル重合性組成物を含有する最表面層中に下部感光層組成物の混入により生ずる、硬化反応の阻害や架橋表面層の凹凸を防止する。また、下層の感光層と表面架橋層の接着性を向上させることも可能である。
本発明の感光体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、架橋表面層、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオープロピオネート)など。
トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリ(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2―エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、トリス(2,4、ジーt−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,ジーt―ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジーt−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4−ジーt−ブチルフェニル)4,4‘−ビフェニレンージーホスホナイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、ジフェニルハイドロゲンホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、水添ビスフェノールA・ペンタエリスリトールホスファイトポリマーなど。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量%であることが好ましい。
次に図面に基づいて本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置を詳しく説明する。
本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置とは、本発明の電子写真感光体、例えば平滑で低表面エネルギー性を有する電荷輸送性架橋表面層を有する感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニングというプロセスよりなる(又は手段を有する)画像形成方法ならびに画像形成装置である。
この画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。プロセスカートリッジの一例を図4に示す。
本発明における電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば特許第3164426号公報記載の方法にて合成される。また、下記にこの一例を示す。
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式A)113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間で滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5リットルを加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして下記構造式Bの白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た。融点は64.0〜66.0℃である。
表2に元素分析値を示す(単位は%)。
上記(1)で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式B)82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4g,水:100ml)を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃で3時間撹拌し反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして例示化合物No.54の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た。融点は117.5〜119.0℃である。
表3に元素分析値を示す(単位は%)。
アルミニウムシリンダー上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工によって順次塗布、乾燥し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、23μmの電荷輸送層を形成した。
・アルキッド樹脂:
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製) 6部
・メラミン樹脂:
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製) 4部
・酸化チタン: 40部
・メチルエチルケトン: 50部
・下記構造のビスアゾ顔料: 2.5部
・ビスフェノールZ型ポリカーボネート:
(パンライトTS−2050、帝人化成製) 10部
・下記構造式の電荷輸送物質: 7部
・電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー: 95部
(KAYARAD D−310、日本化薬製) 47.5部
(ABE−300、新中村化学工業製) 47.5部
例示化合物No.54
・光重合開始剤
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン:
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) 10部
・テトラヒドロフラン: 1200部
実施例1において架橋表面層塗工液に含有された電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを下記のものに変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
(1)アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート:
(KAYARAD D−320、日本化薬製) 47.5部
実施例1において架橋表面層塗工液に含有された電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを下記のものに変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
(1)アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート:
(KAYARAD D−330、日本化薬製) 47.5部
実施例1において架橋表面層塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマーを下記のものに変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
・電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー: 95部
(1)トリメチロールプロパントリアクリレート:
(TMPTA、東京化成製) 47.5部
実施例1において架橋表面層塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマーを下記のものに変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
・電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー: 95部
(1)トリメチロールプロパントリアクリレート:
(TMPTA、東京化成製) 47.5部
実施例4において架橋表面層塗工液に含有される2種の電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマーの比率を下記のものに変更した以外は全て実施例4と同様にして電子写真感光体を作成した。
・電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー: 95部
(1)トリメチロールプロパントリアクリレート:
(TMPTA、東京化成製) 85.5部
(2)エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート:
(A―BPE−4、新中村化学工業製) 9.5部
実施例4において架橋表面層塗工液に含有される2種の電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマーの比率を下記のものに変更した以外は全て実施例4と同様にして電子写真感光体を作成した。
・電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー: 95部
(1)トリメチロールプロパントリアクリレート:
(TMPTA、東京化成製) 66.5部
(2)エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート:
(A―BPE−4、新中村化学工業製) 28.5部
実施例4において架橋表面層塗工液に含有される2種の電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマーの比率を下記のものに変更した以外は全て実施例4と同様にして電子写真感光体を作成した。
・電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー: 95部
(1)トリメチロールプロパントリアクリレート:
(TMPTA、東京化成製) 28.5部
(2)エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート:
(A―BPE−4、新中村化学工業製) 66.5部
実施例4において架橋表面層塗工液に含有される2種の電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマーの比率を下記のものに変更した以外は全て実施例4と同様にして電子写真感光体を作成した。
・電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー: 95部
(1)トリメチロールプロパントリアクリレート:
(TMPTA、東京化成製) 9.5部
(2)エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート:
(A―BPE−4、新中村化学工業製) 85.5部
実施例1において架橋表面層塗工液に含有された電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を例示No.16に変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例1において架橋表面層塗工液に含有された電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を例示No.24に変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例1において架橋表面層塗工液を下記のものに変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
◎架橋表面層塗工液
・電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー: 90部
(1)カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:
(KAYARAD D−310、日本化薬製) 45部
例示化合物No.54
・光重合開始剤
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン:
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) 20部
・テトラヒドロフラン: 90部
・フィラー微粒子
アルミナフィラー:
(AA03、住友化学製) 20部
実施例1において電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを無添加とした以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例1において架橋表面層塗工液に含有された電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを下記の材料とした以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
・電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー: 95部
(1)ネオペンチルグリコールジアクリレート:
(KAYARAD NPGDA、日本化薬製) 47.5部
実施例1において架橋表面層塗工液に含有された電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを下記の材料とした以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
・電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー: 95部
(1)ネオペンチルグリコールジアクリレート:
(KAYARAD NPGDA、日本化薬製) 47.5部
実施例1において架橋表面層塗工液に含有された電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物を無添加とした以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例1において架橋表面層塗工液に含有された電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を下記の材料に変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
下記構造式の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物: 95部
実施例1において架橋表面層塗工液に含有された電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を下記の材料に変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
・下記構造式の電荷輸送物質: 95部
実施例1において架橋表面層を設けず、電荷輸送層の膜厚を27μmとした以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例1において架橋表面層塗工液に含有された電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを下記のものに変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
・電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー: 95部
(1)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:
(KAYARAD DPHA、日本化薬製) 47.5部
実施例12において架橋表面層塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマーを下記のものに変更した以外は全て実施例12と同様にして電子写真感光体を作成した。
・電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー: 95部
(1)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:
(KAYARAD DPHA、日本化薬製) 47.5部
また表5、6から架橋表面層に一般式(A)で表わされる電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成される電子写真感光体において高温高湿および低温低湿環境下において安定な感光体特性が得られていることがわかる。この結果、環境への耐性の強化が実現され、かつ長期に亘る耐摩耗性の向上と高画質画像出力の維持が達成されていることがわかる。
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
101 感光体
102 帯電装置
103 露光
104 現像装置
105 転写体
106 転写装置
107 クリーニングブレード
Claims (10)
- 導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層の表面層が少なくとも下記一般式(A)又は(B)で示され電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、一般式(C)又は(D)で示され電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されたものであることを特徴とする電子写真感光体。
- 前記電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物は、その有する官能基が、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物は電荷輸送構造として、トリアリールアミン構造を有するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物が、下記一般式(1)又は(2)の一種以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記表面層を硬化する硬化手段が加熱又は光エネルギー照射手段であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が支持体側から電荷発生層、電荷輸送層、架橋表面層の積層構成であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段とを有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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