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JP2006063909A - カスケード装置 - Google Patents

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JP2006063909A
JP2006063909A JP2004248594A JP2004248594A JP2006063909A JP 2006063909 A JP2006063909 A JP 2006063909A JP 2004248594 A JP2004248594 A JP 2004248594A JP 2004248594 A JP2004248594 A JP 2004248594A JP 2006063909 A JP2006063909 A JP 2006063909A
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JP
Japan
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impeller
stator
chamber
fixed shaft
cascade pump
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Application number
JP2004248594A
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Inventor
Masao Furukawa
正夫 古川
Takahiro Yabe
高宏 矢部
Noboru Takahashi
昇 高橋
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Japan Aerospace Exploration Agency JAXA
Teikoku Electric Mfg Co Ltd
Original Assignee
Japan Aerospace Exploration Agency JAXA
Teikoku Electric Mfg Co Ltd
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Abstract

【課題】 部品点数が少なく、簡単な構造の小型、平板型のカスケードポンプを提供する。
【解決手段】 小型平板型カスケードポンプは、流体の吸入用パイプ(17)と吐出用パイプ(18)とに連結され、これらのパイプに連通するインペラ室(42)を有し、中央部に円柱形の固定シャフト(41)が形成された平板型ケーシングと、ケーシングのインペラ室に固定シャフトの周りに回転自在に配置され、外周部に流体を送るための複数のブレードを有し、円板状の磁石を有する円板状のインペラ(30)と、ケーシングの一方の面に沿って配置され、インペラに回転力を与えるため、インペラの回転軸と垂直方向の面に沿って薄板状に巻回された複数のステータコイル(53)を有する円板状のステータ(50)とを備え、吸入ポート(13)から流体を吸入し、吐出ポート(14)から流体を吐出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、宇宙機の熱制御システムを始めとして、医療用機器の輸液装置、電子機器の冷却装置等に使用できる小型平板型カスケードポンプに関する。
人工衛星、宇宙ステーション等の宇宙機には、搭載電子機器等からの発熱を冷却するため熱制御システムが用いられている。発熱の大きい宇宙機の熱制御システムには、機械的な流体駆動源としてメカニカルポンプを使用する必要がある。一般に、メカニカルポンプは部品点数が多い。
宇宙機で用いられるポンプ装置は、小型軽量のものが望まれている。宇宙機で用いられる機器は、部品の交換が困難であり、高い耐久性が要求される。このような機器に用いられるメカニカルポンプは故障を少なくし、メンテナンスを容易にするため、部品点数を減らし、構造を簡単にする必要がある。また、潤滑剤が不要な構造が望まれる。
また、高密度集積回路を搭載するコンピュータのような高発熱電子機器や燃料電池等の小型エネルギー機器においても、放熱は重要な問題である。現状のコンピュータ等の放熱はヒートシンク、冷却ファン等によるが、サイズ、ファン騒音等の問題がある。今後高集積化、高密度化に伴い、機器の放熱量が増大することが予想される。そのため、水冷却方式の放熱システムの採用が期待され、小型、平板型のポンプ装置の要望がある。
更にまた、医療分野における人工透析器や人工心臓へ等に使用される輸液ポンプ等の輸液装置にも、小型、平板型のポンプの要望がある。
従来の冷媒駆動源となる機械的なポンプ装置としては、特許文献1に記載された円筒形のラジアルタイプのモータ(ステータがロータを外囲する)を使用したギアポンプが知られている。このポンプは、ハウジングと、ハウジング内に設けられたシャフトと、シャフトを回転自在に支持する滑り軸受と、ロータ及びステータを有する駆動手段と、シャフトに連結され流体を吐出するためのギア組立体とを含む。このポンプは、駆動手段によりギア組立体のインナギアとアウタギアを回転させ、インナギアとアウタギアとの間に、流体を移動させ、吸入ポートから吸入した流体を吐出ポートから吐出することができる。
しかし、この従来のラジアルタイプのモータを使用したポンプは、円筒形の部材の内部に、アウタギア及びインナギアと、駆動手段のロータとを軸方向に配列し、ロータを外囲するようにステータを設けている。そのため、全体が円筒形で、小型化および平板化が困難であるという欠点があった。
本発明者らは、これらの問題を解決するため、平板型のポンプを開発した(特願2003−352378号)。このポンプは、円板状のケーシング内に、アウタギア及びインナギアと、円板状のロータを設け、ケーシングの面に沿って円板状のステータを設けたものである。しかし、このポンプは、部品点数が多かった。
ギア組立体を用いずに簡単な構造で液送できる小型、平板型のポンプが望まれていた。
特開2002-276658号
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、部品点数が少なく、簡単な構造の小型、平板型のカスケードポンプを提供することである。
本発明の他の目的は、潤滑剤が不要の軸受構造を備えるカスケードポンプを提供することである。
本発明の他の目的は、耐圧性能の高い薄型のカスケードポンプを提供することである。
本発明は1態様において、小型平板型カスケードポンプに関する。このポンプは、流体の吸入ポートと吐出ポートと、これらのポートに連通するインペラ室を有し、中央部に円柱形の固定シャフトが形成された平板型ケーシング、
前記ケーシングの前記インペラ室に前記固定シャフトの周りに回転自在に配置され、外周部に流体を送るための複数のブレードを有し、一方の面に沿って円板状の磁石を有する円板状のインペラ、及び
前記ケーシングの一方の面に沿って配置され、前記インペラに回転力を与えるため、前記インペラの回転軸と垂直方向の面に沿って薄板状に巻回された複数のステータコイルを有する円板状のステータ、を備え、
前記吸入ポートから流体を吸入し、前記吐出ポートから流体を吐出する。
これにより、インペラは、ステータにより回転させられて、液送することができるので、部品点数が少なく、簡単な構造の小型平板型カスケードポンプを得ることができる。
固定シャフトの周りにインペラが回転するという機構により、円滑に回転力を伝達することができる。
前記ケーシングは、前記吸入ポートと前記吐出ポートとを有する上蓋と、
前記上蓋に密着して配置され、一方の面に前記インペラを回転自在に収容するため凹状の前記インペラ室が形成され、前記インペラ室の中央部に前記インペラの回転軸を軸とする前記固定シャフトが形成され、前記インペラ室と反対側の面に前記ステータを収容するステータ室が形成されたフレームとを備えることが好ましい。
上蓋に、吸入ポートと吐出ポートとを設けることにより、ケーシング内の流体の流路が単純になり、構造が簡単になり、部品点数を減らすことができる。
前記固定シャフトの先端部は、前記上蓋に形成された凹部と勘合することが好ましい。固定シャフトをフレームと一体に設けることにより、固定シャフトを確実に固定し、部品点数を減らすことができる。
前記ステータ室は、前記ステータの個々のステータコイルを個別に収容するように区画壁により区分されていることが好ましい。
インペラとステータとの間のケーシング部分は、区画壁により補強されるので、インペラとステータとの間の肉厚を薄くして、インペラとステータとの間の距離を短くしても高い耐圧性能を得ることができる。従って、モータ効率を高くすることができる。
前記ステータが取付けられた円板状の下蓋を有しており、前記ステータ室の中央部には突状の中央部下面が形成されており、前記中央部下面が前記下蓋の中央部に当接し、これによって前記フレームの変位を規制していることが好ましい。
これにより、耐圧強度を高めることができる。
前記インペラのインペラ基板の少なくとも前記固定シャフトに接触する部分は、アモルファスカーボン(以下、「AC」という)でできていることが好ましい。ACからなるベアリングにより、簡単な構造でシャフトの円滑な回転を行うことができる。
シリコン製又はフッ素系エラストマー樹脂製のOリングを用いて、前記ケーシングの部材間を密封することが好ましい。これにより、Oリングの劣化とそれに伴う流体の漏洩とを防止することができる。
前記ケーシングの部材は、銅を含有しないニッケル系の材料、又は銅を含有しないチタン系の材料で出来ていることが好ましい。これにより、アンモニア等の腐食性の強い流体を使用しても、ケーシングの材料の腐食を防止し、小型、薄型でも内圧に耐えることができる。
本発明により、ステータによりインペラが回転させられて液送することができるので、部品点数が少なく、簡単な構造で信頼性の高い小型平板型カスケードポンプを得ることができる。
固定シャフトの周りに円板状のインペラが回転するという機構により、簡単な構造で円滑に回転力を伝達することができる。
インペラにアモルファスカーボンを使用することにより、潤滑剤が不要の軸受構造を備えるカスケードポンプを得ることができる。
また、ステータ室を区画する区画壁は梁構造として作用し、更に下蓋により補強されるので、インペラとステータとの間のケーシング部分の肉厚を薄くしても耐圧性能を保持することができる。そのため、モータ効率と耐圧性能を高く保持したままポンプを更に薄型化することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態によるカスケードポンプの断面図であり、図2は図1のカスケードポンプの上面図であり、図3は図1のカスケードポンプの上蓋を外した状態の上面図である。図4は、カスケードポンプの分解斜視図である。なお、本明細書において上とは、図1における上方向をいうものとする。
本発明の実施の形態によるカスケードポンプは、内部に冷媒の流路が形成されるケーシング10を備える。ケーシング10は、上蓋11と、フレーム40とを備える。上蓋11には、吸入用パイプ17と、吐出用パイプ18とが接続されている。ケーシング10内には、インペラ30を収容するためのインペラ室42が形成されている。また、フレーム40の中央部から上蓋11まで円柱状の固定シャフト41が延び、固定シャフト41の周りに、円板状のインペラ30が回転可能に設けられる。インペラ30は、円板状の磁石34を有する。
カスケードポンプは、またケーシング10の下側に、インペラ30に回転力を与えるためのステータ50を備える。インペラ30と、ステータ50とにより、モータが構成される。また、ステータの下側に、下蓋55を備える。
上蓋11は、ボルト16によりフレーム40に固定される。下蓋55は、ボルト16によりフレーム40に固定される。
以下、ケーシング10を構成する各部品、その下のステータ50、下蓋55、及びケーシング10内に収容されるインペラ30について、図面を参照して説明する。図5は上蓋11の上面図、図6は図5の6−6線に沿った断面図、図7は上蓋11の下面図である。上蓋11は円板状であり、その軸線はケーシング10の軸線L10と一致する。
上蓋11の上面には、吸入用パイプ17と、吐出用パイプ18とが接続されている。
図示する本発明の実施の形態による上蓋11に接続される吸入用パイプ17と吐出用パイプ18は、上蓋11から上方向に延びるが、吸入用パイプ17と吐出用パイプ18は、上蓋11を出た位置ですぐに方向を変え、上蓋11の面に平行な方向に延びるようにすることもできる。
上蓋11の下面の中心部には、後述する固定シャフト41の上端部を受入れるための凹部12が形成されている。
上蓋11の下面には、円周に沿って一部を除いて、溝部19が形成されている。溝部19の一方の端部には、吸入ポート13が形成され、他方の端部には、吐出ポート14が形成されている。吸入ポート13と吐出ポート14の間の部分には、溝部19は形成されていない。吸入ポート13は、上蓋11の上側まで貫通し、吸入用パイプ17と接続されている。吐出ポート14は、上蓋11の上側まで貫通し、吐出用パイプ18と接続されている。溝部19の吸入ポート13と吐出ポート14につながる部分は、斜面となっている。
上蓋11の外周部には、複数(図示の例では8個所)の通孔15が上面から下面へ貫通している。通孔15の上面に近い部分は径が大ききなり、ここにボルトの頭を受けることができるようになっている。
図8はフレーム40の上面図、図9は図8の9−9線に沿った断面図、図10はフレーム40の下面図である。フレーム40の上側に上蓋11が重ね合わされる。フレーム40の軸線は、ケーシング10の軸線L10と一致している。フレーム40は、全体として円板状である。
フレーム40の上面は、外周部の内側に凹状のインペラ室42が形成されている。インペラ室42の外周部には、外周の一部を除いて、1段低い溝部49が形成されている。溝部49のない部分42aは、外周の半径が少し小さくなっていて、この部分は、吸入ポート13と吐出ポート14の間の部分に対応する。フレーム40の上面の溝部49を囲むように、環状溝43が形成され、ここにOリング29を収容し、上蓋11の下面との間で気密性を確保することができるようになっている。Oリングはシリコン製又はフッ素系エラストマー樹脂製である。
フレーム40の外周部には、ボルトを通すための複数(図示の例では12個所)のネジを切ったネジ孔48が上面から下面へ貫通している。このネジ孔48のうち、8箇所のネジ孔48を使用して上蓋11をネジ止めし、4箇所のネジ孔48を使用して下蓋55をネジ止めすることができる。
インペラ室42の中央部には、円柱形の固定シャフト41が形成されている。カスケードポンプを組立てた状態では、固定シャフト41は、インペラ室42内を延び、先端部は上蓋11の凹部12内に入って固定される。この固定シャフト41の周りを後述するインペラ30が回転可能に支持される。
上蓋11の下面と、フレーム40の内周と上面とにより、インペラ30を収容するためのインペラ室42が形成される。
フレーム40の下面の中央部は、凸状の中央部下面44となり、フレーム40の外周部の下面と同一平面にある。このため、カスケードポンプを組み立てた状態で、フレーム40の中央部下面44は、後述する下蓋55の上面に接する。そのため、下蓋55に支えられるので、高い耐圧能力を得ることができる。
中央部下面44の外側には、ステータの配線部52を受入れるための段部45が形成されている。中央部下面44を取り囲むように、ステータの各ステータコイル53を収容するステータ室46が形成される。ステータ室46は、各ステータコイル53をそれぞれ1つのステータ室46に収容することのできるように、中央部から放射状に延びる区画壁47により区画されている。各々のステータ室46は、1つのステータコイル53を収容することのできる形状と大きさになっている。インペラ室42とステータ室46との間の部分は、比較的肉圧が薄くなっている。
フレーム40は、透磁性の材料で出来ている。
フレーム40は、区画壁47により補強されるので、インペラ室42内部の圧力が高くなっても、フレーム40は変形しにくい。
上蓋11と、フレーム40とによりケーシング10が構成される。この状態で上蓋11の軸線、フレーム40の軸線、ケーシング10の軸線L10と一致している。上蓋11は、フレーム40にボルトにより固定される。下蓋55は、フレーム40にボルトにより固定される。
カスケードポンプ内部には、吸入ポート13から、インペラ室42、吐出ポート14と連なる流路が形成される。
図11は、ステータ50と下蓋55を組合わせた状態の上面図、図12は図11の12−12線に沿った断面図である。ステータ50の上側にフレーム40が重ね合わされる。ステータ50の軸線Lはケーシングの軸線L10と一致している。ステータ50は、円板状の配線部52と、その上の複数のステータコイル53(アーマチャーコイル)とからなる。配線部52からは一方向にリード線54が延びる。ステータコイル53は、図示の例では軸線L10を中心とする同一円周上に等間隔で、相互に隣接して6個設けられている。各々のステータコイル53は、図に示すように下蓋55の面と平行な方向にほぼ台形の形状で複数回巻かれている。各々のステータコイル53の両端部は、引出されて配線部52に接続され、リード線54を通って電源部(図示せず)に接続されている。
カスケードポンプを組み立てた状態では、ステータ50の各ステータコイル53は、フレーム40の下面の区画壁47により区画された各ステータ室46に収容され、配線部52は段部45の内側に入り、下蓋55の上面は、フレーム40の下面に密着する。
ステータ50のステータコイル53に順に電流を流すことにより、インペラ30に回転力を与えることができる。ステータ50に設けるステータコイル53の数は、6個に限定されるものではなく、複数個あれば良い。
下蓋55は、円板状であり、その軸線はケーシング10の軸線と一致する。その外周部には、複数(図示の例では4個所)の通孔56が上面から下面へ貫通している。通孔56にボルトを通し、下蓋55をフレーム40に固定することができる。
次に、ケーシング10内に収容される部材であるインペラ30について説明する。
図13は、インペラ30の上面図、図14は14−14線に沿った断面図、図15は下面図である。インペラ30は、インペラ基板31と、磁石34と、ヨーク34aからなる。インペラ基板31は円板状で中心部に固定シャフト41を受入れるため、上面から下面まで貫通するベアリング部32が形成される。ベアリング部32の内径は固定シャフト41の外形より僅かに大きく、インペラ30は固定シャフト41の周りを回転することができる。
インペラ基板31の上面外周部には、一定間隔で溝状になり、液体を送るためのブレード33が形成されている。
インペラ基板31の下面には、磁石34とヨーク34aを収容するための環形状の磁石収容部が形成される。
インペラ基板31はアモルファスカーボン(AC)で出来ている。又は、インペラ基板31のベアリング部32のみをACとし、他の部分はAC以外の材料で作ることもできる。
インペラ基板31のベアリング部32の周りの下面をインペラ基板31の外周部の下面より若干厚くして、インペラ基板31の外周部の下面がインペラ室42の面に接触しないようにすると、インペラ30はより滑らかに回転する。
磁石34は上下面が平らなドーナツ形であり、円周方向にN極とS極とが交互に形成されている。図示の例ではN極とS極との数はそれぞれ2個である。磁石34は、インペラ基板31の下面の磁石収容部に接着剤等で固定される。磁石34の厚さは、磁石収容部の深さよりわずかに薄くすることが好ましい。こうすると、インペラ30がインペラ室42内で回転するとき、磁石34の下面がインペラ室42の面と接触せず、機械的磨耗を防止することができる。
N極とS極との数は、それぞれ2個に限定されず、4個とすることも出来、複数個であれば良い。
ヨーク34aは、珪素鋼板製であり、磁石34の上面に配置される。ヨーク34aは磁束の発散を押え、コイルからの磁束を集中させる作用をする。そのため、モータ効率を向上させることができる。
カスケードポンプを組み立てた状態では、インペラ30はインペラ室42に収容され、固定シャフト41の外周に回転自在に支持される。溝部49のある部分においては、インペラ30の外径とインペラ室42の内径の差は、一定である。溝部49のない部分42aの内径は、溝部49のある部分の内径より小さくなっていて、インペラ30の外径とインペラ室42の内径の隙間は、僅かである。溝部49のない部分の各端部42b、42cは、それぞれ吸入ポート13と吐出ポート14に対応している。そのため、インペラ30が回転すると、ブレード33により一方の端部42bから他方の端部42cへ液が送られ、吸入ポート13から吐出ポート14へ液送することができる。
カスケードポンプを組立てた状態では、フレーム40の固定シャフト41は上蓋11下面の凹部12に達し、ケーシング10の中央部にしっかり固定される。
インペラ30は、インペラ室42内に固定シャフト41の周りに、回転自在に収容される。
次に本発明の実施の形態によるカスケードポンプの動作について説明する。インペラ30とステータ50によって、駆動手段であるモータが形成される。リード線54からステータ50の配線部52を通してステータコイル53に順に通電すると、ステータコイル53とインペラ30の磁石34との間の磁気作用によりインペラ30に回転力を与える。インペラ30は固定シャフト41の周りを回転駆動され、インペラ30のブレード33の間の間に形成される空間が移動して、送液する。
このようにカスケードポンプを駆動すると、流体は、吸入用パイプ17を通り、吸入ポート13からインペラ室42に入りインペラ30のブレード33により液送されて、吐出ポート14から出て、吐出用パイプ18を通って出ていく。
本発明の実施の形態のカスケードポンプをギアポンプと比較すると、本発明の実施の形態のインペラ30は、ステータ50により回転力を与えられるというロータの役割と、ブレード33により液送するというギア組立体の役割とを果たしている。
また、流体は、インペラ室42内に入り、インペラ室42を満たす。さらに、流体はインペラ30のベアリング部32と固定シャフト41の間の小さい隙間に入る。インペラ基板31はACからなり、流体により潤滑されて、固定シャフト41の周りを円滑に回転することができる。
このように、極めて小さい隙間に、毛細管現象によって、流体(本実施の形態では、液体アンモニア)を侵入させることができる。また、ACを使用した軸受構造は、流体の種類に拘わらず、流体を良好な潤滑剤として利用することができる。従って、液体アンモニア、アルコール系冷媒、化学薬品、水等を流体として使用することができる。従って、カスケードポンプによって、送出すべき流体を潤滑剤として介在させ、円滑なベアリングの回転を達成することができる。本発明の実施の形態では、固定シャフトの周りをインペラが回転するという簡単な構造なので、故障が少なく、メンテナンスを最小限にすることができる。
また、ACは、摩擦係数が小さく、インペラの回転による摩擦熱の発生を抑え、インペラと固定シャフトの熱膨張を防ぐことができる。しかも、摩擦熱が発生しても、ACは熱膨張率が小さいので、ベアリング及び固定シャフトとの隙間の寸法の変化が小さく、安定した回転を維持することができる。又、摩耗度が小さく、長期にわたって円滑で安定した回転を実現することができる。
本発明の実施の形態によるカスケードポンプは、宇宙機の冷却システムのポンプとして用いることができる。また、人工透析器や人工心臓等の医療機器の輸液ポンプとして用いることができる。また、コンピュータ等の発熱の大きい電子機器の冷却装置等のポンプとして使用することもできる。その他、流体を送る様々な技術に適用することができる。流体は、液体アンモニアだけでなく、アルコール系冷媒、化学薬品、水等のさまざまな流体を使用することができる。
本発明の実施の形態によるカスケードポンプの概略断面図。 図1のカスケードポンプの上面図。 図1のカスケードポンプの上蓋を外した状態の上面図。 図1のカスケードポンプの分解斜視図。 上蓋の上面図。 上蓋の6−6線に沿った断面図。 上蓋の下面図。 フレームの上面図。 フレームの9−9線に沿った断面図。 フレームの下面図。 ステータと下蓋を組合わせた状態の上面図。 図11の12−12線に沿った断面図。 インペラの平面図。 図13の14−14線に沿った断面図。 インペラの下面図。
符号の説明
10 ケーシング
11 上蓋
12 凹部
13 吸入ポート
14 吐出ポート
15 通孔
16 ボルト
17 吸入用パイプ
18 吐出用パイプ
19 溝部
29 Oリング
30 インペラ
31 インペラ基板
32 ベアリング部
33 ブレード
34 磁石
34a ヨーク
40 フレーム
41 固定シャフト
42 インペラ室
43 環状溝
44 中央部下面
45 段部
46 ステータ室
47 区画壁
48 ネジ孔
49 溝部
50 ステータ
52 配線部
53 ステータコイル
54 リード線
55 下蓋
56 通孔

Claims (6)

  1. 流体の吸入ポートと吐出ポートと、これらのポートに連通するインペラ室を有し、中央部に円柱形の固定シャフトが形成された平板型ケーシング、
    前記ケーシングの前記インペラ室に前記固定シャフトの周りに回転自在に配置され、外周部に流体を送るための複数のブレードを有し、一方の面に沿って円板状の磁石を有する円板状のインペラ、及び
    前記ケーシングの一方の面に沿って配置され、前記インペラに回転力を与えるため、前記インペラの回転軸と垂直方向の面に沿って薄板状に巻回された複数のステータコイルを有する円板状のステータ、を備え、
    前記吸入ポートから流体を吸入し、前記吐出ポートから流体を吐出することを特徴とする小型平板型カスケードポンプ。
  2. 前記ケーシングは、
    前記吸入ポートと前記吐出ポートとを有する上蓋と、
    前記上蓋に密着して配置され、一方の面に前記インペラを回転自在に収容するため凹状の前記インペラ室が形成され、前記インペラ室の中央部に前記インペラの回転軸を軸とする前記固定シャフトが形成され、前記インペラ室と反対側の面に前記ステータを収容するステータ室が形成されたフレームとを備える請求項1に記載のカスケードポンプ。
  3. 前記固定シャフトの先端部は、前記上蓋に形成された凹部と勘合する請求項2に記載のカスケードポンプ。
  4. 前記ステータ室は、前記ステータの個々のステータコイルを個別に収容するように区画壁により区分されている請求項1乃至3の何れか1項に記載のカスケードポンプ。
  5. 前記ステータが取付けられた円板状の下蓋を有しており、前記ステータ室の中央部には突状の中央部下面が形成されており、前記中央部下面が前記下蓋の中央部に当接し、これによって前記フレームの変位を規制していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のカスケードポンプ。
  6. 前記インペラのインペラ基板の少なくとも前記固定シャフトに接触する部分は、アモルファスカーボンで出来ている請求項1乃至5の何れか1項に記載のカスケードポンプ。
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